迷 羽間>
(なんてことの無い昼下がり。いつものようにあてもなくただ何かを求めて校内を散策していた迷は図書室へと行き着いた…………のが数分前。そして今彼の目の前にあるのは悲しくも地面に伏しその中身を辺りへとばらまいた腰ほどの高さの木製の本棚である。学ランの前を全て開け、無地のTシャツを中に来て、長い髪をひとつに結い、……見るものが見れば十分に輩である彼だが、決してわざとこんなことをした訳では無い。図書室を散策していた時に床に落ちていた紙に足を滑らせてコケた結果である。普通の人間であれば咄嗟に受け身なりなんなりアクションを起こしたのだろうが、迷はしなかった。倒れるのを理解し、天井を見上げて、「あぁ…」と呟くだけに留まった。)困ったな。これは。(まるで困ってなさそうな落ち着いた声音。眉だけは困り調子に歪めて本を眺める。本棚を立てるのはできる、本も集められる。だけれどもここの常連でもない迷には本を正しく戻す術がない。適当に入れてしまうか、どうしようかと迷いながらまずは1冊ハードカバーの本を持ち上げた。) (5/25 23:06:40)
Yuri・Annabel>
( 彼女が扉を開ける音は静かだった。教室の扉は勢いよく開くのに。図書室だけは急いでいても音は静かで、それは彼女にとって神聖な場所であるからに他ならない。図書室に足を踏み入れた彼女は、さて今日は何を読もうかと机の横を通って本棚の前に─────立とうとして。『 ──────────。』机に隠されていた不届きものを発見した。男性。男の子?幼い顔立ち。身長はそこそこ。床に寝そべり。周囲には、明らかに、意図的に置いたのではないだろう本。本。本。というか、本棚も、倒れてる。『 …………、…………………?????? 』絶句。あまりにも信じられない事態。読書中でもないのに、彼女の動きはぴたりと止まり、2/3程開かれた瞳で呆然と貴方を見詰めていた。ぱちぱち、と幾度か瞬きをして、真っ先に口にしたのは倒れている貴方への心配じゃなく『 ……なに、してる、の……? 』『 …………よくも、やってくれた、なー……? 』どうやら、暫定本の敵と認識したらしい。本が床に散らばっているというあまりにもショッキングな映像に、頭の処理は未だに追い付いていない。故に、何が何やらと言った風ではあるのだが……貴方が原因であろうことだけは理解したらしい。じりじりと後ろに下がる彼女の姿は、所謂警戒体勢だった。) (5/25 23:24:47)
迷 羽間>
(思考は未だにゆるゆると流れる。本来ならば焦るなり慌てるなりして然るべき状況においてもまだ。迷は小さく息を吐くばかり。痛むのは後頭部と背中、傷とすら呼べない程度の弱い痛み。まずは本を机にでも置こう。このままじゃあさっきのように転けるのが目に見える。その後はどうしたものか。彼にとっては今後の方針を決める大事な思考なのだが、傍から見れば倒した本棚を枕に天井を見上げる不審者である。そんな所を誰かに見られでもしたら。)「……………………あぁ。まずいな、これは。」(誰かに見られでもしたら、当然こうなる。迷の視線の先には1人の女生徒。警戒、困惑を孕んだ視線。続く言葉には十分な敵意を含んでいた。迷の口振りはこの時に限っては誤解を招くに余りある。まずいと言いながら、焦る様子はない。慌てて弁明する訳でもない。彼女から灰色の瞳をふいと外して緩やかに立ち上がる。ついでに拾ったハードカバーの本を机へと置いた。)「すまないな。驚かせて、悲しませたようだ。」(落ち着いた声音。申し訳なさそうな表情。迷は意思疎通においては優秀な部類だ。つまるところ、相手の感情を読み取るのも上手い。彼女の敵意も警戒心も、本が好きで図書室が好きで、そしてショックを受けた故だと何となくではあるものの理解をした。)「事故、と言っても。俺の不注意が招いたことだ。」(だからこそ、弁明は説明は言い訳は最低限に。伝えるだけ伝えれば、また本を1冊拾った。本棚と裏というのは存外汚れているものだ。舞った塵で汚れた本を手で軽くはらい、軽く息をふきかけた。)「あぁ、もう1つ。危ないから少しの間この周りには近づかないで欲しい。目当ての本があるなら俺が取ろう。」(思い出したようにそう言うと「転けると痛いからな。」なんて冗談めかして笑って見せた。) (5/25 23:42:21)
Yuri・Annabel>
