八雲 錐>
「(例えば、小説の中でよくヒーローになるのは探偵だ。あるいは一人の少年であったり、ただ一人の男であったり、強い心を持つ女であったり、心優しい老婆であったり。)…ふふ。(はらり、はらりとページを捲る度に、ヒーローは躍動する。彼の小さな笑いを誘うような間抜けた出来事であったり、時に表情を固めて考えさせるような言葉や行動を文として教えてくれる。現実は小説より奇なりと言う。今こそそれをひしひしと感じているところであるが、それでもその中に抱く『憧れ』は止まらない。夢に進み続けるから。)…うん?(だから彼は、あらゆる『作品』を好む。今は探偵ものを見ているらしく、そして君が何処にと探し回っていた本だ。ついそれを見かけた時、何かしら『見てしまって』いただろう。金髪で大柄、相手に…君には特に、かもしれないが威圧感を与えるには十分な恵体を持った男。)どうかしたかな?(彼が柔らかく応対するのはもとよりの性質であり『ヒーロー』故だが、威圧感のある肉体で威圧感のある振る舞いをすれば与える印象は想像に難くないから、でもある。椅子に座ったままで彼は、君に向かって穏和気な笑顔を浮かべながら、ただ目を見て話しかけていた。)」 (5/11 19:02:02)
レフバ>
________推理小説は、最終的には事件の真相が明らかになってこそ、『推理小説』なのである。もし解決されず物語が終わるのなら、それはミステリー、怪奇小説の部類であろう。_____推理小説の重要人物は、非凡な存在である場合が多い。推理力に優れ、日々の生活と秩序に染まった人々の中で、唯一冴えた顔をしているような探偵や刑事、もしくは犯人がいて、それらが物語をより重厚にしていく。非現実(ものがたり)を非現実(ものがたり)たらしめてくれる者がいなければ、面白くない。_____これは推理小説に限らず多くのものに当てはまるが、伏線が散りばめられ、それが一つ一つ回収されていく様子を見るのは、実に心躍らされる部分がある。だからこそ推理なのだろう。分からないことが分かるのは、人間の中に存在する悦びのうちの一つである。それを摂取するのにたいへん都合の良い形をとっているのが、推理小説というわけだ。___________そして、推理小説で起こる事件というのは、大抵が””殺人””である。_____________________「...別に」何だかイヤな気分だ。つい先日、図書室に籠もってないで教室にもちゃんと行け、と注意されたので、今日はなるべく授業に出てみたというのに......... 放課後になって漸く図書室に行けたかと思えば、読むのを途中にしておいた本を、他の奴に読まれていたのだから。「見てねーよ。勘違いすんな」親切に話しかけてくれた相手にこのような態度を取るものではないが、今目の前にしている相手はレフバにとっては、あまり好きになれない人物だった。(どこへ行っても子供扱いだな)大柄な体格、優しそうな顔、_____そして何より、初対面の人物に対しても物腰が柔らかい態度。いっそ無視される方が良い。いかにもな、相手を気遣っている、という様子を見せつけられるのは、レフバとしては非常に警戒してしまうのである。(そんなに気になって仕方がないガキみたいな表情してたかよ)実際の内面とは裏腹に、レフバの顔立ちは非常に子供っぽく、怒っていたとしてもそれほど怒っていないように見えてしまうほどの童顔である。なので傍から見れば、元気で素直そうな印象の、可愛らしい少年として映るだろう。彼自身は、自分の容姿があまり気に入ってなかった。行動に容姿が追いついていない。子供として見られる、ナメられる。その一因が自分の顔面だとするのなら、余計気に食わない始末である。「.....................................」さて、目的の本を読まれていたのなら、別の本を読むまでだ。彼はつまらないからという理由で、授業に出ていない。その代わり日中はほぼ図書室に居座りっぱなしである。当分の目標は、『図書室の本を全て読む』ことだ。今のところ、読み物の数だったら計100冊は超えているであろうか。他にも写真集や図説を合わせると、結構な数になっていると思うが... 「.........」適当に、推理小説が置かれているコーナーの前に立ってみた。推理小説は好きか、と問われたらきっと、人並みには好きだがこだわりは無いと答えるだろう。しかし一時期夢中になったことのある推理小説があって、その時は自分のやることを放棄してこっそり隠れて読んでいたほどだった。ともかく、のめり込むほど面白いと思っていたことを覚えている。 適当に一冊、本棚から背の低い文庫本を取り出してみる。「っ、」開いてみると、前の持ち主がコーヒーを溢したのだろうか、香ばしい香りが漂った。自分自身はコーヒーは飲めないが、匂いは好きである。「............」偶然の出会いに、ほんの少しラッキーだったなと思うと、先程から続いていた複雑な気分もどこかに消え失せ、「、フゥ.........」と椅子に座りため息をついて、「(カサッ)」ページを開き、「...........................」そのまま本の世界に、没頭していくのだった____________________________________________________________「 はぁ、」一冊読み切るのにそれほど時間は要さなかっただろうか。あとがきまで読み終わり、彼は本を閉じた。それなりにページ数はあったが、彼は言語への適応力が高い__要は、単に異言語の習得が早いという意味だけに留まらず、速読の能力もあるのだ。なので一冊を他の者より早く読み終わることが出来るのである。 「なぁ、」そして、彼は時間を見積もって読み進めていた。「____それ、どうだった?」同じ席に座る、自分が読みたかった本を先に手にしていた彼が、それを読み終わるまでの時間を。「さっきから途中で笑ってたりしたけど、そんなに面白かったのか?」.........何故レフバは、自分の苦手とする相手に話しかけたのか。気まぐれか、それとも純粋に気になっただけなのか。どういう意図なのかは分からないが、ともかく彼は、先程無礼な態度を取った相手に、本の感想を求めてきたのだった。「推理小説で笑うところなんて、あんの?」 (5/11 20:16:18)
八雲 錐>
「(探偵は、力と心で戦う彼〈変身ヒーロー〉とは違い、知能と理詰めで戦うそれまたヒーローだ。小説より奇なる現実の探偵もいれば、小説の中の探偵と、同一の人物は自分自身以外にない。…意外にも、ヒーローと通じるものがある。意外性とは、例えば君が最も大嫌いな『彼のような人』に対してつっけんどんであったりむしろ触れに行ったりしに来るような。ヒーローと探偵、『八雲 錐』と『レフバ』。)何もないならよかった。(初めは、突き放されたから何も触れはしなかった。…傷ついたり、かちんと来るということはないが、なんだかんだ冷たくされるとむずがゆくはなるものだ。…とはいえ、集中すれば見えるのは本の内容だけ。大して気にすることもなく読み進める、こちらはこちらで本に没頭できるほどには好いているもので人並みには読むのも速いつもりである。)へえ…(感嘆の声なんか上げながら。)」「(はらり。)…君、すごいね。(そして今度は、何故だか君から話しかけてきた。ちらりと見れば、手元には裏表紙で置かれた本。直すため、立ち上がろうとしていたところだ。)」「たくさん読んだら早くなるのかな?(まず驚いたのはやはり読む速度。こちらは半分よりそこそこ多いほど読み進めて、あと20分程度で読み終わるかどうか…というくらい。君は気づけば、もう一冊読み終わっていた。)それにしても。やっぱり興味あったんじゃない、この本に。(…そして彼の人当たりのいい笑顔は、君が最初に敬遠したときから全く変わらなかった。)とっても面白かったよ。て言っても、僕も数を読んでる訳じゃないから素人の感想だけどね。(どういう意図か、細かく考えることはやはり他人のことなので難しくはあるが、今のところは『素直じゃないなあ』、なんて程度で。)ちょっと笑えるような小粋な書き方をしたり、全体的になんだかおしゃれな雰囲気まで感じるような。そういうタイプの書き方だったよ。(感想の基準は完全に彼のものではあるが。)それに、熱くなるような展開もたくさんあったし。僕は好きだな。(…そう。彼の好物は『熱いもの』である。)」 (5/11 21:09:10)
レフバ>
「まぁそういうもんじゃねーの?オレはずっとこんなカンジだから分からねーけど」レフバは頬杖をついて彼のことを見つめた。「別に。以前読んだことあるだけだ」会話はするものの、相手と目線は合わせずに、彼は窓の外を見ながらそう言った。あからさまに気難しくて、こちらとの距離感を測っているような雰囲気だ。「ふーん。まぁ確かに、細かいところにそういった表現が多かったよな」あたかも知っているかのように振る舞うが、実際は半分ほどしか読んでないのである。「結構大胆なシーンも多かったよな」恐らく熱くなるシーンというのは、自分がまだ読んでいない部分だろう...... 「あんまり本は読まねーわけ?」読書が趣味だという人間はそう多いわけでもない。趣味といっても、毎日、毎週一冊のペースで読んでいるような人間ともなると数が限られてくる。レフバのようにそもそも読むスピードが早いのなら違う話だが。「文字でも、ケッコー熱くなるだろ?」「文字が映像より劣ってるなんてことは決してない。文字だって感情が大きく揺さぶられることがあるし、視覚情報がないからこそ自分で場面を想像するのが楽しいんだ」レフバは本の装丁の四隅の一角をなぞながら、そう口にした。「じゃあ何、普段は映画とか見てんの?」今は『図書室の本を全て読む』という目標があるので、ここ最近は読書漬けだが.........以前は映画もよく観ていたりした。が、一般人とは逆で、速読の出来る文章は良いが、映像は早送りし過ぎるわけにもいかないので.........結果的に映画を全部観終わった時間よりも、本一冊を読み終わる時間の方が短いという事態が発生する___要は、コスパが悪いのである。なので近頃は興味のある作品以外はダラダラと観ることがなくなってしまった。 (5/11 22:06:53)
八雲 錐>
「(少し不器用なのだろうか。なんて、ちょっとした憶測でも立てれば、距離を測るような仕草こそあれど少しばかりは打ち解けることができているのかもと嬉しくなる。真意のほどはわからないが、こうして会話が弾んでいくだけでもやはり嬉しくなる。)本を読むのは好きだよ。ただ他にやることがあると、読もうって気にあんまりなれなくてさ。(趣味。『ヒーロー』たる、その演出を愛すものとして、磨いてきたのはセンスだ。動きや格闘のセンスなど、足りていない戦うセンス。結局、片手間でやっていた衣装制作の方がたぶん才があった。)どちらかというと、楽に吸収できるのはアニメとか映画の方がやっぱり見ちゃうな。(しかし、今より妥協は許されない時間がやはりあったもので、才のある衣装制作などやっている暇もなかった。血の滲んだあとは、まだ残っている。)僕、見ての通り肉体派…なんだけど、やっぱり継続しないとなかなか、ね。(それでも片手間に、暇のない時間の中でも吸収できたのが、文ではなく映像だ。つまるところ、時間の点で彼と君は逆の性質だ。)」「でも。(だが、それは時間の点において。)確かに文章っていうのも、一つ熱いものを持ってるんだね。この小説からは、そういうものをたくさん感じた。感情を揺さぶるのがうまいね。(君の文を愛する心は彼を共感させるものもあり、同じ『芸術』、あるいは『演出』を好むのだろう、と。)小説だったら、大事なところとか熱いところとか、何回も反芻して余韻に浸れる。映画とかもディスクだったら巻き戻しはある。でもそれはあくまで巻き戻しだからさ。(同じ人物が、同じ顔をして、同じことを言うのを繰り返す。嫌いじゃないが、粋ではないな、なんて思っていたところだ。)小説はリアルタイムを何度も経験できるような感覚になるんだよね。(人物は同じだ。だが表情や言葉の重みは見る度に姿を変えて成形されていく。)それと僕、実は特撮ものとかよく見るよ。まだやってるでしょ、休日の早い時間に。あれが面白くてさ、毎週欠かさず見てるよ。(そういったところが、映像よりより『深く』見れるのだと。)特撮もいいよ。単純に勉強になるし。(彼にとっての『ヒーロー』を見る演出が、1つ増えた瞬間だった。そして、『ヒーロー』を布教する様子を捉えた瞬間でもあった。)」 (5/11 23:08:21)
レフバ>
「ふーん、時間の確保が難しいってか」自分とは真逆の立場だ。走ることは好きだし得意だが、トレーニングを行う時間よりも研究を優先することが主なので、これといった運動を行う機会は日常ではあまりない。また偏食や少食の傾向が強いせいで、恐らく彼のような肉体を持つことはきっと難しいだろう。「じゃあ、今日は大事な時間を使って本読みに来たわけか。そんなに読みたかったのか?それ」最近は、ずっと図書室にいるせいで、ここに来る顔ぶれの大体を覚えてしまった。恐らく彼のことは初めて見る気がする。「へぇ、」「良いこと言うじゃん。」確かに、同じ映像を観るのと、再び読んでその場面を想像するのは、全く異なっていることだ。そういった点も、視覚・聴覚情報で構成されているので、観る側はずっと受動的なままでいれる映像作品というものが存在しているのに、未だ読書が人々の間で続いていることの、理由の一つだろう。「特撮かー。あんまり観たことないな.........」「小さい頃にそういうものに触れたことなかったからな」強いて言うならゴジラくらいだろうか...... ともかく、特撮はどうやら、彼を構成する一部となるくらい好きなものらしい。「単純に勉強になるってどういうことだ?そういう教養みたいな要素があるのか?」 (5/11 23:58:51)
八雲 錐>
「まあ、1、2年の時は、本当に妥協は許さなかったから。(それを示すように、彼の肉体は規則正しく引き締まっていた。ゆるっとしたシャツの、だるっとした半袖から見える、黒い『スーツ』に包まれた腕が表しているだろう。)僕、3年生なんだけど…というか、自己紹介してなかったね。僕は八雲 錐。よろしくね。(そして同時に、君が彼を初めて見るのは気のせいではないことも。図書室で黙々と勉強をしている暇があれば、その整った施設を使う方が彼には効率的である。全く勉強をしていない、というわけではないが。)…それで、高校生最後の年だし、『ヒーローになる』っていうのは決まってるから。それに今ももうヒーローみたいなものだから、最近ゆとりを持つようにしてるんだ。(しかし今は。待ちかねていたとはいえ、次世代の英雄となることを突然強いられることになってしまって。)本音を言うともっと頑張りたいけど、やっぱり新しい生活には慣れないもんだね。(『強さ』を教えてくれる人。『憧れ』であったものは、今やまたフィクションの中のものに逆戻りしてしまっているのだから、実のところ気が滅入っていた。)」「変身系を主に、って感じなんだけどね。(だから彼は、存在するフィクションに学ぶ。運動にゆとりを持った代わりに、他の『学ぶこと』へはより一層の熱を持った。)彼らの『理念』とか、『行動』とか、ヒーローとして勉強になること、たくさんあるよ。(彼は演出を愛している。だから、らしい理念や行動というものを大切にして、学ぶのだ。)そういう意味で、この小説も同じだね。依頼者のことを第1に考える探偵の、それも見習うべき理念や行動だ。(彼は演出を愛している。何かしら燃えるものがなければ、もはや生きていけないほどに。)…あ、仕事みたいに思ってるわけじゃないんだよ?楽しんだ上で、ね。(ただ燃えるということは、それを『好んでいるから』なのだけれど。)」 (5/12 20:08:35)
