秋守 真紅郎

レッドスパイク

キース・ハリソン> 
「…………おかえり、れっど。」(ぼくは、君の帰りを待っていました。僕らの家のちょうど真ん中にある通り道のコンビニは、やや日の暮れかかったこの街にぽつんと浮かんで寂しそうに賑わっていて、ぼくはそこでココアをふたっつ買いました。)(夕暮れの赤を背負い、歩いてくる君は逆光でくらく見えました。僕は何だかそれが寂しくて、いつもみたいに明るく声をかけられたら良かったんだけど、僕はそれがうまく出来ませんでした。)「これ、あげる。……………ねーえ、」(ココアを手渡して、君の隣に立って歩調を合わせて歩きます。僕よりも短く伸びている影の先端はいっつも元気にとげとげで、それでも今日は何だか……梅雨のせいかもしれないけれど、なんだかしおれて、しんとしているように見えたんです。だから、)「ね、ね。……ぼく、ほし公園行きたくて。ついてきてくれない?」(僕らがよく遊んでいた、歩いてすぐの小さな公園に、僕は君を誘いました。僕はちょっぴり寂しいとき、いつもそこに行くんです。できることなら、きみと手を繋ぎたくてそっと手を伸ばしました。)   (6/8 00:56:16)


秋守 真紅郎> 
「…ん、ぁ。ただいま、……ありがと。」(彼は君から受け取ったココアの缶を手に取って、ぼーっとそのパッケージに視線を落として歩みを進める。いつもより足取りが重いのはクリミネル越しに叩き続けた拳の感覚がまだ痛くて、辛くて、それが遺っていたからだろう。もしくは、背負った柱時計が重いからだろう。重くて重くて、重苦しくて、息が詰まるほど耐えかねてしまったから、ほんの少しだけ疲れてしまったのだろう。)「…え、……あー…嗚呼、ホシ公園な!お前好きだもんなあ、…昔なんだったか忘れたけど、お前が居ないって成った時にもお前はあそこに居たっけな、…あれ?違ったか?いや、確かそう、だった……はず!な?」(ちゃんと、話は聞いていたつもりだけれど反応が遅れてしまった。聞いては居たが自分の中で空回りしていたその言葉を捉えるのに時間が掛かってしまっただけだ。大丈夫。彼はにぃっと笑ったり、人差し指をピンと立てて昔の事を思い出したり、自分の記憶を疑う様に顎元に手を当てたり、大きな身振り手振りで感情を装いながら、最後はにっと笑みを浮かべて君の表情を覗き込むだろう。)   (6/8 01:10:20)


キース・ハリソン> 
「そうだっけ?へへ……ほら、いこ?」(たた、とちょっと小走りで、僕は君の数歩先へ行きました。そんな昔の弱虫の話なんて、忘れて欲しいのに。でも、ぼくが好きなのを覚えていてくれたのが嬉しくてはずかしいので、知らないふりをしておきます。)(伸ばした手は空ぶって、君の手は忙しなく泳ぎます。きっと他意はない……とは思います。それでも何だか寂しくて、それでもにっと笑ってくれる君の表情はあんまりにいつも通りだから、僕も笑ってそう返して、後ろ手でココアをきゅっと握りました。)「へへ……ここ、ね。好きなんだぁ。夕日がね、まっすぐ届くでしょ。公園がね、オレンジで、ぐわぁーってなって……暖かくて。」(公園に入って僕が真っ先に向かうのは、四つ並びの錆びたブランコの三番目です。昔はその横のジャングルジムが好きだったけれど、体が大きくなってしまって、窮屈になってしまいました。)(まっすぐに届く夕焼けは、昔と変わらない赤と黄の混ざった夕焼け色で公園を満たしています。僕は夕焼けに真向かうようにブランコに座り、君に隣に座るように、そっと目配せを送りました。)「……最近、体調は平気?ほら……目が覚めてから、まだあんまり時間も浅いし、さ。」(何から話せば良いのか分からなくて、そんなことを小さく、ちょっぴり明るく零します。……それでも、それはからっぽのハリボテの言葉で……いいえ、心配していない訳ではないんです。ただ、今ぼくが君に言いたいのは、そんなことじゃあなくって。きっと返事を貰っても「そっか」、くらいしか返せずに、また沈黙が落ちてしまいます。)「…………あの、あの、ね。」(ぼくはやっぱり話すのが苦手で、こういうとき、何を話したら良いのかわかんないんです。ただ、それでも何かを話していたくて、その寂しいツンツンが夜に冷やされてしまわないか心配で、それでもどうすればそれを暖められるかが分からなくて。君の事を完全には理解していないし、こんなのお節介かもしれない。だからぼくは、ありのまんまに、ありのまんまの、それでいてほんのちょっぴり遠回りな言葉を投げるしか、ぼくはきっと出来ないんです。)「……えっと。……シールダーズって、すごかったんだね、って。ヒーローって、難し、い。」(地面に落ちる影は、細く、長く。)   (6/8 01:37:01)


秋守 真紅郎> 
「嗚呼、…大丈夫だよ。炬火の爺さんは厳しいけど、でも、なんとかなってる。」(ブランコの端っこに座って、それから、包帯がバンテージ代わりに巻き付けられた手のひらで鎖を握る。骨が砕ける程の修行と、肺が潰れてしまいそうな程の鍛錬と、気が狂いそうな現実を前に、なんとか、何とかなっているのは、それは君が居るからって云うのも凄く大きいんだろう。あともう一つは、憧れを追う事に忙殺されて、涙を流す暇なんてなかったから。強くならなくちゃいけないんだ。ブルーみたいに賢くも無い、イエローみたいに、君みたいに優しくも無い、ただ愚直に嫌な事は嫌だって喚いて暴れる事しかできない自分のままじゃきっと誰も救えやしないから、ピンクみたいに、誰かの支えにも成れないのなら、誰も幸せには出来ないから、このままじゃダメなんだ。だから、君の言葉の真意は彼には分からないが、それでもその言葉の中から手探りで見つけ出した意味を汲み取って、それから、口を開く。)「そう…だな、そうなんだっ!」(吹っ切れたように彼はブランコを思い切り漕ぐ。地面を蹴り、宙を蹴り上げる様に思い切り。全力、いつだってそれだけが彼に出来る唯一の事だ。)「難しいんだよ、すっごく。今日もダメだった!笑っちまうよなぁぁ!」(力任せに漕がれたブランコの鎖はがしゃん、がしゃん、と音を立てる。)「_____っ、笑っちまうよなぁ…ッ」(いっそこの弱音も鎖の音で掻き消されてしまえと思う。本当に自分は彼女を助けられただろうか、彼女たちを救えただろうか、彼らを幸せにできただろうか、あのまま居た方が幸せだったりしたのだろうか、なんて思うと、上手く笑えなくて、何が正解だったのか、分からないんだ。でも泣いちゃだめだ、泣く権利なんて自分には無い。感傷に酔っている場合じゃない、救えなかった自分という立場に酔っているみたいで気持ち悪い、そんな暇は自分には無い筈だから、進まなきゃならないんだ。止まってしまったら__俺は、__________俺は。)   (6/8 02:03:37)


キース・ハリソン> 
かしゃん、かしゃん。(泣くみたいに鳴くその音を聞きながら、ぼくは君に視線をやりました。動かないぼくのブランコはしんとして、声も出せないまま金属の冷たさを保っています。あたたかい夕日がぼくの涙腺をじんわりと溶かしてしまいそうで、ぼくもそうっと熱から逃げるように、ゆっくりゆっくり、地面を蹴ってみます。きっと、君ほど大きく蹴れはしないけれど。)_____(ぼくは、友人を。)「ぼくはね。……れっどが、好きだよ。」(友人を、愛しています。ぼくには君の考えていることは分かりません。今日何があったのか……、今日行けなかったぼくには、レポートの見れない今はまだ、なんにも分かりません。それでも、太陽の熱がまっすぐ届くこの場所だからでしょうか。ブランコの鎖の錆がざらついて、手に赤さびを残すからでしょうか。……こころが、じんわり痛いんです。)「だから、だから…………、」(ぼくは、君が好きです。ブルーや、……他の友人達と同じように、君に笑っていて欲しいと思います。それはぼくや、知らない有象無象や、形の見えない世間や世界なんかよりも、ぼくにとっては大事なことで、大事なものです。)「ぼくは…………、ぼくは。」(ぼくはきっと、ヒーローにはなれません。ぼくはきっと、レッドやブルーみたいに。……ピンクみたいに、強い、かっこいいヒーローに。みんなと肩を並べて戦える、強い人には、なれないんです。ぽつりと雫がこぼれてしまうのは。ぼくが、ぼくがきっと、君みたいに強くはないから、なんです。)(ぼくは、世界が傷つこうが君が笑っていられるなら何でも良いと、思ってしまうんです。ピンクが死んじゃうくらいなら、それでブルーがレッドを恨むなら。それでレッドが傷つくくらいなら、僕らは、ぼくはヒーローになんてなりたくなかったんです。世界が傷つこうが知らないふりをして、僕らはずっと、あの遊園地で何も知らないまんま、ただシールダーズに憧れてはしゃいで居られれば良かったと、本気で思うんです。)「……へへ、」(でも、きっとそんなことを言ってしまえば、ぼくは君と、ブルーと一緒に居られなくなってしまうから。小さく笑って、下手だけど、誤魔化さないといけないんです。)  「あーぁーー“ーーーっっっ!!!!」(ぼくは、大きく地面を蹴って、大きく大きく声を出して、喉を擦って叫びました。かっこいい張りのある声なんて出なくて、かすれてうわずって、ふらふらの揺れる声だけど、それでも、弱音が溢れてしまうよりは、随分マシなんです。)「うーー…………、えへ、くやしい、な。ぼくも今日、行けたら良かった。……なんにもできないかもだけど、だけど……」(君と一緒に無力感に浸るふりをして、ぼくはそんな嘘を吐くんです。君に追いつきますようにと願いながら強くブランコをこいで、ぼくもかしゃかしゃと鎖を泣かせました。)「ねえれっど、競争、しよ! どっちの方が、たくさん”ヒーロー“、できるか!」(涙でべしゃべしゃのほっぺは、夕日できっと、熱いんです。)   (6/8 02:34:55)


