ジェントル

ミスター

ジェントル> 
「(洋風のどこか懐かしいような口笛を、火傷が端を覆う笑顔のその真ん中、尖る唇でジェントルは吹く。)」 「…ああァ…。とても心地がいいねえェ。(噴水から流れ出す水が、一枚目、二枚目の皿から溢れ、そして最後の水面にて跳ねながらもまた排水溝の中へと吸い込まれていく。)落ち着いた場所だァ…『ジェントルマンリー』には最適だねェ。(その、水面の外縁。噴水の端に座り込む男が一人、手元を見ながら何か語りかけている。)ボクのナイフ。そう、キミを呼べる。(その手元に握られているのは、2つの『鎖』。そして、銀色の鎖に柔らかい黒の鎖が絡み合って、形を戻していく。)これほどのことはないなァ。ナイフ、ナイフ、ナイフ。落ち着く。(そして、彼の握る鎖は『折り畳みナイフ』へと変化した。彼の右手首の、裾の中に隠れた腕時計はぐるぐるとディスクを回している。)とっても紳士的だなァ。(きちり。と回転部品が刃を呼ぶ合図がすれば、凶器はその役割を果たすに足る姿へと変化した。)…ここはいいね。(凶器の真ん中を人差し指の上に置いて、ぐるぐると回したり。時に手の内に掴んで眺めてみたり、空中に放り投げて、正しくグラップを掴むなんて芸当もこなしてみせて。口笛を吹きながら、彼は所謂『ライナスの毛布』を手にうっとりとしていた。)」   (5/8 17:54:17)


敗北@エレナ> 
この学校には噴水がある。元々この学校に通う生徒には物珍しくもないのだろうけど、客観的に見たら随分豪勢だ。確かに、それも道理である。この学校は、言わば学徒動員。ヒーローと呼ばれ、この世界に蔓延る悪人や凶暴なカミサマに対抗してきた大人が消え、その代役に今同じ役目を負っている。つまり命懸けの仕事が学業そこそこにあるのだから、学校の設備くらいは良くってもバチは当たるまい。そんな憩いの場を目的として作られたはずの場所は、今異質な雰囲気だった。"これほどのことはないなァ。ナイフ、ナイフ、ナイフ。落ち着く" 左目側に巻いた包帯、それでも隠しきれない痛々しい火傷。そのボケた色とは対照的に、はっきりした色彩の黒いシャツ、黒いネクタイを着けた少年が、ナイフを弄んでいるのだから。人を姿形で判断してはいけないが____"とっても紳士的だなァ。" 紳士は多分そこらで刃物は振り回さない気がする。『おい、貴様。往来で刃物というのは血気盛んにも程があるぞ。黙っていても仕事は来るんだ、必要のない時くらいはしまっておけ。』要するに、こんな場所で刃物を弄るな、と言った。多分これは誰だって止めに入るだろう。   (5/8 18:15:38)


ジェントル> 
「(足音と君の声が耳に入れば、一言発する前に、かちり。刃をしまっておく。が、そのものをしまう気はないらしく、いまだ手先でペンでも回すように繰っている。)ああァ…これは失礼いィ…(君の方へと見上げて表情を見せては、謝罪の仕草か目こそ伏せはするものの、口端の形は何も変わりやしないまま。)もちろん、人が多い場で振り回すのは控えているさァ…危ないからねえェ。(どこかうっとりとした様子は、変わりやしないまま。)でもね、これはボクの紳士らしさに必要なんだあァ…ないと、落ち着かなくてねえェ。悪いけれど、今は閉じたままででも持たせてくれないィ?(畳んでいても、ナイフを振り回すのさえ変わっていない。)開いている方が、『知ってる』けどねェ…人前だものねェ。仕方ない。(独り言ですらまだ言葉にしているようだ。)あァ、早くお仕事欲しィねえェ…何より、振り回してる姿が一番『知ってる』ものねェ…(恋しげな『知ってる』と共に。)使っていると安心するものって、あるよねえェ…(変わっているのは、ディスクの回転が止まっていることか。)」「ああァ、そォそおォ…折角だから挨拶でもォ。(そして。先程までの暴力的な雰囲気から…あるいは、姿にはその方が似合っているが、恭しく礼をしながら。)ボクは『ジェントル』、見ての通りの紳士さあァ…よろしくねェ。君はァ?(曲がった腰から上の首元から、ぴんとしたネクタイが垂れ下がっている。)」   (5/8 18:57:03)  


敗北@エレナ> 
『紳士らしさに必要、というのすらそもそも理解出来んし、人前で振り回すのは危ないと分かっているなら尚更しまっておけ。』要領を得なかった。刃物は危ないとわかるし、人前で振り回したらダメだともわかる。そして、それを存分に振り回す機会である仕事も待ち望んでいる。なら、それまで待っていたらいいじゃないかとため息が出た。『貴様と仕事をする機会があるかはわからんが、カミサマや悪人に加えて、警察まで相手にするのは骨が折れるからな。』結局、言い回しは難解だったが、ナイフが好きで持ち歩いたり触っていたいから我慢ならない。ということなのだろうか。なら『猟犬は案外、自宅では利口に待つものだ。そうした方が、狩りに出やすい。つまり、そういうことだ。』___節制は時に欲望を叶えることもある。物は欲しがる人間より、欲しがらない人間に転がりやすい。理由は簡単だ、欲求を真っ直ぐ直球(ストレート)に現した姿はいかんせん何が与えてやる気にはなりにくいからだ____だから、普段はお利口にしている方が結果的には多くが転がり込んでくるぞ、と忠告しておくことにした。これに懲りたら良いが。『ジェントル、覚えておこう。私はエレナ・ドラグノフ。好きに呼べ。』名前くらいは教えておいた。好きに呼べ、なんてぶっきらぼうな言いようだが、なるだけフランクにものは言えた……つもりだ。   (5/8 19:40:32)


ジェントル> 
「別に、傷つけるために持ってるわけじゃァないさァ…殺しは『スマート』じゃないからねェ。(笑顔だ。けれど彼は、『不条理を呪っている』。それがいくら自己中心的であろうと、不条理は彼のディスコードを働かせるに充分だ。)指揮棒みたいなモノって言えば、分かりやすいかなァ?それを持ってたらねェ、ディスコードが動かしやすくてさァ。(かちり。)だから、法の目にはちゃんと引っ掛からないようにしてるよォ。追いかけ回されるのは紳士らしくなあァいからァ、ねえェ。(刃のまた立つ音がすると同時に、小さくディスクは回転する。彼の足元の床は少しほどけるようになっており、うねるように少しずつ鎖が波を作る。)勘違いしないでほしい。(かちり。)ああァでも、ボクの説明も悪かったかなァ?失礼ィ…あァよくない、『ジェントルマンリー』じゃないね、落ち着くよ。(ナイフの刃は彼の不安定な情緒を表すようだ。いやむしろ。刃をしまったり、出したり、そうしてなんとかコントロールしている、それはスイッチである。鎖も、同時にうねりをやめて元の姿へと戻った。)」「ボクは、このナイフはね。振り回される姿が一番『知ってる』。だから、それに安心するんだァ…(つまるところ、刃は猟犬の牙ではない。彼は人差し指と中指の指先を、左目辺りの包帯の一周づつを押さえる。そして、少しだけ帯の間の隙間をあけて。)ほら。…ここに『ある』だろうゥ…?(そこには、隙間からでも見えるおびただしい程の切り傷の後が残っていた。)『痛い』からねェ。誰かに、これをあげることはないよ。(閉じる。)…ジェントルは『いたくない』から好きで、だからナイフはボクに『ジェントル』をくれる。『知ってる』のを、思い出すもの。(じゃらり。…そして、指揮棒の凶器は鎖へと戻った。)すまないね。少し落ち着いたよォ…。(まあとにかく。君がフランクだろうがでなかろうが、彼はなかなかに『異常』であるもので、『ジェントルらしさ』以外あまり何かを気にすることはない。)とにかくよろしくねェ、エレナ。会えて嬉しいよォ。(要するに、彼自身は異常なまでに、『フランク』だ。)」   (5/8 20:14:33)


敗北@エレナ> 
言わば、手元のナイフは撃鉄(ストライカー)ではなく冷却器(ラジエーター)だったのだ。かち、かち、と折りたたみの音を鳴らすことにより、それはダムの放水を弁で調整するようにして放流、放出を司っているのだろう。つまり、それを取り上げられたら、大河に笊を立てるようなもの。少しのきっかけで、簡単に人や街を飲みこんでしまう。話を要約するなら、紳士的な振る舞いであれば暴力から避けられて痛くない。ナイフを振り回す姿の方が安心する。しかし、ナイフで切りつけられたら痛いとわかるし、それは嫌いだ。という旨だ。それは、バラバラにした昆虫標本に近い。カブトムシをニッパーで細切れに切ったとする、それは確かに一部分一部分だけなら繋がるだろう。しかし、決定的に欠落してくる境界がある。想像力をいくら延長しても、元より奇怪な虫の実像を復元するのは手作業で、バラバラになった後なら不可能だ。つまり、彼しか答えを知らない関節のようなもので、この3つは結びついており、全体像を私には知りえない。だから、一つ一つの善悪には触れるべきではないのだ。『ひとまず黙認してやろう、私には貴様の経歴全てを見る目はないし、善悪を付けるために声をかけたでもない。誰かを脅したり、誰かを傷つけるためにそんな光り物を持ち歩いてるんでないなら、私の出る幕はなさそうだからな。』立場は明確にしておく。『……のちのちでいい、その事情は話してくれるなら助かる。毎度毎度貴様を見る度に気を揉むのも本意ではない。』気を揉むのは、誰かに誤解されやしないかである。私も鬼じゃない。出会えて嬉しいと自分に言ってくれている人間が、怪訝な目で見られたりするのは嫌だ。まさか事情をベラベラ話して、わかってくださりませんかなどと言う気は無いけれど。根本的解決になるか分からないけど、少なくとも大事になれば庇いはしてやれる。『時に、貴様は何に明るいんだ。有り体に言ったら、何ができるかという意味で、だ。同い年でジェントルジェントルというからには、何かこだわりでもあるはずだろう?隠し芸でもあるのか。』これは冗談だ。ただ、自分をジェントルだと同い年くらい、あるいは多少下の人間が言う姿はどちらかというと滑稽な部類だ。何かしらに憧れてやっているなら、何かこだわりには原因がありそうだと   (5/8 20:39:24)


ジェントル> 
「…やっぱりここはいい学園だァ…分かってくれる人がいるなんて、それほどのことはないねェ。(たったひとつのよすが。ずっとずっと、ひた隠し続けていたよすが。誰にも許されることはなかったよすが。母の言う『あの人』によく似た目。ずたずたに、振り回されたナイフ。)『知ってる』。覚えてるんだァ…よく、ね。だから忘れてしまうのが怖くて、『持ってなきゃいけない』って。(彼に巣食う、心の虫は、触覚から羽の先まで解剖されている。バラバラに、何度も何度も体の中を確認するように。)許してくれて、嬉しィよ。(間違いを恐れるように。けがれを恐れるように。)これで、忘れないでいられるからねェ。(過干渉はせず、しかしちゃんと『見て』くれるのは、嬉しい限りだ。)でも。(笑顔のまま、少し視線を外した。)でもまだ、全部は言えないかなァ。君があの人を悪者にしないって信用できるって思えたら、話すかもねェ。(説明と、欠け落ちてしまった剥製の欠片以外は、隠さねばならない。哀れまれることが怖い、確かに彼女は原因かもしれない、それでもあの人は苦楽を共にしてきてだから悪い人なんて言われてほしくなくてなんで『医者』たちはみんなみんなみん)」「(支配される前に、彼の手にはいつの間にかナイフがある。左のディスクも回転して、大柄なコートのシルク・ハット、その発言した一部が手渡す。)でもそれは、良い質問だァ…信用の第一歩だねえェ?…特技と言ったら、『マナー』の知識だとか…(かちり。)それか。(続く言葉と『指揮棒』の奏でる音を皮切りに、彼の足元の鎖が彼の体を素早く君の懐に運ぶ。)こォいうのの方が好きかなァ?(そして、君の足を『効率的な縛り方』が襲った。)…殺すのは痛い。『スマート』じゃないから、こォいう『縛る』のは特技なのさァ。鎖じゃなくてもいいしねェ。気に入ってくれたかなァ?(かちり。『ショー』は、ひとまず終演のようだ。)ああァ…仲間のことは知っていた方がいいし、君の特技も聞いてみたいねェ。(次は、君の番。)」   (5/8 21:22:40)


敗北@エレナ> 
『……別に、全部は言わなくてもいい。貴様にも貴様の考えや事情や、傷がある。ただ、そうだな。悪者をわざわざ増やすような女ではないよ、私は。』それは反対に、きっと誰かの悲しい話を聞いても、その人のようには怒ったり、叫んだり、泣いたりできないということなんだと。冷たい言葉が、腹の底の方でじっとりと重く存在感を示した。理解し合うのは難しいかもしれないし、彼も多分哀れんだり、これからのご高説を垂れたりをきっと望まないような気はする。けれど、それを踏み越えていけないならともかく、"行く気がない"のはヒーローと呼ぶのだろうか。___鎖が動いた。蛇のようにも、あるいは一種の移動手段のようにも見える。生物とも機械とも付かない挙動は、明らかな無機物が人間により操られていることに起因する。それは彼の身体をこちらに、私の足元にも同時に、無論縛り付けるために蠢いている_____『何ごとにも』技は巧妙卓抜、外側(アウトレンジ)からつつくならともかく、自分も同時に迫る胆力も人間技ではない。しかし、普段相手にしていた連中の"速さ"とは前提から違う。『例外は存在するということだ。貴様らは"ディスコードを運用するために" 居るが、私は"ディスコードの側が私のために" ある。』___足を引く。反射的に動けるフットワークは、ボクシングと持ち前の反射神経によるものだ。『特技というなら、なんとこの身体、という具合だ。』そして、鎖を一旦かわし、切り返してくる脚力と"飛距離" は、鍛えに鍛えた怪力に由来する。高飛びや幅跳びは知らないが、力任せに跳ね、力任せに前に出るだけなら筋力(ちから)の勝負だ____風を切り、顎に向けて本能が打ち込みかける拳を、当然だが制止する。そして、肩を竦めながら改めて答えた。『宿主は宿主でも、前に出るしか脳がない宿主でな。おふざけに付き合わないほど堅物ではないが、顎を吹き飛ばしても私は謝らんぞ。』   (5/8 21:46:21) 


ジェントル> 
「とても…『紳士的』だ。(失敗を恐れる君は、誰かの逆鱗に触れることを恐れるのだろうか。悪のきっかけになることを恐れるのだろうか。強い意思を持ちながらも、享受する姿勢を感じた。)とても。『ヒーロー』らしい。素敵だねェ、ミス・エレナ…(そんな風に振る舞うのが、そんな風に振る舞った言葉が、腹の内に存在感を残すのだろうか。…笑顔でいても、時に笑顔でいるから痛いときがある。)…強い、人だねェ。(祖母の葬式があった。母は、怒りでぐちゃぐちゃになって、ボクはとても熱かった。『あの人』に似た左目が、なにも見えなくなった。訳が分からなくなって、だから余計に、笑うしかなくなった。)でも大丈夫。ボクも、簡単に死んでやる気も戦闘不能になってやる気もないからねェ。(柔らかな土の地面や布は、柔らかく『筋肉』にするには最適だ。腕には何本もの鎖が巻き付いている。…つまり並外れた根性は、砕くほどの怪力を受けようが、『笑顔』で拳を振り下ろすつもりでいた。)死んじゃダメなんだァ…戦わなきゃ、ダメなんだァ。だって『ジェントル』。だって『ミスター』。だって、『ヒーロー』だもの。(感情がないんじゃない。表に出すのが、怖いのだ。)」「…あのさァ。優しいひとがいてくれるのって、嬉しィコトなんだァ。(ディスクは止まる。すると、蛇のようだった鎖は再び元のレンガの床へと戻った。腕時計だけは、ちくたくと時間を刻んでいくが。)だから1個だけ。たぶん、いつかまた教えるかもしれないから。『ママ』を、ボクは守りたいんだ。…って、事だけ。言っておくねェ。(…そろそろ、授業開始五分前を長い針が刺すころ。)それじゃあねェ、ミス・エレナ。ボクはいつも、ここにいるから。また会えるといィねェ。(じゃらり。ナイフはまた、鎖の中にひた隠されて、彼のズボンのポケットへと、中空から滑り込んだ。)」   (5/8 22:18:23)


敗北@エレナ> 
『……ヒーロー、か。』「ヒーローらしい」という言葉に対して答えたのだろうか、「ヒーローだから」という言葉に対して答えたのだろうか。間を空けて呟いたそれが、なんなのか。私には判断はつかなかった。けれど、少し顔は顰めていた。負けたようで悔しいからか?いや、そんな稚気にかられているほど余裕のない人間性ではない。寧ろそれは、相手を慮るようなものだ。同情するには話を聞いていないし、慰めるには責任なんて持てる身分では無いのだけれど。それでも___『私が、尊敬する人の言葉だ。彼女いわく、誰かを倒すための強さなんてのは論外で、誰かを守るための強さなんてのは、攻め込んでくる誰かが居なくなれば無用の長物だ。』『だけど、いつでも強くあろうとする強さっていうのは、いつか誰かの役に立つ。』同じく教室に向かうだろう足取りを、少し早めた。隣合って話すのは、なんだか間抜けなくらい、大事にしてきた言葉だから。『なんせ、強い人には理解ができて、弱い人には元気を出させて。そして___傷ついた人には、少しくらいその気持ちを分かってやれる。無理をした分、な。』それは、「許し」ではない。『……言った理由は、一々言わんぞ。ただ、貴様には必要な言葉だと思った。また会うなら____そうだな、そのナイフでケーキでも切ってもらおうか。』「頑張れよ」とそう言った。   (5/8 22:37:27)

伊藤 優希> 
はらり、はらり。ぱたん。(いつものように真っ白な表紙の本を開いては閉じる。この動作を何年も続けてきた。もうこの本の内容は暗記しているに等しい。それなのにこんな無意味な事を続けるのに、理由がある訳でもなくて、ただその行為に意味を見出そうと躍起になっている、とも取れる。噴水の飛沫が映る。わざわざこんな所で開いてしまわなくても良かったな、なんて思いながら、なんとなく噴水を見つめる。孤児院のみんなと離れてこの学校にやってきた。何故と聞かれれば、ちょっと答えに困るけど)「考えれば考えるほど、流されやすい…」(流されやすいと言うよりも目的が毎回不明瞭なだけかもしれない。割といつもなんとなく、とりあえず、で動いてきたから。いや、しかし、僕は何か目的を持ってこの学校に訪れたと思うのだ。その目的を覚えていないのは、それ自体に思い入れが無いからか。そもそも)「僕なんでこんなに悩んでるんだっけ?」(ああ、思い出した。今日はあんまりツイてなかったのだ。寝つきが悪く寝不足気味で、食堂でお気に入りのメニューは売り切れ、消しゴムは無くしてしまうし、ちょっと小さなツイてないが多かった。それでまあ、少しだけ疲れてしまった)「ふぅ…」(と、息を吐く。噴水でも見れば心がスっとするかなと思ったが、どうやらそうもいかないらしい。授業も終わったし、いつまでもグダグダしてないでさっさと寮に帰ろうかな。なんて思いながらもうちょっとだけ、眺めてようと噴水を見つめた)   (5/8 23:13:31)


ジェントル> 
「落ち着くよねェ。噴水。(なにがしか悩んでいるらしい君に、彼は厭うことなく背後から話しかけた。ぼーっと、流れる水を眺めている君に彼は『興味を持った』らしく。)ご機嫌ようゥ…ボクも噴水好きでねェ。よく来るんだけど、他のこともせずに眺めてるなんて珍しィなあァ~~~って、思ってさァ。(ある意味で、君の『ツイてない』はまだ続いている。彼はなかなかに、変わった人物だ。)ボクも、ナイフいじったりしながら眺めて落ち着くものだからねえェ…(それは、『ナイフ』の一言だけでもうひしひしと伝わってくるだろう。)君の振る舞いが、とても紳士的なものだったからねえ。(そして君はそんな人物に、満面の笑みで立ち向かわれているのだ。)君にとってそれほど、噴水は美しく映るのだねえェ…(タイミングが悪かったのであろう。ちょうど君が、噴水だけを眺めているときに、彼は君を見つけてしまったのだから。)ああァ…そう、申し遅れたね。ボクはジェントル、見ての通り名前の通りの紳士さァ。3年生だよォ。(そして重なる恭しい礼が、余計に彼を変人に見せた。)」 (5/8 23:36:22)
 

伊藤 優希> 
「ジェントルさん…ですか」(突如声を掛けられる。そちらを向けば黒いシャツに白いネクタイの男性が、そして左目側は包帯でぐるっと巻かれている。その男性はジェントルと名乗ってきた。若干だけど『あ、ツイてないな』って思ったのは内緒だ。いかにも見た目と仕草がアレなので、ちょっとだけ抵抗感があっただけ、それだけである。…聞けば同じ学校の先輩のようだ。名乗られたなら名乗り返すのが礼儀というものだろう。何やら『紳士である』というのを重要視してるようだし)「初めまして、僕は伊藤優希、1年生です。優しい希望って書いて優希です。よろしくお願いしますね」
(笑みを浮かべながらそう自己紹介する。自分で言ってて大層な紹介だなとは思うが1番わかりやすいのがこれなのだから仕方ない。さて、噴水について話題を振ってもらった事だし、膨らまさせてもらおう)「美しい…ですか。そうですね。美しいのかも知れません。水の音って言うのが、結構好きなので」(と、当たり障りないことを話しておく。ぶっちゃけ初対面だし『ナイフ』とかあの顔の包帯とか、ちょっと怖い。なんでこの人ナイフ持ってるんだろう。紳士となにか関係あるんだろうか?紳士はナイフ持つのがマナーだったりするのだろうか?)「何もせずに見ていた訳でもないんですが…これは別にいいか…うーん、そうですね…僕のどの辺が紳士的だったんでしょうか?」(かなり探り探りなのが丸わかりな発言をしてしまった。正直孤児院のみんな以外と話すことがなかったので初対面の会話はあまり得意じゃない。不快な思いをさせてないといいけど…)   (5/8 23:53:13)


ジェントル> 
「ああァ…こちらこそよろしくうゥ、伊藤くん。(彼の名はジェントル。もちろん本名ではない。警戒されるのも当たり前の話だ、だって意味が『紳士』なのだもの。異常なほどにこだわり、それを名前にしてしまっているのだもの。)優しい希望。ヒーローらしい、いい名前だねえェ…気分も明るくなる。(そしてその、終わりのない笑顔も警戒されるひとつなのだろう。明るくなると言っているが、表情は万年明るそうなほど。ナイフや笑顔、ジェントルは恐ろしかろう。だが、彼の物腰は今はあまり異質、といったものはない。笑顔と包帯で隠れてはいるが、表情の再現は苦手、としているようだ。)そうだねェ。落ちる水の音、跳ねる水の音。どれも、安らぐねえェ…安心する…心がとても、落ち着く。(変人であることも変わらないが。)美しいものを愛す姿…それはボクにとって、紳士らしいと言って差し支えないモノだから。…君もその例に当てはまるからねえェ。(彼には、気を遣うという概念はあまり念頭になく最低限だ。彼は『保護施設』の出身で、むしろ慣れているのかもしれない。)ミスター伊藤…紳士らしいねえェ。(その砕けた振る舞いは、君を安心させる理由になる…かも、しれない。)」   (5/9 00:37:24)


伊藤 優希> 
「あはは、ありがとうございます。僕を名付けてくれた人もきっと喜んでくれます」(思わずはにかんだ。自分の名前を褒められてちょっと照れ臭くなる。名前を褒められる機会はそこまでない。僕自身、自分の名前を気に入ってる訳では無いけど、嫌ってもいないから、自分の事を素直に褒められた気がしてちょっぴり面映ゆい。そして僕のどこが紳士的なのかという問いについての彼の返答を聞けば)「なるほど、そういうことですか」(一応彼は彼なりに理屈があってその様に僕のことを見ている…らしいと納得する。依然として雰囲気が怖いのは否めないが、悪い人では無いのかもしれないと、先程よりは態度を軟化させる)「ジェントルさんの思うような愛し方をしているかはわかりませんけどね。何せ目的もなく見ていたようなものですから。ただ、ちょっと今日はツイてない日だったな、なんて思ってただけなので」(苦笑してみせれば、僕は片手に持った本を懐にしまう。いつまでも持っていてもしょうがない)「ま、そういう日もあったなって思えるだけいいのかもしれませんね」(覚えてる事に思いを抱けるだけ、きっとマシなんだろうな。覚えてなかったら、知らなかったらその思いすら抱けないから)「あはは、すみません。初対面なのに」(と、相手に謝罪をする。今日の僕はあんまり調子が良くないみたいだ)   (5/9 00:53:01)


ジェントル> 
「(彼は不条理を呪っている。)そォなのかい。それは、失礼したねェ。(左腕の時計の、ディスクが回り出す。…その、大柄なディスコードは傘を背負う。傘からは星空のような薄暗い紫の雨が降り、地や人の身を濡らさずふわりと消えていき、シルクハットは湿ったような姿をして。)大丈夫さァ。『ボクたち』も、人並みの不幸は体験してるつもりだから。(倫敦雨は霧の街の、涼しい雨。その夜に、彼女との不幸は始まったのだと言う。)沈む気持ちは理解しているつもりだからねェ。とやかく言う資格なんてないさ。(でも彼女は、不幸のかたちはたくさんあって、どれが一番不幸かは変わるものだと、教えてくれた。幸せになってほしいと、願ってくれた。)レイン。今日は彼も、『不条理』の人だよ。(彼が手を差し出せば、同じように大柄なディスコードが差し出す手には傘が握られていた。)彼は、ボクに不条理を見て見ぬふりすること、やめていいって教えてくれたんだァ。(一端を、君に少し触れてもらいたくて。)…不幸っていうのは、耐えるものじゃないと思っててねェ…(右腕のディスクも、同時に回り出す。)」「『開かなきゃいけない』。(発現した鎖は、彼の目の前の地面を基にして、開闢した。)…それがボクの紳士らしさだからねェ。」   (5/9 01:18:16)


伊藤 優希> 
「うわぁ…!」(彼の、ディスコードだ。他人のディスコードを見る機会はまだ少ない。勿論僕もディスコードを持っている。でも僕はまだあの箱を、彼を使いこなせていない。だからこそ、目の前の2つのディスコードを操る貴方を凄いと思うし、そしてそのディスコードが彼自身の象徴である事を直感で理解した)「…ジェントルさん、ありがとうございます。気を使ってもらっちゃいましたね、僕」(たはは、と笑う)「ジェントルさんのこと、ジェントルさん自身が教えてくれたので、まあ、僕もちょっとだけ」(相手から貰うだけというのも良くないだろう。だから、まだあって間もないけど、少しだけ自分を『開いてみようと思う』)「まあなんてことは無いんですよ。寝つきが悪くて寝不足だったり、好きなランチが売り切れだったり、ほんとにその程度なんですよね。あーあっては思いましたよ。なにやってるんだろって。でも誰が悪いって訳でもないので」(あぁ、でも口出してしまえばスッキリする。確かに)「…耐えるものでは無いですね」(と言って笑ってみせた)「でもねジェントルさん、僕はそれを悪いとは思わないんですよ。そういう小さな不幸も…不条理も。知ってるから嫌だなって思い返せるんです。知らなきゃ、『思い』出すことは出来ないんですよね」(懐古しようにも、するものがなければ、古きを懐かしむことは出来ない。例えそれがどんなものであれ、無いものに思いは抱けない)「そうは言っても、言うべきものは言わないとダメみたいですね!ありがとうございます。ジェントルさん」(そう彼に感謝を伝える。きっと、さっきよりは、明るく笑えてるのではないかな?)   (5/9 01:46:03)