………私はいいよー、いいけどー………本には、謝ってほしいなー……? ( 警戒は解かないまま、じりじりと近付き1番近い本を拾った。少しだけ埃を被っている。折れてしまったページは無し。表紙裏表紙にも傷はなし。服の袖を伸ばして撫でて、埃を払えば汚れも、なし。念のためぱらぱらとページを捲ってみるけれど、うん、破れているようなページもなし。1冊目は一安心。けれど、2冊目もそうとは限らない。なんなら、ここまでの所業をしておきながら本に謝らない道理もない。ないない尽くし。ならこのまま、貴方も悪い人でなし?笑顔が素敵だし。なんて理由は安直か。でも、現行犯逮捕をしなくてはならないかと思っていた頃と比べれば、印象はだいぶいい。1冊目を机の上に置き、2冊目を手に取った。ページ、表紙、裏表紙、中身を確認してまた埃を払う。今回も、問題なし。本にちゃんと謝れるなら、悪い人でないと認めてもよし。……笑顔、素敵だし。言葉遣いとそれを裏付けるような人のいい笑み。仮にそれが演技だとしても気付かない程に、その2つで悪い人ではなさそうと9割信じる程に、彼女はちょろかった。『 謝れない人ならー、追い出すけどー、…ちゃんと謝れる人ならー、お手伝いをーー…認めます。心臓に悪すぎてー、ほっとけるもんじゃあーないからねぇー…………。 』唇の先を尖らせながら、ふんす、と微かに鼻を鳴らす。事故現場に遭遇して救急車を呼んだり助けなきゃと思う人は多いだろう。今の惨劇は、彼女にとってはまさしくこれで。危ないなんて後回し。ほしい本を受け取ったとしても落ち着いて読めるわけがない。3冊目…と手に取りながら、ふと思い出したように。『 …………そういえば、お怪我のほどはー…? 』 (5/26 00:13:41)
迷 羽間>
(パチリと瞬きを数度。本に謝る。迷にその考えは無かった。本は本だ。紙とインクとエトセトラ。だが、もし、もし本に意思があればさぞ痛かっただろう。整然と並び、知識だったり世界だったり見た事もない物を教えてくれる彼らにとっては災害も良いところだ。ならば、謝るのが道理。驚きに満ちた表情で彼女を見つめてから、手に持った本に視線を落とす。数秒の思考。人も倒れれば痛い。人よりも随分と脆い彼らが痛くないわけが無い。)「………………痛い思いをさせて本当に申し訳ない。」(ぺこり。本を両手に持ち頭を下げる。傍から見れば滑稽に映ってもしょうがないが、悪いのは迷である。そして、彼女の真似をしてページをめくり破損を確認する。最初に拾った物にも頭を下げる。)「手伝ってくれて助かる。ところで、手伝いついでに、本が好きそうな君に聞きたいんだが、本の並びなんかが書かれたものは存在するのかい?」 (本人にとっての一番の問題。元通りに出来ないと言う重要な部分なのだが、相変わらず深刻さが伝わらない。「不勉強な事に並びがわからなくてね。」困ったような笑顔は、本当に困っているのか疑いたくなるものだ。3冊目4冊目5冊目……謝罪と共にゆったりと本を拾い上げていく。彼女に比べてペースが遅いのは慣れていないのと、単純に迷がゆったりとしているから。)「後頭部と背中。打撲にも満たないから気にしなくてもいい。ありがとう。」(本を片手にふわりと笑う姿は不良めいた服装にはさぞ似合わないことだろう。) (5/26 00:30:29)
Yuri・Annabel>
ん。( 端から見れば滑稽でも、彼女から見れば確りと本に敬意を払っており、悪い人かどうかを判断する最後の関門でもあった。今しがた拾った本。これまでの本にもきちんと頭を下げている。人は過ちを犯す生き物だが、罪を認め謝れたのなら今回の件は不問としよう。人は、許すことも出来る生き物なのだ。『 ……そーいうことにー、しておこーう。…本ね、好きそうーじゃなくてー、好き、だよー。本が好きなー、ユーリ・アナベルー、……お見知りおきをー? 』果たしてどちらがどちらのお手伝いをしているのか。それは明らかに彼女の方ではあるのだけど、……貴方が譲らないならしょうがないな、とでも言わんばかりの態度で感謝の言葉を受け取った。本が好きそうと言われるのは彼女にとっては誉め言葉で、けれどだからこそ、断定しても良いのに、なんて変な不満点。手に入れた本好きの称号を高々と掲げた自己紹介は、状況が状況でなかったら、変な決めポーズでも決めていそうな程に誇らしげだった。 さて、本好きの彼女は名簿について聞かれると、少しだけ考え込むように眉を寄せ、目線をついと空中に上げた。流石の本好きでも、本の並びを全て覚えてはいなかった。けれど、『 名簿は確か無かったけどー…………五十音の作者順、同じ作者はタイトルの五十音順の並び、だよー。シリーズ物は456-1、456-2みたいにー、下にあるラベルに振ってあるからぁ、そちらをご覧ーあれー 』読んできただけ、基礎的な知識が詰まっている。ゆったりとした口調に反して、拾った本は何冊目になるか。話ながら今手にして居る本の背表紙とその下に貼られたラベルを見せれば、そこには確かに番号が振られていた。『 痛いときはー……湿布?するんだよー? まぁー、問題なさそーならなによりー 』本の並びに反してあやふやな知識。けれど一先ず笑う姿に、漸く貴方にも心配が向けられたのかほっとした。) (5/26 00:56:56)
