真>
これが現実、学生として赤点もいい所。呼吸していて悲しくなってくるような現状。その理由は単純明快、1時間目を見事に寝過ごしたのだ。もういっそ切り詰めた朝食を気持ちだけは優雅に摂って、お昼から重役登校しようかしらと悩んだが真面目なタチなので仕方ないかと、休み時間にのんびりと教室に向かう。今更焦っても仕方ないし、休みと名のついた時間ならば公衆に迷惑をかけないのならば幾らのんびりしてもいいと思っているような学生の代表者的思考を巡らせた。そして普通に寝坊かましたことを半ば忘れかけてすらいたのはきっとこの気持ちの良い快晴のおかげだろう。満足いくまで眠ってこんな陽気を浴びながら、散歩のついでに登校していると思えば少し得をした気分にすらなる。蒼眼が陽光をきらと反射して首筋を風が撫でた。鏡でふと寝癖をあらためてチェックして銀糸をかきあげたりしてみる。日常通りに過ごしているとハプニングがあっても足取りは気がつけば十分に軽い。今日の昼は何を食べよう?なんて、戦いが絡めば他人よりナイーブになる事は認めるが、そうでなければ実にお気楽なのだった。真面目を自称する割に実に軽い鞄を手にした少年は欠伸ながら教室へと向かっていく。能力使用の為の装置が時間をちゃんと示すこともきっと忘れているのだろう。 (5/9 20:39:13)
レフバ>
______「あ」なんて、廊下に高い少年の声が響いた。「なんだ〜っ お前も途中から参加するのか?」真より背丈の低い、やたらと血色の良くなさそうな彼だった。少年は自分と同じくこの時間にのろのろと教室へ向かおうとしている人物がもう一人いたことに喜んでいるのか、真の元へ小走りで駆け寄ってくる。「お前も一年だろ?一緒に行こうぜ」初対面の筈なのだが、何かと馴れ馴れしい印象の人物である。肌の色は不健康なほどに白いが、北欧を思わせるようなほっそりとした顔周りと、東欧由来の控えめで筋の通った鼻が、彼の顔を完璧にさせている。要は人間らしさは薄いものの結構な美形ということである。「お前、名前何?オレん名前はレフバ、よろしくな」もしかしたら顔くらいはお互い知っていたかもしれないし、知らなかったかもしれない。彼は聞いてもいないのにやたらと話しかけてくるのだが、「なぁ、体調悪かったの?それとも単純に授業に参加したくなかったの?どっち?」と尋ねた際には、1時間目を寝過ごしたという事実を見抜いているような雰囲気があった。「変なこと聞いて悪いな。____そのさ、もし授業受けたくないんなら、オレと一緒にどっか行かないか? もしお前が授業受けるってんならオレも教室に行くことにするよ」「最近はあんまり教室に来てないんだ。授業受けてもつまんねーしな」クラスのメンバーの不在をいちいち把握することも無いだろうが...確かに、彼の姿はここしばらくというか、今が初めて会ったとしてもおかしくないくらい、全く見覚えがないのである。 (5/9 21:11:43)
真>
銀糸をぐしゃぐしゃと再びいじり始めた頃。何やら声が響いたのでついビクッとしてしまう。同時に一瞬まん丸になった蒼眼が少年を捉えた。美形は美形だが対照的にハッキリとした眉が男らしさを備えながら然し筋の通った鼻と控えめな口元が女性らしさを演出し、まん丸な瞳はいつもと同じどこかキツい印象すら与えるキリとした目つきに戻る。然しキツい印象を抑える二重だの何だの、美の四則演算とやらの末に美形の解が導き出されるが、本人にそういう細かい事はわからないし、そういう美形を映す語彙はイケメンとかくらいしかないのでひとまずそういうことにしておこう。そもそも、普通人の顔をそうまじまじと見もしない。何となくの印象で捉えるのはよくあることだ。パチパチと睫毛が慌ただしく揺れ動く。ぱっちり二重の瞼を擦りながら「おはよぉー?」なんてどこか間抜けな声をあげた。人の顔と名前を覚えられないという弱点を密かに抱える彼にしては珍しくレフバの事は覚えていた。…きっと、多分。いや、嘘だ。正直話した事があってもなくても覚えてないので適当に合わせることにしていた。半分寝ぼけ眼で頭も回っていないし、何かしたい訳でもしたくない訳でもない。ひとまず会話をリードさせて、どう出るのかは後から決めることにした。「俺は真、よろしくー」こんな奴いたっけ?