小室 耕助> 
(自分は今困っている人を探している。それは暇を潰す趣味であり、自己満足だ。何かやる事を欲しているというだけの事。噴水付近を通り、人がいないか瞳をぐるりと回して確認していく、そこにあなたを見つけた。自分より背の高い、白いネクタイが特徴的なあなたの所にふらりと近づいていく)「こんばんは、静かな夜だね。調子はどうだい?もし良ければ私と話でもどうかな?」(あなたが困っているように見えたわけではない。別に困っていなくとも良いのだ。ただ、この何もない時間を潰せるのならなんであれ構わないと思っている。あなたさえ良ければ、この私の退屈しのぎに付き合ってもらえるだろうか?)   (5/9 20:33:48)


ジェントル> 
「(ちらり、ちらりと、月光を照り返す水面の鏡。白刃の輝き。そして、鋭い口の端。それはきっと、君の目からは隠れていたのだろう。)おや珍しいィ…こォンな夜更けに、ボク以外の人が来るなんてねェ。(かちり。)本当、静かでいいねえェ…調子はとてもいィよ、いつでもそォだけど。(刃は持ち手へ畳まれて、ただの何か手元に収まる、少し歪んだ長方形へと姿を変える。)今日はとても落ち着く、夜だもの。思い出すよ、夜というのは穏やかでねえェ…(それはくるりくるりと彼の指の上や間や、あらゆるところを転がっていく。指先は細く長く、指の筋肉が張った『器用』な手付きである。指が動く度、筋も浮き上がったり、皮膚の下に隠れたり。)いィよォ。話。ボクもちょおォど暇していたところだからねえェ…(ぱし。と、刃のないナイフを、手の内に納めて。)まずは自己紹介しなきゃねェ。ボクは『ジェントル』。紳士には『必要不可欠6』な名前さァ。(そして恭しく礼を。)キミはァ?(最後に、少し見上げながらも質問を。もはや、その一連の動きは彼を意味するようなものである。)」   (5/9 21:15:32)


小室 耕助> 
「ジェントル、なるほど紳士というわけだね。私は小室耕助、言うなれば探偵かな?」(それが本名であるのか偽名であるのか。どちらにせよ、あなたの恭しい礼など振る舞いは確かに"紳士"を思わせるようなものだった。こちらもそれなりの振る舞いを見せておこう。真似るように、こちらも恭しく礼を見せる。懐のハンカチで軽く手を拭いたら、ゆっくりとそちらに腕を伸ばした)「よろしくジェントル。このまま話し込むというのも良いけれど、友好の証として握手するというのはどう?」(人懐っこい笑みを浮かべて、あなたの反応を伺う。待っている間も瞳はあなたの姿を捉えて離さない。あなたのような人は正直何を考えているのか読みづらい所はある。ジェントルを名乗っていることから、紳士であることに固執しているのかもしれない……とは思うが。ともあれこの人と話すというのは面白そうだと感じている)   (5/9 21:41:49)


浸 ばぐる> 
時は昼下がり。『昼食』という名の原動力補給の後__いつものようにこうして暇をし、校内をうろついていた。この間みたいに静かなところで話すのも良い、が。偶には外をうろついてみるのも良いものだろう。)「…いい天気だな〜。最近ずっと室内に居てばっかりだったからね。お外を散歩するのもいいものだな。な、クールくん。」(…と、言うのも彼女の相棒『クールウォーターゲーム』ことクールくんこそ『外に出よう』と提案した張本人なのだ。彼の見た目と言動こそチャラチャラとして五月蝿いものだが…)「…本当にきみは見かけによらず世話焼きだな。ロボットに健康も不健康も無いのに〜。(…と、いっても一ヶ月に一度のメンテナンスはあるのだけど。)」(…と。そうして着いたのがここ、噴水広場なのだ…が、)「…あれ。あのひとは…」(先客がいたようだ。…なにやらカチャリ、カチャリとナイフを弄っている様子。)「…な〜んか、気になるな。(せっかくだから話しかけよ〜。)やっほ。ねぇ、君〜。なにしてるの?」(…なんて背後から突然ヒョッコリ現れ、君に声をかけるだろう。なんたって彼女は__)(予測不可能で奇怪な『機械』なのだから。)   (5/13 21:39:20)


ジェントル> 
「(ぐる、ぐる。かちゃ、かちゃ。金属音を鳴らしながら。何か愛おしいものを見るようにすれば、彼の周りでは花が咲くように地面から鎖が溢れている。)一体いつになったら。(もうこんなにも、大きくなったというのに。一途に彼は、振り回されるナイフを見つめていた。)…おゥや。(けれど君にみせる表情は、どこをどう見ようが完璧な『笑顔』だ。彼とて『予測不能』で『奇怪』な、そして機械のような笑顔を持つ男である。)これは失礼ィ…。刃が、出っぱなしだ。(背後に立たれようと何も動じることはない。仮に動じていても、動く表情筋がもはや固くなって枯渇している。)いけなィねェ、紳士はそのあたり『スマート』でないと。あァ欠いている………ごめんなさい。ごめんなさい。(…かちり。ナイフの刃が、折り畳みのその握りに正しくしまわれる。とはいえ、それでも彼にとっては『だいじなナイフ』であることは変わらない。だからまだ、うっとりぐるぐると回っている。底無しに器用で、これまで落としてきたことなど。子供のように謝るのは、謝る振る舞いを思い出すから、であろう。)」「(また、喜怒哀楽の落差に安定がないのも彼の育てた精神性である。鉄仮面も。)…ここ、とても落ち着くだろゥ?(さらに、気が抜けるとやはり、何かしら言葉に行動ににしてしまうもので。)でも、珍しィねェ。君みたいに全く何も驚きやしない人はなかなかいないものでねえェ…(それを当たり前のように享受されるのは、実に気が楽なことで。)ボクは、ここで『落ち着いて』るんだァ。(笑みは、満足げなそれを少しばかり醸し出していた。)」   (5/13 23:00:13)


浸 ばぐる> 
「お。どうも〜。」(突然の来訪も案外すんなりと受け入れられた事に少し、驚きながら。)「えへ。ここはヒーローを目指す学校だから何が起こっても不思議じゃないでしょ?むしろちょ〜っぴり個性的な方が私はすきだから、な。ごめんなさいはいらないよ〜。あ。…ここで言う『個性的』は決して悪口じゃないからな。安心して、いいぞ。(…なんてこちら側も何時もの笑顔で答えて。)」「君はぁ〜、えーと。ごめんな、名前知らないや。教えてもらってもい〜い?(…と、その前に。)私も自己紹介しなきゃ、ね。『浸ばぐる』、世にも不思議なロボットの女の子だぞ。(…と言いつつ、ふらり、と貴方に近づきながら大げさな動きで手をグーとパーにしてみせた。)」(表情と声の抑揚は少ないながらもたしかに『感情』を得た…いや、『得てしまった』機械なのである。)「…そりゃーちょっとやそっとじゃおどろかないよ。鋼の心、持ってるんだから。(ポンポン、いや、カツンカツン、とその胸を軽く叩いて見せる。それは例えでもなんでも無く機械だから出来る『ジョーク』、彼女のクセである。)「へ〜…ねぇ、君の周りのコレ。君のディスコード?じゃらじゃらしてるな〜。(彼の周りに張り巡らされた『鎖』の数束をちゃら、と手ですくい上げるようにして持って見せる。)こういうのって結構使い勝手が良さそうだね。バリアなんかに使えちゃったりするのかな。(…と、勝手に分析してみたり。)…って、あ。勝手に触っちゃったらいけなかったかな。ごめんね。」   (5/13 23:30:00)


ジェントル> 
「個性的。(さてはて。何度、その言葉を生涯で耳にしたことか。自分が『変』であることは、カルテに刻まれているものだから。いくら普通だと言い聞かせても、そんなことは言われなくたってわかっている。)…いや。(それでも。どれだけ変だと突きつけられようが、『紳士』が治療すべき病気であろうが、人間優しさには脆いもので。)ありがとゥねェ。(変わるべきだと書かれたカルテを、『ジェントル』の見誤ったかを、目の前にして混ざりあった無意味な怒りと不毛な悲しみが無くなりはしないが。)ボクはジェントル。ちょっと不思議な『ジェントルマン』さ。(それでも、深い深い優しさに尊敬の念を込めて、挨拶を少しだけ引用しつつ、懇切丁寧な礼は、洗練された【マナー】の上で行われた。)よろしくねェ、ヒタリさん。(そして礼の姿勢のまま、艶かしくさえある微笑んだ視線を君に合わせて、挨拶の言葉まで済ませよう。)…出来ることは、やるよ。(鋼の心を持つ君。耐えれるのだろう。だが耐えれることが、必ずしも『強い』のではないのだと知っている。少しでも崩れれば、壊れて落ちてしまうのを知っている。だから彼は、君にかける『負担』に、気付けるよう願った。)」「その方が、『紳士的』だものねえェ。(レディー・ファーストは当然だ。…だがそれ以上に、その裏に、君への感謝。たった一瞬のことではあるが、一瞬だけでも救われた気になれるだけで、それは感謝に値するものだった。)興味あるかァい?…それじゃあァ、『お礼ついで』じゃあァ~ないけれど…(君の足元が、波となって崩れていく。)良い景色を見せてあげよゥ…アテンション・プリイィ~ズ………(そして波の中に、君の足はずぶずぶと沼に飲み込まれるように沈むだろう。だが沈むのは足首まで、締め付けも少なくちょうど良い程度だろう。【縛術】は痛みを与えるだけの知識ではない。)さァん。(そして、ぼこぼことアスファルトの鎖も円状に中心を最も深く沈んで行き、)にーィ。(足の固定も少しずつ増えていく。)いィーち。(そして、彼が指を鳴らせば。)ぜェろ。」

「(『打ち上がる。』)」

「こォいう使い方もあるのさァ。(後からゆっくりと、自らの鎖を巧みに操り追ってきて、彼は言った。雲を越えることは出来ないが、学園内を一望するには足る高さであった。)」   (5/14 00:25:00)


浸 ばぐる> 
「あれ、(少し言葉を曇らせる彼の表情を見、)ちょっと機嫌悪くしちゃったか、な…わ、悪かった、ごめん、だ…(感情を持った精密機械と言えどまだまだ『人智』には程遠い様で。)…ジェントル、さん。君の名前、たしかにこの頭で覚えた、ぞ。(そのミステリアスな風貌と『紳士』を名乗る彼の事はこの先忘れることはないだろう。)んふふ、紳士…すてきだね、ジェントルさん。でも__自分の事も気遣うんだぞ。じゃないと…どんなΩND(おわり)を迎えるかわかんないんだから。(と、機械ながらも人間の心の脆さには気づいていて。でも、変な用語も混ぜて、あまり気を使わせすぎないように…)」(__と。)「えぁ、お礼って、そんなのいいよ〜。(と、言い終わる前に。)(沈む。)(沈む。)(今まで真っ直ぐに立てていた床が彼の能力によって切り開かれ、崩れる。)「ぇ、あわ、景色ってこ、これって大丈夫なやつなの、か、(痛みはなく、__いや、彼女に元々痛覚はないのだが、その束縛は緩やかなものであって。…しかしカウントダウンと彼のぬるり、とした声色も相まって恐ろしさは増して行き。)な、なにをするミ、ジェントルさ__」(と、その瞬間。)(____翔んだ。)(羽を持たない機械は、『翔んだ』のだ。)「…ぁ、た、高い……(この学校ってこんなに広い建物だったんだな。そりゃ有名校だから当たり前か…)(隣にふわり、と移動してきた『彼』に何時もより心做しかキラキラとした瞳で。)…す、素敵なものをありがと、な、ジェントルさ__って!お、落ちちゃわないか、コレ__」(景色に見とれていて、自分が『どんな状態に居るのか』を忘れかけていた。__いや、『未知数』を愛す彼女にとってはそれほど興味深いものだったのだが。)   (5/14 00:56:06)


ジェントル> 
「『ロンドン・レイン』。(左の時計。その裏側のディスクが手首の動きによって回転を始める。)君はロマンス、好きかなァ?(…『根性』の据わった彼に、恐れるものはもはやほとんどない。だから空の世界を知るのだ。倫敦の雨に不条理を呪い誰かの不条理に抗うのだ。)…必ず君を受け止める。ボクは『ミスター』、人を救う高貴なる紳士さァ。(シルクハットにコートの『もう一人の紳士』。昇る紳士たちは確かに君の膝裏と肩甲骨あたりの背中に両腕を差しのべ、降り注ぐ重力に『傘』を差した。)ボクはロマンスが大好きでねえェ。小洒落ていて、名の通りロマンに溢れた『ジェントルマンリーなかたち』。(君の体に掛かっていた、落下する力は少しの間なくなり、浮くような感覚が訪れるだろう。)一度やってみたくてねェ。いィ機会だった。(そしてすぐ、君の体と彼の足元で浮き上がっている鎖と、そして彼の両腕に支えられていることに気付くだろう。)純真な君に。優しい君に遅れて、ボクも嬉しィ限りだ。(それは所謂、『お姫様抱っこ』で。)」 
「(…正直なことを言うと、念のため地面の鎖数本で増強しておいたのは正解だった。シャツの下なので少し違和感はあるが、足元の鎖を伸ばしうまくカモフラージュしつつ。)さァ。降りよゥか。(ロンドン・レインは傘を閉じ、ディスクの回転を止めると同時に、彼の中へ戻るように、ふ、と背後で消えていった。)…まあ見ての通り、ボクは今、とォ~~~っても元気。それに楽しいよ。だから大丈夫。(ロマンスらしい行動が出来て、不安定な情緒、情緒は、なにやら整ったようだ。)覚えてくださり光栄です、ミス・ヒタリ。(やはり笑顔の鉄仮面は剥がれないものだ。だから少し、彼の表情冗談もわかりづらかったり、だけれど。)」   (5/14 01:39:52)


浸 ばぐる> 
「は…え、」(__ふわり。涼しい霧雨を纏い、シルクハットを被った彼のもうひとつのディスコードがちら、と見える。そして。)(__まるで風に攫われるかのように、…抱えられる。そう、『ジェントル』__彼の腕に。)「え、これって、あの、その__」(金属で出来た心臓がとくん、と動く。それは不意打ち、この感情は。)「えぇえと、あの、これは…(…こーいうときってどう、すれば…)」(体内温度も不思議と上昇している。データの詰まったアタマでぐるぐるぐる…としている内に気づけば元いた噴水の前、足元もコンクリートの地面に戻っていた。それはまるで奇術__一瞬だって目の離せないマジックのように。)
「(__すとん。と降りた後は放心。なんだかアタマから煙も出てるよーな…くらくらっ、と目眩…機械の『それ』はこう呼んでも良いのだろうか。とにかくそんな現象が起きる。…これは。)…え、エラー、デス……」(なんて呟いてくるりと一回転。腕、足、心は宙ぶらりんに…と、)「あぁ、いけないいけない!は、そ、そろそろお昼休憩が終わっちゃう、な〜〜〜あ、それじゃあ〜〜〜!(突然の正気が襲う。普段より遥かにぎこちない『またね』のあいさつ、そしてついさっき出会ったときのように手を大きく広げて振りながらパッとそちらを見て。)…ジェントルさんも授業にお、遅れないように、ね…!」(…なんて早口で言いながら扉の方に駆けていくだろう。…『あんなデータ私にはないよ〜、』なんてベタでありがちなセリフを呟きながら。)   (5/14 02:19:33)

M≒JOKER> 
『へぇ、君って意外と家庭的』それは突然現れた。君が黙々と作業をして教室に静寂が広がったその瞬間。君の耳元で、高くも低くもない声に話しかけられる。あなたは家庭科室で料理をしていたかもしれないし裁縫をしていたかもしれない。ドアには鍵をかけていたかもしれないし、そうでは無いかもしれない。彼の前では嘘も真実も意味をなさない。何が虚像で何が現実かなど、彼女の前には無意味である。____とにかく、彼女は気がつけば君の後ろにいる。それはちょうど君が椅子に腰かけるか低い位置にいたかもしれない時に、後ろから覗き込むようにして君のことを見ていた。君がどんなに感覚に優れていようと、君がどんなに耳がよかろうと、彼の存在を感知することは直前まで出来なかったはずだ。なぜならそれが彼の能力だから。<容量____4>『ね、君はいつもここにいるの?』彼女は君がこちらに振り返るのなら、トトンと靴音を弾ませて後ろへ下がる。それから髪の人束をクルクルと指に巻き付け、愛らしい声で君に問いかけた。フリルのついた袖をヒラヒラと揺らす度に、どこか甘い香りが漂うようだった。こんなにも目立つシルクハットを被った奇怪な人物は、気がつけば君の隣にいた。>じぇんとる   (5/20 21:40:09)


ジェントル> 
「『紳士的』、と言ってくれると…嬉しィかなあァ。(右手のディスクは回転を続けている。…なぜなら夕下がりの教室、授業で使っている教室と比べかなり大きい曇りガラスから歪んで差す光がむし、と暑い。)…ママが帰ってくる前にねえェ。美味しィもの、作れるようになっておきたいからさあァ。(彼の足元は、鎖がぎっしりとしきつまっている。どうやらすぐに潜航するため。そしてそこから鎖化による開闢にて無理矢理通った、鍵もかかる扉に一本だけ巻き付けて『感知』するためだ。つまりここは放課後、彼は見回りの目を欺き料理している。寮にもキッチンはあるのだが、彼は家庭科室に固執した。)ここで、作ってあげるんだあァ…おいしくねえェ。(とんとんとん、と、『授業参観』の時より手際よく、もやし、人参、野菜を正しく切り分けて、じゅうと油のはね肉が白茶けた色になるフライパンに順序よく入れていく。優しく誉められたものだ。)」「…改めてごきげんよう、初めまして?(見てわかる通り、彼はあまり驚いてはいない。むしろこうあることを楽しんでさえいることは、見てわかるだろう。…頬がつらないのかというほど、彼は常に笑顔であるが、別に常に楽しくて笑っている、というわけではない。)君はそう、噂に聞く『JOKER』くんだね?(そして楽しんでいるのは君のサプライズに、というだけではない。)『奇術師』はボクのヒーローなんだ。…とっても、とっても、会いたかった。(君そのものとの出会いも、だ。)…ここにはよくいるよォ。放課後に来るには辺鄙な場所だからねえェ、噂にもいいんだろうねえェ。君の噂もいくらか聞ィたことがあるんだァ…(幻影を生む甘い香りと、ととんと足音。食欲をそそる旨い香りと、じゅじゅうと炒めの音。蓋を閉めた。)ボクはジェントル。見ての通りの紳士さァ…仲良くしてくれると嬉しいなあァ、奇術師、大好きだからさあァ………(そして挨拶は、しっかり君の目を見て恭しく。そして、ことことと煮立つ豆腐と昆布の鍋に大さじ一杯入れた溶き味噌を入れ、混ぜはじめた。)」   (5/20 22:23:22)


M≒JOKER> 
『わっ!!これやって驚かない人始めてみた!ふふ、いいなぁ、僕君のこと好きだな』彼女はパッと明るく笑った。とてもとても楽しそうに、身体を揺らして笑った。「君はそう、噂に聞く『JOKER』くんだね?」『えっ、僕ってもしかして有名人?びっくり。びっくり!嬉しいな、目立つのは大好きなんだ』彼はその話もっと聞かせて、というように君にぴったりくっつく。お肉を入れた途端激しく音を立てたフライパンにスンスン、と鼻を鳴らす。『とってもいい匂い。きっと"ママ"も喜ぶよ』彼は君とママの間にどう言った関係があるのかは全く知らないが、君にとってその存在が大切なことはとても分かりやすかった。君とママ、それらを結びつけて、彼が何を考えているかなど……誰にもわかりはしないだろう。彼が少し足を動かせば、散らかった鎖がジャラ、と音を立てるかもしれない。『はじめまして、ジェントル。』『僕は奇術師、JOKER、M。名前で呼びたい時は、エムって呼んでね』君の顔は目元と口元意外なんにも見えないけれど、彼はそれに答えるように笑い、存在しないスカートを持ち上げるような仕草でお辞儀した。『ねっ、ジェントル。これは何を作ってるの?』それから彼女は、クルクルと君の周りを回って問いかける。『君の大好きな奇術師が、一緒に食べたいって言ったら……分けてくれる?』彼女はへにゃりと笑った。ね?くれるでしょ?と笑いかける。紳士様が、まさかレディーをもてなさないわけ、ないでしょう?   (5/20 22:43:19)


ジェントル> 
「肉野菜炒め。(懐かしむような、愛おしいような。惜しいような、例えば掛け替えのない誰かの名前を呼ぶように、彼は自身の記憶を呼んだ。ふとしたたったひとつの料理名に、込められるものは重く深く。)だよ、奇術師Mx.JOKER…(そして、君の名と生業を呼んだ。刻まれたような、思い出すような、例えばエンターテイナーのこぼす言葉に感銘を受けるような。ふとした肩書きと名前に、込められるものは優しく暖かく。)驚くことは、たくさん目の前にしてきたからねえェ…(彼の根性は据わっている。それは捻じ曲がって、溢れたり撒き散らされた血やばらばらに乱れた薬、固く結ばれた縄を確かに確かに何かを耐える心で、だから君にも驚かなかった。)『ママ』のために料理したり、裁縫したりしてあげたり。『いいこ』にしていたらなんだか、それが遠ざかっていくみたいでさあァ。安心したんだァ。(小さな部屋の畳の上で。鈍く銀色に輝くシンクの上で。タイルの濡れる浴槽の上で。)…だからまた、遠ざけなきゃいけない。(帰ってきたら、帰ってきたら、また彼女はひとりになってしまうんでしょう。)だから…(左側に巻かれた包帯がずるりと落ちて、口角を隠す。)」「(ぐつ、と、味噌汁が煮えた。)」「そろそろ丁度いいみたいだねえェ。(隠す包帯を何事もなかったかのように直し、笑顔の口角も変わらずはち切れるように笑うだけだ。)もちろん君にもよそうともさあァ。代わりに、ここの事は黙っておいてほしィなあァ。(…机の上のトングと皿を取って、一盛りずつ。そして味噌汁もお玉ですくって溢れなく、茶碗に一杯づつ。ご飯も丁度『2合』炊けたようで。)…でもこの場合、レディ・ファーストはどうなるのかなあァ?(なんて、『ミクス』と呼んだわりには何も考えず言いながら、箸と食事を配った。まるでもとより、2人分の用意をしていたように。)」   (5/20 23:32:08)


M≒JOKER> 
『んふふ』『性別って、そんなに大事?』彼女は試すように笑った。君と似たように口角を釣り上げて、楽しそうに。『もちろん、ジェントルが女性を尊重しているのは素晴らしいことだと思うなぁ!でも、僕にとっては差程重要じゃないむしろ』彼は君に詰め寄るように身を乗り出す『必要ない』声のトーンがやや下がる。それからにっと笑って君から離れた。丁寧に並べられた食事の前に腰掛けて、少女のように笑いかける。『でも、今は女の子。その方が都合が良いからね』コロコロと鈴が転がるように笑う。食卓に並ぶ家庭的な料理は、決して豪華ではないがとびきりに美味しそうに見えた。箸を片手に、そっと手を合わせて。『いただきます。』彼女はそう言って、君と同時に食事を口へと運ぶだろう。シャキシャキとした野菜の新鮮な食感。ほろりと解けるお肉の香り。すぐにもう一口、手を伸ばしたくなるような味にきっと彼は嬉しそうにパタパタと足を動かす。ふっかりと炊けた白米を合わせて口に含み、やはり身体を揺らして今にも頬が落ちそうな表情をすることだろう。彼女が体を揺らす度に、不思議に伸びた髪の束が揺れた。『ふふ、おいしい。おいしいねぇ。……ね、ジェントル。君はこれを"ママ"に食べてもらいたいの?』気がつけば彼は箸を片手にじっっと君のことを見つめていた。君と目が合えば、少し猫目の瞳を細めて笑うだろう。   (5/20 23:50:24)


ジェントル> 
「(何も変わらない。はち切れるように広がる口角の、薄ら笑いは変わらない。ジェントルに怒りや悲しみはスマートでない。)そォっかあァ…。(しかし。不条理を呪う故、不条理に抗うものに出せる口はない。『ジェントル』に雄弁は銀、沈黙は金である。衣装哲学のマナー、君に持ち込む『マナー』はもう知った。)じゃあァ。今日は『Ms Mx』かァィ?エム。(何も変わらない。『Ms』『Mr』のルールに、性別が必要だったまでだ。君にないならそれでいい。)ボクが気にしなくなる時が来るとは、思わなかったねえェ。(ならば彼の前で縛られるものは何だろう。組み立ててきたモノ、縛る鎖、『一途になる理由』は、千切る鎖はない、Mxと出会うのは初めてだったから。)…面白いことだ。(ある意味でもう既に、鎖は千切れていた。彼も君も、何も気にすることはなく。)エム。君はそう呼ぶのが一番、相応しいんだねェ。(きっとどちらも、ある意味で高い壁があり、しかしどこか壁がないのだろう。)」「食べるときはちゃんと上げるんだよゥ、食事前に『レスト・ルーム』でが本来一番望ましいのだけれどォ…。(目が合ってまず気になったのは、ぱたぱた揺れる髪。高級旅館やレストランじゃあるまいが、ぱたぱた揺れる髪が落ちて食事に入るのは望ましくない。)一般的なのはハーフ・アップだよゥ。まァ今は…(そっと細い両腕を君の顔にそっと伸ばし、もみあげを耳の後ろへ。)留められないからねえェ…これで。(…縛るものはない。だがやはり、あくまでジェントルとして『マナー』を整え、食事の席に着く。)…食べてもらいたいよォ、それはもちろん、とォっても。(噛めば溢れる肉の旨味、噛めば溢れる野菜の甘味。ジェントルの舌にもそれは自分の物ながら『美味しい』。)でも。どちらかというと、作ってあげたいんだァ。…たったひとりだから、あの人は。ボクだけでも、『優しい条理』でありたいからねえェ。(だが美味しいのは、彼が器用だからであり、求めるのはそれではなかった。)彼女のために、何かをする人でありたい。…の、さァ。(寂しい母を救う手を、探しているのだ。)」   (5/21 00:26:43)


