音戯華子

オトギハナシ

エレナ・ドラグノフ> 
____屋上。そこに来た理由は、単に気晴らしだ。未だに尾を引いているのは、半年前の事件。ヒーローが壊滅した日、私は同時に家族も失った。そして、囮になった友達を振り返らずに走ってしまった日でもある。いつになくしけた顔だ、と、昨日は雨で、今日は晴天。風があまりないからか消え去らなかった水溜まりを見つめて思う。あの時、誰かを庇うべきじゃなかったのか。ああいう時、走り出せるように鍛えたのではなかったか。そんな風に度々思い返す度に____悔しさと、今度こそはという力が湧いてくる。『馬鹿はどっちだろうな。あのまま皆一斉に逃げ出したら、どの道遠からず追いつかれていたんだし。』のだけど、今日みたいな涼しく澄み渡った、雨の溶けだしたような日には、あの日の晴れ渡った天気を思い出すからか前者の方の割合が少し強いらしい。ああ、自分でも笑ってしまうくらいナイーブで。そして同時に_____そういうのをぶっ飛ばすロックンロールの前フリには、これ以上ない。   (5/16 22:27:55)


音戯 華子> 
(『青』である。)(創作者は、つまり言うなれば表現者だ。自分の伝えたい感情、経験、それを自分の表現力に乗せて世界に発信する、誰かの『ヒーロー』。それが、創作者である。)(さて。)(『青』である。)(彼女は、目の前に広がる一面の『青』を、見つめていた。それを見た創作者達は、この『青』をなんと表現するだろうか。)(彼女は仰向けに寝そべったまま、鉛筆をひっつかんで『青』に刺した。)(きっと画家なら、この『青』を極彩色の絵の具を混ぜ合わせて、そこから自分に見えた色を付け足して、それを『青』として紙に表現するだろう。)(きっと作家なら、『今にも溶けてしまいそうな青』とか。自分の頭の中に存在する、ありったけのボキャブラリーを使ってこの『青』を表現するだろう。)(────────────では、歌手は。)(この『青』を、どう表現すればいいんだろうか。)(彼女がクマになった目をぐいっ、と細め、力なく鉛筆を持った腕を下ろした時だった。)『馬鹿はどっちだろうな。あのまま皆一斉に逃げ出したら、どの道遠からず追いつかれていたんだし。』「..............っ、っっっ、!?!?!?.....................................っっ!?!?!?」(本当に、意識の外から音が飛び込んできた。まるで、シャワーを浴びている時に目を閉じて歌っていたら、シャンプーが棚から落ちてたとき、のような。そんな、驚愕の瞬間だった。最初にノートとギターを持ってここに来たのは、土曜日の特別補修が終わってからのことだから、そこからずっと考え込んでいた、筈だ。そう、彼女は日陰にいたのだから、貴方が入ってきて彼女に気づかないのも無理はない。)(が。)(彼女もまた、貴方に気がついていなかった。彼女は緊張のあまり体を動かすこともできず、ただ鉛筆が指先から滑り落ちて。屋上に鉛筆が転がる音だけが、ただ響いた。)   (5/16 23:37:46)

水沫 泡> 
(ドン、トンッ、キュ。それは靴底と床が擦れる音と、何かを蹴っては着地する音の連続。埃っぽく暗いこの旧体育倉庫には彼一人。言うなればソロの打楽器奏者であった。楽器は体育倉庫そのものと跳び箱に鉄の棒やマットやらだ。彼は複雑に散りばめられたこれらを使い"パルクールの練習"をしていた。細い足に隠された圧倒的な脚力による跳躍。軽やかで慣れた身のこなし。パーカーをはためかせ彼は飛び回る。よく見れば下は制服ズボンのままで、授業後すぐにここへ来たことがうかがえる。部活やら委員会やらに所属していない彼は着替える手間すら惜しいとそのままここへやって来た。いつだってこんな場所に人はいないが、放課後急いでここへ来る生徒こそ殆どいないだろう。例えば1人っきりで何かを練習したい同士の様な生徒でない限り、この場所に用はないはずなのだ。)   (5/17 00:33:26)


音戯 華子> 
「フフフン、フフフン、フフフーーン。フンフンフン、フンフーン................!」(鼻唄まじりのどことなく上機嫌そうな、そんな声。)(歩く時の足音でリズムをとりつつ、そこに乗せるように鼻歌が混じりながら彼女の世界を彩る。これは、表現なんかじゃない。ただ、誰かが作り出した情景の、後追いに過ぎない。言うなれば、名著作を黙読しているようなもの。それでも、彼女はこの時間が好きだった。一人で歌を練習するスタジオ、もとい旧体育倉庫に向かう途中の、なんとも言えない高揚感。呪文のような言葉を羅列し続ける、あくびを噛み殺す授業が終われば。放課後のその時間は、彼女にとって至福の時なのだから、こうして好きなメロディを口ずさまずにはいられないんだ。)「フンフンフン、フンフンフーーーン!フンフンフン、もういっかーーーーい!」(思わず、なんかノッて来ちゃって。歌詞を口ずさみながら、旧体育倉庫の扉を開けた。)(ドンッ、トンッ、キュッ、トトトトッスタン、ドドッ、タタッ!)「.......................。」(何か、いる。)(そりゃ、毎日ここに来るわけじゃないけれど。普段は音楽室で練習してる、けど。でも、まさか『髪の毛ロング、暑くねの歌』を盗み聞きされるなんて思わなかったから、だから。最近はここに来ていたっていうのに。)(目付きの悪い彼女は、ぐいっと眉に皺を寄せて、貴方を見つめる。誰だろう、この人。なんて、そんな興味本位。そんなつもりはに一切ないのに、まるで、睨みつけてるみたいになっちゃうね。)   (5/17 00:58:45)


水沫 泡> 
(ガツン、金属が揺れる激しい音が響く。彼は跳び箱の上から1層高く跳び、バスケットゴールに手をかけた。ふわりと身体が浮き、高い位置から体育倉庫を見下ろす。……そしてようやく、君に気がついた。)「なっ………」(こちらをじっと睨みつけた鋭い瞳と視線が交差する。まさか人に見られているとは思わなかった動揺。人がここに来たということへの驚き。睨まれている……もしかして怒ってる?なんていう焦り。そして何より、"着地点に君がいる。"このままぶつかれば怪我をさせてしまうかもしれない。どうにかして避けなければと辺り視線を走らせて、じわりと手に汗が滲む。…ずるり。一度に沢山のことを考え過ぎたんだろう。集中が途切れたんだろう。僅かに彼の体勢が崩れた。_______あぁ、まずい。これは……落ちる。)(彼はそのまま君の元へと降りてくる。いや、君の目の前に落ちてくる。前のめりになった勢いを殺しきれるわけもないく、彼は君にぶつかってしまうことだろう。そうなれば、そのままふたり共々床へと転がる………はずだったのだが、君の背後にあるのはぷにょぷにょとしたなんだかよく分からない水のクッションのようなものだった。そのクッションが全ての衝撃を吸収してくるはずだ。それより気にすべきことは、彼がまるで1人の女子生徒を押し倒すように倒れ込んでしまったことである。誰もいない体育倉庫で異性を押し倒すなどあってはらない無いこと。だめ。アウト。彼の頭の中は今"やばい、終わった"でいっぱいである。知り合いならまだしも、知らない子だし。彼はきっとこの時点で君へ土下座して謝るところまで決めている。)「……いや、違くて。ほんとうに……ごめん」   (5/17 01:17:39)

音戯 華子> 
『イヨォォォォォォオオオオオオオオオオオッッッッッッッッツ!!!!!!!!!!』(ツッツッツッツ、ジャン!!!!!)(ギターから、色とりどりの音が溢れだす。天気は心が沈む程に大晴れ。雲一つない青空にペンキをぶちまけるように、彼女は中庭を飛び回る音たちと、戯れるのさ。)『余裕で生きてたい くだらないことで笑いたい ひとりになりたくない 全くもってこんなんばっか』(日々の不安、恐怖、怒号、悲嘆を全部乗せて、それを。)(丁寧に、綺麗で華やかなメロディーに乗せる。それが妙に皮肉ったらしくて、元気が出て、そういう粋な部分を全部歌う。)(それはそれとして、だ。)(今は授業中である。)(中庭ではしゃいでるうるさいのは、どうやら授業をバックレてるみたい。)   (5/27 14:30:52)


エレナ・ドラグノフ> 
カミサマの調査で、どうも下手を打ったヤツがいたらしい。本来私たちが受けるはずだった授業はパス。事後処理やら救助活動やらに先生が駆り出されたもんだから一時は慌ただしくなったものの、今となっては日差しも気持ち良い絶好の昼寝日和であり、微睡むくらいに退屈な自習時間だ。____窓の外から、微かに音楽が聞こえてくる。よりにもよって授業中だっていうのに、一体何をやってるんだ……?『はあ?』二階の窓から見下ろしたそこでは、誰かが歌っていた。誰かが奏でていた。それだけなら街中でだって見るだろうが、繰り返すが今は学校内であり授業中だ。思わず間抜けな声が出て、それに釣られたのか教室の男連中を皮切りに段々と騒がしくなる。『おーい、何をやっている!?』窓から身体を乗り出して、手を振りながら中庭に向かって呼びかけた。『授業は受けなくていいのか_____!?』ちょうど暇だったところだ、こんな風にちょっかいを出すのだって悪くない。後ろから好き勝手笑い声やらはやしたてる声を背中に受けながら『そっち、混ざりに行ってもいいかな____!?』教室内が湧く。さて、これは腹を括る必要があるぞ。   (5/27 14:49:02) 


オトギハナシ> 
『めんどくさいや うんざりすんや 僕ら多分ちょっぴり生きるのに不向き 脳みそ弄って幸せ感じたい』(こちとら頑張って生きてんの。上手く気持ちを口に出せなくたって、勉強する努力してなくたって、これが私の全力なの。それで世界が私を否定すんなら、私はどうしたらいいんだ?)(掻き鳴らす、ギターから響くドラムの音、全部全部彼女の周りを飛び交い。それはやがて、観客のみなさん(授業中の生徒達の耳に突き刺さる。)(アンタらも迷ってるんだろ。しんどいだろ、疲れてんだろ。ヒーローなんて幻想みたいな肩書急に背負わされて、市民様の為に戦ってんのはつかれるだろ。誰だってそうだ、なんの悩みも抱えて無いやつなんていないのさ。だからこれはある種のグラフィティ。何処からともなく現れて、法の壁にアートを書き殴って帰ってく、そんなバンクシーみてぇなやり方で。私はアンタラを、音楽で訴えかける。)『そっち、混ざりに行ってもいいかな____!?』『息をするだけで愛される合格通知くれい 圧倒的足りない自愛 両手使って自分自身のこと もっと抱きしめなくちゃ』(貴方と、目が合う。それは偶然なんかじゃない、彼女が歌ったから、貴方が叫んだから、彼女らは邂逅する。)「来てみろよッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」(目があったなら、もうアンタはもう私の観客だ。全部全部巻き込んで校則に真っ黒な落書きして帰るんなら、楽しむ仲間は多いほうがいい。)   (5/27 16:54:24)


エレナ・ドラグノフ> 
____どこか他人事でいた。辛いとも思ったことはなく、悲しいとも思ったことはない。厳しいとは思うし大変ではあるが、それでも迷ったり苦しんだりすることはなかった。従って自分を愛する必要はなく、自分を勘定に入れる道理はない。手を差し伸べてくれる人がいたらその手を掴むことはしようと思うけれど、それは本当に辛くなった時だけでいいと思っている。だから、その曲自体に心を打たれたんじゃない。『ふ、馬鹿者が。でも、なんだか嫌いになれないんだよな、そういうの____』叫ぶように唄う彼女が、美しかったからだ。誰かの弱さを抱き締めるようで、誰かの強さを賛美するようで。抑圧からの解放を叫ぶ姿は、なんだか最高にロックスターだった。____なら、やることは決まっている。『貴様、楽器かマイクの予備とかくらいはあるんだろうな?』にぃ、と笑い_____窓から飛んだ。足にバカにならない衝撃が返ってきて、前につんのめりそうになりながら身体を起こして、彼女に拳を突き出す。退屈な自習時間はおしまい、これからはぶっちぎるためのライブだ。   (5/27 17:15:13)


オトギハナシ> 
(勢いよく流星のように尾を描き、窓から飛び出てきた生徒。随分身長が高いみたいだ、顔は引き締まっていてかなり美人で、自他ともに厳しいクールビューティーって感じだけど。)(見た目で人は、推し量れやしない。)(彼女は地面に置いたバッグからひっつかんだマイクを空に向かって、天高くぶん投げる。アンタの手元に落ちてくるまで、あと5秒。)(彼女はニッ!と目を細め、その尖った歯を見せながら笑えば、貴方の拳に思いっきり自分の拳をぶち当てる。)(落ちてくるまであと、3秒。)(さぁ、アンタがどんな歌を歌うのか、聞かせてくれよ。さぁ行くよ、こっからがこの曲の本番なんだから。)(あと、一秒。)(その瞬間、演奏が一瞬だけ止まる。本当に唐突に訪れる、刹那の無音。だがそれは、演奏の終焉なんかじゃない。それは、いうなれば。)(それは。)(嵐の前の、静けさだ。)(零秒。)(マイクが、貴方の手元に落ちてきた。)『うわああああああああッッッッッッッッッ!!!!!!!!!』(気色の悪いくらい、鬱陶しいくらいの晴天に吠える。ギターを掻き鳴らしながら、この世の不条理と社会の抑圧と、そんな感じのもの全部引っくるめて。)(【 ぶ っ 飛 ば せ 。 】)『頭なでなで 偉いねえ もう生きてるだけで誉めて頂戴 自損した自尊心ではやってけない いい子いい子が足りてない 今日までずっとずっと生き延びてるのにさ』(消えない汚れ染み付いて取れない私の喉仏。)(全部全部その汚れ出し切って、そんでもっと汚してやる。黄緑色の吐き気と痺れが指先からパチパチと迸って、それが弦を掻き鳴らして音を為す。そうして誰か一人にでもこの歌声が届いて幸せにできたんなら、"ヒーロー"冥利に尽きるってもんだろ。さぁ、歌え。自分の疲れも他人の喜びに変えちまえる、それが音楽の秘めた可能性なんだから。はしゃげ、下手だっていい、拙くたって、思いは伝わる。)   (5/27 17:47:00)