の直後には次会った時にわかるかなと不安になる。偶にしか会わないと余計に覚えられないし、声に出して呼ばないと名前は忘れてしまう。けど、自分よりも背丈が大分低いなと考え直す。大抵は自分よりも大きいのは立派な特徴だ。何がどうって小さめの体が一応コンプレックスであるせいか、或いは修練の賜物か顔や名前よりもサイズや姿勢から捉える癖があるお陰で、その点レフバは彼にとって実に特徴的だった。「……さあ、何だと思う?当てたら付き合ってもいいぜ。ま、外しても放課後か昼休み遊んでもいい、君が暇ならね。」何か楽しい事をするんだろう。遊びの誘いだとひとまず決めつければ景気良く頷いた。それはそれとしてズバリ決めるのは今は面倒なので暗に後からでも相手できるよなんて事を示す。常にそうでもなく、天気が悪かったらそれは無理だと言っていただろう。今日は機嫌が良いので授業もレフバの事も突き放すような選択を取らなかっただけだ。「やーでも、受けた方がいいぜ?置いてかれると後が面倒だし、あんまり出来ないとなんていうか気に食わない。」 (5/9 21:45:27)
レフバ>
「それってどのみちOKって言ってるようなもんだろ」冗談言わないように見えて、中々付き合いが良い奴だなと思うことにして、「それじゃ放課後、玄関で待ち合わせしようぜ。すっぽかしたら明日会った時覚えてろよ」と、早速約束を取り付けて放課後に遊ぶことにした。「ふーん?それもそうか...まぁお前に合わせるって言ったわけだしな、じゃあ一緒に行こうぜ」なんて、彼は授業を優先したいそうなので、レフバも一緒に教室に行くことにする。____実際の、彼が授業に参加しない理由は、『授業の内容がもう既に知っていることなので退屈』だからなのだが。________さて、無事一日が終わり、放課後を迎える。真は玄関に向かっただろうか、もし向かったのなら、既に靴を履いて昇降口で待っていたレフバが、『見つけた!』という顔でそちらに向かって手を振るだろう。「本当に来てくれるって半分信じてなかったぜ」なんて口にした後に、「じゃ、行くぞっ!」と玄関を飛び出した。彼の生き生きとした様子は、今にでも真の手を繋いで引っ張って行きそうに思えた。無論そんなことはなかったが、真の方から繋げば、案外そのまま離さずに繋いでいてくれそうな雰囲気でもある。何だか彼は、弟のように思えた。「_____お前ってアイス食べる?」彼は何気なくそう尋ねた。 (5/9 22:10:41)
真>
「女の子ならとっくに遊んでるんだけど」肩を竦めながら、くすりと笑う。「じゃあ、そういう事だな。」何ら問題なく、いつもの他愛無い日常は続く。特にコード自体への知識はあまり無いので勉強は手を抜けない。それは元より生き残りまた勝つ為の事で決してくたばってやらない為だ。他愛無い日常を維持するのは思うより遥かに大変な事故に。───そして数時間後、もとい学生の本分放課後に時計の針は問題なく進む。「よう。お疲れ様〜」さて、この美少年、実は約束なんてそれはもうスッカリ忘れていたし、すっぽかしてもすっぽかしたことすら忘れていただろう。理由は語る必要もない。実に実に暢気でお気楽な、つまり、真という人間の良い所が出ているという事だ。「はいはい。」言われるまま従ってついていく。これでは偶然通りがかった所を口説かれたようでまるでナンパされたような感じすらする。可愛い女の子なら良かったのにと思ったが、多分可愛い女の子からのお誘いならきっと忘れなかったろうとも思えば、(それもこれも可愛い女の子じゃないこのレバー…レ、烈海…蓮、レース、レーン…レフバ!そうレフバが悪いじゃん?)と思う事で全くの罪悪感や不自然感が醸される事はあり得なかった。そして、この幸運はきっと自分の日頃の行いがいいからだろうと解釈したし、何より大事、言わなきゃバレない。是即ち問題無い。「食べるよ。虫歯じゃ無いし。けど、アイス食べない奴ってそういるか?いるとして、どんなだよ。」俗っぽい口調は、銀髪と蒼眼の美形だとかいう神秘性を木っ端微塵に台無しにしている。お察しの通り、上品だとか格式のある人種では生憎なかった。投げかけられた疑問はそもそも普段暮らしててアイスクリームを食べる人か食べない人かが議題に上がる事など滅多にない訳だから、実に奇妙な感じだからついきいてしまったというようなものだ。きっと誰だって疑問符を浮かべると、後から思い返す事があればそう語るだろう。 (5/9 22:50:53)