M≒JOKER> 
『んふふ、ありがとぉ』『そうだよ、僕はエムなんだよ』手を伸ばされると少し驚くが、彼女はそれを甘んじて受け入れると柔らかく笑った。少しくすぐったそうに身を捩って、耳にかけられた髪に触れる。それから1口、野菜炒めをつまみ上げたと思えば"パンッ_____"何かが両手を叩いた音がする。途端、景色は一転するだろう。そこは家だった。狭いワンルーム、廊下に佇む無愛想なキッチン。ここは今、学校では無く、人1人しか住めないようなワンルームの部屋だ。『君のおうちは、もう少し広かった?』今、僕らはどこかもしれない一室の部屋で向かい合って食事をしている。とても落ち着きのある君になるすぐに分かることだろう。"これは幻覚だ"。彼女は問いかける。"君の住んでた家は、2人暮らしできるくらいのもう少し広い部屋だったか?"と。彼女は君の心を擽るように、笑いかけるのだ。君の鎖に触れて、確かめて、その一途を覗き込む。彼女は相変わらず美味しそうにハムハムと食事を続けている。髪はいつの間にかハーフアップへと変わっていた。それが当然であったかのように。それが元から、そうであったかのように。彼女の前には嘘も誠も意味をなさない。<容量______3>   (5/21 00:44:04)


ジェントル> 
「(君の白すぎる、そしてどこか幼い肌にぷつと開くほの赤い切れ目、口の中に、とろりとタレにしなるキャベツが放り込まれる一瞬一瞬を見る。ママがそうであったように。)…流石に、びっくりしたよゥ。(君に注目を向けていた。だからさらに、瞬きすると広がる『我が家』に驚いた。表情は全く変わっていない、強いて言うならはち切れそうな口角がより満ちて、歪んだ目はさらに歪む。つまり、『笑っている』、自分が騙され驚いたことに。)ボクは子供だったし、ママも『あの人』もお金持ちじゃなかったらしくてねえェ…家は大人二人じゃ窮屈、くらいかなァ。(少し不格好な野菜炒め。辛すぎた味噌汁。ちょっとだけ湿ったご飯。今はもう、テーブルの上にはどれもない。それがこの風景を『幻影』とする象徴だった。)…うん。この通りだよ。(だがそれは精巧で、『器用に』出来上がった食事が不在を表すのだから皮肉なものだ。)サルバトール・ダリ、『記憶の固執』。(図画工作。あるいは、中学の美術でも。その絵を見たときに震えた。歪んでしまった時計、彼には『戻したい』と歪めた認識に映った。)…ああ。『君』はいつも、ボクに触れる。(『だまし』は、いつも彼のそばにあった。)」「エム。奇術師、JOKER…君はボクに、一体何を見せてくれるんだァィ?(左手のディスクが読み込まれはじめ、彼の頭に黒いシルクハットが浮かんだ。…目線を隠し、右目は暗く君を見る。右手のディスクは未だに回り続け、触れるその手を丁重に、優しくひとつだけ巻きつけた。縛るのではない。ただ何かにすがるように。食事はまだ、続いている。)」   (5/21 01:19:08)


M≒JOKER> 
「…うん。この通りだよ。」『それは良かった』彼女は嬉しそうに笑った。しばらく食器とご飯を食べる音だけが空間を支配する。チクタクと鳴る音は、彼女の持つ歪んだ時計かそれとも、この部屋の時計か。彼女は君の言葉に首をかしげ笑った。『ふふ、間違えているよジェントル』彼女は、いつの間にかあと1口となってしまった野菜炒めを前に箸を置く。身を乗り出せばすぐに近づいてしまえる程度の小さな机に乗っかって、大層行儀が悪いがその上に膝を乗せて、じっと君に顔を近づけた。『僕が見せるんじゃない。』『君が見るんだ、ジェントル』その包帯に手を伸ばし、そっと顔を撫でようとする。それは母のように、君を慈しむように、そういう演技だとバレぬような自然な仕草で。『僕には生憎、人の心を読むような力はないんだ。でも……お前がお前のことを語ってくれるのなら、私はそれを見せてあげられる。』だから、見せて、僕に。君の心の内を、君の過去を。君の望む全てを寸分違わず与えてあげる。僕の前に嘘も現実も関係ない。たとえそれが幻覚であったとしても、君が本物だと思えば如何様にも姿を変える幻だ。『君の笑顔はどこか歪んで見える。どうしてだろう?』『何か心に"重たいもの"を抱えてる?』『それを僕に預けてみてよ』『君が喜び笑う姿が僕は見てみたい。』_____funny、ほら""笑って""   (5/21 01:36:37)


ジェントル> 
「ボクは。(紳士的じゃない。)ダメ、だ(『ジェントルマンリー』じゃない。だってそんなこと、ボクが誰かに甘えるということは、僕が弱くあるということは。)ダメだ、できない、ダメだダメだダメだッ…(錯乱している。君が母のように底無しに優しいから、その奥にある底無しのほの暗いどす黒い怒りとどうしようもない穴と、全て、全て、全て、あるのかないのかわからないのに、見えてしまう。ぎゅる、ぎゅる、ぎゅるるるるる。右手のディスクは回転を早める。)痛いのは嫌だッ!僕も、母さんも、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だッ(君を突き飛ばした。どうやら彼は錯乱している、突き飛ばしたのにどういうわけか、鎖で君を優しく受け止めて、さらになぜか束縛している。)やめて、やめて、やめてよ。僕、いいこにするから。優しくしないで、そしたら僕も、母さん、母さんも、(はらりと包帯が落ちる。)死んじゃう。(その奥にあったのは火傷だけではない。深い切り傷や歪んだ額、さらにおそらく視神経はもう絶たれているのだろう。真っ白になって焦点の合わない目だ。彼はもう笑っていなかった。)」「(彼は優しさを欲していない。変わる過去も欲していない。一途を愛す、今の母を愛す。)…あ、ァ。(funny。お望み通り、しかし彼はやはり笑い出す。)か、か、はふふは、かか…(喉の潰れたような音を出して、眉間に横皺を増やしながら、悲しく笑う。)ごめんね。ごめん。ごめん、ごめん。ボクは優しくされたくない。君が目の前で自分を傷つけるのを見たくない。(彼が背負う『重さ』は。背負われることの恐れである。束縛はほどけるだろう。元より傷つけるつもりはないから、痛みは伴わないはずだ。)…ごめんねえ、ェ。(彼は席を立とうとした。…きっと今去れば、彼は鋭い。優しさを仇にしたことは、それでも理解している。だからこそ、二度と君と、顔を合わせることはないだろう。)」   (5/21 02:05:06)


M≒JOKER> 
"あぁ、これは………触れてはいけないところに触れてしまったな。"彼女は困ったように考えたが、しかしそれこそが彼の企みであった。自身のカバンとどちらが重くなるか、君の精神的負担と自身の負担、どちらが大きいか、だなんて。そんなこと試そうと思わなければ良かったのだ。そんな傲慢で身勝手な試みのせいで、君の抱えるその闇は抑えきれずにこうして溢れ出した。君に突き飛ばされて彼は大きく体勢を崩す。受身を取ろうとして、しかし鎖に受け止められた。矛盾してると思った。歪だと思った。しかしその歪さで、君は支えられてきたんだろう。彼はしばしそのまま君の様子を見る。その時の彼女が笑っていたかどうかなんて、きっとどうでもいいしよく分かりはしないだろう。______パンッ。再度、手を叩く音が聞こえた。景色は崩れ、瞬きの間にそこは教室へと戻るだろう。『ちょっとやりすぎちゃったね、』彼女は申し訳なさそうに笑った。解けた鎖にグッパと手を伸ばして、背伸びのように体を伸ばした。そのまま去ろうとする君の背中に続ける。『君にこういうのは相応しくなかったみたいだ。もっと、単純な手段で楽しませるべきだったね』……『だからこれからは、お前の前ではお前の"奇術師"で居続けよう。』『君がいったい、どんな奇術師に魅せられたかは知らないけれど』『僕はここにはいない。』『君は今日、僕のことを1度も見ていない。だからね、』『私はあなたに突き飛ばされてなどいないし、食事をしたのも私ではない。優しくしたのも私でなければ、"そこにいるのは私じゃない"』私、と呼称したその声は女性的であった。その声は君が出ていこうとする"廊下"から聞こえた。しかし、すぐに君の背後にいるMは語り出すだろう。『だから、今日のことはなかったことにしよう。きっと次お前に会う時、僕は今日のことを覚えていないし、お前の名前も知らないのさ。』『おやすみジェントル、酷いことをしてすまなかったね。』____そうして、Mだったそれは誰だか知らぬ女のピエロへと姿を戻し、寂しそうに笑うだろう。それがディスコードであることは、君にももしかすれば分かるかもしれない。ディスコードはふわりと姿を消して、扉越しの廊下からは2人分の靴音が聞こえた。   (5/21 02:31:09)

ほりしぃ> 
(───────いつからだっただろうか。)(毎週『■曜日』、『16時半きっかり』、この時間帯の■側の空き教室に行くのが日課になっていっていったのは。生徒達のざわめき、鴉の鳴き声、伸びた陽の光。まるでそれらは自分に関係ないという顔で、カツリコツリとヒールを鳴らしながら長い長い髪を揺らして、彼女は歩みを進めていた。校舎端の教室。もう随分慣れたように、迷いなく。 カツリ、コツリ、カツン────────。)(『ガラリ』。)「…………………、………………」( 扉は、開いた。 )( 彼女の目前に広がるのは他の教室と何ら変わらない黒板、窓枠、教卓である。寂れたそれは青春の1ページと呼べるほど華やかではないが、それでも風情があると表現する人間だっているんじゃあないだろうか。そう、そこに【⠀その中心には机を懇切丁寧に並べたて、まるで意図的に大きなテーブルのように形作ったような土台無かったのであれば⠀】。複数の額縁に飾られた夕焼け空の絵画。テーブル。そして鉄仮面を被った長身の男。その光景は明らかに【異常】であり、美術品と例えられた方がまだマシと言うほどに筆舌に尽くし難いものだっただろう。)(しかし、冒頭でも述べた通り。これは彼女のほんの些細な、習慣でしかない。躊躇なく教室に入った彼女が、見慣れた光景に目を細め、いかにも高慢そうに腕を組んだのがその証拠である。)「……………………別に机まで並べなくていいと、ほりしぃは毎度言っている筈ですが。身の程弁えられ過ぎて逆に気持ちわりィんですケド。」 ( まるで人の真似事。これは1か月前ほどの些細な約束から始まった。【完全に喰いやしないから一週間に一度血液か少量の肉を寄越せ】と。でなければこの場で【全部喰う】と。無論、ただの小さな少女からの不躾な脅し文句に怯むような貴方では無いだろう。貴方はそれを【受け入れた】紳士的な対応を当時していたに過ぎない。捕食者と獲物。食うものと食われるもの。彼女は小さな腕を貴方の足に伸ばそうとするだろう。)(…………これは、誰も知らない彼女と貴方だけの秘密である。)   (5/30 21:58:06)


ジェントル> 
「…『ジェントルマンリー』、だろゥ。」「(遠くから聞こえる、体育館のシューズの底とフローリングの床の擦れ。階段を上っていく足音と、ちょっとした話し声。それらを全て置き去りにして、扉を開く音と共に、死んだように横たわるジェントルマンと君は食卓に並べられる口うるさいターキーと食卓を好まないおてんばな『お嬢様』。)レディ…君は『ジェントル』を喰らゥ…喰らわれる側も喰らう側も、礼儀あっての『紳士的な』食事がだからねえェ…(さらけ出された脚の、ところどころ欠けた腿。その隙間には鎖が詰まり、窓からじりと照らす太陽の覗いた頭が、金属製の脚に赤光を灯して。)ボクは食事ィ…机に並べられるターキーィィィ…とか、薄切りのハム、肉厚のステーキみたいなァ…ねェ。(誰もいない閑静な教室に二人きり。部屋の電気も付けず、照り返す赤光を頼りに、長い影は伸びた。)食事は丁重であればこそォ、だからねえェ…(そんな鎖もほどけて、ずるりずるりと体のダイヤモンズはほどけ、)ヒトって、怖がっちゃうからねえェ…(君の目には赤い血肉が見えるだろう。)地面におっこちちゃったァ…そゥいゥ人もいるだろゥねえェ…(欠けたターキー、あるいは人の胃袋へ数枚の消えたハム、)」「でもねレディ、ボクはヒトだから、生きていても『皿』の上におとなしく乗ることができるゥ…(うっとりとした顔だ。死んだように寝転ぶジェントルは、笑顔だけを君に見せて、しかし未だ『食事』のように振る舞う。)それってとても『紳士的』なことだからねえええェェ………(二人きりの秘密を持つ君を、『レディ』と呼び。伸ばされる手へ、)ボクは喜んで喰われるよゥ…だから、『ディッシュ』なのさァ…(『食事』を心待ちにする笑顔と、)君も『紳士的』に喰らってくれたまえェ…(1つの忠告を、向けた。)」   (5/30 23:43:54)


ほりしぃ> 
『レディ…君は『ジェントル』を喰らゥ…喰らわれる側も喰らう側も、礼儀あっての『紳士的な』食事がだからねえェ…』「……………………………………」(彼女はタグのようなピアスを揺らし、貴方を冷ややかに見下げた。出会った時からそうだった。喰われることへの無抵抗、それどころか『喰らわれることを望み、拒みもしない』。本当に気味の悪い奴。紳士的な貴方の口上も聞きなれたもんだ。オレンジ色の教室はまるでターキーを焼く竈のよう。焼き加減はレア、ヘンゼルとグレーテルに出てくる魔女も最期に見た光景はこんなだったのだろうか。)『ボクは食事ィ…机に並べられるターキーィィィ…とか、薄切りのハム、肉厚のステーキみたいなァ…ねェ。』『でもねレディ、ボクはヒトだから、生きていても『皿』の上におとなしく乗ることができるゥ…』『それってとても『紳士的』なことだからねえええェェ………』『ボクは喜んで喰われるよゥ…だから、『ディッシュ』なのさァ…』『──────────君も『紳士的』に喰らってくれたまえェ…』「………………何を下んねェことばっかほざきやがってんですか?」(彼女は粘着質で耳に残るような貴方の口上にうんざりと、そして苛立ち混じりに答えることだろう。ニンマリと食事を心待ちにし、こちらへと微笑みかける貴方と相反し、彼女は一切の笑みを見せることは無い。口を開き零すのは、相も変わらず高慢な、敬語の皮を被った無作法だった。)「ターキー?ハム?ステーキ?ンな下賎なモノ喰ったことなんざねェですし、そもそもほりしぃの腹ン中入っちまえばぜぇぇぇェェェんぶ一緒じゃあねェですか。オマエが仕立てあげた食事会場にはなァァァんの意味もない。…………寧ろこのほりしぃに【ニンゲンの真似事(礼儀作法)】に則ってオマエを喰えなんざァ、…………図々しいにも程があるってもンでしょう 」(食事なら食事なりに黙ったらどうだと。口にするのは今回ばかりが初めてじゃあないはずだ。貴方は喋る度にこうして彼女に嫌悪感を向けられ、尚もその口を本日も閉じることは無かった。半ば諦めてもいいところではあるし、無視するのが吉ではあるが、彼女も彼女で依然としてまだ、子供なのである。小さく溜息をついたのならば、彼女はそろりと視線を貴方の足へと向ける。ボロボロの足、複数の噛み跡、抉れているところだってある。それらは自身が付けたもの。貴方を全部食べない代わりに、貴方をちょこっとずつ食らっていくギブアンドテイク。…………否、貴方にメリットはないのだけれど。彼女は貴方の足に触れたのならば、髪を耳にかけ、小ぶりな口から吸血鬼のような牙を覗かせるだろう。そして───────……)「……………………………………、……………………」「………………………………ねェ、オマエ。」(ぶつり、と貴方の皮膚を裂く前に。)「………………………………………………なンで。………………ほりしぃに『食べてもいい』って、言うんですか。」(………………今更ながらの疑問を、投げ掛けた。)「あん時脅したから、『全部は喰われたくないから』とか、………………ンな理由じゃねェでしょ。…………………………………………オマエは望んで食事になりに来ている。」「………………………………痛くねェんですか。」「……………………別に、だからといってどォというこたねェんですケド。」(科学者が言った。『生きる為に人間を食うことは悪では無いのだ』と。科学者は自身にペットボトル1本分の血液を与えた。)(とあるカミサマのなり損ないが言った。『如何なる者も、それがカミサマであろうとニンゲンであろうと、なかろうと。傷付けることはいけないこと』だと。『人が死ぬ所は見たくない』のだと。………………なり損ないも血液をくれた。傷つかない存在に、あの男は入っていないようだった。自分はそれを、蹴り飛ばした。)(とあるヒーローが言った。『〝こうであるべき 〟ということは、きっとない』と。『誰でも救われる権利がある』と。…………………………あのヒーローは優しい眼差しでこちらを見ていた。) (とある不良青年に、たかだかニンゲン如きに彼女は臆した。人に興味を持ったばかり。聞きたいことが沢山あって、怒らせた。 あの人は怪我をしていた。) (…………………………〝 貴方 〟は?)( 今までの彼女ならば、躊躇なく貴方を喰っていた。だが今になって疑問に思ったんだ。どうしてこうも無抵抗なのだと。どうしてこうも尽くすのだと。何が楽しいんだと。)   (5/31 00:22:51)


ジェントル> 
「君がどう思うかは勝手だからねえェ…これはボクがジェントルであるための、『ボクの食事』だから…(何度もした問答なのだろう。いくら食われたとて、彼の言葉は一言一句変わらない。答えたことを忘れているからこそなのか、それとも単に一言一句を覚えているからなのか。)ボクは、死んでもジェントルでなければいけないのさァ…(口の中に『全て』が失われるその瞬間まで。)ボクはただ『ママの不条理』を奪う、『たった1つのいい子』だから。あの人の救いにならなきゃいけないんだァ…(彼女は不条理を呪っている。そして彼もまた、不条理を呪っている。だから笑い、紳士に憑かれ、自らを食い破る君にすら物怖じをせずにただただ笑い続けている。)だからレディ。レディ、レディ、レディ………今日は、噛みつかないんだねェ。(夏へと移り変わる前の太陽の、その頭は、暗がりの帳を下ろすにはまだ早く、赤光は黄昏をまだ呼ばない。朱と血肉は、暗がりの帳を待ちわびてまだ踊る。)ボクは君に喜んで食べられる。レディ、紳士はレディを受け入れるものだ…(血湧くのは『ジェントル』への歩み、肉躍るのは『レディ』に歩む。)」「ボクが傷ついて誰かが死ぬことが少なくなるなら、それより嬉しいことはない。(彼は利己的である。ジェントルの風上にも置けないほどに。血湧き肉躍るは包帯に巻かれる空の眼窩が、火傷と切り傷がそれを思い出させ、痛みが君の食事ですら利用している。)ボクを傷つけても死んでしまおうとした人が、いるからねえェ…(君の食事を利用して、君や誰かが死ぬところを見ないように。)だからレディ。ボクは『いたくない』を探したから。(君の食事を利用して、あの堕ちる痩せこけた、真っ白な『ママ』をまた見ないでいられるように。)…だからいたくても耐えられる。ボクなら。(君の食事を利用して、『ボクのいたみ』を『ボクだけのもの』にできるように。)それで君が、誰かが死なないなら、ボクは『ジェントル』さァ…(紳士は、利己的であった。自分が紳士であり続けるために、君を利用していた。)ボクの全部を食っても、君は結局満たされないのだろゥからねえェ…(喰らわれるのが裁かれるべき悪人だったとしても、『いたい』は。『死』は、彼には恐ろしくてたまらなかった。)」   (5/31 01:12:37)

ジェントル> 
「(それはどんよりと暗い影を落とした。真夏の曇り空のように陰鬱で薄気味の悪い、僅かな光のみが差す雲幕が、紳士であった。)興味深い、モノだねえェ…(君の紅玉のような赤い瞳が、その『視力』が廊下の角から現れた鈍い光を見るだろう。)これが『威圧感』というものなのかなあァ…(見つめる黒い瞳が1つ。君を少し見上げていたが、危うさに暗雲は立ち込めているだろう。それはただ微笑んでいて、輝かぬもの。)人じゃないヒトは少なくないけどォ…君は、ボクと同じ学年じゃないよねえェ?(真っ暗な瞳、それは黒すぎた。洞穴のような瞳に、白はない。だがそれは、盲目であった。ジェントルは『ジェントル』らしくあるために、同級生の名と体をよく『知って』いた。)興味深いモノだねえェ…(そう、君が目に入った時点で彼が見つめたのはすでに君であった。ジェントルは気まぐれだ。今日は目の前にいる『恐らく別学年』の、『自分よりも大きい』、『シキガミ』に、彼は『興味』をひかれている。)」「ああそうだ!ボクとしたことが、自己紹介が送れたねえェ…(気まぐれだが、『紳士性』、『マナー』は彼に強く根付いたもの。)ボクは3年生の『ジェントル』。(名は体を表すとは、よく言ったものである。)君は?(微笑みは一切動かず、君を見つめたままで彼は名乗りを求めた。)」   (6/7 20:58:40)


レギオ> 
(本日は快晴であった。空は一面が青く、そしてその青さに差し込む雲の白色も無かった程だ。大きく開かれ、心地の良い風が入り込む窓からぼうっとした様に天を眺めていた。手にすっぽりと収まってしまう黒色の携帯端末の中にある天気予報のアプリケーションでも快晴だと言っていたのを思い出す。例え種族が違えども、身体の作りが違えども、その空の青さは変わらない。その時先程よりも強い風が吹き込み、彼の三つ編みを揺らした。髪を軽く抑えつつ、ふと、その視線を横に流す。その先に、ぽつん、と引っ掛けたインクの染みの様な怪しげな曇天が見えたのだ。)「……………………おおや。」(ぴっしりとした服装に、痛々しくも巻かれた包帯。その微笑みは形式的な記号の様なもので、きっと自然では無いのだろう。けれども、〝勇者〟よ、〝輝ける者〟よ、〝我が愛〟よ。…その卵である事には、変わりは無いのだから。)「そう。そうなんだよね。ワガハイ1年生なの___ピカピカの。」(だから、敬語を使った方が良いのかしら。真っ黒で、映り込む隙間さえ無いその瞳を捉えながら、砕けた口調でそう伝える。赤い瞳は相も変わらず気だるげだが、怯んだ色は見せなかった。)「うむ。ワガハイは1年生のレギオ。……ああ、好きに呼ぶが良いぞ。そこいら寛容だし、許しちゃう。」(『ジェントル』。その名に相応しく、紳士的な所作で此方に向かって立つ貴方とは対照的に、大きな背丈を緩やかに曲げ、ぼさぼさの頭は直さぬままだ。)>ジェントル   (6/7 21:39:26)


ジェントル> 
「Mr.レギオ…(口の中に含めるように、味わってその名を呼ぶ。曇天は、緩やかな、冬の朝のような日差しを見つめた。夏のまっ最中へ突入しているというに。)いィね。(夏は嫌いだった。じっとりと汗ばみ、雨が降ってしまうから。彼女も夏が、嫌いだったのだろう。優しくほのかな暖かさに、彼は白い歯を少しだけ見せて笑えばふらりと不気味さが訪れる。)君はとても、涼しいィ…『居心地のいい』ィ、子だねェ…(しかしその笑顔も、すぐに引っ込められた。感情を露にしすぎては、ジェントルは失われる。)でも少し、驚いてしまったなあァ…(しかし緩やかな日差しもまた日差しだ。突然差されれば反応してしまうもので、一瞬たりとも露にしてはならないそれに触れた。)あァ…笑わなければ…(突然の出会いに、何の反応も示さなかったように見えただろうか。口角は本人にしかわからないほどの『許容範囲』より少しだけ下がっており、彼にとってそれは『反応』であった。曇天はしかし口角だけはどうあがいても隠さない。)レギオくん。(どれだけ感情が移り行いても。)一個食べるかァィ?(そして、彼の右手には学食の、カップに入ったからあげが握られていた。)」   (6/9 18:49:32)

レギオ> 
『_________いィね。』(ぽつり、その紳士が呟いた言葉が、鼓膜を揺らした。宙を見ていた紅玉の瞳は、モノクロの貴方をその視界の中心に捉え直す。疑問符を浮かべながら、首をほんの少し横に傾げた。)『君はとても、涼しいィ…『居心地のいい』ィ、子だねェ…』(目の前の紳士は不気味に微笑む。それこそ足早に移り変わる雲間の様に、一瞬だけ見せたその表情は、先程とは違うものの様であると彼の目には映った事だろう。)「………………いや、あァ、そう?…其れなら良かったけど………」「……………………。」「………………………ほぉ………………」(キョトン、として。それから数秒後、想定していなかったその言葉に、ゆったりと視線を横に泳がせた。彼の中に居座るその感情の正体は、人で言うところの『驚き』が適当だろうか。ああ、だけれど、そうであると思われたのならば何よりだ。彼は、出来るだけヒトに近しいもので居る必要がある。____少なくとも、彼自身はそう考えているのだ。)「……………………ン?」(目線を貴方の顔と、その手元とに交互に送る。カップに入ったそれは、狐色に揚げられた、少し歪な形をしている。ええと、確か、これの名前は。1度だけ立ち寄っただけの事がある食堂で見た事があるぞ。)「……………………〝カラアゲ〟!」(そう、唐揚げ。)(顔の半分を覆い隠していた黒いマスクの鼻の部分を指で引っ掛け、顎まで下げる。露になった口元は、何の変哲も無い。けれど。)「…………イタダキマス。」(ぐぱぁ、と開かれた口内はどす黒く、けして血の通った人のそれではなかった。1つ指で摘んだ其れを、黒く長い舌で迎える。)「……………ン、………………美味____………………ン、!?……グ、ッゲホッ……………………」(食物がその中に収められてしまえば、真っ黒なソレも引っ込められる。その代わり、パ、と初めて食べるその味に、感心した様に目を輝かせた。だけれど、そもそも食事という行為にすら慣れていない彼は、苦しそうに噎せた。)   (6/9 19:41:52)


レギオ> 
『_________いィね。』(ぽつり、その紳士が呟いた言葉が、鼓膜を揺らした。宙を見ていた紅玉の瞳は、モノクロの貴方をその視界の中心に捉え直す。疑問符を浮かべながら、首をほんの少し横に傾げた。)『君はとても、涼しいィ…『居心地のいい』ィ、子だねェ…』(目の前の紳士は不気味に微笑む。それこそ足早に移り変わる雲間の様に、一瞬だけ見せたその表情は、先程とは違うものの様であると彼の目には映った事だろう。)「………………いや、あァ、そう?…其れなら良かったけど………」「……………………。」「………………………ほぉ………………」(キョトン、として。それから数秒後、想定していなかったその言葉に、ゆったりと視線を横に泳がせた。彼の中に居座るその感情の正体は、人で言うところの『驚き』が適当だろうか。ああ、だけれど、そうであると思われたのならば何よりだ。彼は、出来るだけヒトに近しいもので居る必要がある。____少なくとも、彼自身はそう考えているのだ。)「……………………ン?」(目線を貴方の顔と、その手元とに交互に送る。カップに入ったそれは、狐色に揚げられた、少し歪な形をしている。ええと、確か、これの名前は。1度だけ立ち寄っただけの事がある食堂で見た事があるぞ。)「……………………〝カラアゲ〟!」(そう、唐揚げ。)(顔の半分を覆い隠していた黒いマスクの鼻の部分を指で引っ掛け、顎まで下げる。露になった口元は、何の変哲も無い。けれど。)「…………イタダキマス。」(ぐぱぁ、と開かれた口内はどす黒く、けして血の通った人のそれではなかった。1つ指で摘んだ其れを、黒く長い舌で迎える。)「……………ン、………………美味____………………ン、!?……グ、ッゲホッ……………………」(食物がその中に収められてしまえば、真っ黒なソレも引っ込められる。その代わり、パ、と初めて食べるその味に、感心した様に目を輝かせた。だけれど、そもそも食事という行為にすら慣れていない彼は、苦しそうに噎せた。)   (6/9 19:41:52)


