水沫 泡。>
「さすがにまだ寒いなぁ」夏になることを未だ待つ水面に、少し気の早い水輪が波立つ。白い裸足を水に遊ばせ、靴を片手に彼はディスコード”クラウド”に話しかけた。最近暑くはなってきたれど水遊びをするにはまだ早かったらしい。プールという巨大なバケツに貯められた水を、クラウドをどこか恨めしそうに見ただろうか。これだけの液体があればきっと能力を存分に扱うことができるんだろう。一体どんな雲を作って、どんな氷を描こうか、想像するだけでも楽しいものだ。「そんなに怒らないで、水遊びはもう少し暖かくなってからにしよう。君も風邪は引きたくないだろう?」傍で頬を膨らませるクラウドに彼はご機嫌取りのための笑顔を向ける。果たしてディスコードが病を患うことなどあるのだろうか、真偽は定かではないがそんな冗談を拗ねる相棒にかけてみる。> Walter (5/11 21:15:04)
Walter=Von=Neumann>
「……哺乳類は陸生動物に進化したにも関わらず何故人間は水棲に退化しようとするのかまるで理解できませんね。」(コツコツとブーツの裏を鳴らしながら彼は君の背後に立つだろう。それからコツン、とプールのタイルに小さな彼サイズの杖を突いてはシルクハットの鍔をぴんっと指ではねて胸を張り、次にこう言葉を続ける。)「初めましてこんにちは、ティータイムにお誂え向きの場所を探して居たのですけれど、此処を借りてもよろしいですか?少年。」(放課後のこの時間にプールの近くにいる生徒はそう多くはない。悲しいかな、この世界のこの学園に在籍する生徒たちはもはやヒーローという活動を甘受した変わり者だらけであり、画して青春を謳う為に水泳部に在籍する様な善良で平凡な少年少女たちがこの学園に今も尚在籍している筈も無く、結果として、放課後のプールサイドはただばかでかい人口水溜り、もしくは小振り過ぎる小さな小さな湖畔も同然である。故に彼の優雅なティータイムにはお誂え向きなのだろう。身長1m、ピンと行儀よく規律した耳も加えれば140cmかそこらだろうか、どちらにしても小振りな黒い毛むくじゃらはおしゃれな背広とハットを身に付けて、風呂敷とティーセットを広げようとしている。)>うたちゃん (5/11 21:48:29)
水沫 泡。>
「あぁ………えっと」いったいどこからツッコミを入れたら良いのだろうか。振り返った彼はその場で足を止めて、クラウドと顔を見合せた。「いいんじゃないかな、今は俺しかいないみたいだし、ここは静かだしね。ティータイムにはもってこいだよ、でもちょっと塩素のにおいが気になるかも。ところで知らなかったんだけどこの学校にはうさぎがいるんだね、あはは、うさぎが喋った……。」一通りペラペラと喋ったあと、やはり受け入れ難い事実に帰結した。許容を愛する彼でさえ受け入れることに戸惑う始末だ。世界はまだまだ広く、こんなにも身近に未知が存在しているのだ。恐ろしいことだ。「ええっと君は、ここの生徒かい?」彼はその場にしゃがむと靴を置いて首をかしげる。能力者にしか見えないディスコードという可能性も考えたが、一人で歩いているのであれば生徒かもしれない。正直それよりもシルクハットを身につけたうさぎが、お茶をするためにプールにやってきて風呂敷を広げている。その光景に興味をひかれてならなかった。> Walter (5/11 22:01:04)
Walter=Von=Neumann>
「如何にも、私は此処の生徒です。元々は諸君らの飼育係なる係員たちに幽閉されていた身ですが、まあ…恨んではいませんよ。人間は自分より弱い物を近くに置く事で安心感を得ようとする弱い生き物ですから。」(そんな言葉を君の疑念に返しながら風呂敷を強いてカチャカチャとテーブルとチェアを組み立ててさらには固形燃料と小さなポットでお湯を沸かし始めている。ぷらんぷらんと組み立て式のガーデンチェアから垂れ下がる足の形は紛う事無きウサギの骨格で在り、本来声帯が無い筈のウサギからやや渋い声が漏れている。ところで、)「……君も如何です?いくら寿命の長い人間とて時間は有限ですから、何もせずにぼんやり過ごすよりも綺麗な物や美味しい物を摂取して思考を巡らせた方が有意義です。あ、耐荷重は75kgですが、君は………大丈夫ですよね。」(実は組み立て式のガーデンチェアはもうひとつある。今は空席だが逆説的にそれは君の席とも言えるだろう。ティーセットも丁度2人分、お湯が沸いたポットから熱湯をティーポットへと移し替え、茶葉の香りが辺りに漂う。塩素の香りはもはや気に成らない程度に此処は優雅な空間へと書き換えられるだろう。) (5/11 22:22:41)
水沫 泡。>
「幽閉って、はは……。じゃあ本当にうさぎなんだ?こう、能力とか……じゃなくて、本当に、うさぎなんだ。」それにしてもよくもまあ、こんなにも皮肉が出てくるものだ。余程人間に恨みがあるのだろうか。「そうだね、俺も紅茶を頂くことにするよ。」彼はうさぎさんの言動に文句は言わない。全てを苦笑いで流すが、中々難しい性格をしている人なのかな、なんて考えるのだ。人ではなくうさぎなのだが。「僕の名前はミナワ ウタだよ。君はなんて名前なんだい?」彼は椅子を用意してもらえるのなら、そっと壊れないように細心の注意を払って腰を下ろすことだろう。彼はもしかして、飼育員につけられた名前をそのまま使っているのだろうか、うちの学校で飼われてたうさぎの名前はなんだったっけか……。正直覚えてないし関心もなかった。そう考えると、籠に幽閉されていたと言っても過言では無いかもしれない。彼は勝手に目の前のうさぎの馴れ初めに心を痛めるのである。> Walter (5/11 22:36:49)
Walter=Von=Neumann>
「ピョンタ。……などと名付けられていましたが、ヴァルター・フォン・ノイマンという名を獲得したのでヴァルター、もしくはノイマンとお呼びください、ヒーロー名はラビ、…まぁ、私の様な身元云々以前のアナウサギにヒーロー名が必要か否かは真偽の余地が有りますが…ウタ、ですか、なるほど。犬はワンと鳴くからわんこ、猫はニャンと鳴くからニャンコ、ウサギは声帯が無いが為にピョンピョン跳ねるからピョンタ、であるにも拘らず人間はギャーギャー鳴くのにギャーコじゃないのは不思議も不思議、摩訶不思議も極まれりですね。」(彼は良く蒸らしてから嗅覚と視覚で紅茶の色と香りを楽しみながら紳士的に丁寧に至極強かにかつ嫋やかに嫌味を吐露してはそれを肴にと云わんばかりにそれをすっと静かに口へと運ぶ。獣臭さを忌み嫌っているせいか彼は自分の身体に振りまいたシトラス系のささやかな香水を少し風に靡かせて君の次の言葉を待つだろう。)「それでぇ……ウタ、ディスコードはあまりに衆目に晒すべきでは無いと私は思いますけれど、その意図は伝わっていますか?」 (5/11 22:58:02)
水沫 泡。>
「普通、ペットの犬や猫が反論してくることなんて無い。それらには人と喋れるだけの知性が備わっていないからね。でもヴァルターさんはそうじゃなかった。君は随分と賢いみたいだ」(言っていることは大概だが、その所作には小さいながらも紳士的なそれを感じる。うさぎがどうして小屋から飛び出してジェントルマンになろうものか、不思議で仕方ながないがそれもまた運命。ということで飲み込むことにしよう。)「……ここは構内だろう?ならここには能力者しかいないし、別にクラウドを外に出してやってもいいんじゃないのかな。それに、理解のない者に彼女の姿は見えないと思うよ。」(理解のない者とは、ディスコードを見るなり警察に通報するような一般人のことを指している。能力者を除けば、彼女の姿は心優しい者にしか見えない。なにか問題があったのだろうか……紅茶を口元まで運び、彼は不思議そうに首を傾げるだろう。彼の言うところのその意図とやらが伝わっていないのだろう。)> Walter (5/11 23:26:54)
Walter=Von=Neumann>
「反論しないからと云って何をしても許されるわけではあるまい。ならば君は氷菓子を齧らないのかと云えばそうではないでしょう。彼らも叫んでいるのだから。」(アイスクリームとI Screamを掛けてふふん、だなんて笑みを零しては君の言葉を聞き届けてからふむ、と鼻を鳴らして紅茶を喉へと流し込み、暫しの沈黙の後に彼は口を開く。)「……人型のディスコード、という事はそれなりに知識があれば攻略性が生まれる。特に点と点を線で繋ぐ事に長けた思考性を有した人種ならきっとそれだけで君というヒーローの対処が思いつくでしょう。タネを自ら明かす手品師はいないでしょう?」(と、まで云って、まだ茶菓子を出して居なかった事に気付いて、懐からアプリコットジャムをビンごとテーブルに置いて、一本の匙でジャムを掬いあげて口に運び、その匙をジャムのビンへと戻して君の方へとビンを押し出す。生憎茶菓子を買い損ねたせいかこれくらいしか紅茶の付け合わせに相応しい物は無かったのだ。スプーンはひとつ、紅茶は2杯、どうしたってこの甘味と酸味のマリアージュを共有する手立てはこれ以外にないだろう。) (5/11 23:44:47)
小室 耕助>
(先程何もできなかった昔の夢をみた。思い出せば口の中が酸っぱく感じて、喉の奥がカラカラに乾いてる。これは、もう一度寝る気分ではないな。休日を惰眠を貪って過ごすのはここらでやめにしておこう。最低限身嗜みを整え、外に出た。正午を少し過ぎ、日差しは真上で自分を照らしている。眩しさに目を細め、日差しから逃げるようにパーカーを羽織って当てもなく彷徨う。流石に日曜の学園内は人気があまりなく、誰もいないなとぼんやり辺りを見渡した)「……ん?えっと、君はひょっとしてカミサマかな?」(視界に移る、細長い耳とシルクハット。それがゆっくりと移動していて、自分の前を横切っていく。……ウサギだ、それもただのウサギではない。二足歩行し人のように服を着ている。カミサマ、シキガミか?少なくとも一般的に考えられるウサギではないことは確かだ。自分は声を聞くことができる。君が人語を解するかどうかわからないが、なんとなく後を追いかけて声をかけて見ることにした) (5/16 00:50:06)
Walter=Von=Neumann>
「ふふ、良くそう云われます。…が、事実そうではない、初めまして、ヴァルター・フォン・ノイマンと申します。哺乳綱ウサギ目ウサギ科アナウサギ属、正真正銘混じりけないただのウサギですよ。ただ、少しばかり諸君らより賢いだけのね。」(かつ、かつ、と杖を付きながら歩いていた彼はまるで聞き慣れたように笑い、そして良い慣れたように応えるだろう。君が見た夢が過去視に近い夢なので在れば、或いは想像できるかもしれない、本物のシキガミ達がどんな目を向けられていたか、そして、君が問うたように、彼にもその目が人知れず向けられていたかもしれないという事に。)「それで……君は?首から下の有るインボルバーであってますか?なんせ初めて見るものですからいやはや珍しい、ところで言語は通じていますか?折角ですし記念写真でも撮りましょうか?丁度今から中庭でティータイムなんです。」(彼はカツン、と杖を一際強く地面について、立ち止まれば君の方を振り向くだろう。確かにその声は彼から発されていた。その、皮肉が交じりに混じったその言葉は、紛れも無く君に向けての言葉の様だ。) (5/16 02:08:41)
小室 耕助>
「混じりっけのないアナウサギか。はは、よくわからないが、確かに私より賢そうだね」(世間的なカミサマとシキガミに対する扱いがどうなのかは想像にかたくない。君はそれらとは違う存在のようだが、先程までの私と同じように同一視するものもいるだろう。……ひょっとしたらそれで怒らせてしまったのかもしれないし、もしかしたら彼の元々の性格が"そういうもの"なのかもしれない)「実はそうなんだ、ああでも大丈夫!この通り会話はできているし撮りたいならいくらでも撮ってくれて構わないさ。お茶会か、いいねぇ……子供用の椅子は必要かな?お茶のお供に野草でも持っていこうか?」(彼なりの会話の仕方なのかもしれない。ここは君の会話のノリに一応乗ってみながら、私はしゃがみ込んで君の目を覗き込む。にっこりと笑みを浮かべ、君に習って君の背の低さとウサギであることに対しての皮肉も添えた。と言ってもあまり言わないことなので君のようなキレや面白さはないかもしれない。しかし私より頭が良いのだから、これくらいの軽口は取り合わずに聞き流してくれるだろう?) (5/16 02:37:29)
Walter=Von=Neumann>
「なるほど、カミサマと云うだけあって人間の死骸から構築されていても人間よりは随分話せるらしい。」(ふん、なんて鼻を鳴らせばまたカツカツと杖を鳴らしながら君を中庭へと誘い出す。それから、数秒歩いた後に “ 嗚呼、それと、社交辞令ですからお気になさらず ” なんて言葉も付け加える“紳士らしさ”も忘れない。生憎ながら今はカメラなんて持っていない、子供用スマホくらいなら持っているかもしれないが、どうも彼の手では扱うのが難しい様だ。彼は中庭に辿り着けばマントの中から組み立て式のガーデンテーブル一式を慣れた手つきで組み立て始める。用意されたそれらはとても小さなおままごとセットの様なものだが、どうやら装飾にはかなり凝っているようだ。)「耐荷重は75kgまでですが、……ベンチの側に移る必要はありませんよね?」(彼はそれらを組み立て終えてはちょこんと収まりよくその椅子の片方に座って紅茶を淹れ始める。今回の紅茶のお供は人型のジンジャークッキ、紅茶セットもクッキーも成長期の少年少女には少々小振りだが彼が拘り抜いて選んだそれらで作り上げられたティータイムが美味しく優雅で有意義である事はきっと間違いないだろう。) (5/16 02:56:41)
小室 耕助>
「まぁ仲良くしてくれ。ああ勿論これは他意のない本心だよ?」(鼻を鳴らす仕草は失礼ながら可愛らしく口元が緩む。これでは皮肉を返してきた上ににやけてくる、相当性格の悪い奴になってしまうじゃないか。しかし君が愛らしい、というのも君とっては皮肉や侮蔑になるだろう。ここは必要以上に言葉を重ねることはやめて、仲良くしようという気持ちだけ伝えておこう。そこからは大人しくついていき、君の準備を待つ。出来上がったお茶会の場はその小ささからおままごとのセットのようでもあり、凝った美しい装飾達を見ていると古い童話の中に迷い込んだような、少しワクワクするような気持ちにさせてくれる)「そうだね、私は結構痩せ気味だし座れると思うよ。いただいても?」(椅子にゆっくりと腰掛け、慣れた手つきで紅茶を淹れる姿を眺める。やはりというか少々小さくはあるものの、淹れられた紅茶は良い香りがする。手を伸ばそうと、思ったが君は礼儀やマナーに厳しそうな印象を受ける。がっつくというなは品がないだろう。手のひらを返して紅茶の方に向けながら、私は君に飲んで構わないかと確認した) (5/16 03:12:32)
Yuri・Annabel>
( 怒られる前には帰ろうと思う。無茶をやってこんなところで死ぬつもりもない。けれどそれはそれとして、何も出来ないままでいるのも、嫌だ。数日前、任務でグレイスと共に訪れた歓楽街の裏通り。ほのくらい夕日を高いビルが遮断し、一足先に夜の帳が降りた通りに。彼女は今、一人きりで立っていた。【探索0回目、その名の通り、様々な娯楽施設が栄える歓楽街の裏通り、もしくは路地裏、その辺りの楽しさの裏側に蔓延る人の負の感情や罪の感情がどっぷりと沈殿した場所である。駆け出しヒーロー達が対処すべきカミサマやガラの悪い人間たちが隠れ住んでいる。絶対に〝1人きりでは探索しない事〟だ。】バレれば怒られてしまうだろう事は分かっている。危険であることも、自己満足でしかないことも。けれどそこには、それがなんだという程の無茶があった。前と同じタバスコ入りの水鉄砲に催涙スプレー、それに加えて1つだけ増えた。……本物の、確かな重みを持った拳銃。相棒は呆れた風に此方を止めにかかっていたが、それを聞き入れられることはなかった。【探索1回目、特段なにも起きなかった…もう少しだけ進もう。】生温い風が足元を撫でる。吹き抜けることの無い淀んだ空気。まとわりつくそれはこの場所らしく、日が落ちても涼やかさを持つことはない。遠くから賑やかな音のみが聞こえる、正しく裏通り、日陰の場。この間と同じ場所なのに、よりいっそう鬱屈とした雰囲気を感じるのは、頼もしいヒーローが居ないからだろうか。【探索2回目、探索2回目、あかないアキカンと遭遇…?】まとわりつく重たい空気を振り払うように、そこら中に散らばったアキカンの中から、比較的綺麗な物を蹴った。カコーーーン────。軽快な音を立てて壁にぶつかった空き缶は、止まることなく此方の足元まで転がってくる。ここら辺にあるものなら、多少凹むなりしていて、こんな綺麗には帰ってこない。そうでなくとも、蹴られた衝撃で歪むなりすることだろう。疑問が浮かび持ち上げてみれば、空気のように軽いそれは蓋が空いていなかった。『 …………2個目、だねぇ……。……きみー、多過ぎないー? 』持ち帰らなくとも……いやでも、これでもカミサマ、放っておくのは気掛かりだ。渋々と空き缶を懐に閉まった。【探索3回目、特段なにも起きなかった…もう少しだけ進もう。】何れ程進んだだろう。なんとなくでここまで大したこともなく進んでしまったものだから、帰るのには手こずりそうな、そんなちょっと奥まで歩みは進んでしまっていた。まとわりついていた空気は、生温いを越して微かな冷気を帯びていた。『 んーーーー………………っそこぉ、隠れているのはお見通しー、だぞー 』不意に何の前触れもなく振り返れば勢いよく、右の建物の影を真っ直ぐに指差しそう口にする。別段、なにか感じ取った訳でもない。あんまりにも静かで、なんだか心細いものだから、ネタで言ってしまった。ただそれだけのこと。自分でも馬鹿らしくって、ちょっぴり笑ってしまう。) (5/16 18:56:46)
Walter=Von=Neumann>
「……コホン、」(君の言葉にうげぇ、なんて気まずそうな顔をした彼は渋々狭い路地の物陰から出てくるだろう。先ほどまで鳴らして居なかった杖をコツン、コツン、と君が指差した反対方向から鳴らしながら。君が振り替える頃にはすんと澄ましたいつもの何の気ない表情に戻っているだろうが、マスクから覗く瞳は単に気まずさを滲ませている事だろう。)「言語体系も文明も気付き上げた秩序ある人間が、それも世界の秩序を守ろうという英雄の卵が、よもやこんなところに ” 一 人 ” でいる筈もありませんから?きっと君とは初めましてなのでしょうどうも初めましてこんばんはお遭い出来て光栄です全くもう本当に素敵な夜ですねこんな夜に一人感傷に浸りながら何も考えずにただ風任せに転がって居たいと思うのもそれはそれで抒情的で素晴らしいク*ったれだと思いますが_____」(彼はすぅっと息を吸い込めば一切の息継ぎもせずに矢継ぎ早にそんな皮肉と言い訳をつらつらと並べ立ててやっと息継ぎをしたかと思えばその続きはさらなる追撃の言葉ではなくただの溜息に成り下がった。)「……一人の紳士として放っておくわけにはいきません。」(溜息を吐き出した後に何かを諦めたようにやれやれと言った声色でそう呟いて、更に君の回答を塞ぐかのように君の次の言葉にやや食い気味にこう付け足すだろう。)「改めまして、こんばんは、“迷子”さん、駆け出しヒーロー、” ラ ビ ” と、申します。帰り道が分かるまでお供しますよ。」(彼がそう応えながら歩み出そうとすると、カチカチ、とまるで何か硬い物が軽くぶつかり合うような音が路地裏の狭い空間に反響し始めるだろう。君がそれに気付けるかは分からないが、少なからず彼は気付きつつもやり過ごそうとそのまま歩みを進める。君が黙って居てくれれば、君が特に大きな音も出さずに居てくれれば、このままやり過ごす事が出来る。今回の彼の目標はあくまで、君と云う“迷子”の人間を此処から早々に連れ帰る事なのだから。) 探索4回目、マンティスと遭遇! https://eliade20.1web.jp/45954/45974.html (5/16 19:54:20)