エレナ・ドラグノフ> 
____受け取ったマイク。言葉なんて交わさなくたって、それには魂が乗っている。たった二人で、乱舞するように、駆け抜けるように歌う。背中を合わせ、ステップを交わし、彼女に置いていかれないように精一杯を叫ぶ。『もういいじゃん』『みんなすごいよ』『存在意義なんておべんちゃら廃棄処分さ____!!』ラストに目掛けて天を叩く怒声。それは抽象的で、具体的で。もやもやしていて取り留めがなくて。けれどそれは何かに。そしてそれは確かに。怒り、抗い、踏みとどまり、踏み出そうとする人の歌だ。名前を呼ぶ声がする。それに答え合わせをするように、これから一緒に歌う彼女へとリクエスト___『次、私に合わせて歌ってくれないか。どの道怒られるんだったら、精々好きに叫んでからがいい。』『それに……だ。この馬鹿騒ぎの主犯が、貴様だけなんていうのもつまらんからな_____?』さあ、次は空からの乱入者のターンだ。格闘技と音楽、違いはあれど同じショービジネスの世界でもある。盛り上げるからにはこうしなきゃならない、こういうノリがなきゃならない。そのくらいは察しが着いていたから。バカをやろう。精一杯のバカを   (5/27 18:00:43)


オトギハナシ> 
『存在意義なんておべんちゃら廃棄処分さ____!!』(ジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャアアアアアァァァァァァン...............)(ギターが最後の1小節を奏で終える。)(音が、消えていく。)(この瞬間、いつも不思議な気持ちになるんだ。どんだけ最高な曲でも、いつかは終わりを迎える。長く立って、終わりがあるから曲として成立する。だけど、その音が消え入る瞬間の、演奏しきったという、筆舌に尽くしがたい達成感と。『もう終わっちまうのか』っていう、物悲しさと。それが混ざり合って、ちょっぴり切なくなる。)(そんな、ときだった。)『次、私に合わせて歌ってくれないか。どの道怒られるんだったら、精々好きに叫んでからがいい。』『それに……だ。この馬鹿騒ぎの主犯が、貴様だけなんていうのもつまらんからな_____?』「...................っっっっ。」(目を見開いて、貴方を見つめる。なんて。なんて、素敵な誘いなんだろう。まだ歌っていられる。まだ叫んでいられる。まだ奏でていられる。まだ、表現できる。)(私とアンタの、この激情を。)「............................好きなタイミングで来な、くださいッ!」(彼女はまた笑う。今度は挑発的に、しかし熱く滾るように。先生が止めに来るまでの残り数分、強烈な『アート』を学校に塗り付けて帰ろうじゃないか。彼女はギターの弦に、もう一度指をかけた。)   (5/27 18:30:36)


エレナ・ドラグノフ> 
『____任された。』あれは、ヒーローを慰める曲だった。優しい歌だった。迷ったり苦しんだり、自分なんかじゃと思い込んでもぐちゃぐちゃになっても、それでいいんだよと寄り添ってあげるような……そんな歌だった。なら、次の歌は。前に走っていく歌でなくちゃ____!『回り回ってさあ!今』『重なり合った未来』だから、とびっきりに勢いをつけて、跳ね上がるように叫ぶ。これから、ヒーローは立ち向かうんだというように。ヒーローは負けないんだと願うように。私たちは最初から、そのために居るんじゃないか。痛くても辛くても悲しくてもしんどくても、それでも這い上がって前に進むために。かっこよくなんて出来ないのは当たり前だ。私たちはあくまで「見習い」のヒーローでしかないんだから。けど。けどそれでもと叫ぶ歌『We are 最後の』『サァバイバァァァ______ッ!!!』チャイムが鳴り響いて、昼休みくらいに差し掛かる頃合だろうか。ああ……邪魔だな。これじゃあ届きようがないし、いくら叫んでも意味が無い。消し飛ばしてくれるんだろ____ヒーロー?   (5/27 19:01:25)


オトギハナシ> 
『We are 最後の』『サァバイバァァァ______ッ!!!』『デデンデッデッデッデッデッデデンッ、デデンデデンデッデッデッデッデデンッッッ!!!』(指が弦の上を忙しなく駆け回る。紡がれた音は激しく辺り一帯を包ん........)「.............................足りねぇッッッッッッッッッ!!!!」(指をどれだけ動かしたって、アンタがどれだけ叫んだって、この音楽は昼休みに飲み込まれる。時期に先生も止めに来る。)(───────だったらさァァァ。)(レットイットロック、その真価を今こそ発揮する時じゃんかッッッッッッッッッ!?!?!?。)『宿主が奏でた楽曲とそれに乗せて声帯から吐き出された感情表現は必ず誰かの鼓膜を揺らし心を震わせる。その音が聞こえる限り宿主が任意で選択した対象者の潜在能力を100%引き出す事が出来る。選ばれた対象者は自身の持つライセンスの中で最もふさわしい物を1つを10倍に重複できる。』(対象は。)(───────自分。)(【表現力】×40。二人の歌声が一番映えるように、アンタの叫びがみんなの心に一番突き刺さる表現で、演奏してやる。舞台は整えてやる。何倍にも増幅された音と楽器の種類。)(アンタの目に思いっきりその視線突き刺して、心を燃やす。)『どうでもよくなったよ 腐敗した微笑 苦笑』(歌詞は、"こっち"の方。完全にアドリブ。)(────────さぁ。やってみろ、ヒーローッッッッ!!!!!!)   (5/27 19:33:00)


エレナ・ドラグノフ> 
『色とりどりでより取りみ取り』『でも凝り固まった仮初の日々に』『一人気取り殻にこもりながらも』『虎視眈眈眈眈としている!!』いつしか、それはたった1人で始め、たった1人混ざっただけだったはずなのに、いくつもの手拍子や歓声に支えられていた。『研ぎ澄まされた感覚をもって______』なら、心から歌おう。歌は、感情表現なのだという。喜び、怒り、哀しみ、楽しみ。そうしたものを乗せるのならば、それは……普段は口にも顔にも出さない血みどろの激情だ。『叩きつけろォッ_____ッッッッッッ!!!!!!』ヒーローに憧れてなんて居なかった。ヒーローになんてならなくても良かったはずだ。本当はまた別の道があって、本当ならまだまだ弱い私が居て。その歯車が外されて、ヒーローにならなきゃもう止まれなくなった。走るしかない、前に。たたきつぶして行くしかない、先に。なんせそうしなくちゃ_____私の大事な仲間達が、自分と同じように傷つくんだから!!それは____『その 怒り をッッッッッッ!!!!!!!!!!』怒り。自分への怒りであり、理不尽への怒り。そして同時に、誰かへの優しさ。叫ぶ。ヒーローとしてなんかじゃなく、エレナ・ドラグノフの魂が叫んでいる。ウジウジしている時間は終わりだ、悲しむような時間も、グダグダと暇を潰すみたいな日も終わりだ。叩きつけろ、ぶつけろと____【怪力】×8→【怪力】×80 その腹の底から振り絞ってありったけシャウトした。さあサビに突っ込む。ここまで存分にやらせてもらったんだから____決めるのはやっぱり、臨時の主役よりも、ずっと表現を続けてきた君であるべきだろう_____?   (5/27 20:05:47)


オトギハナシ> 
『色とりどりでより取りみ取り』『でも凝り固まった仮初の日々に』『一人気取り殻にこもりながらも』『虎視眈眈眈眈としている!!』(鋭いリズムで一気にメロディを駆け抜ける、疾走感のある難所。アンタが完璧に走りきれば、信じてたぜ、なんて笑いあいながらギターを奏でる。)(徐々に集まってきた観客達、そろそろ潮時。私達は今、あくまでも悪戯に己の感情を爆発させるだけのグラフィティアーティスト。まだまだコンサートをやるには、顔を売るには未熟だから。彼女は紙切れを自分の顔に貼っ付ければ、)『叩きつけろォッ_____ッッッッッッ!!!!!!』『その 怒り をッッッッッッ!!!!!!!!!!』(紙切れの下か覗いた口が、ニッと尖った歯を見せて笑った。)(じゃあ、今ここで。)(伝説になろう。)『まわりまわってさぁ今ゼロに戻った未来』(全員惹きつけた、全員こっちに来た、観客動員は上々、コンサートするにはちっとばかり明るすぎるから。)『悲しむなって今日は昨日より悪くないよ』(【表現力】×40。不条理、理不尽への怒りを音楽にぶつけるんなら、その歌声は綺麗で、でもその美しさの中に醜い激情が垣間見えるから、その歌声は全員の感情を揺さぶる。怒ってんだ、怒りに震えてんだ、カミサマに侵略されてヒーローが死んで、許せねぇの。だから、美しく歌う。グレて汚くなるのは、今じゃない。ヒーローは、美しい正義を守るために泥臭く戦うから。)『まわりまわって さぁ今 霧がかかった祈り』(美しく、美しく、美しく、綺麗に儚く。)(そして、最後の最後で。) 『ウィアー、 最後のサァバイバァ゛ァ゛ッッッッッッッッッ!!!!!!』(とびっきり、汚した。)(ギターの伴奏を、ぶっちぎる。原曲通り、思いっきり止める。)(さて。)『コォオオオオオオオラァアアアアアアアアアアッッッ!お前らは何をしてんだァアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!』「................に、に、ににに、っ........にげるよっっっ........」(彼女は言葉をつっかえつっかえ、ようやく声をだす。貴方の右腕をひっつかんで、怒鳴り声を上げながら本気で追いかけてくる、鬼の形相の教師。彼女はいつの間にか集まっていた観客の間を割って、できるだけ遠くへ駆け出した。)   (5/27 21:04:24)

水沫 泡> 
(梅雨前のじんめりとした風が頬を撫でる。雨上がりにからりと晴れた晴天が心地よい。吹かれた風に長い髪が揺れて、青いイヤホンがチラリと見えた。)「ふん、……ふんふん___」(彼は歌を口ずさむ。それは昨日、あの子がみんなのために歌っていた曲。子気味よくピアノの音が弾んで、宙にぶら下がった足が自然と踊る。今日あの子が歌っていた歌詞を頑張って思い出して、それが"水流のロック"という名前の曲だと知った。いつもあの子が与えてくれる歌の力は絶大で、それがたとえディスコードの能力だとしてもそうじゃない所になにか大きな力がある気がして……。なんて、音楽のことはほとんど分からないし、普段あまりたくさんの曲を聞いているわけでもないのだけれど。……どこでだったか忘れたが、その子がたまに屋上でライブをやるのだと噂で聞いた事がある。それから気が向いた時にここへ来るようになったわけだけれど、今のところ遭遇できる予感はない。そもそも屋上でお弁当食べたり授業サボったり、ましてやライブを開くなんて話は漫画の中だけでのイベントだと思っていた。)「今日もこない……かなぁ」(スマートフォンから流れていた音楽が止まる。画面に表示された再生ボタンを押さずに、そのままイヤホンを外して給水タンクの上から飛び降りた。訓練してない人がそんなことすれば足が痺れて仕方がないのだろうが、彼はヒョイとそのまま地面にたどり着けばドアを振り返った。もしかしたらそこから、大量の荷物を抱えた君が来るかもしれないとは考えないで。)   (6/6 20:13:08)


音戯華子> 
「ン〜〜ン〜〜〜〜!..........フフフフーーフフフーンフフ〜フフーーーンフフフフフフーーーーン!!!フフフーンフフン!」(歌声が響く。)(否。)(この妙に間延びしていて、それでいてどこか平和ボケしたかのような。こんな経験ないだろうか。鼻歌を一人で奏でていたけれど、よくよく考えればこれは鼻歌である必要なんてないって。思わず嬉しくなっちゃって、)『とぉぉぉってお.......ッッッッッッッッッ!』(歌いだしちゃったりして。)(大方貴方の期待通り、になってしまったかもしれない。ギターケースとマイクとスピーカーを携えた彼女が階段の扉を開けて。)「............................................、.................」(貴方と、目があって。)「........................。」(頬が、ちょおおおおっとずつ熱くなって。)「..................は。」「はははは、はじめまひて〜〜〜........」(もう何色になってるのか想像もしたくないほっぺ。かみっかみになりながらも挨拶だけして、)(バタン。)(扉を閉じて、何事もなかったかのように帰ることにした。)「いやいやいやいやいや人いるなんて聞いてないよぅーーーーっっっ!きかれた!?聞かれたよねぜったい、なんのら鼻歌から聞かれてたよね.....?うわああああもうああああ..........」(小声でブツブツつぶやきながら、いそいそと階段を降りて。さぁどうしましょう。このままだと、貴方の探し人は何週間かはここに来ないでしょうけれど。)   (6/6 21:07:03)


水沫 泡> 
(階段を登る足音よりも先に、聞こえてきたのは間延びした鼻歌。それは次第に実体を持つように、輪郭を帯びて歌になった。ご機嫌な音符はそのまま勢いよく扉を開き_____) 『........................』『..................は。』『はははは、はじめまひて〜〜〜........』「みつけたっ!!!」(君の恥ずかしそうな上擦った声と、彼の嬉しそうなキラキラとした声が重なる。勢いよく引き返し扉を閉めた君を追いかけて、扉を引っ張り出すように開けばその腕を掴もうとする。)「君でしょ!?いつも俺たちに歌ってくれて、ここでライブやってる子!」(貴方の腕を目指した彼の手首の、そこにぶら下がった派手な髪ゴムが揺れる。彼は宝物を見つけたような声音で君に問いかけた。あんなにご機嫌な歌を歌えるのだ。昨日も、その前も、ヒーローに歌を届けていたのは君だって、そんな気がした。) 「探してたんだ、この前の歌も凄く良くて。あれから同じ歌をずっと聞いてるんだ、忘れられなくってさ、君の声を聞いてると力が湧いてくるというか……」(そこまで早口まくし立てて、それから勢いで伸ばしてしまった手を慌てて引っ込める。その様はさながら、推しを前にしたファンのそれだ。)   (6/6 21:21:07)


音戯華子> 
『みつけたっ!!!』(遠くで響く声。どうやら探しものが見つかったらしい、あわよくばその喜びのあまりさっきのあの恥ずかしい鼻歌まで忘れ去ってはくれないかなぁ、なんて考えていた。)(足音が、こちらに向かいながら大きくなるまでは。)(音が大きくなるにつれて、何が貴方をそこまで追い立てるんだなんて考えて、とにかく何もなかったかのように真顔を作って階段を降りていれば。)『君でしょ!?いつも俺たちに歌ってくれて、ここでライブやってる子!』「なん..............!?!!?!?」(──────普通に身バレした。)「うう、う、うぁぁあああのほんとにごめんなさいいや全然校則違反ってことは知らなくて嘘です知ってましたごめんなさいでもあのあのあのやっぱりみんなにこの声届けて幸せにできたら全然こちらも本望というかええあの焼くなりにくなり好きに断罪してくださっても構わないというかああああでも最後に一枚夢だったアルバムを出すのはしたくてですねぇぇ.......」(何度もいろんな場所でゲリラライブをやっては、教師に追いかけ回されて。紙切れ一枚。で保たれていた匿名性も、流石に限界があったらしい。というかあんだけ任務のときに歌ってたらそりゃバレる。というか多分先生にもバレてる。彼女はふにゃふにゃぁと目を細めながら言い訳とも命乞いともつかない何かを並べ立てて、とりあえず腹パンあたりに備えておこうと腹に力を入れようと気張っている。)『探してたんだ、この前の歌も凄く良くて。あれから同じ歌をずっと聞いてるんだ、忘れられなくってさ、君の声を聞いてると力が湧いてくるというか……』「......................。」「..........おお、お、えお、え??」(あまり経験のないその褒め言葉たちに、少しだけ頭がパンクして。彼女はオトギハナシとしてなら、貴方達と対等に接することができる。でも、いざ紙切れをとっぱらってしまえばそこにいるのは、少し人より歌が上手いだけの女の子。ヒーロー達が集まるこの学校に、ポツリと浮いた空白のようで。だから彼女は、貴方達みたいなヒーローに褒められるなんてのに、すこぶる慣れてない。)「お、おおはははい.........歌ったのははい歌いました...........でもすごいのは私じゃなくて作曲者と本家様なので........私なんてミドリムシ........いや光合成できるなんてそんな社会に貢献できてない.....ミジンコ........いやケンミジンコ程度の存在として...........生きていきたい限りで....。」(言い終わってから、これだとケンミジンコさんに失礼だったかな、なんて後悔する。これじゃあ一生懸命生きてるケンミジンコさんを馬鹿にしてるみたい。)   (6/6 21:43:07)