秋守 真紅郎> 
「俺も、…!! お前が好きだぁあぁぁあああッッッ!!!」(彼は更に大きくブランコを漕ぎ、がしゃん、がしゃんと鳴る鎖の音も掻き消すくらい大きな声で叫んだ。そりゃもう、近状迷惑だってくらい。愛の告白に応える様に、全力で。それからもっと、もっと、と地面と鎖が平行になりかねないまでに角度を鈍くしていく。)「ブルーも!!!ピンクも!!炬火の爺さんも!!!みんな、みんな、みんな!!みんなに幸せになって欲しい!!!」(そう、そうなんだ。エゴかもしれない、傲慢かもしれない、独りよがりで自分勝手で、稚拙な考えかもしれない。けれど、嫌なんだ。誰かが目の前で不幸になって、手を伸ばす事も出来なくて、手を伸ばして掴んだとしても一緒に光の差すところまで走れないのは、そんな自分じゃ嫌なんだ。そんな自分を自分だと云いたくはないんだ。彼は勢いに任せてブランコから飛び降りる。着地の事なんて考えてないから、地面に到達した脚は勢いと過重に負けて耐え切れずにそのまま膝を曲げてしまい、無様に転がってしまうだろう。勢いで柱時計も少し先に投げ出されてしまう。)「絶対に負けねえ!!!全部、全部!ぜええええんぶ!!!救ってやるんだ!!要らねえって云われても、向かねえって云われても、全部!!!救ってやるんだぁあぁあああああ!!!!」(大の字に地面に転がって学ランも土埃まみれで、髪の毛にも土がついて格好悪くて泥臭くて、どうしようもないくらいの無力感と、仕方がないくらいに泣き出しそうに縮こまる喉を殴り飛ばすくらいの大声で、君に宣言された競争に乗る。そうだ、それでいい、弱音なんて捨て置け、これで良いんだ。進め、涙は無関心な風が拭ってくれる。歩め、後悔は景色と共に流れてくれる。走れ、止まったら俺は、俺じゃなくなっちまう。)   (6/8 03:27:11)


キース・ハリソン> 
(れっど、レッド。いつか、いつかぼくの話を聞いて欲しいんです。一人で抱えきれる程ぼくは強くなくて、潰れてしまいそうなんです。)(心臓が、痛いんです。同じ言葉を返して貰っているのに、きっとぼくの思う君への好きと、君の言う好きの範囲も、意味も、違うんだろうなと邪推して、意味も分からずに悲しくなるんです。ぼくはきっと、君が世界に進んでいくのを喜べないんです。傷つきながら世界を愛するのを喜べないんです。友人を、友人ばかりを愛してしまって、友人の愛しているぼくから見た有象無象を愛せないんです。きっときっとぼくだけが知ってるこの差異が、どうしようもなく痛くて、痛くて仕方がないんです。ずきずきって、じわじわって、ぐじゅぐじゅって泣きそうになるんです。みっともないけど、先に泣いといて良かったな、なんて思いながら、ぼろぼろと言葉を涙に溶かすんです。だれにも救われないように、誰にも聞かれないように。ぐしぐしと裾を瞼に押し当てて、ちょっぴりいたいのを我慢しながら、嗚咽をこっそり隠すんです。)「……っ、ぅ“~~~……、」(いつか、いつかぼくらがヒーローをやめれたら。そうしたら、ぼくの話を聞いて欲しいんです。)(がしゃん、がしゃん。地面と水平になったそれは、ぼくなんかじゃあきっともう手の届かない所にあるんです。それでもなんとかなんとか追いつきたくて足を動かせば、それはブランコのリズムと段々ずれてしまって、高度はゆっくりと落ちてしまいます。落ちたくなくて藻掻いてあせれば焦るほどやっぱりぼくは沈んでしまって、追いつけなくて泣きそうで____、) (ぽたり、と一つ大きな雫がこぼれ落ちて、それが夕日を閉じ込めて。ぼくはそれに一瞬目を奪われて、ぱっと視線を君に向けて、ぼくは、ぼくは、どうしよう、どうしましょう、わらってしまったんです。だって、だって君は空を飛んでいて、それはまるで、まるで。)  (__まるで、太陽のようで、ヒーローみたいで。それはむかし、ぼくをすくい上げてくれたあの頃の君と、ちっとも変わっていなかったから。)____「ちょ、ぇ、れっど!?!!」(ほんのちょっぴり呆然として、君の叫びがじんじんとした熱で公園を埋め尽くした頃。ゆるやかに落ち着いて揺れるブランコから転ばないていどに飛び降りて、ぼくは君に駆け寄りました。土埃に乱れたツンツン髪は、湿気なんか最初からなかったみたいにボサボサで。仰向けの君の顔にはおんなじようにオレンジが射していて。)「あーあ、もう、どろんこにしたらまた怒られるのに……、ふふ、へへ。」(ぼくはそれを覗き込みながら土を手で払って、起こすことも出来ないまんま隣にぺたりと座り込みながら、遠くのフェンスに沈んでいく太陽を眺めました。夜ご飯の匂いを乗せた風がひゅるりと抜けて、ぼくの短い髪を揺らしました。そっと指を伸ばして、君の頬についている泥を撫でました。……もっとこの指が、細くて、華奢で、もっと、もっと強かったら。……なんて、意味の無いことを考えて、それを誤魔化すみたいに、君の鼻をぎゅってつまみました。) 「っふ……へへ。かえろ。れっど。」(溶けた涙腺はゆっくりと塞がって、ぼくは払った土で汚れた手で、そのままぐしぐしと顔を擦りました。) 「いえに、かえろぉ。」   (6/8 04:12:33)

ジェントル> 
「…今日は、月が綺麗だねえェ。(白いネクタイが、手すりに腕をかけ、腰を曲げる首から垂れ下がっている。)『レイニー』。『ダイヤ』。(白い刃が、そのかける腕の先。青白く細長い指が、その右の手のひらが、ナイフを持ちだらりと垂れ下がっていた。空は半月が浮かび、時雨が降るので、黝い雫が滴り落ちる傘を借りて、空を見ながら小さな雨を凌がんとしていた。)珍しい天気だねえェ…君たちに、月時雨を触れさせられて嬉しいよ。とっても綺麗だろォ…?(じゃらりと、触れられた手すりの一部が鎖に変わり、蔦のように彼の腕を這っていく。…意思はないが、彼には愛を込めて育てた植物に向けるような、彼はそういう愛情を抱いていた。)君もそうは思わないかィ?赤髪の、君。(そして君は、それを屋上の扉を開けた瞬間に、その光景を目にしたであろう。そこに1つ、黒い瞳と限界までつり上げられた口角も付け加えて。)…あんまり濡れるとだめだからねえェ…入るかィ?(彼は振り向いたままで、少しだけ傘を持ち上げて、人もう1人分入れるよ。なんて、ジェスチャーを残した。)」   (6/8 14:06:15)


秋守 真紅郎> 
「いや、…大丈夫。ちょっと汗を掻いちゃってさ。上がり過ぎた熱を少し冷ましたいんだ。」(彼は君の表情を見て目を丸くする。それから、嗚呼、と君の声を聞き届けて君の正体を知る。それから前髪をまとめていた髪留めを取って、雨の中へと歩み出る。彼の言葉通り、おそらくついさっきまで走り込みでもしてたのだろう。黒のタンクトップとスラックスのまま雨粒にその汗でぐっしょりと濡れた身体を洗わせようとするのだ。あまり急激に冷やし過ぎるのは良くないと云われたけれど、でも、仕方ない、蒸発してしまいそうなほどに熱を持ったこの身体を早く冷やしたくてたまらなかったのだ。) 「お前、…この間、窓とか叩いて出せって喚いてた奴だろ…?」(髪留めを取ってしまえば長く垂れさがる前髪は目元を隠し、ツンツンと元気に逆立っていた毛先も雨の重さに垂れ下がる。わしゃわしゃとシャワーを浴びるかのように頭を掻きむしってから前髪をぐっと掻き上げて再び君の方向へと視線を戻そう。)   (6/8 15:16:20)


ジェントル> 
「…あついねえェ、確かに。(迫り来る夏の蒸した暑気も、迫り来る君の気迫ある熱気も。差し出すような傘を、もう一度肩に預けて雨を凌ぐ。蒸してはいるが、突き刺すような日差しでない。熱は確かに冷えるのだろう。)あつくなるのは嫌いなんだァ…汗、嫌いだしねえェ。『紳士的じゃない』もん。この弱い体を、ボクは愛しているからねえェ。(彼の服装は、長い黒シャツに白いネクタイ。彼の紳士は『病的なまでに細く、白肌こそ似合うのだ』と、熱を持たない。生きるための最低限の食事に、運動はほとんどなく、結果的にそれが彼を理想の姿にする。)アレは。紳士的じゃなかった。でも思い出したくない、『僕』はまだ起きたくない。ボクのジェントルが崩れてしまう…(理想の姿が突き崩れ、めくれたその先にあるのは『僕』だ。)病院は、すごく嫌だ。僕もいたし、ママもいた。『ボク』は、そこで生まれたんだあァ。(そしていつしか、僕は眠るためにジェントルを生み出してしまったのである。)君も、あそこにいたんだねえェ…(それでも一切表情が変わることはなく、)ボクはジェントル。3年生さァ。(彼はただただ笑った。)」   (6/8 16:53:02)


