Earendel>
「(中国の某コード専門学校、そのとある教室。中国の独特で真っ赤な提灯と傾き始めた日の光で教室内は赤く紅く染まってる。____おい、そこのかわい子ちゃん。そうだ君だ偶然通りかかったオトギハナシ。あたしはね____、)君、例の追いかけっこでその〝愛〟で逃げ切ったんだろう?____『聞きたいなァ、アンコール。』…なんちゃって。今の君には声援どころか合いの手も無い、君はもしかしたら「引っ込み思案だけど歌える」のでは無く「歌えるから引っ込み思案でいい」と思ってるのでは無いか?なあオトギちゃんそれはァ……『愛ではなく逃げ』なんじゃあないのかい?(____あたしはキミを、同類だと思っているよ。紅く照らされた赤い髪と黒い瞳孔が、キミの目を痛めるほど近くで輝く。同じくらいの身長なのに、魚眼レンズを覗いたような錯覚に、陥ってしまいそうな程に。)」 (7/10 18:30:33)
音戯華子>
(赤が紅く染まり、橙と肌色の境界線が曖昧になってく頃合い。逢魔が刻、なんて聞こえはいいけれど、昼が終わって太陽が隠れんぼしちゃう時間は、優しくて恐ろしい鬼が時間を支配してしまうから。だから彼女は、さっさと鬼さんから隠れようとして、校舎から出ようとしていた時のことでした。紅色に染まる窓ガラスの向こう側から聞こえてきたその声は、自分の名前を呼んでいた。)「へっ、...............?」『君、例の追いかけっこでその〝愛〟で逃げ切ったんだろう?____『聞きたいなァ、アンコール。』』(声がした教室の前で立ち止まってみれば。ふわり、美しい声が立ちあがった気配がして、気がつけばその声は目の前に来ていた。)「............はぇ、は、はぃぃ.....?」(どうしちゃったんだろう、多分初対面なんだけど距離が近い。すごく近い。竦みながらも、彼女には君の容姿がよく見えた。何よりも目についたのはその頭髪だ、赤髪に黒い線が何本か入ってて。メッシュっていうんだっけ、それにおっきくて長い耳にはピアスがいぃっぱい。すごく派手な人が話しかけてきた。からかわれているのだろうか。)「あ、あの、」『君はもしかしたら「引っ込み思案だけど歌える」のでは無く』「ヒュェッ.................」(口から漏れ出た息が、貴方に当たってしまっている気がした。顔も知らない、すごく容姿が派手な方が話しかけてきたと思えば、まつ毛が触れ合うんじゃないかってくらいの距離感で詰め寄ってきているの。しかも、引っ込み思案って言われた。気にしてるのに。)「えぇ、ぇぇ、あの、あ、........」『「歌えるから引っ込み思案でいい」と思ってるのでは無いか?なあオトギちゃんそれはァ…『愛ではなく逃げ』なんじゃあないのかい?』(は?)(───────────。)(─────────────────は?)「................あ、あの。」(3秒ほど頭の中で貴方の言葉を理解しようと噛み砕いて努力したの、でもだめなんだ。)「なっ、........なにが................言いたいん、で、すか?」(初対面の貴方に、そんなことを言われる筋合いが思い浮かばないんだ。魚眼レンズみたいに光る貴方の眼球には、私の口の下の皺がよく見えた。) (7/10 19:08:18)
Earendel>
「なっははははっ!!悪かったって。____悪意はないんだァ悪意は。(先程までの目を痛めるような赤はキミの視界からふっと離れる。魔法が…いいや。呪いが解けたように重たい空気がほんの少し軽くなる。けれどあたしはキミを惑わせるのをやめたくはなかった。)違うんだぁ違うんだよあたしはただ____、キミに〝親近感〟を感じちゃったのさ。(自分の頬をトントントン、と指で叩いてはまたくすりと笑を零す。)だってさァ中々いないんだよここは飽くまでヒーローや優秀な研究員を育てるための場所だからさァ。そう、あたしとか____……〝キミみたいなヒーローに向かなさそうなヤツ。〟(キッパリ言い放てどそれは事実だろう。事実って言ったってあたしの意見なんだからキミは受け入れなくていい。___どうしようもない嫌悪はするだろうけど、ねぇ?)」「(悪意は無い、善意もない。優しさはない、甘えも許さない。)ヒーローは大変だろう?逃げちゃ行けないんだヒーローだから。あの七日間みたいになると解っていても、____いつか〝終末〟がくるとしても。一度目指してしまったモンは諦めたら確実に後ろ指を指されるんだァ理不尽な大人に。だからあたし(キミ)はどこにも誰にも逃げ出せないから自分一人で自分を逃すことにしたんだ。「終末(音楽)を愛する」っていう逃げだ。(不快不満不真面目。キミはあたしのハナシを聞くことしか出来ない。キミはあたしのハナシにキミを巻き込んで、重ねて。あたしはキミに嫌われようがなんともない、けれどキミはどうだろうねぇ。____ほら、ヒーローだろ?)」 (7/10 19:23:12)