レフバ>
「アイス食べるのなら何が好みだ?オレは最近原点に帰ってバニラばっかり食べてる」アイスといっても、氷菓かミルクか、棒つきかスプーンで食べるか、最中に挟まれてあるとかコーンがついているだとか、どんな種類があるかを考えだしたらキリがないだろう。「アイス食べないやつはいない!間違いないな」レフバは楽しそうにアイスのことについて話しながら、何やら繁華街へと向かっていく。____「最近はあんまり果物系食べてないんだよな、いっつもチョコとかナッツとか選びがちになるんだけど、オレ酸っぱいやつが好きじゃないのかもしれねぇ」「お前ってピノ一個頂戴って言われたら許せる?オレは許せないな、まぁそもそもピノ買わないんだけどな」「お前アイス屋行った時コーンにして頼む〜?オレ、いつか3段アイス食べてみたいけど、途中で溶けそうなのと食い切れる自信がねぇ、でもチャレンジしてみたくてさ.........」____なんて、とりとめもない会話をしているうちに...「________ここが一番品揃え良いんだ」と、着いたのはそれなりに大きなショッピングセンターだった。レフバに着いていくままに歩いていると、彼が口にしていた通り結構大きめな冷凍コーナーの前にまでたどり着いた。「オレ、お前が何食うのか気になるから、選んでるところは見ないことにするぜ。買ったらそこのフードコートで待ってるってことで!」と、レフバは一旦真の元から離れ、別の場所を見に行った。_________「何選んだんだ?」レフバの方が先に買い終わっていたらしく、フードコートへ行くと彼が手を振っている姿が見えただろう。「オレはこれ買ったぜ」と、レフバが見せたのはカップのチョコミントアイスだった。「お前ってチョコミント食べれる方?」レフバはフタを剥がすと、貰ったプラスチックのスプーンをそのミントグリーン色の塊に突き刺して、掬ってそっと口に運んだ。「オレも何で好きなのかって言われたら説明が難しいんだよな」歯磨き粉なのはまぁ分かるけど、と付け足し、先に溶けがちな淵のまわりを掬っていた。 (5/9 23:45:46)
真>
問われたことへの理由について、まあ何でもないことかと勝手に納得して良しとした。食べない人間はいないというが、だからこそ話題としてはそれなりのものなのかもしれない。「アイスはスーパーとかでしか食べないな。…大体カップ派、好きなのは、何だろ。バニラとか?」あまり深くは考えない。味のチョイスなんてものはメーカーによるし、強いて言うなら、というような好みしかない。「夏はフルーツ系かソーダだな、。これは間違いない。」淡々としかし着々と会話は進む。ただ、返答の調子は冷たくこそ無いがどこか淡白で、冗談相手になら返すが冗談以外にはそんな様子だった。言ってしまえば冗談めかして何か言うともうそれでコミュニケーションは終わっていて、大抵は次の話題なのだ。話すのは嫌いでは無いし、深く人と関わり合いになる気のないような自分とはやけに対照的で、だから何か言えなかったのかもしれない。「あー、了解。」見送りながら、変わった奴だなあと思いながら売り場を闊歩する。何がどうってかなり滅茶苦茶だ、もちろん幼さが起因するのかとも思う。美人は得をすると言うが、きっとレフバは顔でかなり得をしているのだろうと考える。あの性質との相性はかなり良いはずだ。それに付き合う自分も自分なのだろうか。然しそんな事は最早どうだっていい。今この瞬間大切なのは何味を選ぶかである。アイスの話ばかりしていたらアイスクリームの口になってしまったのだ。「む、これかな。」遅れて現れた真がスッと差し出したのは何てことのないよくあるもの、可愛らしい桃色に鮮やかな赤の散りばめられたストロベリー味のアイスクリームだ。「チョコミントは食べれる。けど、買わないな。売ってない事も多いし。」スプーンを突き立てれば、口に運んだ。 (5/10 00:12:48)
レフバ>