Yuri・Annabel>
…………………………。 ( 反 対 方 向 。なんの因果か、誰かしら居るところまではあっていたらしい。いやいや、そこまで来たら外れていてくれ、或いは全て当たっているとか。…なんとも言えない気まずさに、振り返るのは躊躇を覚えた。とはいえ咳払いまでされてしまっては、振り返らない訳にもいかない。覚悟を決めて勢いよく、ぐりんっっと風が拭く勢いで 『 う………… 』さぎ?『 わ、わ、わー……………っ!?まぁ………って、まって、まってぇ~……………… 』言葉の濁流がぽこぽこ頬を殴っては、身体を後ろに下がらせていく。ふわっふわで、アンティークなお洋服を着たうさぎさんは可愛さ満点。……である筈なのに、言葉遣いも勢いも、何一つとして容赦なく。厳しい先生に見付かってしまったときのような胃の痛さを思い出す。言葉の防御壁として両手の平を前に出してみたところで、それは一切意味をなさず、待ってと言ってみたところで、言葉が止むようなこともない。容赦の無いふわふわうさぎは、どうやら、ヒーローらしかった。頬っぺたをむにっと摘まんで、引っ張ってみる。…鈍い痛み、どうやら、夢でもないらしい。『 ……………ラビットだからー、ラビー? 』言葉に流され過ぎて、ぐわんぐわんと揺れ動く頭を引き摺って。真っ先に出たのはそんなちょっとした事だった。迷子さん。15歳にもなって得た、不名誉な称号。これでもヒーローだと言い張ったって良かった。なんなら、言い張るべきだったのではないかとも思う。しかしながら、ヒーローらしい行いは何も出来ていなかったし、何より、ヒーローなのに1人でいたのを告げ口されたら、先生に怒られる……!!!!…傍目から見ればそんなこと、でも、こんなことでもぐぅの音を塞ぐには十分だった。というかこの意地悪うさぎ、絶対に分かった上で言っている。そして、ヒーローだと言えばこんな奴がなわけないだろうと嫌味を言われるに違いない。学校で遭遇したとしても同様だろう。そんなコーヒーみたいな苦いのが、言葉を奥に流し込んだ。…………そもそもどうして、うさぎが2足で歩行しているのだろう。シキガミ、やっぱり幻覚?というか……『 ……ラビも駆け出しヒーローならー、一人で来ちゃあ、だめだったんじゃーないのー…? 』 勢いに背中を押されるままに、小学生よりも小さい貴方の後を歩く。まるで鴨々の親子のよう。けれど母鴨の優しさはそこにはなく、有無を言わせぬ圧だけが、子鴨の付いていく理由だった。) (5/16 20:27:27)
Walter=Von=Neumann>
「Rabbi、正しくは師を意味する言葉です。僕が駆け出しでありながらも此処に来たのは迷子の君を守る為です____________ッ」(言い切るが早いかその異変が起こるが早いか、びゅんと風を切る様に後方へと足払いを放つ、君が何の警戒もせずに居るならば上手く転んでくれるだろう。そうすれば、あの鎌に首が刈られる事も無い。脚力は一般人よりはあるはずだ。聴覚も一般人よりは優れているはずだ。問題なのはウェイトの軽さ、軽すぎる彼の体重から放たれた足払いで君が転ぶかどうかはかなり怪しい所だ。)「……こういう輩達から。」(だから彼はダメ押しの一手を打った、手に持っていた杖を細剣の様に鎌の軌道に合わせて対衝突するように突き出す事で杖は切断されようとも多少勢いを殺す事は出来るだろう。ただの迷子ではないのならば、きっとその些細な猶予で地力の回避も出来るだろうと踏んだのだ。もちろん、君が迷子であるはずなんて憶が壱にも在りはしないと彼は気付いているわけだが。)「_____ちなみに迷子さん、" ダ ン ス " は踊れますか?」https://youtu.be/gKlrr6jsPgk (5/16 20:56:39)
Sion・Forsyth>
「(____とある葬儀屋は思考停止を〝嫌〟っている。呪ってはいない。愛してもいない。ただただ、嫌っている。葬儀屋にとって思考停止とは「歩を止める」ことそのものであるから。歩を止めるそれ即ち進むことも、戻ることも____、〝迷う〟ことも、〝導く〟こともできないからだ。)____………、(長くてくだらないくだらない前置きはここまでにしましょう、アナウサギさん。私は、貴方をグラウンドの隅で見つけました。貴方はどうしてそこにいたのでしょう。人間観察なのでしょうか。…いいえ、貴方にとっては。楽園の中で仮初の平穏を楽しむ〝マウス〟なのでしょうか。___そんなことはともかく。足早に貴方に近づき、そして…物置小屋の後ろで、貴方の嗅覚、聴覚をバカにしていると思われるような隠れ方をします。そんな私の心情は____、)」「(____っっっっかっっっっんわぁぁいいいい〜〜〜〜っっっ!!!!!!♡♡♡♡♡)」「(顔にほぼ出ていないだけまだマシというものです。腐っても、いくらヒーローを目指してもただの女子高生。日和見主義、平和ボケだとかそういう物ではなく…ああ、ごめんなさい。前言撤回です、これは一種の思考停止なのかもしれません。だって、だって…もふもふしていて、ふわふわしていて、瞳は桃色でくりくりしていて、背の高いかわいいシルクハットを被っていて……そうです、貴方ならわかっているはずです。これは〝かわいいによる思考停止〟だと。)」 (5/19 20:30:06)
Walter=Von=Neumann>
(アナウサギは自分を呪っていた。彼が手に持っているのは写真だ。それも歪な形に切り抜かれた写真。とても常軌を逸したその写真には無数の気が付いている。それを飼育小屋の中へと入れてやれば小さく喉を鳴らす。) 「……、きゅぃ、……………」 (恐らく誰かが近くに居る事は理解していただろう。けれど、それでも、彼はそうするしかなかった。互いに互いの生活がある。だから、どうしようもない、どうしようもない、なんてその先にあると願って止まない可能性を追い求めない自分を、進むことも、戻ることも、迷うことも、導くこともできない自分の事を、 呪 わ ず に は 居 ら れ な か っ た 。君にはきっと彼の意図なんて読めないのだろう、でも、今はそれでいい。)(人間には人間の世界が在り、彼らには彼らの世界が在る。そして、どちらにも染まり切れない自分の世界はきっと、こんな世界じゃないから、だから、彼は歩みを止めてはならない。それから、ほんの少しだけ飼育小屋を見つめて、ハットを深く被りなおしては君が居る方向へと歩みを進めて君にすれ違う際に小さく呟く。)「………邪魔しちゃいけませんから、話ならあちらで。」(君がもしも彼の真意に気付いてくれるのならば飼育小屋からは彼が鳴らした喉の音と同じように、きゅい、きゅい、と小さく何度も聞こえてくる事だろう。) (5/19 21:05:05)
Sion・Forsyth>
「(____『きゅぃ、』。たった一声、一鳴きでした。けれどそれはウサギのものと呼ぶには優しすぎて、人のものと呼ぶには些か寂しいものでした。…貴方にとって、その二足歩行は…0.7kの知能は、本当にあって良かったのでしょうか。事情を深く知っていれば私はきっとすぐにここを離れていたでしょう。…ああ、でも。私は愚かな愚かな〝人間風情〟ですから。貴方があちら側に残してきたものが、わたしには____、)」「(あちら側に〝遺した〟ものに、見えてしまったのです。)」「(貴方と同じか、それ以上の聴力。それは小さな命の鳴き声を聞き逃しません。すれ違う、その前に。)____あの。…あの子たちは、〝残(遺)して〟いいのですか…?(そっと、貴方の肩に手を添えます。手を握るには、私は人間として完成されてしまっているから。私が貴方の肩に手を添えるその感覚は___、貴方の視界を邪魔し、鼻に留まる蝶のようでしょう。)」 (5/19 21:24:53)
Walter=Von=Neumann>
「……私の家族ではありませんから、それに…私にできる事はこれ以上ありませんから。諸君らの様な、蜘蛛の巣から蝶を助ける事を善行だと思っている愚か者には成りたくないのです。」(彼があそこに残したのは、残したのは、あの子の家族の写真だ。点々と転がる小さな情報を知能だけで紐解いてあの子の家族の写真と体毛を手に入れるのは骨が折れた。未だにシルクハットには木っ端か落ち葉が付いているかもしれない。もしも君が此処から出られるなら、家族の様子を見て来てくれ、とあの子が云っていたのだ。可愛いから飼いたい、そんな思考停止も呪うに値するが、根本としてそれが彼の呪詛の元ではないのは確かだ。あの子を開放してもあの子が家族に会える確率は非常に低い、そして、人間の匂いがこびりついたあの子がまた家族と暮らせる確率はもっと低い。だから、現状維持が正解だと彼は思っていた、思っていた、はずなんだ。けれど、…)「お嬢さん、…SMA_0046_JPN、小さな世界というカミサマが居ますね。もしもこの世界が小さなガラス細工に囲まれているとして、そこから出たら、私達は死んでしまうかもしれないとしましょう、死ななくとも、幸せには絶対に成れないとしましょう。……君は、そのガラス細工を上から眺めている存在です。手元には木槌があるとしましょう。………割りますか?」(彼は歩きながらそのままA棟へと入って行けば君が後方に付いてきているという事を大前提にそんなくだらない例え話を口にするだろう。君達の知能では導き出せる回答なんて限られていると知っているはずなのに、淡々と呟かれたその設問は彼にとって、きっと救いを求めるのにも等しい行為なのだろう。それを君が感じ取れるかはまた別の話だが。) >シオン嬢 (5/19 21:53:24)
Sion・Forsyth>
「(黙って、喉元まで上がってきた胃酸にも似た苦い言葉を飲み込む。そしてそれを繰り返す。知っているでしょう、知能指数が一定以上離れると会話が成り立たないことを。…けれど。〝諸君らの様な、蜘蛛の巣から蝶を助ける事を善行だと思っている愚か者には成りたくないのです。〟)……、(苦味を失った、純粋な思いの言葉は言の葉としての役割を失って吐息として無機質な床に溢れ落ちました。私はみんなとは違う、なんて言っても貴方には「そうありたいだけ」と一蹴されて、何も言えなくなってしまうでしょうから。)」「(その後の小さな問い。私には貴方の意図が読めません。例えその問いに意味が無くても、貴方の力になれると信じてやまずに必死に考えます。手元の木槌、それと小さな世界。割るか、割らないか。___考えた末の答えは。)………不躾な前提崩しをお許しください。私は〝絶対に木槌を持ちません〟。(小さな世界と木槌があったとて、それを割る力があったとて、自分は絶対にそれに手をかけないと言う答えにもならない前提崩しを、貴方に。)」「(私が貴方の事を知らないように、きっと貴方も私の事を知らないのでしょう。真意に気付くかどうか、それは貴方に押し付けます。)___私がもし、手を加える事が許されるのならば…そんな時があったのならば。それはきっと、〝全てが終わった後〟でしょうから。(葬儀屋は葬儀屋だ。命を救うことも奪うこともしない、できない。蜘蛛の巣に捕らえられた蝶はもう手遅れでしょう、ならばせめて弔いを。ひび割れた小さな世界も手遅れでしょう、ならばせめて導きを。貴方が皮肉屋ならば、私も…答えを出さない、貴方の答えも求めない、意見も受け入れるつもりはないという最高の皮肉を。)」 (5/19 22:13:17)
Walter=Von=Neumann>
「……そうですか、」(彼は、その回答に文句を言わなかった。否定できなかった。皮肉なんてもっての他だ。知識と知能だけでは解決できない不条理を目の前に、目に見える範囲でだけ保たれている世界の秩序とやらを、ただ茫然と眺めるほか彼には手段が無いのだ。今もまだ探し続けているはずなのに、やっと二進法を習得した彼の両脚は可能性を見いだせない愚鈍な固定概念にどろりと纏わりつかれて歩むことが出来ずにいた、そう、進むことも、戻る事も、ましてや、迷う事も、導くことも。)「…ちゃんと芸ができたイルカには小魚が与えられるらしいですね。奢りますよ、何が良いです?」(彼は今までの会話をしっかりと脳裏に刻んだ上でタキシードの中から財布を取り出して食堂へと足を運ぶのだ。終わりを見守り、そしてその最期を飾る他、部外者で在り傍観者である自分たちには為す術は無いのかもしれない。感情のままに自身が生きて欲しいと、自身が幸せになって欲しいと、そう願う者の手を引くだけではきっとなんの解決にもならない。寧ろそれでもっと大きな何かが崩れる可能性すらあるのは彼だって知っていた。だから、もはや何が正解かなんて彼には分からないのだ、君達人間を卓越した知能を以てしても、この問題にきっと解を導けない。すっぱりと終わりを告げる様に皮肉を口にしては、食堂のおばちゃんが居るカウンターへと進んでいき、ずりずりずり、と近くの席の椅子を頑張って押してカウンター前へと足場を作ろうとするだろう。)>シオン嬢 (5/19 22:39:30)
Sion・Forsyth>
「『…ちゃんと芸ができたイルカには小魚が与えられるらしいですね。奢りますよ、何が良いです?』………あら。(想定より斜め上の答えでした。ちゃんと答えを出せた、ではなく…ちゃんと芸ができた、と。それは皮肉になりえない可愛い言葉遊びですよ、なんて言葉は今回は飲み込みましょうか。ずりずりと椅子を可愛らしく引き摺り、カウンター前に足場を作る貴方。)……ふふ、っふふふ…奢ってくださるのでしょう、何をリクエストするか、そしてそれをどう使うかは私の自由なのですよね?…まさかまさか、私たち人間の知能を卓越した貴方が「私と同じような前提崩し」は致しませんものね?ではでは____、(くすくすと貴方の可愛らしい姿に笑いを添えて、貴方には次のメニューを有無を言わさずリクエストするだろう。)」「___長ねぎ、青ねぎ、玉ねぎ、ニラ、にんにくなどのネギ類は絶対に入れないように、それと芋類、豆類も無しでお願いします。ああ、一応トマトがいくら熟れていても葉っぱが混入しないように。まあ学校なのでそんなことは無いと思いますが…へ?ああ、そうですね、あとは___(貴方にちら、と目を向ける。貴方の膨大な知識量で有ればわかるのではないですか、私が何を…〝誰の為のリクエストをしているのか〟。さあ、最後のリクエストを聞き入れてくださいな。)」「___個体差はありますが、人参や果物を。…ねぇ、素敵なウサギの紳士様。〝貴方のご友人は何が好みでしたか〟?」 (5/19 22:59:55)
Walter=Von=Neumann>
「…まあ、…あ、追加で紅茶を2つ。」(ただ同じ牢獄で少しばかりの時間を共に過ごしただけの間柄だ。だから、自分には関係ない相手のはずだったのに、色々な事を知れば知るほど、この地球が回る度に、星が光り、視認不可能な程遠い何処かで星がまた一つ潰える度に自分に救えない物の方が多い事を認識してしまう。これならば牢の中で不自由を呪っていた方がまだマシだったかもしれない。知らぬが仏という言葉がある様に、知るべきではなかった事象達が彼の足に絡みついているのは言うまでも無かっただろう。けど、それでも、知ってしまったから、認識できたから、理解できたからこそこの衝動に駆られているのであればそれでも良いと、せめて全てを知った上でその最後に花束を湛えられるこの立場を幸いと思うべきなのだと、君の回答からは導いた。)「……彼はよく、…………タンポポを食べていましたよ。」(君のリクエストを聞いてこの女性は何を考えているのやら、と肩を落とすが、こういうのも悪くない、…悪くないと、思った。それからまらずりずりと椅子を押しながら元の位置へとそれを戻して、カウンターから近い席へと向かえば、君が座るべき位置の椅子をずりり、と引いて、どうぞ、なんてエスコートする。君がその位置に行き、腰を下ろすのと同時にまたずりり、と椅子を押し込んでベストポジションへと君の可愛らしいヒップを導くだろう。)「さて、湿っぽいお話もひと段落しましたし、これから優雅なティータイムというわけですが、…申し遅れました私はヴァルター・フォン・ノイマンと申します。まあ半年もあればお互い視界に入る事もあったでしょう。君の事はなんとお呼びすれば?」>シオン嬢 (5/19 23:40:08)
Sion・Forsyth>
「流石に食堂にたんぽぽは無いですね、後でどこかで摘んで差し上げなければ…(なんて、まじまじと考える素振りを見せるでしょう。花壇のを摘んでしまったら怒られるでしょう、かと言って何度も踏まれたようなものを持っていくのは…だとか。…貴方が万象に足を囚われているのであれば、きっと私は未練に足を囚われているのでしょう。けれど私はそれを一つ一つ導いて、解いていくのです。__私は…勝手に信じているのです。私ができたのだから、貴方様にもそれができると。足を止めるにはまだ早すぎます。けれど、ほんの少し並んで、〝迷う〟くらいは、もうしていいのではないのですか。)」「(貴方が何もなしに人の手など借りたくないというので有れば、このたった数メートルの、お茶会へのエスコートを…貴方から受けた〝導き〟としましょう。)……ああっ、とんでもない。此方こそ申し遅れてしまいました。ごめん遊ばせ。__シオン・フォーサイスと申します。呼び方は…失礼、あまり友人が多い方ではないので…これと言った呼び方はわかりません。___どうしますノイマン様。いっそ「イルカ」とでもお呼びになられますか?(そんな…皮肉と言うにはあまりにも悪意がない、ちょっとした意地悪です。それと、心の中で軽く謝罪を。もちろん、「半年間とてもかわいいもふもふのうさぎさん」と思っていたことに対して、ですよ。)」 (5/20 00:00:24)
のいまん>
「……では、シオン嬢と。この話をするのは君が初めてです。どうぞご内密に。……実は少々君とは話がしたかったのですよ。」(彼はテーブルに運ばれてきたサラダと紅茶に視線を落としてから葉野菜をフォークで刺して口元へと運ぶ。空腹感は満足度を下げる、ただしあくまでそれは刹那的な不幸感を生み出すというだけである。充足感の元に生物は正常に脳を機能させることは言うまでも無く、兎角我々が弱音を零した時に口を塞ぐべきなのは然るべきではあるがどうせ塞ぐのならば質の良い食べ物で塞ぐべきであるというのが彼の持論、小難しくは云ったが要は空腹感のせいで悲観的に成るのだからとりあえず美味しい物でも食べようという話だ。だから、君が選んだこのサラダはベストチョイスと呼べるだろう。むしろこれ以上の選択はきっと無かった。)「……葬儀屋、だそうですね。半年前、セブンス・イクリプスの初日に何人もの人々が死んでしまった。その死者達の葬儀もきっと後を絶たなかったでしょう。その葬儀に君は携わっていましたか?」(もそもそとシュレッダーに紙が吸い込まれていくように葉野菜が彼の口の中へと吸い込まれていくのがひと段落すれば、彼は紅茶を手に取って、その香りを堪能しながらそう質問を投げかけるだろう。君の回答を待ちながら彼は紅茶を口元に口元へと運び音を立てないように上品に味わいながら一口、もう一口と食堂へ人生の彩りを流し込む。そう、これだ。これが無いと一日は始まらないし終わらない、これが無いときっとこのまま悲観的に一生を過ごすところだっただろう。)>シオン嬢 (5/20 00:26:13)