水沫 泡> 
『私なんてミドリムシ........いや光合成できるなんてそんな社会に貢献できてない.....ミジンコ........いやケンミジンコ程度の存在として...........生きていきたい限りで....。』君から早送りのように伝えられた自虐もしくは謙遜の言葉に、彼はしばらくぽかんと口を開けていた。彼には作詞作曲者が凄いことはもちろん、それを歌い上げてしまう人の力も同じくらいに凄いと思っている。……それを上手く伝えられないか、彼はなにかいい例えはないかとグルグルと考えていた。そして、ピコンと頭の上に電球でも現れそうな顔をした。「歌が音なら君はスピーカーだ!!みんなにそれを伝えて、感動させる張本人だよ。たとえどんなに素晴らしい音があっても、それがみんなに伝わらなきゃ勿体ないんじゃない??」これはうまく例えられたんじゃない?なんて少し得意げな顔をしてから、君の持つ荷物の1部をひょいと下から持ち上げようとするだろう。「校則なんてどうでも良くない?って……君の歌を前にしたらそう思うよ。」彼は基本真面目だけれど、たまには悪いことをしたっていいんじゃないかなと思ってしまう。人生を楽しむための誰にも迷惑をかけないルールなら、破ったっていいじゃないか。「君のライブが聞きたくて待ってたんだ、準備手伝わせてよ……このスピーカー重いな」   (6/6 22:05:34)


音戯華子> 
(キラキラと輝きだしそうなほど純粋な瞳でこちらを見つめてくる貴方に、どこか気後れするかのように彼女は少しだけ身を引いている。)(どうしよう、どうやって逃れようか、なんて考えていたときだった。)『歌が音なら君はスピーカーだ!!みんなにそれを伝えて、感動させる張本人だよ。たとえどんなに素晴らしい音があっても、それがみんなに伝わらなきゃ勿体ないんじゃない??』(【それは。】)「っっっ、ぁ。」(【よくない。】)「ゎ........わたし、はっっっ!」(彼女は唇を噛み、自分の履いたスニーカーの先っぽを睨みつける。)「みんな、に。」「つ、伝えたい、ことがけっこうあります。ホントは、自分自身の歌詞に載せて、みんなに届けたい、です。」(表面張力でずうっと耐えていた言葉が、心から零れ落ちる。)「ほんとはもっと、自分だけの言葉をみんなにとどけ、たい。」(とくり、とくり、溢れ出す。)(彼女は貴方の言う、『音』になりたかった人間でなんだよ。)「でも、わたしはあんまり作詞のセンスはないみたいで。伝えたい感情をどれだけ詰め込んでも、ぐっちゃぐちゃになっちゃった、り、」「けっこー、尖らせようとしすぎてダサくなっちゃったり、シンプルにしても、どこかで聞いたことのあるような歌詞になっちゃって。」「私がしてることは。」(本当に、本当に悔しいけれど。)「二次創作なんです。」「貴方達(一次創作者)みたいに、自分の思いをぶつけることができなくて。だから、だから。」「前の任務で本当に褒められるべきは、スピーカーなんかじゃないです。歌、作った人のほう。」(彼女は、苦悩し続ける。自分の才能の無さに、それでも創作を続けたいという自分の心から溢れ出す欲望に。原作者ありきで成り立つ二次創作、貴方達一次創作者はいつだって輝いて見えて仕方がない。それなのに、貴方達と同じ土俵に立つのは少々。)「スピーカー。持って帰ります。 .......................感謝の気持ち、うまく受け取れなくてごめんなさい。」(酷な話だ。)   (6/6 22:48:47)


水沫 泡> 
(彼は少しずつ沈んでいく君を見て、表面張力のようになって張り詰めていた気持ちが耐えきれなくて零れていくのをみて、どうしても君の手を、もう一度掴もうとしてしまった。取り返そうとされるスピーカーに力をいれて奪い返させない。スピーカーを持つ手を後ろに引いて、何も持たない手で君の腕を掴めたのなら、強く引き寄せるだろう。)「ごめん」「ごめん、無神経だった。」(君の気持ちを理解していなかったことを、理解する。彼は少しずつ共感する。君の絡まった心を解く手伝いをするために)「……聞いてみたい」「嫌ならいいんだ、悪い気分にさせちゃったし、」(きっと他のヒーロー。君の言う一次創作者達なら、もっともっとうまい言葉をかけて、こんな自分みたいに失敗なんてしなかっただろう。けれど彼の目は真剣だった。笑ってなかった。)「はじめはみんな上手くいかないんだと思う…俺だって……まだヒーローなんて名乗れない。みんなの隣に立つ資格があるのか分からないし、必死でしがみついてるだけで。たくさん、苦しくて…」(慰めの言葉が拙い。そもそも君は慰めて欲しいのか?誰に頼まれた。これはただのエゴだ、でも)「君の歌に助けられたのは本当だ、君の声に助けられた、それがたとえ君の作った曲じゃなくても。その歌を歌う君の心に助けられたのは本当なんだよ」(だって僕ら、みんな。2番目のヒーロー"二次創作"だ)「だっ、だから!……君の伝えたい言葉を聞いてみたい、まだ音符を与えられてなくてもいいんだ。俺は確かに君の歌が聞きたいって言ったけど……芸術とか、疎くて。うまい言葉、見つからないけど…」(2番目だってきっと、誰かの中でなら1番になれる。)   (6/6 23:06:29)

音戯華子> 
(ふるり、ふるり、ひゅるふるり。いつも嗅ぐ香りよりは、ほんのちょっぴり甘ったるい。窓からときおり吹きこむ異国の香りは、頬を撫でて髪を梳かしていく。いつからこうしていたのかはよく覚えていない。だけど彼女は、修学旅行先の中国コード専門学校、その空き教室の窓際の席に沈み込んでいた。)(どこかで誰かがはしゃぐ声、ぼんやり響く、聞いたこともない音頭の祭囃子。)(彼女は黒ずんだ瞳を自分の手元に落とした。なにもない、ただただ小さな。練習で指の一部が固くなったり、爪が固くなったりした、そんな手。)(窓の外に、視線を落とした。なにか、探すみたいに。)『見たくもないよ 並ぶ残像 青く光るから目を塞いだ』(ギターも握らず、誰が聞いているでもない。だせど彼女は、押し殺したような声を喉から紡ぎ出して、つぶやくように歌いだした。)『心と体 行き違いで 何にも受け止めきれなかった』(灯りが落ちた教室、黄昏時。静寂を貫いていた教室は、静かに泣き出した。)   (7/8 15:02:46)


Leo= Leonhard> 
君が異国の風に身体を任せて、零すみたいに歌をなく頃。彼は大量に抱えた食べ物で埋もれそうになっていた。肉まん、小籠包、シュウマイ、ゴマ団子、見たことの無い焼き菓子のようなもの、パンダ型の何か。派手なおやつと装飾品。お祭りをかき集めてできたみたいな宝の山の、そのうちの一つから、真っ赤な玉のようなお菓子を取り出した。彼はそれを見て首を傾げたあと、よく考えないままに口に放り込む。……それが、最大の過ちだった。 「かっっっっっら!?!?!?!?はぁ!?ばかじゃねぇの!?んな辛いもんくえるか!!!!」____反響。みんなお祭りに行ってしまって、"ほとんど"誰もいない廊下に彼のクソうるせぇ声が、ビリビリと響き渡った。きっとそれは、君の美しくて寂しい音の雑音になってしまったことだろう。彼はヒーヒー言いながら、誰にも見られてないだろうかと辺りを見渡し。……きっと君を見つける。窓際に腰掛ける青く静かな少女と、廊下に佇む赤くうるせぇ男。彼は君を見てしばし固まったあと………「…てめぇもなんか食うか??」手元の山を指さして、問いかけた。   (7/8 15:20:52)


音戯華子> 
『「約束は もう』『かっっっっっら!?!?!?!?はぁ!?ばかじゃねぇの!?んな辛いもんくえるか!!!!』「いぃぃいいいいいいいいっっっひぇぇあ!?!?!?!?」(歌いながら、意識は全部窓の外。だから思いもよらなかったんだ。誰かが後ろで馬鹿でかい声を出すなんて。ちょっぴり心が弱っていたものだから、深海の奥底に深く、深く沈んでいたというのに。いきなりおっきな手が空から伸びてきて、鷲掴みにされて地上に引き上げられたみたいな感覚。彼女は顔を真っ赤にして、息を荒げていた。)「ええ、はぇえええ、へぇええええ、えっ、えと、あよ、あ、あのぉ、はい!」(赤髪の男がこちらに向かって話しかけているのに気づけば、彼女はすくっ!と立ち上がって答えを模索する。えっと、えっと、なんの問題を当てられてたんだっけ。)「す、すみません!!!!わ、わっ、分かんないです!!!寝てましたごめんなさい........」(そう、まるで授業中に寝てたら起こされたみたいな感覚だったものだから、彼女はとっさに言い慣れた言葉を、つっかえつっかえ口にした。)「.......................................?????」(でも、よく見ればめのまえにいるのはお菓子やら紙袋を抱えた赤髪の貴方。彼女は息を切らして顔を真っ赤に直立しながらも、やがて頭の中が疑問符で満たされていった。)「............................何ページ..........ですか?」(授業中、じゃない?)   (7/8 15:35:53)


Leo= Leonhard> 
疑問符を浮かべては床にぽろぽろと落として、辺り一面はてなマークでいっぱいだった。聞いてませんでした。教科書何ページですか。そんな問いかけに彼の頭上にも、3つほどハテナが浮かんだ。しかしそれは風船みたいにぱちぱちと弾けて消えていく。君の状況を理解したこの男は、堪えきれないように吹き出して、クツクツと笑い出すだろう。そのまま君の前の席へと歩いて向かい、どかりと腰掛ける。机に食べ物の山を置いては、笑いながらに「寝ぼけてんだろ、お前」そんなふうにからかった。君の焦りようときたら本当にすごくて、せっかく一人の時間を過ごしていたのに、君にとっちゃ迷惑この上ないのだろうけれど。面白いものを見たと、彼の顔はそう言っている。彼は浅く笑いながら、君の方を見るように後ろ向きで座った。それから、片手で山の中にある"パンダのあんまんをを取り出すと君にずいと差し出すだろう「これ美味かったぞ。」そういう彼の口には、既に次のお菓子がくわえられていた。今度は派手な虹色のキャンディーだ。   (7/8 15:53:40)


音戯華子> 
「...........???」(状況が理解できずに、頭の中がおもちゃ箱をひっくり返したみたいに跳ね回る。)「.........あ、え。」(そういえば、今。)(修学旅行、)(そんな事実に気づく瞬間には、貴方がくつくつと笑いだしていた。「寝ぼけてんだろ、お前」なんて失礼しちゃう。そっちが脅かしてきたからパニクっちゃっただけなのに。彼女は未だに顔を真っ赤にしながらも、ちょっぴり頬を膨らませて、ほんの少し不貞腐れてるみたい。)「ね、ねてないし...................」(ちっちゃい声で呟けば、彼女は近づいてきた貴方をムスッと軽く睨んだ。けど。その、腕の中に大量に積まれたお菓子の山に気を取られちゃう。中国のお菓子って、どんなのなんだろうって気になっちゃう。)『これ美味かったぞ。』(お菓子を見つめすぎたのがバレたのかもしれない、貴方が山の中から何かを取り出してくれれば、彼女はおっかなびっくりそれを手に取った。不思議な表情をしたパンダ。みたいな、あんまん。)「...................あんまん???」「中国、あんこあるんだ........」(日本の人たちが来るから特別に作ってくれたのかもしれない、なんて考えながら一口頬張ってみる前にかわいいパンダを名残惜しそうに見つめていた。それから、思い出したように貴方の方をみやる。)「キミ、なんで、こんなとこ......いるの?お祭りは?」(考えてみればおかしな話だ、お菓子の山を抱えて寮に行くでもなく、わざわざこんな誰もいないであろう教室に来るなんて。)   (7/8 16:33:08)


Leo= Leonhard> 
「あんこはもともと中国から日本に渡ったものだからな。」そりゃあるだろ。なんて風に言いながら、次はどれにしようかとお菓子を漁る。君がパンダもといあんまんを受け取ってくれたのを見れば、ガリッと飴を噛み砕いた。コロコロと舌の上で砂糖の塊を転がして、痛みに等しい辛さを和らげていく。どうしてここにいるのか、問いかけられた彼はそれをそのまま投げ返す。「んぁ?そりゃてめぇもだろ。こんなとこに1人でどうした。黄昏てたのかァ?」1人なのはお互い様なのに。さも君だけが一人ぼっちだった、みたいな風にからかう彼の言葉は、どれも意地が悪く配慮に欠ける。「俺はもう祭りは満喫したんだよ。明日からは別のことやるわ」お祭りはもういい。彼は新しいおもちゃにすぐに飽きてしまっと子供のようだろう。異国の文化には興味があった。両親とも忙しくて旅行なんてしたこと無かったし、見たことないものだらけでワクワクもした。その熱量をそのままに猪突猛進に祭りを駆け回り、一日で網羅し、満足したのだろう。「お前も、祭りに行けばいいのに」楽しかったぜ。そうつけ加えて、君の机におやつを並べていく。中には小さなおもちゃも混ざっていたりするんだろう。静かな校内。2人だけの教室。その窓辺で、祭りをぎゅっと固めて集めたような、何でも屋台が開かれた。   (7/8 16:45:10)