「え〜いいなー苺!最近苺味って食べてないな」「なんかさ、苺は好きなんだけど、本物の苺が食べたい時と苺のお菓子が食べたい時って別なんだよな。どっちも違う味に感じる気がしない?」「チョコミントって見かけないところは全然見かけないよな。あんまりアレンジするのにも向いてないしな。オレは好きだけど」なんて会話を繰り広げていると、「お前って人と物分け合っても良い方?」と尋ねてきて、「折角違う味なんだからシェアしても良いんじゃね?って思って」と、自分のチョコミントアイスを差し出してきた。「良かったらどーぞ。」提案を受け入れるか受け入れないかは真次第だ。...さて、他愛ない会話が積み重なっていくうちに、カップの中は空になっていた。「それじゃ帰るか」本当に一緒にアイスが食べたかっただけだったらしく、後はもう帰るつもりらしい。 (5/10 20:09:23)
真>
「なんか、アレ、赤色が綺麗だから食べたくなったんだ。チョコミントも可愛いけど。」(可愛いとは言ったが、見た目が華やかだと何だか食欲が湧いてくる。確か赤色は食欲を増進させるのだとかいう豆知識を何処かで聞いた覚えがあるが、さてどこだったかなぜだったかはあまり思い浮かばなかったしどうでもいいので忘れる事にした。)(見た目の可愛らしい甘いスイーツを眺めていると、つい自分のディスコードを思い出す。スイートハートはキュートさについてはそこそこ上位だが能力は全く可愛くないし、暇な時にお喋りに付き合ってくれる訳でもないからやっぱり可愛げというものはない。あのディスコードは他人というより、自分の髪の毛や爪のような体の一部のようだった。煌びやかに見せかけて、これ以上に悪趣味なディスコードも中々ない。)「ふふ、折角だしいただこうかな。……あ、レフバもどうぞ。」(スプーンを差し込んでレフバのチョコミントを掬い上げれば、じっくり味わって、選択肢から外してきたチョコミントも悪くないなと思い直した。それから、ああ貰うだけでは分け合う事にはならないなとお返しにカップを傾けてやるのだ。何でもない日に見えて、今日はきっと特別な日。他愛無い日々はしかし他愛無いことなどなく、二度と来ることのない過ぎ去ってゆくこの瞬間が、途轍もなく有意義である今この時を純粋に楽しんで、幸運に甘んじた。)「ああ、いいよ。……そういえば、朝言ってたけど何で授業が退屈なんだ?簡単過ぎるから?」(ふと、閃くようにそんなことを言っていたと思い出す。頭が良いのだろうかと思うが、同族がいてぬか喜びするあの様子は他に意図があったのではないかと思えば疑問符は中々拭いきれない。何より学園側にとっては戦力補充の為に途中増員された身だから、彼自身が仮に何か有名人だったとしても全く全然わからないのだ。) (5/10 20:45:57)
レフバ>
「ありがとな」そう言ってレフバは、真の分のアイスにスプーンを挿し、苺味のクリームを掬い上げた。「〜〜〜 うま〜!」「苺味ってやっぱ美味いな」「授業に出ない理由?」そう問われ、レフバは少々間を置いた後に、「___あんまりやる気湧かないしな、自分にはいらないって思った授業には出てない」「授業受ける時間があったら別のことに使うことにしてんだ。最近はずっと図書室にいるぜ。ひとまず図書室の本全部読むのが当分の目標だな」と、さらっと規模の大きなことを口にして、「お前も授業がイヤになったら来る?一人でサボるより面白そうだしさ」と一緒に授業をすっぽかすことを誘うのだった。「じゃあ、オレもお前に聞くけどさ」「_____子供の頃って、何になりたいとかの、将来の夢ってあったか?」彼はそう尋ねた。「オレ、小さい頃から何かとこういう環境にいて、カミサマの研究に携わるために、自分の生まれた場所から転々として、今では日本の学校に編入されたわけだけど、こんな仕事して全然楽しくないし、イヤな目に遭うことばっかだし_______今ではもう””やめられない””理由が出来ちまったりして」「でも、もし普通に生きれてたら、___________オレ羊飼いになりたかったんだ。」「良いだろ、羊飼いって。日が昇ったら山を登って、何時間も犬が羊追っかけてるところ眺めて、そして日が落ちたら山を降りる。たまに毛を刈ったり、羊の肉食ったりするんだ。オレは肉が好きだからな」「って言っても、今の羊飼いが全員そういう生活出来ているわけじゃないらしいけど。でも今もなりたいって思ってる。」「_______お前は?そういう夢、あるのか?」 (5/10 21:32:36)