迷 羽間>
(さて、どうやら許されたらしい。最初は不運な事だと思った迷だったが、あの時本棚を倒していなければこうして彼女と話すこともなかっただろう。本に謝るように言ってきたり、本が好きそうだと言えば好きそうではなく好きだと訂正してきたり、なかなかどうして愉快な人間と出逢えたものだ。独特の間延びした喋り口調に耳を傾けながら、手を休めることなく本を拾う。一種の儀式になりつつある謝り、汚れを払い、破損を確認する。そして、口には出さずに彼女と出逢えたことを本に感謝をする。)「ふふっ、それは失礼した。本が好きなユーリ・アナベル。」(そういうことにしておくとはなんの事か、流石に分からずに、それでも彼女が納得してるなら問題は無いだろうとそっと流しながら、本を机に置き視線を彼女、ユーリ・アナベルへと移す。)「俺は、迷羽間…………………ふむ、そうだな。動物が好きな、迷羽間なんてのはどうだろう。」(そして、彼女に習うように真似をするように。自己紹介を果たした。)「もし君も動物が好きなら、今日のお礼に俺の友人を何人か紹介しよう。」(友人、なんて言いはするが猫や犬やエトセトラである。今日の天気なら、猫達は昼寝でもしている頃だろうか。そんな取りとめのない思考へと引っ張られるのを引き戻したのはユーリの声だった。)「なるほど……良いな。実にわかりやすい並び方だ。ありがとう、ユーリ。」(見せられた背表紙をまじまじと見つめながら何度か頷く。そして自分が拾った本達の背表紙を見つめて撫でる。確かに全てに番号が振られていた。)「うん?あぁ。ありがとう。コブでも出来てたら保健室のお世話になるとしよう。」(本に比べればあやふやな心配。迷はそれに好感を覚えた。人を蔑ろにしてるのではない。本を心底愛しているのだと感じたから。最後の本を手に机に置き、本棚にも謝罪とともに立ち上がらせる。)「さて、あとは彼らを家へと返してやるだけだな。」(いつの間にやら迷流の敬愛のようなものが本へと注がれていた。) (5/26 01:20:15)
Yuri・Annabel>
…………ほぉーーーん……、しかとー覚えたよー。動物好きのー、迷くんー ( この人もまた、大志を抱く少年だ。形式を真似た自己紹介は同種のようでひどく嬉しく、くふくふ、くふくふと笑みが溢れた。貴方にとって動物が友人なら、此方はさしずめ本が友人か。動物と対話し、共に歩く貴方の姿を想像すると…なかなかどうして格好いい。動物使いのようにも見えるが、言い回しとしてそれは適していないだろう。『 いいねーぇ、是非ともぉ、紹介してもらおうかー 』喋れる猫とか、居るだろうか。とすると貴方はこれから壮絶な冒険をすることになるのだけど、そんなこと気にせずにちょっとばかりそわついた。居るのは物語の中でだけ。居たとしたらそれはカミサマ。そんなことは分かってるけれど、良いじゃない、夢くらいみたって。 『 どいたまだよー。 』感謝の言葉に、またちょっとだけ得意気になりながらも返す言葉はシンプルに。こういうのは、スマートな方が格好いい。………と、思う。表情は緩みきっていたものだから、実際に口にした彼女が格好良かったかは放っておくとして。『 迷くんもー、分かってきましたなー。んー……………始めにー、作者さん毎にまとめた方が良いかなー…?終わったらー、順番に入れてー、タイトル順に並び変えるー………どうー? 』そう、本棚は本にとってのベッドでありお家なのだ。仁王立ちして後方腕組みなんとか面で、うんうん、と深く頷く。よい傾向。よい心掛け。師匠、超褒めちゃう。そしてそれはそれとして、1冊ずつ手に取って並べていけば、終わりはするが途方もなく時間がかかるだろう。本棚と本を見比べて、暫し考えた彼女はより早く帰すための提案を1つした。タイトルを見れば誰が書いたかは覚えている。始めに手間がかかるが、長い目で見れば此方の方が恐らく早く済むだろう。はて、この案は通るか否か。) (5/26 01:53:41)
迷 羽間>