音戯華子>
「......................。」(悪意がないかなんて聞いてない。)(何が言いたいのか聞いてるのに、答えもせずに引いちゃう貴方を、ビビッドピンクの瞳が捉えて離さない。)『キミに〝親近感〟を感じちゃったのさ。』「...................?」(親近感を感じられるには、彼女は貴方との共通点が無さすぎるんじゃないか。寧ろだって、正反対。彼女は引っ込み思案、貴方はとっても奔放みたい。髪の色だって貴方みたいな強烈な赤と黒のメッシュじゃなくて、地毛の暗めの藍色。ピアスだって気になるけれど、痛そうなのが怖くて開けられない。)「なん、」『だってさァ中々いないんだよここは飽くまでヒーローや優秀な研究員を育てるための場所だからさァ。』(いったい、何を)『ヒーローは大変だろう?逃げちゃ行けないんだヒーローだから。そう、あたしとか____……〝キミみたいなヒーローに向かなさそうなヤツ。〟』「っっっ゛................!!!」(急に、何を言いだすんだろう。私が、ヒーローに向かなさそう?)(は?)「..........................。」(はぁ、はぁ!?)「...............................................。」(なんで、なんでアンタにそんなこと)(そんなこと。)(あたしのことなんか、何も知らないくせに!!!)「..................っ、っっ、.......................っっつ。」(息が乱れる。ちょっぴり、瞳が熱い。)(言葉がでないの、貴方に投げつけたい言葉はいくらでもあるのに。貴方の顔がぼやけだすだけで、一向に口から言葉が出てくれない。)『だからあたし(キミ)はどこにも誰にも逃げ出せないから自分一人で自分を逃すことにしたんだ。「終末(音楽)を愛する」っていう逃げだ。』「うるさいッッッッッッッッッ!!!!!!」(彼女は貴方の言葉に、自分の服のはじっこを掴みながら叫んだ。)「なん、なんなんですか、いき、いきなり!!!」「私のことが気に食わないなら、..................は、はっきりそういえば、いいじゃないですか!?!?!?わたし、アンタになんも、してない...............!!!!!」(ちょっぴり視界がぼやけて、真っ赤な貴方と夕焼けの境界線が曖昧になる。わかんない、わかんないけど、泣いちゃだめだ、ヒーローなんだから泣いちゃだめだ。そうやって、ぎゅっと服の端っこ握りしめても視界は揺れるだけ。貴方がどうしてこんなことを言ってくるのかが分かんない、けどもヒーローに向いてない、なんてそんなこと。そんなこと、自分で一番わかってんのに。) (7/10 20:03:08)
Earendel>
「違うよ、違う違う違ァう。思春期の男児と一緒だ、〝気に入った子程虐めたくなる〟んだよ、お嬢さん。(キミが悲鳴のようにうるさいなんて言うモンだから、びっくりして肩をすくめちゃったじゃないか。キミが子供のように泣き出しそうな顔をするから、…するから、もっともっと虐めたくなってしまう。)____そうだ、キミはあたしになぁぁあ〜〜〜んにもしてない。ああいや。敢えてこう言う言い方をしてあげよう。____〝キミはあたしになぁんにもできない。〟(キミにまた近づいて、耳元で囁いた。囁くと言うには鈍器のような言葉で、教えると言うには鋭利な言葉で。)」「悪いねぇお嬢さん、キミは余りにも良い子だ。良い子だから余りにも世の穢れを知らなさすぎる。だからあたしはキミに「お節介」をしたいの。(そう、16歳のキミの心をほんのちょっぴり傷つけるようなスパイスを___、そのお綺麗な口にねじ込んでやりたいのさ。辛すぎるだの不味いだのは知ったこっちゃない。あたしは料理人でキミは調理される側なんだから。そう、そうだよこれは…『キミを良いヒーローにしてあげる為のこと』なんだよ。)なあ泣かないでくれよ、あたしはキミみたいな歳幅行かない子がそんな顔をすると居た堪れなくなる。(溢れかけた涙をすっと拭う。その顔は〝恍惚〟。キミがもし天文学的確率だとしても望むならばあたしがキミの恐怖も過去も全部閉ざしてあげるのになあ。)」「____そんなんじゃヒーローになれないぞ?」 (7/10 20:17:56)