音戯華子> 
「あんこっえっ、あんこそうなの!?!?」(意外な新事実に、思わずおっきな声が出しちゃって。自分の喉から大きな声が出たことに驚き、少し恥ずかしそうにしながら、彼女は照れ隠しのようにパンダまんを頬張った。)『んぁ?そりゃてめぇもだろ。こんなとこに1人でどうした。黄昏てたのかァ?』(まさか聞き返されるなんて思ってもいない。歌ってた、なんて恥ずかしくて言えないし。だけど、いい言い訳が思いつくわけでもなく。すいいぃぃ、と目を逸らしながら、ちっさな声で一言。)「寝てただけだし。」(黄昏れてた、は正解。色々あってしんどくなったら、夜景見ながらぼうっとしながら歌うのはいつもの癖だけど。そんな虚ろな時間を貴方が紅く染め上げてしまうものだから、彼女はパンダをほおばるしかない。じんわりと口の中に広がるあんこの甘みと熱が、ちょっぴり冷えた心を温めてくれた気がしたの。唐突にぐいっと天井を見上げれば、見たこともない不思議な柄が少しぼやけた気がした。)「お祭り、で、はしゃぐのも好きなんだけど。」「なんか、お祭りのこう、黄色とか赤とか、みんなの楽しそうなこえ、とか。」「なんていうんだろ。」(つっかえたり、立ち止まったり。紙切れを外した彼女の言葉は、いっつもあっちへこっちへ迷子さん。)「..............なんか、そういう雰囲気とか、音の景色と匂いを、ちょっとはなれたとこからみるの。」「................も。」「すき。」(天井の柄がはっきりすれば、彼女は窓の外にもう一度視線を落とす。生徒たちが、あっちでは金魚すくいをしたり、こっちでは輪投げをしてり、向こうでは射的をしたり、そっちでは女の子と男の子が恥ずかしそうに手をつないで歩いてたり。あんまり眺めすぎると病むこともあるけど、でも見てると癒やされるじゃん。って。言いたいみたい。)   (7/8 17:24:43)


Leo= Leonhard> 
「っは。さっきは寝てないって言ってたぜ、お前」寝たり起きたり、忙しいやつだ。彼は次にヨーヨーを取り出しては、手にまきつけてくるくるとまわす。小さいから座ったままでも出来てしまう。安っぽいプラスチックで作られた、龍の柄のだっさいヨーヨー。お祭りともなれば、こんなものでももらっちゃうんだから不思議だ。みんな、音と景色の熱に浮かれてしまっているんだろう。彼はそのまま黙って、君の宝石のパズルみたいな言葉を最後まで聞いた。……なるほど、君はみんなが楽しむ姿が楽しくて。その渦の中に飛び込んではしゃぐような性格じゃないのかもしれない。彼はみんなの熱が集まる祭りごとは好きだけれど、静かな時間も大切にしたい。だからその気持ちはちょっぴりわかる気がしている。くるくると巻かれて浮いてきたヨーヨーをパシッと掴み、止める。「会えるはずない人に会えるかもしれない。」「……っていう噂?があるらしいぜ、このお祭り。」彼は少しそれにつられていた。父と母。あの人混みの中に。小さな粒の煌めきたちの中にもう一度潜れば、会えるかもしれない。君には会いたい人はいるだろうか。「んま、外から見る景色と内側から見る景色は違うってことよ。」彼はそう言うと、再び手に持ったヨーヨーを離した。しゅー、しゅー、と紐と空気が絡み合う音が小さく鳴っている。要はきっと。行ってみれば楽しいかもしれないよ。って言うことだ。悲しいことも辛いことも、ひと時の驚きと幸せで忘れられるなら。それは偽りの幸せなんかではなく、多分思い出とか、そういうものの中で生き続けて、その後も元気を分けてくれるだろうから。   (7/8 17:40:05)


音戯華子> 
『っは。さっきは寝てないって言ってたぜ、お前』「寝てない!寝てたけど......あぁその、あれ...........寝てるけど......寝てないんだ......」(ぐちゃついた論理を説明できるほどの言語能力や論理力とか嘘を付くのとかが得意ではない彼女は、やがてこんがらがった糸をそのまま置いとくことにしたみたい。それから、なんとは無しに貴方の持ってきたお菓子とおもちゃの山に手を突っ込んでみたり。)『会えるはずない人に会えるかもしれない。』『……っていう噂?があるらしいぜ、このお祭り。』「......................知ってる。」(ほら、"また"。彼女は窓の外に視線を落としては、"まるで何かを探すみたい"にして。)「...............................知ってる。」「内から見る景色は。」(おもむろに、おもちゃとお菓子の山から腕を引き抜いた。)「知ってるんだ。すっごい楽しい、の。はしゃぐのも、悪くないのも知ってるの。」(引き抜かれた指には、黄色っぽく輝く石がくっついた輪みたいなものがつままれていた。もちろん、おもちゃの偽物だけど。)「私、ど、どうしようもないくらい面倒くさい奴だから。」「皆にほら、あの、あれ。」(どうしよう。)「なんか。」(ちょっぴり、言葉を止めてから。)「あれ、『馬鹿みたいにはしゃぐやつとおんなじ土俵に立つの、プライドが許さない』かも。馬鹿は、馬鹿らしくやっとけぇ、みたいなぁ?」(なんて、呟いてみたりして。で、言い終わってから気づくの。『何いってんだ、私。』って。)(11月か何かの黄色い石が、偽物っぽくギラリと輝いた気がした。)   (7/8 18:03:26)


Leo= Leonhard> 
「ぷっ…はは。それさっきまで祭りに言ってた奴に言うかよ」彼は君の素直な言葉に吹き出して、やっぱり楽しそうにクツクツと笑いをかみ殺そうとするだろう。それからお菓子の山に手を突っ込んで、取り出した安そうなスナック菓子をつまらなさそうに眺める。「んでも、しょーじきわかる。」「馬鹿みたいにはしゃぐのってすげぇ頭悪そう。」「……そんでもって、それに混ざりたくはない。俺はアイツらとは違うって思いてぇからな。」10円くらいで買えそうな、その安い棒状のスナック菓子の袋を、乱雑に破けば口にくわえた。もしゃもしゃと咀嚼しながら、君が何かを探すみたいにしながら呟くその言葉に共感する。その理由とか原因は多分2人とも違うのだろうけれど。彼は喧嘩ばかりする馬鹿だが馬鹿が嫌いで、群れるヤツらが嫌いで、それでいて何もしなくていいと思っている集団心理が嫌いで。全部一人で何とかするには賢く強くなればいいと思った。そうやって賢く強くなれたと思った。そうやって探してるもの全部取り返せたらいいと思った。でもやっぱり、噂とか祭りとか、そういうのに惹かれちゃうくらいには参ってて。もうどうしようもないってことも分かってた。「ああでも。あれだな?」彼も、君みたいに街へ目線を向けた。探すのを辞めたみたいに、鮮やかな街の色を楽しんで「そういう馬鹿とか、平和を守るのが俺らだもんな」いつ何が起きてもいいように。こうやって、スタンバっとく人員も必要だろ。そんな言い訳を並べてしまおう。「その玩具、欲しいならやるよ。どうせ俺には使えねぇからな。あとお菓子も。」彼は立ち上がり、ヨーヨーをぐるりと一回転させてからポケットにしまった。宝の山の半分くらいを抱え直して、その指輪も。残したものも全部君にあげる、といった様子だ。   (7/8 18:24:23)


音戯華子> 
(ちがう、ちがうんだよ。そんなこと、言うつもりじゃなかったんだ。心をにもない。馬鹿みたいなんて、欠片も思っちゃいない。ただ。ただ、ね。)「そ、あ、私は..............」(馬鹿なんて思ってない全部嘘で、ただ羨ましいだけ。なんて貴方にいえば、貴方は何て言うだろうか。彼女の人生も過去も経験も価値観も知らない貴方は、戸惑うだろうか。分からない、また分からないの。どうすれば、どうすればこの絡まった糸を解けるのかが、ずっとわからないでいるの。)「ま、今の、は。あ.......。」(音楽を失えば、彼女はこんなにも無力。自分の思いを伝える能力が極端に欠如した出来損ないみたいのアンドロイドみたい。また、心がぐるぐると固まって痺れる。伝えたい思いを伝える勇気がないから、適当なこと言って誤解されて、嫌われたり変に共感されたり、結局なんにもうまくいかない。また、今度はお菓子とおもちゃの山の輪郭が曖昧にぼやけだした。)「ごめ....。」(宝の山を持って、いってしまおうとする貴方の方を、まともに見ることができない。こういうとき、どうすればいいのかも、分かんない。ぐちゃぐちゃに絡まった毛糸が喉の奥につまったみたいになる。貴方がどこかに行くのも見届けずに彼女は、残されたお菓子とおもちゃの山に頭を突っ込んだ。)「なんで、いつも、こうなるかなぁ.........」(ただ、言いたかっただけなんだ。)「あの子といっしょに、お祭り行きたかったなぁ......」(たった一言、これだけが。)   (7/8 18:41:31)


Leo= Leonhard> 
君がやりたいこと。言いたいこと。本当にしたかった事。きっと彼には全部理解できない。1人で何でもかんでも突き詰めて進んでしまう彼は、人の手を取ることが得意ではないのだろう。特別誰かを救いたい気持ちとかは無いし、ヒーローなんてなるつもりはなかった。彼の人生は、自分のやりたいことに熱量を注ぐだけの人生だ。だから、静かな君との交流は、ほんの少しの枝分かれでしかなくて。彼にとっては些細なことで、宝物を少し分けてあげただけの相手で。けれど。「んぁ、そうだ。」「名前も言ってなかった。」立ち止まり、振り返る。「レオ=レオンハルトだ。」最後にちょっとだけ、これは教訓だ。「修学旅行みじけぇからよ。」「やりたいこと、全部やっちまった方がいいと思うぜ」やらないよりもやって損。そんな感じの事を言いたいんだろう。彼は軽くなった宝の山を片手で抱え直して。机とお菓子に顔を埋める君に言葉を投げた。その場で立ち止まって泣く時間は大切で。前に進むための準備期間で。でもやっぱり、歩いてみたら思ったより景色が綺麗だったり、楽しかったりするものだと思うから。彼は君のどんよりした曇り空の心なんて知らない様子で、ひらりと手を振り教室を出ていく。…………かと思えば、ひょいと戻ってきて「あ、あとな。」「その赤くて丸いヤツ。死ぬほど辛いから気をつけろよ。」それだけ言ってまた帰っていく。君の机に、少しだけのお祭りを残して。   (7/8 18:54:14)


音戯華子> 
(ただ、仲良く話したいだけ。皆を見てたら、さも当たり前のことかのように初めて会う人と会話して、仲良くなって、一緒にどこか遊びに行ったりしてて、彼女はいつもそれを眺めていることしかできない。馬鹿みたい、なんて思っちゃいない、ただ楽しそうだなぁって思ってるだけ。)『んぁ、そうだ。』『名前も言ってなかった。』『レオ=レオンハルトだ。』(どこかから、声が響く。まだ行ってなかったのだろうか。こんな面倒で鬱陶しい女なんて置いて、さっさとどこかに行っちゃえばいいのに。お菓子からちょっとだけ漂う甘い香りが、今はやけに心を苛立たせた。)『やりたいこと、全部やっちまった方がいいと思うぜ』(できたら苦労しない。そんなことできるならはじめからやってる。そんなこと、そんなこと。そんなことすらできない自分に、苛立ってるの。)(やっと、どこかに行ったらしい。ちょっとだけ静かにこのままでいようと、眠りにつこうとしたとき。)『あ、あとな。』『その赤くて丸いヤツ。死ぬほど辛いから気をつけろよ。』(いつのまにか帰ってきていた貴方の声が、また耳に響いた。瞬間、彼女は顔をガバッと上げて声が聞こえて来た方に向かって叫んだ。)「うっせぇ、早く.............!」(貴方の姿は、そこにはもうなかった。ふと目の前をみると、残されたお祭りの欠片が、山高く積み上がっていたの。どんどん、山が崩れていく。音もなく、水が溢れるみたいにして、歪むみたいに崩れていく。)「うう..................」「うぅぅううううううう................」「もうやだぁぁぁ................................」(貴方が残してくれた言葉と思い出があんまりにも心を優しく包み込むものだから。少しだけ、こうしているしかなかったの。)【〆】   (7/8 19:22:48)

Earendel> 
「(中国の某コード専門学校、そのとある教室。中国の独特で真っ赤な提灯と傾き始めた日の光で教室内は赤く紅く染まってる。____おい、そこのかわい子ちゃん。そうだ君だ偶然通りかかったオトギハナシ。あたしはね____、)君、例の追いかけっこでその〝愛〟で逃げ切ったんだろう?____『聞きたいなァ、アンコール。』…なんちゃって。今の君には声援どころか合いの手も無い、君はもしかしたら「引っ込み思案だけど歌える」のでは無く「歌えるから引っ込み思案でいい」と思ってるのでは無いか?なあオトギちゃんそれはァ……『愛ではなく逃げ』なんじゃあないのかい?(____あたしはキミを、同類だと思っているよ。紅く照らされた赤い髪と黒い瞳孔が、キミの目を痛めるほど近くで輝く。同じくらいの身長なのに、魚眼レンズを覗いたような錯覚に、陥ってしまいそうな程に。)」   (7/10 18:30:33)


音戯華子> 
(赤が紅く染まり、橙と肌色の境界線が曖昧になってく頃合い。逢魔が刻、なんて聞こえはいいけれど、昼が終わって太陽が隠れんぼしちゃう時間は、優しくて恐ろしい鬼が時間を支配してしまうから。だから彼女は、さっさと鬼さんから隠れようとして、校舎から出ようとしていた時のことでした。紅色に染まる窓ガラスの向こう側から聞こえてきたその声は、自分の名前を呼んでいた。)「へっ、...............?」『君、例の追いかけっこでその〝愛〟で逃げ切ったんだろう?____『聞きたいなァ、アンコール。』』(声がした教室の前で立ち止まってみれば。ふわり、美しい声が立ちあがった気配がして、気がつけばその声は目の前に来ていた。)「............はぇ、は、はぃぃ.....?」(どうしちゃったんだろう、多分初対面なんだけど距離が近い。すごく近い。竦みながらも、彼女には君の容姿がよく見えた。何よりも目についたのはその頭髪だ、赤髪に黒い線が何本か入ってて。メッシュっていうんだっけ、それにおっきくて長い耳にはピアスがいぃっぱい。すごく派手な人が話しかけてきた。からかわれているのだろうか。)「あ、あの、」『君はもしかしたら「引っ込み思案だけど歌える」のでは無く』「ヒュェッ.................」(口から漏れ出た息が、貴方に当たってしまっている気がした。顔も知らない、すごく容姿が派手な方が話しかけてきたと思えば、まつ毛が触れ合うんじゃないかってくらいの距離感で詰め寄ってきているの。しかも、引っ込み思案って言われた。気にしてるのに。)「えぇ、ぇぇ、あの、あ、........」『「歌えるから引っ込み思案でいい」と思ってるのでは無いか?なあオトギちゃんそれはァ…『愛ではなく逃げ』なんじゃあないのかい?』(は?)(───────────。)(─────────────────は?)「................あ、あの。」(3秒ほど頭の中で貴方の言葉を理解しようと噛み砕いて努力したの、でもだめなんだ。)「なっ、........なにが................言いたいん、で、すか?」(初対面の貴方に、そんなことを言われる筋合いが思い浮かばないんだ。魚眼レンズみたいに光る貴方の眼球には、私の口の下の皺がよく見えた。)   (7/10 19:08:18)