ジェントル> 
「なるほどゥ。(笑顔の端の上がるは、際限ない。とはいえ、際限の際限まで彼の笑顔は進んでいる。はち切れそうなくらいで君を見る。『ピカピカの1年生』であるわけだ、言葉遣いを人の高校生らしくしつつ、君はどこか野生を感じる。)はじめての体験は、大切だからねえェ…楽しィからねえェ…(例えば、『カラアゲ』の名が現れるのに少し時間がかかったことや、食事が下手なことなど。人らしさとして、少しばかりまだ未熟さを感じて。)美味しいィ?カラアゲ。(『ジェントルマン』は『優しい』ものだ。誰かの望むであろうことを先んじて、一手先で手助けをするものだ。)ねェ、食べるのは、好きかィ?(からあげの、1本の爪楊枝で噛み応えある衣を貫く。)ボクは、食べたり作ったりするのが好きなんだァ。ママは手を動かしてるときが一番優しかったから。ボクも、ママを見てたから、いろいろ覚えちゃってねえェ…(笑顔のまま口の中に放り入れ、ざり、と衣を砕く。噛めば衣より奥の鶏の脂に口内が溢れ、旨味を舌の上に滴らせていく。)」
「もし食べることが好きなら。ボクの料理、食べてくれるかなあァ。(そして噛み締められたカラアゲが喉の中へと引きずり込まれ、飲み下される。)誰かに料理を食べてもらえるって。きっと、幸せだからねえェ。(何度も、何度も、何度も、繰り返された行程だ。繰り返せば繰り返す度、彼女は笑った。それが『ジェントル』だった。『いいこ』だった。)ママと同じくらい、うまくは作れないけど、ねえェ。(そうだ。そんなときの彼女は幸せそうで、ボクの料理を食べるときも、そんな顔をした。食事はおいしい。)レギオくん。…君にいろいろ教えたいことができた。どうかなァ?(だからきっと、ママの気持ちをたどれる気がしたのだった。)」   (6/9 20:28:45)


レギオ> 
(背中を震わせ、何度か噎せながらも、突っかかった其れを何とか嚥下する。どうすれば良いのか分からずにさ迷っていた手は胸元辺りを数回叩く形で収まった。まだ少し先程の余韻が尾を引いて、ケホ、と軽く空気を吐き出す。)「…ウ、ンン、ん゛……………………」(何だかよく分からないまま収束した事に気に食わないとでも感じているのか、小さな小さな人らしい唸り声をあげる。)『ねェ、食べるのは、好きかィ?』(一部始終を見ていた紳士はそう問いかける。〝はち切れんばかり〟の、笑顔を浮かべたまま。胸元に当てていた手をそのまま腹に滑らせ、思案した後、ゆったりと口を開いた。)「………む……『食べる』行為自体は………どうだろう。…そう…未だ、上手くは無いからね。」「………ああ……でも、『カラアゲ』は………………〝美味し〟い。うん、美味しい。………………油と……肉の味?がする。…………あーっと、それと、………………………………温かい。」(そう、確かに『カラアゲ』は〝美味い〟と、素直にそう思った。だって、初めて食べる味だ。切られて、加工されて、味付けが施された、ヒトのもの。食事が必要無いと言ったって、何も食べられない訳じゃあ無いのだから。)『レギオくん。…君にいろいろ教えたいことができた。』『どうかなァ?』「…………………………………………エ」(赤の双眸が、微かに見開かれる。)(それは思っても見ない提案だった。だけれど、数回瞬いた後_______)「………………………………ウン。良いよ。」(こくりと首を縦に振る。〝教えたいこと〟だなんて言われたら、彼の中にある好奇心が擽られ、一体其れがどのようなものなのかを知りたくなったから。)「そうだ、コウハイは、センパイから教えを授かる…もの、なんだって。」(……勿論、またアレと同じ美味しいものが食べられるのか、という下心も無い訳では無かったけれど。その誘いを断る理由なんて、彼の中には存在しなかった。)「だから……」(す、と緩慢な動作で片手を差し伸べる。青白い肌とは対照的に、褐色の肌だ。けれどやはり雲ひとつない空は、相対する彼らの後ろで平等に青色に広がっていた。)「……ヨロシク。〝センパイ〟。」   (6/9 21:38:35)

ジェントル> 
「…今日は、月が綺麗だねえェ。(白いネクタイが、手すりに腕をかけ、腰を曲げる首から垂れ下がっている。)『レイニー』。『ダイヤ』。(白い刃が、そのかける腕の先。青白く細長い指が、その右の手のひらが、ナイフを持ちだらりと垂れ下がっていた。空は半月が浮かび、時雨が降るので、黝い雫が滴り落ちる傘を借りて、空を見ながら小さな雨を凌がんとしていた。)珍しい天気だねえェ…君たちに、月時雨を触れさせられて嬉しいよ。とっても綺麗だろォ…?(じゃらりと、触れられた手すりの一部が鎖に変わり、蔦のように彼の腕を這っていく。…意思はないが、彼には愛を込めて育てた植物に向けるような、彼はそういう愛情を抱いていた。)君もそうは思わないかィ?赤髪の、君。(そして君は、それを屋上の扉を開けた瞬間に、その光景を目にしたであろう。そこに1つ、黒い瞳と限界までつり上げられた口角も付け加えて。)…あんまり濡れるとだめだからねえェ…入るかィ?(彼は振り向いたままで、少しだけ傘を持ち上げて、人もう1人分入れるよ。なんて、ジェスチャーを残した。)」   (6/8 14:06:15)


秋守 真紅郎> 
「いや、…大丈夫。ちょっと汗を掻いちゃってさ。上がり過ぎた熱を少し冷ましたいんだ。」(彼は君の表情を見て目を丸くする。それから、嗚呼、と君の声を聞き届けて君の正体を知る。それから前髪をまとめていた髪留めを取って、雨の中へと歩み出る。彼の言葉通り、おそらくついさっきまで走り込みでもしてたのだろう。黒のタンクトップとスラックスのまま雨粒にその汗でぐっしょりと濡れた身体を洗わせようとするのだ。あまり急激に冷やし過ぎるのは良くないと云われたけれど、でも、仕方ない、蒸発してしまいそうなほどに熱を持ったこの身体を早く冷やしたくてたまらなかったのだ。) 「お前、…この間、窓とか叩いて出せって喚いてた奴だろ…?」(髪留めを取ってしまえば長く垂れさがる前髪は目元を隠し、ツンツンと元気に逆立っていた毛先も雨の重さに垂れ下がる。わしゃわしゃとシャワーを浴びるかのように頭を掻きむしってから前髪をぐっと掻き上げて再び君の方向へと視線を戻そう。)   (6/8 15:16:20)


ジェントル> 
「…あついねえェ、確かに。(迫り来る夏の蒸した暑気も、迫り来る君の気迫ある熱気も。差し出すような傘を、もう一度肩に預けて雨を凌ぐ。蒸してはいるが、突き刺すような日差しでない。熱は確かに冷えるのだろう。)あつくなるのは嫌いなんだァ…汗、嫌いだしねえェ。『紳士的じゃない』もん。この弱い体を、ボクは愛しているからねえェ。(彼の服装は、長い黒シャツに白いネクタイ。彼の紳士は『病的なまでに細く、白肌こそ似合うのだ』と、熱を持たない。生きるための最低限の食事に、運動はほとんどなく、結果的にそれが彼を理想の姿にする。)アレは。紳士的じゃなかった。でも思い出したくない、『僕』はまだ起きたくない。ボクのジェントルが崩れてしまう…(理想の姿が突き崩れ、めくれたその先にあるのは『僕』だ。)病院は、すごく嫌だ。僕もいたし、ママもいた。『ボク』は、そこで生まれたんだあァ。(そしていつしか、僕は眠るためにジェントルを生み出してしまったのである。)君も、あそこにいたんだねえェ…(それでも一切表情が変わることはなく、)ボクはジェントル。3年生さァ。(彼はただただ笑った。)」   (6/8 16:53:02)


秋守 真紅郎> 
「……俺はアキモリ シンクロウ。お前はなんだか、…なんだか、……悪役みたいな奴だな?」(君の見た目をむっとした表情で見て雨粒を吸い込んで膨らみ始め重みを孕む髪をもう一度両手を使って掻き上げてオールバックへと変貌する。随分と長い間入院し生死の境を彷徨っていたにしてはなかなか仕上がった身体をしているその小さな少年は聊か君を警戒している様にも見えるだろう。彼は身体の熱を冷ましながら溜まりに溜まったアドレナリンを沈静化させるために精神を統一する。深く深呼吸をしながら、彼はこう続けるだろう。)「俺が寝てる間にこの高校には本当にヒーロー志望か分からない奴が増えたよな、お前もそうだけど… お前が掲げるヒーロー像ってどんななの?」(それは純粋な疑問だった。ヒーローには到底思えない奴は君の他にもいるけれど、果たして君たちの様なただ力を奮いたいだけにしか見えない輩も何かしらヒーロー像を掲げているのか、そこが気に成っていた。もしも、それが彼にとってのヒーロー像に相応しくなかったのなら、彼がどうするのかは彼自身にも分からない。ただ、先の任務でも知っての通り、彼の行動原理は怪しければ殴る、気に入らなければ殴る、正義か悪か分からなくとも殴る、互いの正義に優劣を付ける為に殴る、とりあえず殴る、そんな男だ。そう、君とは対極的に非常に馬鹿なのである。)   (6/14 18:17:00)


ジェントル> 
「悪役ねえェ…(傘からは黝い粒と光をねじ曲げる粒がこぼれる。)…ここにいるから、ボクはきっと、そうはならないよ。大丈夫、大丈夫だから、ねえェ…(黝い粒は消えていった。ねじ曲げる粒は、ざあざあと振りやまない雨の音のひとつとなって、流れていく一筋の中に紛れていく。彼には、そのどちらかしか選ぶことはできなかったのだろう。言葉は君に手向けるというより自らに向けて安心させるようだ。)ミスター・アキモリ…オールバック。似合うねえェ…『ジェントルマンリー』だ。(話題が突然変わるのも、『悪』に似ることから逃避しているのであろうか。彼の髪型は同じくオールバックであったが、2、3ほどの房が彼の目の前にかかる。いつもは後ろにある故にわからないが、鼻の頭くらいまでに降りていた。)」「…ボクのヒーロー像がそれさ。『紳士的』。(ヒーロー像、について話すとき、心なしか彼のはち切れそうなまでの口角は少しだけ緩んでいるように見えるだろう。それも悪から逃れられるのだから、自らの正義を語るるは、安心してしまうものなのだ。)ボクは『いい子』でいたい。そうしたら、ママを助けられるかなァ…ってねえェ。(彼の最終目標には『ママ』がある。それが彼の重圧にもなっていて。)ずっと笑って。レディには気をつけて。ヒトを助けて。それってとっても、『紳士的』じゃ、ないかなあァ…?(心からの笑顔はなかった。だが、その言葉にも嘘がない。最後に紳士を抱くのはもはや癖のようなものだが、紳士の心得は彼に深く刻まれている。嘘は、なかった。)君の、正義は?(ざあざあと雨降る中、昏い英雄は陽光のヒーローに問いを返した。)」   (6/14 18:52:22)


秋守 真紅郎> 
「……俺のは、_____わかんねえや。」(人に聞いておいてこの言いぐさはなんだろうか、いや、でもだって、分からないんだから仕方ない。君程彼は頭が良くはない。脊髄反射で拳が飛ぶような男だ、仕方ないといえば仕方ない。君の様な指標を持っていない彼が本当に正義かは分からない。ただ確かにそこには志があるのだろう。分からない、と述べながらももう一度深呼吸して心を落ち着かせて自分の掲げる正義について考えるだろう。)「…多分だけど、勝つ事なんじゃねえかな。セブンス・イクリプスの初日に俺さ、幼馴染の奴らと避難し遅れた人たちを救おうとしたんだ。そのせいで随分長い間寝てたんだけどな、そのせいで、…ひとり、死んだ。俺達はあの日負けたんだ。勝たなきゃ何も守れない。いくら正しくても勝たなきゃ論じる隙も与えられない。どれだけ願っても勝たなきゃ叶わない、だから、多分、多分だけどな、俺の正義は強さと、勝利だと思う。」(きっとそうじゃないのだろう。自分で呟くその正義の中に聊か疑問を感じながら、彼はそう応えるだろう。いつかその疑問を紐解いてくれる何かが彼に降りかかる事を願うが、それはきっと、今よりもっと後に成るのだろう。)   (6/14 19:08:22)


ジェントル> 
「…ボクも、わかんなかったよ。(狂ったまでに追い縋るものができてしまうほど、彼には『わからなかった』。)七日間。(彼にも、関係のない過去ではなかった。むしろ絶望はより深い。身の上話だ。君がこぼすならこちらも。雨の夜は、洗い流されてしまうものだ。傘がふわりと、雨の中に霧散していく。)ボクにジェントルを与えてくれたヒトも、『父親』も、たぶん、死んだ。(パパはいなかった。漠然と、父親がいた。死んだ、顔すら見ることもなく、彼を『いい子』たらしめる希望と憎悪は、連れ去られていった。)ボクがジェントルを続けてるのはねえェ…ママを助けられるのが。…今、ボクしかいないから。(だから今は。今ここにある、自分と、そして『ママ』に追い縋って生きている。)ボクはそれしかない。だから、ボクは紳士だ。(狂った未熟な彼に、君の結ばれたものをほどくことは難しいだろう。)君には今、何が残っているんだろうねえェ…(だが時に、未だ物知らぬ心に正義を覚えようとする好奇が、君を襲った。)会ってみたい。(それはからっぽな彼が、孤立無援の彼が、『仲間』を知りたくなったからだった。)」   (6/14 19:53:16)


秋守 真紅郎> 
「お前の云う言葉はぼやけてて良く分からないな。スマホのお客様お助けサポートセンターの難しい言葉いっぱい使ってくるお姉さんみたいだ。」(彼は君の云う、パパにも、ママにも、そして紳士にも、正直あまり見当がついていなかった妙に濁される言葉に伝える気が在るのか無いのかむかむかし始めた頃、やっと彼はその言葉をぽろりと零すだろう。まるで知ってて当然とでも言うかのように専門用語を多用してくるケータイショップのコールセンターみたいで、頭の中がぐちゃぐちゃになる。もはやそこで理解を諦めてしまったのだろう。しかし、そんな彼も君の何かを受け止めるのを諦めたわけではない。スマホを取り出して、ロック画面を君に見せるだろう。)「ほら、これ、…青くて長髪でインデリです僕ゥ~って顔のがブルーライオット、多分お前の難しい言葉も理解してくれるはずだ。そんで、こっちの背が高くて金髪でふわふわしたのがイエローカイト、調達と偵察の達人、そのママだとかパパだとかって人に会いたいならコイツの力が役に立つと思う。……まあ、そういう事だから。もしこの二人に変な事したら……」(彼はそこで言葉を濁した。ほぼ初対面の相手に荒い言葉を使うなと誰かに怒られたのを思い出したからだろうか、それもずっとずっと昔に。何度か深呼吸して精神を統一してから、言葉を選んで、にかっと笑って云う。) 「……手加減出来ないかもしれないからな。」   (6/15 21:11:43)


ジェントル> 
「ジェントルにヒミツは付き物さあァ…秘めてこそ、深くなるからねえェ…(どれだけ言葉が形を成せていなくても、彼はそれをやめることはなかった。)アキモリくん、ボクはね。ボクがおかしいことなんて、とっくのとうに知っているんだ。(口角は少しだけ下がって、にやけたような目に疲れが宿っていた。くどいまでの『省き癖』が、それでも消えきることはない。)それでもボクは、おかしいままでも君に応えるしかない。『ジェントルマンリー』なのさあァ…ボクの、それが。(だってそれが、彼だ。秘めてこその彼であり、彼の秘めることとは、あまりにも。)とっても、紳士的だろゥ…?(雨が降りしきっていた。霧のように散った傘が、もはや戻ってくることはなく。)だから大丈夫。ボクは、おかしいけど、紳士だけはやめない、『やめちゃいけない』から、ねえェ…(ただ彼は白いシャツに雨粒をつける。)君の。『キミたち』の『ナカマ』ってモノが。とォっ…ても。輝いて、見えたから。だからボクは、君の言う『ナカマ』を聞きたかったんだあァ。(『釘を刺され』たのは、1度だけ。いいや、ある意味では2度か。今でも右額が痛む。目の前が暗くなるような気分であった。)」「…とっても、仲がよさそうだ。(ロック画面は、君達の友情を固く結ぶ部品だった。)ボク…ごめんねえェ…(釘は、彼の『いたい』を思い出させる部品だった。)ごめんなさい。(吐露した吐き戻し。誰に謝るのだろうか。水滴がシャツを伝って染みになっていく、皺を作っていく。)ごめんなさい。(染みる。)ごめんなさい。(染みていく。)ボクは、おかしいからジェントルなのさあァ…(彼の笑顔は、いつの間にやら、不気味なほどに健康な姿へと変わっていた。)『ナカマ』。大事、なんだねえェ…(彼は化け物ではなかった。だから、『みんなのために』と生きる心を、知りたかったのだった。)」   (6/15 21:53:54)


秋守 真紅郎> 
「…別に、一人で生きていけるならそうした方が楽だ。誰にも怒られないだろうし、誰の為にも傷付かない。お前がどんな生き方をしていて、どんな生き方を望んでるかも分からないけれど、……っぶぇくしッ!?」(君の話を聞いた彼は、君のその表情の先に何かを読み取ったのだろう。…否、彼にはそんな自覚は無いかもしれないが、ただ、何か力になれる事があるならと思ったのだ。元よりアキモリシンクロウという人間の根源はその身に余るほどの正義感と幸福への献身に他ならない。ただ少し不器用で、感情に突き動かされた拳が正当性を邪魔する以外は恐らく、君と同じヒーローであるはずなのだ。何か大切な事を云いかけた彼は盛大にくしゃみを撒き散らして、身震いをする。)「あ"ー……ちょっと長話し過ぎたな。……お前も、風邪ひく前に入れよ、ジェントル。」(彼は鼻をすすりながら屋上の出入り口の方へと歩いていく。普通にシャワーを浴びれば良かったものを、彼が屋上に上がってきたのはただただ抒情的な雰囲気を楽しみたかったからだろうか、まあ、どちらにしても彼がびしょ濡れのまま構内でまた走り込みをして怒鳴られるのは言うまでもない。)〆   (6/16 19:51:48)

ジェントル> 
「(噴水から、ざあざあと水は流れ落ちる。かちゃ、かちゃと、彼はいつものように笑顔でナイフをいじっていた。)ン…?(すれ違うことなど、人は何度も経験する。すれ違いすぎるくらいで、数十万には上るであろう。そしてその内で『出会う』のは数百人程度まで落ちるだろうか。出会いは、知から始まる。)おや。(君には彼が、『すれ違うだけの人物』にしか映らなかった。ただの、変わった人間。彼の一方的な知を、彼は思い出し、笑顔を向けた。ゆらりと立ち上がれば、ナイフを『鎖』に変えて。)君が、『イエローカイト』…(彼には仲間がいなかった。彼には友達がいなかった。彼には『パパ』がいなかった。あらゆることを、知りたがった。武器を捨てて、君へと静かに歩を進める。)で、合ってるかなあァ…?(彼の『男らしさ』とは、自らを救った奇術師であり紳士であった。)…やはり写真で見た通り…君は、『ミクス』『ミス』『ミスター』、どう定義付けるべきなのだろゥ?(どこか伏せる癖があって、なおかつ直接的な部分もある。あえて聞きづらいことは直接的だ。)ジェントルとはスマートでなければ、ならないからねえェ。(それが彼なりの『スマートな解決法』なのだ。)」「あァそゥだ。自己紹介が遅れたね…(オールバックの髪が落ちることなく、右腕を胸の前に、左腕を少し開いて、腰を曲げる。相手のことを知るにはまず自らのことを明かし低い腰であたるものだ。手遅れといえば、手遅れだろうが。)ボクはジェントル。『転校生』さァ…3年のね。(いつもの笑顔が、変わらない笑顔が君を見る。)君のことは、『アキモリ』くんから教えてもらってねえェ…(それは君が、彼の大切にしている人だったから。きっと大切にし合う、人だったから。)『仲間』に、興味があったんだァ。だから、会ってみたかった。巡り合うものだねえェ、感慨深いものだねえェ…改めて、ごきげんよォゥ…(挨拶は、大切だ。)」   (6/16 20:38:34)


キース・ハリソン> 
『君が、『イエローカイト』…』(今日は、今の梅雨に良く似合う、寂しげな晴れの日でした。太陽は高く上がっているのに空はなんだか白っぽく、僕の影はコンクリートの灰色に溶けちゃうくらい薄いんです。このあいだからちらちら降る雪のせいでしょうか、どんなときでも何だか胸が浮いていて、じんわりとした寂しさが、ピッタリと張り付いて消えてくれないんです。)「……ぁ、え、」『で、合ってるかなあァ…?』(先生へ出すプリントを出し終えて、職員室から帰る途中。なんだかちょっぴり"余計なこと"がしたくなって、わざわざ遠回りをして、噴水の前を横切った時、その声は聞こえました。……それが僕のヒーロー名だと気付いたのは、通り過ぎてから3歩過ぎて、カラスがばさばさと空を舞った時でした。)『…やはり写真で見た通り…君は、『ミクス』『ミス』『ミスター』、どう定義付けるべきなのだろゥ?』(かしゃん。ゆら、と立ち上がり歩み寄ってくる君の先までいたところで、放られたらしいなにかの悲鳴が上がります。)(何が放られたのか、確認しようと目を向けることすら許されないような空気で僕を包みながら、君はじわりと滲んできます。空気を揺らした君の言葉に僕は返答を窮してしまいました。だって……、だってそれは、ぼくが、僕が。)「ぇと………、」(逃げたい、と思いました。さく、と刺さった質問が溶けだして、僕の心に良くない毒を染み込ませているのだと思いました。けれど、僕の足は動かずに、君から視線を外すことすらできないでいました。)『君のことは、『アキモリ』くんから教えてもらってねえェ…』「しょーちゃん、から…、?」(ぽつぽつと、気まぐれに水溜まりに垂らされるインクのように、それはうすぼんやりとしたもやを描きます。息をこぼすように小さな返事を返しながら、僕は羽織っているジャケットの裾をぎゅっと握りました。)『『仲間』に、興味があったんだァ。______…改めて、ごきげんよォゥ…』「ごき、げよ…、」(小さくぺこりとお辞儀をしてから、僕は視線を噴水に逃がし、言葉を必死に探しました。)(なかま。)「なかま………、は、えっと。…安っぽいけど、きっと、同じ"ヒーロー"だから……、僕らもきっと、なかま、なんだと思います。」(ただ、友達ではない。きっとそんな、小さな小さな違いなんです。…僕が愛してるのは、友人なんです。)「そうだ名前…、『イエローカイト』であってます、きぃす……キース・ハリソンです。…えっと、その…………あきくんからその、なにか…?」(思い出したようにお名前を返しながら、僕は君の様子を伺いました。)   (6/16 21:29:23)


ジェントル> 
「(『質問を繰り返さないこと』。罵られようが傷つけられようが、あるいは今のように恐怖されようが。彼が笑顔を止めることはないが、君が応えきれなかった質問に、彼は追求することはなかった。)ミクスというのは、『第三者から見て性別がわからない』人に向けるモノさァ…ミクス・キース。(少なくとも。君を傷つけようと発言したのではないことは、わかるだろう。)ごめんなさい。(怖がるような君を見て、やはり口角は隠さないが、)ごめんなさい…(彼は、謝った。カラスが飛び鳴き、今にも降りだしそうでなかなか降らない、曇り空の下。陰鬱な湿度の中で、彼はやはり、不気味に映るだろうか。)心配しないで。ボクは君を傷つけたりしないから。(心は紳士である。)何かしたら殴るってアキモリくんに言われちゃってるし、ねえェ…(そしてそんな冗談(笑顔のせいでわかりづらく、言われたことも同じだが)も言う、人間である。ただ少しだけ、未熟すぎるだけの。)」「(しかし混迷するのも少しの間だ。)彼とは知り合いさァ…(そして正気になりすぎたか。彼を『友人』などとは、言わなかった。)昔のことを、少しだけ聞いてねえェ…『一緒に戦う仲間がいる』ってことが、とっても、羨ましいなって。(彼には友人も『仲間』も、パパもいない。)キースくん。君は。(彼には呼べなかった。)『裁縫』、好きかィ…?(鎖の輪の一つ一つがぶつかり合う金属音が、けたたましく鳴る。そして彼の声はどこか恐る恐るしたものであり、君を誘っていた。)ボクは裁縫が好きでねえェ。放課後は、たまに家庭科室に忍び込んだりしてねえェ…とってもスマートな方法で、『ジェントルマンリー』に、ね。(『大事な仲間の友情』を、その気持ちを、彼は少しでも触れてみたかった。)」   (6/16 22:09:50)