真>
「なるほど、頑張れよ。俺も暇ができたら遊びに行こうかな。勉強ヤバいから、あんまりサボれないけど。」(ワケ有りかあと納得すると共に訳アリな生徒がいたとして成り行きとしてはなんら不自然なところは無いのだと感じた。好き勝手に土足で学園に上がり込んだ自分はイレギュラーなのだと思い出す。あくまであの憎らしいディスコードと武術で入ってきた、奇妙な物好きなルクレルク人に過ぎない。)「夢?夢……羊飼い、ねぇ……」(唐突な将来の夢トーク。高校に行くつもりは元々はなかったが、こういう夢トークは、いや正確には青春らしい事がすごく羨ましかった。そもそも何になりたいかなんて考えたこともなくて、どうすれば生きられるかを教えられてただ静かに暮らしていた。夢を見る事はとんでもない贅沢品だった。ルクレルク人が裕福な事などほとんどありえない事はどんなに愚かでも想像に難くはないだろう。そして、彼らにとってはそれでも見るものが夢なのだろう。なれば、我々、いや──唯ひとりある自分にとって夢とは)「静かに暮らしたい。」「外の人間にも、誰にも文句を言わせない。金がなくてもいいから、静かに、穏やかに、平和に暮らせればそれでいい。」(『その筈だ。』という言葉は吐けず或いは吐かず、身の上を語りはしなかった。ただ、嘘は言っていない。同時に全てでもない。)「……まあ、多分ね。あんまりそういうの気にした事なかったから。」(捻くれた冷め方をしているせいで、『役にも立たないしね』なんて、つい言ってしまいそうになるけれど、少なくとも叶えるのが難しそうな夢を抱えた少年相手に、しかしその夢を未だ抱くその野心に水を差すのは野暮だと感じて、最後まで嘘のない淡々とした言葉で締めくくる。) (5/10 22:19:13)
レフバ>
「ふーん」「___じゃあ、もしカミサマもイーコールもない世界になったら、オレと一緒にアルプスにでも行って羊飼おうぜ」なんて言って、「冗談だけどな、九割くらい」と、ニコッと笑った。「そしたら多分、アイスは滅多に食べられなくなるけど」冗談にしたって、だいぶ規模の大きな冗談だとは思うが。しかしそれはレフバなりの、目の前で寂しい様子を見せる彼に対する、ささやかな気遣いだったのかもしれない________________歩いているうちに学校に着き、別れの時が訪れた。「じゃ、オレは自分の部屋に戻るぜ。楽しかった!またアイス食いに行こうな!」彼は別れの挨拶を告げると、手を振りながら軽い足取りで、真の前を去るのだった。 〆 (5/10 22:34:00)
真>
「…ふふ、なんかありがと。そのときは頼むぜ。」(真は、人と話すのが上手くない。それは本人の思うより圧倒的にと強調の言葉がつくほどだ。仮に何か笑える冗談を言う奴だと真に対し感じる人間がいてもユーモアのある事と気難しい事や協調性のない事が同居する事は実の所矛盾しない。相手が自分を大切に思うかどうかなんかの感情的な部分をまずすっ飛ばして、相手視点の損得勘定で考える癖に──こういう時の察しは決して悪くない。人の心がわかるのにいざというときは見ようとしない無自覚な悪癖が、彼の奇妙な人付き合いを形作っていた。孤立と自立は異なる事を理解っていても、中々どうして難しい。)「ああ、また明日!」(それでも真自身の気持ちは決して暗いものではなかった。楽しい事があったそんな日に、一体どこの誰が文句をつけるのだろう?) (5/10 23:26:38)
真>
(編入生の尖り耳。銀髪蒼眼に特有の美形とくれば悪目立ちするものだが、案外クラスには馴染めている感じがする。感じがするというのは、別に馴染めてはいないからだ、変わり者だし浮きもするのは当然の事だった。学校生活に欠かせない部活動にもあまり興味はなかった。何かしら部活をやる気はなく、出撃に備えるだけ。)(がここで問題なのは、練習相手も練習場所もない事である。元より、一人でも最低限体を動かしたいが流石に寮の部屋ばかり暴れるのも飽きるし、けれども人に練習風景は見せたくない。もとい技術の隠匿は鉄の掟と呼ばれる破ったら即刻死刑とされる、彼にとっては法律よりも100倍大切なルールであるから、所謂道徳だとか倫理的な観念から、人に練習風景は絶対に見せたくないのだ。