秋守 真紅郎> 
「……俺はアキモリ シンクロウ。お前はなんだか、…なんだか、……悪役みたいな奴だな?」(君の見た目をむっとした表情で見て雨粒を吸い込んで膨らみ始め重みを孕む髪をもう一度両手を使って掻き上げてオールバックへと変貌する。随分と長い間入院し生死の境を彷徨っていたにしてはなかなか仕上がった身体をしているその小さな少年は聊か君を警戒している様にも見えるだろう。彼は身体の熱を冷ましながら溜まりに溜まったアドレナリンを沈静化させるために精神を統一する。深く深呼吸をしながら、彼はこう続けるだろう。)「俺が寝てる間にこの高校には本当にヒーロー志望か分からない奴が増えたよな、お前もそうだけど… お前が掲げるヒーロー像ってどんななの?」(それは純粋な疑問だった。ヒーローには到底思えない奴は君の他にもいるけれど、果たして君たちの様なただ力を奮いたいだけにしか見えない輩も何かしらヒーロー像を掲げているのか、そこが気に成っていた。もしも、それが彼にとってのヒーロー像に相応しくなかったのなら、彼がどうするのかは彼自身にも分からない。ただ、先の任務でも知っての通り、彼の行動原理は怪しければ殴る、気に入らなければ殴る、正義か悪か分からなくとも殴る、互いの正義に優劣を付ける為に殴る、とりあえず殴る、そんな男だ。そう、君とは対極的に非常に馬鹿なのである。)   (6/14 18:17:00)


ジェントル> 
「悪役ねえェ…(傘からは黝い粒と光をねじ曲げる粒がこぼれる。)…ここにいるから、ボクはきっと、そうはならないよ。大丈夫、大丈夫だから、ねえェ…(黝い粒は消えていった。ねじ曲げる粒は、ざあざあと振りやまない雨の音のひとつとなって、流れていく一筋の中に紛れていく。彼には、そのどちらかしか選ぶことはできなかったのだろう。言葉は君に手向けるというより自らに向けて安心させるようだ。)ミスター・アキモリ…オールバック。似合うねえェ…『ジェントルマンリー』だ。(話題が突然変わるのも、『悪』に似ることから逃避しているのであろうか。彼の髪型は同じくオールバックであったが、2、3ほどの房が彼の目の前にかかる。いつもは後ろにある故にわからないが、鼻の頭くらいまでに降りていた。)」「…ボクのヒーロー像がそれさ。『紳士的』。(ヒーロー像、について話すとき、心なしか彼のはち切れそうなまでの口角は少しだけ緩んでいるように見えるだろう。それも悪から逃れられるのだから、自らの正義を語るるは、安心してしまうものなのだ。)ボクは『いい子』でいたい。そうしたら、ママを助けられるかなァ…ってねえェ。(彼の最終目標には『ママ』がある。それが彼の重圧にもなっていて。)ずっと笑って。レディには気をつけて。ヒトを助けて。それってとっても、『紳士的』じゃ、ないかなあァ…?(心からの笑顔はなかった。だが、その言葉にも嘘がない。最後に紳士を抱くのはもはや癖のようなものだが、紳士の心得は彼に深く刻まれている。嘘は、なかった。)君の、正義は?(ざあざあと雨降る中、昏い英雄は陽光のヒーローに問いを返した。)」   (6/14 18:52:22)


秋守 真紅郎> 
「……俺のは、_____わかんねえや。」(人に聞いておいてこの言いぐさはなんだろうか、いや、でもだって、分からないんだから仕方ない。君程彼は頭が良くはない。脊髄反射で拳が飛ぶような男だ、仕方ないといえば仕方ない。君の様な指標を持っていない彼が本当に正義かは分からない。ただ確かにそこには志があるのだろう。分からない、と述べながらももう一度深呼吸して心を落ち着かせて自分の掲げる正義について考えるだろう。)「…多分だけど、勝つ事なんじゃねえかな。セブンス・イクリプスの初日に俺さ、幼馴染の奴らと避難し遅れた人たちを救おうとしたんだ。そのせいで随分長い間寝てたんだけどな、そのせいで、…ひとり、死んだ。俺達はあの日負けたんだ。勝たなきゃ何も守れない。いくら正しくても勝たなきゃ論じる隙も与えられない。どれだけ願っても勝たなきゃ叶わない、だから、多分、多分だけどな、俺の正義は強さと、勝利だと思う。」(きっとそうじゃないのだろう。自分で呟くその正義の中に聊か疑問を感じながら、彼はそう応えるだろう。いつかその疑問を紐解いてくれる何かが彼に降りかかる事を願うが、それはきっと、今よりもっと後に成るのだろう。)   (6/14 19:08:22)


ジェントル> 
「…ボクも、わかんなかったよ。(狂ったまでに追い縋るものができてしまうほど、彼には『わからなかった』。)七日間。(彼にも、関係のない過去ではなかった。むしろ絶望はより深い。身の上話だ。君がこぼすならこちらも。雨の夜は、洗い流されてしまうものだ。傘がふわりと、雨の中に霧散していく。)ボクにジェントルを与えてくれたヒトも、『父親』も、たぶん、死んだ。(パパはいなかった。漠然と、父親がいた。死んだ、顔すら見ることもなく、彼を『いい子』たらしめる希望と憎悪は、連れ去られていった。)ボクがジェントルを続けてるのはねえェ…ママを助けられるのが。…今、ボクしかいないから。(だから今は。今ここにある、自分と、そして『ママ』に追い縋って生きている。)ボクはそれしかない。だから、ボクは紳士だ。(狂った未熟な彼に、君の結ばれたものをほどくことは難しいだろう。)君には今、何が残っているんだろうねえェ…(だが時に、未だ物知らぬ心に正義を覚えようとする好奇が、君を襲った。)会ってみたい。(それはからっぽな彼が、孤立無援の彼が、『仲間』を知りたくなったからだった。)」   (6/14 19:53:16)


秋守 真紅郎> 
「お前の云う言葉はぼやけてて良く分からないな。スマホのお客様お助けサポートセンターの難しい言葉いっぱい使ってくるお姉さんみたいだ。」(彼は君の云う、パパにも、ママにも、そして紳士にも、正直あまり見当がついていなかった妙に濁される言葉に伝える気が在るのか無いのかむかむかし始めた頃、やっと彼はその言葉をぽろりと零すだろう。まるで知ってて当然とでも言うかのように専門用語を多用してくるケータイショップのコールセンターみたいで、頭の中がぐちゃぐちゃになる。もはやそこで理解を諦めてしまったのだろう。しかし、そんな彼も君の何かを受け止めるのを諦めたわけではない。スマホを取り出して、ロック画面を君に見せるだろう。)「ほら、これ、…青くて長髪でインデリです僕ゥ~って顔のがブルーライオット、多分お前の難しい言葉も理解してくれるはずだ。そんで、こっちの背が高くて金髪でふわふわしたのがイエローカイト、調達と偵察の達人、そのママだとかパパだとかって人に会いたいならコイツの力が役に立つと思う。……まあ、そういう事だから。もしこの二人に変な事したら……」(彼はそこで言葉を濁した。ほぼ初対面の相手に荒い言葉を使うなと誰かに怒られたのを思い出したからだろうか、それもずっとずっと昔に。何度か深呼吸して精神を統一してから、言葉を選んで、にかっと笑って云う。) 「……手加減出来ないかもしれないからな。」   (6/15 21:11:43)


ジェントル> 
「ジェントルにヒミツは付き物さあァ…秘めてこそ、深くなるからねえェ…(どれだけ言葉が形を成せていなくても、彼はそれをやめることはなかった。)アキモリくん、ボクはね。ボクがおかしいことなんて、とっくのとうに知っているんだ。(口角は少しだけ下がって、にやけたような目に疲れが宿っていた。くどいまでの『省き癖』が、それでも消えきることはない。)それでもボクは、おかしいままでも君に応えるしかない。『ジェントルマンリー』なのさあァ…ボクの、それが。(だってそれが、彼だ。秘めてこその彼であり、彼の秘めることとは、あまりにも。)とっても、紳士的だろゥ…?(雨が降りしきっていた。霧のように散った傘が、もはや戻ってくることはなく。)だから大丈夫。ボクは、おかしいけど、紳士だけはやめない、『やめちゃいけない』から、ねえェ…(ただ彼は白いシャツに雨粒をつける。)君の。『キミたち』の『ナカマ』ってモノが。とォっ…ても。輝いて、見えたから。だからボクは、君の言う『ナカマ』を聞きたかったんだあァ。(『釘を刺され』たのは、1度だけ。いいや、ある意味では2度か。今でも右額が痛む。目の前が暗くなるような気分であった。)」「…とっても、仲がよさそうだ。(ロック画面は、君達の友情を固く結ぶ部品だった。)ボク…ごめんねえェ…(釘は、彼の『いたい』を思い出させる部品だった。)ごめんなさい。(吐露した吐き戻し。誰に謝るのだろうか。水滴がシャツを伝って染みになっていく、皺を作っていく。)ごめんなさい。(染みる。)ごめんなさい。(染みていく。)ボクは、おかしいからジェントルなのさあァ…(彼の笑顔は、いつの間にやら、不気味なほどに健康な姿へと変わっていた。)『ナカマ』。大事、なんだねえェ…(彼は化け物ではなかった。だから、『みんなのために』と生きる心を、知りたかったのだった。)」   (6/15 21:53:54)


秋守 真紅郎> 
「…別に、一人で生きていけるならそうした方が楽だ。誰にも怒られないだろうし、誰の為にも傷付かない。お前がどんな生き方をしていて、どんな生き方を望んでるかも分からないけれど、……っぶぇくしッ!?」(君の話を聞いた彼は、君のその表情の先に何かを読み取ったのだろう。…否、彼にはそんな自覚は無いかもしれないが、ただ、何か力になれる事があるならと思ったのだ。元よりアキモリシンクロウという人間の根源はその身に余るほどの正義感と幸福への献身に他ならない。ただ少し不器用で、感情に突き動かされた拳が正当性を邪魔する以外は恐らく、君と同じヒーローであるはずなのだ。何か大切な事を云いかけた彼は盛大にくしゃみを撒き散らして、身震いをする。)「あ"ー……ちょっと長話し過ぎたな。……お前も、風邪ひく前に入れよ、ジェントル。」(彼は鼻をすすりながら屋上の出入り口の方へと歩いていく。普通にシャワーを浴びれば良かったものを、彼が屋上に上がってきたのはただただ抒情的な雰囲気を楽しみたかったからだろうか、まあ、どちらにしても彼がびしょ濡れのまま構内でまた走り込みをして怒鳴られるのは言うまでもない。)〆   (6/16 19:51:48)