Earendel> 
「なっははははっ!!悪かったって。____悪意はないんだァ悪意は。(先程までの目を痛めるような赤はキミの視界からふっと離れる。魔法が…いいや。呪いが解けたように重たい空気がほんの少し軽くなる。けれどあたしはキミを惑わせるのをやめたくはなかった。)違うんだぁ違うんだよあたしはただ____、キミに〝親近感〟を感じちゃったのさ。(自分の頬をトントントン、と指で叩いてはまたくすりと笑を零す。)だってさァ中々いないんだよここは飽くまでヒーローや優秀な研究員を育てるための場所だからさァ。そう、あたしとか____……〝キミみたいなヒーローに向かなさそうなヤツ。〟(キッパリ言い放てどそれは事実だろう。事実って言ったってあたしの意見なんだからキミは受け入れなくていい。___どうしようもない嫌悪はするだろうけど、ねぇ?)」「(悪意は無い、善意もない。優しさはない、甘えも許さない。)ヒーローは大変だろう?逃げちゃ行けないんだヒーローだから。あの七日間みたいになると解っていても、____いつか〝終末〟がくるとしても。一度目指してしまったモンは諦めたら確実に後ろ指を指されるんだァ理不尽な大人に。だからあたし(キミ)はどこにも誰にも逃げ出せないから自分一人で自分を逃すことにしたんだ。「終末(音楽)を愛する」っていう逃げだ。(不快不満不真面目。キミはあたしのハナシを聞くことしか出来ない。キミはあたしのハナシにキミを巻き込んで、重ねて。あたしはキミに嫌われようがなんともない、けれどキミはどうだろうねぇ。____ほら、ヒーローだろ?)」   (7/10 19:23:12)


音戯華子> 
「......................。」(悪意がないかなんて聞いてない。)(何が言いたいのか聞いてるのに、答えもせずに引いちゃう貴方を、ビビッドピンクの瞳が捉えて離さない。)『キミに〝親近感〟を感じちゃったのさ。』「...................?」(親近感を感じられるには、彼女は貴方との共通点が無さすぎるんじゃないか。寧ろだって、正反対。彼女は引っ込み思案、貴方はとっても奔放みたい。髪の色だって貴方みたいな強烈な赤と黒のメッシュじゃなくて、地毛の暗めの藍色。ピアスだって気になるけれど、痛そうなのが怖くて開けられない。)「なん、」『だってさァ中々いないんだよここは飽くまでヒーローや優秀な研究員を育てるための場所だからさァ。』(いったい、何を)『ヒーローは大変だろう?逃げちゃ行けないんだヒーローだから。そう、あたしとか____……〝キミみたいなヒーローに向かなさそうなヤツ。〟』「っっっ゛................!!!」(急に、何を言いだすんだろう。私が、ヒーローに向かなさそう?)(は?)「..........................。」(はぁ、はぁ!?)「...............................................。」(なんで、なんでアンタにそんなこと)(そんなこと。)(あたしのことなんか、何も知らないくせに!!!)「..................っ、っっ、.......................っっつ。」(息が乱れる。ちょっぴり、瞳が熱い。)(言葉がでないの、貴方に投げつけたい言葉はいくらでもあるのに。貴方の顔がぼやけだすだけで、一向に口から言葉が出てくれない。)『だからあたし(キミ)はどこにも誰にも逃げ出せないから自分一人で自分を逃すことにしたんだ。「終末(音楽)を愛する」っていう逃げだ。』「うるさいッッッッッッッッッ!!!!!!」(彼女は貴方の言葉に、自分の服のはじっこを掴みながら叫んだ。)「なん、なんなんですか、いき、いきなり!!!」「私のことが気に食わないなら、..................は、はっきりそういえば、いいじゃないですか!?!?!?わたし、アンタになんも、してない...............!!!!!」(ちょっぴり視界がぼやけて、真っ赤な貴方と夕焼けの境界線が曖昧になる。わかんない、わかんないけど、泣いちゃだめだ、ヒーローなんだから泣いちゃだめだ。そうやって、ぎゅっと服の端っこ握りしめても視界は揺れるだけ。貴方がどうしてこんなことを言ってくるのかが分かんない、けどもヒーローに向いてない、なんてそんなこと。そんなこと、自分で一番わかってんのに。)   (7/10 20:03:08)


Earendel> 
「違うよ、違う違う違ァう。思春期の男児と一緒だ、〝気に入った子程虐めたくなる〟んだよ、お嬢さん。(キミが悲鳴のようにうるさいなんて言うモンだから、びっくりして肩をすくめちゃったじゃないか。キミが子供のように泣き出しそうな顔をするから、…するから、もっともっと虐めたくなってしまう。)____そうだ、キミはあたしになぁぁあ〜〜〜んにもしてない。ああいや。敢えてこう言う言い方をしてあげよう。____〝キミはあたしになぁんにもできない。〟(キミにまた近づいて、耳元で囁いた。囁くと言うには鈍器のような言葉で、教えると言うには鋭利な言葉で。)」「悪いねぇお嬢さん、キミは余りにも良い子だ。良い子だから余りにも世の穢れを知らなさすぎる。だからあたしはキミに「お節介」をしたいの。(そう、16歳のキミの心をほんのちょっぴり傷つけるようなスパイスを___、そのお綺麗な口にねじ込んでやりたいのさ。辛すぎるだの不味いだのは知ったこっちゃない。あたしは料理人でキミは調理される側なんだから。そう、そうだよこれは…『キミを良いヒーローにしてあげる為のこと』なんだよ。)なあ泣かないでくれよ、あたしはキミみたいな歳幅行かない子がそんな顔をすると居た堪れなくなる。(溢れかけた涙をすっと拭う。その顔は〝恍惚〟。キミがもし天文学的確率だとしても望むならばあたしがキミの恐怖も過去も全部閉ざしてあげるのになあ。)」「____そんなんじゃヒーローになれないぞ?」   (7/10 20:17:56)


音戯華子> 
(思春期の男子と一緒って。)(こんな、)(こんな怖くて美しくて、それでいて人の心の傷を抉るのが上手な男子がいてたまるか。)(意味分かんないし。)(なんで、なんでこんな)(ただ、修学旅行を楽しみたかっただけなのに)(ただ、音楽がしたいだけなのに。)『敢えてこう言う言い方をしてあげよう。____〝キミはあたしになぁんにもできない。〟』「う、うる、そん、な、.........................」(そんなこと、なくはない。なにかされたからって、堂々と貴方に言い返せるほどの度胸も勇気も今も彼女にはない。できるわけないでしょう。音楽の道に進み、ヒーローを志す者が。暴力に頼ることだけはあってはならないのだから。というか、暴力に頼ったところで貴方に勝てる気もしない。八方塞がり、ただただ貴方の言葉に心を削られるのを耐えることしかできない。耐えることなんて、できもしない。)『悪いねぇお嬢さん、キミは余りにも良い子だ。良い子だから余りにも世の穢れを知らなさすぎる。だからあたしはキミに「お節介」をしたいの。』「...........................うる、さい......。」(貴方が気色の悪い顔をしながら彼女の涙を拭ってしまえば、彼女はへたり、と床に座り込んでしまう。立っていられないの。)(世の穢れを、知らないだとか。いい子すぎるとか。ヒーローに、とか。本当に、どうだってよかったのに。ただ、ただ。)『____そんなんじゃヒーローになれないぞ?』「.....................................アンタなんて...」「.............だいっきらい...................」(ただ、友達が欲しかっただけなのに。)   (7/10 21:55:23)

Earendel> 
「そう言うところだ、ヒーローは場合によっちゃ武力行使もあっさり許されるのに今みたいにそれに頼ろうとしない…今あたしを平手打ちでもしたら何か変わったかも知れない、そういう風に後々後悔するんだよォ。一人で部屋で蹲って、『あの時こうすればよかった、こう言っていれば』って。(ああ、なんて、なんて可哀想な子。可愛い子。通りすがりのどこの馬の骨ともわからない奴にへたり込むまで言葉一つで気圧されて、嫌いだとかうるさいだとか、そんな幼稚な言葉しか出てこなくて。『アンタなんてだいっきらい』?そうだなそれでいい。そうでなきゃ不自然な程にぴったりな言葉だ。そんなキミの目の前に同じようにしゃがみ込んで、顔を覗き込んでこう言うんだ。)」「____あたしは大好きだよ、オトギハナシ。」「キミには言いたいことが沢山あるはずなのになあ、きっと今は「自分に勇気があれば」「上手く話せていたら」って後悔してるんだろう?オトギちゃん、キミに一つだけ約束をしよう。____もしキミが今溜めに溜めた真っ黒いゴミみたいな感情をアタシに全部吐き出す事ができたらぶつける事ができたら____〝キミの歌を聞いてあげよう〟。(キミの音楽でアタシの心を揺らす事、それはきっとキミにとってとても気持ちのいい復讐になるはずだ。アンコールはお預け、是非あたしの鼓膜をぶち破る気できて欲しいなぁ。…もっとも、できたらのハナシだけれどね。)」   (7/10 22:08:57)


音戯華子> 
(もう、やめてよ。)(なんで、なんで人を傷つけて。それを楽しんでしまうの?)『一人で部屋で蹲って、『あの時こうすればよかった、こう言っていれば』って。』「......................。」(全部、貴方の言うとおり。毎夜毎夜、枕に頭を突っ込んで、嗚咽が家族に聞こえないように枕に叫ぶのだって全部バレてる。)『____あたしは大好きだよ、オトギハナシ。』(もう、貴方は、私のなんなんだ。)(そんなやつに心引き裂かれちゃうんだ。貴方をビンタしたり貴方に向かって胸を張って言い返したり、そんな想像は想像でしかないし。今まで粘り強く生きてるってたって打たれ弱いのは直せなくて、心臓が運動会で競争するときみたいに爆発しそうになるまえに、立ち直らなきゃいけないのに。)『____もしキミが今溜めに溜めた真っ黒いゴミみたいな感情をアタシに全部吐き出す事ができたらぶつける事ができたら____〝キミの歌を聞いてあげよう〟。』「アンタ.................。」(黒いゴミみたいな言葉を吐き出すなんて、ミュージシャンがすることじゃない。していいことじゃない。そうやって逃げてきたって、貴方は言っているのでしょう。きっとそれは、そのとおり。人に尖った言葉を投げつけたりするのが苦手だけど、人に尖った感情を抱くことが多いから。だからこそ、音楽で誰かに感情を届けたいのに。なのに、なんで貴方はこんなに意地悪なんだろう。暴言とか、『アホ』と『ばか』と『うるさい』くらいしか分かんない。分かりたくない。貴方に本気で喋ろうとして、『死ね』なんて言いたくない。人を、傷つけたくなんてないのに。)(共感羨望嫉妬逆恨みなんて、音楽の中で十分。)(黒い涙なんて零さずに、真っ白い鳥でいたいから。)(だから彼女はゆっくり立ち上がって、桃色の瞳をほんのり紅く染めたまま貴方をきっと睨みつけて。)「うっさい、アンタなんか、....................アンタなんか..........................せ、せ、.............」「制服着崩しすぎて、風邪ひいちゃえ..............」(そう言い放てば、彼女はパタパタと教室から走り逃げていってしまうの。)(今はまだ、これが限界。)   (7/10 22:49:01)

キース・ハリソン> 
「ぅ~…………」(今日は修学旅行のお祭りの、ちょっとだけ慣れてきた一日の夕方くらい。あの鬼ごっこの日からこれで四日がたち、町並みの勝手を、漸く知り始めた頃でした。最初の数日は幼馴染みのレッドとお友達ののぞむくんと一緒に居たのですが、ずっと一緒というわけにも行かないのです。お部屋で一人で過ごしても良かったのですが……、折角の異国の地、腐っているのは勿体ないと、こうしてひとりでお祭りの市に身を乗り出してきた、というわけなのですが…………)「ひと、多い…………、」(友人と共に回ったときは平気だったので安心して失念していたのを思い出しました。僕は人混みが、大の苦手だったのです。胸の中に渦巻く淀みとじわじわと広がる頭痛に顔をしかめ、なんとか屋台の建ち並ぶ大通りをぬけようと画策するのですが、流石お祭り市のど真ん中。人の流れは激流の如く、ふらふらと歩いていれば流れに身を任せるのに精一杯で、横切って抜けるのは至難の業です。)「ひと、すくない、所…………、」(市に来る前に買った水は既に温く、額にあてようにも腕をずっと上げ続けるにも限界があります。服の首もとを緩められれば多少は楽になるのでしょうが、立ち止まってボタンを外す余裕などあるはずもなく。)「っ、あ、の、ごめっなさ、い、」(ふらふらと流れていれば一人の女性にぶつかってしまいました。慌てて謝罪をくちにしますが、さらりと溢れたのは日本の言葉。顔つきが似ているので相手が日本人か中国人かも分からず、謝罪が相手に伝わっているのか、それすら分からず通り過ぎていくのは罪悪感で泣いてしまいそうなくらいでした。こんなことなら部屋に一人で居れば良かった、なんて後悔しながらよたよたと歩き、視界は徐々に白く包まれていきます。ホワイトアウトしそうになる視界に見えたのは、先ほどぶつかってしまった君でした。)   (7/11 21:37:57)