(ゆるりゆるりとした口調で覚えたと口にした少女。その様子を見ていれば本当に覚えたのか不安になる者もいるだろうが、迷は人懐っこい笑みを浮かべた。なんとなく。本当になんとなくの話なのだが、彼女は記憶力が良さそうだと思った。)「なら、いつか昼休みの時間でも空けておいてくれ。晴れていれば、そうだな。2~3くらいはきっと会えるさ。」(自分の友人の紹介したいという迷の話に乗り気な相手を見れば、嬉しくなるのは仕方の無いこと。誰が来るかはその時まで分からないが、彼女の事だ楽しんでくれるだろう。ふむ、本を読むユーリも非常に絵になるが、小動物に囲まれる彼女もそれはそれで実に映えそうだ。なんで考えたあたりで、このままでは友人相手に妄想を繰り広げる変質者になりかねないと悟った迷は本棚へと視線をやった。後方で何やら満足気なユーリをちらりと見やり、彼女の提案に小さく頷く。)「あぁ、いいね。それでいこう。」(思案も何も無い即答だったが、仕方の無いことだろう。本に関しても片付けに関しても門外漢なのだ。私物の少ない迷の部屋は片付けなくても片付いてしまう程に物がない。ならば専門家の意見に頷くのは至極当然の事だった。)「えぇと、作者は五十音順で、作者ごとのタイトルも五十音順だったか?」(彼女の提案がなければ1冊ずつ入れていたであろう迷はしゃがんだ体勢からゆるりと立ち上がると、2~3冊手に取り確認するように問いかけた。) (6/11 16:17:08)
Yuri・Annabel>
そーう、タイトルはー棚に入れるときでも良いからー、出来たらでー? ( 改めて机にずらりと積み上げられた本達は圧巻の一言に尽きる。きっかけは兎も角として、こうして1つの棚に詰められた全ての本が並んでいる光景を見られたこと、それから、動物好きの君に会えたことはそんなに悪いことでもなかったかもしれない。1冊の本を手に取り、表紙を撫でる。〝星空が降る夜に 著者:神農 武昭〟上にあ行が控えていることもあり、机の天辺から本2列分程下にその本を置く。『 こんなー感じー、読みが分からないとかあればー、聞いてくれー? 』無論あ行から始まる名前の作者が想定した以上にいれば、その時はまたずらさないといけないことになる。それはやや困る事態だが……まあ、なんとかなるだろう。ふふん、と得意げに任せなさいと胸を張ったのは強がりでも過言でもなく、本と作者の名前を読み含め覚えているからに相違ない。その証拠に、2冊、3冊と手に取り置く所作はスムーズで、タイトルを一別したあと置いているようだった。確認してみれば、50音順だって間違いでないことが分かるだろう。ばたばたと走り出してしまいそうになりながら、それでも早歩きで済んでいるのは図書室では静かに、そんな彼女の鉄則のお陰でもあり、スピード制限の枷でもあった。) (6/11 16:41:46)
迷 羽間>
「りょーかい。」(確認が取れれば本を手に間延びした返事をした。彼女の口調がうつってしまっただろうか。それとも、既に本のタイトルと著者名を読むことに意識を向けているせいか。積み上げられた本を前にしてだれる訳でもなく、かといってその光景に感嘆する訳でもなく。迷は1冊1冊手に取っては並べていく。ユーリに比べれば随分と遅い歩みなのは、慣れていないというよりかは急ぐのが苦手といった様子。焦りを知らない彼は、それこそ焦る、急ぐ、慌てる事を不得手としていた。)「おー…………っと。早速で悪いんだけど、これはなんて読むんだ?しゅんかとう??」(読み方がわからなければ、という言葉に気のない返事をしたかと思えば、迷は僅かに首を傾げながら彼女に歩み寄り本の表紙を見せた。著者の欄にあったのは『春夏冬』の文字。変な当て字でもなければ読めるだろうと高を括っていた迷だったが、残念なことに『あきない』は読めなかったらしい。ここはひとつ本の師匠を頼ろうと、彼女の答えを待つように前かがみになり顔を伺うように灰の瞳を彼女に向けた。) (6/11 17:02:11)
Yuri・Annabel>
( 片付けあるある。片付けている最中に本とか読みたくなる。こうして1冊1冊を眺めていると、あ、これ懐かしい、だとか、そういえば最近読んでなかったな、となる本に出会ってしまうもので。ゆっくりと高まる読書欲。ちょっとくらい良くない?なんて誘惑。ぎゅっと容器から溢れかけたそれを圧縮したのは灰色の瞳だった。『 んー……………? あー、そっちは あきない さんだねぇ、……下の名前が優って方も同じ名字なんだけどー、そっちの読みはー、あきなし さん。秋がないー、あきなしさんとーあきないさんー。…………うんー、助かったよー 』危ない、危ない。心の中の小さい彼女がふぅと額の汗を拭う。貴方からすれば、お礼を言われるのは不思議なことに違いない。けれど、本を帰す使命も忘れて、危うく彼女は読書に手を出しかけていた。さらば、読書タイム。君達を読むのは棚に帰し終えたその後だ。