レフバ>
「あっそ。」多少会話を重ねたところで、彼が警戒する必要のない存在になることはない。それに、次にまた会うかどうかも分からない相手に、自分の名を名乗る必要もない。また会うことがあるのなら話は別だが。「そーかよ。別に、頑張りすぎて他のことを蔑ろにしてるわけじゃないなら良いんじゃねーの」授業をほっぽっておいて図書室ばかりに居る自分には相応しくない台詞だが。「ふーん?オレはそういうところに目が向かなかったかもな。ずっとどういう事件だったのかを追ってた」情報が分析され、推理が冷静に展開されていくところばかりに気を囚われていたが、確かにその小説の中の探偵は、自分の中にある確固たる理念と思慮を以て行動していた気もする。推理小説は、物語の中心となる事件が存在しているために、キャラクター間の個人的なストーリーよりかはそちらが優先されるため、あまり推理小説に登場人物の魅力を深く見出したことはなかった。が、きっとそういう話が、まだ読んでいなかった残りのページに書かれていたということなのだろう。そういう話は、きちんと物語を全て読み終えてからするべきだったな。惜しいことをした。_____________「じゃ、」「オレは帰るぜ」近くで本を読んでいただけの相手と、これ以上話そうにも何も話すことはない。_____それに、何だか気分は読書じゃなくなってしまった。レフバは席から立ち上がって、持っていた本を本棚に戻すと、「邪魔して悪かったな」と言い残して、そのまま図書室を出ていこうとした。(確かに、痛快で熱い展開なのは良いけど、最後は大体、完璧なハッピーエンドに終わってしまう)(最後にせめて一つでも腑に落ちないところがあるくらいが、余韻があって好きだ)(ただ、それだけ。)誰も引き止める者がいないのなら、彼は扉を開けて、そのまま寮の自分の部屋へと帰っていくだろう。まだ日は長く、朧に黄色を宿した青空が、まだ明るく広がっていた。 (5/12 21:20:26)
日満寺 虹架>
「_______んぁ、こんにちは。」(昼下がり、殆どの生徒達が思い思いに過ごす休日。本来ならば学校に来る必要も無いが学生寮で暮らしている彼女にとって暇を持て余した日中の些細な日課の為には此処に居る必要があった。梅雨時にも関わらず珍しく晴れた中庭で、彼女は桜の木の下で屈み、じっとそこに置かれた石碑を見ていた。とてもちっぽけな石に刻まれているのはきっと君も、そして彼女も、あまり馴染みの無かった名前だろう。けれど、彼女の頬には一筋の滴が見えていただろう。そんな彼女は君の存在に気付けばはっとして目元を袖でゴシゴシと拭ってから、ふにゃりと笑う。)「えへ、ごめんね、あーっと、キリくん……今の、内緒にしてね?」(よいしょ、と呟いて立ち上がった彼女はこの学校の死亡者の慰霊碑に背を向けてなんだかばつが悪そうに眉尻を下げる。) > 八雲 (5/14 14:58:44)
八雲 錐>
「(梅雨時の晴れ間は、自らが夏であることをそれでも思い知らせてくるほどにじめじめと暑く。)はっ、はっ…(汗ばむもので、水溜まりなんか見るともはや飛び込んでしまいたくなるような、そんな空模様。それでも吹く風は涼しく、時にびゅうと吹けば爽やかなまでに。)ふぅ…(息を整えるのは、風に当たるにも走らなければ彼は気が済まないから。けれど足を止めるのは、吹いていたから。)…や。今日も汗ばむね。(千の風が、君の背中に吹いていた。だから今は、君より後ろの慰霊碑に、意志の輝く瞳を向ける。彼もヒーロー、罪なき者が災渦に巻き込まれたその跡を、何も感じず見るなんてことはできなかった。だから、君を情けないなんて嘆くことはない。君が昼下がりを告げるから、ただ挨拶を交わす。)…(目を瞑るのは哀悼。安らかに目を閉じて、命を賭けた者達に永い安寧を祈りながら。)ヒマンジさん。久しぶり、かな?こうやって話すの実は初めてだったりするよね。(顔と名前は覚えている。君の活発な様子が脳裏に隠れていたから、今の姿に思い出は叩き出されたのだろう。)」「(ゆっくりと目蓋が開いて、今度は正しく君の目に目が向く。)びっくりしちゃった、君が思いやりに溢れた人なのはなんとなくわかってたけど。(涙を拭える程じゃないから、)はい。我慢は禁物だから。(ハンカチを渡す。袖で荒く拭いたら、目蓋が腫れてしまうもの。)頬を拭くのがいいよ。(目がかゆむと、ヘルメットを被るときに大変だ。だから知っている。…映画を見ていると、やはり感極まるものだ。)僕も変わったでしょ?1年生のときなんか、一番余裕なかった時期だもんね。(話題を変えながら、君の顔から少し、目を背けよう。君が知っている彼は、映画を見てぼろぼろ涙を流したり、ゆっくりと会話をする人ではないだろう。1年生。彼は、死ぬ気の努力を続けギリギリの合格ラインでなんとか入学した、とてつもない『才なし』の男だったから。)僕のディスコードが支えてくれるお陰で、少し余裕ができてね。あでも、努力は欠かさないから。(演出は、偏った人生では成せないと。)…『ヒーロー』。君の涙、尊敬するよ。(君が流す涙を知った。努力すればするほど、彼らの、君の悲しみは身に沁みて。ハンカチを差し出した。余裕を持てば持つほど、何がヒーローかは定まっていって。)」 「(だから涙は、尊敬に値した。)」 (5/14 16:19:28)
日満寺 虹架>
「……ごめんね、ありがと。」(そう、もう自分たちは昔の自分たちではない。それを今まさにひしひしと、痛いほどに、本当に、本当に、痛いほど感じ取っていたのだ。君から手渡されたハンカチを手に取れば申し訳なさで活発さを削がれた笑みを見せて、彼女は、洗ってから返すね、なんて呟いて君の言葉を聞き届ける。きっと君には人の死を悼む真人間に見えていただろう。出来る事ならそれを肯定したい。肯定したかった、肯定したかったのに、本当はそうじゃないのかもしれないと彼女は気付いているのだ。人の死は悲しい、そう刷り込まれた概念に踊らされているのではないかと考えれば考えるほどに自分はただ自分がそうなるのが怖いだけなんじゃないかとか、その抒情にただ寄っているだけのエゴイストなんじゃないかとか、そんな汚い感情を疑ってしまって、どうしようもなくなるのだ。時折、否、最近は比較的多い頻度でこうなってしまう事がある。それはきっと、不安だからなのだろう。自分が此処に居る事が本当に正しいのか、分からないのだ。)「……あのね、キリくん。あ、えと、座った方が良いのかな。あの……あの、…君は、どうしてこの学校に残ったの?」(その質問の意図はこの学園の生徒ならば理解できるだろう。ヒーローが非業の死を終わりを迎え、その空いた席を埋めなければならなくなったのが自分たちであった事、そしてそれらを良しとせずにこの学校から去って行った者達が少なからず居た事、そして、それを目前にしながら自分たちがまだ此処に居る事、それらの因果関係を鑑みると、誰もかれもが不思議でならなかった。そう、彼女も、彼女自身も。彼女はすぅっと息を吸い込んでからその質問を君に投げかけて、それから近くのベンチへと席を移すのだ。) >八雲 (5/14 16:46:58)
八雲 錐>
「僕がヒーローだからだよ。(寸分の迷いなく、ただ真っ直ぐに、彼はすぐ答えた。さも当然であるかのように、自分にはそれ以外はないと言うように。)隣。座るね。(…隣とはいえど、同じベンチの、逆側の端だが。に、宣言通り座る。『ちっぽけな石』に目を向けるには、ちょうどいい位置にあった。きっと、刻まれて、故くなってしまった誰かの名前を、また誰かに覚えてもらうためなのだろう。)僕が『トランス・オーウィ』だから。(彼は『演出』を愛している。恐怖でなく勇気を愛する。不安でなく喜びを愛する。)誰かの不安を拭うために、僕はいる。目の前に何かが迫ってきているのがわかっているから、僕は立ち向かわなきゃいけない。(この石碑に刻まれる名前が、増えないように。覚えていなければ忘れられていく、死んでいく儚い名前を、増やさないように。愛も呪いも語るだけ無駄だと嘆く人々に、生きる希望を、語らう希望を送るために。)それ以上の理由なんて僕には要らないよ。それが、『トランス・オーウィ』の『キャラクター』だ。…僕の、答えだ。(先人達の、ちっぽけな石に見える偉大なる背中を、胸の内に受け取りながら。)」「…ヒマンジさんは、まだわからないって感じなのかな。(問いの意味は、考え付く限り。)じゃあ、僕からも一個、質問。(憶測だ。君の疑念を確かに晴らすことはできないかもしれない。でも、君は何か『選ばねばならない』と、思うから。)理由はつけなくてもいい。君は立ち向かって、誰かの日常を守りたいのか。それとも、死にたくない、普通の日常を過ごしたいのか。答えて。(自分の考え方に、自分の考え方である以上の誰かの迷いを打ち消す力はない。だから、君に決めてもらいたいのだ。)…逃げることは悪いことじゃないと思う。死にたくない、普通に過ごしたいなんて、人間なら当たり前に思う本能なんだから。(どちらが悪いとか、どちらが良いとか。)僕は、僕たちは、どちらかというとおかしい人間なんだと思う。おかしくていいって、僕が受け入れただけで。…それだけだよ。たったそれだけ。(そんなもので『英雄』が決まれば、)答え、ってものはね。(迷うことなどないのだから。)」 (5/14 17:49:40)
日満寺 虹架>
「………僕は、…守ってくれる誰かが居なくなったから、代わりを誰かがしないといけないって、分かってるんだ。それが良い事なのも分かってて、だから、きっと此処に居るんだけど、でも僕達じゃなくてもきっと良かったはずなんだ。だって、…だって、……僕はまだ命を賭してまで守りたいモノが分からないんだ。だから、………えっと、どっちなんだろうね、いや、でも……」(彼女は応える。君の答えを聞いた後にその言葉を選ぶのは酷く荷が重かっただろう。何故なら君の中にはとても硬く折れる事のない意志があったから、彼女はそれを感じ取ったから、だから、そうではない自分はもしかしたら【そちら側】ではないのではないだろうかと思ってしまったのだ。しかし、しかしどうだろうか。君の言葉を反芻する。____『理由は付けなくても良い。』その言葉は、彼女の葛藤を二分するに十分過ぎたのだろう。『僕が “ トランス・オーウィ ” だから。』その言葉が指し示すのはきっと、恐らく。)「……誰かの日常を守りたい。死にたくないわけじゃない、けど、でも、………届くかもわからないけど、…手を伸ばす余地があるのなら、きっと私は手を伸ばしたいって思う。」(きっと君の回答に含まれたのは、【何故手を差し伸べたいのか】の根本なのだろう。君がそう思うから、君が伸ばさなければと感じ取ったから、君が、君であるから。君が、トランス・オーウィだから、酷く大きく感じた君の言葉に、自分と同じ色を見つけた彼女は何かに気付いたかのようにふと顔を上げて真っ直ぐに君を見つめそう応えるだろう。そこでやっと君の言葉の意味を理解できるのだろう。僕が僕だから、たったそれだけ、それが答えなんだと。) (5/14 18:12:25)
八雲 錐>
「(君は迷いを、少しだけ見せた。けれど彼は何も言わなかった、ただ君が、巡らせるのを待った。)じゃあそれで、完璧だ。(…結論が出たとき、彼が言ったのはたったひとつ。正解だ、とか、間違いだ、とか、そんな言葉は無粋だから、それで君は『完璧』だもの。その言葉は君の答えだから、それ以上の肯定も否定も注釈も、全てはもう、必要ないだろう?)…よしじゃあ、決起祝いにジュースでも奢ろう!(『ヒーローの誕生』を祝うだけ。かけがえのない日々があれば、ここで生きる意志には十分だ。ここで戦い、そんな日々を守る意志には十分だ。)…100円ちょっとだけどね。(だから、なんだか君のことをどこか深く知れたようなこんな日を。自分のことをどこか深く語ったこんな日を。自販機に捧げる『コイン』と、甘味を残す『ジュース』に込めて。)」
八雲 錐>
「(じとじとと、むせ返る暑さを伴って雨は降る。びちびちと水溜まりは雨を弾き、深さを増して溢れアスファルトの隙間にしみ出していく。ばたばたと、屋根上に溜まった水が、重みの中塊になって落ちていく。)…寮までって結構遠いんだよなあ。(校内にて、今日は図書室に寄っていった。没頭癖の悪いところだ、今日の雨は特にひどい。折り畳み傘だとかそういうものを忘れた日に限って降りだしたり、まあよくある話だ。寮までなど5分10分といったところだが、できればもう少し雨足が弱くなってから、なんて呑気にしていたら結局悪化してしまって。)はあ、どうしたもんかなあ。(考えあぐねる。こんな時間に返る人なんかなかなかいないし、時間を潰すにもゲームをダウンロードするなんて概念、彼には縁遠いものだったから、そんな類いはスマホの中に入っていない。)いつ止むかもわからない、じゃあなあ…(…そういうわけで、スマートフォンで雲の機嫌空模様までもを見られるち知らずに。スーツの中に湿気に包まれあてられそうなほどの熱と汗を含んだまま、学舎の入り口で彼は佇んでいた。)」 (5/15 00:25:58)
飯田 杏.>
(彼女はいつにも増して不機嫌であった。) 「……、」(春をやや過ぎた、梅雨にもならない狭間の時期。季節の移り変わるこの時期は、季節だって流れやすい。変化が常に起こる時期、と日常を広く捉えれば彼女の常は犯されずに済む……とはいえ、細やかな日々の変化を見過ごすのは、やっぱり少し、難しい。鞄の中に放置された折りたたみ傘は久々の役目を喜んでいるようにも思えるし、そんなこと気にもならないとすましているようにも見える。どちらにせよ、彼女にとって何より煩わしいのは、見過ごすことの出来ない変化が、彼女の生活圏を犯してきたことだ。)「_____あの。」(化学室の帰り道、普段は人が殆ど居ない学舎の入り口に、君は一人佇んでいた。だぼついたシャツは雨のせいか生来か、こころなしかしっとりと雨に濡れ、たれているようにも見えた。)(彼女が君に声をかけたのは、今がきっと、“今の日常”が始まってから初めての珍しい大雨、だったからだ。)「その、ちょっと、ちいさいかも、だけど。入る?」(彼女は変化を呪っている。日常が犯されるのをおそれ、ルーティーンを崩すことを厭う。ただの気まぐれで“誰かを傘に入れる”なんていう非日常は犯さない……の、だけど。今日はそもそも、世界に日常を犯されてしまったのだから、こんなこと、きっときっと彼女にとっては些細なこと。_____なんともならない悲劇に見舞われた人間を見捨てた、という彼女のなかの自身像を傷つける行為を厭んだだけだ、と言っても、そう変わりはないだろうけれど、それでも。)(彼女は君に、黒い、汚れの目立たなそうな折りたたみ傘を差し向けた。風に吹かれて気まぐれに服が濡れる、なんてことがないように、それは彼女の体を大きく覆う程のもの。どうせこの雨じゃあ多少は濡れる。……それなら、君を一人いれて、少し多めに濡れるくらい、“常”の範疇に収まる。……多分。) (5/15 00:51:05)