Sion・Forsyth>
「(貴方に視線を向け、至って上品に紅茶を嚥下した。持ち手には指を通さず、啜るような音も立てず。その仕草から、きっと大切に育てられたのだろうと読み取れる。いたって平凡な、けれど少し裕福で、優しい家庭で育てられたのだろうと。___そんな〝普通の高校生だった〟彼女が。)『半年前、セブンス・イクリプスの初日に何人もの人々が死んでしまった。その死者達の葬儀もきっと後を絶たなかったでしょう。その葬儀に君は携わっていましたか?』(あの七日間の後悔を簡単に捨てられるはずが、なかった。ぴく、と肩を揺らし、貴方を見つめる瞳は、静かに震えていた。驚くように、あの日を想い出すように。…以前なら泣き出していた。今だって、貴方が後一つ背中を押せば、私は涙の海に消えてしまうでしょう。)」「……ええ、勿論。(そっと目を閉じました。けれど、はっきり。あの日の109名。名前も知らぬ藪医者。それと、ナックルバスター…いえ、〝ジニー・ヘンドリック〟。)けれど、私に詳しい事情はわかりません。私はここで、自分の身を守るのに必死でしたから。…私が知っているのは、父と兄が教えてくれた事のみです。関わった事、だけなのです。何人見送ったか、何人弔ったか、そこまではわかりません。(〝私は知らない〟と、そう繰り返すように、そう貴方と、私に言い聞かせるように。もし貴方が望むならば、先程貴方が教えてくれた事との等価交換と言うのならば。…善処はしましょう。)」 (5/20 00:49:06)
のいまん>
「そうですか…いいえ、お気になさらず。……此処の生徒も、確か何名か亡くなられましたね。…その中にこの学校の飼育係の女子生徒も居たのだと思います。その方の最期が、知りたかったのです。」(君が応えたその言葉は彼に思考の猶予を与えなかった。ほとんど知らないと同義のその言葉はそれ以上の話種には成らなかった。知らなくても済んで良かったとも心の何処かでは思ってしまっているのだろう。安堵とも落胆ともとれる溜息でふんと鼻を動かしては、サラダにまた手を付け始める。彼が英雄を目指した理由、彼が脱走した理由、彼が人を嫌う理由、彼がrabbi-師-と名乗る理由、彼が人語を理解しようとした理由、それら全てがこの学校の飼育小屋と云うとても小さな空間に溢れるほどに詰まっていた。あの夜、彼もまた何かを失っていたのだろう。それを、彼は取り戻そうとしていた。)「…不躾な質問でしたね、申し訳ありません。でも、シオン嬢、君の口からその言葉が聴けて安心しました。きっと解を導いてしまえば私は足掻く理由を失ってしまう。」(サラダを完食すればふぅ、と一息ついては少しだけ姿勢を整え座り直せば、懐からベルを取り出し、テーブルに置けば、チィンと小気味良い高音を鳴らす。そうすれば自分を可愛がっている食堂の従業員がこだわりクッキーを持ってきてくれるのを知っているから。乾燥ニンジンを刷り込まれて作られた人形型の小さなクッキーと紅茶は思いのほか合うのだ。彼の味覚にとっては魅惑のマリアージュと呼ぶにふさわしい。きっと君の分も運ばれてくるだろう。)>シオン嬢 (5/20 01:15:17)
Sion・Forsyth>
「___いえ、いいえ。本来、私情を挟むのは良いことではありません。貴方様が謝る必要は、ないのです。(貴方の気遣いに、ほんの少し笑みがこぼれました。先ほどまで薄かった紅茶の香りがより芳醇に鼻をくすぐるのを感じる。漸く、心の奥底にあった緊張が解れたのでしょう。そんな穏やかな時間の中で、ひとつだけ。)…ヴァル…いいえ、〝Rabbi様〟。____解は必ずしも一つではありません。ああ、素人の見解です。無視してくださって構いません。けれど貴方様には、「足掻く為に解を導かない」より「進む為に解を導く」ほうが…お似合い《格好いい》ですよ。」「(懐からベルを取り出す可愛らしい貴方にほんの少し頬が緩んでしまったのはさておいて。皮肉屋の貴方がまるで慰めるように、クッキーを用意してくれる。)…ふふ、随分とあの方に気に入られているようですね。…小さなことですし、言うのはあまり良くないかもしれませんが…あちらとこちらの境界線も、悪いことばかりではないのでは?(答えを聞くのを待つように、ありがたくクッキーを頂戴する。さくっとしていて、それでいて滑らかな口当たりの良いクッキー…本当に、本当に小さな幸せかもしれません。それでも、この、貴方にぴったりなクッキーは。___貴方の解を導くのにも、ぴったりだと思うのです。)」 (5/20 01:38:49)
のいまん>
「もちろんそうでしょうとも。……ならばこそ、まだ思考する余地は大いに残されている。それこそ私達の寿命では足らない程に。」(もちろん、解は一つではない。元よりストレスに弱いアナウサギという種族が膨大な無理を押し通して手に入れた人語と人間的な形態は彼の寿命を大いに縮める結果となっただろう。思考できるだけの知能はそれだけのストレスを甘受する余地となり君と話している今この時にすらも刻一刻とすり減っているに違いない。時間に追われて妥協案を提示する事ほど惨めなものは無いが、それでも何も出来ないよりはきっと何倍も良い事は確かだ。だから、頭で理解していたその事象を、君に尋ねる事にした。)「……この方に覚えがもしもありましたら、それか思い出せたらで構いません。彼女の最期を教えてください。君の云う通り、私はきっと進まなければならない。けれど、もしも、その事実が要因となって私が立ち止まってもう動けなくなってしまったのなら、君が責任を持って私の背を押すか、続きを綴ってくださいね。」(彼は最後に懐から生徒名簿の切り抜きを取り出して名前入りの顔写真を渡す。【第0章秘匿行動使用1回目】もちろんこれは他の誰にも告げていない事。ある意味これは信頼の証とも言えるのだろう。さて、至福の時間はもう終わり、私達はまだ進まなければならない。一生掛けても導けるか分からないその解を導き続けなければならない。もしも解けずともその式を誰かが受け継いで、いつか、きっと。)>シオン嬢 (5/20 02:05:50)
Sion・Forsyth>
「____…この子、(写真と、それと名前。それを受け取ってから、言葉に詰まった。それはシオンが最期を知っているからではない。___その女生徒とシオンが、…〝同学年だから〟だ。そしてきっと…あの日、東側にいたシオンは__……)…すみません。最期は、…知らない、のですが…(気まずそうに、と言うよりは…罪悪感、焦燥感、色々な感情をごちゃ混ぜにしたものが、顔に滲む。泣き出さずとも、その表情から貴方ならきっと「何が関わりがあった」事がわかるだろう。)」「…ヴァルターさん。ほんの少し、考える時間をくださいますか?貴方様の背中を押すタイミングと___、私が背中を押す覚悟を決める時間を、私の出せる〝最適解〟で合わせてみせますから。(そうは言えども、私はこの後迷いなく兄と父に連絡をとるでしょう。そして、それが何のためか、言うまでもないのです。結果を、最期を、その後を聞いて……、私は「とある式」の解を導く為に歩みを進めます。……ああ、もう迷いはないはずなのに。どうしてあのお茶会は、紅茶があったのに口が渇いていたのでしょう。)」〆 (5/20 02:24:38)
イイダ アンズ>
______彼女は、変化を呪っている。(先日、彼女は欠席した飼育係の子の代わりを頼まれて飼育小屋へやってきた。彼らの日常、彼らの平常を守るべく餌を与え、掃除をし、寝床を整え、それで終わり。……な、筈であった。それは勿論彼女の日常ではないし、彼女の望んだことではないけれど、それでも彼女の呪う変化を、世界の中のたった一つでも減らすことができたのだから、それは彼女にとってはある種一つの正義であった。)「_____ね、新入り君。」(彼女は今、大きめのモッズコートに身を包み、ゴーグルを目にかけている。自分の素性が分からぬようにと深くフードを被り、その中に手乗りサイズのクーロスを携えて。)(昨日、この飼育小屋に新しい仲間が増えた。まっしろ、黒ぶち、薄いベージュ……、今までいた兎たちの日常に落とされた、真っ茶色のちいさなもふもふ兎。今まで均等に与えられていたスペースはそれの為に分け直され、空気は揺れ、窮屈に平常は気圧される。)「君は、ここに、」(いらない、と思った。邪魔だと思った。君だって今までがあったのに、ココに連れてこられて迷惑だろう。ほかの子達だって、こいつが増えたせいで窮屈だろう。)(“何も起きなければ”、こんなことなかった。そうでしょう。)「だから、だから。」(彼女は小屋の扉に手をかけて、ちいさな茶色に手をばすべく息をのんで____)「…………、きみは、この中に居た、子? ダメだよ、“動いちゃあ”」(___傍に佇む兎の君に気が付いて、そんな忠告を一つ投げかける。君が人語を話せるとも、知能が備わっているとも気が付かぬままに、彼女は伏せた瞳をきみにふい、と合わせる。)「お洋服なんて着せられたのか、可哀想に。ほら、……おいで?」(兎の“常”に、お洋服なんて不要でしょう。おいで、君の常を守ってあげる。なんて、歪んだ正義を彼女はその指先にひたりと這わせ、君をあやすように指をかるく遊ばせて見せた。) (5/20 23:06:12)
Walter=Von=Neumann>
「……あちら。」(やや渋い声は何処からともなく聞こえてくる。…否、きっと君はその声の持ち主を彼であると知りたくなかっただけだ。気付きたくなかっただけだ。そう、考えたくなかっただけだ。君が指を振れようとしたタキシードを着込んだアナウサギはふいと顔を逸らして花壇の方へと顔を向ける。)「…あちらに、沢山蜜があるそうですよ。」(彼の視線を追えばその先には確かに花壇と色とりどりに取り揃えられた花々が並んでいるだろう。しかし、彼の視線を読めるならば、その瞳に映っているのはその花壇と彼の丁度中間で旋回と切り返しを一定間隔で繰り返す蜂の姿だ。)「………蜂はああして8の字に空中で舞いながら仲間に餌の場所を教えているそうです。物質的で表面的な部分から得られる情報は少な過ぎる。言語学とは内包される意味を紐解く学問だと私は認識しています。」(唐突に人語を介し始めた彼は何の脈絡も無く語り、そしてまたも唐突に、)「____________がァ、がァ、がァ、がァ、がァ、がァ、がァ、がァ、…!」(彼は痰が絡んだような引っかかるガラガラ声で濁った奇声を発するだろう、否、それは、言語である。)「……君は表面的な形に囚われ過ぎている様に見えます、 " 師 " としてひとつ、気付きを与えて差し上げましょう、人間。」(何の脈絡も無いその奇声は彼を気狂いにすら映すかもしれない。だが理解できないという事はつまりそういう事だ。そうあるべき形は君の思う通り確かにあるだろう。しかし、そうあるべき所以も考えられなければその行動はきっと意味を為さないのもまた然りという物だ。)>アンちゃん (5/20 23:46:48)
イイダ アンズ>
『……あちら。』 (ぱちくりと、瞬きをひとつ。どこかからか彼女の鼓膜を揺らしたその声は、緩やかに空気にそっと溶け込んでは低く穏やかにそっと響く。暮れなずむ橙にあてられた君のその衣装は鈍く照り、それに目を奪われていれば幽かに動いている君の口元に気が付いた。) 「……へ、」(まさか、まさか。あり得ない、と願いながら君の向く方へ視線を投げれば、音の囁く内容と確かにそれは合致する。)「キミ、は……、」(まじまじと、君の話す内容なんかよりも“人語を話す君”という存在に囚われ、彼女は呆然と君を見やる。確かに、イーコールに侵蝕されて人間らしい体を持たずに人語を話す者は数多い。それにしたって、ここまで完璧に、否、(服を着ている以外は)ありのままに兎の体を成したままというのはきっとなかなかに珍しい。興をひかれれば無意識に姿勢は前傾になり、彼女はそっと顔を君に近寄せる。短絡的に目先を奪われたままに、君の小さな口元が音に合わせて開閉されるのをじいと眺め__) 『____________がァ、がァ、がァ、がァ、がァ、がァ、がァ、がァ、…!』 「……っ、な、ぅ、」(ば、っとその身を引き離し、彼女は慌てて耳に手を当てる。怯えるようにクーロスはフードの裏にひょいと隠れ、髪の隙間からそろりと君を伺っている。)(彼女は訝しむ様に君を見て、それから。……、それから、何でもなかったように、彼女は再び君の体に手を伸ばす。)「……ワタシは、キミを師だとした記憶はないケドなぁ。ワタシは、言語学には精通していないし、する気もない」(『言語学とは内包される意味を紐解く学問だと私は認識しています。』_____だから、なんだというのだ。言語に意味はあるか?否だ。全ては受け入れ手の脳内で構築されるイデアに過ぎない。イデアは揺らめく影のように日々姿、形を変え、全ての変化をその身に宿す。彼女は変化を、その揺らぎの根本を呪い、避け、殺し、また__。)「うーさぎくんは、どうしてこんなの着てるんだ。もふもふが窮屈じゃない?」(ひとりごとのように彼女はそう口ずさみながら、キミの衣服に手を伸ばす。呪いに犯され、蝕まれはじめた辟易し、灯火が揺らぐのを酷く恐れて縮こまる。 意味の無い表層を捨ててしまえば、その深層さえ伝わることはないというのに。) (5/21 00:21:50)
Walter=Von=Neumann>
「カカカカカッ…ええ、そうでしょうとも。君の様に出来の悪い弟を持った記憶は私にもありません…カカカカカッ……言語学は素晴らしいですよ、今まで理解できなかった不規則的な欠片から規則性を導き出してその真意を私達に教えてくれます。…カカカカカッ……」(それは、笑い声などではなかっただろう。まるで喉の奥で石を打ち鳴らしているかのような、硬い何かを小刻みに弾き合わせるような、そんな不気味な音だ。彼にとってはそれは声なのだろう。だが君にとってはただの音だ。笑い声という短絡的な意味すら持たない効果音に過ぎない。気付いているだろうか、君とそして彼を、君が今まさに手を伸ばしていた飼育小屋を、黒い何かがいつの間にか包囲し始めている事に。それは、____________カラスだ。カカッ、と短くまるで彼の効果音を真似る様にカラスたちの群れは鳴き、何かを知らせてくるだろう。それが好意的な物でないことだけはその勢いで理解できるはずだ。そこでようやく気付くはずだ。カラス達が彼の真似をしているのではない。)(__________彼が“群れに語り掛けていた”のだと。)「きゅぃ………、その理由も、 今 に 分 か り ま す 。 」(彼はマントで自身の体毛を身体を隠しながら持ち前の跳躍力で地面を蹴れば、ガシャンと君の頭上を掠める様に跳び、飼育小屋の金網を蹴り更に高く飛び上がるだろう。それを合図にカラス達は一斉に君へ、そして金網の中のウサギたちへと襲い掛かる。ウサギたちは既に彼が小さく鳴らした喉の音を聞いて飼育小屋の奥の方へと非難していたはずだ。君は、この場で何を理解するだろうか。) >アンちゃ (5/21 00:35:43)
イイダ アンズ>
「っ、…………わぁ。」 (彼女に君の真意は伝わらない。君の言葉の受取手は彼女じゃない、どうしようもない世界そのものである。彼女は君に、君の言葉に合わせて柔らかく脳の口を開き、君の言葉を飲み込もうとする意向など示しやしないだろう。) (彼女は胸くそ悪そうに顔をしかめ、周囲に集まり始めたカラスたちを侮蔑したように眺めた。かか、かか。君のけったいなそんな声に呼ばれたのか知らないけれど、誰かの言葉で自分の行動を変えてしまうような能なしが、彼女は嫌いだ。__彼女の呪う変化もまた感情の一つであるから。流動体の如く、だがそれでも水槽の中に留まって、時折彼女の全身を覆い隠す。__頑迷に目を凝らし、彼女は緩やかにその塊を飲み込んだ。) 「……、なに、っ」(彼女はただぼんやりと、飛び上がる君を眺めては息を吐いた。それに合わせて襲いかかるカラスに生理的な恐怖をわずかに示しながら、それでも彼女は、)「ぃ、……っ、」(何も、しなかった。) (頭上から落とされた小石を受けてよろめき、また後頭部を足で勢いよく蹴られたとて、彼女はなにもしなかった。)(__呪いはまた、揺れ、その光源の位置が変わったのならまた都合の良い変化を起こす。__そんな自身の感情さえ、ぐずぐずと呪いながら。その爪が彼女の肌を抉ろうと、彼女はただそれに喘ぎながら、よたよたと飼育小屋に近づき、金網のなかにその身を滑らせていく。)「わた、シのことに、変化は、ない。……し、せかいのことにも、変化は、ない、よ。」(カラスが群がり、小屋の奥の小さな隙間に避難した兎を追い立てているその一点へ、彼女もまた手を伸ばす。)「いいか、都合良く……、相手が、君の言葉に耳を貸すと、思うな。弟子じゃあ、ない。」(そうだろう、なんて小さく嘲り笑いながら彼女の腕はカラスの体躯より幾分か細い。それこそ、兎の逃げ込んだ隙間に差し込める程度には。)「意思あるほうが、待つのは。……、それは、おかしなことだよ、兎くん。」(彼女は手を伸ばし、その中からひときわちいさな茶色の毛玉をひっつかみ、そのまま無防備に小屋の中央へぽん、と放るだろう。__カラスの標的は兎も含まれていた、そうだったよな。) (5/21 01:06:16)
Walter=Von=Neumann>
「__________ッ_____がァあ"ッ!がァあ"ッがァあ"ッがァあ"ッがァあ"ッ!!!」(彼は一際激しく喉が焼け爛れたかの様な声を張って群れを威嚇する。否、それは彼らにとって退避の合図だ。その声を聞いたカラス達は蜘蛛の子を散らす様に、はたまた砂の城が崩れ去る様に散開していく。それらを見届けてはケホッ、と削れた喉の粘膜の違和感に咳を零して君を睨むように見つめる。)「………到底、芯の通った意志とは思えませんね。君のその行いは…変わりたくないと駄々を捏ねて周りを捻じ曲げているだけに見えて仕方ありませんよ。」(小屋の中央で小刻みに震えている彼女を抱き寄せて、きゅぃ、と小さく喉を鳴らしながら優しく抱き締める。怪我は浅い、化膿する心配も、きっと無いだろう。)「そんな我儘を押し付けられて変化を飲み込むしか無かった者達がどれだけ日常を歪められるか、どれだけ想像力に乏しい人間でも、どれだけ共感性に乏しい君でも、理解の余地はあるはずですが、……それともそれすら思考するのを辞めますか?」(彼女をそっと飼育小屋の中へとおろせば懐から乾燥ニンジンパウダーを擦り込んで作られた人型クッキーを彼女の前にそっと置く。彼女、と呼ばれたウサギはやっと落ち着いたのかそれをもそもそぱきぱきと頬張り始めるだろう。)>アンちゃ (5/21 01:29:04)
イイダ アンズ>