『 白って書いてー、つくもさんって人も居るねー、漢字の百引く一が白だからー。 』『 文庫毎にアナグラムで作者名を書き換えてる人とかもねー、居るんだよー。 』『 文庫違いで他作品の登場人物をちょっとだけ出す作者さんとかねー、ひどいんだよぅー……そんなのそっちも読むしかないじゃあないかぁーってねー、………まあー、面白いんだけどもー。 』本を作者順に並べながら、以降彼女はぽつぽつとそんな話題を口にするだろう。何故か、なんて決まっている。そうでもしないとまた読書に手を出しかねないから、これ一択。貴方なら笑って許してくれそうなものだけど、流石に優先順位は分かっていた。…たまに引き留めないと、揺らいでしまいそうなだけで。) (6/11 17:25:45)
迷 羽間>
(間延びした口調だと最初に思った。それは正しかった。けれども、今回の返答はそれを踏まえても遅いものだった。並べる作業に没頭していたのだろうか。集中力を切ってしまっただろうか。なんて事を考えながらも読み方の話に耳を傾けていると、最後の一言。助かった、とはどういう事だろう。何から助けてしまったのだろう。常に携えていた笑みはふっと消えて不思議そうに目を見開く迷。)「あきないさんと、あきなしさんか…………なるほど。…………?こちらこそ、ありがとう……?」(咄嗟にそんな返事をしてしまう。だが、この疑問は直ぐに解消される。ユーリの小話に「それは頭がいいな。」「ふふ、読者の心理をよく分かってる人なんだな。」なんて返事を返している時に。)(ふと、もしかしたら奥付や最初のページに著者名やタイトルの読み方が書いているのでは?なんて思い立ち本のページをめくったその時、ふと湧き上がる欲があった。読書欲。彼女程ではないが確かに存在した欲求。それを自覚した時、ユーリの反応が遅かったのもお礼を言われたのも理由がわかった。そして、ついクスクスと小さく笑ってしまう。可笑しいだとか馬鹿にしてるわけじゃない。ただ単純に可愛いと思ったから。彼女の話してくれる小話に相槌を何度か打った後、口を開いた。)「…………少しくらいならいいんじゃないか?読んでも。」(だから、囁いた。彼女を引き留めたはずの迷が今度は悪魔の囁きをもって彼女を誘惑する。自分は緩やかな速度で本を仕分けしながら、本からはあえて目を逸らさずに、誰も見ていないと暗に伝えるように。これは内緒の話だが、迷にはもう1つ欲求が生まれていた。それは、今日であった本が好きで間延びした話し方をするようなそれでいて行動は慌ただしいような、そんな彼女が本を読むところがみていたいという小さな小さな欲求。)「終わったら、一応声はかけるけどな。」 (6/11 17:53:10)
Yuri・Annabel>
( 危ない危ない難所を越えるのも慣れたもの、慣れてきたのに変わらぬ難所なのだから恐ろしいもの、そしてそんな難所を越えるための手段を奪われてしまえば、越えようがないというもので。びたっっと本を整理する手が止まる。読んでも良い。読んでも、良い。いやいや、と柔く首を振った。まだ本は残っているわけでして。けど結構整理した方では?それなら読んでも良いのでは?だってほら、弟子からも良いって、いやしかし、師匠の名が廃るというもの……。『 ……………………、……そ…そうー……かなー……? 』葛藤は暫し、健闘した方だ。しかし1度意識すると気になるもので、しかも止める手段がないと来た。片すための本を手に取る度に、内容を思い出し気になりもする。覚えているなら読まなくて良い、なんて問題じゃないんだ。覚えていたとしても読みたくなってしまう、それが名作が持つ魔力。これが食べたいお口になった、という経験があるものなら分かるだろう。本を置く手がぷるぷると震え、ちらっちらっと視線が積まれた本を向く。そして『 じゃあー…………、後は任せるとーしよーうー…かー………なぁー 』敗北のゴングが鳴り響いた。仕方無いじゃないか、そこに本があるんだもの。本を読みたくて、図書室に来たんだもの。まだ整理されていない本の中から、1冊を手に取る。それは同じ世界観のシリーズものながらその1冊で完結するもの。林檎の妖精、葉っぱの妖精等の種族間でのお話だった。固めの小さな本はよく手に馴染む。流石に声を掛けられても気付かない程に熱中するわけには行かないからと、椅子には座らずに、とんと柱に背中を預けた。熱中しない為の、立ち読みの筈だった。ちらりと目線を向ける度に、ちょっとずつ彼女の背中が柱から滑る。本を持つ腕、向けられる優しくも真摯な眼差しは変わらない。けれど少しずつ、背中が丸まり、元より低い背が低くなり………最終的に、彼女は小さな箱に詰められたような体育座りの体勢に落ち着いた。本を捲る指先、たまの瞬き以外は一切動くことがないそれは、本の中に意識の全てを移しているから。それ以外の動作を思考含め放棄した、無駄を削ぎ落とした結果だった。) (6/11 18:24:00)