音戯華子> 
(パンケーキにかける蜂蜜を、とろりと空一面に塗りたくったような。そんな一日の半分の終わりを告げる、またはもう半分の始まりを告げるかのような色でした。目張りされた白いテントの下、ペットボトルの水をこく、こく、と飲んでいた彼女はギターの調子をほんの少しばかり確認。ポロン、コロン、カラン、と鳴った相棒、調子はいつも通り最高みたい。)(お祭り市の一角、催されているのはミュージックフェスティバル。誰でも飛び入り参戦可能らしかったので、中国の人たちに日本の音楽を広めたり、できたらいいなぁって。うそ、これは建前。中国の人にも、彼女の伝えたい想いは、伝わるのかなって。表では、拍手が鳴り響いていた。どうやら、前の人の出番が終わったみたい。)「ンッんー、あー、あーー!」(少しだけ声の調子を確認、おっけー最高。彼女は白紙の紙切れを一枚手に取れば、額にピッと貼り付けた。)『下一个音乐家!这是日本的英雄,[Otogihanashi]。!!!!。请继续:!!!!』(響くアナウンス、名前が呼ばれたことだけわかればじゅーぶん。)(彼女は白いテントから出れば、階段を登って小さな即席舞台に上がった。そして、貴方と目が合うの。そう、10分くらい前にぶつかってしまったかわいい貴方。びっくりしていたのはお互い様だったのだけれど、貴方は気づいていただろうか。彼女は貴方にウィンクすれば、右手を広げて大空に振り上げた。)「にーはお!」(それだけ、叫んだら。振り下ろした手には、ギターが握られていた。それは。)(どんな楽器の音色だって出してくれる、魔法みたいなギターなんだ。どんな曲にしよっかな、ってちょっと考えてから。「フーーーーーー!」(貴方を見つめ、しっかり息を吐いて歌い出す。)『モノクロを裂いた 目を細めたんだ光が 繰り返す現象 その意味も知らないまま』(始まりは、静かに。ボーカルソロで、楽器はなし。それから、夢に現実が追いついてくるかのように。ギターの指を走らせれば、かき鳴らされたビートが歌声に乗り出すの。さぁ、顔を上げて、と言わんばかりにね。)   (7/11 22:13:43)


キース・ハリソン> 
(連れてこられたその先は、僕の倦厭する人混みそのものの様な場所でした。) (短く切られた君の髪はこの熱気の中でも一際はじけるように揺れ、赤と黒、街灯の橙で彩られた街の空に浮かぶオーロラのようで、僕は手を伸ばしてしまったのです。この喧騒でかき消されて締まったのかも知れないけれど、君はきっとこの道中僕に何にも話やしなかった。君はきっと僕を無言であの荒波から連れ出して、きっと無言で子の場所へ連れてきた。ぐるぐると巡る気持ち悪さや胸の中の埃っぽさは増すばかりで、なんでこんな……なんて、君に悪態を抱いてしまったのも事実でした。)  (ただ。)「______っ、」(ぱちり、と目が合った。)(ステージ上の君は、君の姿は雄弁で、なんと言えばいいのでしょう、僕なんかの語彙では言い表せないけれど……、君の放つ沢山の事は、僕が抱え切れに程に沢山すぎてしまうのです。) (なんとなしに、図書館に配架された本たちが沈黙を守っているみたいに、君の唇は閉じていました。それはきっと拒絶ではない、と思うのです、ただそうであるのが自然で、ありのままで、きれいに落ち着くから、といったふうに。__ひとたびその本を手に取って、その世界に身を投じたのなら、もしその世界が僕の体を、心を、五感全てを包み込んでしまったら。僕はきっといてもたっても居られなくなって、きっとほら、今みたいに。) 「ぁ、ぅ、…………、」(歌詞をなぞるには、そのメロディをなぞるには、あまりにもその音楽は刹那的で、あまりにも。)(体調を考慮してか、身を置かせて貰った関係者席はあんまりにスピーカーが近いものですから、君の声があんまりにも鮮明に届くのです。くらくらと揺れる頭は、その音圧の振動のせいもあるのでしょうか、胸の奥から、心臓のそこから鷲摑みにされるみたいな感じがするのです。くぐもっていた空は晴れて、じんわりとかいた汗が頬を垂れ、着ていたシャツを濡らすのです。)(こういうフェス?のようなところに来るのは初めてでした。人が多いのは嫌いです、騒がしいのも苦手です。それでも。)(それでも、君が僕を見てくれたから、僕は君だけを世界にした。君が見射止めてくれたから、きっと、怖くはないのです。)________(君の出番が終わり、はっとして瞬くと、目の前に広がるのは、またおんなじ喧騒と人混みと、熱気が渦巻いているのです。僕はとたんに怖くなって、舞台裏に逃がして貰って必死に君を探すのです。__僕を見てくれたその真意を聞けたら、なんて、そんな口実を一緒に持って。)   (7/11 23:15:11)


オトギハナシ> 
『絡みつく葛藤 答えの出ない僕らは 息を吸って またこうやって何かを捨てた』(瞳を閉じて、色とりどりの世界を飛び回る。透明な羽が生えたかのように、歌声はのびのびと人々の周りを飛び回る。かき鳴らされるギターからはキーボードの音からドラムの音、ベースだってお手の物。五倍、五十倍、五億倍の音色が重なり合って織りなす音色は、貴方の耳に届いてくれるだろうか。届かないのなら、届くまで何度でもここから発信し続けよう。)『フラフラしたっていいさ 下を向いて歩いていくよりも ただあの景色を目指すんだ 愚直に信じていようそれぞれが思い描く青を塗り重ねて作り上がる今 鮮やかな群青 僕は紛れもなくその一部分だ 使い果たそう大切なこの日々を 青く光る一瞬の煌めきを』(最高の歌声を。)(戦闘ライセンス【ロックンロール】。貴方の気分が少しでも、良くなりますように。)(ジャジャン!)(最後の一音が響き終わり、会場の閑静が歓声へと包み変わる。ペンキで青一色に塗りたくられた皆の声が、高揚した心臓にジンジンと染みた。貴方は、いつのまにかいなくなっているみたい。どこかへ行ってしまったのだろうか。彼女は階段を降りて舞台裏に降りれば、楽屋のペットボトルを取って。そのままペットボトルの蓋を回してから口に水を流し込んで、喉の痛みが少しずつ快感に変わる頃合い。その瞬間、貴方を見つけた。彼女はなぜか紙を顔に貼り付けたまま、貴方に近づくの。)「気分はマシになったかい?ほら、飲みな。」(彼女は貴方に、新しく冷えたペットボトルを手渡した。そのキザで、流れるような仕草は先程貴方を引っ張ってきた時の彼女の仕草とは全く異なるものでした。きっと貴方を引っ張り回していた彼女は、頬も真っ赤で言葉も出なかった様子だけれど。今度は、どこか大胆不敵、それでいて深く静かな深海のような、奥深さを合わせ持つ声が貴方の耳を優しくつつく。)   (7/11 23:48:58)


キース・ハリソン> 
『気分はマシになったかい?ほら、飲みな。』「えと、あの、あの……っ、」(君から渡されたペットボトルを両手で持ち、興奮冷めやらぬままに僕はあなたを見つめました。うまく言葉がでないままに話したい欲ばかりが先行してしまって、音ばかりが出てしまって困ります。ぼたぼたと垂れた汗は着ているシャツをびったりと濡らし、ああ、厚い生地を着てきてて良かった、なんて的外れな事を考えながら、僕はなんとか言葉を探すのです。)「あの、……っ、すごいかっこよくて、あの……、」(呑み込むみたいに、包み込むみたいに。熱狂するあの世界をたったひとりで作り上げてしまった、僕より背の低い君のその底が、その透き通り手を伸ばせど触れられないような遙かな声のせいでしょうか、どうしようもなく見えなくて、それでも触れてみたくて仕方なくて、手を伸ばすことを辞められないのです。)「かっこ、よかった、です、あの、」(だらだらと垂れる汗が目に入って染み、僕はぎゅっと目を閉じては、はしたなくシャツの袖で額を拭いました。貰ったお水を一口分口に注ぎ、口の中で何度かに分けて嚥下しながら、その冷気を自身の首に押し当てます。気遣ってくれた現場スタッフに塩分チャージのタブレットを貰っていたのを思い出し、一つ口に含んでは、もう一つを君に差し出します。)「これ、あの、塩分……さっきもらったので、」「あの、さっきの曲はなんていう……」「あ、あ、えっとごめんなさい僕ハリソンと言います、あの、お名前……、」「さっき、さっき、あの……勘違いかも知れないけど……」(目が合いませんでしたか、なんて。言いたいことは山ほどあって、どうしましょう、どこから何から言えば良いのか何一つ分からないのです。言葉は子供が遊ぶピアノの音の雨粒のように、大きさもタイミングも、その調子なんかもばらばらで。それでも、)「あの、……、ありがとう、ございました」(言いたいことも伝えたいことも、全部全部たったひとつ、ただ、きっとこれだけなのです。)   (7/12 00:12:52)


オトギハナシ> 
(言葉につまっておどおどしている姿は、まるでいつもの自分を見ている気分。お山みたいに言葉を集めて集めて、つなげようと糸を縫い合わせていくの。だけど繋いだ端からほどけ落ちていってしまって、うまく繋がらないの。気持ちは痛いほどわかるから、彼女は急かすこともなく「うん、うん」って時々相槌を打ったりしながらゆっくり、ゆっくり貴方の返答を待つの。)『かっこ、よかった、です、あの』「─────..........ありがとう。」(額の紙切れのせいで、貴方には彼女の表情は見えないでしょう。だけれど、彼女からは貴方の緊張しているような、それでいて興奮冷めやらぬような、可愛らしい表情がくっきりと見えている。)(彼女は貴方が伸ばした手に、紺色のタオルを握らせた。貴方が手を伸ばしながら汗を流しているものだから、なにか拭くものが欲しいのかと考えたみたい。)「ありがとね。塩分大事だからね............アンタも熱中症対策はしっかりするんだよ............」(震える貴方の声の奥に、ほんの少しだけの迷いや優しさが垣間見えて。)「...............ハリソン、さん。」「オトギハナシのライブ、気が向いたら.............. また、来てね。」(目が合いませんでしたか、なんて質問には答えない。これくらいでいいの、ヒーローのファンサービスはこれ以上はいらない。)『あの、……、ありがとう、ございました』(はず、だったのに。)(紙切れが、風に吹かれてほんの少しだけ捲れる。もしかしたら、貴方には一瞬だけ。ほんの一瞬だけ、見えてしまったかもしれない。"真っ赤に染まった頬"。だけどそれもほんの一瞬のできごと、刹那の色の違いを貴方は見逃してしまうかもしれない。)「....................、.................。」「連れ回しちゃって、ごめんね。」(ちょっとだけ、付け足すの。)   (7/12 00:57:23)


キース・ハリソン> 
「あ、ありがと、ございます」(差し出されたタオルを受取ったなら、また同じお礼を口にして。あんなにも全身から意思を放っていた様とはまるで真反対の君のそれはどこかいじらしくて愛おしくて、遠い遠いステージから手元に届く場所まできてくれたようで、安心して笑ってしまった。表情はうまく窺えず、言葉からの色だってわずか。それでも、)「わっ……、」(ふわっと強い風が吹いて、さらりといろんなものをさらってくれたなら。そうしたらきっと、僕はちょっとだけ落ち着いて、君をみて。そうしてきっと等身大で、君を見つめられる気がするのです。) (人の弱いところを見て安心する……なんてあんまり胸を張って言えることではないけれど、僕はそんなんでも、良いんじゃないかな、なんて思うんです。)「ん……、えへ、」「大丈夫、です。たすかりました……あのままじゃあ、きっと倒れてたから」(君に借りたタオルでおずおずと汗をふきながら、ふく風にそっと目を閉じました。ベリーショートの髪は柔らかくそよぎ、汗を纏ってつんつんととがってはつやつやと輝くのでしょう。ふるふると頭を振れば、ぴ、ぴ、と汗が飛んでしまうので、慌てて僕は君に謝りました。)「ご、あのごめんんなさい、あの、何も考えてなくて、あの、タオルもその、借りちゃって……」「あの……、きっと同じ学校、だから……タオル、今度返したくて、だから。」(聞いて、思い返して漸く分かりました。この間の鬼ごっこの時や、他の任務の時だって。僕らが大変なときにいつだってエールをくれたあの歌声は君だったのだと、漸く見つけた一番星。)「また、あえませんか。」(できることなら、君を見失いたくはないのです。)   (7/12 01:28:58)


オトギハナシ> 
(彼女は。貴方がタオルで汗を拭き取り、静かに貴方のうなじを風が撫でてはさっていくのを見つめて。それから、汗が少しとんだのに気がつけば、紙切れの下で少しだけ喉を震わせるの。くふっ、て、なにか可愛いものを見つけたときに笑うみたいに。だけどそれもほんの一瞬、すぐに無表情に戻れば、その場から立ち去ろうとしてしまうの。)(けれど。)『あの……、きっと同じ学校、だから……タオル、今度返したくて、だから。』(どうやら貴方は、彼女と同じヒーロー見たい。彼女は少しだけ紙を揺らして、それから貴方の方へ振り向けば。)「───────、─────────。」「──────。」「────────────────────................................また、会えるさ。」(長い長い静寂。数秒間なのだけれど、貴方と彼女の間。そこはまるで夏の夜の天体観測のときみたいな静寂に包まれて。それから、彼女はたった一言。静かに、だけどほんの少しだけ。ほんの少しだけ、楽しそうな声色で答えたんだ。それからすぐに、彼女は貴方の前から姿を消してしまう。人混みに掻き消されるかのように、彼女の姿は埋もれてしまいました。)(───────────ペラリ。)(そこで、貴方との物語は終わり。これが、今日の最後の一ページ。)(─────────けれど。背表紙には、まだ物語の続きがあるのです。)(彼女は貴方と別れてから少しだけ歩いて、それから路地裏に入ったかとおもえば。壁にもたれかかって、ズルズルと座り込んでしまいました。紙切れを顔から剥がして、力なく地面に腕を投げ出して。)「.......................ハァっ、はぁっ、はあぁっ、はぁっ............!!!!」(ほっぺが真っ赤に染まって、汗だくになった額を腕で拭う気力もなくて。ただ、息を整えることしかできていない様子で。)(そこにあったのは、【ヒーロー】オトギハナシではなく、紛れもなくただの高校生である、音戯華子の姿でした。)「う、............ふぅ、...............つ、つかれた..................」「おんなじ.............学校の、.............せいとさん...........!?」「.............つぎ、どうやって話せばいいの.............!?」(ずうっと貴方の前で無理をしていたの。演じていたの。本来の彼女はあんなにキザでかっこよくはない。だけど、ヒーローをしている間は。紙切れを額に貼っつけている間は、【オトギハナシ】でいなきゃいけないから。だけど、もし学校で会ったときに彼女が【オトギハナシ】ではなく「音戯華子」だったら。まさかこんな醜態を晒すわけにはいかない。どうすれば、いいのでしょう。バクバクと飛び跳ねる心臓を両手で押さえながら、墜ちてゆく夕日が差し込む路地裏に、少しだけ身を沈めていたのでした。)(────────────パタン。)(おしまい。)【〆】   (7/12 15:52:35)