「_______はは、」(彼女にとっちゃあ、君の方があんまりに滑稽で馬鹿らしいというに。)「変わりたくなんてない。キミだって、変わりたくないなら、変わらなければいい。キミが“勝手に”、ワタシに合わせて変わったのを、ワタシのせいに、しないでくれるか。」(キミの言葉に彼女は小さな失笑を零しながら、そんな言葉を口にする。それはきっと大衆の前じゃあ賞賛なんてされることのない独善だけれど……、独善の、何が悪いというのだろうね。彼女の幸せも彼女の善も、彼女にしか為し得ないというのに。)(彼女は自身の行動を変えなかった、自身の不変を肯定した。その代わり、世界の……、カラスの行動を、キミの行動を肯定した。やめろと声を荒あげることも、振り払うこともしなかった。彼女の提示した条件の価値は等しいはずだ。自分はこうする、キミも同じように、なんて。ゆるやかな同調圧力はふわりとその力を抜き、輪郭をとかす。)「“飲み込むしかなかった”、」(嗚呼どうしよう、キミはあんまりにおかしいことを言う。被害者感情に酔って相手を悪者にして、自分の悪い境遇を相手のせいにねじ曲げるなんて、ああ、本当にご立派なものだ。)(キミを被害者に、キミを“可哀想”にしているのは、ほかでもないキミだと言うに。)「変化を飲み込むしかなかった……いや、違う筈だ、“考えたら”どうだ。……ほんとうに、飲み込むしかなかったのか? 違うだろう。キミは、飲み込むことを選んだ筈だ。」(皮肉なこと。キミと彼女は悲しいほどに真反対で、恐ろしいほどに似ているの。彼女だって、……彼女だってキミとおなじように、変化を呑まされる苦しみを知っているというのに。)(弱さは、責任の方向をねじ曲げる。かつての彼女が世界に牙を向けていたように、……あらがえない世界に牙を向けたって無駄だと知って、自身に牙を向け、世界を嫌わぬようにと飲み込んだように。)(世界の認識はその当人の頭の中で起きる。それならば、世界を変えるより、自身の認識をねじ曲げた方が、幾分楽だ。そのはず、じゃないのか。)「じゃあキミがワタシにつけたこの傷は、どうしよう。なぁ」(爪やくちばしの抉った皮膚はじわりと血を滲ませ、それをみて彼女は泣きそうな顔でへらりとわらってキミに一歩歩み寄る。)「……、キミは、何をワタシにいいたかったの。」(その声は、迷子のちいさな、女の子のように。) (5/21 01:58:16)
Walter=Von=Neumann>
「___________私が、いつ誰の我儘を ” 飲 み 込 ん だ ” って……?」(嗚呼、それはあまりにも悪手だったのだろう。ひりひりと焦げ付く様な空気はあまりにもヒーローに似つかわしくない。変化を呪う君が発起させた変化はあまりにも、あまりにも汚らわしい物だ。) 「……あまり、怒らせないで頂きたい。歯止めが……利かなくなる。」(この小さな牢獄で何も出来なかった彼が、何を飲み込んだというのだ、何も出来なかった彼が何を飲み込んだというのだ、何を選択したというのだ、何度だって思考した、何度だって、何度も、何度も、そう、何度も何度も、何度も考えた。 " 彼女 " を救う方法を何度も思考したんだ。何度も、何度も、…何度も、何度も、何度も、何度も、君達に出来た筈の事が出来なかった彼が、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、地面から解放され器用に動く腕がある君達に出来る筈だったことを、彼は__)(何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、思考したのだ、重力に縛られ意志を伝える事も出来ないその喉を呪いながら何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、君達には在ったはずの言葉も声帯も無く何が出来るか、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、)(何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、______________________それを、飲み込む事を " 選 ん だ " ?)「どれだけ惨めで矮小な自分を甘やかして足を止めようが地べたを這い蹲ろうと勝手ですが、…そんな汚らわしい価値観で、爛れた役立たずの手で、誰かの足を引っ張るのはおやめなさい。………これは忠告ではありません、…命令です。自分の機嫌を取れずに駄々を捏ねる人間がどれだけ周りの人間にとって不愉快で害悪か、……“考えなくたって分かる事”でしょう。」(式を閉じるにはまだ早い、と判断したのか獣らしく君の口を塞ぐ事はしなかった。きっとこの世の人種の中で彼は君の様な人間が最も嫌いなのだろう。我儘で幼稚で周囲を巻き込みながら癇癪を起して叱られても怒鳴られても自傷の様に喉を枯らして泣き喚く様な"脳"無しが。出来る限り感情を抑えて、ふぅ、ふぅ、と鼻を鳴らしながらどくどくと不愉快な程に脈動する体中の血管に意識を向ける。抑え込んだ憎悪は呪詛とも呼べるだろう。彼はそのまま飼育小屋の金網から出てはタキシードの干し草を払い小さな身体に比例する小さな足でA棟の中へと向かう。君の様に思考を辞めて腐りきった死体に掛けていられる時間は無い。腐敗臭を払うにはいつもより多く茶葉が必要になるだろう。_________彼は、)_____________彼は、思考停止を呪っている。 (5/21 02:30:17)
エレナ・ドラグノフ>
私は、カミサマの調査なりその他ヒーローとしての職務で、組む相手を選ばない。仮に能力が著しく低いなら私が守ってやれば良いし、精神的に不安定なら支えてやろうと思っている。だが___『……やれるのか、貴様は。』それがよりにもよって、ウサギというのは初めてだ。話自体は聞いていた。話すウサギがいること、そしてそれは生徒であること。知っている、知っているのだけど。人気のぱたりと絶えた深夜の住宅街。少しでも住める人を増やそうと詰め込むように建てられたアパート、団地や安宿の集合体、増改築を繰り返して合成獣(キメラ)のように歪な迷宮と化したそこは、昼間や夕暮れくらいならノスタルジーを掻き立てるようなしみじみとする寂れ方をしている。だが、こうした夜更けになると、死に絶えた恐竜が乱立したまま化石になったかのようで不気味極まりなかった。街灯もまばらな黒い町を歩く中で、その姿はあまりにも___すぐ近所から今の今逃げ出したペットみたいに見えていた____やれるのか?と問う。それは、今回の標的が一筋縄ではいかないがためだ。『これは貴様の見た目だけを判断して言っているのではない。今回の相手はそれほど厄介、ということだ。』一娩望坊 よりによってこの萎びた町に現れ、今なおその周辺に身を隠すカミサマの特性は、何よりその速さだ。時速100km、高速道路でしか許されないような速さで接敵し、飛びかかると同時に抱きしめるような形で骨を砕く。だが、攻略法がないわけではない。その証左に、幸いにも襲われたという人は軽傷だった。それはこの入り組んだ集合住宅の群れが、その進路を塞ぐ壁として機能していたからだ。つまり奴は、直線に移動し、急には止まれない。それらを判断した上で____『貴様を守りながら戦うか、そうではないか。それを先に自己申告してくれるなら越したことはない。後から庇いにいけるほど、奴は鈍くないからな。』 (5/22 12:14:21)
Walter=Von=Neumann>
「ふむ、なるほど。……では守ってもらいましょう、奈何せん私は戦闘は専門外でして…ッ、それと、私はヴァルター・フォン・ノイマンと申します。ああ、自己紹介は結構。…君はかなり有名ですからね。我が校1の物理破壊力を誇る怪力の " 魔 女 " 、お会いするのは初めてですが、…道理で。」(彼は自身のタキシードの襟元をくいと整えればじとりと値踏みするように君の身体を見てふむ、と鼻を動かしてそう応えるだろう。けれど、その途中で長い耳はピンと立つだろう。そして自己紹介を挟んでから態勢を低くして、こう続ける。)「……ところで、前方50m、音が反響しにくくて判別が難しいのですが…二足歩行の何かが来ていますね…緩衝材の音じゃない、…裸足です。」(さらに言うならば体重は君と同じか君の方がやや重いくらいだ、とも判別できるはずだが、彼はそこまでは口にしなかった。何とはなしに女性にそんな事を云うべきではないと察したのだろう。) (5/22 12:41:24)
エレナ・ドラグノフ>
『身に余る言われようだ。然るに、今は貴様風に言うなら____最高の破壊力と、最高の頭脳、とでもさしずめ言うわけだ。』やはり、大人にははなりきれないものだ。こういういかにもな「最強チーム」みたいなものは、不謹慎は承知で胸が躍る。『____そうか、であれば貴様、何が専門内に当たる?奴の足を止める何かであれば幸いだが。』時速100kmで走行する人型の怪物。言わばそれは、ライフル弾の速さで飛んでくる断頭台(ギロチン)に等しい。であれば、まともに手を突っ込んで殴り殺すなどナンセンス。まずは対象の足を停めなければ話すら始まらない____『飛び込め!そしてそのまま掴まっていろ!!』両手を開き、どうなるかなどひとまずは考えずに、曖昧な場所に駐車されていた車の後ろに目掛けて飛び出し、回避行動をとる。それは、50m先に対象が居ると聞いたその瞬間からだ。少なくとも、ウサギと人間どちらが頑丈かなど、今更言い表す必要もない。ならば、この場合は彼を庇いながら、迎撃の起点となるプランニングが出るまで一旦走る。少なくとも前方にヤツがいる状態はあまりにも不利で___だが、待たない。人間にとって不利ならカミサマには有利以外の何ものでもない。いつものように彼は走る。抱きつき、人間を砕く感触をいつものように享受するために。位置について、よーいドン! そんな合図があったかのように、死の陣風が吹く___! (5/22 13:15:38)
Walter=Von=Neumann>
「人間の脳が筋肉に圧迫されるなんてどこの書物にも書いてませんでしたけれどね、2度も言わせないでください。私は戦闘に転用できる力なんて持ち合わせていません。あるのはあらゆる種族の言語や意思を読み解く頭脳だけですッ」(君の合図に合わせて、自慢の脚力で飛び退いて、君の胸へと飛び込むだろう。掴まれと言われても女性の身体である以上、彼もその豊満な胸囲にしがみつくことなど出来ず、できる限り君に負担を掛けない様にと君の身体を攀じ登りながら肩の上に落ち着く事だろう。体重はたった15kg、君にとってはもはや無いも等しい筈だろう。足止めの方法ならある、が、それは切り札だ。彼にはこの任務に当たる際にひとつ疑問があった。それは、識別番号IMO_4617_JPNの呼び名である。一娩望坊、一つ、娩む、望む、坊、それはまるで、意思なく人型の何かを圧殺して取り込む化物には似つかわしくない名前であると思うのだ。)「しかし…エレナ嬢、ひとつ、私に考えがあります。君の様な思慮の浅そうな筋肉繊維の塊とタッグだなんて不愉快極まり無い、というのが本音ですが…最高の頭脳と云う言葉に煽てられて聊か今の私は気分が良い。君の破壊力、この頭脳に預けてみませんか?」(風達がその危険性を告げる様に悲鳴を上げる。高速移動するそのバケモノに圧迫されて逃げ道を失い旋風となり周囲へと撒き散らされた気体は悲痛に啼いて、聴覚器官が発達していない君にすらその脅威を告げる。時速100km、否、あくまでそれは統計的な数値に過ぎない。平均化された数値である時速100kmという表記には個体差による差異が表示ているだろう。彼らが想像していた速度よりこの個体の速度は見るからに早い事だろう。そこに居た筈の自分たちを包み圧殺するべくして虚空を掴んだ複数の腕はそのまま空を切り、何を掴むことも出来ないが、彼はその腕の動きにまた違和感を感じ、それが一抹の疑念の解となる。【言語学】、それは意志や真意を読み解く学問である。彼はその動作から一娩望坊が何を“望”んで居たかを導き出す力を持っている。) (5/22 13:44:46)
エレナ・ドラグノフ>
『その本音は、しまっておくのが身のためだぜ。作戦があるなら乗ってやる。だが早いところ思いつけよ_____』つくづく、馬鹿げていると思った。すぐ真隣にある車の扉が風圧で外れかかり、かわされた果ての行き先となった塀はスナック菓子やウエハースより儚く崩れ去っている。それで多少痛みくらい感じてくれていたなら、それほど焦りも抱かなかっただろう。だが、どうやらコンクリートの塊は、障害であっても要害にはならないらしい。足自体は止まっても、引き返す予定ありきで身体を大義そうにこちらに振り向かせる。____つまり、アレの直線に立つのは死と同義だ。上手く壁を使い避けながら時間を稼ぐ、なんて少し前の私は考えていた訳だが、よくも簡単に言ってくれる____!『アレとの追いかけっこは、私でも骨が折れるからな。』二発目。それを食らう前に、塀を腕力で無理やりに登り、路地から駐輪場の屋根に落下する。周りは開けた駐車場も隣接しているが、車やら車止めのフェンスやらで障害物自体はいくらでもある。後先考えていた訳では無いが、高さ。つまり上から下、下から上はやつから逃げるのに効果的_____『な訳ねーな。もしかして、スポーツ番組とか見てんのか。』否。塀を突き破り、失速したとはいえその速さは健在。こちらが屋根から飛び降り、走って引き剥がすより先に、目の前で三走目の準備に入っている。速さに絶対的な差がある以上、後手に回るのは道理だが_____『衝撃に気をつけろよ___』そのまま転がり込むように真下に落下。自転車の荷台の上にあちこちぶつけながら降下する____当然ながらむちゃくちゃに痛い。やめとけば良かったとこころから思えた。だが、ヤツはかなり遠くまで駆け抜けて行ってくれている。ギリギリでかわされたが為に、却って静止が遅れたのだろう。隠れるなりするなら今か____ (5/22 14:17:45)
Walter=Von=Neumann>
「____ッ!?」(この馬鹿はどうして此処まで激しい動きをするのか、その答えは目に見えては居る。それは生き残るためだ、言うまでもない。分かってはいるが、あまりにも粗雑で乱雑で乱暴だな動きに舌を嚙まない様にするので手一杯だ。「愚か者…君と違って私の骨はあまりにも脆い、もっと丁寧に着地はできないのですか…ッ!? とりあえず、これから作戦を云います…っ、服を脱いでください!出来るだけ多く!!」(知識として恐ろしいカミサマである事は理解していたが君程の人間が此処まで翻弄されるとは思っていなかった。というのも、いくらでもやりようはあるがあのカミサマを真の意味で討伐するのであれば手順を踏まなければならないのだ。それを執行するには多少の犠牲を払う必要がある。)「……それから、私が囮に成りますから、そこで動きが止まったら全力で頭を叩き潰してください。______エレナ嬢、君は馬鹿で粗雑で乱暴で阿呆で低能でどうしようもない人間ですが、身体能力だけは信頼しています。レディにこんな事を云うのも憚られますが、………ブチかましてください。」(君が衣服を脱ぎだすのならば、否、君が脱ぎ始めなくとも彼は自らタキシードを脱ぎなにやら小細工を始める。もしも君から衣服を拝借できたのならば君の肩からぴょんと飛び退いて見通しの良い路上へと仁王立ちに成る。そして、作戦を実行するのだ。) (5/22 14:59:50)
エレナ・ドラグノフ>
『出来たら苦労する……かよ。』体に走る鈍痛。受け身をとるまもなく自転車に落下したのだから、そのままアスファルトにぶつかるよりもなんだったら痛みは大きい。それを無理やり起こして__いつの間にやら切れていた額から溢れた血が、重力に従って流れ落ち、青い瞳を染める。『汚すなよ、母さんの遺品なんだから。』服を脱げと言われて、ジャケットを投げ渡した。預けることに不安がなかった訳では無い。このヒーローコスチュームは、裏側に堅牢な繊維を織り込んだ防具でもある。それを離すのは、ただでさえ手が付けられないカミサマに、生身で挑むことになるのと等しい。だがそれ以上に、これは今はもう居ない母が見立ててくれたものだ。傷はつけるなよと無理な相談は承知で付け加えながら____『そうか。なら、頭を砕くのが私の仕事か。』血に濡れた瞳に、紫電が宿る。それは無機質で、無感動に見えるほど冷やかなつぶやきだった。馬鹿だと言われて起こっているわけでもないし、拗ねた訳でもない。この小さな命が囮になると口にするのは、死の覚悟にも等しい。しかし、それでも囮は自分がやる、トドメは刺せと口にする。なら___叶えようと、そう思うのは道理。『無観客試合なのが癪ではあるが……。貴様がその頭で数多のことを導き出すように、私も「色々」やっているというワケだ。』『____任せろ。』瞬間、風が吹いた。踵を返した神が、吹けば飛ぶような体躯の兎に目掛けて全速前進する音である_______ (5/22 15:29:55)
Walter=Von=Neumann>
「たった " 一 " つ…彼女が " 望 " むのは腹を痛めて " 娩 " んだ愛しき " 坊 " やである。……イモンノボウ、もしも僕が導き出した解が正しいのなら、…ッ」(彼は君から受け取ったジャケットを出来るだけ丁寧に丸めては自分の脱いだタキシードの中へと詰める。小さな的である彼を捕まえるのは骨が折れるだろう、草食動物特有の左右への不規則走法によってギリギリで何とか直進特攻を躱して、自身の作った衣服団子に支柱として杖を差し込む。その上にはシルクハットを乗せて、杖を高らかに持ち上げる。それは君の目からはカカシの様に見えるだろう。次の瞬間、カミサマは彼に飛び掛かる。このウサギの姿でも襲い掛かって来るのなら、このカカシにすら襲い掛かっても不思議ではない、ウサギの小さな的を狙うよりも、掲げられたカカシを狙う方が簡単なのは言うまでもない、理性の無いカミサマがそのカカシを狙うのは言うまでもない。そして、……次の瞬間__________________)「 エ レ ナ 嬢 ッ ! ! ! 」(彼は疾走するカミサマに弾き飛ばされるだろう。掴み取られなかっただけまだ生存ルートは残されている。カミサマが掴み取ったのは彼の予測通り二人の衣服で作られたカカシだろう。粗雑に作られたハリボテの“坊や”を愛おしそうに抱き締めたカミサマはその場で動きを止める。メキメキと支柱に使った杖が折れる音、自分があそこに居なくて良かったと心から思いながら、彼は空中に舞いながら大声で叫ぶ。)「 オ ピ ウ ム ……ッ! 」(君に合図を出してすぐにそう呟けば受け身を取りながら地面に転がる彼の身体に無数の矢印が這い回り、全身に到達したその黒い記号は彼の触れている地面にまで伸び、蛇か蟲の様に地面を這いながら一瞬でカミサマの身体へと辿り着き、その全身を這い上がり、文字通り一切動かなくなる。オピウム、そのディスコードの能力は認識した数値の記号を変貌させる事、彼が変換したのは時速100kmを、時速100μへ。つまり、もはや1年間動き続けても1mも移動できない計算となる。) (5/22 16:14:20)
エレナ・ドラグノフ>
ライオンに技は無用だ。何故なら、ライオンは最初から強く、鍛える筋合いもなければ、身体能力で劣る人間が身につけるような技など不要である。反対に、技とは言うなれば身体能力が足りなくても、それと戦えるような一人前の破壊力を出すためにある。こうした中で、起きる疑問。ライオンが技を鍛えちまったらいいじゃん___?『聞こえてるぜ、馬鹿が罠にハマった音がな』答えは「Yes」特異な呼吸と共に囮を抱きしめる一娩望坊の横面に打ち込まれるのは_____あまりにも静寂な、打撃。『安心しろ、「外し」ちゃいない。』自分自身でも、驚くべきことだった。当てる、貫く。当てる、砕く。当てる、吹っ飛ばす。当てる、壊す。当てる、折る。当てる、弾く。血を吐くほどに鍛え上げてきた「力」の、その一歩先が_____柔らかく、響かせる打撃だなんて。2mの巨体が跳ね上がる。技の仕組みを「ストライク」システマによる力の移動を旨とした打撃法。発勁にも近い打撃は____体の奥にまで浸透し、その獅子(ライオン)の筋力から放たれた破壊力を最大、最新、最適、最高率に伝える。技(【システマ】×9)×力【怪力×8】×体格(【190cm/80kg】)=『なあ。こいつ今……どんな夢見てると思う?』破壊力。格闘技最新最古の方程式、完成の時_______!ばき、と命が絶えた音が鳴る。くちゃ、と手首に伝わる感覚と、玩具のようにひっくり返ってアスファルトに叩きつけられたその姿は、誰がどう見ても____決着である。(5/22 16:36:23)