八雲 錐>
「(ざあざあ、びちびち、ばたばた。雨の音は忙しなく、汗ばむ暑さがより耳をくぐもらせて、意識を鬱屈に霧で包む。…そしてそれらを貫いた、掛けられる幼げな声に彼は振り返った。)あ、はい。(君8との出会いは、実際に他人であるから当たり前なのだが、少しだけ冗談っぽく他人行儀な敬語の返事をした。)…そうだなあ。(折り畳み傘、の大きさと、降り荒むスコールの滝を見比べながら。)…うん。折角だし、入れてもらおっかな。(相手をできる限り濡らさず歩くことはできるくらいの大きさだろう。別に一寸も濡れる気がないわけではないのだ、ただこのまま走り抜けるとなると、距離が遠すぎるというだけの話。)ありがとう。(とにもかくにも、君の中にどういった思惑があろうとも、この雨の中を濡れ雑巾のようにならず帰路につけるのは、奇跡のようなものだ。)あー…どっちが持とっか。僕は屈めるけど…高い方がいいなら持つよ。(傘を受ける身なのだから、せめてできる限り雨の脅威から君を守らねば。なんて。)」 (5/15 19:56:55)
飯田 杏>
(他人行儀の、“初めまして”らしい君の言葉に小さく眉を反応させながら、彼女はそれでも気にしない、ふりをした。初対面、はじめまして。確かに君のそれは合っていて、間違ってなど一つもない。……それでも、それは彼女にとって厭わしいものでしかなかった。)(初めましては一回目。いつだって、なんだって代入出来るnが良いのに、断定はあんまりに困るんだ。傘をもたげ、君の入れるように持ち上げながら平然と君に声をかけた。)「そう、だね。“いつも通り”、君で頼むよ」(初めましての、自分よりも幾分か屈強な男性。素性も知れず、君がどんな人間かも分からないのに、この土砂降りのなかではほぼ密室とも見紛う傘の中に入れるのは、きっとそれなりにリスキーだ。……それでも。)「じゃ、よろしく。」(彼女は君に傘を手渡し、旧知の仲の如く肩を寄せた。跳ね返る雨はひたひたと靴下を濡らし、傘の表面をひたりと伝う。柄漏した雫が君の手をしっとりと濡らすことでしょう。張られたシールには“飯田杏”と名前が刻まれ、またその先にはちいさな星形のチャームがついている。つるりとした表面には一切の傷がなく、丁寧に使われているのが分かるだろう。)「……今日の雨はまた、一段と酷いね。これじゃあ、予報の意味が無い。」(そんなことを言いながら、彼女は君に合わせて踏み出した。14歳の少女らしい小さな体躯は君とひたりと寄り添えばきっと傘の範囲からはみ出ることはないだろう。“初対面”でも“既知の級友”でも当てはまるような話題を適当に選びながら、彼女は小さくあくびをした。) (5/18 17:58:21)
八雲 錐>
「いつも…(通りって、と問おうとした。何か忘れていることがあればそれはより逆鱗に触れることとなる。忘れるようなら関係は作っていなかったはず…だが。疑念は残るばかり、しかしそれを問うにはまだ、彼から見た君には『距離』があった。)…うん。(結局、女性に対して否定をするのは何かしら憚られるような気がして、君にとってはいつも通りである道をとにかく行こうとした。手渡された傘をできる限り君に寄せながら、しかし接触が多くならないように。)こ、こちらこそよろしく…?(しかしやはり、正しい受け答えというものがわからないから、)」「(接触が多くならないように、なんて気を付けている合間に、君はもう懐へ入り込んでいた。それだけで認識が混迷して、少しばかり心が暴風に吹かれる。)ぃ…っ!?(…と、まあ。見てわかる通り彼には女性経験などありはしない。大抵のことで挫けたりはしないが、女性関係だとそうともいえないかもしれない、といった具合。相手の容姿が幼かっただけまだマシだ。)………そうだね。(息を落ち着かせる。)雨は、嫌だね。じめじめするし、濡れるし。予報外なほど嫌なことはないよ。身構える暇もないからなあ。(会話をする分には簡単だ。以前は濡れる雨も嫌いではなかったのだが、目の前で人が死ぬのを見た経験はやはり堪える。まあ今や暗くなっていてもしょうがないと、空を見上げた。)ん…へえ。(びちびちと。手も靴の中も少しばかり濡れながら歩くが、星がひとつ煌めいていた。)でも、この傘があれば、こんな空も楽しいね。(きれいな星が、小さな傘の空の上。)ふぁ…(『夜空』を見ていたものだから、)…感染っちゃった。(あくびをもうひとつ、並べた。)」 (5/18 18:23:52)
飯田 杏>
『雨は、嫌だね。じめじめするし、濡れるし。予報外なほど嫌なことはないよ。身構える暇もないからなあ。』(君の言葉に頷きながら、彼女はそっと耳を澄ます。隣にいる君は変数X、きっとだれでもいいもの。彼女は“君”を見ない。彼女は日々を見ない。この日常の縁をなぞるだけに躍起になって、彼女は臆病に目を逸らす。…………ただ、)「……、ふふ、」(それでも、ほんのちょっぴり君の反応がおかしかったから。近寄ると怯える(?)ようなそれは、彼女からしてみれば年下の男の子のうぶな様を見せられるのは、若干の嗜虐心がくすぐられていけない。雨音に滑り込ませるように笑みを零し、彼女はよろめくふりをして君にまた肩を寄り添わせる。)「雨の音は、耳を塞がれてるみたいだからね。……眠くなる、の……も、ふふ、しかたない。また感染っちゃった、ね。」(きみの言葉に返していれば、またあくびはこちらにうつる。浴槽にぎゅっと目を閉じてもぐったような、思考を暖かいものでふやかされてなでつけられたような、そんな感覚。世界に閉じ込められた、たった一点の夜空の下で、微睡むような空気が一つ。)「……あぁ、そうだ。いれてあげた礼にひとつ。お願い……もとい、約束を一つ、いいかな。」(宿舎までの道は遠いようで短い。もっとも、誰かと話す分、雨で人が少ないぶん体感ではいくらか早いけれど、それでも雨は遠近さえも狂わせるモノですから。会話が得意でない彼女は、ほんの少し満ちた静寂を誤魔化すように、そんな提案を君に持ちかけた。)「今日みたいな。“突然”に、“予報外れ”の“大雨”が降ったとき。……また、こうして帰れない、かな。」(それはきっと、君にとっては奇妙なお願い。それでも、彼女にとっては大切なもの。なんだって彼女は“変化”を恐れているのだから、変数Xがころころ変わってしまっては苦しいのだ。彼女は君を、八雲の顔をしたからのぞき込むようにして、じっと君を見つめて返事を待つ。)(彼女の取り巻く日常の縁に、どうか君を、組み込みたいのだけれど。) (5/18 18:56:38)
八雲 錐>
「ちょっと、もう…(からかわれるように笑われると、縄のように絡まったものもほどけてしまう。うざったいような言葉を出しながらも顔はちゃんとはにかんだ。寄せられる肩に、雨に濡れた金髪が雨粒の形を見せながらつやと輝き揺られる。)…もう。(半ば諦めるような様子で、彼はそんな風に素っ気なく、同じ言葉を繰り返した。照れ隠しだ。耳たぶはやはり赤くなりつつある。)じゃ、欠伸しないもんね。(怒ってるわけじゃないと示すためにか、それとも照れ隠しを隠すためか、あるいはその両方か。冗談のように拗ねる表情を見せれば、)なんて。(まあ、両方だ。また笑って見せた。)雨の夜は眠たくなっちゃうよね。湿気は怖いなあ、夜更かしさせてくれないもん。(緩んだ表情の中で、気を抜けば出てしまいそうな欠伸は、やはりあくまで抑えて。)びしょ濡れのまま家に帰ったら、風邪もひいちゃうだろうし。…きっとまた、折り畳み傘も忘れちゃうだろうなあ。(微睡みの中、君に語りかけるような独り言。)」「…だからいいよ。(そして、独り言は君に語りかけ、少しばかり微睡みを破るだろう。)その約束、受けてしんぜよう。(けれどしかしまっすぐに受けとるにはやっぱり恥ずかしくて、ふざけた受け答えで。それでも、大事なそれを受けとる意思は強くあって。)…あ。(…そんな風に肩を寄せあって話していれば、時はすぐに過ぎ去った。ばたばた、と、寮の屋根に雨の跳ねる音。)ありがとうね。助かったよ。(別れの予感に、傘を君に手渡し返す。)助かったついでに。僕の名前は、八雲 錐って言うんだ。(名乗りを共に引っ提げて。)傘から名前見えちゃったから。僕も教えないとなって。(きれいな星に指を差して、公平性の説明なんかしつつ。)じゃあ。また、こんな雨の日に会おうね。(そして彼は、別れの挨拶に手を振った。)飯田さん。」 (5/18 19:52:53)
飯田 杏.>
(ぽつり、ぽつり。君の話す言葉は、柔らかい霧雨の日に溢れる露草の雫の様に、穏やかで甘い。晴れの日ならきっと柔らかく受け止めて、その温度に浸るのでしょうけれど、こんな大雨じゃあ、君はまるで荒野に落ちたひな鳥のようで。)「ふふ、助かるよ、少年。」(ふざけて返す君に合わせ、ほんの少しふざけながら笑って見せる。正面から顔をのぞき込むことなどしないから、彼女は君の横顔しか知り得ない。大雨、冷たく濡れる靴下、黒い折りたたみ傘、肩の温度、それからちいさな星も添えて。君の形をそれらと丁寧に縫い合わせ、彼女は一つの日常の形をなぞっていく。こんなのがどうか、変わりませんように、なんて。大事に大事に記憶の引き出しに押し込めて、見え始めた屋根への足取りを確かめる。)(いっぽ、にほ、さんほ。)『ありがとうね。助かったよ。』(それから、)『僕の名前は、』(なんて。予期していなかった君のその回答に目をぱちくりとひとつ瞬かせ、それから一つ、小さな笑いを零したでしょう。)「____うん。じゃあ、またね。八雲くん。」(変わらない日常を締めくくるように、彼女は、初めての定型文を口にして手を振った。手持ちにのこるじんわりした君の体温を確かめながら、どうかこれも、消えなければ良いと願いながら。) (5/18 20:41:00)
彎蜿 一>
─(コード専門学校に通う生徒は数多くいる。その中で才のある者こそ限られているが、母数が多ければ多いほど才のある者を見つける確率も高くなるのだから世界にとってこれは嬉しいことだろう。そんな数多くいる生徒の中で彼は劣等生だと自称していた。左腕は幼い頃に無くなり、運動は人並みに出来れこそ、“ヒーロー“になんてなれやしない。突然力を授かって皆から歓声を受ける“ヒーロー”なんて夢物語だと。)「…君、さっきから凄いね。僕が来るよりも先に走り込んでて、僕よりも走ってる。まるで疲れ知らずだ。……羨ましいな。」(ふと、校庭を走り込んでいた君に声がかかることだろう。それは、君が定めた目標の回数を走り終わった時。君よりも後に来て、君よりも走る回数が少なかった彼は、ずっと君を見つめていた。─仮面をつけているから、本当に見つめていたかは分からないけれど、─少なくとも、見ていたことには変わりない。ひどく穏やかに掛けられた、それでいてほんの少しの羨みを滲ませたその言葉に、君は何を感じるだろうか。)>八雲 (5/15 19:50:08)
八雲 錐>
「…ふっ。(一息。)はっ…あぁーっはあっ、ぜぇ、っ…(では、ない。吐く息は止まらず、呼吸器が悲鳴をあげてしまいそうなほどに働く。鼓動は強く早く、彼の訓練がどれほどまでに鋭く磨くものであるかを示しているかのようだ。)あぁ…(だがその、限界に限りなく近い体は、それでも膝を着くことはなく鬼気迫る表情を崩すことはなく。)すごく、ないよ。…はっ…『ヒーロー』を、保つためだもの…(弱々しくたどたどしい声に、呼吸が含まれる。しかしその覇気は全く衰えることはない。それが単純な感嘆や感想だろうが、ひねくれた妬みだとか皮肉だろうが、表情が見えないとしてもなにも関係はない。それだけのことを憂いている余裕もない。)体力は、ないよ。…ふ、ギリギリで、走ってるだけだしね。っはああーーーっ………(最後に大きく呼吸をすれば、)…よし。何もないから、死ぬ気で頑張ってるだけの話だから。(気合いを入れてもう激しい運動の余波を見せず。)でもありがとう。頑張ってるのを誉められるのは、うれしいよ。(余裕もないから、良く受け取るのが彼の『保ち方』である。)」 (5/15 20:30:10)
彎蜿 一>
「へぇ、君はヒーローに憧れてるんだ。」(【洞察】─ 確かに君は嘘をついていない。君は君なりに、君の中のヒーローに近づこうと努力をしている。)「どんなヒーローに憧れているの?戦隊モノ?それとも魔法とかを使う?小説の中に出てくるようなもの?教えて、君のこと。」(仮面越しではあるが、彼はどうやら君に興味を持ったらしい。そして、君のことを知りたがっている。)「……ああ、そうだ。名乗りもせずにこんなことを聞くのは失礼だったね。僕の名前は“はじめ”。この学園に所属する、3年だよ。──君の、名前は?」>八雲 (5/15 20:46:11)
八雲 錐>
「…すごい聞いてくるね。(表情が見えないのは厄介なものだ。君がどういう感情でそれを問うているのかわからないから、少しひるんだ。)まあ、興味を持ってくれてるのは嬉しいけどね。(とはいえ、悪い感情ではない…とは、思う。名乗りをあげたり、彼なりに礼節を弁えているから、まあ悪く言われたりなんてことはないだろう。表情が見えないのは厄介だが、見えないなりにその辺りはある意味、信用できる。)僕の名前はキリ。ヤクモ キリ。八の雲に、道具の錐で、八雲 錐。(『口上』は大抵、高らかに名乗りを上げてから。夢を語るに憧れを示すに、英雄には名が必要だ。)憧れてきたのは、変身ヒーローだよ。自分の体とスーツで、恐れずにぶつかり合って戦ったり、挫けずに立ち上がっていったり。(彼らの名乗る名が、語り示す名が、とても。)僕にはそれが『かっこよかった』から。(単純な理由だ。だが、かっこよさは『演出を愛する』に十分だった。人を守るために戦う。ただそれだけ、それこそが、憧れだ。)もちろんどんなヒーローも『かっこいい』けどね。(それが彼の、憧れだ。)」 (5/15 21:16:09)
彎蜿 一>
「八雲 錐…きり、錐、ね。」(彼は君の名前を口の中で、まるで飴玉のように、転がすように何度か呼んで、よろしくね、と告げた。君が名乗ったことによって、─【演技】彼の雰囲気は幾分か柔らかくなったように感じられるだろう。)「いいね、男の子ならきっと最初に見て、最初に憧れる永遠のヒーローだ。どんなヒーローだってカッコイイけれど、一番最初にヒーローって言われて思い浮かぶのは確かにそう言ったヒーローだしね。とても良いと思う。」(【洞察】彼は君を観察するように、じっと画面越しに見つめている。)「──錐が“どんな”ヒーローに憧れているかは分かった。次に教えてほしいな、そのヒーローの“どの部分”が一番カッコイイって思ったの?さっき言ってたのは“憧れていた”部分でしょ?」>八雲 (5/15 21:27:13)