レギオ>
「……はぁ~~~~…………………………」(思わず漏れたのは、感心の溜息。ぐるりと辺りを見渡してみても、彩り鮮やかにそして煌びやかな物ばかりだ。この場に居る人々は誰もが少しばかり浮ついた様な表情を浮かべている。)「すっご……いねぇ。…ワガハイ、初めて来ちゃった。」(やや目線の下先に居る、ツンツンとした赤髪が特徴的な少年を見やる。)「キミはこういう所、たくさん来たことある?」(ゆったりと首を横に傾け、そう問いかけた。任務___とは言われているが、引率の教師も足早に去ってしまった。滅多に来る事など無い場所だ。周りのヒトの様に興じて見るのも悪くない筈だ。どうせならこの機会に堪能しておかなくちゃあ、勿体ないだろう。)>真紅郎くん   (6/10 22:23:16)

 
秋守 真紅郎>
「……?なんだお前、こういうとこ初めてなのか。」(阿呆ほどデカいクレープを両手に持って、右手に持ったクレープを君の方へと戻りながらもっちょもっちょと頬張って、食べ物屋台から帰るなりそんな質問をしてくる君にきょとんといつもよりその鋭い目を開いて見せる。初めて来ちゃった、なんて言葉を聞くと、嬉しいような相手が男だけに複雑なような。俺も女の子と回りたかったなあ、なんて内心思いながら遠くではしゃぐ男女ペアの生徒達を眺めては、ン、なんてぶっきらぼうに口を付けていない方のバカでかいクレープを君に差し出す。【探索1回目】1d10を互いに回して数値が高い方が、同値ならどちらもお腹が鳴ってしまう。丁度近くに食べ物屋台がある。チュロス、ポップコーン、クレープ、ファンシーな物が多い様だ。食べれば追憶+1 )   (6/10 22:34:19)
 

秋守 真紅郎>
「まあ、子供の頃にな。ほら、あそこに舞台があるだろ?あそこで戦隊モノのヒーローショーとかやっててさ、友達と来た事もあったなぁ……にひ、難しい事は賢い奴らが何とかしてくれるだろうし、お前のドブパデビューを盛大に飾ってやんなきゃな?」(彼は君の質問に答えながら何か深く回想する様に今は何も起きていない伽藍洞の舞台を見つめて、それを振り払う様にニカっと笑えば、君の手を引きずんずんと進み始める。) 「な、まずはどこ行きたい?」https://eliade20.1web.jp/47031/51812.html#contents>レギ坊   (6/10 22:34:19)


レギオ>
(傍の少年の心情など露知らず、また物珍しいものを見るかのようにしてキョロキョロと辺りを見回していた。ずい、と差し出されたのはやけに大きなそれ。反射的に受け取ったは良いものの、一体名をなんと言うのか。〝美味しそう〟なものであるには、間違いない……気がする。その食べ物と、もちょもちょと頬を膨らませる貴方を交互に見て、はぐっ、と頬張ってみた。)「___ン、ぐ!…………おぉ、……美味い。」(初めて食べる生クリームの甘さに目を少しだけ輝かせ、口の中の物を嚥下すれば次いで二口目と進めた。)(貴方の思い出話を聴きながら、もくもくと片手間にそれを食べ進める。…すっかり虜になってしまったようだ。快活そうに笑う貴方に引っ張られつつ、周りを見てみれば、すぐ近くにあった大きなアトラクションが目に入る。)「________…あ、あれとか。面白そう……じゃあ、ない?」(探索2回目、 バイキングを見つけた、海賊船型の大型ブランコというべきか、前後に大きく揺られるあの感覚は、内臓が浮くスリルは、中毒性を否めない。…1d6でスリルの高さが決まります。)>真紅郎くん   (6/10 22:58:22)

________________________________


依江>
■(楽しそうに談笑している君の服の裾を、ちいさな少年が泣きながら引っ張ることでしょう。年は9歳程度でしょうか、真ん丸の目には大粒の涙を浮かべ、言葉を探すように目を泳がせて忌ます。)「あ、あああの、あのえっと……っ、あの、おに、おおにいさんが、あの、こわ、怖いおじさんに、……っ、つれ、つれ……、」(涙でのどをしゃくり上げながら、何度も音を詰まらせながら少年は直近の森の中を指さしました。手には黄色のあめ玉をぎゅうと握りしめて、少年は君の服をぐいぐいと引っ張りながらそちらへ誘おうとしています。)「ひひぃ、ろ、ひーろー、たすけ、けけて、おに、ぃさん、」>れぎおくん   (6/10 22:41:28)
 
秋守 真紅郎>
■「ん、ぁ、…いや、ちょっと待て。」(楽しそうに談笑している君の服の裾を、ちいさな少年が泣きながら引っ張っている。身長の高い君には声が届かなかったのだろうか、ならば自分に聞こえたのは、何故だろうか、うるさい、やかましい。とかく年は9歳程度だろうか、真ん丸の目には大粒の涙を浮かべ、言葉を探すように目を泳がせて忌ます。)『あ、あああの、あのえっと……っ、あの、おに、おおにいさんが、あの、こわ、怖いおじさんに、……っ、つれ、つれ……、』(涙でのどをしゃくり上げながら、何度も音を詰まらせながら少年は直近の森の中を指さしました。手には黄色のあめ玉をぎゅうと握りしめて、少年は君の服をぐいぐいと引っ張りながらそちらへ誘おうとしています。)『ひひぃ、ろ、ひーろー、たすけ、けけて、おに、ぃさん、』   (6/10 23:13:04)
 
秋守 真紅郎>
■「楽しむのはまたにしよう、……お前、アイツを追ってくれ。後から必ず追いつくから。どうしてもって時は、呼んでくれ、 " レッドスパイク " を。」(彼は君の手からクレープを取り上げては子供の前に両手にクレープを持って屈むと対話を試みようとする。) 「…ぼく、何があったかゆっくりで好いから教えてくれるか?応えられたらあのでっかいお兄さんから貰ったクレープやるから、な?」(彼はそう呟いて、【精神統一】を図る。)>レギ坊、黄色い飴玉の男の子   (6/10 23:13:07)

依江>
■「う”~~……っあの、のあの、おに、さん、やさしいひと、あのおかしくれたの、のに、そしたらおじさんが、おじさんが、ぼく、」(少年の話は途切れ途切れで要領を得るの葉難しいかもしれません。とにかくはやく、はやく、と少年は雑木林に連れて行こうとします。)「くれーぷ、もらったら、ら、だって、ひぃろ、も、おじさんに……っぅ、ぁあ……」(泣いてしまってろくな話はできないかもしれない。)>秋守   (6/10 23:25:30)

レギオ>
『ひひぃ、ろ、ひーろー、たすけ、けけて、おに、ぃさん、』「……………………!」(服の裾が掴まれたことにどうやら気が付かなかったらしい。幼い少年は、大粒の涙を流しながら〝ヒーロー〟に助けを求めている。)『楽しむのはまたにしよう、……お前、アイツを追ってくれ。後から必ず追いつくから。どうしてもって時は、呼んでくれ、 " レッドスパイク " を。』「…………おっけい。」「…ごめんね、このツンツン髪のヒーローと、待ってて。」(例の甘いもの____結局名前は知らずじまいだが____を取り上げられた時、あと1口だけ欲しそうな表情を浮かべたが、それも一瞬の事だ。飴玉の少年に対し声をかけ、少年が指さしていた森へと地面を蹴り走り出した。【空間把握】があるのなら、その中でも迷うことは無いだろう。)>真紅郎くん、少年   (6/10 23:29:25)

________________________________
 
 
 
秋守 真紅朗>
「あー、レギ坊、悪いさっきのアレ、あの、クレープ。さっきの子供に渡しちゃって、これ、代わりって云っちゃあれだけど、チュロスって云うんだ。食えるか?」(彼は解散後に君を探して声を掛ける。両手にはチュロスを持っていて、どちらも色が違うからきっとそれぞれ味が違うのだろう。)「バイキング?も乗れなかったし、初めてがこのままじゃつまんねえもんな。今日は最高の日にするぞ!…ほら、どっちがいい?」(彼は申し訳なさそうに眉尻を下げつつも口元ににぃっと笑みを浮かべて両手のチュロスを差し出す。)【探索2回目】1d10を互いに回して数値が高い方が、同値ならどちらも喉が渇いてしまう。丁度近くに自販機がある。先のダイスで素数を引いてしまった人はどろり濃厚芋けんぴサイダー(ラタトゥーユ&抹茶パフェ味)を誤って飲んでしまう!3なら甘えん坊に、5なら本音がポロポロと出てしまう、7なら無性にドキドキしてしまう。効果は1時間!  >レギ坊   (6/11 00:48:41)


レギオ>
(やたら拳が飛び交った一騒動の後、引率の教師からは解散を命じられ、手持ち無沙汰になった頃。)「……ン。…………あぁ、気にしなくても…大丈夫。」(『レギ坊』と聞き慣れない呼び名で声を掛けられ、謝罪に対してはさして気にしていなさそうにそう受け答える。それよりもあの時口にした甘い物が『クレープ』と呼ばれるものだと言うことに関心が向いていたのだろう。……それと、両手に持たれた長い揚げ物に。)「ん……良いのか?…ありがとね。…」(差し出されば、右手に握られていた物を受け取った。薄桃色をしたそれは、彼の目には物珍しく映ることだろう。)「そう、そう。…結局乗れなかったのは惜しかったけど____……まだ、終わった訳じゃあ無いもんね。」(時間はまだあるのだ。少し落ち着いたこの場所で、互いに楽しもうじゃないか。)【 探索3回目 】 1d10を互いに回して数値が高い方が、同値なら女性側がナンパされてしまう。二人の合計が奇数ならばかなりテンションの高いイカつい集団が、偶数なら陰気でヤンデレ気質の人が声を掛けてくるのだろう。   (6/11 01:13:48)