音戯華子>
(思春期の男子と一緒って。)(こんな、)(こんな怖くて美しくて、それでいて人の心の傷を抉るのが上手な男子がいてたまるか。)(意味分かんないし。)(なんで、なんでこんな)(ただ、修学旅行を楽しみたかっただけなのに)(ただ、音楽がしたいだけなのに。)『敢えてこう言う言い方をしてあげよう。____〝キミはあたしになぁんにもできない。〟』「う、うる、そん、な、.........................」(そんなこと、なくはない。なにかされたからって、堂々と貴方に言い返せるほどの度胸も勇気も今も彼女にはない。できるわけないでしょう。音楽の道に進み、ヒーローを志す者が。暴力に頼ることだけはあってはならないのだから。というか、暴力に頼ったところで貴方に勝てる気もしない。八方塞がり、ただただ貴方の言葉に心を削られるのを耐えることしかできない。耐えることなんて、できもしない。)『悪いねぇお嬢さん、キミは余りにも良い子だ。良い子だから余りにも世の穢れを知らなさすぎる。だからあたしはキミに「お節介」をしたいの。』「...........................うる、さい......。」(貴方が気色の悪い顔をしながら彼女の涙を拭ってしまえば、彼女はへたり、と床に座り込んでしまう。立っていられないの。)(世の穢れを、知らないだとか。いい子すぎるとか。ヒーローに、とか。本当に、どうだってよかったのに。ただ、ただ。)『____そんなんじゃヒーローになれないぞ?』「.....................................アンタなんて...」「.............だいっきらい...................」(ただ、友達が欲しかっただけなのに。) (7/10 21:55:23)
Earendel>
「そう言うところだ、ヒーローは場合によっちゃ武力行使もあっさり許されるのに今みたいにそれに頼ろうとしない…今あたしを平手打ちでもしたら何か変わったかも知れない、そういう風に後々後悔するんだよォ。一人で部屋で蹲って、『あの時こうすればよかった、こう言っていれば』って。(ああ、なんて、なんて可哀想な子。可愛い子。通りすがりのどこの馬の骨ともわからない奴にへたり込むまで言葉一つで気圧されて、嫌いだとかうるさいだとか、そんな幼稚な言葉しか出てこなくて。『アンタなんてだいっきらい』?そうだなそれでいい。そうでなきゃ不自然な程にぴったりな言葉だ。そんなキミの目の前に同じようにしゃがみ込んで、顔を覗き込んでこう言うんだ。)」「____あたしは大好きだよ、オトギハナシ。」「キミには言いたいことが沢山あるはずなのになあ、きっと今は「自分に勇気があれば」「上手く話せていたら」って後悔してるんだろう?オトギちゃん、キミに一つだけ約束をしよう。____もしキミが今溜めに溜めた真っ黒いゴミみたいな感情をアタシに全部吐き出す事ができたらぶつける事ができたら____〝キミの歌を聞いてあげよう〟。(キミの音楽でアタシの心を揺らす事、それはきっとキミにとってとても気持ちのいい復讐になるはずだ。アンコールはお預け、是非あたしの鼓膜をぶち破る気できて欲しいなぁ。…もっとも、できたらのハナシだけれどね。)」 (7/10 22:08:57)
音戯華子>
(もう、やめてよ。)(なんで、なんで人を傷つけて。それを楽しんでしまうの?)『一人で部屋で蹲って、『あの時こうすればよかった、こう言っていれば』って。』「......................。」(全部、貴方の言うとおり。毎夜毎夜、枕に頭を突っ込んで、嗚咽が家族に聞こえないように枕に叫ぶのだって全部バレてる。)『____あたしは大好きだよ、オトギハナシ。』(もう、貴方は、私のなんなんだ。)(そんなやつに心引き裂かれちゃうんだ。貴方をビンタしたり貴方に向かって胸を張って言い返したり、そんな想像は想像でしかないし。今まで粘り強く生きてるってたって打たれ弱いのは直せなくて、心臓が運動会で競争するときみたいに爆発しそうになるまえに、立ち直らなきゃいけないのに。)『____もしキミが今溜めに溜めた真っ黒いゴミみたいな感情をアタシに全部吐き出す事ができたらぶつける事ができたら____〝キミの歌を聞いてあげよう〟。』「アンタ.................。」(黒いゴミみたいな言葉を吐き出すなんて、ミュージシャンがすることじゃない。していいことじゃない。そうやって逃げてきたって、貴方は言っているのでしょう。きっとそれは、そのとおり。