八雲 錐>
「うん。よろしく。(告げられる言葉が少し柔らかくなったものだから、こちらも少しほどけた態度になる。危機にはなんとはなしに勘づくし、見抜くことはできなくとも簡単に騙されるほど馬鹿ではない。だが『完璧な演技』や『完璧な欺瞞』を勘づくほどには、さすがに鋭くない。)一番かっこいい部分か…そうだなあ。(第2問は、『どんな』ではなく『どこに』。シーンの内容を事細かに説明することができるくらいには『勉強』しているが、きっとそれではないだろう。)やっぱり、大事なものがかかってる時が一番かっこいいと思う。彼らの信念が一番出るし。(それでも彼らは、どれを語ればいいのか迷うほどに、かっこいいヒーローだ。)それと敵の善悪がつけられないときとか。いろんな葛藤があって、でも、最後には自分自身が決めて、その答えで終わらせる。折れても挫けないヒーローが、僕は大好きだから。(だからこその、『指標』なのである。)…ちょっと語りすぎたかな。(彼は演出を愛している。『ヒーロー』、を愛している。彼らが彼らであることを愛している。)」 (5/16 18:29:36)
彎蜿 一>
「─なるほどね。」(彼は君の語るヒーローの好き部分について静かに聞いていた。そして君が語り終えた頃、ようやく一言、頷いた。)「つまり錐にとってヒーローは、葛藤しながらも決して折れない、信念の塊…みたいな感じなのかな?」(ひたすらに、真っ直ぐに。眩しいほどに。─君が描き、憧れるヒーローは輝いている。)「僕にも、昔憧れていたヒーローがいるんだけど……成長するに連れて僕には成れないって諦めちゃったから。だから、─── 」(──輝いているからこそ、)「─僕の代わりに、ずっとヒーローを目指していて欲しいな。それくらい、錐は眩しく見えるから」(【演技】仮面越しだけれど、彼は確かに君に向かって微笑んでいるように思えた。)「…なんて、今日会ったばっかりなのにちょっと重いかな、ごめんね。」(────【真実】いつか、君の心が折れる日を待ち望んで。)>八雲 (5/16 18:41:46)
八雲 錐>
「待って。(眩しく見えるからだなんて、君はどうして遠くにあるものを見つめるように言うのだろう。真実を知らず、君の言葉がまっすぐにあるものだと、その笑顔に騙されてしまっているから。)…ごめん。ちょっと質問したいんだ。次は僕が、聞きたいことがある。(なれないとそう思ったそれまでも、嘘であるのだろうか。『君の演技』は精密にできたもので、それさえももはや『誰も』知らない。舞台の上の誰もかも、そして『客』も誰もかも。)…言うまでもなく僕はヒーローを目指すし、君の眩しい姿に成れるのはいいんだけどさ。(その内の1人は、君の諦観に触れようとした。)それって、今からでも間に合わないのかな。(『憧れてきたもの』として、成れない苦痛は知っているつもりだ。小さな、小さなころから死ぬ気でやって、それでもやっと入学にこぎつけるくらいにしかならなかったから。)そもそも、なんで今ここにいるの?…ここにいるなら、まだ諦めるには早いよ。絶対。(だから。君が夢を、ただ届かないものとして見続けているなら、彼がその努力の上でほとんど怒るように君に呼び掛けるのに、理由は十分だろう。)」 (5/16 19:06:40)
彎蜿 一>
「なんでここにいるの、かぁ…。」(真実は言えない。当たり前だ。だって、自分の本音を言えば大抵引かれてしまうから。)「…行く場所が、ここにしかない、からかな。昔は孤児院暮らしだったんだけどね、こんな身なりだからかあんまり周りの子達とも仲良くなれなくて。…だから、逃げるようにここに来たんだ。ここにくれば、何かが変わるかもしれないって淡い期待を抱いてね。だから…錐が思っているような返答じゃなくて悪いんだけれど…僕がここにいる理由はヒーローになるためじゃなくて、居場所が欲しかったんだ。誰にも、迫害されない場所が。」(【演技】自分すら騙すように、少しだけ悲観を孕ませて。風に靡く、何もない空白の左腕に視線を少しだけやって。君の期待に沿うような答えではないけれど、“ヒーロー”を目指す心優しい君ならば、きっと欲しい答えをくれるはず。)>八雲 (5/16 19:15:07)
八雲 錐>
「そっか。(きっと君の欲しい答えの通りに、彼は答えただろうか。)大丈夫。ごめんね、不躾なこと聞いちゃった。(答えるだろうか。)…(それが予想通りであろうとなかろうと、君の欺瞞に気付こうが気付くまいが、答えは彼が決める。彼自身が言ったように、『彼らが彼らであること』を愛しているように、自分自身もそうあろう、と。)でも。(しかし彼は、『諦めないこと』に才があった。)諦めてても、君はここを合格したんだろ。…じゃあ、つまり才能があるってことだ。(しかし君は、間違いなく彼よりも『才』があった。)僕が君を守る。だから、君は僕の背中を見ていてくれ。(なにもかも死ぬ気でやってやっとの入学で、彼には君のことが妬ましく思えてしまう、くらいのことだ。だがそれでも彼はがむしゃらに鍛え続けている。彼にはそれしかなかったから、けれどそれでも、と、立ち上がり続けて来た。)」
「僕の『背中』に、憧れさせてやる。」
「なんて、ちょっと大袈裟かな。(だから、忘れてしまったものを、君なら取り出すことはそう難しくないだろう?何が嘘かは、やはり彼には見抜けないが。)…あ。(そして最後には、何かに気付いたかのように、『変身アイテム』の、3次元的に回転するトゥールビヨン腕時計を確認して。)そろそろ、次のトレーニングの時間だ。(足を、動かして。)また会おうね。(次の出会いの、予感を残した。)」 (5/16 20:06:32)
トランス・オーウィ>
「(水泳は全身を鍛えるのに最も最適なスポーツ、と言えよう。ちらちらと夏の陽光を弾き返し、波が水面に模様を作る。今日は珍しい晴天であった。)はっ(体のバランスは格闘技において重要な要素の1つだ。頭の前で揃えた両腕を大きく後ろへと一気にかき顔を上げれば、四方八方から襲いかかる水の重みを感じながらも息を吐く。回す腕に跳ねる水滴が少し顔にかかった。)すぅっ(そして上体が重力に負ける前に息を肺へと一気に送り込みながら、両腕を戻しつつ頭はまた沈む。同じく揃えられた両脚が、水中で彼の体を操るのだ。)はっ(浮き上がる力を利用し顔を上げれば、また同じことを繰り返す。)すぅっ(バタフライ。最も運動量の多い泳ぎ方、それを50m、目標タイムは43秒。何度も何度も、体力と根性が尽きるまで何周もするのが、彼のトレーニングコースだ。あくまで競技のためではないということもありセンスはないが、長年積み重ねてきた泳ぎは、ある意味で洗練されているだろう。鼻から息を吹きながら水中で前転、そしてすぐ半周錐揉み回転をしながら壁を蹴って水中をロケットのように突き進んで。)」「ッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ………そろそろ、休憩かな。(今日は休日。水泳は著しく体力を消耗するために、朝のうちである方が全てを出しやすい。だから、水泳をするのは休日のみ、それも土曜日の朝と決めている。)あぁ…ハァッ…や、ウタくん。フウゥーーーッ………また、1週間ぶり。今の、ハァ、結構いい感じだったでしょ。どう?(変身はしていないが、ベルトに時計は挿さっている。軍手は、ストップウォッチを正確に止めていた。…タイムは、43.11。)でもやっぱり、壁はあるなあ…(十分早い程度ではあるが、目標タイムの更新、には至らず、色々と思案しながら43.11を眺めていた。)」 (5/23 21:46:42)
水沫 泡>
(ジリジリと肌を焼く日差しに反射した煌めきが眩しい。プールサイド、彼は飛び込み台の傍に裸足で腰掛けていた。彼の目線の先にはプールいっぱいに敷き詰められた宝石の中を、激しく飛ぶように泳ぐ人がいる。<バタフライ>文字通り飛翔するようなその泳ぎ方は芸術にすら近いと思えた。両腕をあげる度に弧を描く水飛沫達が、彼に翼を与えたように輝く。トランス・オーウィ、本名は八雲 錐だと教えてくれた。彼が毎週土曜の朝にここへ来る事を知ったのは、それなりに前の事だ。山ほどの水が貯められたプールをどうやらクラウドが気に入ったようで、ディスコードを与えられて以降彼はよくここへ遊びに来ていた。かと言って泳ぐわけでも無ければ少し能力を試すくらいなのだが……。毎日のようにプールサイドへ散歩をしに来ていたせいで君と出会った。バシャバシャと激しい音を立てて泳ぐ君を見て、最初の頃眺めているだけだった。しかし一生懸命に練習する君を見て彼も泳ぎに興味を持つと同時に、声をかけたのだ。その頃はもっと不格好な泳ぎだった気がする。今ではフォームも洗練されタイムも縮まっていた。(目の前でカチリと止められたタイマーを彼は覗き込む。そのタイムに"おぉ"なんて感嘆をもらせば、水の中から顔を出した君に笑いかけた。)「うん、すごく良かった。泳ぎも綺麗で、何だかタイムが安定してきたんじゃない?」(陸と水中ではあるが、タイムを競うという点では彼も共感できる部分があるのだろう。0.1秒の壁がとてつもなく高く、分厚いということを彼らよく知っている。その一瞬のために、こうして鍛錬を積み上げていくことがどれだけ大変かもよく知っている。)「あ、ほら。水分補給して?君ずっと泳ぎっぱなしだから」(そう言って側まで持ってきたスポーツドリンクの容器を君に手渡す。冷たい水に冷やされるせいで汗に気がつけないのは水泳の危ないところだ。練習に熱中する君に、彼は少し休むようにと促すだろう。) (5/23 22:14:45)
トランス・オーウィ>
「(水中から陸に上がれば、そのストイックに計画的に鍛え上げられた肉体が露になる。水に濡れる白い肌と、その下の細く鋭い筋肉だ。プールサイドに両手を突き出して、浮力に支えられる体を勢いのまま持ち上げ、左右ずつ足も上げる。その度、腕の一筋がねじられ膨らみ力量を示した。腹筋あたりも連動するだろう。)別に水泳選手目指してるわけでもないけど、でもやっぱり目標達成できないとちょっとがっかりしちゃうな~。泳ぎ自体は悪くないってことだよね、ウタくんから見ても。(最初と比べれば、本当ずいぶんとマシになったものである。彼はカナヅチだった。泳ごうとしても沈んでいくし、浮けるようになっても呼吸が難しくてなかなかう_まく行かなかった。)いっそ、ちょっと目標の方向性変えてみるかなあ。水の流れを掴む!みたいな。やってるつもりなんだけどね。(君が見に来た頃にははちゃめちゃにひどいということはなかっただろう。⁵そこからの成長は遅くはなくむしろ早かったが、駆け上がりすぎたのだろうか。『43秒』は限界を示していた。)「とりあえず、そうだね。飲まないと。(汗が洗い流され続け、楽しかったと教室に戻ると体は眠くなる。水泳の消耗は侮れないものだ。)ありがと。(ドリンクを受け取って、口に含み、流れた汗の水分と塩分をチャージした。)特に最近はだけど、倒れかけるの結構多くなってきてるし気を付けないとなあ。(夏。侮れないものだ、5月とて湿気にじめじめと暑く、これからまたどんどんと順当に暑さが上がってくるだろう。が何より、ヒーロー活動によるものもある。)やっぱりどこかでリフレッシュの時間とらないといけないのかな…(勉学、ヒーロー鍛練。両立するのはなかなか難しい。立てた3本指を長目に見ながら、未だ思案を続けていた。)」 (5/23 23:05:45)
水沫 泡>
「はは、俺は水泳さっぱり分からないけどね。でもオーウィ君の泳ぎはすごく綺麗だなって思うよ。実際タイムも早いし、筋肉もメキメキついていってるし」(彼は君のことを任務で知った。だからだろう、後から知った名前ではなくついついヒーロー名の方で呼んでしまう。彼は青空にも負けないカラリとした笑顔を浮かべると、君の身体つきを見ていいなぁ、なんて口にした。やっぱり競技によって筋肉の付き方は変わってくる。細身で筋肉の付きにくい自分と比べ、君はそれこそヒーローらしくなってきた。それは体つきだけでなく心構えや鍛錬にも現れ始めていて、なんとなくただの学生から遠ざかっていくような、自分自身との差が開いていくような気もして寂しい。風が吹けばひんやりとした塩素の香りが頬を撫でる。その独特の匂いがどこか心地よくて、彼は飛び回るクラウドを遠目に微笑む。)「ほんとに、大変だよ。みんながヒーロー、ヒーローって待ってる。俺たちは平和のための象徴みたいなもんなんだろうね」(勉強、鍛錬。彼らが背負うのはそれだけじゃない。ヒーローとしての責任感、重圧、プレッシャー。それから人の命だ。一般人にはない特別な力を与えられたのが、どうしてこんなに学生だったんだろうと今でも考えることがある。)「俺はここに来るのがリフレッシュ…?になってるのかな。オーウィ君は何か気分転換になることとか、場所とか……あったりする?」(彼は足先で水を遊ばせる。ひんやりとした感触が心地よい。特にわけもなく君に問いかけるのは、ただの雑談だ。こうやってのんびりお話する時間も、きっとリフレッシュの内だ。) (5/23 23:22:01)
トランス・オーウィ>
「(『オーウィ君』。と呼ばれると、手を振るのは彼ではなく時計を渡した2つの手の、持たない方だ。)二人ならもっと早いよ。その分疲れるのも早いけどね。(君の呼び名に反応するのは二人。笑いながら、『オーウィ』の手振りと同時に。まあ、二人でトランス・オーウィだ。一心同体、そう呼ばれて二人がかりで応じるのも悪くはない。きっとその、呼び名を受け入れるのも、一心同体を受け入れるのも、『生徒』と『ヒーロー』を二分にするものなのだろうが。)まあ、週に一回だとここまで来るのにも結構かかったけどね。(努力は呪いのようなものだ。本人には喜ぶべきことであり、同時に他者から遠ざかることでもある。恐るべき努力が生むものは、大衆からの孤独な強さなのだろう。)他のトレーニングもしてる分ちょっとは早かったのかもしれないけど…(彼はオーウィとの絆を深め、ヒーローである自らを愛し、だからこそ君は哀しむのだろう。)死ぬ気で這い上がってきたかいがあった。(努力とは、呪いのようなものだ。)」「…でも、そうだね。学生の身には厳しいことばかりだ。みんながみんな、ヒーローになる気だった訳じゃない。(しかし、呪いをより顕著にする任務と力に努力は上塗りされている。)かく言う僕も、1日中鍛えるの休んじゃうときがあるくらいだし。(努力するよりも、ある意味より鍛えられることではあるが。)休んでるときは、リフレッシュ…とは、またちょっと違うかもしれないけど、ためといた特撮一気に見てるんだ。(演出を愛す彼は憧れたものになり、そうあり続けるに全てを使っている。特撮自体は元より好んで見ていたが。)最近は、誰かと話すのも楽しいなって思えてきたよ。(彼は孤独だ。だが何かを愛す心がある。…そう、それでも彼は、君と同じ『ヒト』だった。)」 (5/25 17:03:11)
水沫 泡>