Walter=Von=Neumann>
「……恐らく、…いや、願わくば、息子を抱き締めて眠る、幸福な夢であって欲しいと、私は思います。………君の注文通り、ジャケットは汚れていません。多少杖の破片が付いては居ますが繊維に傷は付かなかったはずです。」(いくら受け身を取ろうとも、時速100kmに轢かれて無傷と云うのは無理があった。人間よりも脆い骨はきっと折れてしまっているのだろう。けれど、一人の紳士として淑女たる君に苦悶の表情は見せまいと足を引きずりながらカミサマの遺体から囮に使ったそれらを引き剥がし、君にジャケットを返すだろう。シルクハットを深く被り、体液に汚れた自分のタキシードを軽く羽織り、その遺体をずりずりと引きずって移動しようとするだろう。)「さて、…私はまだ少しだけやる事が残っていますので、先に帰っててください。」(酷く報われないこの感情は自分の読みが当たってしまった事に起因するだろう。何しろ自分が作ったカカシを、“彼女”はまるで、愛おしそうに抱き締めていた。ずっと、ずっと探し続けていたのだろう、文明崩壊当時からずっと、混乱の最中彼女は実の息子を探し、そのままカミサマに変貌してしまったのだ。イーコールに蝕まれながらも理性も自我も失っても、彼女の中には家族への愛だけが消えなかった。それは幸か不幸か彼女のカミサマとしての原動力になってしまっていた訳だが、何かを愛し、ひたすらにそれを守ろうとしていた彼女には敬意を示すべきだと彼は思ったのだ。だが、この汚れ仕事を女性である君にさせるわけにはいかない。口には出さないが君も容姿が悪い訳じゃないだろう、まだまだ未来もあるだろう。将来伴侶が出来る事も十二分に考えられる。そんな箱入り前の生娘に、カミサマの埋葬なんてさせるわけにはいかないのだ。) (5/22 16:58:34)
エレナ・ドラグノフ>
『そうか。カミサマにも、意思や譲れないものだってあるんだろうな。』受け取ったジャケットを羽織り直し……少し強く袖を握った。息子か、あるいは娘か。それを思う気持ちが、カミサマとなって歪んでしまっても「生きている」。それは何か途方もないことのようで、当たり前なことのようにも思われた。思うところが無いわけじゃない、罪悪感のようなものが無いと言ったら嘘だ。それでも『強いな、「敵」は。』倒すべき敵であるなら____容赦はしない。そんな宣言を、あるいは決意めいたものをするように、独りで呟いた。『やることがある……?』こんな夜更けに? なんて馬鹿な質問が出そうになったが、とどめて『好きにしろ。これは母からの受け売りだが、こうした住宅街を建てる時は、人が住むだけじゃなく、動物を飼う人が当然多くなるからな。"腕のいい医者だけでなく獣医も多くなる" 傾向にあるそうだ。貴様も住処を探す際には参考にしろ。』振り返らず、辱めず。ただ、いきなり話すには不自然な言葉だけ残して歩き始める。『先生には私から言っておく。貴様くらい小さいと夜更けにはぐれても無理はねーだろ。』悪態ではなく、任せたぞ、とそう口にするようで。 (5/22 17:19:58)
Walter=Von=Neumann>
(たった1日の間で彼に何が遭ったのかはきっと誰も語らない、ご多分に漏れず彼自身も、その身体に巻き付けられた包帯と添え木の理由は誰にも口にはしないだろう。手足の骨が折れてしまったせいで清潔感を保つのは一苦労だ、そんな状態で君を呼び出したのは屋上である。あまり他人に聞かれたくない話ではあるし、風通しのいいこの場なら風に掻き消されてそう遠くまで二人の声は遠くには響かないだろう。だからこそ君を此処に呼んだ理由としては十分だが長い階段を上り続けるにはとても対価として相応しくはないとも言える。)「……こんにちは。良かったですね、今日は日差しも温かい。」(屋上にて彼はガーデンテーブルとガーデンチェアを用意し、ちょこんと腰を下ろしていた。椅子はもうひとつ、それは君の席なのだろう。テーブルの上には乾燥ニンジンが練り込まれたクッキーと紅茶のティーセットが用意されている。冷めない様に携帯ランプが置かれ優しい炎がティーポットを温めながら揺れている。)>アン (5/22 17:59:14)
飯田 杏>
(___本当は、来るつもりなどなかった。彼女の冷えた思考にも、彼女とキミが水と油なことは明白だった。きっと決定的な部分で、彼女とキミは食い違う。それをすりあわせるような気概も、そんなことをして得られるようなメリットも、彼女は持ち合わせてはいなかった。)「…………ソーダネ」(良かったですね、なんていうキミの言葉に潰れた返事を適当に投げる。キミの用意した椅子は、キミが先に腰掛けていたせいかおもちゃのセットにも見え、腰掛けるのには幾分勇気が要った。キミの用意したクッキーもその紅茶も、ガーデンテーブルもガーデンチェアも、キミが一人で用意するには幾分骨が折れそうだ。キミが口にしているのを見れば“ウサギ用”のそれにみえる。)「……で、何の用、なの。」(拭いきれない違和感を隠すこともせず、眉をじとりと顰めながら、彼女はカップにそっと手を当ててその温みに心労をうつした。) (5/22 18:15:45)
Walter=Von=Neumann>
「……思考とは答えがあろうと無かろうと必要な事です。故にこの世には哲学があり、さらには思慮を皆求める。とどのつまり解を導き出すというのはあくまで目的達成後の付属特典でしかないのです。何が言いたいかと云うと、考える事は理解しようと努力する事であり何かを確定的にそして固定概念的に縛り付ける者ではありません。私が昨日君にしようとした事は理解ではなかった。……私はもっと考えるべきだったのです、君を理解しようともっと深く思慮と思考と想像と推察する必要があった。それを僕はただの思考停止だと決めつけて君を傷付けて、頭ごなしに否定してしまった。あの場で何も考えられて居なかったのは私の方です…ですから、先日の件、本当に申し訳ありませんでした。」(彼はシルクハットをまだ動く片腕で外しては胸元に抱いて君の表情を見上げた。そう、今回君を此処に呼んだのは謝罪と理解の為だ。言語とは何のために在るか、それは互いを理解する為の物だ。誤解を解く為の物だ。自分はそれを何かを読み解く為にとばかり活用していたせいで本質を見失っていたのかもしれない。)「……それは食堂の従業員が作ってくれたものです。好みは別れるでしょうが、人間も食べられる味ではある様ですよ。どうぞ、召し上がってください。」(見るからに自分に敵意を抱いている様に思える君がわざわざ自分が淹れた紅茶と自分が用意したクッキーを食べてくれるかは分からないが、別段許して欲しいと思っているわけではない、自分の罪を一方的に償いたいわけでもない、ただ理解したいのだ。少なからず理解しようとしたいのだ。しかし奈何せん、彼が言語野を獲得したのはつい最近の事だ、あまりにも経験値が少なすぎるが故にコミュニケーション能力が乏しいのだろう。いくら頭が良かろうとも彼がこの先に紡ぐべき言葉を理解しているとは限らない。人間とは全く違う表情筋を持っている彼の表情を読み取るのは人間の君にはあまりにも難しいだろう。それは今の彼にも言える事だ。人間の人間たる人間らしい表情も感情も性格も心理もそこまで詳しくなんて無いのだ。だからこそ、彼は君と交わす必要がある、悪意や憎悪や呪詛ではなく、単純な “ 言葉 ” を。)>アンちゃ (5/22 19:29:52)
飯田 杏>
「……、ふむ。」(シルクハットが除けられれば、さらりとした頭髪がゆれ、幾分かその耳の付け根が露わになった。人間の耳はなだらかに顔に張り付いて、そこから寄り添うように、また突然変異のような奇妙さをもって曲線を描く。それがどんなふうに機能しているのか、全く想像も出来ない厚みや湾曲を持っていて、それはまるで神様が人間を作ったときに立ったひとつだけアクセントにいれた、例えるなら、そう、キミのその“言語”のような。__まるっこい頭から跳ねるキミの耳は、どうやってそこにそなわっているのか。……なんてふと、気になったのは、ただの気まぐれの筈だ。)(彼女はキミの瞳に視線を返し、またキミと同じように、否、幾分か不器用にその髪をがしがしと掻きながらぽつりと謝罪をくちにした。腰をずり、と椅子に落ち着け、行き場を失った左手を机の上に無為に放る。)「……そう、だね。きっとワタシも、キミの言うみたいに意固地になってた所はある。ワタシも、悪かった。……これで元通り。で、いいね。」(だから、それから。)(理由のない仲直りは存在しない。気に入らなければ視界に入れぬよう相手を自分の世界から消してしまえば良いし、自分のイデアの揺らぎをある程度コントロールしてしまえば良い。とどのつまり俗っぽい言い方をすれば、きっとコレは歩み寄るための……、なかよしこよしの為の会合なのだろう、なんて。)「……条件が、ひとつ。」(会合、なんて厭らしい堅苦しい、見下した言い方さえすれど、それを厭うているわけではない。確かに多少気に入らないところはあるけれど……、それをキミに露わにするには、キミのその怪我を見てしまえば幾分難しいことだった。彼女もまた人だ、昨日のような“自身の正義のための攻撃”以外で誰かが自分のせいで怪我をしたのかもしれない、となれば多少の罪悪感は湧く。多少の柔らかさと申し訳なさ、温みをもった滑らかな音を、零しながら、彼女は三つ、指を立てる。)「……ワタシは、自分のルーティーンを壊されたくないんだ。だから、また今後こういう話し合い……のようなものをするなら、その周期を時間を一定に整えてくれ。それから、……それから、一日に質問は三つまでにしてくれ。いいか、1つでも、4つでもだめだ。必ず、3つ。」(それから、)「ワタシは、飯田、飯田杏。好きに呼んでくれていいが……、態度を変えることは、出来る事ならしないでくれ。」(彼女は一方的にそう条件を提示する。それは、彼女が人と時を過ごすための、日常を変わらずに過ごすための、最低条件なのである。彼女からキミとの交流をもちかけた訳ではない、受け入れられないならばそれまでだ。)(キミが条件を呑んだのなら、彼女は「よろしく。」とだけ言い、クッキーを一つ、くちに放り込むことだろう。) (5/22 19:57:07)
Walter=Von=Neumann>
「ヴァルター・フォン・ノイマン…諸君らで言う処の20代後半という年齢に該当するでしょう。……まず、私は何も考えずに既存の固定概念や集団心理に流される骸の様に生きるのも、そういう人物を視界に入れるのも反吐が出る程に不愉快です。けれど、君の信念は流されるだけの能無しのそれとは違う様に思いました…時間をおいて冷静に考えれば、ですので、やや気付くのに遅れてはしまいましたが。……一つ目の質問についてはそれにしましょう、【君が変化を忌避するに至ったロジカル】を聞きたい。」(君の条件に頷いてから自己紹介を交わして、温かな紅茶へと手を伸ばして口元まで運べばまずはその香りを楽しむようにゆらり、ゆらり、とティーカップを揺らして目を瞑る。落ち着く為に、思考を巡らせるために、やはり紅茶は良い、君との訪問をどの時間にするかは未だ思案の余地が有る。毎日君に会わなければならない理由なんてこちらには無い以上、毎日のように君に時間を割く事はあまりにも徒労だ。故にまずは君と会う日程を固定する前に君と毎日のように顔を合わせる理由が彼には必要だった。) (5/22 20:11:43)
飯田 杏>
『……一つ目の質問についてはそれにしましょう、【君が変化を忌避するに至ったロジカル】を聞きたい。』「……ええと、ね。」(キミの話は簡潔で早い。洗練されたような的確な言葉選び、射貫くようなその在り方はどことなく威圧感もありこそすれ、それでも彼女にとってそれは幾分か心地好かった。なれ合いは嫌いだ。仲良しこよしも友達づきあいも色恋も、変わりうる、感情によって成り立っている関係性はなんだって。徹底的に感情を排除したような、人間のもつ感情をひとつのアイテムとしてみるようなそんな温みのない感覚は、それはきっと大衆のそれにはそぐわないのでしょうけれど、それでも。彼女はいくらか落ち着いたような深い息を零し、紅茶にひとつ口を付けた。)「嫌う理由なんていくらでもある。さっきも言ったけれど生活が他人の変化に影響されるのは気にくわないし、単純に変化で起きること……良いことも悪いことも、ストレスだから。単純に、それに弱いのもあるカモしれない?」(嫌いな所はいくらでもある。否、嫌いだからこそ、嫌いな部分は多く見つけ出せることでしょう。あら探しは皆得意だ、嫌いなものならなおさらに。)(ただ、それはきっとキミの求めている答えとは違うのではないだろうか。ゆるりと視線を湯気に託し、そっと、そっと息を吐く。自分の生きに揺られる湯気に酷い罪悪感を抱き小さく喉をしめながら、彼女はそっと視線を逸らす。)「……ちがうな、ええと。」(答えをひとつ、あらためよう。)「……なんだろうね。疲れた、んじゃないかな。立派な人間じゃあないからね、頑張るよりも諦める方が楽なのさ。世界は変わる、それは還られないし、ワタシはそれにうまく乗っかれなかった。何故か、なんてワタシが知りたいけど、それは大事じゃあないね。……自分の無力感に嘆いて自分を嫌って生きるより、世界を嫌って自分を愛した方が、ワタシは幸せだ……と、思う。ワタシを幸せにするのもワタシを愛するのも、ワタシしかいないからね。」(自分の弱さなんて、さらけ出したくない人間が殆どだろう。彼女だってそうだ。……ただ、君の前では、ちょっぴり違う。キミは彼女を、感情をとして見ないだろう。なんて彼女はたかをくくり、また先日と同じように、彼女はちらりとキミを見る。)「だから、ワタシはキミが馬鹿らしく見える。なんでそこまで頑張ろうとする。自分を呪う。」
「……生きづらく、ないの。」 (5/22 20:41:16)
Walter=Von=Neumann>
「……なるほど。よく覚えて置きます。」(彼は君の回答を聞いてからやっと紅茶に口を付けて、一息ついてからそんな言葉を添えるだろう。理解したか否かではなく、覚えて置く。それはいつかそれを理解できるタイミングが来た時の為に保留にしておくという事。心に留めて理解できる機会を積極的に探すという彼なりの返答である。)「私は、…見ての通り、ただのアナウサギです。だから諸君らの様に器用な真似は出来ませんでした、ほんの数か月前まで。……だからですよ、私にはもう無能なただの動物だったからなんて言い訳が出来ない。君達が半年前、セブンス・イクリプスで何人もの人々を見殺しにしたのを見て、私は諸君らが無能だから誰も救えなかったのだと結論付けました。そうして…自分が救えなかった何かの責任を転嫁して楽になりたかったのでしょう……昨日の君への態度がまさにその一端です。」「しかし、それは言い訳に過ぎない、……私はもう失いたくなんて無いのです。そういう点では君に同意できます。今まで当たり前にそこに在った日常をただ守りたいのですよ。きっと生き易い処世術なんてものは存在しないのでしょう。…私には君の方が生き辛く見えていますから。」(彼はそう応えてはそーっとティーカップを置いて、クッキーへと手を伸ばして口元に運べばポリポリと小刻みに噛み砕きながら構内へと運ぶ。人間と比べれば小さな口では咥内に放り込んで咀嚼するのがどうにも難しいから、やや無作法かもしれないけれど、それでも最低限のマナーとして食べこぼしが殆どない様に気は付けている。君にそこを注意されるとは微塵も想定していないけれど。)>アンち (5/22 20:57:09)
飯田 杏>
『よく覚えておきます。』(屋上の空気は穏やかで、軽い風が肌をなぞる。今日の空気は質が良いらしい、シルクの様な滑らかさがふわりと香り、そっと柔らかく髪を揺らす。猫が蝶に目を奪われるようにふい、と目を空気中に伝わせて空を見た。雲は思っているよりも早くキャンバスを滑っていく。ここから見れば指でなぞれば容易に追いつける早さなのに、それでもその早さはあまりにも圧倒的で、足下がふわりと浮き立つような恐怖がある。あぁ、でもそれでもいいのかもな、なんて思いながら、再びキミに視線を帰した。)(キミの独白は紅茶に溶かす砂糖にはならない。飲み込むには、流し込むにはそれは溶けきらないざらつきを残すし、紅茶の風味を邪魔してしまう。それでも。)「……言い訳、だめなもんかな。」(それでも、そのざらついた食感も、その癖の強い苦みでさえも、甘い紅茶に合わせるには、きっと丁度良いものじゃあないかしら、なんて。)「言い訳、って言えば言い訳だけど、事実を正しく認識できているとも言える。キミは“蟻”じゃあない、“ただのアナウサギ”なんだからさ。」(言葉は、きっとほんの少し残酷で冷たいけれど、二人の関係性なら、これでまぁ。)(__優しくしてやるつもりなんてないし、なかった。ただ、彼女がキミにそんな言葉をかけたのは、きっとキミと彼女の根に横たわるものがきっと似ていたからなせいだ。自分ときっとおなじ、世界に的確に、丁度良く適応できなかった者同士。彼女が塔に諦めたその場所にしがみつこうとするキミを見ているのは何だか馬鹿らしく、また羨ましく、……ほんの少し、自身の悲願を、託したいとも願うから。)「等身大を知りなよ。……とか、ワタシは思うけど、まぁ良いんじゃない。ワタシも多分、低く見積もってる部分はあるし。」(ぽろぽろとキミの小さな口から溢れるクッキーを見て、彼女はポケットティッシュを取り出して机上に、一枚をはさ、と机に広げた。クッキーを3枚とり、その上に載せたなら、彼女はそのうちの一つを軽く割って、そのうちの小さなひとかけらをぽん、と口に入れた。)「ワタシの厭う変化、っていうのはそういうのもあるんだよ。自分の実力を測るのも、期待するのも落ちるのが怖い。だから、先に底辺に落ちておく。それならもう痛くないし……、とか、ね。」(小さく自嘲するように笑いながら、キミの口の大きさに合うような大きさのかけらを選び、彼女は手に持ってキミの口元に差し出した。上品で紳士らしいキミは厭うかも知れないけれど、彼女はキミの反応をじいと見て、キミが食べてくれるのを待った。)「その怪我じゃあ、食べにくいでしょ。はい、あーん。…………ワタシのせいのだったら、ワタシの責任、だしね。」 (5/22 21:31:54)
Walter=Von=Neumann>
「……確かに、高く飛ばなければ落ちる事は無いですから。」(それもそうだ。期待し過ぎればそれだけ痛みが伴う。そもそも期待だなんて言葉は無責任すぎるのだ。予想外の出来事を前に被害者面する為だけの言葉にしか彼には捉えられなかったのだ。だから、だからその点は君と同じだろう。痛みを負いたくないから、歩まない者と、痛みを負いたくないから前傾姿勢でも足を前に出し続けてただ転んでいないだけの意地っ張りでしかない。根本は互いに同じなのだろう。受け止められないから、進み、受け止められないから、沈む。)「おや、アンズ嬢、“こういう変化”は…構わないのですか?……嗚呼、ではこれを2つ目の質問にしましょうか?」(君に差し出されたクッキーにきょとんと眼を見開くが、なんだかその変化にも思える行動がほほえましく思えてしまう。グレーブ・マーカー、もといシオン嬢の云っていた彼と君の世界の境界線、それらを受け入れて肯定するのもきっと良いかもしれないという話。何とは無しにそれもまた良いのかもしれないと思えてしまった。それを自覚しない為か、大きく口を開けて、唇で君の手元からクッキーを奪い取ろうとするだろう。)>アンちゃ (5/23 22:24:06)