 
秋守 真紅郎>
「おうよ!全然問題ない、なんならお前が満足するまで今日は付き合うぜ?」(彼は擦れ違いそうになった自販機に脚を止めて、お前もなんか飲む?なんて声を掛けてジュースを適当に買ってはマズそうなジュースをどろどろと喉に流し込んで暫くフリーズするだろう。そうだ、マズいのだ、味も分からないし得体も知れないそのジュースを一気に飲み下したせいか、虚空をじっと眺めたままジュース缶を煽ったポーズのまま微動だにしない。それはまるでダビデ像やらミロのヴィーナスなど石膏そのものだ、もはや生きているだけで活きていない真紅郎だったソレはパフォーマー顔負けである。そんな彼の隣を歩いていた君の元に前髪の長い陰気な女性が話しかけてくるだろう。) 『あ、あぁ…あにぉぅ……ヒーローぉぉ…の方、ですよねェ………ふひ、へ、へへ…あの、実はずっとファンでぇぇぇ…背も高いし、顔も良いし、俺様ってカンジのイケメンさんなのにぃ……クラスでは全然喋らなかったり、えへ、あと、あの、あの…この間お洋服屋さんに居た時も、あっ、ストーカーとかじゃなくぅぅ…えへ、でもいっぱい悩んで結局変な服選んじゃうところとかぁ……♡、ひひ、好きなんですよォ……♡』   (6/11 01:31:20)

レギオ>
(ずらりと並ぶ商品の中、思わず目移りしてしまう。どれが良いのかなどは分かる訳もなく、ならば先程彼に倣ってみようかと。)「〝どろり濃厚芋けんぴサイダー(ラタトゥーユ&抹茶パフェ味)〟ィ………………?」(はっきりいって、想像がつかない。何だこれは。知らない味ばかり並べられているし、そもそも味を掛け合わせることによって更に美味くなるとでも言うのか。どんな味なのかを尋ねようとして、彼の方へと顔を向けた。)「…ねぇ、これ、どんな味がする?」「……シンクロー。」「………………シンクロー?…………」 

「……………………………………………………ェ、死んだ?」 

(なぜだか、全く微動だにしないのだ。彼だけが切り取られ、時間が止まってしまったかのように。その脳内には広大な宇宙でも広がっているのだろうか。瞬きすらせず、その瞳は何処か遠い場所を眺めている。声を掛けても反応をせず、目の前で手を振っても反応をしない流石に心配になってしまった彼は、そっ…………と手首を握り、脈拍を確認した。良かった動いてはいると安堵したのも束の間だ。)『______あ、あぁ…あにぉぅ……ヒーローぉぉ…の方、ですよねェ………?』「…………………………………ェ?」(突如見知らぬ女性に声をかけられ面食らう。知り合いだっただろうか。前髪がやけに長くて顔を伺う事が出来ない。)「ああ、そう…ウン、ありがとね……?」(口を挟む隙すらなく、やや興奮したかのように喋りながらジリジリと詰め寄ってくる彼女に後退りしつつ、固まって動かないツンツン髪の彼に救いを求めるかのように声をかける。)「シンクロー、ちょっと……ねぇ、おい?」   (6/11 01:53:07)

 
秋守 真紅郎>
「あ、っぉ、あ"!馬鹿みたいにマズい!馬鹿みたいにマズいぞ!!レギ坊!あ、…あ"!?なんでお前モテてんだぁあぁああ!?!?」(君に何度目かの呼びかけをされてビクッと身体を跳ねさせてやっと意識を取り戻す。暫く停止していた分を取り戻すかのようにぼろぼろと早口でまくし立てた上に地団駄を踏み始めるだろう。そんな彼に根暗女はうわぁ、と云わんばかりに嫌そうな顔をして、邪魔をするなと言葉にはしないものの、レギオの身体に擦り寄って行く。)
「なぁああああんだその目はぁああ!!やっぱ背が高いのがモテるのかぁああ!?身長なんて!身長なんて!!ジョーホーカ社会と化した現代日本では何の意味も介さないはずなのになんでこんなにも女は身長の高さを求めるんだ意味分からんというか俺も身長を求めているなんでこんな高身長イケメン男と歩いてんだ俺はただただ惨めになるだけだろうがいやそんな事無かった全然惨めどころか楽しいわ馬鹿野郎が嗚呼ぁあぁあぁあぁああ俺も身長欲しいよぉぉぉぉぉ………」(更にまくし立てる様にバラバラと機関銃の如く言葉を発するが、次第にボロボロと本音を零していき、よたよたとレギオに歩み寄っては縋りつくようにその旨に額を押し当てて衣服にぎゅっとしがみ付くのだ。)   (6/11 02:18:53)

 
レギオ>
(ようやく息を吹き返した魚のように、ビクゥッ!と体を痙攣させ、彼は意識を取り戻す。)「……シンクr」『あ"!?なんでお前モテてんだぁあぁああ!?!?』(____ぐわぁっと機関銃の様に激しく捲し立て始め、それを遮る隙などやはり無く。)『なぁああああんだその目はぁああ!!やっぱ背が高いのがモテるのかぁああ!?身長なんて!身長なんて!!』(一体どうしたって言うのだ。なぜこんなにも急に情緒が不安定になってしまったのか、それ程までに気にしている事だったのだろうか。どれにせよ、なんにせよ______)「………………………………エエェ………………」(_____カオス、実にカオスである。それに尽きる。場は混沌を極めて来た。やたらめったら騒ぐお陰で、なんだなんだと此方を見てくる他の客の視線を感じて仕方が無い。体の右側には衣服に縋り離さない彼、左側には擦り寄ってくる見知らぬ女性。両手に花(?)とはこういうことか……………と、いつの日かテキストで読み得た知識を思い出していた。
彼は愛情を愛している。だが、その『愛情』とは、博愛を指す言葉では無い。輝ける者、勇ましい者、我が『愛』___その言葉は、勇者たる君達へ捧ぐものだ。)(それ故に。)「………………ウン。…ありがと。これからもワガハイを…ヨロシク?……ね。」「…………………………………………じゃッ!」(縋り付く彼をひょいと腕で抱き抱え、女性との距離を開けるために颯爽とその場を去ろう。先ずは彼を宥める___情緒が崩れた原因と考えられるものと距離を置く事が優先だ。そして人があまり通らぬ場所を見つけたのなら、やっとそこで降ろすはずだろう。貴方が暴れなければ。)   (6/11 03:02:28)



ジェントル> 
「…要件はたくさんあってねえェ…(ホールクロックの秒針が動く音は心地よい。規則正しく優しい響きは、結ばれた赤い長髪と同じく君の存在を示すようなものだ。)君の友達と会ってきたから。(彼の腕時計の音は対照的である。右腕の金時計はロンドンの雨の香り、左腕の銀時計は鮮やかなダイヤモンドの香り。景色は中国ハイテク繁華街。その荘厳さを、その高貴さを表すように淑やかで、体に触れていなければ雨音にかき消されそうなほどである。)さァて…時間通りだねえェ。(君から見た彼の存在を示すのは、傘を持ったその姿であろう。そして間も無く鳴り響く、機械式のアラーム。それも君が、背負う大きなクロックの時報を止めていなければかき消えるが。)やあァ、改めてごきげんよおォゥ…(曜日は土曜。時刻は12時ちょうど。校舎は違うが以前出会った時と同じく雨空の真ん中の屋上。だが、風はなく暑い。夏の最中らしい雨の日だ。もうセミも鳴き出している頃だが、こうも激しい雨では聞こえないものだ。しかし湿度と熱が合わさり、気温は鬱屈とした状態である。)」「本題から言うけれど。(君は差しているだろうか。降られる雨を、その身に受け止めるだろうか。体を冷やすために。)ボクと、友達になってほしい。(彼は雨から身を守るだろう。けれど、小さな天幕の下から、降る雨に手を差しのべていた。)君の友達と会って、ボクはそう思った。(熱の籠るような体はないが、少しだけ君のように雨に触れてみていた。雲に散らされた日光は湿気を伴い鬱陶しいが、雨粒は変わらず冷たい。体が冷えるというのも納得だ。)…『キース』はボクに、友情を教えてくれる人で、ねえェ…それと、『ブルーカイト』は友情を捨てた人だった。(友達になりたい、と言ってみたり。雨に触れてみたり。彼はとても、影響されやすい。)…教えてほしいんだあァ。彼がなぜ、捨てたのか。(ただ一人だけ、青い彼だけは発信することすら厭うもので。受け取れるものはなく、ただあの日差しだけをよく覚えている。)ボクは彼とも友達になりたい…『君たちと』。友達になりたいから、ねえェ…(誰かと友達でいることなど許されない。彼は恐れではなく責任感だが、その寂しさは、知っているつもりだった。)」   (7/9 18:32:35)


秋守 真紅郎> 
「…木蔦 雛、俺、ブルー、イエロー、…お前はキースって呼んでるんだったか……俺達は小学校に入る前かそれくらいからずっと一緒だった。……半年前までは。」(きっと君が聴きたいのはこういう事だろう。彼は雨に打たれなkがらも呟くように応える。)「……セブンス・イクリプスは知ってるだろ、俺達は丁度野外学習で外の出てて、初めの日に直面した。……俺はブルーの制止も厭わず人命救助に乗り込んだ、ビルに取り残された人の誘導とかな、その時に木蔦、ピンクも一緒に救助する為に一緒に来てくれたんだ。……その時にピンクは死んだ。」(雨音は彼の声を掻き消すだろうか、それとも、君のところまで声は届くだろうか、どちらにしても、ただ自分の喉からこの言葉達が零れる事が、どうにもまだ気持ち悪くて、鳩尾の奥が押し上げられるような気分なんだ。)「落ちて来た瓦礫に潰されて……一瞬だったよ。ブルーは…ブルーとピンクは…特に仲が良かったからショックだったんだろう。……ブルーはピンクが俺のせいで死んだって…俺が殺したんだってさ…」「だから、ブルーが俺を嫌いのも無理はない、捨ててしまうのも無理はない、けど…でも、俺達は前に進まないといけない。俺ぁあいつほど賢くねえから、正しいかどうかは分かんねえけど、ピンクが居なくなったことで俺達がバラバラになることなんて、きっと、誰も望んでないはずなんだ。………だから、俺はとにかく強くならなきゃならない。もう誰も失わない為に、強けりゃその分、俺達は誰かを守れるはずなんだ。限りないくらい、強くなんなきゃならねえから……友達とか、そういうのの成り方は分かんねえし、トレーニングばっかで多分遊びにも行けねえけど、それでも良いなら友達に成ってくれよ。」   (7/9 19:23:27)