迷 羽間>
(声をかけた相手からの返事が無い。視界の端では動いていた手がまるで時でも止められたかのように静止している。理由は手に取るように分かる。敗北必至の葛藤の最中なのだろう。モノは違えど何かを好いている人間ならば理解は容易いことだ。好きな物を触れていい使っていいと言われ、咎める者もなく咎める理由も無く、そんな中でわざわざ自分を制するのは酷く難しい。)「あぁ、構わないよ。」(ようやく聞こえてきた声は随分と揺れていた。緩やかに返した言葉の後押しすら必要なかったかもしれないと思えるほどに。それから暫く、先程よりだいぶ緩やかになった速度で本を並べるのを視界の端で眺めているとユーリの手が止まり、敗北の言葉が聞こえた。本来なら本を読むためにここに来たのだろうし、彼女の葛藤に勝ちも負けもないのだけれど。敢えて言う程でもない。)「任されよう。」(最後にちらりとユーリを見やり微笑んだ。なにか思うところでもあったのか立ったまま本を読み始める彼女を数秒眺めてから、迷は本の片付けを再開する。紙を捲る音、本を置く音。そして、微かに聞こえる服の擦れる音。視界の外で彼女がどうなっているのか想像にかたくない。窓からは暖かな陽光が差し、図書室に確かな静寂が訪れる。時間の流れが緩やかになる感覚。穏やかで安らか。迷がこの時間を気に入るのにさして時間はかからなかった。気づけば本を並べ終え、後は棚に戻すだけ。数度肩を回してから、並び順のルールを思い出しながらしまっていく。また暫くすれば本棚は元の状態____から2冊本が欠けた状態____になった。)「ん、んん………………」(大きな伸び。関節が気味の良い音を立てた。ユーリはと言えば、すっかり本の世界だ。言葉にはしなかったが、思った通り絵になる姿だと、迷は微笑んだ。彼の手には一冊の本。興味の湧いたものを1冊入れずにおいたもの。努めて音をたてぬように椅子を引くと、そこに腰かける。机に対して横を向き、足を組み、頬杖をつき、本を開いた。時間の許す限り、この安穏とした空間を楽しみたかったのだ。紙をめくる微かな音だけの世界を。) (6/11 18:50:15)
飯田 杏>
「………キミ。ちゃんと武器は持ったね?」(小手先の対症療法は、彼女は対して好きじゃない。と言うより、疎んですらいる程だった。それでもここに駆り出されているのは、彼女が一人前のヒーローとは呼べないような、一端の学生だから、であろう。)(平穏な日常生活を保ち、先生からの評価を一定に保つには、依頼を断りすぎても断らなすぎても問題がある。頼まれる事に断り、請け負い、断り………法則性を見破られないよう適当に言い訳にランダム性をつけながら、彼女はうまいことやり過ごしてきた。彼女がこんな、気に食わない仕事を請け負い、君と今回チームを組んだのもまた、そんなやり過ごし方のたった一つ。非日常らしいそれであってもまぁ、広義で見れば普遍的な日常のひとつ、と捉えてもまあ問題はないだろう。………まぁ、こんなことが日常になりつつある今は紛れも無い変化の渦中でしかないわけで、それは彼女にとってはまた不快なことでしかないのだけれど。) (彼女は君にぶっきらぼうに声をかけながら、目の前の触手に対峙した。) (寂れたシャッター街の、コールタールの染み付いた路地の奥。1人のスーツ姿の男性は腰を抜かして蹲り、また彼を包むように緑の触手が生えている。)「今回の罹患者は彼…で、そうだな。触手を殲滅するか、彼の相談相手にでもなってやって触手が消えるのを待つか、もしくは彼をここから連れて逃げるか…………まぁ、どんな方法でもいいけど、ここはあんまり良くないね。狭い路地、暗い一本道。ワタシのクーロスじゃあ、触手を撃ったら彼にもあたる。」(情報を整理するようにぶつぶつと独り言を口走りながら、彼女は悠々と君の隣に並び立つ。どうしたものかなぁ、なんてかしかしと頭をかきながら、彼女は小さな欠伸をこぼした。)「………ま、無難にお話を聞いてやってもいいと思うけど……おーい、オニーサン。」(触手の向こうの彼に声をかけてみる。………まぁ、彼は触手に怯えて彼女の怠けた声は聞こえてやいないらしいけれど。聞かせるには、なにか気付けになるような大きな音でもたてれたら良いかもしれないね。) (5/28 23:49:44)
迷 羽間>