キース・ハリソン> 
『ごめんなさい。』(噴水の音は変わらずさわさわとなっていて、涼しい風を吹かせます。ただ……、)『ごめんなさい…』(君は、謝った。こんなふうに晴れているのに寂しい日には、涼しい風はちょっぴり肌寒いように感じます。裾を掴んでいた手を自身の腕に滑らせて、自分の腕を抱きながら、僕はちいさく頷いて、後ずさっていた片足を一歩前に出して、そっと君に近づきました。)『何かしたら殴るってアキモリくんに言われちゃってるし、ねえェ…』「……ふふ、」(ぼくよりも随分背丈も大きくて、僕なんかよりずっと流暢にお話が出来て。僕なんかよりきっと随分ヒーローが似合うだろうに。ごめんなさいとぽつりと零して、傷つけない、なんて言葉を述べて。仲間が分からない……なんて嘆く君の、どことなくたどたどしい在り方は、ちいさな迷子の泣いてる子供を彷彿とさせるものでした。)「えへ……、たしかに。しんちゃんなら、言いそう、ですね」(小さく不器用に笑いながら、僕は両足をぴったりとつけて立ち、どうか相手と目が合いますようにと意気込んで、僕は君を見上げました。) (……本当は、ちょっぴりまだ痛いんです。隠しごとを指摘されるのも、それを覗かれるのも。でもきっと、それが痛いと言えるのは周囲の皆が優しく聞かないで居てくれるからで、きっと君が悪いことではないんです。だから、僕も小さく、空気に滑り込ませるみたいに、溶かすみたいにこっそり、「ごめんね」、といいました。)「」『キースくん。君は。』(ぽつりぽつり、途切れ途切れに、気になりはするけれど咎められない絶妙な空気感と間をもって、君は言葉を零します。)『『裁縫』、好きかィ…?』(僕は雨の日の雨の足跡を尋ねるみたいにゆっくりと瞬きをして、銀色の細い糸と、真っ白で汚れのない糸を思い浮かべました。)「お裁縫……は、えっと」(それから僕は、君のその指の間にそれらが収まって、布の上を滑らかに泳いでいく姿を想像しました。それはどこか浮世離れしたような君の姿とは似合わず、それでもその包帯は真っ白な糸を想起させて、僕はなんだかそれがどうしようもなく愛おしいものに、今すぐにでも抱き締めてあげなければならない気がしてどうしようもなくなりました。)(だから。)「お裁縫は、えっとね、あんまりしたことないの、……“まだ”。だから、」(ぼくは一歩君に近づいて、したからそうっと、君の顔を覗きます。まだ本のちょっぴり不気味で怖いけれど、人と話すのは成れないけれど、見た目など三日で慣れるといいますから、だから。)「よければ、その。……おしえてくれたら、うれしいな、とか、とか……」(僕は、友人を愛しています。僕はぼくの抱くこの愛を、誰かにわかってほしいのかも知れません。まだ未熟で、醜くて、ぐちゃぐちゃにねじれた、この愛を。)   (6/16 22:45:13)


ジェントル> 
「(近づく君に、動じることなく受け入れた。悲しいだとか苦しいだとか辛いだとか、自分を見つめる度に『間違っている』と叩きつけられる中で、歩み寄られることは、冗談に微笑まれることは、傷ついた彼の体を優しく抱いて。)…彼は。(白いネクタイが、静かな風に揺られて緩やかになびいている。昨日の夜は雨が降っていて傘も差さないで、今日のネクタイは少しばかり湿っていた。)『優しい子』なんだろうねえェ…(それは、君の友人が彼を最後まで見ていてくれた証拠でもある。彼にどうして、友人がいないのか。それは一目瞭然であろう。)君のような『友人』が、呼び寄せられるわけだねえェ。(話すことはできる。感情だってないわけではない。こうして、赤い彼や黄色い君に正直な心情をぶつけることもできるのだから。自分がおかしいと自覚することも、できているのだから。突然、こちらに目が向くと、驚いて1度だけ目を反らしてしまい、けれどゆっくり、恐る恐る、君の方へと視線を戻した。)…類は友を呼ぶものだ、ねえェ。(目を合わせる歩み寄りは、そう。彼には優しいものなのだ。)」「ウン。いいよ、教えてあげる…ボクも、とっても得意って訳じゃ無いけど…ちょっとだけなら。(彼から勇んで歩むことはできた。というより、歩まないことを理解できずに、歩まれることに彼は慣れていなかった。)かふ、か、ふふ、か…(しゃがれたような喉が鳴る音で、彼は。だから声を出して笑うことは少なかった。周囲が、そして彼自身がそれを許さなかった。)ああいけない…ボクはジェントル…ごめんなさい…(このように。彼はいい子でなければいけないから。)駄目だ、駄目だね。(だから、ぎゅっと握りしめるもの。放り捨てられたはずの鎖は、彼の手の中にあった。それは、折り畳みナイフ。)…君を傷つけたいんじゃないんだ。でも、ボクは、駄目だから。(鎖が激しく擦れ合う音がする。地面から鎖が蠢いて溢れ出している。『鎖に固有の理性はない』。だから、それは体の一部のようなものである。だから、表情のないような彼の、それは感情であった。)それでもいィかな。ボクはジェントルじゃないと、いけないから。(隠すことはできないそれが、彼を突き放すものであった。君は受け入れるだろうか。)」   (6/17 15:45:14)


キース・ハリソン> 
(君はなんだか、昔のぼくと、そう変わらないんじゃないか。……なんだか、そんな気がしたんです。)『…彼は。』(ぼくも昔、今もだけれど、お話が苦手でうまく話せませんでした。体も強くないし危険が沢山で、お友達なんて滅多に出来なかったんです。泣いてばっかで、いろんな事を周りのせいにして我儘を言ってかんしゃくを起こして、お母さんを沢山困らせて。……でも。)『『優しい子』なんだろうねえェ……』(ぼくには今、友達が居ます。それはきっとぼくが強くなれたからの結果なんかじゃあなくて、ぼくに声をかけてくれたヒーローが。レッドやブルーや、……誰よりやさしい、ピンクがいたから。ぼくは、世界でひとりぼっちじゃ、なくなったんです。)「へへ。……ともだち、同じ。」(逸らされた目は再びゆっくりと重なりました。類は友を呼ぶのなら、ぼくだってヒーローになれるんです。類を友と呼ぶのなら、ぼくは、)「ぼく、ね。だったら……、君に声をかけられた理由が、分かった気がする。」(それは、世界のちいさなひとりぼっちとして。ヒーローの友の、ヒーローとして。)(類は、友を呼ぶんでしょう。)「かか、ふ、かふ。……ふふ、」(君の隣を歩きながら、君の零す音をこっそりこっそり繰り返して見ます。ぼくにはまだ君の分からない事があるから、それが問いかけか鼻歌か、それともなにかのサインなのか、分からないのです。分からないけれど、それなりに一緒に居て、理解してみたいとは思うので、取り敢えず繰り返す……そんな癖を零して、その音の奇妙な感覚にくすぐったさを覚えた、ちょうどその時でした。)『ああいけない…ボクはジェントル…ごめんなさい…』「……、どう、したの……?」(唐突に零された『ごめんなさい』は、なんだかとっても苦しくなります。ぼくも、同じだから分かります。きっと気にしなくても良いはずの小さな事が気になって、胸の中で広がって、息が出来なくなるんです。)(……鎖の音が、聞こえます。それは最初に噴水の前で君は零した音によく似ていて、ぼくはその正体を見て_____)「っ、……、じぇ、とるくん……、?」(ぼくははた、と立ち止まり、ちいさく身を固めました。心臓がドキドキして、足ががくがくと震えます。)(___昔、おんなじことがありました。分からないおおきなおじさんに連れ去られて、悲しい事をたくさんされました。ナイフの冷たさも大人の人の妙な熱も、覆い被さる真っ暗な大きな体も、ぼくはまだ、苦手です。______でも)「ぼく、ぼくは、」(ぼくは、ヒーローの。)「ぼくは、れっどの、友達! 、で、だから、」(ヒーローは、負けないんです。)「じぇんとる、くん、あのね。」(君は、傷つけたくないと言いました。ジェントル……紳士であると宣言しました。ぼくはきっと君に似ているから、ぼくの感じる君の悲しみは、きっとおおきな相違はないんじゃないかと思うんです。だから、だったら、ぼくは。)「……大丈夫、だよ。だいじょうぶ、」(大丈夫。だって、)「ぼくは、ぼくらはだって、“同じ”で、“友達”だから。」(友達は、苦しめられたら切れるような、そんなものじゃあ無い事を。友人を愛するぼくは、誰よりも強く、知っているんです。)   (6/17 16:55:25)


ジェントル> 
「…あの。(また視線が彼のジェントルは、崖の上で風に揺られる建て付けが悪いトタン家屋だ。ぎぃ、と音を立てて、今にも崩れて落ちてきそうな。小さな声はきっと、君が大丈夫と言ってくれたから、だろう。)ボク、は。(折り畳みナイフの刃は出ているが、振り回されたり向けられたりなんてことはなく、ただ曇り空に遮られた揺らめく陽光を弾いて、陰鬱に鈍く光っていた。)笑うのが、苦手、で。(彼の瞳には陰鬱さが宿っているが、笑顔だけは陽光のように明るさを常に保っていた。もはや、狂ったように。)だから、だから笑っちゃいけなくて。(縛られて。)でも、悲しい顔をしたら。…ボクはママに、『痛いこと』をしてほしく、なくって。(クラスメイトは痛みで。『ママ』は『ママ』であることで。ジェントルは、誰かを傷つけてはならない。ジェントルは、誰かが誰かを傷つける道を絶たなくてはならない。そして何より、いたいことは嫌いで、それでも向き合わなければならないことで。)『声を出して笑っちゃいけない』。『笑わなすぎちゃいけない』。だからずっと、笑顔でいないと『いけない』、から。(彼を追い詰めるもので。)」「(彼ははじめて、少しだけだけれど、『吐露する』ことを、経験した。)ともだち、で、いィ…の?(それでもいいの。と、問うためにだ。)」「(彼は自らがおかしいことを知っている。知っていて、それでも変えられなくて、変えられない僕でも、それでもいいのかと歩み寄ることしかできず、時に足踏む彼には、『友達』がいなかった。『友達になる』なんて、夢に見たようなものだった。)ボクはおかしいのに。君は、どうして。(彼と君の相違点があるとするならば。彼には今まで、友人も仲間もいなかったこと。君にはナイフが、恐ろしいこと。彼にはママを困らせてはならなかったこと。君にはママを困らせてしまったこと。真反対でもあって、触れ合うものでもあって。)キースくん。ボク…(刃はようやく畳まれて、鎖となって彼の腰ポケットにこぼれ落ちていく。)君と会って、よかったのかなあァ。君が、ボクの友達になって、よかったのかなあァ。(鎖に蠢きはなく、今なら落ち着いてゆっくりと、目的まで向かうことができるはずだった。それでも彼にはまだ君に聞きたいことがある。君が自分を友人と呼んでくれることに、彼は罪悪感さえ感じた。だから静かに俯いて、今度はまた、視線を反らしてしまっていた。)」   (6/17 17:59:11)


キース・ハリソン> 
『笑うのが、苦手、で。』「うん。」(出来る事なら、ぼくはそうっと、君の手に手を重ねようと、ぼくはそっと手を伸ばします。) 『だから、だから笑っちゃいけなくて。』「うん。」(君のその行き場を失ったナイフが、どうかどうか、自分自身に向かないことを祈りながら。) 『だからずっと、笑顔でいないと『いけない』、から。』「……うん。」(君の手の握られた指から、いつかするりと力が溶けたら。そんなことを、ぼくはちいさく願ってみるんです。) ____『ともだち、で、いィ…の?』(ぼくは、きっと君を完全に理解することは出来ないけれど。__出来ないけれど、それでもきっと、きっとなんとなくでも“知れる”から。)「あのね、……あのね。言い方が、悪かったかもしれない。」(ぼくだって、きみとはちょっぴり違うかも知れないけれど、それでもやっぱり“おかしい”側の人間なんです。)(君の最初の問いにだって、ぼくは答えられませんでした。僕の性別は曖昧で、形ばっかりが僕の意図しない方向へ膨らんでしまって困ります。言葉だって、君ほどじゃあ無いかもしれないけれど、他の人のように流暢にこぼせるわけではありません。怖いことは沢山あるし、けれどもそれは大多数の他の人にとっては恐るに足るようなものではなくて、人一倍臆病で軟弱で不安定な僕は、やっぱりどこか、きっと形や、方向性や、程度の違いはあれど、ぼくだって"おかしい"と呼ばれてしまう側の人間なのに変わりは無いのです。)「じぇんとるくん…、」『キースくん。ボク…』(落ちかけている夕日が、僕らの立ち止まるこの空間に、柔らかな日差しと濃い影を落とします。下から覗き込む君の顔の半分は影になってしまって、僕は君をもっと知って、見てみたいのに、世界はそれをとざそうなんて意地悪を画策しているんです。僕は泣きたくなりました。あぁ、どうして。)『君と会って、よかったのかなあァ。君が、ボクの友達になって、よかったのかなあァ。』(どうして、世界はこんなにも、ちっぽけで、孤独で、遠いのでしょうか。)「………、ぼく、は。」(ぼくは、ヒーローになりたい。かつてのしんちゃんや、そらくんや、……彼女みたいに、僕も僕に手をさしのべられるヒーローになりたいんです。_本当です、ほんとうなんです。僕はまだ弱くて、ヒーローになる覚悟なんて出来てやいないけれど、それでも僕もいつか、みんなと肩を並べられるヒーローになりたいんです。)「……えへ、ごめんね。」(…深く、息を吸って僕は君の手をとって、家庭科室へ歩みだします。)「ともだち、って難しくて、僕もよくわかんなくなるんだ。だから…、」(僕はかつての彼らのように、君の手をそっととって、こんな深い影のさす所から逃げて、空気の柔らかい家庭科室へ、連れ出したいなと思いました。)「むずかしいのは、ゆっくり考えよ。…それよりその、えっと、あの。…へへ、おさいほう。ぼく、やってみたいんだ。」   (6/19 17:00:26)


ジェントル> 
「(彼は化け物ではなかった。だから、『仲間』。『みんな』のために生きることを知りたかった。包帯で包まれた、狭くなってしまっている眼孔。そこに空洞も、そして瞳もあるはずはなく。)…ああいけない。『ジェントル』としたことが、誰かに手をとられるなんてねえェ…(きっと君と手を固く結んでしまうのは、恐ろしさだろう。影に隠れた右目はひどく怯えている。ありもしない眼球が痛くて、ナイフを持った握りこぶしで目を抑えた。)どうして…(それはどうして、そんなにも優しさを与えてくれるのかという疑念。いい子でいれば傷つかない。痛めば痛むほどに笑顔は強く深んでいくのは、逃れられるから。ジェントルは献身的であらねばならず、そして拾われることなどない。恐れられるのは、傷つけられるのは、スマートではないから。どうして君は、拾うのか?与えてくれたのはママだけで、いつもその先にあったのは。)…ゆっくり…(痛んだ。きっとあの『ぶどう』は、白くなって枯れてしまっているだろうか。右目でまじまじとした、自分の物であったはずのそれは、まるでぶどうで。)ゆっくり。(君が拾うのは、ぶどうではなく痛むその手だったから。)」「キースくん。(敬意を払うべき『ミクス・ハリソン』は外れた。敬意を持った、遠慮がちな、恐れるそれを、取り外した。)『キースくん』。(『キース・ハリソン』の手を握る力は緩み、彼の足は早くなった。友達はまだわからないけれど、君という、拾ってくれる存在に少しでも触れることができたから。彼の滞り続けた足を、君が手をとって『歩ませた』のだ。ゆっくり、だけれど。)教えて、あげる。(今日の彼には、もうナイフは必要なかった。鎖へと姿を変え、彼の懐へ帰る。)スマートにね。(君の足元に鎖が蔓延り、そしてそれは易々と君の体を持ち上げ、彼は君をお姫様抱っこの態勢にした。)ボクのことは、ノゾム。って呼んで。『キース』。(あくまでジェントルであった。それをやめることはできない。だって、誰が相手でも。いや君が相手だからこそ、『紳士であらねばならない』のだ。ただひとつ、彼の心がほどけたとするなら、君には名前を呼んでほしくなって。かつかつと、歩みを進めながら。)」「か、ふふ。かふふ、かふ。(君の前ではなぜだか安心して、彼は『笑っていたのだ』と、彼の影なき顔を見上げる君は、控えめに口を開けたその表情からわかるだろう。)あァ…いけない。ごめんなさい。(…ジェントルには、まだ少しだけ、繋がれているが。)」   (6/19 17:52:20)


キース・ハリソン> 
『キースくん。』「…うん。」(ふわり、ゆるり。錆び付き、傷付き、いつしかその身をそっと据えて目を閉じていた重い鉄道が、緩やかにその体を起こし、そろりそろりと銀河を駆けるように。)『『キースくん』。』「うん。……えへ、へへ。」(きっとそれはまだぎこちないけれど、錆が剥がれた訳では無いけれど。それでも、その身を動かす感触も、動かし方も、その身を浮かせるほんのちょっぴりの恐怖と楽しさも、思い出せただろうから。)「ん、ん。"だいじょうぶ"。」(つないだ手は軽く、君の足は僕よりずいぶん長いから、簡単に先を歩いてしまいます。でも、置いてかれる寂しさも劣等感も感じずに、今はただ、純粋なよろこびが、僕の胸を満たしていました。わかるでしょうか、うれしいんです。…ほんのちょっとの僕のエゴ、ぼくのしたかった"ヒーロー"に君を付き合わせてしまったような罪悪感がわかないわけではありませんが、そんなことより。)(僕が、僕一人の手で作った友達は、きっと君が、はじめてなんです!)(君のペースにあわせて、僕はしゃかりきに足を動かさなければなりません。それは大変だけれど、それでも苦ではありません。だって、なんだってぼくは、きみという"友達"と一緒にいるために、望んでそれをしたいのです。)『教えて、あげる。』「ほんと?へへ、うれしい。……っ、へ、ゎあ!?」(……と、思っていたのだけど。軽く繋いだ手をグッと引かれ、引き寄せられたと思えば、僕の足は宙に浮き、僕の眼前には君がめいっぱいに広がるのです。)「ぅ、ぇえあのあ、あの、じぇ……ッ、へへ、えへ、の『ノゾム』くん!」(ふわふわと君が歩くのにあわせて、体の中身が擽られるみたいに浮かびます。僕は怖くて思わず君にしがみつきながら声をあげようとしたのですが………、だって、だって、こんなのずるいじゃないですか。)「へへ………、ばか、ばか」(君は、だって。僕が、ぼく自身のたったひとりの手で、はじめて掴んだ宝物、なのですから。)(人前でお姫様抱っこなんて恥ずかしいし、軽々持ち上げられてしまうのはちょっぴり癪、でも嬉しくもあって。だってそれはなんだか、僕がまるでおひめさまみたいで。)(堪えきれないよろこびがどうしようもなく顔に出てしまって、ヒーローになりきれないなぁ、なんて口惜しさと恥ずかしさと、真っ赤になってもにょもにょして、こんなの見られたらみんなにきっと笑われてしまいます。)「ひとりで、1人でちゃんと歩けるのに……、のぞむ、くん、ばか」(顔を見られないように君の胸元に顔をすり、と押し当てて、僕は君に体を任せます。心地よい体温と守られているゆりかごのような体温に若干微睡みながら、きみをしっかりと捕まえながら。)「……おとさ、ないでね。」(君もいつか、立派なヒーローになって、僕を置いていってしまうのでしょうか。…なんて、余計なことをそっと胸の奥にしまいこんで、揺られるそれに、僕はそっと目を閉じました。)   (6/19 18:39:13)


ジェントル> 
「(銀河を行く列車は未だ、車輪を回しきるには至らず、さらには不安定だ。がたごとと、揺れている。)落としやしない。(ゆっくりと、静かに、けれど揺れている。だが心地よいだろう、そう。まるで揺りかごのように。君をゆっくりと揺らしているのは、まだまだ銀河を行く列車とは言い難い、でも必ず君を取り落としたりしないようにゆっくりと見えてきた線路を進んでいく、揺りかごなのだ。)だってボクが抱えているのは、君だもの、(もうそれは、鉄の棺桶ではなくなった。墓場から揺りかごへ、彼は知った。)ねえェ。(先頭車両だけでぽつりとひとつ、静かに語るだけだった汽車に、繋がった車両。初めて乗せるのは、君だった。彼が変わったのは少しだけで、もう既に君は乗車していた。頭を優しく、胸で受け止めよう。)…そうだねえェ…手始めに、ハンカチなんか作ってみよっかァ。(だからその両腕から、『キース・ハリソン』を。彼は全く、落とす気などはなく。)か、ふふ。(…そして実際に、このあと君がこの腕から降りられるのは、家庭科室に着いてからだった。)」   (6/19 19:31:46)

ジェントル> 
「アキモリくんが言うことには、君はボクの言葉を理解してくれるらしィねえェ…(『インテリらしい青髪』を、垂れ流した男。今日の空は青く、梅雨の時期には似合わないようなからっとした日差しが降り注いできて、君のその髪に似合っていた。)やあァ、ごきげんようゥ…(そして君の声の先にあるのは、放課後の誰も使っていない、使えないはずの家庭科室だ。日こそ登っているが、ちょうど下校の時間である。君は1人で、集団から逃れるように歩みを進めているのだろう。)ボクはジェントル。(そして窓から顔を覗かせているのは、君の見知らぬ男だろう。名も顔もだ。ダイヤモンズ・インテンスにより円形に鎖となり、穴を空けられた四角い窓はレトロな丸窓のような姿になって、君の知らない誰かの身を、遮らず乗り出させる。)君が『ブルーカイト』…で、いいのかなあァ?ボクはアキモリくんの知り合いで、キースの…ともだち。ィ、かもしれない。君のことはアキモリくんから聞いてねえェ…(そしてわっしと、君の腕を掴んだ。シャツの袖から『鎖』も生まれ、君を引き留めるには、十分だろう。)」「君に興味を持っているんだァ。(彼は一途を愛している。)彼の大事な『仲間』みたいだから、ねえェ。(君たちを結びつけたいだとか、仲直りさせたいだとか、そういうものではない。彼は仲間を知りたがった。友というものは学ぶことができたが、しかしやはり探し続けるのであろう。問い続けるのであろう。聞かぬは一生の恥だとまで言うのだから。)それと今は、君ともトモダチになりたくってねえェ。ちょうど料理していてねえェ、今肉炒めができるころさあァ。おやつ…じゃあァないけど、小腹にいいと思うんだあァ…(そう。彼はどこか少しだけ、おかしいのだ。)食べていかないィ?(友人と呼んでくれる、呼べる人がようやくできたから。彼は次は自らでと、君に挑戦していった。)」   (6/26 12:48:51)


明星 夜空> 
(放課後でもじわじわと身を焦がす日差しは、訓練室へと向おうとする彼にも降り注ぐ。髪が痛むから、なんて言っていた彼女のようにわざわざ日陰を歩くわけでも無く、時間がたったことをゆっくりと、ただ着実に示す髪を揺らしている。)「..................誰お前、やってること不審者と何ら変わんねぇぞお前。」(...否、揺らして “ いた ”。向かうつま先は掴まれた腕と巻きついた鎖によって歩みを止め、無理やりでもその主へと意識を持っていかれる。顔から覗かせるのは痛々しい火傷痕と口角だけ、何を捉え何に興味を向けるかという目線は隠したまま。貴方の真の目的は何か、なんて推測立てることもできない。)「...アキモリアキモリうっるせぇな、俺はアイツの仲間でも、ましてや “ ブルーカイト ” でもない。」(ヒーロー名、未定、あるいは空白。彼には “ ヒーローとして名乗る名前 ”など無い。 見ず知らずの場所で言いふらされていた情報など信用されてもこっちが困るだけだ、それが“ ウソ ”か“ ホント ”かなんて聞いた奴は分かりようもないのだから。彼からしてみれば、話す理由としては嫌というほどに不十分だ。) 「...要らない、人の作った料理は苦手なんだ、それに軽食ならもう済ませてある。お前が話しかける理由ももう無いだろ。...それともお前は、トモダチになりたい奴の腕を鎖で縛った上に苦手な物を無理やり食わせるのか?」(話したことも無い奴の腕を掴んで縛り上げて、その上他人の内情に上がりこんで来る奴なら、より一層。特徴的な姿とその鎖、すっかり人数の減った生徒の中から絞り込むのなんて簡単で、)「俺はそもそもそんな奴とはお断りだけどな。...アイツに何言われたか知らねえけど...自分勝手に逃げようとしてた “ ヒーローサマ ”には関係ないんじゃないか?」(通信機越しにでも、報告書越しにでもその姿も声も行動も、“ ヒーロー達 ”を見ている彼からしたらすぐに君の事も分かってしまう。君の選んだ策は地雷も地雷だ、おめでとう。そもそも君が “ 彼 ” の名前をだした時点で結果は変わらなかった。......捕縛できたからといって安心しないことだ。鎖の連なる先は君の元、力を込めて腕を引き弛んだ鎖を鷲頭噛めて仕舞えば...それが強固で在ればあるほど簡単に、操縦席なんて乗っ取れてしまう。...ハイジャックは時間の問題だ。)「さっさとコレ解けよ、料理中によそ見か?....... “ キーホルダー ”にしちゃ重すぎるぜ、お前の腕。」(そして、彼の足元から生み出されるのは一体のポーン。タイルを破り大穴を残し、唯の床材のコンクリートはそれこそリビングデットの如く人の形を形作る。下す命令は______警告。剣先は君の身体に向けて、すぐにでも切りかかれるような臨戦態勢を保ったままに。...先に手を出したのはそっちの方だ、こっちだって使える物は使っておかないと割に合わないだろう?)   (6/26 14:45:05)


ジェントル> 
「…これは、『紳士的』じゃないんだねえェ。(ほどけと言われればすぐ横暴に答えよう。罵倒を受けては紳士には程遠い。)ごめんなさい。ごめんなさい。(触腕のように伸ばされた数本の鎖が、布からできた故か光を照り返さず頭を抱える彼の手元へとゆっくり戻っていく。)それにしたって…(眼孔は開いたりにやけていたりと変幻自在だが、口角だけは寸分違わず笑顔のままである。そして2本1対の、腰ポケットから飛び出し彼の手元にまた鎖が渡った。それは他より極端に短く、それぞれ手のひらほどの大きさだ。)そゥ、そゥかあァ…それは悲しいことだねえェ。(鎖は個体を変化させたものであり、彼のディスコードそのものですらある。元の姿に戻り、成すのは『折り畳みナイフ』であった。折り畳まれた状態ではあるが、それが何であるかは聡い君ならば分かるだろう。そして彼もこう見えて、鈍くはない。痛いのは嫌いだ。君が何を嫌がっているのかも、理解はしている。)ボクは彼に、君に手を出すなとそう言われているんだよゥ…(『彼は君を大切に思っている』。君がそれを分かっているのかいないのかを悟ることまではできない。その先で、君が自分を傷つけるかもしれない。しかし。)」「紳士として見逃せない。」「(それを乗り越えて、君に伝える『根性』と『紳士』は、ママを救ってくれた英雄から、母を救う希望をくれた英雄から、貰ったものだ。)料理のことは心配しなくてもいィさあァ…ボクは器用な方だからねえェ。(家庭科室の机から生まれた鎖が、今できあがった野菜炒めを盛り付ける。その器用さは、あの優しいママから貰ったものだ。)今は君の方が『火事を起こしそうだ』。(友達というものは。)ボクは友達が1人だけできた。つい最近、ねえェ…(つい最近、『キース』。君たちの、『きぃちゃん』から貰ったものだ。)だから…友情を捨てることが、分からないんだあァ…(濁りのない目は何よりも純粋に濁り、君を見る。捨てられたことは幾度とあれど、捨てたことなどないのだから。君を見る目は、疑念と悲しみを孕んでいる。)教えてほしいねえェ。知りたいねえェ…(捨てられた方が何を思うのかを彼はよく知っていて、捨てる側が何を思うのかを、よく知らないから。)…彼が君を心配しているのを、『余計なお世話だ』と言うならあァ…ボクは彼との約束を違えて、君に彼の言葉を教えるよ。場所を変えて。(捨てられた拳を振るわんとしている。)」「ボクはアキモリくんが恐れた、君の驚異となろう。(野菜炒めが冷めてしまうが、火事になるよりはきっとマシだから。)」   (6/26 19:24:21)