フェルディナンド> 
「...音戯、さんでしたっけ...?」彼女は辿々しく声を出した。久しぶりに喋ったなんて言わんばかりにところどころ上擦らせて。その目線の先には、貴女が居た。音戯華子、貴女が。彼女はその屋上と階段をくぎるドアノブが生温くなるまで握っていた。動けずに居た。まさか、まさかこんな場所で人に会うだなんて思いもしなかったのだから。気弱な彼女では無理もないだろうか。いや、気弱だとか、そんな話は今の彼女にとってはそこまで、意味のない話...なのかもしれない。兎にも角にも、彼女は貴女を見つけたのだ。この寂しく何もない夜の校舎と月光に挟まれた屋上_夜空には月が青々と浮かんでいた。その直感にある校舎もまた、夜の海の中に浮かんだ漁火の一点のようで、淡くぼやけていた。どこからか吹き込んだ風が、撫でるように校舎のガラスを揺らす。煌びやかで賑やか。土と汗をどこかに漂わせる学徒特有の大人の中に若さを注いだ雰囲気。それもこう言う時分では隠れてしまって虚無な感覚、侘しさなんかが顔を出していた。さするに、このように夜の海とも言えるようなここに。他の船舶もなしに、灯台もなしに一人彷徨うな孤独な校舎に乗り込んだ彼女はこの世というものから引き離されてしまったような、後にも先にも何もなかったような不思議な空の心というものを引っ提げていた。教室の中で一人黒板に落書きをしても、いつもは滅多に、見つめることすら叶わないあの赤髪の子の席に一人座ってみるのも。どうも、楽しいとは思えなかった。否、楽しくはあったのだが、窓から見えたポッカリと浮かんだ月に自身のこの空っぽな心とそれを埋めんとするような動機を見透かされてるような心持ちで漫ろになるばかりであったのだ。夜の学校に乗り込んだ、なんて青春の大きくありきたりで、若者の心に仕舞われたバイブルにも描かれていそうな行為。だが、彼女の場合は少しもそんなことはなかった。ただ〝帰る場所を失って、置いて行かれた〟だけなのだから。もっと光を、なんて言った西洋の詩人も居たくらいだ。されどその光が虫螻にとっては、離れたくとも離れ難い。されど身を焦がすだけの、イカロスにとっての太陽のようだと思わずには居られないのは、彼女もまた虫の一匹であるからであろうか。彼女はひっそりと、黙って座っていた席から腰を上げた。_ガタンっ...。なんて普段なら聞こえもしない椅子の音も、自身の浅くい呼吸音も嫌に聴こえた。何もかもが彼女を捕縛して仕方ない。自分のことを虫だと喩えるにはあまりにも的を射ていて自傷的に笑った。彼女はそのままにゆぅらり、くぅらり。幽霊のように校舎を歩き潰した。理科室、パソコン室、教員室、etc.。どこに行っても満足はしなかったが、退屈もしなかった。誰にも見られない、人がいない。それはなんだか彼女の弱い心へのしばしの安息と思われたからだろう。歩き回って歩き回って。虱潰し。目的もなければこの理由も対してもない。数キロの敷地内での逃避行。その逃避行も一時間も過ぎれば終わりに近づいた。体力的に行ける場所が少なくなったからである。自身の歩いてきた方向をふと振り返れば、脱出口の方向を示す緑の蛍光灯だけが光っている。まだ帰りたくないだなんて思ったのだろうか、それともそれも空なのか。彼女の足が最後の目的地に選んだのは。屋上だった。   (7/16 18:17:14)


音戯華子> 
「ルー、ルーーーーーー。ルーーー...................」(屋上に、静かに歌声が響き渡る。満点の星空が広がってるわけじゃない。ただ、月が雲の隙間からときどき姿を表すだけ。ほとんどがくもり、蒸し暑い夜だから腕は蚊に刺されているの。)「ルーーーーー、ルーーーールルルーーーーー、ルーーーーーーー..............」(蚊に刺されるのはいやだけれど。気にならないわけじゃないのだけれど。だけど彼女は、夜に隠れるかのように屋上にいるの。手すりに両腕をついて、体重をかけて。短パンのポケットから伸びた白いコードは、耳の中へと繋がっているの。時折吹き付ける少し強めの風は、藍色の髪をぐしゃぐしゃにしていってしまうけれど、腕は痒くてしょうがないし、外は暑いけれど。)「ルーーーーー......................」(それでも、ただ広大な居場所がそこにはあるのです。)「ルーーー、ルルールーーーーーーー.........................」(耳から聞こえる音楽に合わせて、静かにメロディを口ずさむ。それだけの、本当にそれだけの夜でした。)(そう、たった今、この瞬間までは。)『...音戯、さんでしたっけ...?』(とっても静かで深い音楽のなかに、聞き馴染みの無い雑音が混ざったような。そんな気がして、左右を確認して、最後に後ろを確認すれば、そこには誰か─────あまり見覚えのない人間がこちらの様子を伺っている様子。)「───────────.................こん、ばん.........は?」(貴方が彼女の口ずさむ声を聞いていたかは分からないけれど、挨拶だけはしておくように。夜中にこんなところに来るなんて、幽霊くらいしか思い当たらないのだけれど。寧ろそうでなければ余計に怖いかもしれない。)「..............こんな時間に、どう............されました?」(要件を聞くだけ聞いて、早めに寮に帰ろうかなぁなんて。そんな気持ちで、社交辞令的に貴方に問いかけるの。)   (7/16 18:55:01)


フェルディナンド> 
どうかされましたか。なんて聞かれても、何も出てこない。貴女に会うなんて自分も考えもしなかったのだから。彼女の手は思わず、自身の服、胸の内ポケットへ伸びかけて。そこで止まった。そこには彼女にとっての全てがあった。きっとこう言う時に切れ抜けれる方法もきっと書いてある。だけれども、この二人きりの空間は。開放的なのに息の詰まるような黒で囲まれた空間は。何をしてもすぐに目立ちそうで、彼女はそのポケットから手を抜く他になかった。彼女はそのまま数秒だか、数分だか。黙ったままであった。どんなに幻想的な雰囲気もセンチメンタルな心境も、彼女の性格をどうこうしてくれる訳ではなかった。きっと彼女が口を開く時、第一声はこうであろう。「お歌、お上手...なんですね。」彼女は上手くは笑えないようで貴女の足元あたりを見つめては切羽詰まった笑い声を掠らせた。距離は相変わらずに、遠い。月光がなければ、貴女の姿さえもわからないくらいに遠く遠く感じるいる。会話だってどうやってすればいいか、〝アレ〟がなければちっとも見当がつかない。彼女は貴女が何かを言う前に自身の放った言葉が会話としては不自然であり、なによりも自身のことを疑わせてしまうことに気づいては「あ、っ...い、いえっ...盗み聞きと、かっ!!そう言うんじゃっ!!!」だなんて唇をワナワナと振るわせるようにして蛇足を続けるのだった。   (7/16 20:34:03)


音戯華子> 
(貴方がなんにも返さないものだから、彼女はほんの少しだけ、ほんのちょっぴりだけ怖くなってしまう。まさか本物の"幽霊さん"なんてことだったらどうしよう、なんて微かに心の中でゾワリと毛が逆立つような感覚に陥ってしまって。)(それから、貴方がようやく発した一言に少しだけ緊張で固くなっていた頬を緩めるの。)「お歌、というほどのものじゃない、かもですけど、ね............................。」(つまりながら、つっかえつっかえ、単語を繋げて文章にして、言葉を紡いで意思を伝えるために声を出す。だけど、歌を褒められるのは好き。自分の武器だから、それを認めてもらえると心が弾んじゃうの。距離を保ったまま、ポケットに手を突っ込んだり突っ込まなかったりする貴方の様子を少しだけ見守って。それから、盗み聞きじゃない、なんて慌てだす貴方を見れば、さっきよりは安心するんだ。ああ、同じ人間なんだなぁ、なんて相手の弱点を見つけて安心するような、あまり褒められたことではないけれど。)「............うふふ、だいじょぶですよ。」「アタシ、ね。音楽、聞いてたんです.........................なんか、聞いてたら楽しいみたいな、悲しいみたいな、難しい気持ちになっちゃっ、て。ちょっと、口ずさみたくなっちゃって、.........................静かだけど、あったかくて、冷たいのがいい、かも。」「いっしょに..........................聞く?」(にへ、と尖った目を細めながら、イヤホンを片方だけ外して貴方がいる方向に差し出すみたいに。普段はこんなことしないのだけれど。夜に貴方がそんなに哀しい顔をしてここに来たものだから、少しだけ休んでみない?なんて軽いデートのご提案。音楽の世界をあちこち旅するデートはほんの少しだけ綺麗で美しくて、落ち着くものだから。)   (7/16 20:50:34)


フェルディナンド> 
心臓が痛いくらいに高鳴っていた。普段ならばここまで緊張しないのに。するはずがないのに。貴女の目は、笑っていた。その尖った...でもどこか優しくて、不器用な鋭さの目つきに心臓をつかまれたようにも感じた。貴女が彼女を見つめる中、彼女もまた貴女のことを見つめた。それは目というよりかは心でという意味で。淡い淡い期待が彼女を満たしていく。抑えなくては。抑えなくてはならないと分かっていれば分かっているほどにその火傷のような葛藤がじわじわと体を蝕む。わかっているのだ。一度あったことが二度も三度もあるものか。あの赤毛の子が、運命であっただけで。目の前の貴女がそうであるとは限らないと。彼女は気がつけば胸元に手を当てて背を丸めていた。発作のように、自身を落ち着かせるように。そういえど、貴女の言葉を聞き漏らした訳ではなかった。貴女が曲を聞いていたと言ったことも、ほんの少し彼女の言葉で頬を緩んだことも。全部全部ちゃんと見ていたし聞いていたから。そして、貴女がイヤホンを差し出してその鋭い目つきを緩める時にはちゃんと。ちゃあんと、いつも通り。辿々しく、おどおどと。しかし笑みを忘れないように。そっとそっと「ぜ、ぜひ...!」とフェルディナンドとして、貴女の方へと歩を進めては貴女のてからイヤホンを受け取るのであった。   (7/16 21:13:15)


音戯華子> 
(シアンよりは少し藍色に近いような、けれどほんの少しだけ空色に近いような。こちらをジッと見つめるその瞳は、ふわりと輝くの。)(貴方がイヤホンを受け取ってくれたのなら、彼女はポケットからスマホを取り出して。『最初から再生』ボタンを押すの。)「ふるい曲、なんだけどね。」 https://youtu.be/V1Pl8CzNzCw (────────────イヤホンから流れ出すのは。可憐な少女、というにはあまりにも憂いを孕んでいる声の女性と、物悲しげな声を絞り出すように歌う男性と。それから、深い海に沈み続けるような音を奏でるバイオリンと、たまに美しさと静けさを悲しみに閉じ込めてしまったようなピアノの音。)(彼女は目を瞑って、屋上の手すりにまた体重を預けて。息を止めるみたいに、音楽にもう一度聞き入るの。貴方が気に入ってくれるかは分からないけれど。)   (7/16 21:41:38)


フェルディナンド> 
イヤホンを耳にはめる。思えば、そんなことも長い間やっていなかった。〝そういうこと〟には無縁だったから。音楽をまじまじと聞くなんてことをしなかったものだからこういう時どう言う姿勢をしたら良いのかも知らなくて、とりあえず貴女と同じように手すりに腰を預けた。_聞こえてきたのは、女性の声だった。自分よりも幾分か大人びても聞こえた。それから、男の人の声。そして低く響くような音。海の水底へと大きな船が沈めばこう言う音が鳴るのだろうか、なんて足りない想像力で考えた。ヴァイオリンとかピアノとかはよく分からなかった。きっと隣の貴女よりもずっとずっと、解像度の低い何かを想像しているのだろうことは考えるまでもなかった。それでも、別に悪い気はしなかった。背中の後ろにあるのが高い高い建物ではなくて、磯風であるような気もしたし、そもそもに今が夢であるとさえ錯覚してしまいそうな気がした。きっと今の彼女顔は、神妙でありこそすれど悲しくも嬉しくもない表情をしているに違いない。ただ、片耳に夜風の切れる音を聞きながらもう片耳で貴女と同じ音楽を聴く。それが良いことであるような心持ちであることだけを感じていた。表現することはなくとも、ただ静かに音を感じていた。それは曲が終わったしばらくの間、彼女を黙らせて何かに浸らせるには申し分なかった。   (7/16 22:15:55)


音戯華子> 
「津波が、押し寄せるの。」(曲が終わってから、しばらくして。貴方が沈黙を保ち、そこに静かな、だけど確かな暖かさがひんやりと立ちこめるくらいの頃合いに。彼女は、呟いた。)「いつもいつも、夜になると津波が押し寄せてくるのさ。」(話し始めたのは、夜の話。引っ込み思案でロッキーな女の子の語る、夜のお話。)「いつも、夜の津波から逃れるために必死に必死に、逃げ惑うんだ。津波に飲み込まれちゃうと、死んじゃうから。」(詩的な表現にはなるけれど、つまりは夜の静けさと寂しさと不安定な心の中のお話。)「屋上からは、津波がよく見えるの。アタシのことを飲み込んじゃおうとする津波が静かに、街中でさざ波を立ててる感じ、なんだけどね。」(夜はどこにも居場所がないけれど、そのかわりどこにでも居場所がある。心の中がいつもより活発になって、でも体は休みたいと言ってくる。どうしょうもないすれ違いを埋めたくて、屋上に来て。)「この曲聞くと、ね。ほんの少しだけ疲れとかしんどいのとかが回復して、足が速くなるの。速くなって、なんとか夜の津波から逃げ切ることができるの。それを、毎日繰り返してるんだぁ..............................。」「延命措置、みたいに。」「昼はいつだって誰かの喋り声が聞こえて、ああ生きていかなきゃあなって。ギター鳴らして歌って、叫んで、笑って。けど、夜はそういうわけにも行かないから、この人の音楽聞いて逃げるのさ。」(そこまで、ぼーーーっと校舎の向こう側の地面に広がる、小さな汚い星々を眺めながらつぶやく。それから我に返ったようにあたふたと落ち着かなさそうに。)「あっ、えあっ、の、そのぉあれ、そんな感じのが、なんか.........」「過ごし方とか、好きだから、共有とか、できたらいいな..........って思っちゃった、ごめんなさ、あのほんとにマジで忘れて..............」(自分が発した言葉の恥ずかしさに顔をトマトみたいに染めながら、貴方に向かって身振り手振りで恥ずかしい気持ちを隠すようにふやふやと動かしたりして、そのまま手すりの向こうに顔をやりながら止まって。)「なんか..................ちょっと、しんどそうな顔してた気が、して。」「気のせいだったら、ごめん、ね。」(彼女はふい、と貴方の方に瞳を動かし、大丈夫そうかを確かめるように。イヤホンコードでつながってるのなら、ちょっとは哀しい感情を共有して、それを和らげられないかなって。そんな、世迷い言を呟くみたいに貴方を、優しい横目で見つめるのさ。)   (7/16 23:01:19)