「特撮かぁ、俺も小さい頃よく見てたな」(特撮を溜め込んで、空いた時間に一気見する。すごく君らしいなと思えて何故か笑ってしまった。自分と同じ学生なのに、ディスコードとの相性も、ヒーローとしての素質も、こうやって努力を重ねることができるのも。君はとても"ヒーローに向いている"と思った。同じ学生、同じヒト、同じヒーローを目指す者なのに。自分の周りの人はみんなヒーローらしい。ハチロク、エレナ、それからオーウィ君。ヒーローに焦がれ、ヒーローになりたいと望み、なるべくしてここに立っている。そんな人達ばかりが自分の周りにはいる気がする。自分は君たちと肩を並べて歩いているのではなく、その大きな背中を懸命に追いかけているような気分でいる。遠くから眩しい君たちを眺めて、羨ましいと思っている。そんな自分がヒーローには向いていないと、かれはちょっと、いやかなり悩んでいるのかもしれない。)「こんなこと急に聞くのはおかしいと思うんだけどさ、」(彼は君の話を聞いて一息置いてから、改まったように君に問いかけた)「オーウィ君はヒーローとして死んでもいい……みたいな覚悟ってある?」(それはすごくデリケートな質問で、彼は真剣な声でそう聞いた後にヘラりと笑い続ける)「……ほら、特撮とかアニメとかだと、ヒーローって負けちゃう人もいくらかいるわけで。」「もし、自分が主人公みたいにはなれなくて死んでしまうとしたら、」「オーウィ君は、それでもヒーローを続ける?」(例え話だよ、そんな冗談を交えたが_______それは予感だった。自分がヒーローらしい性格や素質を持っていないとか、周りみたいにすごく芯があるだとか、そういう悩みもあるけれど。これは、自分がいつかヒーローになる前に死んでしまうのではないかという予感だった。言いようのない不安が、霞のように目の前を覆っている。それを君なら、どう感じるか。少し気になったんだ) (5/25 17:21:28)
トランス・オーウィ>
「…今見てみても、面白いんじゃないかな。特撮。(君の質問を答えるより先に、彼は語った。)子供の頃は気づけないけどさ。日曜朝にも人は死ぬんだ。(日曜の朝、最後の休日。遊びつくそうとする人もいれば家で転がっていたい人もいるだろう。テレビをつければ、演技で死亡する『キャラクター』の姿や死者を示すニュースが流れ出す。)いつのまにか、いなくなってるんだ。子供の目だとそう映るけど。(両親が『ニュースに取り上げられた』のは日曜朝ではなかったが、ヒーローというものが呆気なく消えてなくなったあの日は、『憧れた人』が、『守りたかった人』が消えた日だ。何もかもがどうでもよくなるくらい、痛んだ。)死んでしまったんだな。悲しいなあって、大人になる度に命が消えることの悲しさがわかってくるから。(『だからヒーローになった。』)ヒーローたちの感情がわかってくるから。(なぜ守るのか?なぜ戦うのか?自分が、誰かが、悲しんでほしくない。それがわかってしまった。)…『強くてかっこいい』。っていうのは変わんないけど、姿よりも心が好きになるんだ。(彼が憧れるのは、多くの死を危険から守るため命を張るヒーローだった。)」「…僕はきっと、結局は死んででも守りたくなっちゃうと思う。(答えた。)もちろん、できる限りのことはするよ。僕が死ぬのを悲しんじゃう、心優しい人だっているだろうし。(17歳、まだまだ若いが、その命を投げ捨てられるほど。否、投げ捨てねば気が済まないほどに彼は、悲しみを嫌う。)僕はするよ。そんなヒーロー。(だが。)…ねえ、君はなんでこんな質問するの?(君がむやみやたらに人を傷つける可能性があってでも、好奇心のままに説明する人じゃないのは知っている。付き合いは短くないもの。)もしも参考にしようって思ってるのなら。君が僕みたいである必要なんてないよ。(彼は君の質問に疑問も嫌悪も抱かず、1つ、彼なりの結論を伝えた。)逃げたっていいんだし。(伝えただけだ。)…僕には別に逃げた人を恨む道理もない。それが当たり前のことだと思えるんだ。(彼はヒーローにならなければいけなかった。ヒーローになりたい、という真っ直ぐな目的ではない。段階を踏み越えてでも、ならなければいけなかったのだ。)」「そのために僕が。僕たちがいるんだから。(その振る舞いを教えてくれる人なんて、今やほとんどいない。それでも死にかけながら戦い続ける、その方がおかしくて、彼は自分がおかしくていいと思いきっている。)…なりたい自分になるのが、本当は一番のはずだ。(君の憧れはどこにある?あっちもこっちもわからないのだからにっちもさっちもいくまい。)君はどうなりたい?今すぐにとは言わないから。ちょっと考えみてよ。(君がどうあるべきかは、君に、ゆっくりと委ねた。)」 (5/25 18:26:27)
水沫 泡>
『日曜朝にも人は死ぬんだ。』(君の言葉になにか気が付かされたように、遠くを見ていた彼は君の方を見た。死は思ったよりも近くて、生きることのそばに居て、楽しいことと隣り合わせで。いつ訪れたっておかしくないそれは、神様のイタズラでその時が決まってしまう。世界のどこかで今も人が死んでいる。それが単に大切な人でなかっと言うだけで。毎日誰かが死んで、いつの間にかいなくなってる。君が言ったことはどれも当たり前だった。だったのに、何故かその言葉は彼を突き刺して離さなかった。君はその一つ一つをすくい上げて、あわよくば救おうとするヒーローの心に惹かれて、そんなヒーローになろうとしている。君ならきっと、赤の他人だって命懸けで守るだろうし、命を犠牲にしても平和を掴もうとするだろう。そんなヒーローになるんだろう。"あの日"の彼らみたいになるんだろう。___じゃあ、……じゃあ、君みたいなヒーローのことを。いったい誰が救ってくれるのだろうか。誰が弔ってくれるのだろう。ヒーローよ、平和をありがとうと、そう称えて。いったい何人の人がその死を悲しんでくれるんだろう。花をたむけるのは、墓の前で泣いてくれるのは。いったい、_____「俺は、逃げて、逃げて、……ここに来た。」「命をかけても誰かを救えてしまう人が理解できなかったんだ……」(ヒーローも。母さんも。みんな命をかけてしまった。彼はきっと、君と同じように、そんな存在に焦がれていた。)「俺の大切な人達は、みんなヒーローみたいにかっこいいんだ。そうやって、命を燃やすみたいに人を救う。」「……なのにみんな、燃えてることに気が付かないんだ。傷ついたり、もしかしたら死んでしまうかもしれない事とか」(ぽつ、ぽつと、まるで小雨が振るように壁は言葉をこぼしていった。天気は快晴。なのに彼の言葉は曇り空。)「俺は……世界か、友達かっていわれたら、多分友達を選んじゃうような弱い人だよ」「でも、だから……俺は、なれるなら。
「ヒーローを救うヒーローになりたい。」
(逃げたって良い、君のその言葉は優しかったが、残酷だった。彼はそれを聞いて、""あぁ、逃げたくないんだな""なんて気がついてしまったから。世界よりも、自分よりも、大切な人を友達を、多分彼は選べてしまう。) (5/25 18:50:36)
トランス・オーウィ>
「(彼は小さな一言で返した。今日は汗ばむ暑い日だ。白く遠く遠くへ、家やらビルやらの地平線に地続いた大きな夏雲が浮かぶ青い空に、太陽も頂点まで登っていて、暗く沈むにはまだまだ早い。君の言葉を迎え入れるにはいい日だった。)そっか。(突然の雨に襲われたかのように彼の姿は水も滴り、けれど柔らかく微笑みを浮かべていた。君は、ゆらゆらと燃やされながら消えて行く魂が恐ろしいと言う。自らを削る者を、救いたいと言う。1つの言葉は黒く染まる。君が『見つけた』ことが嬉しかった逃げなかったことに驚いた。そして強い意思を込めた言葉に、君自身が呑まれないか。心配事は尽きなかった。)…ねえ。お昼、一緒に食べに行かない?(けれどそれでも。たったそれだけでも、君が歩む勇気を見せたから。彼もちょっとだけ、勇気を見せてみた。)」 (5/25 19:54:40)
日満寺 虹架>
「って事はだよ?結局堅茹でライダー・アルデンテも、君の好きなライダーも、足技がオオトリな訳で、キックボクシングの真髄は軸足にあるわけだから、体重を乗せた蹴りを出すには、こう、脱力と重力を最大限に活かして~…」(互いにヒーロー衣装を着込んだヒーロー好きの両名は自動車の耐久テストやら安全テストやらで使われるダミー人形を立たせた訓練所にてヒーロー談義と戦術談義をしていた。互いの衣装のモチーフにライダーは大きく影響を与えている。他のヒーロー達よりもそれが顕著に出ているのは恐らくこの二人だろう。君程凝る事が出来なかったのは実用性重視であるのと、全ての装備を市販品を分解したパーツで自作したからに過ぎない。出来る事ならメカニカルアーマーにしたかったのだ、パワードスーツにしたかったのだ。けれど、何しろ予算が足りなかった。どうせ作るならしっかりと機能美に力を入れたかった。しかし、きっと互いの根底にあるのは同じ、“ヒーロー”としての在り方だろう。)「助走ッ!」(彼女は君の得意とする格闘技を最大限に活かしたヒロイックフォームを脳内で構築しながら、ダミー人形に向かって走り出す。)「此処でオーウィくんによって足場に成る様な何かをばら撒いて浮上する足場が作れたら更に良しっ!」(助走の間に説明し切る為にやや早口になりながら、自分の能力を展開し自身のブーツを急激な温度差による爆発で自分ごと吹き飛ばし空中で自身の身体の中心軸を定めながら旋回して、ダミー人形に目掛けて彼女の身体が降る。そして、)「旋回移動速度体重筋力落下加速度熱差爆発武装キィイィィイイイイイックッッッ!!!!!」(彼女が早口で唱えた旋回力と、助走による移動速度と、体重と、足を振り抜く筋力と、落下加速度と、更に脚部の着弾時に地面を蹴った時の爆発を再度発生させて威力を更に増強したキックをダミー人形の顔面に打ち込みダミーの頭部から身体までぐしゃりと叩き潰されるようにスクラップになり、訓練所の地面にダミーだったスクラップの破片がめり込むだろう。) (5/26 14:15:41)
八雲 錐>
「なるほど…ライダーキックと言えば高さだもんね。それに軸を合わせるなら、やっぱり回転か…(The bee's knees。蜂のように刺すもの。白いベースカラーに黄色と近い色でアクセントを利かせサイバーな様相を見せている。どちらかと言えばモダンなライダー。先ほど言った、アルデンテに近いだろう。)派手なのもいいけど、コンパクトにしてみても味があっていいんじゃないかな。(レディ・アント・スーツ。蟻のように闘うもの。黒いボディスーツに灰色黄眼のヘルムを被り、甲殻を身につけ、腕脚では『O・u・i』を模している。どちらかと言えば懐古的なライダー。原初たる『ザ・ライダー』に近いだろう。)相棒。(蹴り技の競技としてメジャーであるキックボクシングに、それは着目していた。彼もそれに感銘を受けた一人である。相棒、なんて渋い呼び方も型につく。)出番だ、(彼がそう呼び声を上げると、3対の手袋が体の右側にしがみついた。)行くよ。!(後ろ回し蹴りの体勢。最もシンプルに一撃必殺である、キックボクシング最大の奥義だ。その分、動かす箇所は多い。体重の移動を行い最大まで研ぎ澄ました蹴りを決める。これだけでも十分なダメージだが…)」「(蹴り始めに、彼の体が横向きになって飛ぶ。)」「(実際には、オーウィに持ち上げられただけではある。しかし持ち上げられた体から手袋は退散し、もう一度彼の体は回転を始める。ダミー人形の真上、猶予は1mほど。)おゥらッ!(その小さな猶予で2度も素早く回転しながら、踵はしっかり脳天を撃ち抜く。キックボクシングは、どちらかと言えば弱点を確かに壊す。全ての技が一撃必殺だ。めり込む踵を置いて落ちる胴体は、しっかりと彼の右腕に支えられ、バック転するように体勢を戻される。)んんー。でも、これなら相手の動きが遅くて強いときは高さがある方がいいかも。早い相手には避けられづらいけど、避けなくてもいい相手にはあんまりよくないな…(原型は留めている。…ものの、頭の頂点に穴が空き、その跡はぴったり踵を型どっていた。心なしかダミーが膨らんでいるように感じるだろう。形が歪んでいるのだ。実際、一回り丸くなって、ところどころ亀裂も入っている。)必殺技の定番なのに、ジャンプとキックを合わせるのって思ったよりも奥深いなあ。重力のお陰で威力は間違いなく倍増するし、その分いろんな蹴り方の幅が増えるし…(そうして彼はその威力に、感動しながら更なるロマンを感じるのであった。)」 (5/26 15:19:40)
日満寺 虹架>
「でもまあ、実践向きじゃないのはネックだよねえ。キックボクシングもミドルで機動性を奪ってからのハイキックでダウン狙い、だから~… あのさ、ダミーくんの中を刳り貫いたらオーウィくんで動かせない?より実践的なライダーキックを研究した方が良いと思うんだあ。」(確かにジャンプとキックを合わせるのはロマンだし、威力も大きいが、相手に避けられるという大きな欠点がある。空中で身動きが取れなければ軌道修正も難しい、躰道では空中の軌道修正と咄嗟に避けた相手に引っ掛ける様に刈り取る足捌きもあるがキックボクシングで滞空足技があるなんて聞いたことが無い。そもそも、どうしてこの二人が此処に居るのか、それは、大きく遡る事約3時間前、好きなヒーロー談義で君が特撮ヒーローの名前を出した時に意気投合し2人のライダーが合わせ技で閉める回がどの放送されたバックナンバーよりも最高だったという話から、同じルーツ同士で何か合わせ技が出来ないか、という話だったわけで。)「やっぱり威力とロマンを求めるなら錐くんのキックを大いに活かしたいからまずは、フォーメーション A(nt) から決めたいなあ。」(彼女は持ってきたスケッチブックに君がオーウィを活用して滞空技を打ちやすくできるサポート用の装備を考える。スタイリッシュな円盤型、内部に人間が手を入れられるスペースを作るか単純に盾の様な装備品にして、それから、懐から出して投げる時に自動で展開する機構を設ければ大量に携帯していても機能的に問題は無い。身体能力が上昇するオーウィの能力があろうとも、容量を浪費する事を避けるなら発現の力だけで出来る事を増やす事はかなり有効になるだろう。) (5/26 15:51:09)
八雲 錐>