明星 夜空> 
「初対面の他人に “ その ” 対応されてご丁寧にエスコートする方かイカれてんだろ。頭ん中綿で出来てんじゃねえかそいつ。」「保護者面かよあの赤イガ栗...」「...紳士?お前が?冗談もいい加減にしてくれよ、まともな挨拶の仕方も知らねえ奴が紳士な訳ねえだろ。顔隠してたって感情的なの分かるぜ、今のお前。」(彼から見れば貴方は外面だけが取り繕われたハリボテでしかない、冷静に事も流せもしないのか。)「...あぁそうか、だから鎖で縛りつけでもしないと他人と話せもしないんだな。呑気に炒め物してる暇あったら『友達の作り方』でも調べてこいよ。それか本物の『紳士』ってやつでも、図書館なら反対側だぜ?......尤も、そんなに友人が欲しいなら他を当たってくれ、俺はお前ほど暇じゃないんだ。」(誰がマッチに火を付けた?誰が枯草に火を投げた?誰のせいで、なんて言葉は押し込めて、君の勇気を、探求心を、挑戦を踏みにじるように “ 不条理 ” を。執着相手なら他を当たってくれ。...それこそ割り切れもしないお人よしにでも。…勝手に憐れまれても困るだけだ、片方だけの言葉を信じて正義を振りかざしている方がずっと惨めで愚かなんだから。)「...捨てる?俺が友達だった奴に裏切られたの間違いだろ。アイツは変わらず仲間だ何だって騒いでるみたいだがアイツは自分勝手に動いて自分だけ生き残ったんだぞ。....変わらずに仲良しこよしの “ ヒーローごっこ ” してる方が不思議な位だよ。」(理由も無しに切り捨てるほど彼も酷じゃない。それ相応の理由と理屈と経緯を以て、不干渉という一番平和な策をとってやっているだけだ。好奇心は猫どころか友人まで殺しかねない。ただ暴れたいのなら丁度いい駒でも貸してやる。ただ君に、君達に割いてやる時間なんて彼には無いんだとでもいうように、解けた鎖を軽く振り払うようにしてからつま先はまた反対へ。それでも向かわせないというなら、君がまた執着の鎖を伸ばすのならそれを阻むかのように駒は君の正面へ。君に阻まれたこの数分ですら無駄でしかない、そう思って切り捨てられるほどに彼は、自分自身を追い込んでいる。)「......本当に、恰好ぶりたいだけの奴の何処が紳士 - ヒーロー - だよ。」   (6/26 20:26:41)


ジェントル> 
「(ナイフが開く。)…決めたよ。(彼の『紳士と母』ではない、2つ目の願いを決めた。『1人で生きていけることと友達であること』。少しだけ、鎖から手を離して見るのもなんて。)ボクがおかしいのは知っている。(彼は多くの二面性を持つ。その一つに、感情的である内面と無関心である外面があった。人を恐れるがゆえの無関心であり、人であるがゆえの感情的だ。だから、『おかしく』も、『紳士』である。)それでもボクは、君を友達にしたい。(ただ1つ、彼は化け物などではないことが確かな一面であり、それが強く育った使命感の靭性と強く縛る使命感の劈開性を結びつけるものであった。ひびの入った背中を晒したりさえしなければ、彼は割れない。)彼らが君を裏切ったと、本気でそう思っているなら…(根性だ。根性と、そして初めての友達である『キース・ハリソン』の、君を思う『ミスター・アキモリ』の、背中越しに君を。)ボクは。ボクたちは君の前にもう一度現れよォう…(背中越しに見る。つまり何も知らないからこそ、君たちを結びつけたくて。)」 「(だが彼には、そうなるに1つだけ足りないものがあった。『仲間というものへの興味』、『後ろから覗き込む根性』、『正義への問い』が彼を君へと導いたが、しかしその先を歩もうとするものが足りなかった。)おかしくてもボクは人と友達になってもいいって、知れたから。(友愛。人に興味を持たないのは恐れからだ。誰かと友達になることなんて許されない。そうして、孤独であらねばならないのだとそう信じていたけれど。難しく考えなくてもいいというのはきっと、『友達になること』。)それと…(彼の心を大いに躍進させたのは、友達になることを簡単に考えられるようになったことで。簡単に考えすぎているかもしれないけれど、彼には、そして君にも、きっとそれくらいがちょうどいいはずだ。)君はどこかボクに似ているからねえェ。(ナイフを閉じた。きっと君を追うことももうないだろう。)さあ。(だが一言だけ、君に釘付ける言葉がある。)ヴィランだとかヒーローだとか関係のない、ボクはいつだって君の驚異さァ…(それは君に、手を差しのべる宣告だった。)」   (6/26 22:12:20)


明星 夜空> 
(振り払っても尚、語り掛けてくる君はやかましいスピーカーのようにしか思えない。コッチの事情を知りもしない癖に引きさがりもしない、厄介な勧誘の方が楽に切り捨てられる分どんなに楽だろうか。)「チッ...........まぁッッたくお似合いだなぁ “ エ ゴ イ ス ト 共 ” ッ ッ ! ! ! ! ! ! ! ! 」(張りつめていた糸はもう限界だと言って繊維を散らしちぎれる様に、さっさと事を済ませようとしていた意識とは裏腹に声を荒げる。)「勝手にトモダチにしたい、だか仲間だとか思い込んで幸せな野郎だよお前等、そのお気楽さを分けてほしいくらいだ。お前とめでたく友達になった奴も相当の代わりモンなんだろうなぁ!?あぁ、そうだ教えといてやるよ、友達ってやつは “ お前と同じような奴 ” って思われるんだぜ?! “ 類は友を呼ぶ ” ってほんとよく言えてるよ。」(彼は、彼のやり方で証明しないといけない。抱えきれもしない物にまで手を伸ばすなら、いっその事......最初からその存在に気が付かない方がそいつの為だ、と。無理に手を伸ばしても結局は救えなければ相手も自分も傷つくだけだ、と。自分の身を滅ぼしてでも顔も知らない他人の感情を抱えた馬鹿に向かって、それじゃあ駄目なんだ、と。理想は捨てろ、夢はもう見るな。それで救えたらこの世に自殺者なんてとっくの等に消えている。警告で全て事が済んでいたら、刑務所に人は溢れかえっちゃいないんだ。彼を彼と、彼を “ ヒーロー ” たらしめるにはまだ足りない。“ こ ん な ” 力じゃ、“ こ れ っ ぽ っ ち ” の力じゃ他人の命は守れないんだ。だから、だからもう)「...邪魔しないでくれ、俺はアンタの面倒役じゃないんだ。」( 彼には時間も力も、何もかも足りない。他人に割けるような時間なんてあるはずも無い。半年前よりも伸びた髪と、部屋に置きっぱなしのキーホルダーに降り積もった埃達が、ただ過ぎ去ってしまった時間を何より証明していた。)   (6/26 23:01:06)

ジェントル> 
「…要件はたくさんあってねえェ…(ホールクロックの秒針が動く音は心地よい。規則正しく優しい響きは、結ばれた赤い長髪と同じく君の存在を示すようなものだ。)君の友達と会ってきたから。(彼の腕時計の音は対照的である。右腕の金時計はロンドンの雨の香り、左腕の銀時計は鮮やかなダイヤモンドの香り。景色は中国ハイテク繁華街。その荘厳さを、その高貴さを表すように淑やかで、体に触れていなければ雨音にかき消されそうなほどである。)さァて…時間通りだねえェ。(君から見た彼の存在を示すのは、傘を持ったその姿であろう。そして間も無く鳴り響く、機械式のアラーム。それも君が、背負う大きなクロックの時報を止めていなければかき消えるが。)やあァ、改めてごきげんよおォゥ…(曜日は土曜。時刻は12時ちょうど。校舎は違うが以前出会った時と同じく雨空の真ん中の屋上。だが、風はなく暑い。夏の最中らしい雨の日だ。もうセミも鳴き出している頃だが、こうも激しい雨では聞こえないものだ。しかし湿度と熱が合わさり、気温は鬱屈とした状態である。)」「本題から言うけれど。(君は差しているだろうか。降られる雨を、その身に受け止めるだろうか。体を冷やすために。)ボクと、友達になってほしい。(彼は雨から身を守るだろう。けれど、小さな天幕の下から、降る雨に手を差しのべていた。)君の友達と会って、ボクはそう思った。(熱の籠るような体はないが、少しだけ君のように雨に触れてみていた。雲に散らされた日光は湿気を伴い鬱陶しいが、雨粒は変わらず冷たい。体が冷えるというのも納得だ。)…『キース』はボクに、友情を教えてくれる人で、ねえェ…それと、『ブルーカイト』は友情を捨てた人だった。(友達になりたい、と言ってみたり。雨に触れてみたり。彼はとても、影響されやすい。)…教えてほしいんだあァ。彼がなぜ、捨てたのか。(ただ一人だけ、青い彼だけは発信することすら厭うもので。受け取れるものはなく、ただあの日差しだけをよく覚えている。)ボクは彼とも友達になりたい…『君たちと』。友達になりたいから、ねえェ…(誰かと友達でいることなど許されない。彼は恐れではなく責任感だが、その寂しさは、知っているつもりだった。)」   (7/9 18:32:35)


秋守 真紅郎> 
「…木蔦 雛、俺、ブルー、イエロー、…お前はキースって呼んでるんだったか……俺達は小学校に入る前かそれくらいからずっと一緒だった。……半年前までは。」(きっと君が聴きたいのはこういう事だろう。彼は雨に打たれなkがらも呟くように応える。)「……セブンス・イクリプスは知ってるだろ、俺達は丁度野外学習で外の出てて、初めの日に直面した。……俺はブルーの制止も厭わず人命救助に乗り込んだ、ビルに取り残された人の誘導とかな、その時に木蔦、ピンクも一緒に救助する為に一緒に来てくれたんだ。……その時にピンクは死んだ。」(雨音は彼の声を掻き消すだろうか、それとも、君のところまで声は届くだろうか、どちらにしても、ただ自分の喉からこの言葉達が零れる事が、どうにもまだ気持ち悪くて、鳩尾の奥が押し上げられるような気分なんだ。)「落ちて来た瓦礫に潰されて……一瞬だったよ。ブルーは…ブルーとピンクは…特に仲が良かったからショックだったんだろう。……ブルーはピンクが俺のせいで死んだって…俺が殺したんだってさ…」「だから、ブルーが俺を嫌いのも無理はない、捨ててしまうのも無理はない、けど…でも、俺達は前に進まないといけない。俺ぁあいつほど賢くねえから、正しいかどうかは分かんねえけど、ピンクが居なくなったことで俺達がバラバラになることなんて、きっと、誰も望んでないはずなんだ。………だから、俺はとにかく強くならなきゃならない。もう誰も失わない為に、強けりゃその分、俺達は誰かを守れるはずなんだ。限りないくらい、強くなんなきゃならねえから……友達とか、そういうのの成り方は分かんねえし、トレーニングばっかで多分遊びにも行けねえけど、それでも良いなら友達に成ってくれよ。」   (7/9 19:23:27)


ジェントル> 「…ありがとう。(心が辛くなっていく様相は見てわかるほどで、それでも君は伝えてくれた。笑顔て、でいるしかないけれど、人一倍影響を受け共感を覚える彼だ、その辛さは表情だけでもわかる。辛くていたいのは、もう要らないから。笑顔は変えられないけれど、英雄の死は痛ましく。)…そォかあァ…(だからこそ、あの。ただ青い空と太陽があるだけの景色に囲まれて、たった一人で立ち続ける『ブルー』もまた痛ましくって悲しい姿だったのだと、振り返った。)…うん。ボクがこれからどうすべきかも、少し分かった気がするよゥ…(そして、目の前の打ちのめされる『レッド』に向き合った。レッドの眼差しに映る、自分自身の姿も、強く見つめて。)…決めた。(やっと見えた『三人の姿』とそれぞれの思いを頭の中に詰め込んで、かき混ぜ、ただ優しげに開いている目で、その姿を眺めて。)」「『アキモリシンクロウ』。(友情。それは彼の歩んだ一歩で、キースが教えてくれたもの。だから、あの子と君の友達となった以上、追い付くことができるかなんて分からないけれど、ただ手を、ずっと遠くにいる君たちを追いかけ手を伸ばし続けたくって。)アキモリ、今から繁華街に行くよゥ…。(決めたのだ。何をすべきかは。…最初は。できることならば君の手を取ろう。)毎日とは言わないけれど、どんな時でもボクは君を連れ出すよ。(張りつめた表情の君を。君の優しさや、背負うもの。『友達のために』を、彼は君に影響される。)君の足が縛られているなら。ほどくのも、ボクのような人間の仕事だから、ねえェ…(影響だ。大いなる、影響。未だ手を伸ばすだけの彼にそんな力はない。1人でちぎれた3人を結びつけるなんて不可能だ。)…ついでに。君にやってもらいたいことを、いろいろ、歩きながら伝えたいんだあァ。(だから君にも頼らねばならないことが、彼にはたくさんある。全ては、『君達』と、3人が。いいや、4人が、言えるようになるまで。彼はとりつかれたような君に、繁華街へ飛び出す手を、さしのべたのだった。)」   (7/9 20:55:05)


秋守 真紅郎> 
「お前、ホントなんか、悪い奴じゃねえのは分かったけど、……不気味だよなあ?」(彼は君の言葉に目を丸くするも、呆れたように笑みを浮かべてヘアゴムを取り払えば垂れた長い前髪を掻き上げて襟足を伝って服の中に忍び込んでくる汗と雨粒を嫌がってか、後ろ髪をヘアゴムでまとめるだろう。)「そうだなあ…あ、もしかしてお前は中国語話せるのか?出掛けようにも一人じゃ言葉が通じないし、丁度良い…けど、さっきも言った通り、俺は強く成んなきゃならねえから、道場とか、腕試しできる場所とか、そういうところが欲しいんだ。折角違う国に来たんだし、吸収できるモンは何でも吸収しねえとな…どっか知ってるか?そういうとこ、知らねえなら話しながら探そうぜ、なんか頼み事?だかもあるんだろ?」(彼は何か踏ん切りがついたのかニィっと笑いながら君と肩を並べて歩き始めるだろう。友達という物がどういう物かは分からない、そんなものはいつの間にか成っている様な物だと思っているから、どうすれば成れるかも分からない。けど、多分、このままで良いのだろう。別に無理に何かをしなくてもいつの間にか、君とも友達に成れてしまうのだと彼は思っているのだ。)   (7/9 21:29:12)


ジェントル> 
「いいや?(現地の言葉を習得しているのか。否である。君の言うとおり、彼はバケモノなどではないただヒトなのだ。)現地の言葉は話せないよ。(ひとりぼっちで、こだわりがあって、融通のきかない子供のような。少しだけ昔のイエローに似ていると、感じるかもしれない。それでいて紳士だから、不気味さはその組み合わせからできるのだろう。)難しく考えないのも時には大切、だからねえェ…友達になることも、ねえェ。(それと、考えすぎてしまう癖と、『しなければならない』と時に鬼気さえ見せる強迫観念だ。難しく考えすぎないように、という言葉は、『キース・ハリソン』が友達を分からない彼に向けた言葉だ。)けれど、国際社会の『マナー』として…何より『紳士的』だからねえェ。英語は、丁寧に話すくらいならできるよゥ。(彼は器用で、根性もあって、何より感化される故に紳士的であることはすぐに吸収してしまう。良くも悪くも、だ。けれどその言葉は、ただ彼に友達を作りたいと『自発的に』思わせる言葉だった。感化や影響だけでできた存在ではなく、彼自身の、愛する言葉だった。)」「けれど道場破りをするなら。『ここ』でも、悪くないかもねえェ。(…ほとんど無計画であるのも、抜けきらないまでも、癖の和らいだ証拠だろう。)剣道部。実戦空手部、少林寺拳法部、いろいろあるだろうからねえェ…(しかし、君の吸収の手助けになるようにその一点は変わりも曇りもなかった。)それとも…中国は関係ないけれど、ボクとやってみるのも面白いんじゃないかなあァ?(案が多く出るのはやはり癖が出ているのかもしれないが。)そうするならするで、また今度連れ出す予定もあるからねえェ。(だが気づくだろう。君が彼と、会話ができつつあることを。今日は調子がいい、というのもそうだが。君と友達になった、その安心感だ。)頼みたいことは、要するに『ケンカ』だし…それにはボクも君も、互いの力を知る必要がある。そして『ブルーカイト』に知られないようにする必要がある。(はち切れそうな、歯を見せなかった笑顔から、けれど歯が見えた。)かふ。(笑ったのだ。)…興味、沸いたかなあァ?」   (7/9 22:06:28)


秋守 真紅郎> 
「そうか…確かに、此処の学生を相手にするのもアリか。」(確かに海外遠征に来たからには自分の力が何処まで通じるのかが知りたい。一般人を相手にするよりも此処のヒーローを相手にする方がきっと良いのだろう。そんな事を考えながら行く当てもなくただ敷地内を歩いていると、君の提案に不思議そうに眼を見開く。だろう、彼は別に暴力が好きなわけではない、ただ正しさを証明する方法が彼にとっては暴力による勝利しかなかったというだけだ。それでも、彼は自身の強さへの執着に多少の自負は在ったのだろう。そんな彼に頼まれたのが…)「ケンカ…?その喧嘩ってのは、えーっと、全力で殴っても良いのか?」(そう聞かざるを得ない。恐らく自分が全力で喧嘩していい相手なんてバーバ・ヤーガかブルーカイトくらいしか居なかったのだから、彼の疑問も無理はない。)   (7/9 22:51:51)


ジェントル> 
「君の一撃は何度も見てるけど、もちろんボクもまともに当たったら死ぬよゥ。(鋼の体になった彼の拳が、あらゆるものを破壊してきた姿は何度も見てきた。どう見たって、この骨ばかりの白く細い体が受けきれるわけはない。しかし彼とて、ダイヤモンドの意志とロンドンの雨がある。)でも、『タダで受ける』気はないから、全力で来てほしいなあァ。(そう彼とて、ヒーローだ。負ける気で戦うことなどはない。確かな戦意は、その不気味さに拍車をかけるだろう。)着いてきて。(…こちらの学校の訓練所を借りに、歩みを進めよう。)危ないときはボクから降参するよゥ。(中国は技術の強い国だ。さらに先進的なコード専門学校がその訓練所は、多機能だろう。)いずれにせよ致命傷は防げるさあァ…(…これは殴り合いだ。一対一の真剣勝負だ。だから、機能は一切使わない。壁、地面、天井。そして、折り畳みナイフ。それさえあれば)ボクはそんなにヤワじゃないよゥ。(落ち着きなく、君を中心にぐるぐると、円を描きつつ離れていく。その道中で、鎖が彼の手に握られていた。)」「それと…頼みがケンカ、って言うのは、ボクとの殴り合いのことじゃあァない。必要なことだけれどねえェ…(そして次の瞬間には。鎖は折り畳みナイフへと姿を変えていた。)…仲間がいることの強さを。ボクは君にあの『ブルーカイト』へ叩きつけてやってほしい。(そしてナイフは君の眉間に差し向けられて、彼はそう言った。)そのためにまずボクは、君に認められないと『いけない』。(同時に塊となった10本の鎖が、彼のポケットからばらまかれ、じゃらりと音を鳴らしながらほどけていく。)…そのための、ボクは君の信頼できる、『友達』ではなく…(そして地面が、鎖の海となって小さな一つを飲み込んだ。)信頼できる『仲間』として。一緒に、ブルーを殴ってほしい。(それだけではない。ナイフは折り畳まれ、ポケットに入れられ、)『紳士として』、見過ごせないィ…(海から引きずり出された何本もの鎖が、彼の体と腕を絡める。)ボクの最初の友達、イエローのためにいいィ…そして『ピンク』への哀悼のために、いいィッ…(体は鋼鉄の鎧に包まれ、両腕は豪腕へとなった。)」「『ホワイトベスト』は、君を殴る。」   (7/11 21:15:27)


秋守 真紅郎> 
「へぇ…なるほどな。見た感じ、お前はヒョロヒョロだったと思うけど…耐えきれると良いなあ?」(彼はふぅ、と息を深く吐いて、からステップを踏む。だらりと降ろした腕は彼が前後左右に揺れる度にぶらりと連動して揺れる。衝撃を奥に届ける為に必要なのは脱力。鎖と云う性質上、繊維質にも似て衝撃を奥まで浸透させることはかなり難しい。更に天井や壁や地面、ナイフも織り込まれている以上、素材の違いがあるからこそ浸透率がまた疎らで通しにくい。だからこそ、ただの拳じゃ君には勝てないだろう。)「耐えようが耐えられまいが、降参できる程度には加減してやるよ。あんまり何をしようとしてんのかはわかってねえけど、とりあえず喧嘩すりゃあいいんだもんな。」(最後にぴょんぴょんと垂直に軽く飛びながら両腕を勢いよく振り被り腕をそのまま振り下ろす。肩も肘もボゴンッと骨が音を鳴らす。)「そいじゃあ来いよ、『レッドスパイク』が相手だ。」   (7/26 15:00:03)


ミスター> 
「(振り子のように振られている腕は、完璧なタイミングで鋭く突き出される槍のような拳へと一瞬のうちで姿を変えた。)君の…(『真っ正面から』。ただでさえ常人の域を越えた拳を、鎖で包まれた豪腕の両腕を突き出し、待ち構える。)想像以上にボクは、『器用』だよゥ。(そして待ち構えた先で受けた全身の鎖は、『展開した』。ドーム状に、展開したのだ。展開した鎖は弧状となり、開いた方向に衝撃を逃す。それだけでなく、鎖に変わった地面までもが打ち上がった。そう、全力で威力を逃したのだ。…それを利用すれば、伝わる威力もかなり軽減することができるだろう。)でもやっぱり…(そして、展開した鎖がまた鎧と豪腕へと戻ったとき、受けた両腕を下ろした。)凄まじい、威力だねえェ。(両腕が痺れたからだ。一瞬だけだが、全く言うことを聞かなくなったから。下ろしたのではなく、『下ろされた』のだ。)さすがは『レッド』…だねえェ。(だがこちらとて、けれどボクも、見直して貰わなくちゃあねえェ。(無抵抗で受け続けるわけにはいかない。)」「もう既に、『仕込み』は終わっているよゥ。」「今日は短いから致命傷にはならないだろゥけど、(鎖の海になった地面から、君の向かって飛び出した鎖がキャンプ用の刃渡りが短いナイフへと変化する。)受けすぎると勝負はしづらいだろうねえェ。(1本だけではない。次々と、4本のナイフが君の足元や胴あたりに飛びかかり、)本題は殴ることだけど。(地面の鎖をトランポリンのように、彼自身も拳を振り上げ君へと飛びかかった。)」   (7/26 15:45:55)


秋守 真紅郎> 
「おっけえい、なら…ッ!」(とりあえず素手での攻撃に耐えられることは理解した。次のステップだ、身体へと飛んできたナイフは目にも留めずに彼が背負った柱時計はテクスチャバグの様に分解されそして彼の身体に纏わりついて、グラットシエルの鎧となる。ナイフが来ようが来まいが素手での攻撃を受け止めた君を見て更にギアを上げるつもりでは居たのだ。もはや小賢しい飛び道具なんて眼中にない。この鎧はライセンス3つ分あってやっと衝撃が伝わる程度の性能、もはや付け焼刃のジャブ程度のナイフでは意味を為さない。)「そいつは…あまりお勧めしないぜ、ホワイト。」(ぐっと地面を踏みしめては出来る限り威力を加減してその構えた拳を君の身体に向けて放つだろう。脱力したままの腕を投げ出す様に、身体の重さを拳に乗せる様にだらんと垂らした腕をズンと君の身体へと打ち抜こうとする。君はきっと武道を知らない、そして武道や武術の元となった戦乱を知らない、だからこそ、鎧や衝撃の通し方を君は知らないのだろう。)(本来鎧とは重量と堅牢性によって衝撃を地面に逃がす事で着用者へのダメージを軽減する物だ。いくら君が身にまとった鎧が鎖だろうと、空中に跳んでしまった君の身体が、そして身にまとった鎧が、その衝撃を逃がす事は出来ない。本来ならば本来の鎧の効果すら度外視して威力を通すAP弾に着想を得たこの武術の技法、空中に居る君にはもはや致命的な程の効果を齎すはずだ。拳×20の威力を贅沢に使う。何せこの拳の打ち方は方々の武術から技術を吸収し編み出された拳、)「アーマーピアシングぅぅ………」(その名も、)パ ァ ア ァ ア ァ ァ ァ ア ァ ァ ア ァ ア ァ ア ァ ア ア ァ ア ァ ァ ア ア ア ン チ ッ ッ ッ ! ! ! 」( 炬 火 流 【 鎧 透 し 】 )   (7/26 16:10:28)


ミスター> 
「(戦闘の経験は、無いに等しい。)」「ロンドンッ(武道を習うような金もなければ、独学でやるにも怪我が酷すぎた。『ヒーロー』になるしかない。その環境になってやっと、戦うことを知ったのだ。だから、君の攻撃は威力を逃す暇もなく、今度こそ真っ正面から全うに受けた威力で、転がっていく。)ッッァあァッ…!(ロンドンレインは、威力を空中に解放しきらなかった。軽減できたのは拳×10、分ほどだ。)ふ、ゥゥゥッ…『レッド』…さすがだねえェ。極めている…(君の加減のおかげだろう。致命傷ではないが、その満ち満ちた威力は十分に把握できた。少なくとも、常人が簡単に立っていられる威力ではなかったのは間違いないだろう。)飛ぶと、受ける威力が、違うねえェ…(感覚は鋭く、そんな威力の認識をした。感覚は痛みをも鋭く感じるもので、地獄のようなそれを、根性でどうにか保っているのだ。)」「(今度は豪腕に、それも右半身だけにすべての鎖をコンパクトに集約させる。ぎち、と、筋肉が悲鳴を上げる音がした。)うん。そうだねえェ、君はこんなことじゃあァ、止まらないかあァ…(いずれにせよ、おそらくこちらがまともに食らって意識を保っていられるのはあと一撃くらいだろう。)けれどボクも、このまま倒れるわけにはいかないからねえェ…(土の塊である鎖の、その重い腕を操って、)同じ過ちはしないよゥ…それに、ボクの仕込みは1つだけじゃあァない。今も、1つ新しい仕込みができたところだしねえェ。」「ビックリさせてあげるよゥ。(振りかぶりながら、)『さようなら』。そして…(彼は『地面を潜った』。彼の『ぐるりと歩いた』あとでもう既に鎖になっていた鎖の海を、泳いでいるのだ。)『ごきげんよう』。(一瞬の静寂の中、素早く現れた正面から拳を振り下ろした。)」   (7/26 17:03:43)