「うん?あぁ、この通り。問題ないよ。」(迷はいつも通りの笑みを携えていた。今日初めて見るはずの触手にも動揺の色1つ見せていない。任務ということもあり一昔前の警官隊、はたまたバンカラといった様相も相まって威風堂々さすらある。しかし、内心となると話は別だ。これまた初見のパートナー。準備の心配をし、現状を正しく判断するように独り言を口にする彼女の横顔をそっと見やる。彼は新しい出会いに心躍らせるタチだ。任務なんてものは出会いのついでに過ぎない。いずれ来る拒否できない任務の為にひっそりと過ごしても良いのかもしれない。でも、それじゃああまりにも寂しいからと、彼は笑顔で任務を引き受ける。そこで出会う誰かに想いを馳せながら。)「ははっ、それは困ったな。俺のプペも彼を引き寄せる事はできるだろうが……安全性は無いに等しいだろうな。」(今日もまた相変わらず困った様子もなく、落ち着いた様子で事実を述べる。いつもと違うことを強いて上げれば、隣の彼女がどんなものを自分に見せてくれるかと、しきりに彼女の方を気にしてるくらいだろう。そして、同時に彼は罹患者も気にしていた。彼女の声が届かない程心を乱した男性。彼との出会いもまた、迷の望むところだった。)「声も届かないとなれば、大きな音でも出してみるかい?それで彼が余計に慌てるかもしれないが。」(なんて問いかけをした時、迷のマントが大きくうねった。そして小さな膨らみがマントの上へ上へと登ると首元からその存在が顔を覗かせる。)「っと……うん?どうした?…………あぁ、ふむ。確かになぁ。」(彼のディスコード、プペ。それと目を合わせるなり今度は迷が独り言を始めた。プペは迷の頬に擦り寄って満足気だ。)「どうだろうここは。役割分担なんてのは。」(独り言がようやく終わると迷は飯田杏へと視線を向ける。彼曰く、触手の相手は自分がする、その間に彼の話を聞くなり連れ去るなりしてはどうだろう。ということだった。) (5/29 00:25:45)
飯田 杏.>
「んん……」(しきりに気にされていれば、流石に気付かない方が難しい、と言うものだろう。興味を持たれるのは嫌い……というより、苦手だ。興味は続かないエネルギーのようなもので、いつか枯れ、また時に興隆する。一定になることは殆ど無く、またそれは無視することの出来ないほどの熱量を持っているものだから、それは更に厄介なのだ。尚且つまた、一度請け負うことを決めた任務なものだから、逃げ出すわけにも行かないわけで。ちいさな苦渋を零しながら溜息を零す。キミの頬にすり寄る小さな子にチラリと視線を向けてから、彼女は再び息を深く吐いた。)「……それならまあ、逆の方が無難じゃあないかな。クーロスの方が硬くてがたいは良いし、ワタシよりキミの方が体が大きい。ワタシとクーロスで彼を引きずり出すのは……ちょっと骨が折れるから、ね。」「と言うことでまあ、頼んだよ、キミ。」(出来るだけ早く終わらせよう、なんてキミとは真反対のことを考えながら、彼女は一方的に改変した作戦を執行すべく、クーロスを走らせる。蜘蛛のように生えた八本の足を器用に触手に絡ませ、路地裏の壁に押しつける。彼女はふん、なんて表情を変えないままにちいさく自慢げに息を吐き、キミに視線を投げた。)「……ここを抜けたら、クーロスに乗って移動しようか。人一人を運ぶのは骨が折れそうだし、…………彼はあの通り、ろくに歩けやしなさそうだし。ね」(壁にもたれかかる彼は腰が抜けてしまったらしく、彼は通勤鞄で体を守りながら座り込んで動きやしない。キミの出番だ、とばかりに彼女はキミを見つめ、キミの行動を待っている。) (5/29 01:03:02)
迷 羽間>
(実に一方的で且つ自己満足的な観察は上々の結果だったようだ。迷は至極満足そうな笑みを浮かべていた。_________と言うよりも、彼にとっては彼女を知ることができたと言うだけで満足に値するのだけれど。苦手そうな反応をさせてしまったことは申し訳なく思っているが、それはそれ。口にされるまでは気にしない事にした。完全な憶測ではあるものの、迷から見た彼女は実に思考の深い人間だった。何か目的があるのか、はたまた現状こそが目的の状態なのか。それ以上の思考は首元から現れたプペに阻まれた)「ふむ?ふむ……一理ある。」(彼女の改変が加えられた作戦は一理あったが、迷にとっては驚きだった。プペの存在、それによる自分の未来。少なからず影響を受けていたのか、矢面に立とうと無意識に考えたのかもしれない。しばらくの沈黙の間に彼女は行動を起こしていた。彼女のディスコードは器用に触手を絡め取りビルの壁面へと押し付ける。それが視界に映った時、迷はようやく我に返った。)