ジェントル> 「…ありがとう。(心が辛くなっていく様相は見てわかるほどで、それでも君は伝えてくれた。笑顔て、でいるしかないけれど、人一倍影響を受け共感を覚える彼だ、その辛さは表情だけでもわかる。辛くていたいのは、もう要らないから。笑顔は変えられないけれど、英雄の死は痛ましく。)…そォかあァ…(だからこそ、あの。ただ青い空と太陽があるだけの景色に囲まれて、たった一人で立ち続ける『ブルー』もまた痛ましくって悲しい姿だったのだと、振り返った。)…うん。ボクがこれからどうすべきかも、少し分かった気がするよゥ…(そして、目の前の打ちのめされる『レッド』に向き合った。レッドの眼差しに映る、自分自身の姿も、強く見つめて。)…決めた。(やっと見えた『三人の姿』とそれぞれの思いを頭の中に詰め込んで、かき混ぜ、ただ優しげに開いている目で、その姿を眺めて。)」「『アキモリシンクロウ』。(友情。それは彼の歩んだ一歩で、キースが教えてくれたもの。だから、あの子と君の友達となった以上、追い付くことができるかなんて分からないけれど、ただ手を、ずっと遠くにいる君たちを追いかけ手を伸ばし続けたくって。)アキモリ、今から繁華街に行くよゥ…。(決めたのだ。何をすべきかは。…最初は。できることならば君の手を取ろう。)毎日とは言わないけれど、どんな時でもボクは君を連れ出すよ。(張りつめた表情の君を。君の優しさや、背負うもの。『友達のために』を、彼は君に影響される。)君の足が縛られているなら。ほどくのも、ボクのような人間の仕事だから、ねえェ…(影響だ。大いなる、影響。未だ手を伸ばすだけの彼にそんな力はない。1人でちぎれた3人を結びつけるなんて不可能だ。)…ついでに。君にやってもらいたいことを、いろいろ、歩きながら伝えたいんだあァ。(だから君にも頼らねばならないことが、彼にはたくさんある。全ては、『君達』と、3人が。いいや、4人が、言えるようになるまで。彼はとりつかれたような君に、繁華街へ飛び出す手を、さしのべたのだった。)」   (7/9 20:55:05)


秋守 真紅郎> 
「お前、ホントなんか、悪い奴じゃねえのは分かったけど、……不気味だよなあ?」(彼は君の言葉に目を丸くするも、呆れたように笑みを浮かべてヘアゴムを取り払えば垂れた長い前髪を掻き上げて襟足を伝って服の中に忍び込んでくる汗と雨粒を嫌がってか、後ろ髪をヘアゴムでまとめるだろう。)「そうだなあ…あ、もしかしてお前は中国語話せるのか?出掛けようにも一人じゃ言葉が通じないし、丁度良い…けど、さっきも言った通り、俺は強く成んなきゃならねえから、道場とか、腕試しできる場所とか、そういうところが欲しいんだ。折角違う国に来たんだし、吸収できるモンは何でも吸収しねえとな…どっか知ってるか?そういうとこ、知らねえなら話しながら探そうぜ、なんか頼み事?だかもあるんだろ?」(彼は何か踏ん切りがついたのかニィっと笑いながら君と肩を並べて歩き始めるだろう。友達という物がどういう物かは分からない、そんなものはいつの間にか成っている様な物だと思っているから、どうすれば成れるかも分からない。けど、多分、このままで良いのだろう。別に無理に何かをしなくてもいつの間にか、君とも友達に成れてしまうのだと彼は思っているのだ。)   (7/9 21:29:12)


ジェントル> 
「いいや?(現地の言葉を習得しているのか。否である。君の言うとおり、彼はバケモノなどではないただヒトなのだ。)現地の言葉は話せないよ。(ひとりぼっちで、こだわりがあって、融通のきかない子供のような。少しだけ昔のイエローに似ていると、感じるかもしれない。それでいて紳士だから、不気味さはその組み合わせからできるのだろう。)難しく考えないのも時には大切、だからねえェ…友達になることも、ねえェ。(それと、考えすぎてしまう癖と、『しなければならない』と時に鬼気さえ見せる強迫観念だ。難しく考えすぎないように、という言葉は、『キース・ハリソン』が友達を分からない彼に向けた言葉だ。)けれど、国際社会の『マナー』として…何より『紳士的』だからねえェ。英語は、丁寧に話すくらいならできるよゥ。(彼は器用で、根性もあって、何より感化される故に紳士的であることはすぐに吸収してしまう。良くも悪くも、だ。けれどその言葉は、ただ彼に友達を作りたいと『自発的に』思わせる言葉だった。感化や影響だけでできた存在ではなく、彼自身の、愛する言葉だった。)」「けれど道場破りをするなら。『ここ』でも、悪くないかもねえェ。(…ほとんど無計画であるのも、抜けきらないまでも、癖の和らいだ証拠だろう。)剣道部。実戦空手部、少林寺拳法部、いろいろあるだろうからねえェ…(しかし、君の吸収の手助けになるようにその一点は変わりも曇りもなかった。)それとも…中国は関係ないけれど、ボクとやってみるのも面白いんじゃないかなあァ?(案が多く出るのはやはり癖が出ているのかもしれないが。)そうするならするで、また今度連れ出す予定もあるからねえェ。(だが気づくだろう。君が彼と、会話ができつつあることを。今日は調子がいい、というのもそうだが。君と友達になった、その安心感だ。)頼みたいことは、要するに『ケンカ』だし…それにはボクも君も、互いの力を知る必要がある。そして『ブルーカイト』に知られないようにする必要がある。(はち切れそうな、歯を見せなかった笑顔から、けれど歯が見えた。)かふ。(笑ったのだ。)…興味、沸いたかなあァ?」   (7/9 22:06:28)


秋守 真紅郎> 
「そうか…確かに、此処の学生を相手にするのもアリか。」(確かに海外遠征に来たからには自分の力が何処まで通じるのかが知りたい。一般人を相手にするよりも此処のヒーローを相手にする方がきっと良いのだろう。そんな事を考えながら行く当てもなくただ敷地内を歩いていると、君の提案に不思議そうに眼を見開く。だろう、彼は別に暴力が好きなわけではない、ただ正しさを証明する方法が彼にとっては暴力による勝利しかなかったというだけだ。それでも、彼は自身の強さへの執着に多少の自負は在ったのだろう。そんな彼に頼まれたのが…)「ケンカ…?その喧嘩ってのは、えーっと、全力で殴っても良いのか?」(そう聞かざるを得ない。恐らく自分が全力で喧嘩していい相手なんてバーバ・ヤーガかブルーカイトくらいしか居なかったのだから、彼の疑問も無理はない。)   (7/9 22:51:51)


ジェントル> 
「君の一撃は何度も見てるけど、もちろんボクもまともに当たったら死ぬよゥ。(鋼の体になった彼の拳が、あらゆるものを破壊してきた姿は何度も見てきた。どう見たって、この骨ばかりの白く細い体が受けきれるわけはない。しかし彼とて、ダイヤモンドの意志とロンドンの雨がある。)でも、『タダで受ける』気はないから、全力で来てほしいなあァ。(そう彼とて、ヒーローだ。負ける気で戦うことなどはない。確かな戦意は、その不気味さに拍車をかけるだろう。)着いてきて。(…こちらの学校の訓練所を借りに、歩みを進めよう。)危ないときはボクから降参するよゥ。(中国は技術の強い国だ。さらに先進的なコード専門学校がその訓練所は、多機能だろう。)いずれにせよ致命傷は防げるさあァ…(…これは殴り合いだ。一対一の真剣勝負だ。だから、機能は一切使わない。壁、地面、天井。そして、折り畳みナイフ。それさえあれば)ボクはそんなにヤワじゃないよゥ。(落ち着きなく、君を中心にぐるぐると、円を描きつつ離れていく。その道中で、鎖が彼の手に握られていた。)」「それと…頼みがケンカ、って言うのは、ボクとの殴り合いのことじゃあァない。必要なことだけれどねえェ…(そして次の瞬間には。鎖は折り畳みナイフへと姿を変えていた。)…仲間がいることの強さを。ボクは君にあの『ブルーカイト』へ叩きつけてやってほしい。(そしてナイフは君の眉間に差し向けられて、彼はそう言った。)そのためにまずボクは、君に認められないと『いけない』。(同時に塊となった10本の鎖が、彼のポケットからばらまかれ、じゃらりと音を鳴らしながらほどけていく。)…そのための、ボクは君の信頼できる、『友達』ではなく…(そして地面が、鎖の海となって小さな一つを飲み込んだ。)信頼できる『仲間』として。一緒に、ブルーを殴ってほしい。(それだけではない。ナイフは折り畳まれ、ポケットに入れられ、)『紳士として』、見過ごせないィ…(海から引きずり出された何本もの鎖が、彼の体と腕を絡める。)ボクの最初の友達、イエローのためにいいィ…そして『ピンク』への哀悼のために、いいィッ…(体は鋼鉄の鎧に包まれ、両腕は豪腕へとなった。)」「『ホワイトベスト』は、君を殴る。」   (7/11 21:15:27)


秋守 真紅郎> 
「へぇ…なるほどな。見た感じ、お前はヒョロヒョロだったと思うけど…耐えきれると良いなあ?」(彼はふぅ、と息を深く吐いて、からステップを踏む。だらりと降ろした腕は彼が前後左右に揺れる度にぶらりと連動して揺れる。衝撃を奥に届ける為に必要なのは脱力。鎖と云う性質上、繊維質にも似て衝撃を奥まで浸透させることはかなり難しい。更に天井や壁や地面、ナイフも織り込まれている以上、素材の違いがあるからこそ浸透率がまた疎らで通しにくい。だからこそ、ただの拳じゃ君には勝てないだろう。)「耐えようが耐えられまいが、降参できる程度には加減してやるよ。あんまり何をしようとしてんのかはわかってねえけど、とりあえず喧嘩すりゃあいいんだもんな。」(最後にぴょんぴょんと垂直に軽く飛びながら両腕を勢いよく振り被り腕をそのまま振り下ろす。肩も肘もボゴンッと骨が音を鳴らす。)「そいじゃあ来いよ、『レッドスパイク』が相手だ。」   (7/26 15:00:03)