秋守 真紅郎> 
「おいおい!?そんな事まで出来んのかよ…っ!?」(彼は視界から姿を消したミスターの姿を探し辺りを見回すだろう。その技術を魅せられて初めて気付く。そうか、なるほど、地面も壁も全てを鎖に変貌させて自在に操れるというだけでそれは“あらゆる物を自在に操れる”のとほぼ同義だ。応用性も汎用性も広いに決まっている。もはや何処に行ったか分からない君からの奇襲を警戒しながらグッと拳を握り締め、唱える。)「けど、…的が地面に隠れたならッ!地面ごと抉ってやりゃァアアアいいんだろうがぁッッ!!! フランジブルッッ!!!!! パ ァ ア ァ ア ァ ア ァ ア ァ ア ア ン_____________________」 (その時だった。) 「__________っぢッッ!?!?!?」 (彼の腹部に巨大な拳が、否、右腕がめり込む。彼はずざっと後退りながら瞬時に状況を理解した。確かに自分は拳を振り抜いた、空を切る様に振った拳は大海原の様な鎖の地を風圧だけで吹き飛ばすはずだったのだ。しかし、そうはならなかった。その要因、それこそがダイヤモンズ・インテンスの真髄、硬化である。ギッチリと固まった鎖たちは風圧程度では吹き飛ばされる事は無かった。地面から飛び出た君に偶然拳が当たれば大惨事は免れなかったが少なくともそれなら彼は君の攻撃を受ける事は無かっただろう。君の戦略と運にこの一手は負けたのだ。)「ッッッッ!!!!」(力の差は大きかった。身体に負荷を掛けるほどの無茶な使い方をしたダイヤモンズインテンスで構築された腕はクリミネルの鎧をギシリと軋ませて内部にまでその威力を通す。)「げぁ…ッ、フ、ルぅぅぅぅ……___________________」(だが、十分だ。拳を構えていた彼の胸部に君の拳が入る筈も無い。だから今はこれで良い、上出来だ。)「メタルぅぅぅぅぅぅううう……ッ!」(腹部に食らった拳の衝撃に一歩後ろへと後退ってしまったその足に重心を乗せて、それから、)「ジャケットォオォオォォオオオオッッッ!!!!!!!!」(グッと踏み込むように重心を前に傾け、君から喰らった攻撃の衝撃を絶えた後ろ足の反動を使い、身体全体を使いながらその拳を放つ。身体能力は単純に人間の2倍、さらにその拳はプロの128倍、戦闘ライセンス:拳×640、もはや人智を超えカミサマすら超越した全生物随一のアッパーカット。足元に再度潜ろうものなら相対速度を以てして君の顎にその拳が突き刺さるだろう。さもなくば人智を超えたその拳の速度を超えて君は左右のどちらかに身体を振るか上昇する必要がある。…最も、急激な移動による遠心力で君の身体が壊れなければ、の話だ。) 「 パ ァ ア ァ ア ァ ァ ァ ア ァ ァ ア ァ ア ァ ア ァ ア ア ァ ア ァ ァ ア ア ア ン チ ッ ッ ッ ッ ッ ッ ッ ッ ッ ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! 」   (7/30 01:48:11)


ホワイトベスト> 
「『ロンドンレイン』ッッッ!!!」
「(足の踏み込み。鎖は波のように、浸かる彼の『感覚』に訴えかけるだろう。そして彼は、二度と同じ過ちを繰り返さない。)…このままでやられる、ワケにはァ…(だが、君の拳を、全てを貫く君の拳を受けきることはできない。)いかなくて、ねえェ…(だからこそ逆に。どうせ食らうのならばと。…爆裂するような君の拳を、彼はもろに『食らいにいった』。『沈んだ』のだ。)かふ、ふ…『末恐ろしい』ィ、(彼はそして、白目を向きながら、鎖を土に返して膝を落とす。そう。全ての衝撃を受けて彼は、笑いながら。原型を留め、死んでいない。君の全力を受けて、だ。)…『紳士的』、だろゥ…?(意識も保っている。…すぐに尽きてしまう儚い灯火ではあるが。もう既に、目の焦点は合っていない。)…ボクの負け、だ。(次に、肘を突いた。根性だけで今、砕けた顎から血を流しながら彼の意識は形を残しているのだ。)けれど、ボクは…『ホワイト』、…『ベスト』として…(だがそんな根性も、突貫工事に代わりはなかった。肘膝すら崩れ、力を失った腕と脚に押され胸から地に落ちた。)」「『認められるに』、足る…だ………(ついに意識も落ちきって、足るだろう?と聞く前に、合わない焦点が白目を剥いた。)…(さて、種明かしだ。ロンドンレインは、衝撃を特定の方向に『流す』能力だ。受けた衝撃をそのまま相手に返す、なんてこともできる。)ゥ…(彼の執念はすさまじい。君は、君の着た鋼の鎧に、嫌な音を感じるだろう。)い、ィ…(そう。最後のなけなしの容量で彼は、君の『グラットシエル』の拳に、そっくりそのままとは行かずとも受けた肉体から1/13程度の威力を君の拳に流したのだ。ぶつかり合う威力で君の鎧は砕け、彼の体はどうにか原型を保った。そういうトリックであった。…そして寝ぼけたように呻いている彼は、未だに、笑顔だった。)」   (7/30 02:25:41)


秋守 真紅郎> 
「おいおい!?そんな事まで出来んのかよ…っ!?」(彼は視界から姿を消したミスターの姿を探し辺りを見回すだろう。その技術を魅せられて初めて気付く。そうか、なるほど、地面も壁も全てを鎖に変貌させて自在に操れるというだけでそれは“あらゆる物を自在に操れる”のとほぼ同義だ。応用性も汎用性も広いに決まっている。もはや何処に行ったか分からない君からの奇襲を警戒しながらグッと拳を握り締め、唱える。)「けど、…的が地面に隠れたならッ!地面ごと抉ってやりゃァアアアいいんだろうがぁッッ!!! フランジブルッッ!!!!! パ ァ ア ァ ア ァ ア ァ ア ァ ア ア ン_____________________」(その時だった。) 「__________っぢッッ!?!?!?」 (彼の腹部に巨大な拳が、否、右腕がめり込む。彼はずざっと後退りながら瞬時に状況を理解した。確かに自分は拳を振り抜いた、空を切る様に振った拳は大海原の様な鎖の地を風圧だけで吹き飛ばすはずだったのだ。しかし、そうはならなかった。その要因、それこそがダイヤモンズ・インテンスの真髄、硬化である。ギッチリと固まった鎖たちは風圧程度では吹き飛ばされる事は無かった。地面から飛び出た君に偶然拳が当たれば大惨事は免れなかったが少なくともそれなら彼は君の攻撃を受ける事は無かっただろう。君の戦略と運にこの一手は負けたのだ。)「ッッッッ!!!!」(力の差は大きかった。身体に負荷を掛けるほどの無茶な使い方をしたダイヤモンズインテンスで構築された腕はクリミネルの鎧をギシリと軋ませて内部にまでその威力を通す。)「げぁ…ッ、フ、ルぅぅぅぅ……___________________」(だが、十分だ。拳を構えていた彼の胸部に君の拳が入る筈も無い。だから今はこれで良い、上出来だ。)「メタルぅぅぅぅぅぅううう……ッ!」(腹部に食らった拳の衝撃に一歩後ろへと後退ってしまったその足に重心を乗せて、それから、)「ジャケットォオォオォォオオオオッッッ!!!!!!!!」(グッと踏み込むように重心を前に傾け、君から喰らった攻撃の衝撃を絶えた後ろ足の反動を使い、身体全体を使いながらその拳を放つ。身体能力は単純に人間の2倍、さらにその拳はプロの128倍、戦闘ライセンス:拳×640、もはや人智を超えカミサマすら超越した全生物随一のアッパーカット。足元に再度潜ろうものなら相対速度を以てして君の顎にその拳が突き刺さるだろう。さもなくば人智を超えたその拳の速度を超えて君は左右のどちらかに身体を振るか上昇する必要がある。…最も、急激な移動による遠心力で君の身体が壊れなければ、の話だ。) 「 パ ァ ア ァ ア ァ ァ ァ ア ァ ァ ア ァ ア ァ ア ァ ア ア ァ ア ァ ァ ア ア ア ン チ ッ ッ ッ ッ ッ ッ ッ ッ ッ ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! 」   (7/30 01:48:11)


ホワイトベスト> 
「『ロンドンレイン』ッッッ!!!」「(足の踏み込み。鎖は波のように、浸かる彼の『感覚』に訴えかけるだろう。そして彼は、二度と同じ過ちを繰り返さない。)…このままでやられる、ワケにはァ…(だが、君の拳を、全てを貫く君の拳を受けきることはできない。)いかなくて、ねえェ…(だからこそ逆に。どうせ食らうのならばと。…爆裂するような君の拳を、彼はもろに『食らいにいった』。『沈んだ』のだ。)かふ、ふ…『末恐ろしい』ィ、(彼はそして、白目を向きながら、鎖を土に返して膝を落とす。そう。全ての衝撃を受けて彼は、笑いながら。原型を留め、死んでいない。君の全力を受けて、だ。)…『紳士的』、だろゥ…?(意識も保っている。…すぐに尽きてしまう儚い灯火ではあるが。もう既に、目の焦点は合っていない。)…ボクの負け、だ。(次に、肘を突いた。根性だけで今、砕けた顎から血を流しながら彼の意識は形を残しているのだ。)けれど、ボクは…『ホワイト』、…『ベスト』として…(だがそんな根性も、突貫工事に代わりはなかった。肘膝すら崩れ、力を失った腕と脚に押され胸から地に落ちた。)」「『認められるに』、足る…だ………(ついに意識も落ちきって、足るだろう?と聞く前に、合わない焦点が白目を剥いた。)…(さて、種明かしだ。ロンドンレインは、衝撃を特定の方向に『流す』能力だ。受けた衝撃をそのまま相手に返す、なんてこともできる。)ゥ…(彼の執念はすさまじい。君は、君の着た鋼の鎧に、嫌な音を感じるだろう。)い、ィ…(そう。最後のなけなしの容量で彼は、君の『グラットシエル』の拳に、そっくりそのままとは行かずとも受けた肉体から1/13程度の威力を君の拳に流したのだ。ぶつかり合う威力で君の鎧は砕け、彼の体はどうにか原型を保った。そういうトリックであった。…そして寝ぼけたように呻いている彼は、未だに、笑顔だった。)」   (7/30 02:25:41)

ラブリー> 
(──ジャンジャカジャカジャカ…♪)(跳ねるのは赤いスニーカー。)(トタン、タン、タタン、トン。)(なびくのは癖のあるピンクの髪。)(ガラガラ、カラン。)(香るのは派手ながらうるさくない、日常をいろどる〝ハッピー〟。)(カチ、キュルルルルル……。ゴトン。)(覗く瞳は青空の広がる小麦畑を切り取ったような澄んだ瞳。)(ガタ、カラカラ、ガタ。)(顔は整い、ただ愛らしいだけではない。)(キューーーッウ、クルン。)(────愛嬌ある曲調の始まり。)(終わりのない繰り返し。)(装着されたヘッドホンからはその周囲に何が聞こえているのか簡単に伝わってしまうほどの音量で、繰り返し、繰り返し、音楽が続く。)「─────♪︎」(長いまつ毛に、綺麗な瞳を瞼で閉じて、ご機嫌に鼻歌を歌うさ。)(軽快なステップで廊下をのんびり歩くだろうさ。)(廊下の曲がり角で、君みたいな包帯ぐるぐる巻きの不審者に出会ったって。)「こんにちわっ!今日はいい天気だね。」(満面の笑顔で『はじめまして』。)(だって、僕は〝ラブリー〟だもの。)(─────ぴこん。)(対人関係も、単なる会話も、『ゲーム』として取り扱ってしまう彼の脳内にはひとつのメッセージウィンドウと、選択肢が与えられる。)

会話 を 続ける 話題 を ふる アイテム 逃げる

▶会話を続ける

(君との身長差は約13センチ。)(当然君を見上げる形で君の瞳を覗くラブリーの瞳はハートの煌めきが宿っている。)「はじめましてだよね?僕はラブリー!よろしくね!」(ぱ、っと開いた両手で君の両手を包んでは、警戒心すら感じない無垢な笑顔が君に向けられる。)「僕編入生だから、まだここの生徒とか学校内の設備とか大まかにしか分かってないからさ、教えてくれたら助かるかも!」(【心理学】、【トーク力】。)(+【聞き耳】)(君とは初対面だ。…だから、《小鳥遊嘘鳥》は可能な限り君を覗き込む。)「あ、そうだ!ねぇ君、甘いものって得意?丁度これからゲームしようと思ってて、お菓子たくさん買ってきてたんだっ!良かったら、一緒に食べない?というか、君も一緒にゲームする?何台も持ってるから君にも貸せるよ。あのね、新作の『タクトの冒険』ってやつ、一度やって見たんだけど、誰かに布教したいくらい良作だったんだよ!そういえば君の名前は?」(グイグイ続くのはやれお菓子だの、ゲームだの。しかし、彼の笑顔にはどうやら普通の男子では見られないような愛らしさが詰められていて、きらきらとしている。)   (7/13 17:54:18)


ジェントル> 
「(彼は。)ああァ。(狂っていた。)いけない。『紳士的でない』…ごめんなさい、ごめんなさい…(まるで何かに追い詰められたように、うわ言を吐くように、君の言葉の一切合切より先に。笑顔のままで、暗い瞳で、冷や汗をかきながら、何かを謝った。)ごめんなさい。(紳士的でない。人にぶつかってしまうなど、あまりにも無礼だ。しかも友達でも知り合いでもなく。紳士であることに追われ、傷つくことを恐れ、誰にもともなく謝った。君は彼の心根を読むことがその一瞬、できないだろう。ひどく激しい感情だ。『いたいのはもう嫌だ』と悲痛に叫ぶ声と、『紳士的でなければいけない』と歪んだ意思を抱く声だ。)…はじめまして、ごきげんようゥ…(だがその暗雲は、間を置かずすぐに晴れた。彼の顔も、先程までかいていた冷や汗はもう跡形もない。)ボクはジェントル。よろしくねえェ。(目も、多くを語る。饒舌に不安定に、今の表情を正直に伝えて、笑顔だけは変わらない。彼は不気味な男だった。)」「(けれど正直で、そしてどこか幼稚なように見えるのも間違いないだろう。君に話しかけられて、その変わりのない笑顔は、それでも少しばかり口角をあげる。それは仮面になりきれてはいないのだ。)ミス…ああァ、いや。『ミスターラブリー』。(彼は不気味な男である。だがあくまで、人間的である。)ああァ…いけない、ごめんなさい…(不安定で狂っている。だがそれ以上はなく、ただ子供のような人間だ。君の耳には、そう思えるだろう。)ボクも最近、ここに来たんだあァ…ああァでも、家庭科室のことはよおォく知ってるよゥ。『ママ』を思い出せるからねえェ…(そしてママという存在は、彼を支えるものであり、)でも、驚いたなあァ。初めてなんだあァ…ボク、『やっちゃいけない』から、ねえェ…嬉しいなあァ。(彼を『こう』した張本人の1人でも、ある。)でも、ボクは…(頭を少し、抱えて。)一緒にゲーム。してもいいかなあァ?(だが彼は、内緒で、『してはいけない』を破ろうとした。)ボクの『はじめての友達』が、難しく考えなくてもいィ…って、言ってたからねえェ。(やりたい。けれど、『紳士的でなければならない』。頭が割れそうになっていた。)」「…遊びたい。なあァ。(けれどその、『友達』が言ったから。割れる前に、難しくなってしまう前に彼は、『やりたい』と。そう結論を出した。)」   (7/13 18:48:01)


ラブリー> 
「?…よく分からないけど、謝らなくても大丈夫だよ。ほら、僕、派手に転んだりしてないでしょ?」(君の謝罪の意図なんて、彼に汲み取る意思はない。)(ぽん、と胸板を叩いて、片腕を大きく広げてみせるのは怪我も何も無いという、大きなアピールだろう。)(事実、僅かな技量だとしても彼は【格闘術】の才を持つ。ちょっとやそっと程度で体格を崩すような、そこまで女々しい体でもない。)(そうさ。君に差し伸べる角張った手も、首の隙間から覗く喉仏も、当たった時に感じた筋肉の硬さも、体格の良さも、鮮明に彼が男だと訴えている。)(ラブリーは、単純に、愛らしさの具現化である。)(君に例えその先の信頼がなくても、産まれなくても、関係なく、ただ君の声を聞き、君のそばに居る。)(だが、その心の内側には入り込みもしないし、自分の方へ引き寄せようともしない。)(彼は知っているから。)「《ラブリー》でいいよ、ジェン君。」(───────所詮、人の信頼も、好意も、その人の勝手な他人への期待だ。)「許可なんていらないよ。」(それでも確かに、ラブリーは君への『ハッピー』だとも。)(角張った手の感触と、袖口のハート。)「君がやりたいと思うべきものをやればいいよ。」(君へと贈る、最大限の『ラッキー』だとも。)(ハートの色合いに跳ねる髪と、声変わりの終わった男子の声。)「やっちゃいけない、なんてことはないさ。」(《ラブリー》は、貴方の。)「君の人生におけるハッピーを、僕も一緒に増やしていきたいな。」(──────────▇▇▇▇だから。)(にひ、っと屈託もなく笑う。)「じゃあ、ジェン君の初ゲーム、一緒に楽しもうね!」(おー!なんて言いたげにその腕をあげれば、彼はスキップのように軽い足取りで近くのベンチかなにかでも探して、なければ地面にでも座って鞄を開くだろう。)(存外鞄の中身は綺麗に整頓されていてはいたが、大量のカセットやらゲーム機種やらがこれでもかと詰められているのは、むしろまともに授業を受ける気があるのかと叱りを受けそうな程だろう。)(授業を受ける気はある。ただし、ゲーム愛と授業を受ける気力とはまた別の話である。)「ねぇ、ジェン君って何が好きそう?育成にRPGに、後対戦シューテング、他にはね〜………………って、言ってもわかんないかな。」(貴方は初めて『ゲーム』をするんだろう?なら、種別を言ったってきっとパッとはしないはずだ。)(彼はもっともっと鞄を探ると、ゲームカセットを並べて、携帯端末もいくつか取り出した。)「えっとね、俺的にオススメなのがこのゲーム。操作がシンプルだし、内容も初心者にわかりやすく作られてて楽しい。でも単調作業だから、飽きやすい。」「こっちは、演出とかストーリーの内容とかも派手で、フレンドとチームを組んで戦えたりするんだけど、操作がコマンド入りょ……んと、ボタンを順番通りに押したりとか、覚えることがいっぱいあって、慣れてないと難しい。」「これは操作も簡単で、グラフィックも凄いし、キャラクターも可愛いんだけど、マルチ非対称…あ、ゲームの中で一緒に遊べたりとかはしないタイプのやつね。」(君にもわかるよう噛み砕いて伝えようと必死になるラブリーの言い方には、やはり特有のゲーム愛が感じられる。)(正直もっと語りたい話はあるが、今は君が何で遊ぶかであり、ゲームの話ではない。)「そうだ、ジェン君。甘いものって平気?今日持ってきたお菓子甘いものしかなくて。」(そういって彼がポケットに手を突っ込めばあらら…ぼろぼろと無限湧きのように溢れ出るキャンディーやらクッキーやら、ドーナツまである。)(虹色キャンディーに、くまさんのクッキー、ふわふわなドーナツや、シンプルな包装に入った〝メレンゲクッキー〟。)   (7/13 19:37:42)


ジェントル> 
「(いろいろと思案して、伝えようとしてくれている。『ラブリー』と、そう呼ぶことを許してくれている。彼は時に恐れて踏み込めず、しかし時に勇気を出して早とちる、器用なのにそういう不器用な人間だ。だから君のように、)『ラブリー』。…ボクと君は…(早とちってでも踏み込まなければならない、と、今君にはそう強い意志を持っていない。彼は元来友達でいいのだろうかと問うてみなければそう主張することもままならない人間だ。恐れて、彼はうつむいた。)…『ラブリーくん』。(言い淀んで、淀んだまま、彼は言葉を沈める。うつむいた頭がまた上がるまではそう早くなく、彼の感情がどう渦巻くか。渦の中に埋もれた言葉が、新しく生まれる波が、それを表す。激しい、渦だ。)本当に、好きなんだねえェ。とっても楽しそう。(けれどその中で、君の語ってくれた愛を掴んだ。)…ボク。…その…一緒に、やりたい、なあァ。(君と仲良くしたいから、差し出された手には、掴んだものには、渦を止めてどうにか淀まないよう引っ張ってみよう。)」「…その、ボクが、友達でいいなら。(引っ張った先に、先程言えなかった言葉も見つけることが出来た。弱る前にもう言ってしまって、心臓は体中に激しく血を送る。…彼は君より背が高いが、君よりずっと、まだ子供のようだった。)フレンドと…(どうやら何か勘違いもしているようだけれど、まだどくどくとする心臓を感じながらも、抑えることはできない。むしろ先程の発言をはぐらかすかのように、)甘いのも好きだよゥ。(いつもよりはっきりと、目を見て、しかし笑顔は崩さずに。)頂こうかなあァ。(君がポケットから取り出した大量のお菓子から1つを選ぼう。クッキーが好きで、動物やキャラクターの形をしたものが食べられないので、その中から選ぶのならば…と、『メレンゲクッキー』を、口の中に放り込んだ。)…ァ…?(1枚目。30秒の昏睡。)」「(…実のところ、母親がもう戻ってこないことは、ほとんど悟っていた。あの母親は、望と名を呼ぶ母親は、心の底がもう死んだのだと、もう悟っていた。言うなればそれは、)『…ママ?』(彼女は記憶喪失だ。戻ってくる可能性ももうかなり低い。)『 ?』(望と、そう呼んだのだろうか。もう何も聞こえなかった。)ママ!母さん、僕は…(笑顔なんてもう無かった。…突然、眠る彼から笑顔が無くなるのを、見ることができるだろう。『ラブリー』、そう、君もだ。)『    。』(けれど彼女は、目を合わせようとしなかった。そこから、彼女の希望へと、歩みを進めることはなかった。)どうしてそんなこと、僕はこんなに母さんに会いたいって思っていたのに。(駆け寄れど駆け寄れど、白い花畑は、霧のように消えていって、ついには。)ずっといたいよ。ママと。(目が覚めた彼の、様子がおかしいことに君は…『ラブリー』は、気づくだろうか。)僕はいいこに、してたのに…(少しだけ、ただ涙ぐむ表情を見せていたけれど。)ああまだ、まだボクはジェントルでないといけないの?ママ。(笑顔に戻るまでは早く。)…」「ゲーム、しようよゥ。(彼は実に、紳士的であった。)」   (7/16 16:06:16)


ラブリー> 
「君とは友達だと思っているよ。」(『ボクが、友達でいいなら。』)(その言葉の真意をラブリーが理解していたのか、それとも、単に理解しないままなのか。)(無知なのか、悟っているのか。それすらその厚皮の下に覆い隠した男は笑顔で。)(〝ラブリー〟に、続くだろう。)「誰を友人にしたいとか、仲良くしたいとか、本人が決めることであって、それは、他人に許可を貰うべきものじゃないと思うんだ。」(キラキラ笑顔の男は続ける。)(ジャカジャカと、騒音のようになり続けるヘッドホンから溢れる音。)(座り込んで曲がったひざと、膝を抱えるよう組まれた両手。)(袖から僅かに覗く指先は実に、〝ラブリー〟だとも。)「君は、俺と友達になるの────嫌?」(首を傾げながら、君の瞳を覗き込む。)(僕がどうか、ではない。君がどうしたいか、ではないのか。)(君は友達が嫌いかどうか。)(ラブリーが聞きたいのはそれだけだとも。)(あまいもの、すきだよ。)(その言葉に安心した。)(君がメレンゲクッキーを口にすると同時あたりか、自分もお菓子の中から適当に選んだドーナツを口に頬張った。)(君と一緒に、できるゲームを選びながら。)『───────ァ…?』「……?」(一口目を飲み込み、二口目──────と、口を開きかけたところで、君が小さく声をあげた。)(【聞き耳】)(逃さなかった。)(君が気を失うようにして意識を夢の中へと向かわせたことに、多少の同様と焦りを覚えて君の方をゆさぶった。)「ジェン君…!?」(なんだ?何が起きた?何かの影響か?)(落ち着け、彼は直前まで何をしてた?)(甘いものが好きだからといって、〝メレンゲクッキー〟を口にしただけだろうに。)(───────それだ。)(多分、何かしらの『カミサマ』の影響なのだろう、軽く目を通した程度に過ぎないが、食べることで発動するカミサマはいくつか居た。)(学校側に報告するべきか、それとも無理に吐かせるか行動に躊躇っていれば、君は自然と目を覚ました。)「っ…よかった、ジェンく─────」『僕はいいこに、してたのに…。』(君の言葉に、笑顔が引き攣った。)(…君が、落ちた夢の中で何を見ていたのかは、理解できない。見れないし。)(それでも、君をこんな顔にする何かが、きっと、あったんだろう。)『ゲーム、しようよゥ。』「あッ…うん、そうだね!しよう、しよう…。」(君がそれを気にするなと言うのなら、彼はその表情をぱっと変えて、ゲームの方へと戻るだろう。)(君に合いそうなゲームを見つけて、君に端末を渡せば、電源を入れて『ゲーム開始』である。)(選んだものは、単純な脱出ゲームで、二人協力しながら外を目指すというものである。)(暫く、感度設定や明るさの調整を入れていたラブリーだが、やはり先程の件があり、それが気になるのか、チラチラと君を見ていた。)「…あのね、ジェン君。」(それを、流石に鬱陶しいと思われてもあれだと思ったか、彼はゲームを始めると同時に君に声をかけた。)「子供の人生は親のものではないと思うんだ。…その、」(続く言葉は口篭る。浮かない微妙な笑顔だけがその口元の端に浮かぶ。)(これを言って君が逆上したら?君を傷付けたら?)(最も嫌なのは、『君に近付かれたら?』)(そんなことばかりが浮かんで、喉に張り付く言葉が鉛のように思えてくる。)(打ち出す火薬もないような、重たい鉛の玉。打てば君は、どう出るか。)(…でも、ラブリーはいつだって。)[[ 君 の 味 方 だ よ ▽ ]](……だから。)「そうしないといけない、んじゃなくて。ほら、友達の時も言ったけど…〝君がどうしたいか〟なんだよ。」(ふにゃ、と笑ってみる。それで君の気分が優れるか、悪くなるかなんて、彼には分からない。)「いい子にしてたって、傷つけてくる奴は居るし、言いつけを守ってたって、怒ってくる親はいる。」(…俺の母さんはそうじゃなかったけど。)(─────幸せな家族だったけど、〝環境〟には、恵まれなくて。)「…だからさ、ジェン君。」(小麦畑の広がる青空。)(君を見つめる瞳の色あい。)(上目遣いはなんとも、〝ラブリー〟に。)「…君がそうしたいならそれでいいと、僕は思うよ。」   (7/16 16:55:16)