飯田 杏>
『おや、アンズ嬢、“こういう変化”は…構わないのですか?……嗚呼、ではこれを2つ目の質問にしましょうか?』(キミの口の中に収まっていくそれを見ながら、彼女は顔をそっとしかめた。)「……キミとこうして話すこと自体が非日常だし……まあ、多少の変化だからあんまり嬉しくはないけれど、まぁ。……そうだな、ワタシなりの適応、というものだよ」(言葉に迷うように視線をゆらゆらと揺らしながら、クッキーを一枚手に取っては口の中へ。それからまた再び、小さなかけらをキミの前に差し出した。)「ワタシたちがヒーローになるのは確かな異変で……、それでもワタシは今はそれを日常として受け入れている。それはその日々が繰り返されて日常になるからで……」(ぽつぽつと、キミが聞こえるかも分からない小さな声でそんな御託を並べてみようか。いくら呪っているとはいえ、完全にそれを遮断する方法は死ぬこと以外にない。それならば、多少の些細な呪いは受け入れて、目を瞑り、飲み込んでいくしかないのだ。)「その、まぁ。……変化ではあるけれど、コレが大局的に見た日常になれば、それでいい。今後もキミとこうして話すことはあるだろうからね」(彼女とキミの口の大きさに合わせてクッキーを二つ作って貰うにはあまりに手間だろうし、そこまでのこだわりはないんじゃないかと思う。かといって、そのまま食べるには窮屈でしょう。出した条件、この会合の恒常化に彼女が含んだ意味は、とどのつまりはそういうことだ。彼女はわずかな深いに眉をひそめながら、それでもキミが食べてくれるのを待ちながらクッキーを差し出した。) (5/23 22:42:01)
Walter=Von=Neumann>
「なるほど、……そういえば、ヒーローとは名乗っていますが、アンズ嬢はヒーロー名は…本名で活動しているのですか?」(3つ未満でも3つ超過でもダメと云われたのを忘れているのか、彼は自然と3つ目の質問を口に知るだろう。特段それほど気に成っていたわけではないはずなのに、ふと思い出したかのように君にそれを質問したのはもしかしたら彼が君と云う存在に何かしら思うところがあるのか、もっと因数分解した表記をするのならば君に関心を持ったのか。もしょ、っとまた君の手からクッキーを口で受け取ればもそもそ頬張るだろう。) 「セブンス・イクリプスがあったように、ヒーローはもしかしたら意図的に狙われて、意図的に消されているかもしれない、それはあくまで仮説に過ぎません。大勢の被害者を出したあの日蝕の七日間の被害者の中に偶然ヒーロー達が全て含まれていたという確率は低いにしろ決して完全に否定できるほどの天文学的確率ではないのです。……君の日常を守る為にもヒーロー名は必要では?」(そんな補足を口にしてから彼は片手で紅茶を手に取って出来る限り音を立てないように一口、味わいながら喉を通すだろう。) (5/23 23:15:57)
飯田 杏>
「ヒーロー名は……ん、そうだね。特に考えてない、のが正しいのかもしれない……?」(どことなく空気は体になじみ、椅子に乗せておくだけだった体は癒着したように落ち着いている。暖かい紅茶はカップの半分をとうに越し、暖かかったカップは段々と冷えていく。そろりと、それがそれとも気付かない程に自然に零された問いに彼女は寂しげに目を細め、悩むように、因数分解を怠ったままにそんな柔らかい返事を零す。)「自分で考えて名乗るのはちょっぴりはずかしい……し、さ。あとは、そうだな……ヒーローが狙われた事件なら、ヒーローですって名乗るのもちょっと怖いね。あと……」(出来る事なら、もう少し続いたら良いと思った。と同時に、これ以上は続けたくはない、とも思った。今回を引き延ばせば、きっと次回も、その先もおなじように同じくらいの時間をきっと彼女は求めてしまう。もしそれが苦痛になってしまったとき、そんな未来の苦痛を考えては、彼女は息を飲み込んだ。)「……いや、それだけ、かも。あとは単純に思いつかないってだけ、カモね。」(彼女はそんなふうに、曖昧に笑う。元来彼女のスタンスはこうなのだ。他者に深く理解して欲しいとは思っていないし理解したいとも思っていない。喧嘩の仲直りだって彼女からは申し出なかっただろうし、彼女はキミに多くの理解を求めていない。深く関係を持てばそれに付随する感情は日々変化するし、それは彼女にとっては煩わしい。どうか、彼女からのキミへの関心が透けないように。キミからの彼女への関心が透けないように。)「…………あー……、そうだな。ワタシからも、質問、して良いかな。さっき一個下から、あとふたっつ。」(一つ目の質問を『生きづらくないの、』を据え、ほんのちょっぴりの延長戦。) (5/23 23:45:37)
Walter=Von=Neumann>
「なるほど、…あれだけ大きな騒ぎの最中に居ればもはや素性を隠した方が良い様に思えますけれど…」(確かにヒーロー名を名乗ればヒーローであると晒している様なモノである。それは確実だが、今更引き返せやしないのだ。それならば日常的に使用している容姿も名前も隠すべきではないかと思うのだ。彼に関してはそもそもその存在自体が彼足らしめているとも云えるし、寧ろ何を隠しても手遅れだとは思うが、君は違う。君はまだ当たり前の日常に紛れる余地が有るのだ。)「ふむ?良いですよ、等価交換ですね。なんなりと…」(彼は君から質問を返されるのだと理解すれば少し不思議そうにきょとんとしながらも頷くだろう。果たして君から投げかけられる質問はどんなものだろうか。根本は似ているとはいえ、やはり全く別々の存在であり、立つ瀬が同じだろうと向いているのが夕陽と朝陽なのだから、考え方は真逆だろう。そんな君から投げかけられる質問の内容は凡そ推測に難い。やや身構えながら君の次の言葉を待つだろう。) (5/24 00:02:35)
飯田 杏>
「えっと……じゃあそうだな、まず二つ目。」(『キミの、されたら厭なことを教えて欲しい。』それはきっと彼女の、最低限の“キミと居るための努力”のつもり。それを完璧に守れるとは限らないし守るつもりもない、彼女が彼女らしく、不変の存在である為であれば、彼女は苦渋を飲みながらでもきみのそれを犯すだろう。それでも、それでも互いが互いを犯さないうちは共に居るこの時間を、どうか変わらない日常を保てたら良いと、思うから。)「それと、これは……質問、というよりお伺いだね。お願い、なんだけれど。」「今日を含めて、今後キミとこうやって話をする最後の時間。キミを撮っても、いいかい。」(そういって彼女が取り出したのは、ひとつの古い銀塩カメラだ。彼女の手にするりと馴染み、鈍い銀色が日の光を反射して___、漸く今頃、日が傾き始めていることに気が付いた。)「ほら、夕景は絶好のタイミングだから、ね。」(フィルムの入っていない銀塩カメラが、何かを記憶することはないけれど。) (5/24 00:25:33)
Walter=Von=Neumann>
「私のされて嫌な事、……犬の躾けの様に霧吹きで躾けようとするのは辞めて欲しい、本来私達は体温調節があまり得意ではないのです。それから、耳を掴んだり引っ張ったりするのも辞めて欲しい、前述の通り体温調節が苦手な私達の体温調節器官の一部であり血管が密集している弱点です。あとは子供扱いやペット扱いは辞めて欲しい、私は人間でいえばもう27歳の大人ですから、諸君らよりも年上です。強いて言うなら嘘を吹聴するのも辞めて欲しい、私は諸君らよりも賢いのは確かですが人間の常識を網羅できているわけではないのです。知識と知能は別物である以上、頭脳明晰である者が必ずしも見分が広いとは限りません。それと、私達は基本的に骨がかなり脆いので出来る限り丁寧に扱ってほしい、それがまあ今の私の現状にも通じるのですが。更にあまり汚さないで欲しい、私は自分で云うのもどうかと思いますが多少潔癖です。特に自分の衣装を汚されるのは反吐がするほどに嫌いです。それと努力を否定するのは衣装を汚されるよりも何よりも気に喰わない、それこそ感情制限が出来ないほどに癪に障ります。それと…」「……ああいや、これくらいにしましょう。写真は、まあ、構いませんよ。楽にしていても…?」(カメラを向けられればまたも理解できないのかきょとんと君の意図を推察しながらもポーズ指定までは無いはずだろうと思い、その旨を尋ねるだろう。されて嫌な事を応えろと云われただけでぽんぽんと此処まで思いつく彼が今までどんな目に遭ってきたのかは想像に難くないだろう。特に男子生徒がトイレに行って手を洗った後に水滴を自分の衣服や髪で拭ってきた時は心拍数を秒間65回に変換して血管と云う血管を全て破裂させてやろうかと思った程だ。) (5/24 00:53:09)
飯田 杏>
「ふむ……」(要点を押さえる、と言う寄りもそれは思っていたより具体的な事例で提示され、彼女は早々にそれら一つをかいつまむことを諦めては共通項を見出すことに専念した。一つ一つに迎合する気も適応する気も大してない。) 「……それはきっと、ワタシがキミを、27歳の一人の男性……として扱えばまあ、きっと問題はない……、か、な。あと、……その、ごめん。」(ただ一つ、最後の項目に関してだけ、彼女は小さく頭を垂れた。先日の邂逅は鮮烈で、自分に群れるカラスへの恐怖への消耗の生家、彼女は細部までは覚えては居なかった。それでも、自分の中にぐるぐると巡る呪いの感覚をキミに八つ当たるように吐き出したことは覚えていて、それはきっとキミの尊厳を馬鹿にするようなものだっただろう。)「ワタシも、最初に謝るべきだったね。……その、まぁ、なんだ。ワタシの方から言うことじゃあないかも知れないけれど……まあ、その。次からきをつけるよ。」「あぁ、うん。特にポーズは撮らなくていいよ。楽にしてくれていて良い。」(そんなことを言いながら、彼女はキミに軽くカメラを向けてはじり、とピントを合わせてシャッターを切った。ファインダー越に映るキミは夕に照らされ、その赤みがかった体毛は更に赤さを増している。所々にある装飾はつやつやと宝石の様にきらめいて……、どうか、この時間が止まればいい、なんて願ってしまって、彼女はまたそんな自身に顔をしかめた。)(変化を願わず常を記録したがるのならポーズも時間も指定するものなのかもしれないけれど、彼女はそうしなかった。カメラが好きだ、常と特別の境界を曖昧にしてくれる気がする。写真が嫌いだ、そんなことをしたら今が古くなっているのを思い知らされるから。)(じー、かしゃん。巻かれるフィルムは心地好い機械音を立て、また彼女はそれに合わせるように、机上に広げたティッシュとクッキーのくずを回収し始めた。)「……さて、今日はもう、きっと良いだろう。おひらきにしようか」 (5/25 23:24:31)
Walter=Von=Neumann>
「ん、……いや、まあ、…お相子にしましょう。」(君の謝罪を聞いては柄にもなくへらりと苦笑いを浮かべる。彼が笑うというのはあまりに不自然かもしれないけれど、それでも彼はカメラの向けられていないその瞬間に歯を見せて笑ったのだ。毛むくじゃらな手で口元を隠しながら。)「そうですね…お開きにしましょう。今日は時間をいただいてしまって申し訳ありませんでした。私はもう少しだけ此処で風に当たって行きます。では、また。」(彼はガーデンチェアから腰を上げれば、ティーセットをケースに仕舞い、テーブルもチェアも分解し折りたたんでマントの中へと手慣れた素早さで収納するだろう。その場に置き去りにされた二人から溢れて零れて滲んだ雰囲気を紅茶の香りを楽しむかのように彼はその場に立ったまま、夕陽に照らされ独特のグラデーションを彩った空を眺めるのだろう。本来ならば星が見える時間までそのまま黙って居座ろうとしていたが、君が屋上を後にしようと扉に手を掛けて、きい、と蝶番の軋みを聞いて、ふと振り返るのだ。)「そうだ、…アンズ嬢、_____今回のティータイムを経てひとつ、思いつきました。」(それは、生きる事、生の象徴、それは、彼らが守るべきもの、君が今まさに日常を送っている事、それは、生命を意味するヒエログリフ。__アンク… それは、激流にすら耐え得る堅牢さ、波風に揺られようとも決してぶれる事のない海底の支柱、それは、君が今まさに日常を守る事、それは、その場に留める事を目的とした物質。__アンカー、流れにも、波にも、衝撃にも、風化にすら、耐え得る魂の碇。) 「 魂 の 碇 ( ア ン カ ー ・ ア ン ク ) 」 (何度も小さな一歩を踏みしめ続ける勇猛さも彼の思う強い意義を持つ行動だが、決して譲らない、決して動じない、君の在り方もきっと深い意義を持つのだと、理解できたのだろう。だからこそ、彼は君を碇に例えたのだろう。君がどう応えようと、意味深長に笑みを浮かべて、再び視線を空へと戻すのだろう。)「良ければ候補のひとつにでもして頂ければ…」 >アンちゃ (5/25 23:58:07)
飯田 杏>
「……あんかー、」 『 魂 の 碇 ( ア ン カ ー ・ ア ン ク ) 』 (______彼女は、変化を呪っている。別れ、日常が分岐していく悲しい変化、感情を伴った日常の変化、たとえその変化が喜ばしい吉兆であっても、進歩であっても、幸せに向かっていく為の必要な出来事であっても。それは彼女の平穏を守り、また彼女の激動を縛る。彼女のイデアは風を許さない。たとえその火が風に呷られ、あたらしい酸素を呑まなければ緩やかに火勢を弱め、絶えてしまうのだとしても。)「、」(明確な返事を返さないままに、彼女はそっと乱雑な髪を揺らして踵を返す。銀塩カメラのフィルムの蓋を開け、真っ黒にやけたそれの表面に触れながら、彼女は屋上の踊り場に繋がる重厚な扉を開けては息を吐き、キミに背を向けて微笑んだ。)「……ありがたく、もらっておくよ。こんな日じゃあなきゃ、呑めないだろうし、さ。」(じゃあねウサギ君、また今度。彼女は変化を呪っている。彼女は変化を、呪っている。)「またね。」(彼女は不変を愛している。今日と言う日があることを、彼女はきっと忘れない。今日という日があった日常を、彼女はきっと忘れないだろう。)_____彼女は不変を愛している。 (5/26 00:28:17)
浸 ばぐる>
「今日はいい天気だな。」(あたたかなよく晴れた昼下がり。いつも通りに機械少女は暇を持て余し歩き回る。…だが、今日の彼女は一味違う。それも__今回はハッキリした目的があるのだ。)(今回の標的(ターゲット)はと言うと…『怪奇!皮肉屋アナウサギ』を探すため。…これは噂を頼りに勝手に名付けたものだが。なんなら学校中で噂が立っており、『可愛らしい見た目だが口が悪い』だとか『飛び抜けて頭が良い』だとか。未知数を愛する彼女にとってはこれは調査せねばなるまい噂だ。…と、早速。)「…お。」(中庭に『彼』は居た。)(テーブルにティーセットを広げるその姿。シルクハットからピョコリと飛び出た長ーい耳。小さな椅子にチョコンと座り、足をぶらりと下げて。正しくあの姿は__)「(…あれがウワサの。)」(隠れていた校舎の壁から『彼』の後ろへとそれは滑らかに近づいて、)「やっほ。」(そう、覗き込むようにして声をかける。)(というのも、驚かせるために気配を消している訳ではない。しかし彼女、『浸ばぐる』は__)(世にも不思議な奇怪な機械、予測不可能で神出鬼没なのだ。)(お互いに未知数なウサギと機械、はてさてどうなる?) (6/1 22:23:50)
Walter=Von=Neumann>
「ふむ、……やはり一仕事終えた後の紅茶は何物にも代えがたい。好い天気じゃあありませんか…」(優雅、それはこの時、この瞬間、この空間とこの彼の為にこそ随分と昔から作られて徐々に培われた言葉なのではないかと思うのだ。しかし、それもぶち壊される。知っているだろうか、人間以外の動植物は何処かに移り住むという事をほとんどしない、自分から環境を変えない、それ故に彼らは急激な環境の変化や不慣れな物への態勢が異様な程に少なく、それによって害された精神は寿命に直結してしまうと。)「_____________ッッ!?!?!?!?」(君の声にビクゥっと耳を立てて自慢の脚力でキュウリにビビり散らかす猫の様にビャっと飛び上がる。しかし、紅茶は絶対に噴出さない。自分の身を守るよりも手に持っていた紅茶が少しでもティーカップから零れないように空中で雫たちをカップによりキャッチしながら受け身も取れず、間抜けな格好でぼすんと地面に身体を横たえながらも不自然な程に中身が減っていないティーカップを庇い、マスクから覗かせるその瞳をぱちくりと白黒させて君と云う不可解な存在に視線を向けてはあからさまに心拍数の上がった体で胸と鼻元をすんすんと起伏させる。) (6/1 22:36:58)
浸 ばぐる>
「…あれ。驚かせちゃったかな。ごめんよ〜。(相手を驚かせたにもかかわらず飄々とした態度。いや__内心ちゃんと焦っているのだが、どうも表情が硬いのである。)お〜、すごいすごい、な〜いすキャッチ。おまえ、なかなかやる。」(間一髪紅茶をキャッチする彼にぱちぱち、とこれまた掴めない表情で手を叩き褒めるのだ。だが勘違いしないでほしい。お世辞でもなんでも無い心からの褒め、である。)「…あ、こんだけ喋っておいて自己紹介してなかったね、私は浸ばぐる、正真正銘のアンドロイドだぞ。」(かしゃん、という動きと共にえへん、と腰に手を当てて仁王立ち。謎の用語と無駄な動きが多いのはご愛嬌、クセみたいなものだ。) 「__君の名前、は…知らないな。『ウサギくん』。ぜひ教えてもらいたいな。あ、ちゃ〜んとこのアタマで覚えて帰るから。一度聞いた名前は忘れないからな。(そう、彼の存在は『ウワサ』の範囲でしか知らなかったので。)」「それと。お近づきの印に〜、これ。君が食べれるかはわかんないけど、はい。(くるん、と一回転の後、そう貴方に棒付きキャンディー、『チャッパチュップス』のラムネ味を差し出すだろう。)」「これが一番のお気に入りなんだ〜。と。ティータイム、もし迷惑でなければ…混ぜてほしい、ぞ。」(__と、自分が既に少々の迷惑をかけている事なんてつゆ知らず。掴めない動きで近づくだろう。) (6/1 23:00:53)
Walter=Von=Neumann>
「……コホン、ええと、初めまして…いくつか言いたい事はありますが…ヴァルター・フォン・ノイマンと申します。」(なんとかそろそろ~っと立ち上がってはティーカップをテーブルの上に避難させてから衣服に付いた土埃や草の破片をぱっぱっと払ってタイを直す。それから、マントの中から組み立て式のガーデンチェアを取り出しては手際よく組み立ててじとぉっと君の表情とチュッパチャプスを見比べると組み立て式の組み立て式のガーデンテーブルを挟んで対面する位置へと今まさに組み立てたチェアを置いて、キャンディーを受け取るだろう。)「ぇ、…まあ、最初からそのつもりですよ。話は恐らく長引くでしょうから、それなら座って話しましょう。君の動きは大き過ぎてやや目障りですから。座れば多少マシにはなるでしょう?」(ありがとう、と云うには少し二人の関係はマイナスから始まってしまった。だから、その言葉は云いはしないが、それでも懐へとキャンディーをしまって元居た席へと戻り、君の分のティーセットをテーブルに一組準備して紅茶を温め直して注ぎ入れる。)「……それで、浸嬢………わざわざお声掛けいただいたという事は何か私に用事があったのでは?」(恐らく君が此処に来たのは噂の真相を調べる為、なのだろう、と彼は認識する。人語を介するアナウサギなんてそう居ない、だからこそ物珍しさでわざわざ出向いてくる輩が多いわけではない。しかし、彼は噂程口は悪くない。というのも、彼が噂を呼んだ時よりも丸くなったと云うのが真実なのだが、君の目にはどう映るのだろうか。) (6/1 23:37:14)