ミスター> 
「(振り子のように振られている腕は、完璧なタイミングで鋭く突き出される槍のような拳へと一瞬のうちで姿を変えた。)君の…(『真っ正面から』。ただでさえ常人の域を越えた拳を、鎖で包まれた豪腕の両腕を突き出し、待ち構える。)想像以上にボクは、『器用』だよゥ。(そして待ち構えた先で受けた全身の鎖は、『展開した』。ドーム状に、展開したのだ。展開した鎖は弧状となり、開いた方向に衝撃を逃す。それだけでなく、鎖に変わった地面までもが打ち上がった。そう、全力で威力を逃したのだ。…それを利用すれば、伝わる威力もかなり軽減することができるだろう。)でもやっぱり…(そして、展開した鎖がまた鎧と豪腕へと戻ったとき、受けた両腕を下ろした。)凄まじい、威力だねえェ。(両腕が痺れたからだ。一瞬だけだが、全く言うことを聞かなくなったから。下ろしたのではなく、『下ろされた』のだ。)さすがは『レッド』…だねえェ。(だがこちらとて、けれどボクも、見直して貰わなくちゃあねえェ。(無抵抗で受け続けるわけにはいかない。)」「もう既に、『仕込み』は終わっているよゥ。」「今日は短いから致命傷にはならないだろゥけど、(鎖の海になった地面から、君の向かって飛び出した鎖がキャンプ用の刃渡りが短いナイフへと変化する。)受けすぎると勝負はしづらいだろうねえェ。(1本だけではない。次々と、4本のナイフが君の足元や胴あたりに飛びかかり、)本題は殴ることだけど。(地面の鎖をトランポリンのように、彼自身も拳を振り上げ君へと飛びかかった。)」   (7/26 15:45:55)


秋守 真紅郎> 
「おっけえい、なら…ッ!」(とりあえず素手での攻撃に耐えられることは理解した。次のステップだ、身体へと飛んできたナイフは目にも留めずに彼が背負った柱時計はテクスチャバグの様に分解されそして彼の身体に纏わりついて、グラットシエルの鎧となる。ナイフが来ようが来まいが素手での攻撃を受け止めた君を見て更にギアを上げるつもりでは居たのだ。もはや小賢しい飛び道具なんて眼中にない。この鎧はライセンス3つ分あってやっと衝撃が伝わる程度の性能、もはや付け焼刃のジャブ程度のナイフでは意味を為さない。)「そいつは…あまりお勧めしないぜ、ホワイト。」(ぐっと地面を踏みしめては出来る限り威力を加減してその構えた拳を君の身体に向けて放つだろう。脱力したままの腕を投げ出す様に、身体の重さを拳に乗せる様にだらんと垂らした腕をズンと君の身体へと打ち抜こうとする。君はきっと武道を知らない、そして武道や武術の元となった戦乱を知らない、だからこそ、鎧や衝撃の通し方を君は知らないのだろう。)(本来鎧とは重量と堅牢性によって衝撃を地面に逃がす事で着用者へのダメージを軽減する物だ。いくら君が身にまとった鎧が鎖だろうと、空中に跳んでしまった君の身体が、そして身にまとった鎧が、その衝撃を逃がす事は出来ない。本来ならば本来の鎧の効果すら度外視して威力を通すAP弾に着想を得たこの武術の技法、空中に居る君にはもはや致命的な程の効果を齎すはずだ。拳×20の威力を贅沢に使う。何せこの拳の打ち方は方々の武術から技術を吸収し編み出された拳、)「アーマーピアシングぅぅ………」(その名も、)パ ァ ア ァ ア ァ ァ ァ ア ァ ァ ア ァ ア ァ ア ァ ア ア ァ ア ァ ァ ア ア ア ン チ ッ ッ ッ ! ! ! 」( 炬 火 流 【 鎧 透 し 】 )   (7/26 16:10:28)


ミスター> 
「(戦闘の経験は、無いに等しい。)」「ロンドンッ(武道を習うような金もなければ、独学でやるにも怪我が酷すぎた。『ヒーロー』になるしかない。その環境になってやっと、戦うことを知ったのだ。だから、君の攻撃は威力を逃す暇もなく、今度こそ真っ正面から全うに受けた威力で、転がっていく。)ッッァあァッ…!(ロンドンレインは、威力を空中に解放しきらなかった。軽減できたのは拳×10、分ほどだ。)ふ、ゥゥゥッ…『レッド』…さすがだねえェ。極めている…(君の加減のおかげだろう。致命傷ではないが、その満ち満ちた威力は十分に把握できた。少なくとも、常人が簡単に立っていられる威力ではなかったのは間違いないだろう。)飛ぶと、受ける威力が、違うねえェ…(感覚は鋭く、そんな威力の認識をした。感覚は痛みをも鋭く感じるもので、地獄のようなそれを、根性でどうにか保っているのだ。)」「(今度は豪腕に、それも右半身だけにすべての鎖をコンパクトに集約させる。ぎち、と、筋肉が悲鳴を上げる音がした。)うん。そうだねえェ、君はこんなことじゃあァ、止まらないかあァ…(いずれにせよ、おそらくこちらがまともに食らって意識を保っていられるのはあと一撃くらいだろう。)けれどボクも、このまま倒れるわけにはいかないからねえェ…(土の塊である鎖の、その重い腕を操って、)同じ過ちはしないよゥ…それに、ボクの仕込みは1つだけじゃあァない。今も、1つ新しい仕込みができたところだしねえェ。」「ビックリさせてあげるよゥ。(振りかぶりながら、)『さようなら』。そして…(彼は『地面を潜った』。彼の『ぐるりと歩いた』あとでもう既に鎖になっていた鎖の海を、泳いでいるのだ。)『ごきげんよう』。(一瞬の静寂の中、素早く現れた正面から拳を振り下ろした。)」   (7/26 17:03:43)


秋守 真紅郎> 
「おいおい!?そんな事まで出来んのかよ…っ!?」(彼は視界から姿を消したミスターの姿を探し辺りを見回すだろう。その技術を魅せられて初めて気付く。そうか、なるほど、地面も壁も全てを鎖に変貌させて自在に操れるというだけでそれは“あらゆる物を自在に操れる”のとほぼ同義だ。応用性も汎用性も広いに決まっている。もはや何処に行ったか分からない君からの奇襲を警戒しながらグッと拳を握り締め、唱える。)「けど、…的が地面に隠れたならッ!地面ごと抉ってやりゃァアアアいいんだろうがぁッッ!!! フランジブルッッ!!!!! パ ァ ア ァ ア ァ ア ァ ア ァ ア ア ン_____________________」 (その時だった。) 「__________っぢッッ!?!?!?」 (彼の腹部に巨大な拳が、否、右腕がめり込む。彼はずざっと後退りながら瞬時に状況を理解した。確かに自分は拳を振り抜いた、空を切る様に振った拳は大海原の様な鎖の地を風圧だけで吹き飛ばすはずだったのだ。しかし、そうはならなかった。その要因、それこそがダイヤモンズ・インテンスの真髄、硬化である。ギッチリと固まった鎖たちは風圧程度では吹き飛ばされる事は無かった。地面から飛び出た君に偶然拳が当たれば大惨事は免れなかったが少なくともそれなら彼は君の攻撃を受ける事は無かっただろう。君の戦略と運にこの一手は負けたのだ。)「ッッッッ!!!!」(力の差は大きかった。身体に負荷を掛けるほどの無茶な使い方をしたダイヤモンズインテンスで構築された腕はクリミネルの鎧をギシリと軋ませて内部にまでその威力を通す。)「げぁ…ッ、フ、ルぅぅぅぅ……___________________」(だが、十分だ。拳を構えていた彼の胸部に君の拳が入る筈も無い。だから今はこれで良い、上出来だ。)「メタルぅぅぅぅぅぅううう……ッ!」(腹部に食らった拳の衝撃に一歩後ろへと後退ってしまったその足に重心を乗せて、それから、)「ジャケットォオォオォォオオオオッッッ!!!!!!!!」(グッと踏み込むように重心を前に傾け、君から喰らった攻撃の衝撃を絶えた後ろ足の反動を使い、身体全体を使いながらその拳を放つ。身体能力は単純に人間の2倍、さらにその拳はプロの128倍、戦闘ライセンス:拳×640、もはや人智を超えカミサマすら超越した全生物随一のアッパーカット。足元に再度潜ろうものなら相対速度を以てして君の顎にその拳が突き刺さるだろう。さもなくば人智を超えたその拳の速度を超えて君は左右のどちらかに身体を振るか上昇する必要がある。…最も、急激な移動による遠心力で君の身体が壊れなければ、の話だ。) 「 パ ァ ア ァ ア ァ ァ ァ ア ァ ァ ア ァ ア ァ ア ァ ア ア ァ ア ァ ァ ア ア ア ン チ ッ ッ ッ ッ ッ ッ ッ ッ ッ ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! 」   (7/30 01:48:11)