ジェントル> 
「『キャンディタフト』…(彼は真面目だ。既存するカミサマの起こす現象と、その名称くらいは、それなりに覚えている。)ボクは…(ママの唯一の希望になるために。不条理の中の、ただ1つの英雄になるために。)あァ。(彼女の心はもう死んでしまったのだと、諦めなければ『ならない』。もう自分は、彼女の希望ではないことを、知らなければ『ならない』。)…『ラブリー』。(結局彼は許可を得てやっと君をラブリーと呼べるのだ。君の許可を足掛かりにしてやっと、けれどなんとも容易く君を呼んだのだ。)…ボクは君と友達になりたい。(縛りを、この鎖を断ち切ることはできない。彼は一途を愛している。その意志が、揺るぐことなど許されない。)でも…ダメだダメなんだ、やっぱり。(彼の笑顔が、不安定で、手元で隠されている。)ゲームは…やっぱり今はできない。ごめんねえェ…(そんなことが人前で許されていいはずがない。)『しちゃいけない』んだ。ママは『来ないで』って言った。ボクは、ジェントルじゃないといけない。ジェントルは孤独で、笑顔で、誰かに優しくあれる、そうじゃないと『いけない』んだ。(誰かが自分を傷つけることを、許してはならない。だから、笑顔だ。)」「ごめん。(ゆらりと、立ち上がって君の部屋から出ていこうとする。)ごめんねえェ…(あの母親は、望と名を呼ぶ母親は、心の底がもう死んだのだと、もう悟っていた。言うなればそれは『死別』である。彼は、亡霊に縛られていた。)」   (7/16 17:40:15)


ラブリー> 
(君はきっと、次の言葉を待っている。あるいはそれは永遠に来なければいいと、願ってもいるんだろう。)(君とは正直、〝性格が合わない〟ようで、彼の顔には薄情な微笑みだけが映る。)(薄ら寒い空気が流れて、彼の音漏れするヘッドホンだけが、それを振動させていた。)「僕は、『君がそうしたいならそれでいい』と言った。最初の方に、『謝らなくていい』ともね。」(メニュー画面を開いたまま止まった画面。[戻る]を押されない限り、再開されない世界。)(人生にコンティニューがあれば良かった。)(時間にリセットが効けばよかった。)(ゲームのように簡単では無いのが世界だとも。)「でもさぁ。」(でもね。)「…それって、〝ハッピー〟なのかなぁ…。」(1度いったことは、そう簡単には取り消せない。だからこそ『言葉の重み』というものが存在する世界だとも。)(失ったものは回帰しないからこそ、『命の重み』がある世界だから。)「それが君の[▽選択肢]だとして、君はそれで、[HAPPY END]を迎えられるのかな。」(何も、役目に縛られることが悪い話じゃないさ。『君が一途を愛する』のなら、きっと彼だってそうする。)(〝現にそうだ〟。)(彼はゆっくり立ち上がる。)(君を引き止める気がある訳でもないし、君の意識を、変える手立てがある訳じゃない。)(それでも。)(ただ一つ。)  「《俺》は、今の君とは、〝友達になれない〟よ。」   (7/16 18:25:43)

ジェントル> 
「…痛むなあァ…(全身の骨がきしんだ。最近は無理を通しすぎている。まともに受ければ簡単に死んでしまうような威力をロンドンレインで、そのまま相手の向きに弾き返す。それで相手にダメージを与えつつこちらへ来る威力を軽減する算段だ。)防御に使うにはあァ…無茶が過ぎたかァ…(しかしダメージを与えない程度にと調整すれば、こちらへの不可が大きい。壊れかけの体を動かすのは、狂気にも思える根性と唯一思い通りに動くダイヤモンズインテンスの鎖のみ。)おっと。やァ、待っていたよゥ…『ミスター・アケボシ』…(ことと、と、立て付けのいい引戸が開く音がする。それは君が訓練室のドアを開く音だ、明星 夜空。)ボクはあまり鍛えない。というより…エネルギーが、足りていなくてねェ…(放課後すぐ。君は包帯の男が歩み寄ってくるその様相を、扉を開いた先で目にすることを強いられるだろう。)だからなかなか、ここへ来ることなんてないんだァ…(下から覗き込むような目線で、片目のにやけ面は君を見る。)全てはキミと…キミたちと友達になるためさ、ブルー…(じゃらり。彼が歩いた場所、壁や天井の一部。鎖の音は至るところから鳴り響いた。)『ホワイト・ベスト』。」「ボクはホワイト…ボクも、知っているけれど。ホワイトは、存在はしないけれどねえェ…(君は、その名をどうでもいいと切り捨てるだろうか。呆れ果てるだろうか。)でもそれこそが、ボクが君たちに問いたい友達の形なのさァ…(あるいは、その響きを侮辱されたと怒りを覚えるだろうか。)レッド、イエロー、ブルー。それに…ピンク。(淡く儚い、夢のようなピンク色の、その形見である、響きを。)ボクはその一面を見る、『キース』と。『シンクロウ』と。…それと…『アケボシ』くんと。…『キヅル』さんと。友達である、『ホワイト』で…『望』で、いたいのさァ。(雨降る傘に、黝い液体を滴らせるシルクハット。ロンドンの雨は、その内に降っている。)君の感じたようなものは、ボクにはないさァ…でも。ボクは、キースとシンクロウを見た。…もう少し、深いところを知った。(シミにならない雨だが、今の身では骨身に沁みて、痛むものだ。)『友達の力』を…君に、示したいと思ってねェ。(痛みこそ友情。痛んでも、痛むからこそ、譲れないものがある。)」「だから決闘をしよう、アケボシくん。」「(彼の歩んできた道から、鎖はいくつも立ち上った。)全力で殴り合う。…今だけは、それが、君に向けるためのボクだ。(立ち上がる鎖はジェントルを縛り、強力に身体を守る鎧と身体の限界を跳ね上げる矛の二面へとなるだろう。)君ならここに来ると思っていた。(君を待っていた。できる策を積み込んで、君を。)『ボクたち』が負ければ…二度とキミと関わらないと約束しよう。君が負けても、何もない。ただそこに、君を納得させるだけの拳が叩きつけられているだけさ。(ナイフはどこにも、ありはしない。ホワイトベストである、『望』として戦うために。笑顔は、ただ今は君達に向けるために。)…さァ。受けるかィ?」   (8/27 21:12:44)


明星 夜空> 
(人が死んだ。)(ヒーローが、希望の星が、一つ二つと消えた。)(世界は、日常は、何もなかったように回る、回る。身動き出来ない重石はどぷんとその身を底に沈めて、何も知らない人々の流れに削られる。)(結局何も変わってなんていなかった、変われてないんていなかった。何も出来やしないのに手なんて伸ばして何になる、何度も繰り返した一人二役の問いかけの矛先は他者から自身へ。)(...奮い立たせる訳でもないそれは一歩、また一歩と彼の歩みの枷と化している。)(タイルをすり減らす音が地下に響く。壊れたレコードよりも歪なその音は、慣れもしなければ不快感しか与えない騒音だろう。ほぼほぼ固定化された利用者と固定化されたルーチーン、慣れか麻痺か幸か不幸か、そのどちらだとしてもそうした習慣があったからこそ、彼は生なりのバケモノとなった今でも此処に来ている。)『おっと。やァ、待っていたよゥ…「ミスター・アケボシ」…』「.................................ストーカーとシて訴えられテモ文句言えねぇンじャねえノかオ前。」(内にまで疑惑の目を向けられるほどの余裕は今の彼には無かった。ドアを小さく歪ませる金属音が空のはずの部屋に響く。)「.........友達ごっコをスる暇がアルと思ウか?友達ゴッこもヒーローごっこモ付キ合う気なんザねぇよ。」(歪な声の中に針を孕ませて投げつける。)『レッド、イエロー、ブルー。それに…ピンク。』「.................................................」『ボクはその一面を見る、「キース」と。「シンクロウ」と。…それと…「アケボシ」くんと。…「キヅル」さんと。友達である、「ホワイト」で…「望」で、いたいのさァ。』「................部外者ガ。テメェがヒナの何ヲ知るっテんダよ。」(知ったかぶりをするのもいい加減にしろ。死人が仲良しごっこで生き返る訳でもないのにそれに何の価値がある。何より愛した人の死を、何より自分が守りたかった者の喪失を、勝手にお涙頂戴のシリアスの一部に昇華されて苛立ちを覚えない訳がないだろう。言葉は歪なれど確かに会話をしているはずだが、彼は君に取り合おうとはしていない。君の言葉の一切を、受け入れようとはしていない。)『だから決闘をしよう、アケボシくん。『ボクたち』が負ければ…二度とキミと関わらないと約束しよう。君が負けても、何もない。ただそこに、君を納得させるだけの拳が叩きつけられているだけさ。…さァ。受けるかィ?』「___________________________________訓練してぇナラ大人シく一人でやっテくレ、それコそ “ オ友達 ” に付き合っテ貰ったラどうダ。......“ コンナコト ” に時間使ウよリ何倍もマシだろォ。」( ばきりと軋む音を響かせたドアから思わず手を放す。沸き立ったのは怒りではなく呆れと「こいつらと関わることで時間を無駄にしなくて良かった」という過去への答え合わせだ。お前のエゴに付き合う暇も時間も余裕もない。それは前も言ったはずだ。彼はうざったらしく顔を歪ませたまま扉を軋ませて後にしようとする。)(何より_____________)( …先の任務での惨劇を目の当たりにしたのはお前もだろう、それでもお前は_______お前らは何も変わらないって言うのか。)   (8/27 23:47:14)


ジェントル> 
「(目を見開いた。が、すぐに細めて君を見る。)…まさか断られるとは、意外だったねェ。(そしてまた、あの笑い顔へと戻った。指先は細長く鋭くなり、火傷や傷のあとがそのまま引き伸ばされているようなおぞましい角が、巻きづらそうに巻かれている包帯から飛びしていた。)まァ…もちろんボクはその人について、何も知らないとも。(しかし、彼の笑顔の形は変わっていない。向ける場所こそ君達にあるが、彼の彼らしさである笑顔は、変わらずにいた。)ボクが知っているのは、友達になりたい今の君達だけさァ…(君にやる気がなかろうと、君が変わらないことを恐れようと、彼はゆるりと君へ歩み寄ってくる。初めて出会った頃のように、彼は君に、君達に、『執着』する。)ケンカ…しなきゃァ分かり合えないことだってあるって事なんだねえェ。やっぱり。(コンクリや、ゴムの鎖は擦れ合う。絡み合う。)話し合いを落ち着いてできないのなら、熱く殴り合うまで。何よりこれは、君達には、『レッド』と『ブルー』には必要なことだと思ってねえェ…(そしてやがて、竜のように、彼の周囲の空を駆けた。)」「…伝えなければ何も伝わらないというのに。それでも拒絶するならァ…叩きつけるしかないねえェ。(君の心の中の問いに、彼は応えない。)逃げることはもう、ボクが許さないよゥ。(拒絶し続ける君に、逃げ続ける君に、揺るがない執着を向けているだけだ。)君は、向き合っていない。(ただ、君達と友達になるということ。きっとママも、安心させられる。そんな言い訳を思いながら、ただ、友達になりたいのだ。)それはボクの友達も、きっとそうだろうねえェ。ボクもきっとそうだ。見えない、見えないものだものねえェ。(罪悪感に、後ろ髪を引かれ続けている。ママを見捨てるわけではない、ただ、目の前のことだけ今は見ている。ジェントルは、これが終わったら、彼女に会いに行かねば『ならない』。そう感じていた。)1人で居続けて、何か結論は出たかィ?ちゃんと彼らと話し合ってみたかィ?(…だが今向けるべき執着は、見えているはずだ。)人は、たった一人では変われないものさァ。(ゆるりと。進める足は止まらない。)だからボクは君を。…君達を、『変えてみせる』。」「(雨降るシルクハットを、角を避け頭に被り、)付き合ってもらうよボクの『友達』。孤独を破るに。(軽く拳を、胸元に振り出した。)」   (8/31 19:27:32)


明星 夜空> 
『…まさか断られるとは、意外だったねェ。』(背中を押すというわりには執着の鎖は四肢に絡みつき、ふり解こうともその手を何度も伸ばしてくる。一方的なパターナリズム、行き過ぎたお節介という枠にはもう収まらないほどその行動は、彼にとって非生産的で、邪魔にしかならない障害物だと考えつける手を早めていた。)『…伝えなければ何も伝わらないというのに。それでも拒絶するならァ…叩きつけるしかないねえェ。』『1人で居続けて、何か結論は出たかィ?ちゃんと彼らと話し合ってみたかィ?』(貴方のその問いは)「__________________」(それは唯一)「.................サ っきか ラ もウ 何度も言ッテ るダろ、必要性ノ欠片 モないモン に割ク 時間なん ザねェんダ よ。」(貴方から投げかけられた言葉の中で、唯一、否定出来ない問題だった。鎧で覆われていない皮膚を貫かれたような、隙を突かれた痛みが突き刺さる。...答えに記されたような解答は摩耗するほど解きなおしても見つからない。必ず何処かに穴が合って、何度も、何時間も何日も何か月も毎秒ずっと解きなおして、解きなおして解きなおして解きなおして問いただしても見つからない。彼が貴方に対して反抗的でいることも、もう数か月も会話らしい会話をしていない彼らと決別するように一人でいることもきっと完全な正解ではない。それを分かった上で独り、自分を奮い立たせ動かしてきた彼にとってそれは炉であり、問い続けること自体が彼にできる最上の解答だった。)「...きィ は まダ しも..........言っテも 止まら なかっタ アイツに聞く耳なン てまだ残ってんノ カよ、今でモ 夢なんザ 見 テる奴に、モ ウ 俺カ ら掛けル 言葉なんてネェ よ 。」( 彼自身がカミサマ化しうる危険性があった。元の被害よりもずっと大きい二次被害を及ぼしうる想定なんて容易に出来た。カミサマ化を食い止められない可能性もあった。生まれたカミサマの討伐に未熟なヒーローが何人も消える未来だって十分在り得た。レッドスパイク______...秋守 真紅郎が死ぬ未来があったって何も可笑しく無かったんだ。それでも彼は止まらなかった。)(_______なら、そうだというのならば。...彼がこれまで進んできた選択の、これ以上の解が一体何処にある。)「...オ前 に言っ てル のは最初っ カら一つ だケ だ。」(貴方に迎え撃つ手はキャスリング。金属製の鉤爪により食い込まれた扉は悲鳴を上げる間も無く、ピシャリと勢いよく閉められたそれは物言わぬ城壁へと変わり果てることだろう。) 「______________俺の、邪魔ヲ しナいで クれ。」■訓練室の一室の扉を元にディスコード『ヴェルセンス』使用、城壁型の駒、ルークを生成します。ライセンス『要塞』×3 をもち、本来の訓練室内の構造よりも強固な状態です。また、この駒は発現させた場所からの移動が不可能です。>ジェントルさん   (9/7 19:53:41)


ジェントル> 
「君は思考を放棄している。自分一人で答えを出すことだけを信じて、本当に何をすべきなのか思考することから逃げている。そォだろゥ…」「(生々しく、君の痛みが少し見える。それは、彼自身も背を向けて走りながらも、君の前に立っているのだから。『ジェントル』は逃げている。逃げる明星夜空の、後は追えない。)今、彼が、夢のためだけに動いていると。君はそォ思わなきゃァ、心が保てない。そォだろゥ、なァ。(いいこでなきゃいけない。君に言葉を向ける度に、心に杭が打ち込まれていくようだ。君の心に突き刺すものは、自らの溢れ落ちる心血で、できている。)『望』…ボクは、今だけでも、望を使う。(だからこそ。せめて『望』だけは、君たちに向き合えるように。彼の足元の地面が崩れ落ち、鎖の海へと姿を変えていく。海に沈んで、君のもとへ向かおう。)逃げることは許さない。(海は彼の意識で如何様にも動く。目の前の土を鉄骨を鎖へとかき分け地の下を這い、重い足音の真下で、君の地面は大口を開けるだろう。)君にも『正直』になってもらわなくちゃァ困るからねえェ…(引きずり込むことができれば、元の鞘へ納めよう。)君が冷静でなくちゃあァ…どうやってあんな愉快な『友達』を纏めるんだィ。(訓練室。君を納得させるなら、今ここでできる限りの力をぶつける。)」「(竜のように舞う鎖たちは入り口へとひと飛びし、びったりと『要塞』と共に重なりあってそこを封じるだろう。)手早く終わらせたいなら、『ボク達』を早く倒すことだねえェ。(将棋は討ち取った相手を自らの駒に変えてしまう。有利な状況を討ったかたきで操る、それが将棋だ。)立ち向かえ。考えるのをやめちゃあァいけないよゥ…(彼は、ただ君に手を伸ばすために、チェスへ将棋を仕掛けている。彼自身にできるのは、『一度ゲームを壊すこと』に過ぎない。)明星くん。聞くんだ。言ってみるんだ。ぶつけてみるんだ。(自分がルールを壊していることを、知りながらも、壊し続けることだ。自らが発する全ての言葉が苦しい。)効率じゃ、感情は語れないだろゥ…(知っているはずの自分の事から、逃げながら、)感情を高ぶらせるんだ。それを伝えるんだ。それがきっと、いィだろゥからねえェ…(拳に力を入れて。)だから、受け止めてみてよゥ。(もう一度、今度は顔面ど真ん中を躊躇なく目掛けて、鎖に引きちぎられるようにしてできた怪力を、振りだした。)」   (9/7 20:51:56)


明星 夜空> 
(沈黙だった床材は大きくその形を変え、滝のような流れに身を巻き込まれるまま自身が作り出したはずの密室へと逆戻りしてしまう。足掻く時間も与えられないほど瞬間的で強引なそれは嫌というほど貴方らしい。)「......っは、『正直』ニィ???こレ 以上 ドこ の腹を割いテ お前ニ 投げケ りゃゴ 満足してイ たダ けるン だ?自白剤飲んダ ってテメェに吐ク言葉は一言一句変ワ りやしネ ェ ぜ?」「...誰に頼マ れタ 訳でもなイ のに“ 他人 ” ノ俺がなぜそコ マでする必要性ガ ある。出来もシナ いのニ 突き進んでい たンなラ計画性の カケらもなイ その程度の連中だっタってコとだろ。」(刺さる言葉の痛みなど気にするな、目の前にいるのはただ邪魔にしかならない障害物だ。)「_________ “ 何ヲ すル べ キ ” か?笑ワ せルナよ、ディスコードを託さ レタ “ 一般人 ”としテ 目の前 ノ出来るコ とをや ダケ に決まっ テ いるダロ う?オ 前は警察官 ニモ 消防士 ニも救命隊員にも同ジ こト を聞クツモリなのカ ?仲良しゴ っこがヒーローの任務か ?お前のやっテイ ることがタ ダの妨害だトなゼ気付カない。」( 民衆が求めているのはいつだって “ 自分を助けてくれるヒーロー ” だ。過去に逃げるな、執着するな、お前らが向かうべき場所は何処だ、前を向け。生熟り達が、ましてやその成り損ないである彼自身がそれを誰よりも強く望みひた向きに目指さなくしてどうする。 感情で命が救えるか? 夢を描けばいつだって叶ったか? 他者を救ったら過去の罪は許されるのか? 思考停止で前に進めるなら、それで “ 誰か ” の守りたかったものが守れるのなら。彼は__________俺は、喜んでリビングデットにだってなってやる。)「他人にソう易々ト 自分の事情だカをひけラかス趣味も勝たナい馬ニ賭ける趣味モ無ぇんダよ。カウンセラーでもナいお前に俺ハ話そトも思わナいし第一、第三者のお前ニ話シた所デ根本的な解決にナラなイ。...お前ガ今やっテイる事ノ無意味さくラいは伝わっタか?」(お望みとあらば容赦無く。この始末じゃ元より訓練なんて出来やしない。込められる力が大きい分その予備動作も比例するように大振りに。慣れていない人間がすればどうしたってそうなるだろう、狙う先もおおよその威力も検討はついてしまう。軽い重心移動による回避で躱せる範囲だと推測し、その通り体を動かすのにもきっとそう時間は掛からない。打ちっぱなしのコンクリートとその骨組みに意志を。鎖より重くその分身達は姿を形作らせる。...一室分の壁が消えても数時間程度なら問題ないだろう。)■扉横の壁(コンクリート、骨組みの鉄骨)からヴェルセンス:ポーンを三体生成します。ライセンス『剣術』×2、『昇格』を持ってます。   (9/8 00:39:32)


ジェントル> 
「(避けられた先で早急に兵隊の方を向き、拳を構え直す。)やっとやる気になってくれたねえェ。(君が逃げる事をやめた。それだけでも一歩前進だ。君の目線をこちらへ向けることができた。最悪の条件はクリアした。…しかし体が軋む。気を失うまでも、もう近い。)彼が君に伝えたいこととか、君が彼らに伝えたいこととか、あるはずだ。(しかしそれでも、立ち上がれるだけ言葉を伝えよう。)答えを出すのは。もっとちゃんと、喧嘩してからでもいィんじゃァ、ないかィ。(【根性】。死ぬまで彼は、立ち上がらなければ『ならない』のだ。)ボクらはヒーローだ。でもそれ以前に、ヒーローにならざるを得なかった、ただの高校生に過ぎない、そゥだろゥ…(盤面を揃えよう。彼を納得させる拳を叩き付ける。そして、勝利する。王将が取られるまでは、指す手は、差す手は、止まれない。千日手で終わらせるつもりもない。)君は、警察官でも、消防士でも、救急隊員でもない、ただの高校生だろゥ…(だから、『じゃらり』と、盤面を動かす。)苦しいのは君だけじゃァない。辛いことを言うようだけどねえェ…『シンクロウ』も、ずっと悩んでるんだよゥ。(『鎖の音は、至る所から鳴り響いた』。)」「喜びや楽しさだけじゃァなィ…悲しみとか怒りとか。全部共有して、殴り合って、『一人』じゃァなィって…(この部屋には、もうすでに、いくつもの鎖が仕込まれている。)『笑おゥ』。(彼が大きく手を開くと同時に、)アケボシくん。(ポーンたちは、床に開いた鎖のその海へ、沈むだろう。)ボクには、君たちの悲しみを見ることはできないけど…とにかく、シンクロウは、君が思うよりきっと聞いてくれるし、話してくれる。(更に同時に。彼の腕の、皮がついに破け、出血が白いシャツを赤く染めた。)時間なんて、いくらでも無駄遣いできるはずだったのにねェ。(それでも体は止まれない。やるべきことはまだ終わっていないのだ。)だから今、君にとってのォ…そゥ。無駄遣いをしてしまおゥ…人命なんて関係ない、『友達のため』の、時間を使おゥ…(血を溢しても、盤面を赤く染めるにはまだ早い。天井の鎖が開き、既に消灯された教室が目に映るだろう。)『君が救われる』。その、必要性から逃げていても…まだ、君が、救われていないからねェ。(そして腕に、さらに鎖を巻き付ける。分厚く、力強く、愚直に、ただ愚直に、君の胸へ真っ直ぐ拳を伸ばした。)」   (9/9 21:21:31)


明星夜空> 
『彼が君に伝えたいこととか、君が彼らに伝えたいこととか、あるはずだ。』「......」『ボクらはヒーローだ。でもそれ以前に、ヒーローにならざるを得なかった、ただの高校生に過ぎない、そゥだろゥ…』『君は、警察官でも、消防士でも、救急隊員でもない、ただの高校生だろゥ…』「...............................」『苦しいのは君だけじゃァない。辛いことを言うようだけどねえェ…「シンクロウ」も、ずっと悩んでるんだよゥ。』「....................................ソう カ。」(地の底から、擦れ鳴り響くような金属音。それは唐突に、いいや。それが何かを示す予備動作も推測でもいくらでも。同じ手が二度も効くと思うな。例え瓦礫とて足掻かせもしないまま見捨てたりなどさせるものか)「...ヴェルセンス、昇 格 ッ ッ !!!!!!!!!」(流木が流れをせき止めるように、しがみつける鎖を全て巻き込み駒もろとも壁へ、駒を生かすための足場へ。騎馬の脚力なら跳躍に十分な場と成り得るだろう。三が駄目なら二を生かす。)「...お前ニ何ヲ 言 おウ としテ も無駄ナ 事 は分 カっ タよ、い ヤ最初っカ ら分かりキ ってタ か。」(これでは直談判でもしに行った方が分かりやすく簡潔だ。“ お友達 ” からの言葉なら赤の他人からよりは聞き入れるだろう。そのために......................出来るなら顔も合わせたくないような奴らの元へわざわざ出向かねばならないのが苦痛でしかないが...結果的に安く済むことを願うしかない。)「あァ、そ レと_____」(【____________ボクらはヒーローだ。でもそれ以前に、ヒーローにならざるを得なかった、ただの高校生に過ぎない、そゥだろゥ…】......貴方の問いかけに一つの “ グレー ” を。何度唱えても混ざりきらない、白と黒の渦を巻いてばかりのソレを。)「......何 か、勘違 イしてい ルようだ ガ 」( “ 中 途 半 端 な 存 在 ” だと、“ 代 わ り の 利 く 存 在 ” だと、自らをそう思い込ませなければ、)( “ た だ の 一 般 人 に 過 ぎ な い 存 在 ” だと思い込まなければ。)( あの日、何も守れなかった自分が..............)( “ ヒ ー ロ ー ” を 夢 見 て い た は ず の “ 自 分 ” が。 )「___________俺は...自分自身ヲ ヒーローだ ト思った事モ、そウ 名乗っタ 事も一度も無イ よ。」(_______今ものうのうと生きている理由なんて無くなるのだから。)「..........だかラ、俺に ハ_______________“ ヒーロー様方 ” みタ いに、“ お友達 ” に割 ク時間はねェンだよ。.....................ソんな体でヨくサンドバッグ代わ リに成ろうとしニ 来たな。」(内臓系はとうに成れ果てた。殴り慣れてない拳の一つくらいなら骨が軋むこともないだろう。引きちぎれるかどうかの痛みが続くよりは一時的な物の方がずっとましだ。それより長い痛みがかき消してくれる。......何でも、揶揄いから逃れる為に効果的とされるのは反応を示さないことだそうな。彼が示す反応は無抵抗。貴方の拳が彼の身に迫ろうと、貴方が追撃をしようと、彼から得られる反応は成すがままであること以外ないであろう。)■ライセンス【危険察知】【観察眼】、また【ヒーロー知識】使用。ディスコード【ヴェルセンス】:ポーンの所持するライセンス、【昇格】を使用し、一体を鎖の流れをせき止めるもしくは他二体の足場となるルークへ、もう二体を【機動力】×2のライセンスを持つナイトへ変化させます。床を鎖にして落とすのは二回目です、いつでも鎖にできる床の上にいる以上四方八方を鎖にされても対応できるよう警戒をしていたと思います。鎖への対応及び駒の脱出は出来ますか? 殴ってこなくなったら「気は済んだか」って言って訓練室を後にすると思います…>ジェントルさん!   (9/10 22:32:33)


ジェントル> 
「(殴れば。むしろ、骨の折れる音がしたのはこちらだった。)…受けたんだね。(腕は落ちる。膝もついた。体が動かない。こんな喧嘩は2度目だ、紳士的ではない。)…全てうまく行くことを、祈っているよゥ。(それでも紳士だ。追撃はしなかった。それにもう、立てなかった。)『シンクロウ』。そこにいるかい?(細々とした声で、目を閉じる。眠らねばならない。きっと、そうしなければ、本当に永く眠ることになる。)あとは頼んだよ。(聞いているかもわからない言葉を、託した。)」   (9/11 03:02:40)