「そうだなあ。くり貫かなくても手足でパーツが別れてるから一応できる、けど…(もはや準備万端、といった様子で控えのダミーくんは手を振っている。)痛くないの?(振られる手は次に親指を上に立ててグッドサインを示した。大丈夫そうだ。顔はのっぺりしているが、堂々とした様子にはどこか頼もしさを感じるだろう。)…まあ幽霊みたいなもんだし、そりゃそうか。(彼とて演出を愛すものだ、協力的である。むしろ、仁王立ちして待ち構える様相を見せている。)うん。頑張って立ち合ってくれるみたいだし、とりあえず、やりつつ考えるしかないね…(ロマン砲。いくら力量があっても、『一般人』に避けられるような素早さでは振るう意味もない。反撃を食らうだけだ。ライダーになるには、完全に再現するとなるとなかなか難しいものである。合わせ技となると更に、だ。)実用性と派手さ、かあ…(2人横に並んで、鋭い入射角で蹴り抜ける…というのが、テンプレートではある。それを型に嵌めて実践することこそは難しくないだろうが、動く相手に…というのは、なかなかうまく行かないだろう。)」「トゥールビヨンっていうんだけど、この時計。(ベルトに嵌まった手のひらサイズのガラスの筒を指し示す。)時計の機構ごと回転させて、その上機構も回転して時間を示すらしいんだよね。ジャイロ効果的なあれで、中の機構は重力の影響を減少させて時間を示せるんだけど…(彼が倒れ込むと、手袋たちが一斉に支え、人の頭より少し高いくらいまで持上げられる。)ご覧の通り、掴まれたままじゃ最低限の予備動作までしかできないから、浮きながら攻撃するのはちょっと難しいね…(それは、ライダーと言うより仏陀の涅槃像のような姿だ。)ほしいのは、地面になるようなものだね。体勢さえ整えられたら、空中でも同じように技を出すのはできるはず…(また地に足を着ける。そして三人のオーウィは、せっせこと訓練所の端に積まれた謎の大きい板材を持ってきた。)よいしょっ(3倍の身体能力で大きく飛び上がり、板材の上に立つ…が、やはり重力には負ける。)…だから、板になるものと、板を地面にできるようなもの、が必要になってくると思うんだ。なかなか無理難題だけどね…(思い悩みはするものの、挑発の仕草をしながら待ち構えるダミーくんに応えることは、まだできない。)」 (5/26 16:45:40)
日満寺 虹架>
「ええとね、開発中のこれを君にあげよう!仮称として空中展開バックラー、フリスビーみたいに投げると遠心力で展開して直径1mくらいに広がるよ。原材料は軽量重視のアルミ、ボディの内部にはダイラタンシーを封入しているから使い捨ての盾としても使えると思うよ。あ、ダイラタンシーっていうのは良く小麦粉と水で作ったりする、ゆっくり触わるとドロドロなのに、素早くたたくと固くなるって奴ね、これを使って水の上を走れるみたいな動画もあるくらいだから君も何となくは分かるんじゃないかな?で、その動画にもある様に、飛び移る様に使うのなら一切支障はないし、展開するまでは小型だから君のヒーロースーツでも携帯できるんだ。」「本当はドローンを搭載して遠隔で弾丸とかを妨害する為に作ろうとしてたんだけど、動きながらドローンの操作って難しくて…でも、君のオーウィくんなら多分それも出来るでしょう?」(彼女が取り出したのは手のひらサイズの平たい金属製のフリスビーを3枚、君に渡すだろう。彼はヒーローでありながらも機械工学のライセンスを持つ、ザ・多趣味人間である。インドア派かと思えばボルダリングも嗜んでいるしハンドボールも嗜んでいる、かと思えば実用的な医療についての知識もあり、洞察力にも優れていると文武両道の人間だ。その全てには彼女が追い求めるロマンが詰め込まれている。)「とまあ、ガジェットを使うライダーはあまり多くは無いけど、ロマンを実現するのに化学は十分過ぎるほどの手段だからね、ちゃんと名前も付けてあげてね?」探索ライセンス機械工学使用、追憶3消費、鯖ちゃんに交渉済み、空中展開バックラー×3枚譲渡。>やくも (5/26 18:07:53)
八雲 錐>
「なるほど…さすが。クレバーだね、ヒマンジさん。(衣装制作を手掛けるものとして、デザイン性とロマンを両立することのいかに難しいかは知っているつもりだ。ここまで大きいスーツだと、ボタンで展開させるにも一苦労だった。電線を使うと感電の恐れがある上に、妙なごてごてさのせいでスーツらしさが減る。小さな薄い板をボディスーツ内に這わせて、ついでにオーウィの補助も得て、やっと両立させたものだ。努力の甲斐あって、なかなかスタイリッシュな仕上がりにはなったが。)そうだなあ…姿勢制御も考慮して、あのあたりに投げられればいいわけか。(彼がぱん、と手を叩くと、3組の手がばらばらに浮き上がり、それぞれ3枚を持つ。)僕、こういうタイプの運動は苦手なんだよね。まあいずれにせよこうした方が一気に投げられるからちょうどいいけど。(そして投げられた盾、あるいは姿勢を制御するガジェットとなるそれの1枚は投てき、展開された。)よっ(重力と投げられる力がせめぎ合うその瞬間を読み大きく飛び上がって、足場とせんと。)ほっ…(1枚目。これを踏み、いつもより大きく飛び上がり、)」「(まもなく2枚目が訪れる。)」 「(2枚目は、角度が違う。広い面がダミーくんの方に向いているのだ。)おおぉっ(軸足で強く踏み抜き、一瞬の固まる力を利用して、後ろ蹴りの予備動作は完了した。もうすでに、このままであればしっかりと踵を鋭角にぶちこむことができる。)お(だがこのままであれば、だ。もうすでに、ダミー・オーウィは距離を取っている。)ら(だが、まだもう1枚ある。予備動作の途中、回転しながら『ジャンプ』を加えることで、火力はさらに上がる。そして、それは同時に角度を変える。)あッ!(鋭角に回転しながら突き進むライダーは、『バリスタ』のような、全てを貫く威圧感を持って、まっすぐに逃げるダミーへと突っ込んだ。そしてその威圧感が、正しく威力を伴うものであることは凶悪にも理解させられるだろう。)………よし。(ダミーは頭蓋を貫かれて、真っ二つに割れていた。胴体までも割れている。)技名、『バリスタヒール』。こいつの名前は『オービーバリアスタ』。で、どうかな。僕の装備になるなら…開発者は君だし、2人のヒーロー名乗せてるんだけど。(憑いていたオーウィも、頭と胴を割りながら何やらはしゃいで、かたや彼は君が名前に対してどう思っているかを伺い探った。)」 (5/26 19:18:26)
日満寺 虹架>
「良いねえ!それじゃあ、これに合わせてもっかいやってみてくれる?…行くよぉ、オーウィくんっ! フォーメーションA(nt)だぁッ!!」(彼女は興奮しながら目を輝かせてぎゅっと握った手を上下に小刻みに動かしてから、バイザーとマスク、それからガントレットを装着するだろう。そうかと思えばまだ動いているダミー・オーウィくんに駆け寄るだろう。低姿勢で駆け寄ると同時に地面に指先を擦らせて下から上へ振り上げる様に地面を撫で上げればその軌道に従う様に地面は結露し凝結し氷結路面の出来上がりである。かなり訓練されていてもこの氷結路面で自在に動くのは無理があるだろう、だが、彼女ならできる。そう、スパイク付きの耐寒製レックスブーツを常用している彼女ならその状況でもいつも通りに動く事が出来るだろう。)「ごめんね、ちょぉぉっと痛いよッッッ!!!」(態勢を整えられないならば人間にはどんな回避方法があるか、その場から動けば滑って倒れてしまうのならば、その場で攻撃を受け止めるかもしくは拳か足で迎撃するしかない、きっとダミー・オーウィくんもそうするのだろう。だが、彼女には当たる事は無い。躰道×7の彼女の身体はダミーくんの視界から急に落ちる様に消える。ギャリギャリと地面を削りながらスライディングすると同時にてこの原理を利用した卍蹴りを放つ。腰を視点として、頭を下げれば必然的に足が上がる。更に回転力を纏った彼女の脚はダミーくんの頭部を蹴り上げ、それだけに収まらず、凝結した地面にレイジーサンデーモーニングの能力を使用する事で急激な温度差によって水蒸気爆発が発生し、彼女の脚を爆風によって吹き飛ばし、連動的にダミーくんは爆発力と脚力と物理法則によって高く蹴り上げられるのだ。)「 照 ら せ ぇ ぇ ぇ え え え ! ! ! ト ラ ン ス ・ オ ー ウ ィ ィ イ ィ ィ イ イ イ イ ! ! ! ! ! 」(凝結によって機動力を奪い、更に上空に蹴り上げられたダミーくんに逃げ場はない、更に蹴り上げられたダミーくんにもしも君が『バリスタヒール』を命中させることが出来たのならば、対衝突によって通常時よりも強い威力が期待できるだろう。更に隙を生じさせない、3段構え、君が蹴りをぶち込んだ後、もしくは蹴りを避けられた時の為にトランス・オーウィくんとは反対側の上空で両腕の手のひらをダミーに向けて周囲の光と熱を吸収する。これによって命中の寸前に相手は視覚を奪われて回避能力が格段に下がるだろう。それから、蹴り上げ、跳び蹴り、を食らい満身創痍のダミーくんに熱光線をぶち込むのだ。) (5/26 19:46:28)
八雲 錐>
「OK!ぶちこむ準備はできてる。…ぜぇッ!(ロマンに興奮して、つい格好つけるように粗っぽく口調をつけた。再演しよう、派手さはその破壊力さえあればいい。もう一度、相手に壊滅的な損傷を与える『バリスタ』を放とう。君の思惑通りに、ヤクザキックを繰り出したダミーオーウィは高くへ打ち上がる。)もっかい行くよ、相棒!(一枚目。2枚目。3枚目と、先ほどと同じように順調に回転と体重のエネルギーは鏃となって進んでいく。)ブチ抜くッ!(黄色い複眼の光が尾を引いて、その軌道を描いた。そしてその先にあるのは、単純な破壊力だ。これに脚力を加えれば、人の身が、あるいはカミサマが相手でも…おぞましいことだ。だがおぞましいものにはおぞましい力で対抗する他ない。ヒーローたらしめるのは、それをどう扱うかだ。『ブチ抜いた』。落ちる、落ちる、落ちる。そして打ち付けられる木材の背中は、地面に這う薄氷を割って。)『撃ち抜け』えッ!(バリスタの貫通の後、胴の中心より少し上、鳩尾がえぐれたダミーを君の熱線が『撃ち抜き』、焼き尽くすだろう。)」「いぃ、よおっし!これで誰にも負けない必殺の完成だね。(合わせ技、それが出来上がったらさすがの彼とて興奮に興奮が重なる喜びに大声を上げた。)あとは名前。君の技と、一緒に打つ技のね。(そして、君の『ネーミングセンス』をも楽しみにした。ちなみに消し炭になったダミーは、片腕だけになって取り憑けなかったので親指を立てたまま動かなくなっている。)あと最高の『シーン』も。今から楽しみだ。」 (5/26 20:30:37)
日満寺 虹架>
「いやったあああああ!!!これはかなり良いチームワークじゃないかな!?」(彼女は技が綺麗に決まっては興奮気味に今回受けてくれたダミーくんの腕を拾い上げて君に抱き着くだろう。もちろんダミー・オーウィくんの腕も一緒に3人?で抱き合うのだ。格好良い、嬉しい、上手くできた、ロマンに大興奮である。そう、これがヒーローだ、これがヒーローの在り方だ、格好良くて、強い、それは市民に力を与える為に必要なものだ、だって格好良くて強いからこそ人はヒーローに憧れて、彼らに声援を送り、自分たちも正しくあろうとしてくれる。平和の証、善良なる指標、これこそが、ヒーローである。)「えへ、そうだなあ、……昇って叩き落されるところから、イカロスの翼をモチーフに、…アイ・オブ・ザ・ヘヴン(太陽)なんてのはどうかな?」(彼女は君から離れれば、そんな言葉を吐く。言うなれば、彼女が翼で君が太陽だ。神話からのもじりなんてのは少し格好付け過ぎている気もするが、それでいい、それくらい格好良かったんだから。)>オーウィ (5/26 21:11:49)
八雲 錐>
「ぃっ………!?(女性に抱き付かれるなんて。今間に挟まっているオーウィに出会うまで、ほとんど天涯孤独であった彼には無縁なことだった。マスクは良く、性格も元来穏やかではあるのだが、鬼気迫る頃は誰とも少し喋ったことがある、くらいのものだった。そこまで見越してのグッドサインか、まるでその腕はトロフィーのようだ。)あ、う、うん、ちょ、ちょ、ちょっちょおちつて………(顔に少しだけ恥ずかしさを孕みながら、ガタガタの言葉と共に優しく肩に置いた両手で君を離す。)嬉しいのはわかるけど、さ…あんまりベタベタするものじゃないよ。何があるかわかんないんだから。(まあ、含んだものをマスクは隠してくれているが、振る舞いはあまりにもテンプレートなものである。)でも…「カッコいい」ね。アイオブザヘヴン。ぴったしだ。ザ・ビーズ・ニーズと、トランス・オーウィの、2人必殺技。アガるなあ、これは。(そしてその面と同時に、熱くなるのは彼の熱量であった。)あっ(そして、腕から離れたオーウィは、彼の体を無理やり動かした。君をまた、抱くように。)…あ、あ、ごめ、これはオーウィが勝手に…(彼は要するに、意気地無しのチェリーボーイであった。)」 (5/26 21:32:10)
トランス・オーウィ>
「(『追い求める者』。抱く浪漫はきっと同じくするのだろう。…さて並ぶのは、2人ともたい焼き屋の前である。)いやあ、気になってたんだよね。いっつもたい焼き持ってきてるから、そんなに美味しいのかなって。(そう。彼は君に紹介してもらおうとしていたのだ、君がいつも持っている秘伝のたい焼きを。彼は実は甘味が好きで、そのうちでも『芋あんのたい焼き』を好んで食べている。)たぶん行きつけになるかも。(さて、研究や科学に全てを費やす勢いである君が目をつけるほどのたい焼き。さぞ美味なのだろう、今から楽しみだ。孤独であった頃は甘味を採ることだけが唯一の楽しみだったけれど、こうして甘味を共有させてもらうというのは楽しいもので。)たい焼きといえばつぶあんこしあんも欠かせないけど、やっぱり芋だよねえ。(…彼は第三の末裔、だったが、日本生まれ日本育ちの和舌である。その中に、君の好む具が含まれていなかった。それは『あん』ではない故に。)芋って独特というか、他にはない甘さがあって、っ(…科学や浪漫を、そしてたい焼きを愛す君に、そんな暴虐が許されてたまるだろうか?)」 (5/27 14:27:16)
Gaill Monochoria>
「Hah、流石は目の付け所が良いなァ?同志(ロマンチスト)ォ......」(“いつも食べてるたい焼きを紹介して欲しい”なんてカワイイ年下(但し同学年である。)に言われたなら、ニヤつきが板に付いたその科学者は答えるだろう。.....結果、今二人が並びますは知る人ぞ知るたい焼き界のアイアムレジェンド、創業100年を過ぎて尚不定期に『もっと美味しいたい焼きを目指します』の看板と共に店主が研究の旅に出る変態すゐゐつしょっぷ。)(_______そう。【そいやき】だ。)(ちなみにだが初代店主は“たいやき”と書いたつもりだったらしい。)(所で。男は“先日”の件でどこぞのキュアサファイアから『馬鹿者』発言を喰らっていた青年の身の......と言うか脚の危険を配慮していた。正座とは、脚が攣るモノだ。だから折角だし奢ってやろうだとか思っていたのだ、けれど。)『たい焼きといえばつぶあんこしあんも欠かせないけど、やっぱり芋だよねえ。』「.........ほォ?」「ほォほォほォほォ............」(額に手をやって下を向く。)(不穏な空気。)「......してやる。」(小さく零して。漆黒のオーラ(?)を纏いつつ、彼はまた君を見るだろう。)「今日限りでキミのそのたい焼き観(?)をブッ壊してやるぞオオオォォォォウィィィィッッッッ!!!!!!!」(列に並ぶ善良な市民の皆様の視線が刺さる、が其れを気にする男ならばどこぞの怪力お姉さんと落涙のカミサマに立ち向かったりツンツン大罵倒少女とデッドヒートを繰り広げるなんて事はしないだろう。たい焼き観なんてワードがそもそも壊れてますよなんてのは言わないお約束。)「正座説教はカワイソウだな美味しそうに食べてたら奢ってあげちゃおうかなきゃぴきゃぴなんて考えていた僕が間違っていた。いいか。絶対だ。」「 絶 対 に 。 」「僕ァクリームを奢るぞ。同志よ。」(人間をやめるぞ的なスゴ味のある言葉を放って、彼は其の細い指でビッと君を指す。さて、浪漫を追う馬鹿者二人。甘味を愛す両雄、たい焼きの美学。火蓋は切って落とされた。) (5/27 14:50:12)