ホワイトベスト> 
「『ロンドンレイン』ッッッ!!!」
「(足の踏み込み。鎖は波のように、浸かる彼の『感覚』に訴えかけるだろう。そして彼は、二度と同じ過ちを繰り返さない。)…このままでやられる、ワケにはァ…(だが、君の拳を、全てを貫く君の拳を受けきることはできない。)いかなくて、ねえェ…(だからこそ逆に。どうせ食らうのならばと。…爆裂するような君の拳を、彼はもろに『食らいにいった』。『沈んだ』のだ。)かふ、ふ…『末恐ろしい』ィ、(彼はそして、白目を向きながら、鎖を土に返して膝を落とす。そう。全ての衝撃を受けて彼は、笑いながら。原型を留め、死んでいない。君の全力を受けて、だ。)…『紳士的』、だろゥ…?(意識も保っている。…すぐに尽きてしまう儚い灯火ではあるが。もう既に、目の焦点は合っていない。)…ボクの負け、だ。(次に、肘を突いた。根性だけで今、砕けた顎から血を流しながら彼の意識は形を残しているのだ。)けれど、ボクは…『ホワイト』、…『ベスト』として…(だがそんな根性も、突貫工事に代わりはなかった。肘膝すら崩れ、力を失った腕と脚に押され胸から地に落ちた。)」「『認められるに』、足る…だ………(ついに意識も落ちきって、足るだろう?と聞く前に、合わない焦点が白目を剥いた。)…(さて、種明かしだ。ロンドンレインは、衝撃を特定の方向に『流す』能力だ。受けた衝撃をそのまま相手に返す、なんてこともできる。)ゥ…(彼の執念はすさまじい。君は、君の着た鋼の鎧に、嫌な音を感じるだろう。)い、ィ…(そう。最後のなけなしの容量で彼は、君の『グラットシエル』の拳に、そっくりそのままとは行かずとも受けた肉体から1/13程度の威力を君の拳に流したのだ。ぶつかり合う威力で君の鎧は砕け、彼の体はどうにか原型を保った。そういうトリックであった。…そして寝ぼけたように呻いている彼は、未だに、笑顔だった。)」   (7/30 02:25:41)

秋守 真紅郎> 
「…随分酷いんじゃあないか、これは。」(彼は名を呼ばれれば、小さな溜め息をひとつ吐いてジェントルの言葉に応えるように呟く。君が訓練所を出るならば、きっと廊下に出て丁度旋回するその時に彼の声が聞こえるだろう。誰に対してか、はたまた何の事か、まるで取り留めの無い独り言を合図に彼は畳んでいた膝と腰を伸ばした。けど、まだ足りないな。昔から彼は君に身長で勝った事が無い。出来る努力は全部した眉唾物でも迷信の類でも何でも、なのにどうして勝てないんだろうな。)「なあ、“ 夜空 ” ?」(今だってお前らに追い付くためにただただ際限無く強く、強くなろうとしているのに、お前らに勝った事が無い様に思う。そして今日、一度だって読んだ覚えが無いその呼び方でお前を呼ぶ。お前らの方がどう見ても才能があって、優しくて、暖かくて、俺にとってはよっぽど成りたいヒーローだったのに、) 「あんまりじゃねえか、…これは。」(昔は喧嘩はイーブンだった。その分、統率も思案もお前より出来た試しがない。何よりお前は女にモテた、色恋なんてあの頃は知らなかったけど、でも、今思えばお前は人気者だったよな。自分がちっぽけに思える程に、だから、だからお前に追い付いてやろうって必死に身長を伸ばしたんだぜ?なぁ…)「………覚えてるか?」>夜空   (9/11 09:32:36)


明星 夜空> 
(窓から差し込む光はとうに消えた。変わり果てた脚も両腕も、元のように動かすのにはまだ時間が足りない。彼からしてみれば時間の無駄な浪費と片付ける必要の出来た面倒事が増えただけの時間に等しく、)「........何だ、イたノ カお前。」(貴方に引き留められた事も、貴方が彼に抱く苛立ちも。彼からみればわざわざ会いに行く手間が省けたと感じるだけのモノでしかなかった。)「............................................................必要性もナ いのニ執着サレ てんだ、俺かラ 何を言っテ も無駄らシ い。」「...........“ お友達 ” ノ お前カら何か言っテやっテ くれナ イか。」(歪でノイズの混じる声に、喉の痛みよりずっと鋭利な針を込める。黙って外にいたなんて驚いた、貴方なら壁でも突き破って殴りこんできていても可笑しくは無かったのに。)「.....あァ そレト も」「決闘だト か何とカ 言ってタ が......端かラ 二対一のつモ りだったノ か? “ ヒーロー様 ” ハ 揃イもソ ろッテ オ暇でイイなァ ?」「..........................アレ は オ前の..... イや、オ前 等の企ミ か、“ 真紅郎 ” 。」(憧れが何だ、お前の憧れるヒーローが此処にいるか?手に届くものしか得られなかった、手を伸ばせなかった伸ばそうとしなかった奴の末路がこれだ。手に入れた知識も技術も中途半端で、敵いやしないと分かってしまう分ただがむしゃらに立ち向かうことも出来なかった。例え届かなくても手を伸ばすことも、呪いたいほど恨む相手にも立ち向かえもしないままだ。彼は “ あの日 ” から変われていない。彼はあの日からずっと_______)「...何ノ 事だ。」(ずっと、君を拒絶したままだ。)   (9/12 00:16:42)
 

秋守 真紅郎> 
「8月16日、いつもの公園の裏に秘密基地を建てた。きぃが何処から持って来たのか分からないけど色んな家具を揃えてくれた。ブルーの設計図通りに組み立てた秘密基地は体当たりくらいじゃ崩れなさそうだ。…… 」(彼は分厚く古めかしい子供の日記帳をカバンから取り出しては、読み上げてばさっと地面に捨てる。)「9月27日、ブルーが逆上がりできるようになった。ピンクも出来る様になってた。悔しい。今日から毎日みんなが帰ってから練習しなきゃ。」(また一冊取り出し、読んでは廊下に投げ捨てる。)「10月9日、……俺が逆上がり出来る頃にはブルーは九九が言えるようになってた。九九の練習をしながら先回りしなきゃ、きっと次は二重跳びとかだから、先に出来るようになってやらなきゃ。」(また一冊)「11月4日、今日はきぃが拐われちゃったけど、俺達で助け出せた。母さんにも父さんにもけーさつの人にも怒られたけど、でも、上手くいった。今回もブルーの作戦通りで上手くいった。…… きぃを助けたのは俺じゃない、ブルーだ。」(また、) 「12月24日、プレゼントはシールダーズのスパイクシールドが欲しかったけど、でも、空手の本を貰った。強くならなきゃ、みんなを守れるくらい。」(何冊も、)「……1月13日…」(何冊も、)「2月4日、」(何冊も)「3月16日、」(何冊も)「4月2日」(何冊も、)「5月」(何冊も、)「7月、」(何冊も何冊も、)「10月…」(何冊も何冊も何冊も何冊も何冊も何冊も何冊も、)「1、」「5、」「9」「、11…」(遂には鞄を逆さにしてバサバサッと中身を地面に撒き散らす。その全ては君と、彼らと、そして“あの子”との想い出だ。君にとって、例えそうじゃなかったとしても、彼にとってはそうである筈だ。)「……俺、俺さ。“あの日”、目ぇ覚めても何も覚えてなくてさ…でも、なんかすっげー大事なモンを無くしそうで怖くて、実家に帰って必死になんかねえかって漁ったら押し入れの奥にコレがあったんだ……バカだよなあ…バカなんだ、俺………」(彼は最後にポケットから長方形の缶を取り出して地面に叩きつける。とぽとぽ、と音を立てて缶から何かが溢れて日記帳の山にシミをつけていく。)「……全部、ぜええええんぶッ!お前らの事しか書いてねえんだよ!お前に負けたくないだとか、きぃが弟みてえだとか、ピンクに叱られただとか、そんなことばっかなんだぁぁ…… 嗚呼、良いよ…どうせ俺には関係無いって言うんだろ…けど!けどなぁッ!!…けど、さぁ…… それってなんか、…あんまりじゃねえのかなぁって…」(彼は訴えかける様に声を荒げるが、次第に勢いを無くして項垂れる。それは君が辛いのを知っているからだ。否、知っているなんて言える立場じゃない。君の言う通りにしていればピンクは死ななかったかもしれないんだから…)「……無かったことにするのか…?ピンクが最初に好きになったのはあの時のお前だぞ!?あの時を、今までの全部を!無かったことにするってのか!?そんなの駄目だって、頭の良いお前なら分かるだろ…ッ!そうじゃねえってんなら、」(そう呟いて彼はポケットからマッチを取り出して一本点火してみせる。それは何かの液体に濡れた日記帳の山の上に翳される。もしも、彼が指を離したのなら…)「………こんな茶番に構わずさっさと行っちまえよ、お暇じゃあないんだろ……“ ブルー “……」   (9/13 11:52:09)


明星 夜空> 
「...............」(感情だけじゃ人は救えない)「.......................」(願った通りに世界は動かない)「.................................」(手を伸ばすだけじゃ人は救えない)『……俺、俺さ。“あの日”、目ぇ覚めても何も覚えてなくてさ…でも、なんかすっげー大事なモンを無くしそうで怖くて、実家に帰って必死になんかねえかって漁ったら押し入れの奥にコレがあったんだ……バカだよなあ…バカなんだ、俺………』「.........嫌っ テ言うホ ど知っテル よ。」(それを証明しようとしていた。理解させようとしていた。拒絶して、否定して、自分の行動が正しいと、感情論だけじゃ駄目なんだと、君に分かって貰いたかった。)「おい、真紅郎、」(だから今も、本当は_________________)「ッッッ.....................止メろよ、荒治療が過ギ る。」(こんな時でも素直に言葉は出てこない。構わず切り捨てないといけないことを頭では分かっていた。それが効率的じゃないと、自身の言葉を何より否定する物であることは分かっていた。)(それでも体は、その通りには動かなかった。体の異物感も胸に響く痛みも気にならない。軋む体は酷く鈍い金属の唸りを上げながら君の企みも、君自身の否定も遮るように手を伸ばす。)(君を呪ってしまいたかった、死んでしまえと言えたら良かった。自分の身を滅ぼし化物になることを喜べたらよかった。)(でもできなかった。)(キースに、『そんな奴放っておけ』と言う事も)(お揃いで買ったキーホルダーを捨てる事も)(雛を忘れてしまう事も)(君の思い出も感情も、全部燃やして無くす事も)(そんなの、嫌なんだ。出来ないんだ。)(だって、本当は)(雛にも、君にも、)(誰にも死んでほしくなんて無かったんだから。)「...................何が望ミ だよ、ボヤ騒ぎガ したクて来た ンじゃ無いんダろ。」(わざわざ作った壁も君のせいでただの障害物だ。用無しな火は消してやる。)   (9/13 22:07:00)