「おっと。ははっ、ここまで安全な道を用意されたらやらない訳には行かないな。」(からりと爽やかな笑顔を浮かべた迷は地面を蹴る。跳躍によりクーロスを軽々と飛び越えると着地と共に駆け出す。プペは自分の役目はないと判断したのかそそくさとマントの中へと消えていった。)「やぁ、無事かな?うん、とりあえず無事だね。」(男の前までやってきたその場に跪き視線を合わせて笑いかける。乱心してる様子だったが、意思疎通は迷の得意とする所。男の手を握り笑いかけ深呼吸を促す。)「さて、まだ混乱してると思うが、まずは離脱が最優先だ。しっかり掴まって、目を閉じて、そう。10秒もすれば貴方の安全は完璧に確保されているよ。」(宥めるように囁きかけ、男をお姫様抱っこすると踵を返し駆け出す。)「プペ、保険を掛けよう。」(再度、跳躍で触手の範囲から逃れる直前、プペがひょっこり顔だけを出すと触手はクーロスに加えて磁気によって強制的に壁面へと抑えつけられる。)「さ、離脱の時間だ。本当に彼に乗っても良いのかい?」(杏の隣に戻ってきた迷は冗談めかして笑いかけた) (5/29 01:36:46)
飯田 杏>
『さ、離脱の時間だ。本当に彼に乗っても良いのかい?』「…………、ぁ、」(……正直、意外と、いうか。威圧的な黒い学ランの様相とは裏腹に、君の髪は細く、またそのマントに隠れた小さな相棒君も含めて、君は幾分か華奢で可愛らしく見えた。ある意味スマート……と言えば聞こえは良いだろうが、それはとどのつまり彼女は君を侮っていたのだろう。彼女らヒーロー予備軍は特別な力が支給されている。彼女のもつクーロスだって、彼女自身だけを見たのなら華奢でなんのちからも持たない少女が持つには似つかわしくないような無骨な多脚戦車でしかないのもまた当然なのだけれど……、それにしたって君の様相はあんまりにちぐはぐだったから。)「ん、うん。いくよ、落ちないようにね。」「……それにしても、こんなにすんなり終わってしまっても良いものなのかね。なんだか、ヒーローとしての任務にしては簡単すぎるような気もするけれど……」(腰を抜かした罹患者と君をのせたのを確認し、彼女はクーロスのいくつかある足にひょいと体をのせた。びちびちと動き回っていたはずの触手たちはびったりと壁に貼り付けられ、身動きすらとれていないようだった。緊急脱出になるだろうか、触手をまくのが一番骨が折れそうだ……なんて安易な想像は簡単に裏切られ、またそんな簡単な裏切りにさえ、彼女は小さく驚いた。)(シャッター街を抜け、人の少ない空き地に停車し、そうっと彼を解き放つ。腰の低い彼は急いだ様子で取引先に謝罪の電話を繋げ、また足早に喧噪の街へ消えていった。)「…………早く、この事態が終われば良いんだけどな。……日常が壊されるのは、嫌いだ。」(夕暮れにさしかかる公園で、彼女は苦汁を飲みながらそう風に紛れて呟いた。) (6/5 00:06:36)
迷 羽間>
「………………?」(キョトンと迷は首を傾げた。そしてまたプペも真似をするように首を傾げて小さく鳴いた。このコンビは本当に見てくれだけは華奢だ。か弱そうで脆そうで儚げで。本人達は気づいているのかいないのか、どちらにせよ見られ方なんてものをいちいち気にするようなタイプでも無い。結局、彼女が何故僅かに驚いているのかわからないままクーロスへと相乗りさせてもらう。無骨な戦車じみてると思っていた迷だったが、乗り心地は案外悪くない様子。)「だ、そうだ。気をつけるんだよ、プペ。それに貴方も。」(そっとプペの頭を撫でると小さなそれはマントの中へと消えていった。男性の方は未だに何やら混乱の中にいたが、深呼吸と会話を繰り返すうちに平常へと戻っていく。) 「何事も無いのは良い事だろう?君にも彼にも怪我が無かった。俺はそれだけで満足だよ。」(そう笑う迷の瞳に嘘も見栄も無かった。ただ、本当にそう思っていた。…………ただまぁ、クーロスに乗れたのも迷が上機嫌な理由のひとつではあるのだが。ちらりと遠ざかる触手をみやれば、まるで彫刻かのように僅かにも動く素振りはない。安全な空き地でクーロスから降ろされると僅かに名残惜しそうな顔をした迷だったが、喧騒へと消える男性は笑顔で見送った。)「なに、時期に終わるさ。終わらずとも、必ず誰かが終わらせる。」(杏とは対照的に爽やかな笑顔で言葉を返す。含みのありそうな言葉に含みを感じさせまいとするようなそんな軽やかな笑顔。吹く風に飛ばされまいと帽子を深く被り直すと、彼は杏に笑いかけた。)「帰るとしよう。家に帰るまでが任務と、誰かも言っていただろう。」 (6/5 00:23:02)