フェルディナンド> 
あぁ、やっぱり。貴女もまた。同じなようだ。彼女とおんなじ。彼女は貴女の言葉を一言一句とも、聞き逃すことはしなかった。そのちょっとだけロッキーな喋り方も、元の萎んだ風船のような態度にも驚いたりはしなかった。だって、一緒だったから。ただ、貴女の横目みたいに優しい目つきだけはきっと彼女にはできないのだろう。彼女はひとしきりに、貴女の言葉を聞いて聞いて。そして噛み砕いて、ゆっくりと唾液と混ぜて胃の中に収めた。真っ赤なトマト。彼女にとっても美味しいトマト。彼女はやっとのことで飲み込んでは、口を開いた。「えぇ...ありがとうございます。ありがとうございます。素敵だと、思うんですよ。」だが、その口調はさっきまでの気弱でおどおどとしたものなんかじゃ決してない。もっと流暢で、落ち着いて。だのにどこか腹の底に悪意というものを感じてしまいそうなほどにこなれた声である。「そうですね。些かにはしんどいですけど、貴女のおかげで楽になるような気がします。」境界が崩壊する。言葉の節々から徐々に徐々に。最初出会った頃の彼女が消えていく。貴女が優しくも気にかけたあの虚な顔つきも、弱々しい手足も何もかもが嘘みたいに彼女は振る舞い出した。「苦しいですよねぇ。なんたって、自身のことを自身が分からないんですから...。ぇえ。苦しいでしょう。辛いでしょう。分かりますよ、分かりますよ...。貴女だってそうなんでしょうね。この前もほら、〝先輩に泣かされてた〟もんね。」彼女はよく喋った本当によく喋った。さらには大袈裟に身振り手振りした。ポケットに入ったイヤホンのように貴女と腕を絡ませようともしたし、かと思えば少し広めの、イヤホンがピンと張るくらいの距離をとってみようとしたり。そしてその度に貴女のことを。今日初めて会うはずの貴女のことを前々から知っているような口振りで話し出した。例えば、昨日どこで何をしていたのか。だとか、貴女のよく音楽のタイトルだとか。彼女は愉快そうに笑いながら、まるでそれが教科書にでも書いてあるかのように話す。その目は、優しくもなくただただの快楽に染まっているようだった。彼女は言った「貴女のことはずぅぅっと...へへ。ずっと見ていたんですが...まさかこうだとは。これも〝運命〟なのですかね?」と、ご機嫌に貴女の両手を握り込もうとしながら。   (7/16 23:37:36)


音戯華子> 
(彼女は照れ隠しみたいに髪の毛のさきっぽをくる、くるり、と指先でいじったりして、貴方が落ち着くのを待とうとしていたの。)『えぇ...ありがとうございます。ありがとうございます。素敵だと、思うんですよ。』(どうやら、思いの外回復が早いみたい。さっきよりも幾分か声に元気があるような気がして、ホッとしながら貴方の方に向き直ったんだ。)『苦しいですよねぇ。なんたって、自身のことを自身が分からないんですから...。ぇえ。苦しいでしょう。辛いでしょう。分かりますよ、分かりますよ...。貴女だってそうなんでしょうね。この前もほら、〝先輩に泣かされてた〟もんね。』「なぁ、の...........................?」「...............泣かされ.............?」(そこにいたのは、もう彼女の知る貴方ではなかった。歌声を褒めてくれたり、イヤホンをおずおずと受け取ってくれた貴方じゃあなかったの。生ぬるい液体が、うなじを伝っていくのが、やけにわかりやすく感じられて。唐突に腕が伸びてきてぬるり、と体を絡め取られたから息が止まってしまって。)「なッ、」(かと思えば距離を取られて、引っ張られたイヤホンが耳を削るように傷つけて、痛みが襲ってきたり。)「ど、どうしたんですか、急にっっ......!」(いきなり貴方の態度が豹変してしまったからわけが分からなくて、ただ耳を押さえていれば。)「..................っ!?!?!??!?」(貴方が語りだしたのは、昨日までの彼女の行動の細部に渡るまでの全て。一つ一つ言い当てられるたびに、自分の服を脱がされていくような感覚に陥って、頬が熱を失っていくのを感じ取った。真っ赤なトマトは、今じゃあもう熟していないライムみたいな青緑に、血色を失って。)「──────────、」(声も、でなくて。)「─────────────、──────っ、」(ただ、思い返される赤髪の少女の恐怖が、胸をナイフで優しく突き刺してくるの。)『貴女のことはずぅぅっと...へへ。ずっと見ていたんですが...まさかこうだとは。これも〝運命〟なのですかね?』「いっ、.........」「なんで、私なんかのことを、そんなに調べ上げるんです.........か?」(先程の間での夜がボロボロに崩れ落ちて出来上がったのは貴方の孤城。閉じ込められてしまえば、出られる気もしない。逃げるのも怖いし、逃げないのも怖いし、だから貴方を少しでも理解したくて。「私のことを............みてたって、なん ...........で.......?」(分からない、なにも分からないし、なぜ貴方が赤髪の少女のことを知っているのかも分からない。なぜ音楽の好みも過去も知られているのかが分からないものだから。)「.......................ちょっとこわい、よ。」(彼女は汗を額から流しながら、貴方から距離を取ろうとして一歩ずつゆっくりと下がろうとするんだ。)   (7/17 00:13:48)


フェルディナンド> 
「何故というのは、手段ですか。目的ですか...?私ですね。音楽ってもの、あまり興味無かったんです。いや...ありはしましたけど、そこまでだったんです。」彼女は胸の前に手を当てて大事そうに大事そうに何もないはずの手の中を見つめた。そして、あんなにも楽しそうだったのに、あんなにも笑っていたのに。その頬に涙を一筋落とすのだ。「でも...貴女のおかげで...音楽って良いものなんだなぁって...そう思えたんですっ...!あぁ、違う違う...。言い直しましょうか。そう思えたんですよ、音戯さん。」彼女は泣きながら笑いながら、そんな風に声を跳ねさせた。だがそれと同時に違うと言っては落ち着いた風に言葉を訂正する。その口調ではいけない、正しくないと言わんばかりに。彼女は狂人であった。その涙にも笑顔にも、同情すれば知るほどに深く生ぬるい沼へと引き摺り込むような深い深い得体の知れぬ存在が、彼女であったのだ。「あのね。音戯さん。私、思うんですよ。」一歩、貴女が後ろに行けば後ろに。「私と貴女ってとってもとっても分かり合えるんじゃないかな、って。」一歩、貴女が左に行けばそちらに。どんどんと足幅は貴女よりも広く、早く。距離を詰めて。「だって、貴女は。貴女は。」どんどんどんと、貴女の元へ。眼前へ。思考の中へ。彼女というのは流れ込む。「こんな私にも、優しく気遣ってくれたんですから。」グィッと彼女は貴女の手を今一度握り込もうとするだろう。それは握手だとかそういう類のものではなく、もっと一方的で暴力的な。捕縛のようにねちっこくて気味の悪い手で。「貴女のことだからきっとこんな私を見て怖いと思っているんでしょう...?〝逃げたいけど、屋上で逃げられない〟だとか。〝なんで私のことを知っているの〟だとか。」彼女は笑っていた。涙は、月光に輝いてガラスのように見えることだろう。水っけのない、作り物のような涙に。「どうか怖がらないで。貴女が呼んだんです。こう言う私を。貴女が、貴女が私を刺激するから、生まれちゃったんです。ねぇ。音戯さん。分かりますか、音戯さん。」彼女は熱の篭った声で何度も何度も名前を呼んでは仕切りに距離を詰めるだろうか。   (7/17 00:38:59)


音戯華子> 
「ちが、な.........................あの、ぁ、ああ、」(詰め寄られれば、浴びせられるのは理解に苦しむ程の狂いきった言葉の数々。そもそもほぼ初対面の筈なのに名前を知られているのもよくよく考えれば違和感があった。けど違和感というほどのものではなくて、名前が知れたっておかしくない職業だから気にするほどではなかったのだけれど。)「わたし、は...........!」「アタシ、は。」「貴方の本音が、なにかはよくわからない、け、ど。」「お友達が、欲しい......?それとも、優しくされたい........?のなら、このやり方は、怖がらちまう、と思う..............」(力強く、ガサッに握られた手はぬるりと生暖かくて、それが余計に恐ろしさを増して。)「分かり合いたいなら、アタシのことを言うんじゃなくて............アンタのことを、教えて、欲しい............。」(落ち着いて、息を整えて。大丈夫、夜だけど。怖いけど。よく、わからないけど。でも、まだ悪意とは限らない。赤髪の女の子みたいに、怖がるだけじゃ何もできないから。貴方がもし、友達が欲しいだけの人だったとしたら。傷つけたいんじゃなくて、誰かにそばにいて欲しい人だったとしたら。突き放すわけには、いかないから。)「生まれちゃったかは、わかんないけど。」 「ただ一言ありがとうっていって、くれれ、ば ................」「アタシ、怖がったりなんてしない、から。」(必死に自分を落ち着かせながら、貴方の爛々と光る瞳にそっと見つめ。それから、彼女は貴方にもう一度だけ、問いかけるのさ。)「こんな時間、に。」「...........どうしたんだい?」   (7/17 01:06:36)


フェルディナンド> 
「友達...?優しく...?いえ。いえいえいえいえいえ...?私は、ただ...居るだけなんですよ...?私は、私は貴女のために居るだけなんですよ...?何でこんなところに私は居るんでしょうね...?私は一体誰なんでしょうね?でも良いんです。貴女が居るんですからね。」いよいよ持って話が通じない。通じることのできないものがそこにはあった。彼女の言葉にも、行動も嘘だとは思えないほど真に迫る。だからこそ余計に可笑しいのだ。さっきまでの彼女と今の彼女。見た目こそ同じであれど、中身は本当に別人としか言いようがないのだろうか。「ねぇ、そんなくだらないことなんて置いておいて、もっと音楽を...そうさ音戯さん、私たちどうせなら______________」 彼女の言葉を遮る音は突然鳴った。それは貴女にも彼女にも耳馴染みの音。スマートフォンの初期設定からある、着信音である。そのなっているスマホの所有者は、彼女だった。彼女は良いところなのにと言わんばかりに眉を寄せてポケットからスマホを取り出した。あまりにも眩しい光に小さな声を出して怯んだ。そして数秒かけて目が慣らしては画面をもう一度直視した。「...ッ!」彼女の顔つきがあからさまに変わったのがきっと貴女にも分かることだろう。彼女は貴女に「ご、ごめんなさい...。ちょっと...。」なんてなんだか拍子抜けなくらいにおどおどと断ってから、電話に出た。顔は貴女にも見せなかった。だけども電話越しに頭を下げたり、手を動かしたりしていること、電話の相手にあまりにも遅い外出なものだから心配されていることは分かってしまうだろうか。とどのつまり、彼女の城にも時間制限があったと言うことであろう。彼女は電話を終える頃にはまた、最初のような根暗な雰囲気を漂わせるほどに変わっていた。先ほどの存在が嘘であるかのように、それともその態度の方が嘘でありように。 すっかりと落ち着いて何事もなかったような臆病な彼女は電話の後、「お、音楽聞かせてくれてありがとう...ございました...!よく分かんなかったけど、良いものなんですね。音楽て...!」なんて感想を述べては丁寧に耳から外したイヤホンを渡してはそそくさとその場をさろうとするだろうか。その行動には先ほどのような狂気的な熱意もなければ、熱烈な行動の片鱗があるわけでもなく。いたって普通で、普通すぎて、気味悪い。きっと彼女は最後に深々と貴女に向かってお辞儀をすればそのままに屋上を去ることとなるだろう。   (7/17 01:27:57)

オトギハナシ?> 
(焦げ茶色の床を、斜陽が優しく焦がす。)(真っ赤に染まったタイルは、やがて日陰になるに連れて橙、黄色とグラデーションのように色を淡くしていくの。聞き覚えはあるけれど名前はわからない蝉の声、徐々に暖色を失い始める空。)(三段の段差がある教室、その最上段の奥では何本もの譜面台が所狭しと形見狭そうに詰め込められ、黒い棒きれたちは暑さのあまり、いまにもその額から汗を垂らしてしまいそう。)(最下段、黒板の前に置かれたグランドピアノ。半年に一回は調律されている、淡く白い輝きすら放っているそのビアノは、黒い巨体を丸め込み、ただそこに佇むだけ。)(そんな放課後も終わりつつある、宵の光が瞼を重くし始めた頃の音楽室。そこには、鉄パイプの安物机と。その、傍らには。) (彼女、そう呼ぶべきなのでしょうか。下半身が完全にドラムと同化し、移動手段に4つの車輪を使い、右目のあるべき場所にはギョロギョロと気味の悪い単眼をいくつもつけて、口元にはスピーカーのようになった扇型の何かとがついていて。右耳にだけヘッドホンのような耳飾りもどきがついていて、背中からはギターとベースの隻翼が生えている生き物をまだ、女性のニンゲンだという認識ができるのなら。彼女は右腕を傍らの机に置いて、鉛筆を握っている。机の上に置かれた紙には、なにか小さな文字で書かれていて。彼女はそれを、残った左目で真剣に見つめながらなにやらブツブツとつぶやいている。)『アンタに....は......想い........clap clap..........flap......』(鉛筆は進まないまま、脳内で思考をぶつけ続ける。)「なんで...........ちが........こんなんじゃ.......」(思うように筆は進まなかったみたい、彼女は背中に体重を預けて、ゆっくりと瞳を閉ざす。時間は、相変わらず進んだまま。)   (8/8 17:21:18)


エアレンディル> 
「(エアレンディルは退屈していた。エアレンディルは我慢ならなかった。____君たちが終末を乗り越えた次の日、エアレンディルは君たちが守った何よりもこの世界を鬱陶しく思っていた。)____なァ。随分とひどい有様じゃんかぁ。(ふとした時にはそこに居た。教室のドアに気怠そうに寄りかかって、キミを嘲笑うように笑うのだ。……エレンは終末を愛している。故に、故に。昨日で全部終わりだと思っていたんだ、きっとどこかで空のティーカップでも使ってお茶会をしていた。家でただごろごろと数分の余生を過ごしていた。真相は誰にもわからなくとも、終末を愛している彼女は何一つ絶望なんてしなかった。寧ろ、「ああ、あたしが待っていた終末はきっとこれだった」とさえ、思っていたかも。)」「まあまあ、まずは〝正義の執行〟お疲れ様ァオトギちゃん。…あたしは、キミが帰って来てくれてすごォく嬉しいよ。(所狭しと並ぶ譜面台の間を通り抜けていく。…いいや、寧ろ譜面台の方からエレンを避けているようにさえ見える。ピアノの側板に肘をついて、キミの顔を見据えよう。キミのその気持ちの悪い多眼で見つめられようとも、動じないようにしよう。)____なァ、折角のカワイイ顔が台無しじゃあないか…オトギちゃん。あたしはそんなキミも〝愛している〟けどね。(本当ではないことはわかる、けれど嘘ではないと確定できないその言葉。終末を愛している、故に。エアレンディルはキミを怖がりさえしない、寧ろ、ただ愛しいのだと。他にかけるべき言葉なんていくらでもあるのに、たったそれだけの言葉を。)」   (8/8 17:40:27)