八雲 錐>
「…なんか、踏んじゃいけないところ踏んだかな。もしかして。(たい焼き観。たい焼きを愛すものによるたい焼きを愛すもののためのたい焼きを愛すものの…要するに目の前の男の端的に言えば『餡』戦争の派閥、である。無意識のうちに、どうやらこちらが宣戦布告をかましていたらしい。)それでも芋一番は譲れないな。(否、かまし続けた。)かりっと焼けた尾ともふわっと柔らかい頭体ともハーモニーを奏でる、甘すぎず染み付くような甘味。あれよりうまいたい焼きなんて、ないッ。(ならばいっそ断言して、君の戦意を沸き立たせるのもまたいい『演出』だ。相棒も、笑って拍手を贈ってくれるだろう。『キュアサファイア』を茶化すくらいに、彼には『根性』がある。…だが芋が一番と思う気持ちに嘘はない。本音なければ戦意なし。)…でも好きなのはわかるけど、目立ちすぎるのはやめようね。(だが並外れた根性とて、理性がブッ飛んでいるわけではない。悪目立ちするのは望みではなかった。…説教を受けるのももうこりごりだ。)」「とにかく。そうだなあ、僕は普段クリームは選ばないけど、奢ってもらえるならもらっちゃおうかな。(…というわけで、消えきらない慮り(あるいは消えているからこそなのかもしれないが)に甘んじて、奢りは受けよう。)『たい焼き観』が崩れるうまさは、ただ単に楽しみだしね。(一番はやはり芋のままだが、君がそこまで豪語するものならば、志(ロマン)にやはり躍る胸は尽きない限りであった。)」 (6/1 19:32:56)
Gaill Monochoria>
『…なんか、踏んじゃいけないところ踏んだかな。もしかして。』(Forたい焼き好き。Byたい焼き好き。Dearたい焼き好き。Fromたい焼き好き。其れは実像持たぬ火花の炸裂であり、明確なる開戦の狼煙だ。)(年甲斐にもなく、取るに足らないふざけた絡みを愛するパツ金は、初めて君と会った時だって“クールでスマートな科学者”等と自称しただろう。然して実際の所“キュアサファイア”には馬鹿者と呼ばれ𠮟られ黙って正座。“キュアグレイス”をおちょくり擽られ笑って潰走。どうにもならぬ救い様なき大馬鹿である。)(詰まる所。)『…なんか、踏んじゃいけないところ踏んだかな。もしかして。』( 試 合 は 此 処 か ら で す ッ ッ ッ ! ! ! )『それでも芋一番は譲れないな。』(一瞬身を退いたかに見えましたが八雲選手!!此処はフィジカル(?)で正面から受け切りますッッッ!!!!!!加えてそれだけでは終わりません。)________『かりっと焼けた尾ともふわっと柔らかい頭体ともハーモニーを奏でる、』(初撃。)「.......」『甘すぎず染み付くような甘味。』(立て続けに拳(言葉)を振り抜い(羅列し)て行くッ!!!)「......ッ」『甘すぎず染み付くような甘味。』「........ッ!!!!!!!」(ラッシュは止まらなァァァいッッッ!!!!!!!!!!!!!!決めるか!?決めるのか八雲選手ッッッ!!!!!!!!!!)『あれよりうまいたい焼きなんて、』「オi『 な い ッ 』(フィィィィィニッシュブロォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!痛撃たるトドメの一発-デンプシー・ロール-ッッ!!!!!)(対するゲイル選手はどう出るかッ!!!)「.............。」「Shit.(くそったれ。)」
(そもそもの話。)(そもそもの話、只好みの対立であるならば別に好きなモノを好けば良いで話は終わる、のだが。此の欲求の塊の様な男がさもうまげなそいやき屋の宣材写真を見て芋餡を喰わない筈があるだろうか。金銭的余裕に満ちた限界不摂生男がたい焼き一つ買うのを渋るだろうか。)(否。断じて否。)(正直言って自身の好みが巨大な期待に合致しなかった事を心の底から悔しんでいた。)(畢竟。)「僕だって食いてェのよォォォ........」(旗が上がるは青コーナー・八雲。完全なるK.O.(ノックアウト)である。)『…でも好きなのはわかるけど、目立ちすぎるのはやめようね。』(常識と云う勝者(?)の余裕(?)まで見せられてはぐうの音も出ない。大ちょけパツ金科学者は両手を挙げ“参った”のポーズで。)「......そうだな。」(少しの逡巡。其れは甘くも苦い思い出とのバトル。ほんの数秒もすれば〝決意〟した者の目で。)「じゃあ僕ァ芋餡を買おう。」(さあ。)(ラウンド2だ。)(ピッタリで支払いを済ませれば適当な道端へ。アチアチのクリームたい焼きを君へ手渡せば、“僕には準備が要る”とばかりに一言告げるでしょう。)「先に食いなァ。」 (6/1 20:19:52)
八雲 錐>
「…まあ僕も、別にクリームが嫌いな訳じゃないよ。ただ、本当に大抵芋しか食べないってだけで。(shit、としか言えない君を見てしまった。狼煙に大火を伴うと、煙は出るが燃料が尽きるのが早くなる。どうやら薪をくべたのはこちらだけで、こちらが空回りしたらしい。いつの間にやら戦争は終わっていた。なんだか君も落ち込んでいるようで、『実は僕も食いたかった』なんて言われちゃあ。)とりあえず。今はたい焼きを楽しもう、僕はそいやきのたい焼きがどんなものかわかんないし。(戦の終わりには和解があり、あって然るべきだろう。)できれば僕も奢りたいところなんだけど…(踊る鯛のような形の型がついた鉄板。鉄板に挟まれた生地はパリッとクリスピーに、そして更に生地に挟まれた餡はほくほくと『染み渡る』味になっていく。)いかんせんあんまりお金がないから…(しかしこちらはこちらで、開いたみすぼらしい財布の中にはもうすでに明日の学食をぎりぎり賄えるくらい。財力の無さが染み渡った。)」「借り1つってことでどうだろ。僕らヒーローには縁のない話じゃないしね。(だが金で解決できないのならば、返すものはヒーローらしく『行動』である。)後払いで、ありがたく貰っておこうかな。(科学者、君を守るには、彼とオーウィは十分だろう。『必ず結果を残す』君はきっと、誰かには危険な存在であろう。特に、未曾有の事態が巻き起こっている今こそ。…この日常を謳歌して、この先も歌が続くように。)あつ、あつ。(第2ラウンドのゴングが愛おしかった。いつまでも続いてほしいと願った。冷めやらぬうちに、人生というものを食いつくすまでずっと。)…これはっ…(『一口目』になった。孤独を破る『演出』に手を引かれた先の、それは『一口目』となる、衝撃的に『甘露』であった。)深い甘味と濃厚な『クリーミー』さ。とろっとしていて、皮の味わいにしっかりとマッチしている。(…なお、彼の食レポは饒舌である。)つまり、『うまい』ッ…!(…特に嫌いなものもないから、最後はそこに着地するのだが。)」 (6/1 21:54:58)
Gaill Monochoria>
「やめろやめろォ.........好みの幅が広い方が得なのは動かしようのない事実だ.............」(顔を覆ってめそめそ泣くフリ。無論適当な上眼鏡のフレームに手が当たってやたらずれるのが煩わしく秒で辞めてしまうのだけれど。)『いかんせんあんまりお金がないから…』(人々の賑わいの中確かにそんな言葉が聞こえて、それから君の.......お世辞にも豊かとは言えない金銭事情、其の最も顕著な片鱗が男の視界にも入る位置に現れたから。煽り好きな馬鹿野郎が其れを視認するや否や、次の瞬間には君の鼓膜を嘲笑が打つだろう。)「Hah、セチガライ事この上無いなァ。貧乏ヒーローって結構哀しい現実だぜ?」(そう言っては自身の財布をわざとらしくフリフリしてみせるのだが、其のド偏食を満たす為街に繰り出す以外は大体理科室自室に籠りきりと云う現実が築き上げた富の山の哀しさの方が“よっぽど”なのはひみつ。)『借り1つってことでどうだろ。僕らヒーローには縁のない話じゃないしね。』『後払いで、ありがたく貰っておこうかな。』(互いに浪漫を人生の央にし、或る意味でふざけ合いを解す貴方だけれど、こんな時のヒーローっぷりときたら眩しくてたまったモンじゃない。男は困ったみたいに笑ってから、それから答えるんです。)「あァ、頼むぜ演出家-ヒーロー-。」(そんでもって対峙するは嘗ての宿敵。辛い物の動画を観たらやたら食欲をそそられるけど実際そんなに辛味に強くない現象の親戚。失意と落胆の権化。芋餡だ。)(拘りが変態レベルに達しているそいやき屋。都合、其の芋餡は伊達ではない。目指すのはただ芋味のするペーストでも無ければぽそぽそする不快な潰し芋でもない。〝〝〝芋餡〟〟〟なのだ。品種は勿論、加える糖も企業秘密の分量の混成品。温度、練り方共にクックパッドに書けばご家庭でもなんてレベルを遥か遼遠に置いて行く難易度ナイトメア仕様だ。詰まる所が刺さる人間にはブッ刺さり、刺さらない人間の喉奥を悉く甘露で焼き払う極点である。)(あの衝撃が忘れられない。齧り付くと云う単純な動作にすら勇気を要する。マスカレイドの瞳を貫いたヒーローは何処へやら。玉を作って小動物の玩具にしたって問題なさそうなくらい有り余った導火線。只の空腹を超える着火剤が必要だ。例えば______)『あつ、あつ。』『…これはっ…』(青年が食らうは今まで食べ続けて来た【そいやき】の粋。見るだけでパブロフの犬的にフラッシュバックするお美味しさの感覚。)『深い甘味と濃厚な『クリーミー』さ。とろっとしていて、皮の味わいにしっかりとマッチしている。』(更に、貴方の食レポは饒舌であった。)『つまり、『うまい』ッ…!』「.........。。」(そして、刹那。立ちはだかる巨壁に、男は挑んだ。数年振りの、其の味に。)「っ!?」(外表のぱりっともさくっともつかない子気味良い食感とほぼ同時に訪れる柔らかな生地のふわふわ。そして其れ等を容赦無く包み込みながらも一切の違和感無く一つの“たい焼き”と云う料理へ昇華させるのは内包されし芋餡。濃厚且つ粘度を持ちながらも咀嚼の余地が残る生地の香ばさを感じさせながらも根底に鎮座し、程よく主張する芋の香りと甘味。糖分を追加で入れているにも関わらず其処に不自然さを感じさせず、だからこそ無理矢理〝旨い〟を味覚に叩き込む罪悪感を纏ったファストフードより更に凶悪だ。此の芋餡の追加は2,3年前。其れだけで味覚が変わる事もあるだろうが、此の場合はレッドドアが紡いだ現実の引き延ばしの分が、彼にとっては変わらず流れ続ける時間が関わっているのだろう。)「.......ッッッ〝うまい〟っ!!!!」(兎角、男の食レポはシンプルだった。) (それから、それから。もしかしたら一口ずつ交換、みたいな事もしたでしょうか。其の是非は兎も角、無事二人食べ切ったなら男はドヤり気味の笑顔で、)「どォだ美味かったろゥ?そいやきィ......」(なんて言うけれど。少しもしない内に気付いた様にうなじの辺りをぱりぱり掻いたりして誤魔化し気味に。)「..........と言っても今回は僕も一つ学んだ側ではあるのだがね?」(特筆すべくも無い、雑踏の中の一つの愉快。けれど、そんなちっぽけな所迄護ってこそのヒーローなんだろうさ。) (6/1 22:48:18)
枸橘 茨>
「臨兵闘者 皆陣列前!とりゃーー!!……あぶぶぶぶ(仄かに香る塩素の臭いが清涼感とちょっとしたスポーツ欲を駆り立てるプールに、騒がしい少女が一人。彼女は刀印を切ると何かに挑むような表情で水面に向かって疾走し────バシャアアアアアアンという豪快な音とともに水面を揺らし沈んでいった。事の経緯はこうである。「忍者ってカッコいい!水の上をタタタターッって走っていくの!あれやりたい!!」この一念を思い立ったが吉日、都合よく誰も利用者がいなかったのをこれ幸いとばかりに、かれこれ30分はこうして無謀な試みを繰り返しているのである。なお、彼女は水蜘蛛と言うものを知らない。もしそこへ新たな利用者が現れたならば、ガバッっとやはり勢いよく水中から顔を覗かせ、満面の笑みを浮かべてこういうだろう」「こんにちは!!!(元気一杯に)」>オーウィさん (5/28 16:48:29)
トランス・オーウィ>
「(ざあざあぱたぱたと。シャワーが奏でる音はささやかに、そしてどこかノスタルジーをも感じるものだ。水泳帽を外して濡れ落ちる髪の毛が、より気持ちの儚さを増す。こうして静かにしていると、いろいろと考えが廻るものだ。遠くから聞こえる誰かの元気の良い声に、なにやら楽しそうだな、なんて思ったり。)え。(そして彼の考えることを中断したのは、人の体重が丸々、水の中に打ち付けられる音であった。)ちょっ!(そう、静寂を思考を破ったのは、同じく水音であった。こけて落ちたりしてしまったのか?それとも飛び込み台でも使ったのか?いずれにせよ、まるごと体から入る状況は、勢いからするに危険である。キャップも被らず、できる限り急いでプールへ向かい。)と、もう、ああ…よかった…(水死体ができる一部始終を見聞きする、なんて寝覚めの悪さ極まりない、とはならなかったことは君の言葉とその語気ですぐに理解できた。手を貸すまでも無かったらしい。)こんにちは~じゃないの、何してんの。びっくりしたよもう…(安心して気が抜けたのか、張られた肩はゆるりと落ちてしまう。)」「怪我ない?足首とか首とか。まさか頭打ったりしてないよね?(元気そうではある。が…水の中を知るものとしては、心配はつきないところだ。)楽しそうなのはいいけど、あんまり危ないことしちゃだめだよ。(特に水泳部であるというわけでもない。が、毎週泳いでいるのだから水の危険はある程度知っている。警告を鳴らした。)」 (5/28 17:18:56)
枸橘 茨>
「はい、怪我は大丈夫です!心配かけてごめんなさい!!水の上を走ってました!(慌ただしくやってきた貴方が自分の様子を見て力が抜けたように肩を落とすのとは対照的に、少女は先ほどと同じく元気一杯、満天笑顔で謝罪をする。小柄な彼女にはこのプールはそれなりに深く、今もこうして手足をパタパタと動かさなければ顔を出してはいられない。その水深が功を奏したか、底にぶつかる前に対応して今まで怪我一つなくはしゃいでいられた。何してんの。に対して水の上を走ってました!とは言うが、正確には彼女は水面を一歩跳ねただけの成果に留まっている。忍者はおろかアメンボにも届かない水上の兎は、それでも楽しそうな表情を浮かべていた)えっと、初めましてですか?初めましてですね!初めまして!1年の枸橘 茨です!夢はヒーローです!お名前聞いてもいいですか!(心配する推定先輩の警告も聞いているのかいないのか、スイスイ平泳ぎでプールサイドによじ登ると、遊んでもらえてはしゃぐ子犬のように瞳を輝かせて自己紹介をまくしたてる。そこに宿るのは自分と同じくヒーローを目指している、あるいは既に立派なヒーローとして活躍しているであろう先達を期待した光だろう)」 (5/28 17:48:32)
トランス・オーウィ>