浸 ばぐる>
「ゔぁるたー・ふぉん…ノイマン!しっかり記憶したぞ。(ピピ、と何処からか鳴る機械音は君にも聞こえただろう。)かっこい〜名前で、いいぞ。…誰かに名付けてもらったのか?(そんな少量の疑問も交えて。)」「えへ、この動きは〜、クセみたいな物なんだ。ほら、私ってよく『表情が同じで分かりづらい』って言われちゃうからさ〜。こうもしないと怖がられちゃうんだ。今は大丈夫。仲良しなかよし、だぞ。」(唯、その神出鬼没さから別の意味で怖がられているのは知る由もないのだが…)「大丈夫、ここではじっとするから。」(そう言うと彼の用意した椅子にギ、と座るだろう。)(温め直された紅茶からはふわり、と湯気が漂っている。)『……それで、浸嬢………わざわざお声掛けいただいたという事は何か私に用事があったのでは?』「あっ …う、ええっと、ねーーー…(ウワサのままに君を探しに来た、なんてのは少〜し言いづらい。さすがにデリカシーくらいは弁える…つもりだったが。)…正直〜、もし__イヤな気持ちにさせちゃったらアレなんだけど。『喋るウサギが居る』、って話をお友達が話してたのから聞いて〜。…皆が言うには『少々口が悪__』あ、(これは一線(ライン)を超えちゃったんじゃないか?)ごめん!ち、違うんだ。これは皆が言ってて__(なんて言い訳をしつつ、用意された紅茶を手に取り一口、その通りお茶を濁して。)…だけど、ウサギさん、ノイマンさんはそんなに悪くない人…人?でよかった。」(もしさっきの行動から好感度最低値に下がってたら…なんて考えちゃったから。) (6/1 23:59:27)
Walter=Von=Neumann>
「いいえ、…元は諸君ら、…いや、生徒達にピョンタと名付けられていましたが不愉快なので図書室に有った文献から著名人の名前を拝借したまでです………」(彼は自分の名前の由来を軽く口にしては紅茶を一口喉へと流し込む。それから、君の表情を見つめ、そして君の全てを見据えて、君の存在を見つける。それは未知との遭遇だった。人語や動物後について学んでいた彼にとって人間を模した何かとの遭遇は初めてだった。そして、その機械とやらが浮かべる感情や表現の本質も、自分の言語学では読み取れるのか、それはとても興味を引かれた。)「ふむ… 諸君らの云う通り、私は口が悪いですよ。」(彼は、ハンカチで口元を拭いて、テーブルの上にそっと飛び乗ってテーブルの上のクッキーやティーカップを跨がないようにバランスを取りながら君の近くへと歩み寄る。)「しかし、君にその片鱗を見せないのは、最近少しだけ理解出来ない物を理解出来ないからと否定する事を辞めたのですよ。…それから、何より、君が女性であるという事が大きいでしょう。………不安ですか、僕に嫌われるのが。」(言語学、それは言葉の真意や意味を読み取る為の学術であり、無限に存在するあらゆるパターンから真実を見極める為の学問である。ならば、君という人間が発するコミュニケーションに纏わる一挙手一投足から君の感情を読み取る事は出来ないだろうか。人は声や表情で感情を伝える、しかし、彼が理解した樹木や鴉の言語は声や表情で感情表現をするとは限らないのだ。モールス信号が音ではなく光でも表現できるように、パターンさえ理解出来れば固定概念的な要素は必要ない、つまり、君の些細な声色の変化やほんの少しの表情の変化、例えば眼球部分から透けて見える光の人間の肉眼では捕らえられない程の明滅の速度や頻度や規則性など、そこから、君の感情は読み取れないだろうか。)「安心してください、きっと私は君を嫌いには為れない。」(彼は、__________彼は楽しかったのだろう。今まで解き明かしたどんな問いよりも難解な君と云う存在から解を導き出そうとすることが、楽しかったのだ。そっと、ふわふの毛で覆われた前足を君の頬へと添えてじっとその目を見つめる。君を解く為に。) (6/2 00:42:00)
浸 ばぐる>
「やっぱり頭が良い、ってのは本当だったんだな。ピョンタ、も私はかわいいと思うけど。…あ、カッコいい方がいいか。(かちゃ、と先程より落ち着いた様子で紅茶を手に。…良い香りがする。)おっと、と、…テーブルが傾いちゃうぞ。(そっと端を抑えて。)」「…嫌われちゃうのは、その。…正直怖いのかも。(それは余りにも人間臭い返答。)一人って、この感情が合ってるかはわかんないけど、奥のほうがちょっぴりだけ、じく、ってなるから。これがきっと『寂しい』なのかな。私にはディスコード…クール君も居るけど。…彼、物が持てないから。一緒に遊ぶことだってお話しかできないし。」(その直後、机の隅に置いていたつけっぱなしのゲーム機から『オイオイ、ひっでェ言いようだなァ!?ばぐるチャ〜ン!?』…と聞こえたのはひとまず無視して。)「…ぇ、」(彼の手、ふわり、としたその手が顔に添えられる。人肌に限りなく近い触り心地、しかし確かに機械を感じるその頬からひんやりとした感触が君に伝わるだろう。)「ゎ…っ、ちょ、っと、そんなに近いと、あれ、(ちかちか、っと目が微かに光る。…なんだか最近は『紳士』に心を掻き乱されることが多いような。)どッ、どきどき?しちゃうだろ。よね。(そう、少々取り乱した?後に。)「…と、えぇと。せっかくこ貰っちゃった感情、こんなに不思議なものを無駄にはできないから。」「…不思議なことだよな。機械に感情がある、なんてアニメかマンガかゲームでしかみんな見たこと無いでしょ。私、ありきたりだけど__」「ここに来れてよかった、みんなに会えてよかった、って思うんだ。」(たしかに。)(たしかにその後。少々ぎこちなくではあるが__少し目を細めて、笑顔を作ってみせたのだ。)「…まだうまく出来ないんだけどね。こう、かな。」 (6/2 01:09:58)
Walter=Von=Neumann>
「……良いですよ、無理して表情を作らなくて大丈夫です。」(彼は頑張って笑みを浮かべようとした君の表情を見て、複雑そうに笑みを浮かべては無理矢理浮かべられた誰かの真似をした笑みを解そうと君の目元に指を添えて優しく撫でる。どの生き物からも感じ取れない冷ややかな体温と、人の肌を模したその表皮の感触を、はたまた君と云う存在を確かめる為に。)「君が無理矢理表現しなくても私はそれを理解出来るようになりたいのです、…ですから、無理に笑わなくてもいい。いいえ、無理に笑わないでください。せめて私の前では。…きっとまだ誰も貴方の笑顔を読み解けないのでしょう?」(さて、此処からは君の采配にゆだねる事に為るだろう。彼は鴉や樹木の感情や言語を言葉を介さずに理解しそして発して見せた。ならば、どうだろう。君の、浸 ばぐるの感情を、表面的な表情や声色ではなく、些細な視線や瞳孔の動きだけで君の本質を、感情を読み取れるようにはなれないだろうか、否、出来る筈だ。今すぐじゃなくとも、いずれ君と云う存在を今よりももっと理解できるようになるはずだ。彼は君の様な表情の読めない女性の感情を読み取る為にこの技術を身に付けたのだ。)「なら、私が一番最初に読み解きたい。できるなら、私だけが君の笑顔を読み解けるのなら、きっと私は満たされる。」(彼は優しく微笑み、頬から目元、そして、髪へと手で撫で上げて、毛先を指先で遊んで見せよう。) (6/2 02:13:57)
浸 ばぐる>
「(感触は頬から目元、髪へ__それは彼女の心象に不思議な効果をもたらしたようで。)…お、(その手はかくん、と小さく前に出されたまま、ビー玉のように輝く瞳はちかちか、せわしなく動き。目が回るような感覚、とは__これを指すのであろうか、その大胆な告白とも取れる言葉に惑わされ。)っど、か、考えさせてく、れ…!?」(アタマが熱い、この学校では二度目のオーバーヒートである。未知どころの話ではない、これは、)(…前もこんな事あったような。__と、)『ガシャン!』(…と音が鳴り、彼女は____)(椅子に座ったまま倒れてしまったのである。一種の発作のようなものだろう。)『ピピ__エラーコード○✕番、ご連絡は___』(通常よりもはるかに機械的な音声が無機質にぱかり、と開いた口から発生される。)(…再起動には少々時間がかかるようだ。)(…その手で彼を撫で返せるようになるのはいつの日になるだろうか。) (6/2 02:50:14)
Walter=Von=Neumann>
「………」(彼は物置の様な資料室の中でぼうっと光るブルーライトをじっと見つめながら不服そうにデスクチェアに頬杖を着いて、何かの動画を見つめている。映し出された動画は定点カメラが映したとある日の自分たちの話。時刻は放課後。授業が終わって帰ろうとする生徒がちらほらと見られる時間帯。杉原工業高校という学校にて行われた潜入任務は潜入と呼ぶにはあまりにも不自然過ぎる始まり方をしていただろう。)『本物なんだけどーっ!?』 『やばー!?』 (それらの黄色い歓声に彼はまたむすっとして見せる。本物以外を見た事があるのか、本物“なんだけど”なんだ、それは接続しじゃないのか、本物だがしかし、のその先はなんだ言葉は正しく使え、やばいやばいってそれしか言えないのか、お前達は文化的な生活と言語活動を得た知的生命体じゃないのか、いくら未成熟だとしても言語野が鴉以下であるはずがないだろう、もうなんかもう、そう、彼は拗ねていたのだ。その頃彼が向かっていた任務は逃げ出した雪玉うさぎの回収、何の皮肉だろうか嗚呼、自分だって名声を受けたかった。かなり努力はしているはずだが……頭が良くて口の悪いアナウサギ、それが世間から見た自分の評価で、どうしたってウサギが二足歩行で人語を介しているというインパクトによって個々の努力が認められない事態がどうにも不愉快で仕方なかった。だから、次は自分も活躍できるようにと此処に来て情報を得ようとしているのだ。)「________君もそうでしょう、モノコリア。」 (6/3 20:43:50)
Gaill Monochoria>
(“若者”と定義される人間の言語の操り方には些か問題が在ると、そんな提言はインターネットの海に、書籍に、新聞の片隅を埋めるコラムに散見されるだろう。実際の所、論理的に解釈した〝日本語〟の観点からすれば接続詞で終わる其の発言やら矢鱈と多くに当て嵌められるやばいなんて言葉は可笑しなモノで。けれど一般化した其れ等に対し矛を抜きたくなれども綻びを作る事だって難しい事ですから。)『________君もそうでしょう、モノコリア。』(だから、貴方は至極“効率的”に。独り言で液晶の中の若者達に罵声を浴びせるなんて事はしないのでしょう。)「そォそォそォそォ........ん?」「....あァいや、見間違いか。」「そォなのよWiseMan~.......」「クールでスマートな分にゃ良いんだが、、僕ァどーにもパワフルさに欠けるからなァ、対策ナシじゃァ死んじまう」(“おっかないよ~”とでも言うかの様に自分を身体を抱いてみたり。ふざけた態度は何時だって変わらない。)(映像の流し見、気になる箇所が在ったなら止めたり巻き戻したりで隅々迄を確認を。そんな作業の中、男は貴方へ答えるでしょう。)(“モノコリア”の方で彼を呼ぶ者は少なく、逆も然りで君をワイズマン-賢者-だなんて渾名で呼ぶ人間だってそう居ないだろう。探求を愛する其の科学者は、種別等と云う部分を欠片も問題視しておらず、寧ろ叡智と呼んだって名前負けしないであろう貴方へ敬意を表して居る。ちょっとカッコ付けた様な渾名なのは彼の性格の影響だろう。『スマートでクール』だなんて自称が言葉の中に交じったりするのもね。)「........。」(さて、確認作業の中とは言え。男は紳士の風格漂わすただ者では無さげなアナウサギの、貴方の様子もちょくちょく確認しており、其れ故に頬杖突いた不服そうな態度だって見て取れたから。)「HeyHeyHeyHe~~~~~y」(おちょくるって訳じゃあなくて。)「どォしたのよ???しかめッ面してさ」(ただ不満そうな貴方が心配だから、なんて言うには些か。)(些か男はニヤニヤ笑いで、そして貴方が語学を究むる者である事を知っているから。)(此れは平常運転。ワカモノ風に言うのであれば、『ウザ絡み的な?そんなヤツなんじゃね?』ってな感じなのでしょう。) (6/3 21:22:58)
Walter=Von=Neumann>
「……身長150cm前半、やせ形、小柄、骨格的にも恐らく女性と推測できる。基本的に夜明けの時刻にのみ出没し、公園の少し先から徒歩1時間圏内までに出没。活動範囲の中心に思しき物も無かった。」(彼は君の言葉を無視する様に突拍子もない言葉を継げる。情報は必要最低限で良い、浅く広くではなく、必要な範囲を出来るだけ深く、それが彼の求める情報の質ではあるのだが、語りに至ってはそうではない、どこか君に似て飾り立てようとしてしまう彼の悪い癖だ。)「私が1週間前から独自で調べ上げていたトレントや触手の発生源、つまり黒幕の情報です。こう見えても私は影で努力していた訳です。なのに、この1週間触手の対応をしたかも分からない彼らがあそこまで黄色い歓声を浴びているのがっ……!!!」(彼は帽子の鍔を強く掴み苛立ちに任せてぎゅーっと下に引っ張る。そうするとやはりぎゅっと彼の小さな頭はハットに呑み込まれてしまうだけで、そのままダンダンと地団駄を踏む。)(別に褒められたいわけじゃない、いや、褒められたいのかもしれないけれど、兎に角、努力が報われないのが不愉快で仕方ないのだ。それは自分に限った話ではない。きっと君の努力が報われずその成果すら誰かに奪われてしまったのなら彼はその自慢の頭脳が焼き切れようとも君が報われる方法を模索するはずだ。彼はきゅぃきゅぃと喉を鳴らしてなにやら文句を吐いているようだが、大きく溜息を吐きながら落ち着きを取り戻したように元の態勢へと戻りながら衣装の乱れを直すのだろう。)「だぁぁぁぁあぁぁぁ…寂しい物ですよ、私を属性ではなく個体として見てくれる人は少ない、あの場に行っても可愛いだとかすごいだとかあくまでウサギに対する価値基準でしか評価されないという事が理解できているから猶更私は悔しくて仕方ない………誰も自分を見ていない中で実るかも分からない努力を続ける孤独は、君が良く知っているでしょう、モノコリア。」 (6/3 21:59:07)
Gaill Monochoria>
「おォいシカトかよ寂しーなァ。」(なんて言っては適当な泣き真似をするのだけど、何処ぞの変身ヒーローとたい焼きを食べたあの日と同じく、手に擦れてずれる眼鏡が邪魔くさくってすぐ辞めてしまう。ノリと勢いに任せがちなのは悪癖と云えば悪癖なのだけど、大抵こうやってふざける時にしか顔を出さない分多少はマシか。)(そんなこんなしながらも貴方の並べる情報はきっちり聞いており、“対策”の為に頭に入れたりする辺りが、ちょけるちょけないの大きな差こそ在りながらも男と貴方がなんだかんだ関わり合うに至る共通点、だったりするのだろうか。)『私が1週間前から独自で調べ上げていたトレントや触手の発生源、つまり黒幕の情報です。こう見えても私は影で努力していた訳です。』(トレント。あの日あの場に於いて、真っ先に貴方が任務対象へ付けた名前。呼び名が無いのは何かと不便な為名称を付けたのは合理と効率にも繋がる訳だが、其れだけを目的とするには随分無機的でなく、御伽噺やら神話やらを源流とするファンタジーな命名。仲間意識と云うべきか何なのか、貴方程語学を識らないものだから、彼自身何と呼ぶのが正解かは分かってないけれど。言葉は発さずとも、態度は変えずとも、特に理由の無い軽薄な笑みの其の裏に、一つの感情が追加されたでしょう。)『なのに、この1週間触手の対応をしたかも分からない彼らがあそこまで黄色い歓声を浴びているのがっ……!!!』(兎にしては多少大きくも十分小さいと形容するに値する其の足が音を鳴らす。どうしようも無い事はどうしようも無い、のだが其処で停止する事を呪うが故に停滞を余儀なくされる小さな命は、可愛げな音を立ててまた座り直す。)
(白衣でニヒルで軽薄で飄々とした科学者、と云えば何だかヒトらしさの欠如しきったマッドサイエンティストっぽい抽象的な輪郭がふわふわ浮かんで来るのだが、貴方と同じく資料を漁る其の男はTHE・人間と云った様相を呈す科学者故。)「まァまァまァ.........」「んふっ。」(なんとも可愛らしい貴方の様子に、軽薄な笑みより微笑みへシフトせざるを得ないのです。)『だぁぁぁぁあぁぁぁ…寂しい物ですよ』(“さっきキミにシカトされた僕も寂しいけどなー!?”なんてボケはまたスルーされてしまいそうだと心の奥底仕舞い込んで。と云うかさっさと忘れちまって、変わらず微笑んだまま貴方の言葉を訊くだろう。)「...........まァキミが相手じゃ嘘吐いたって意味ないか」(そう前置きすれば、ワイズマンと呼び尊敬する其のアナウサギのふわふわしたほっぺをうりうりやろうと手を伸ばす。ちょっとした拒否だけじゃ多少強引に行こうとするだろうけど、しっかり振り払われたなら“Oops”なんて言って両手を挙げる“参ったポーズ”を決めるのが此の大馬鹿だ。)「そォだなァ。評価どうこうは別として。」「少なくとも、実るか判らん中“時間を使う”のァ楽じゃないさね。」(時間を使う、と云う言葉を選んだのは。屹度貴方はレッドドアを、自分の不和-ディスコード-をある程度理解してるだろうなんて思ったからで。だから貴方の『人間換算した場合の年齢』と並ぶくらいの時を生きた其の男は、柄にも無く多くを語らず、寧ろ短な言葉に意図を隠した。)「まァ!」「その苦労を知ったなら僕ァキミを賞賛せざるを得ないなァ?WiseMan.」「ファンってェ訳じゃァ無いが、仮にも学を問うモノとしてキミを尊敬する立場だァ。」(それこそ、彼にとっては現実の再確認みたいな、そんな言葉にはなるけれど。アナウサギの努力と葛藤を綺麗に掬い上げて照らす言葉になるかは解らないけれど。彼は主人公的〝正義のヒーロー〟にゃなれないから、カッコつけたがりの癖にしてこんな時だけは。)「やっぱアンタ凄ェぜ?Rabbi。」(こんな時だけは飾らずに、素直な言葉を。意志を伝える偉大な文化を、言語を用いた。) (6/3 22:53:29)
Walter=Von=Neumann>
「君には敵いませんよ、私は君ほど寿命も長くない、だからたった一寸しか君の模倣は出来ませんでしたが……」 (この資料室に転がったダンボールの中には綺麗に整頓されラベルで区分されたSDカードが山の様に収納されている。至極簡単に換算してその1枚1枚に1日分の監視カメラの映像が集約されている。それを公園付近からしらみつぶしに10か所程度のカメラから拝借し、更にそれら全てが半年ほど前からのデータである。単純に5年分のその量を早送りだろうと要所のみ切り抜いて見ようともたった1週間で彼の言った情報を読み解くのは不可能だ。だから、彼は模倣した。君の不和を、君の"探求"を、天国か地獄かどちらにしろ棺桶の中へと繋がる重苦しい真紅の扉を開いたのだ。彼は1日を、1年へと変貌させ、世界中の君と彼しか知らない“空白の時間”を得て、この情報を手に入れた。)「__________________想像絶する孤独でしたよ。」 (彼にはもう口の悪いアナウサギと呼ばれるに相応しい所以は持ち合わせていなかった。君に弄り倒される頬に何処か少しだけ擦り寄る様に顔を傾けて、諦観にも見える色を湛えてその言葉を漏らす。君はアナウサギの平均寿命を知っているだろうか。人間の約1,2割、10年にすら満たないのだ。彼はその半分以上の寿命をこの時既に使い果たしてしまったのに等しい。きっと、君以外には理解されないだろう。同情こそされど、誰も分かり得ない、レッドドアにも空白の時間にも似つかわしくないその牢獄を、人は青の孤独と呼ぶのだろう。嗚呼、寒いほど独法師だ。その言葉をまさか此処まで理解できる日が来ようとは、君も彼も、その成り損無いの神様を宿すまで思いもしなかっただろう。) (6/3 23:16:05)