人に尖った言葉を投げつけたりするのが苦手だけど、人に尖った感情を抱くことが多いから。だからこそ、音楽で誰かに感情を届けたいのに。なのに、なんで貴方はこんなに意地悪なんだろう。暴言とか、『アホ』と『ばか』と『うるさい』くらいしか分かんない。分かりたくない。貴方に本気で喋ろうとして、『死ね』なんて言いたくない。人を、傷つけたくなんてないのに。)(共感羨望嫉妬逆恨みなんて、音楽の中で十分。)(黒い涙なんて零さずに、真っ白い鳥でいたいから。)(だから彼女はゆっくり立ち上がって、桃色の瞳をほんのり紅く染めたまま貴方をきっと睨みつけて。)「うっさい、アンタなんか、....................アンタなんか..........................せ、せ、.............」「制服着崩しすぎて、風邪ひいちゃえ..............」(そう言い放てば、彼女はパタパタと教室から走り逃げていってしまうの。)(今はまだ、これが限界。) (7/10 22:49:01)
オトギハナシ?>
(焦げ茶色の床を、斜陽が優しく焦がす。)(真っ赤に染まったタイルは、やがて日陰になるに連れて橙、黄色とグラデーションのように色を淡くしていくの。聞き覚えはあるけれど名前はわからない蝉の声、徐々に暖色を失い始める空。)(三段の段差がある教室、その最上段の奥では何本もの譜面台が所狭しと形見狭そうに詰め込められ、黒い棒きれたちは暑さのあまり、いまにもその額から汗を垂らしてしまいそう。)(最下段、黒板の前に置かれたグランドピアノ。半年に一回は調律されている、淡く白い輝きすら放っているそのビアノは、黒い巨体を丸め込み、ただそこに佇むだけ。)(そんな放課後も終わりつつある、宵の光が瞼を重くし始めた頃の音楽室。そこには、鉄パイプの安物机と。その、傍らには。) (彼女、そう呼ぶべきなのでしょうか。下半身が完全にドラムと同化し、移動手段に4つの車輪を使い、右目のあるべき場所にはギョロギョロと気味の悪い単眼をいくつもつけて、口元にはスピーカーのようになった扇型の何かとがついていて。右耳にだけヘッドホンのような耳飾りもどきがついていて、背中からはギターとベースの隻翼が生えている生き物をまだ、女性のニンゲンだという認識ができるのなら。彼女は右腕を傍らの机に置いて、鉛筆を握っている。机の上に置かれた紙には、なにか小さな文字で書かれていて。彼女はそれを、残った左目で真剣に見つめながらなにやらブツブツとつぶやいている。)『アンタに....は......想い........clap clap..........flap......』(鉛筆は進まないまま、脳内で思考をぶつけ続ける。)「なんで...........ちが........こんなんじゃ.......」(思うように筆は進まなかったみたい、彼女は背中に体重を預けて、ゆっくりと瞳を閉ざす。時間は、相変わらず進んだまま。) (8/8 17:21:18)
エアレンディル>
「(エアレンディルは退屈していた。エアレンディルは我慢ならなかった。____君たちが終末を乗り越えた次の日、エアレンディルは君たちが守った何よりもこの世界を鬱陶しく思っていた。)____なァ。随分とひどい有様じゃんかぁ。(ふとした時にはそこに居た。教室のドアに気怠そうに寄りかかって、キミを嘲笑うように笑うのだ。……エレンは終末を愛している。故に、故に。昨日で全部終わりだと思っていたんだ、きっとどこかで空のティーカップでも使ってお茶会をしていた。家でただごろごろと数分の余生を過ごしていた。真相は誰にもわからなくとも、終末を愛している彼女は何一つ絶望なんてしなかった。寧ろ、「ああ、あたしが待っていた終末はきっとこれだった」とさえ、思っていたかも。)」「まあまあ、まずは〝正義の執行〟お疲れ様ァオトギちゃん。…あたしは、キミが帰って来てくれてすごォく嬉しいよ。(所狭しと並ぶ譜面台の間を通り抜けていく。…いいや、寧ろ譜面台の方からエレンを避けているようにさえ見える。ピアノの側板に肘をついて、キミの顔を見据えよう。キミのその気持ちの悪い多眼で見つめられようとも、動じないようにしよう。)____なァ、折角のカワイイ顔が台無しじゃあないか…オトギちゃん。あたしはそんなキミも〝愛している〟けどね。(本当ではないことはわかる、けれど嘘ではないと確定できないその言葉。終末を愛している、故に。エアレンディルはキミを怖がりさえしない、寧ろ、ただ愛しいのだと。他にかけるべき言葉なんていくらでもあるのに、たったそれだけの言葉を。)」 (8/8 17:40:27)