「水の上…?(開いた口が塞がらなかった。なるほどそれはまっすぐ水の中へと落ちるわけだ、まあヒーローといえば水の上を走っていそうなイメージもわからなくはないが。)ああ。そういう。(彼とて、そういう姿を『カッコいい』と思って見ていた一端ではある。忍者とは少し違うが、素早く水の上を駆けるヒーローはまさしく極めているものの姿だ。だから何を言わんとしていたのかは大体理解できたが。)まあ…ともあれ、何ともなかったならよかった。(ほっとしたようにプールサイドに座り込む。夏の暑い日に、プールの水は冷たい。最初は肌寒くも感じるが、慣れるとむしろ出られなくなるくらいには心地よくなっているものだ。)でもわかるよ。走りたくなるのは。(体に染み入るもの。その水面を『踏み込む』なんて不可能であることはわかっているが、やはりそれはロマンで_ある。)そうだなあ。それこそ、ディスコードをうまく使えばできそうだけど…(『アメンボ』のスーツでもそのうち作ってみてもいいかも、なんて。)」「…まあ、とりあえず自己紹介からだね。はじめましてで合ってるよ。(だが構想を練り出すと止まらなくなる。一旦切り替えた。)僕は八雲 錐。君と同じヒーローを目指す者の1人の、3年生だよ。(君の予想は大当たりだ。同時に、彼の警告はどうやら大はずれだったらしい。)ヒーロー名はトランス・オーウィ。要するに変身ヒーローってやつなんだけど、方法は企業秘密ね。企業ってか僕しかいないけど。(びしっと、ポーズをとるように上半身を動かしながら。微笑んでいた::。)」 (5/28 18:37:22)
枸橘 茨>
「ですよねですよね!踏み出したときにバシンッってなるからもう一歩前に出ようとするんですけどズボー!って足が沈んじゃうからすっごく難しくって!(「でもわかるよ。走りたくなるのは。」と理解を示されると、彼女の語り口は更に勢いに乗って擬音、身振り手振りが激しくなっていく。瞳はより一層輝きを増し、頬は青く透き通るプールの中で映えるほど紅潮していき目に見えて興奮の度合いが高まっているのがわかるほどだ。きっと今の彼女は冷たいプールの水の心地よさを助力する熱量を発しているだろう。その反応が無理もないと言えるほど、彼女の『カッコいい』を理解する人は少なかった。十五歳ともなれば、同世代では浮いてしまうほどに。)」「わあ、ああ…ああああ!!やっぱり、八雲先輩もヒーローなんだ…しかも、変身ヒーロー!!!!(彼女が最高潮に達したのは、まさにその瞬間。ヒーローを目指していて、なおかつそれを叶えている。夢を抱いて、それを現実のキャンパスに描き出したその姿!それこそ正に、彼女が真に「カッコいい」と信じて焦がれて望んで憧れて羨んで愛して愛して愛して愛して愛して止まない病まない世界を創りし者そのもの!!貴方はただの先達ではない。彼女の、枸橘 茨の愛の体現者だ)」「ややややややや八雲先輩!私、私も好きです!これも!これも!これも!!全部大好きです!!!先輩はどれが好きですか!?どれに憧れたんですか!?(フスーフスーと興奮冷めやらぬまま、貴方がとったポーズに合わせて、同じポーズ、そのモチーフの二号ヒーローのポーズ、その後継ヒーローのポーズ、矢継ぎ早に繰り出してはこれですか!?それともこれですか!?尋ねる。キラキラと輝いていた瞳は、いつのまにやらギラギラ燃える太陽のようだ)」 (5/28 19:19:05)
トランス・オーウィ>
「ちょっとおちついて。(せかせかと、語られる言葉は早く。それほどまでに水中を過ごしやすい温度に変えていく、その熱は強いもので。ぐいぐいと、愛するものにひた向きな姿は強烈で、のけぞりそうなくらいだ。2つになんとか耐えきって、言葉を返す。)…いやあすごいね。君の愛は。(気持ちはわかる。彼も憧れた1人、その燃え上がるまでの熱量は痛いほど伝わった。文字通り血の滲んだ、とまで言えるほどに鞭打ち鍛え上げ研鑽してきた日々を思い出す。)尊敬に値する、なんてくらいだね。(だから、『15歳にしては夢を見すぎている』だとか、『15歳にしては浮いている』なんて、彼の前には存在しなかった。)英雄となるなら夢見てなんぼだ。けど、君ほど暑い子は見たことないね。(ヒーローへの想いは誰にも負けないと思えるほどだ。が、そんな愛と劣ることがないくらい向こう見ずで純粋な行動力と憧れは、方向こそ違えど通じるものがある。しかしそれは確かに、自分にはない『憧れ』だもの。)でもとりあえず落ち着こっか。(それを嬉しく感じると同時に。談義に花を咲かしたい、だから興奮しすぎて倒れられると悲しくなってしまうので。太陽も照らされ過ぎるとよろしくない。)」「世代的には『堅茹でライダーアルデンテ』が物心ついた頃にやってたのかな。あとは『画面ライダーティーヴィー』とか。(ライダーシリーズ。思い返すとやはり懐かしくなってくる、あれが自身の『原初』であるともいえる。日曜日の朝は早起きしていたものだ。)最初に憧れたのはその2人だね。でも、好きなのは、『ザ・ライダー』。円盤買って古いのから最新のまで揃えてるんだけど、僕はやっぱりザ・ライダーが一番渋くて一番カッコいいと思うんだ。(ばっ、と右腕を斜めに、顔の前を横切るように構え、左腕を少し開く。)変身ッ(声を低くして、威圧感を感じるまでの強い勢いで『その姿』を呼ぶ声を上げる。)なんてね。(それはいわゆる声真似である。…プールの近くの更衣室の方で、何かが動く音が。)…ごめん、これは僕の相棒が早とちりした音だね。(…ディスコードによる変身を行うために、そのディスコード自身が勘違いしてバッグから出ようとしたようだった。)」 (5/28 20:50:29)
枸橘 茨>
「あっ……ご、ごめんなさい!私、熱くなっちゃって、えと、あの……(憧憬の太陽は燃えに燃えて熱量を高め続けてついには臨界を迎え────会った時から変わらず穏やかに、苦笑するように自分をなだめる貴方を見て、太陽だった少女は塩をかけられた蛞蝓のように、急速に萎んでいった。その泰然自若とした冷静な態度にまた新たな『カッコいい』を見出すと同時に、今の自分を客観視してしまった。憧れの炎を燃やすことは恥ずかしいとは思わない。恥ずべきは自分一人が勝手に燃えて、自分と同じだけの熱量を持っていると思い込んだ先輩を焼き尽くしかけたこと。彼女の顔には先ほどまでとはまた違った色の赤みが差し)」「あ、それ私も見ました!!最近の仮面ライダーは色んなスタイルとか武装があってどんな状況にも対応できる万能性が頼りになってカッコいいですけど、最初の方の仮面ライダーは機能面での手数が少ない分、力と技と知恵を尽くして困難を打破するところが質実剛健な感じでまたカッコいいですよね!!!(そんな後悔はものの数秒で忘れてしまった。いや勿論忘れてはいないのだが、それすらも置き去りにして語りたいほどの強いヒーロー愛が勝ったのだ。再び貴方のポーズに合わせるように両腕を右に伸ばし、ばっと真上に挙げてから、左側に曲げる)変身っ!(そして同じく、精一杯声を低くして短く叫ぶ)えへへへー……」「わあ、八雲先輩のディスコードは意思があるんですね!私のはこういう形だからか全然喋ってくれないんですよ。でもこれもこれでカッコいいですけどねー(説明を聞いて、羨ましそうな声を上げて自らのディスコード、ジルバイを取り出して見せる。自律行動のしない沈黙のディスコードではあるが、このステッキのような形はまた別の日曜朝のヒーローのようで気に入っている、と嬉しそうに撫でる)」 (5/28 21:36:19)
トランス・オーウィ>
「大丈夫。僕だってヒーロー愛なら負けないぜ。どっちかって言うと行動で示す方、ってだけ。(突っ走っていった後は、恥ずかしがるように。どうやらオーバーヒートしたらしい。熱量は同じだ、それを表に出すか内に秘めるかの違いしかない。)まあ、あれだよ。落ち着いて欲しかったのはまた水の中に突っ込んでいきそうなくらいエキサイトしちゃってたからね。(心配なのは君の身だ。先程の水中に落下する姿を、冗談っぽく笑いながら揶揄した。どこかのライダーが水の上を走るシーンを思い出して、もう一回挑戦!なんて洒落にならない。挑戦するのはいいことだが、一番重要なのは安全だ。失う恐ろしさは2度も大きく体験している。)まあ、危なっかしくさえなければ、元気な方がもちろんいいけどね。(それが怖いだけだ。元気な君と話すこと自体は、楽しくてたまらない。だからそのままで、)…いい変身だ。言うまでもなかったね。(なんて伝える暇もなく。マシンガンはもう一度引き金を引かれた。そんな姿になんだか和んで、眉の端が下がる。…が、いつでもセーフティがかけられるように、注意はしておこう。正直水着姿にあまり目を向けられていないが。)」「相棒の力借りて、ライダーっぽく頑張ってるよ。うまいこと使って身体能力上げてるんだ。特殊能力を使う、というより、今のフォームは『武』を使って戦ってるね。(相棒、なんて呼び方も、どこか原初に引き寄せられている。オーウィがそれを気に入っているというのもあるが、かくいう彼自身も気に入っている呼び方のようで、誇らしげにそう呼んで。)まあいいところも取り入れないといけないから、別フォームのスーツ作ろうかなとも思ってるけど。(ついでにこに先の夢も一つ。)…カラタチさんのディスコードも。形はモノだけど、大事にしてるものには魂が宿る、って昔から言うからね。(それもこれも、『オーウィ』との連携があってのことだ。連携に羨ましそうな君ではあるが、)君の愛で、魂ぶちこんでやれ。(快活な笑顔で君の『宿るもの』を信じた。)」 (5/28 22:23:18)
枸橘 茨>
「行動で、示す………なるほど、なるほど、うん……………それもカッコいいですね!(どっちかっていうと行動で示す方、ってだけ。何気ない慰めの言葉であるかもしれないが、その一言に彼女の『カッコいいセンサー』は反応を示した。つまり口で語らず背中で語る職人気質の格好良さ、という方面で見出したらしい。むむむ、と考え込むような顔をした後、納得したように破顔して、目の前の学年もピーローとしても先輩の貴方に尊敬の目を向ける。もはやトランス・オーウィは彼女の中の『理想のヒーロー像』の席の一つに堂々と鎮座していることだろう)はい、今度からは安全に配慮していっぱいカッコいいことします!(そんな尊敬する先輩の忠言だ、ビシッと敬礼して戴いた言葉を後生大事に抱えていくだろう。ただし問題なのは、彼女が気を付けようと思ったのは水面を走ること“のみ”だということだろう)」「先輩も、カッコいい変身でした!流石本職ですね!(プールに入れた両足をパタパタと動かし水飛沫を上げて、態度からはしゃいでいる様子を見せる。こうしたことを年下の子以外とした経験があまりないので、嬉しくなっているのだろう。犬の尻尾のようなものだ)先輩『ザ・ライダー』に近いスタイルのヒーローなんですね!相棒と力を合わせて特訓して、知恵を絞って発明!新技・ダブルライダーキーック!せいやーっ、って!!(身体能力を相棒が補って、先輩はスーツを開発する連係プレー。差し詰め『知の八雲錐、力のオーウィ』。どちらかというと近年の多機能ライダーに近い自分と違うヒーロースタイルに羨望の念を抱くも……)……はい!きっとこの子も先輩と同じ、行動で示すタイプです!私にこの熱がある限り、ジルバイもきっと答えてくれます!」「だから先輩、最後に………見ててください。これが私のジルバイの、相棒との連携技です!変身!!(バッと勢い込んで立ち上がり、手の上でジルバイをクルンとスピンさせてから、再びの変身!ただし今度は声だけではない。言葉通りの変身が、彼女の足に現れる。それはバジリスクという、水面を走る動物の足である。彼女のその姿は、かつての時代にあった様々な動物の能力を身に宿して戦うライダーに重なって見えることだろう)行きます!せいりゃあああああああああああああああ!!!!(掛け声と共に、彼女は走る。彼女の瞬発力と、ジルバイの変身能力によって水面を疾駆する。それが、彼女の言う連携技。技を磨いた枸橘 茨と、必要な力を与えるジルバイのコンビネーション。披露するのは今日会った尊敬するヒーロー、浮かべる表情は今までで一番夢に輝いた最高の笑顔で。)」(余談ではあるが、バジリスクが水面を走れるのは精々が数メートルが限度である。プールの中ほどで勢いを落とした彼女は、相棒と共にじゃぽんと沈んでいくだろう) (5/28 23:20:03)
八雲 錐>
「あ、縁くん。(昼下がりだった。)ちょっと一緒に帰らない?(ヒーローだった少年たちは、『最初から』に戻り行く世界の中で、ただの少年。高校生だった。)君って、甘いもの好きだっけ。(腕時計もベルトも、変身するための『スーツ』さえも、今の彼は持ち合わせていない。)…思えば忙しくって、どっか行くなんてこともなかったからさ。この節目に、高校生楽しまないとな、って。(各地からカミサマが、いなくなっている。憑き物が取れてきていた彼には、それは『吉報』だ。傍から見ればでしかないが、その傍にいる彼にとっては、間違いなく吉報だったのだ。)だからちょっと、友達作りしたりとか、といろいろ行きたいとこ行ったりしてみたいなって思ってさ…(あっさりと終わりすぎて唖然として疑念もないわけではあるまいが、言い訳にしてみるのもいいかもな、なんて。)クラスメイトの縁くん。どうかな、よかったら一緒にドーナツなんて買いに行っちゃうのは。(君と彼とは席が近かったのだ。運が良かったとするか悪かったとするかは、君次第だけれど。)それと、友達の縁くん。君をそう呼べないかな?(ともかく、学校の校門あたりで、彼は君を買い物に誘ったのだった。)」 (8/2 00:00:13)
坂入縁>
異国の生活にも幾分か慣れてきて、数週間前までいた故郷への懐郷の念も薄れてきてはいた。でも未だにカミサマのいないこの現状に、武器屋で買った、今まで持っていた拳銃やらナイフやらを持っていない現状には、どこか、まだ、慣れそうにない。それに正直な話、今までロクに友達らしい友達もいなかったし、大体のここでの日々を一人でぼんやり散策やらなんやらするくらいでしか過ごしていない気がする………………なんだかんだこうしてカミサマもいなくなった今、“ヒーロー”という肩書きが取り払われ、ヨスガという『彼女』の名前を取ったヒーロー名前も呼ばれることもほとんどない。“高校生”という学生の肩書きに、そこまで価値やら何やらも見いだせないままではいる。まあこんな自分でも気に障るような不満もない。――――――――――――――――ともすれば、聞きなれた声が後方から聞こえた。振り返ると、ガタイのいい金髪の彼の姿が目に入った。「…………やあ、君か。…まぁ良いけど、」――――甘い物、か、別に好きでもないし、嫌いでもないが、彼とはあまり任務やら位でしか関わったことがない気がするので、この際、という感じではある。「僕は別に大丈夫だよ。“君が行きたいのなら”そうするさ。」(やっぱり自分の“感情”を出さないようにするクセが、抜けないままではいる)多分、愛想の悪いやつには思われてしまってはいるだろう。何分、まともな人付き合いはしてきていないのが正直なところだ。“模範解答”を探してしまっている。「ああぁ、好きに呼んでくれて構わないさ。八雲くん。」そう言って、彼と歩みを並べることとした。 (8/2 01:26:28)