Gaill Monochoria>
「......?」(頬へ伸ばした手は、跳ね除けられるつもりだったのだけど。だけど。)『君には敵いませんよ、私は君ほど寿命も長くない、だからたった一寸しか君の模倣は出来ませんでしたが……』(ぴく、と。“模倣”なんて言葉を聞くなり男は反応を示す。)(此の世に、他者の能力を行使出来る存在が居るのは知っていた。彼の友人である黄色い髪の青年がそうだったから。だから、最初は貴方もそうなのかと。だから、“まさかキミに仲良しと思って貰えてたなんてねェ”なんて言おうと。言おうとして、開きかけた口を閉ざした。)「.........。」(引っ掛かったのはデータの総量。正確な数値こそ判らないけれど、此処に有る媒体の記憶するモノは、屹度生半可な数字じゃ表せないだろう。)(貴方の用いた手段と彼の予想が違っていても、紡ぎかけの言葉を取り落とした理由は其処には無かった。少なくとも数年の月日。彼ならまだしも。寿命の多い彼ならまだしも。)(『私は君ほど寿命も長くない』。其の言葉が本当なら。多くを語らずとも、音に意を乗せて声と成される其れが真実なら。君は。)(仮にも科学者だから、アナウサギの平均寿命を知っていた。)(仮にも科学者は、其の孤独を知っていた。)(仮にも科学者だけど________________)『__________________想像絶する孤独でしたよ。』「ッ.........!」(指先をふわりと包み込まれる感覚所か、寂しげな荷重すら感じて。貴方の瞳の虚ろを視認して。あの孤独を、思い浮かべて。男は、男は。)「ッッ...............」「.............。」(...........................................。)「なぁ、ヴァルター。」(仮にも、科学者だけど。寄り添わなきゃと、思っちまうんだ。)(発動されたるはレッドドア。目標を、貴方と同じだけの記録の確認と置いて。)(雑音一つ無く、ただ己が行動のみが五感の刺激に繋がる其の世界で。彩りこそ在れど、灰白と云う言葉があまりに似合う其の無限に満ちた空虚の中で。再生、終了。再生、終了。再生、終了。再生、終了。再生、......................................。)(繰り返す過程を全て吞み込んで、繰り返した結果を、言葉を。貴方へ、紡ぐんだ。)「キミの言った情報はァ...........合ってたなァ?」(貴方になら、伝わるだろうと思って。また、真意を忍ばせた言葉を短く放った。)( 貴方が拒まないならば、もう少し傍へ寄って。片手で包み込むみたいに、其の頭を撫でてやれないだろうか。 )(都合、男に〝劇的〟はありえない。都合、男に〝正義〟は成し得ない。都合、男は救いの手を差し伸べる立場に無い。)( 然 し 。 )(然し、ロマンチストなんてのは何時の世も諦めの悪いモンだから。綺麗でも、恰好良くも無いかもしれないけれど。それでも、手を〝伸ばす〟事は出来る筈だ。)(今、不屈の努力へ。其の愚直へ。貴方の背中へ、追い付いた。)(ヒーローが人々を救うなら、俺はヒーローを救ってやるだなんて、そんな粋な男じゃないから。食人の少女にだって、綺麗事も何もかも捨て去って個人の我儘で向かって行った男だから。)(だから、貴方にも。)「 追 い 付 か せ て 貰 っ た ぞ 。」 「ご本家サマのご登場だァ、まだ走れるだろ?」(追い付くなんてのは、其の背中の進んで来た道を辿って初めて為る物だから。だから、『君には敵いませんよ』なんて言葉も否定する様に。)(尊敬する賢者へ。)(アナウサギへ。)(人間より。)(効率も合理も在りはしない、必要のない答え合わせをした理由は。)「なァ。」(5年以上と云う十分に長い寿命を消費した理由は。)「レッドドアこそ持ってるが。」(深紅の扉を開いた先を、青の孤独を、黒の直方にて打った理由は!!!!!!!!!!!)「僕じゃァ思い付かなかったんでねェ。非合理は好かんかも知れんが、これが僕の道理だ。」(ネオンの双眸が、貴方を見据える理由は。)「僕ァキミを尊敬してるからよォ」(何処までも自己を貫いて。男は笑う。)「頼むぜ?ヴァルター。」(もう一度、貴方の名前で呼ぼう。職業としてヒーローなんかじゃあなく、自ら寿命を使って迄解を探求-もと-めた貴方へ。)(ウサギなんて属性じゃあなく、あの時子供達を救った恰好良い英雄-キミ-へ。)「一緒に走らせてくれ。」(慥かに、まだ評価なんて得ちゃいないが。それでも、まだ此処から〝手を伸ばせる〟から。君は。彼は。)(ヒーローだ。) (6/4 00:42:46)
Walter=Von=Neumann>
「_________っ、全く…どうかしてますよ。」(_____________【このメディアデータのコピーを貰います。今回の事件には何か裏がある。裏で何か糸を引いている黒幕が居ると思われます。今回の事件では何の障害もありませんでしたが、次どうなるかは分からない。このメディアデータはその為に撮影されているのですよね?】……約一週間前、彼は市役所にてそのデータの提供を依頼した。時間を掛けて何度も何度も見返せば背丈や体系は理解できるだろう。動物から見れば二足歩行の人間の歩行と云うのはあまりに不安定で私生活や癖が大いに出やすくそれぞれがとても個性的に見えるんだそうだ。ならば、ラビから見てもその歩き方からフードの男の素性や癖、そしてそこから私生活などの情報を読み解けるはずだ。言語学の真髄を彼は知っている。)「もう一寸も時間は無駄にできません。どうやら私も君も時間の使い方が贅沢過ぎる様ですから、最終設問を片付けるとしましょう。」(些細な動きや音や色やパターンの繋がりを見つけ出してそこからコミュニケーションを取る。云わばノーヒントから情報を取捨選択し意味を読み取るロジカル思考に最も長けた学問であると。必要ならば日を改めてまた知能指数を700000に上昇させて何度だって読み解こうとした。時間が足りないと云うのならば自身の1日を1年へと書き換えて何度も、何度も何度も、何度も何度も何度も読み解こうとした。それは、誰かの『日常』を守る為、当たり前に流れる日常を『不変』の物へと書き換える為、それは、もう二度と誰も失わない為。彼はその為ならば何度だって試行し思考するだろう。何故なら彼は思考停止を呪っているのだから。…いいや、それとも違うのだろう。きっとどこかにあるはずの大団円を、最善策を、少年少女の、人間たちの幸福を愛しているのだから。彼はその小さな拳を君に差し出し、もしも君の拳が交わされたのならば文字通り、最後の解を導く為に歩き出す。彼らには啓蒙が天命なのだ。_______教えてやろう。) (6/4 00:58:33)
浸 ばぐる>
(昼。…空になったペットボトルを片手にとた、とた、と廊下を歩く音。…校内徘徊は彼女のいつもの日課である。最近はなんだか刺激的な事ばっかりだ。高身長お姉さんとゲームセンターに行ったり、紳士達に心を掻き乱されちゃったり…?)(と、)「あ。」(廊下の奥の方、そこに居たのは昨日話しかけたウサギさん、『ヴァルター・フォン・ノイマン』。ふわふわとした愛らしい容姿とは裏腹に中々クールで積極的な彼だ。)(たたた、と、今度は君にもよく聞こえるように足音を立てながら。)「よ。……あ〜〜〜、この間はごめんな、ウサギさん。突然倒れちゃって…ほら、きみがかっこい〜のが悪いんだぞ。(実際、君を…この感情が正しいのかはわからないが。かっこいいなと思っていたのはある程度本心。)…なんてな。(あの時突然『エラー』を起こして倒れてしまったお詫びというかなんというか。)「君〜、今ヒマか?もし嫌じゃなければだけど。一緒に自販機でにも行かない?ちょうど飲み物、炭酸ジュースがなくなっちゃってな。(ふり、と空になったサイダーの入っていたペットボトルを軽く振る。本当はゴミ箱にだけ寄る予定だったのだが。…炭酸飲料は所謂、冷却装置の稼働に使われる物である。)この前はほら、話の途中だったしな。歩きながら話そ。……で、いきなり話すような内容じゃ無いのかもだけど。ウサギさんは私に…(ちら、と君を瞳だけ動かし見た後に。)興味があるのか?私には特に何の装置もないぞ。例えばレーザーガンだったり、ジェット装置だったり。」(そう、アニメやマンガ、ゲームに出てくるロボットの持つものの筆頭ともいえる機械を挙げてみる。) (6/8 22:18:28)
Walter=Von=Neumann>
「嗚呼、…丁度君を探して居たのですよ、浸嬢。お供しますよ。」(君に話しかけられたそのモフモフ紳士は仮面越しに優しく微笑み、君と肩を並べ…られはしないが、足並みを揃えて隣を歩こうとするだろう。梅雨のせいか幾分かもふもふと毛並みが立っているせいか彼のマントはいつもより膨らんでいるように思える。それも折り畳み式のティータイムセットを収納しているのなら無理も無いかもしれない。かつかつと先ほどまで地面に突いていた杖は腰のベルトに着けられたホルスターに入れて小さな身体で君の速度に合わせて歩くだろう。なに、これくらいは問題ない、人間の大きさに合わせて生活するのは慣れている。)「……?、なるほど。えー…そうですね、浸嬢に武装が搭載されていない事は十分理解しているつもりですが…… "興味"というのは、そういった少年心を擽られるか、という話で“本当に”合っていますか?」(彼は君の“ウサギさんは私に…”という枕詞にぴくり、と耳を立てるがその後に続いた言葉を聞いてくすりと可笑しそうに笑みを浮かべて一度仕舞った杖を取り出して、カンッと君の進行方向の地面に杖の先を突き立てては柄の上に飛び乗って身長を補正する。それでもまだ君の身長にはギリギリ辿り着かないが、杖術を駆使して上手く杖の上でバランスを取りながら君の方をスマートに振り返ると、)「ウサギさん、と呼ばれるのも君にならくすぐったくて嫌いじゃない、けれど、出来る事ならノイマンと、もっと望んでも良いのならヴァルターと呼んで欲しいのです。」(彼は君の頬へとその手を伸ばして、冷たく、硬く、そして美しいその肌を優しく撫でてはそのまま少し髪を掻き上げて耳にその毛束を掛けよう。その方が良く君の表情が見える。君は表情を表に出すのが苦手だと云っていたが、君が表面上で表さない君の感情を読み解くだけの時間は彼には在った。模倣して多くの犠牲を払って抉じ開けた紅蓮の扉の先には、それこそ君達が得られない膨大な時間が在った。だから、もしも君が表情を隠そうとも、言葉にしなくとも、君の感情は読み解けるのではないだろうか?) (6/8 22:48:13)
浸 ばぐる>
「えぇ、と。ノイマンさん?(と、ここで初めて彼の名前を呼ぶ。)(まだ名前で呼ぶのは早いであろうから。)えと。いや、この間、私の目ばっかり覗き込んでたり。もしかして、(ここでずっと黙っていたことを。…下の方で自分の指どうしを絡ませながら。)…私のこと『好き』だったり?(__その感情は君にはもうバレバレであろう。)ほら、ずっと私に優してくれてさ、ノイマンさんは紳士さんだから私の自意識過剰かもしれないけど。(杖の上にに器用に立ち、こちらに触れる彼の顔をおそるおそる撫で返してみる。…暖かくてふわふわだ。)もし仮にそうだったとして__どうして君は私のことが好きなのか。ほら、私って結局は感情のある『鉄の塊』だし__人間みたいな表情もろくに無い、ましてや今の感情が『本当』かも自分でも解らないのに。…いや、私も…その。君のことは結構気になってるんだけど、な。(ここで一言、それはそれは人間臭くぼそ、と呟く。)」 (6/8 23:18:45)
Walter=Von=Neumann>
「……ふふ、そうですね。心底お慕いしていますとも。浸嬢、……君はもう少し自分が魅力的な女性である事を自覚した方が良い。」 (君に撫でられた方の瞼を擽ったそうに閉じて、君の耳元に伸ばしていた手をそっと降ろし、君の腕の輪郭をなぞる様に手探りで君の指先まで辿り着いては、優しく自身の頬から君の手を掬いあげて、まるでエスコートでもするかのように柔らかく持ち上げた君の指をゆっくり引き寄せて手の甲へと接吻を落とす。きっといくらでも理由はあるだろう。元々女性という生き物に優しかった、それは女性と云う生き物に全般的な好意が在ったからに他ならない、けど、その中でも君は特別だったのだろう。理解出来ない難攻不落の定理、自分の知能に自信があるからこそ、君と云う存在を、君の感情を読み解きたかった。最初はそれだけだったのだろう。あとは…あとは、ただ寂しかったのかもしれない。空白の3年間を埋める物はやはり人との関わりでしか無くて、孤独は彼の牙を奪ってしまったのだろう。そこに残るのは愚直で単純で安直で実直な興味だったはずだ。)「それを言うなら私も、偶然人間以上の知能を手に入れた獣に過ぎません。人間の云う愛情と獣の繁殖本能、それらの差異を裏付ける研究は未だ何処の国でも立証されていません。仮に、君が私の事を気に成っているのだとするなら、それはどうしてなんでしょうね?」(彼は愛おしそうに口付けをした君の手の甲へと額を押し当てる。その行為はどうにも君と云う存在を出来る限り感じようとしているとも捉えられるかもしれない。数秒に満ちるか否かの短い存在認識を終えた彼はすっと手を放して、かくもスマートに杖から降りて、自身の方へと倒れてきた杖をスタイリッシュに掴み取ってはホルスターに仕舞うだろう。それから、もしも君が彼の質問に答えようとしたのならば、それを遮る様に口を開く。)「……さ、答え合わせはまたにしましょう。自販機に向かうのでしょう?」 (6/8 23:43:47)
浸 ばぐる>
「魅力的か〜、って言われるとそうかなぁ、前も飯田ちゃん、って子にかわいいって言われちゃったからそうなのかも、な。ふふ、私ね、ゲームのイベントの対戦用アンドロイドだから。アイドルみたいに可愛く作ってもらったってことかなな。うれしいぞ。…結局イベントには出れなかったからこうやって学校にいるけどね。(なんて隠しきれない焦りに無理やり言葉を乗っけて話を続ける。と、)「おわっ!?ちょっと、ここ廊下なんだからあの、もし誰かに見られてたらあのーー、ちょっと恥ずかしい、かも、」(彼が触れた手に、ふわりとした感触が残る。)…そうだな、ノイマンさんも、元は普通のウサギさんだったんだもんな。不思議。確かに、なんでだろ__」(と、それを遮り、杖を仕舞い終えた彼が言う。)『……さ、答え合わせはまたにしましょう。自販機に向かうのでしょう?』「…あ、そうだった!(お昼休みももうじき終わり。)ちょっとだけ、急ぐぞ。(と、突然彼を必死に抱え上げた後。)…えと、『クールウォーターゲーム』!(キュイン、と自身のディスコードを発現させる。)自販機に着くまで私とノイマンさんを透過して。…目を瞑らないようにな。__行くぞ。」タタタタッ、と壁に向かって走り出し、ショートカットを試みながら。)「自販機までの新記録を目指すぞ〜〜。目指すはヨーグルト味のなんか飲み物!…ね、ノイマンさんも欲しい飲みものある?(なんて聞き返すだろう。…それは、さっきの会話からなんとな〜く話をずらすように。)(…彼の『答え』はいつか聞けるのだろうか。) (6/9 00:34:40)
Walter=Von=Neumann>
「っ!? お゜ッ____!?」(それはあまりに恐ろしく不思議で理解出来ないトンネル現象だ。壁にぶち当たると身を縮こまらせて衝撃に備えていたがするりと身体が擦り抜けて、ただただ壁に当たるかもしれないという恐怖やら驚愕やらが連続して自分を襲うその状況は未知に満ち溢れてもはや理解しようとも思えない思考の更に先を云っていた。不可解で、不思議で、予測不可能で、でも、だからこそ、悪くないと思えた。) 「やはり、っ…君は面白いですね。」 (壁を擦り抜けるのが物理干渉を受けないが故の効果だとするのならば自分の声は君に届くのか、なんて少し気に成って、そう呟くだろう。自販機の前に辿り着くまでに好きな飲み物を応える余裕なんて無いだろうから、君の腕から逃れられたその時にやっと答えるのだ。)「そうですね…市販の紅茶もたまには好いでしょう。……何せ今日はテーブルセットを持ってきていないので… 嗚呼、投入口にお願いできますか?」(そう彼は告げて硬貨を君に差し出そうとする。身長差のせいで君を見上げる様に手を挙げるしかないのはやや屈辱だが仕方ない。君はそれを受け取るだろうか、それとも、押し退けて君が代金を投入しようとするだろうか、どちらにしても、自販機の投入口の正面に立った彼に何かアクションを起こさないと、君が強行して代金を払う事が出来ない様に彼は計算していた。もしも、もしも君が硬貨を持つ彼の手にその手を伸ばしたのなら______)「___________私は、君の心の奥底を読み解きたかった。君を気に入ったのはそれが引き金です。けれど、今は君の心の奥底を私が一番理解したいと想っている。出来る事ならば、その誰にも読み解けない心が自分の物になれば良いと思っているのです。」(彼は、君の手をぐっと引き寄せてその表情を出来る限り近くで見つめて、そんな言葉を吐くだろう。“今日はティーセットを持ち歩いていない”、その理由の答えが今まさに1匹と一機の間に差し出されたあまりにも綺麗で情熱的な花束なのだろう。)「浸嬢、…いいえ、ばぐる。私のこの感情がただの独善的な物欲か、はたまた恋慕か、………共に解を求めては下さいませんか?」(それは愛の告白だろうか、それとも生涯を添い遂げる契約だろうか、はたまた、ただ情熱的でキザなだけの研究依頼だろうか、そんなものは人間の世界を熟知していない彼にも、もしかしたら君にも分からないかもしれない。けれど、彼のその表情に湛えられた柔らかな笑みは確かに愛おしさそのものだったはずだ。)≪綺麗な花束:渡された対象は任意の探索ライセンスを1つ得られる≫≪情熱的な花束:渡された対象を1度だけ確実に庇える様になる。重複不可≫ 浸ばぐるへ譲渡。 (6/9 00:55:34)
浸 ばぐる>
「あは、ごめ〜ん、結局驚かせちゃったみたいだ。(なんたって彼女は予測不可能。その変わらない表情にえへへ、とアタマの後ろ側を掻くような動作をしながら。)えっと、ミルクティーでいいかな。」(つめた〜い、と表記された紅茶、『午前の紅茶』の方へと指を伸ばす。)(そのすぐ後、少しかがんでから彼からコインを受け取ろうとした時。)「へ、(先程自分の腕から下ろされた彼が突然渡すのは綺麗で、更には情熱的である花束2つ。『………共に解を求めては下さいませんか?』なんて話す彼を見て。)…なるほどね。(そう呟いて、彼から花束を受け取る。)いいよ。まったく、オシャレでズルいうさぎさんだな。『ヴァルター』さん?」(彼が自分の名前を呼んだのを確認して。初めて『本当の』名前で呼んでみる。)(一体と一匹の不思議な関係。確かにその時、彼女の瞳はきらきら、と輝いていた。) (6/9 01:14:34)