現実的な話で行けば信用できる友人ならまだしも、見ず知らずの誰かに見られうるというのは論外だった。秘密を共有し切磋琢磨し合える都合の良いライバルだとか友人だとかは、漫画作品みたいに都合よくは出てこない。)「…!!」(という訳で、校内を探索したが成果はなし。流石に学園内で誰にも見られず、そこそこ広くて放課後に一人で過ごせる都合の良い場所なんてないのかしらと諦めかけながら歩いていると、気がつく。普段は閉まっているあの屋上にどうにかこうにか侵入できれば──と。)「…!!」(という訳で、校内を探索したが成果はなし。流石に学園内で誰にも見られず、そこそこ広くて放課後に一人で過ごせる都合の良い場所なんてないのかしらと諦めかけながら歩いていると、気がつく。普段は閉まっているあの屋上にどうにかこうにか侵入できれば──と。)
坂入 縁>
――――“学校”という“自由”と“平等”を極めた、掲げた機関はないだろう。そして、これほどこの自分に適した居場所はないだろう。同年代及び異年齢の多種多様な人々が、一つ屋根の下学業を、活動を、生活を共にする――。『博愛』を好む自分にとって本当に居心地が良すぎる。良すぎて心地よいくらいだ。――――この世界の情勢など、あまつさえ我らが“先駆者”の一連の騒動なども忘れてしまうくらいに――――。“分け隔てのない”環境、“同じ”志を持つ者が集まる学び舎、、、。ここ数日過ごしている中で、中にはこの環境、システムを快く思っていない者もいることが判明したが、まあそれも様々な人々が集っている証拠だろう。多様性は認めなければ。また“予想通り”だが、容姿といいこの非凡な頭脳や穏和に努めている人柄から、『学友』と呼べる存在もできてきた。――――まあこの“自分”が人望に恵まれるのは、めっぽう当然のことだが。本当に。自分としては充実し過ぎていると過信している今日この頃ではあるが、などと我を顧みていられたのはそこまでだった――――。彼を――――校舎を見上げて、その華奢な身体に似合わぬ、武骨な縄を肩に引っ提げて、整ったその端正な顔をしかめてまで何かを企んでいる――――裏庭の木陰から垣間見るまでは。、、、、、、、あまりに日常にも“彼”にも合わないこの状況に素直に困惑する。この学園の生徒だとは思うが、まさかとは思うが、何か良からぬことをしようとしているのではーーーはたまたこの“居心地の良い”場所を害することでは――――。我ながら杞憂が過ぎると思うが、念のため声をかけてみることとした。 (5/11 01:32:45)
真>
「……。」(暫くは返答がない。何故なら、自分に声をかけてきているとは全く思わないからだ。)(その間、実に凡そ13秒。腕を下ろせば『よし』と小さく一言。何が良いかは彼もよくわかっていない。徐に校舎に近寄れば、ここでようやく気がついてふと気配に振り返る。)「あ、こんにちは?」(排水管に足をかけながら、周りを見渡せば別に人もいないし自分のことだろうなあと思って、一応は挨拶を返すのだった。不審者に声をかけた側の感情とは裏腹に、実にお気楽な返答であった。)「こんな所で、何か御用ですか?」(排水管の強度を両手で持って揺らしてみたり、体重をかけてみたりして確認してみるのである。全く悪びれないという事は、人に何か説得するにあたって大きなアドバンテージになりうる。それは全く自然に普段通りに振る舞っているから、見ている側に『ああ、普通のことなんだ』と錯覚させるからであり、人はやはり他人の顔やしぐさ、挙動から相手を評価するのである。尚、この場合も該当するかまで彼は深く考えていない。なぜ話しかけられたのかまで考える間も無く、どう登るかしか今彼の頭にはない、ある意味凄まじい、見上げた没頭を発揮しているのだ。) (5/11 01:57:15)
七竈 八六>
「………──────────」(それは放課後の話だった。これからバイト。そういう日は友人とは遊べない。でも、バスが来る時間までまだ間がある、なんて場合。大抵は暇を持て余してしまうものだ。1人で学校探検だなんて稚拙なことを高校2年生でやるだなんて、些か呆れたものだろうが当の本人は図書室に行って本を読み耽り、時間を潰すだなんて学は備わっちゃいない。つまらない文字の羅列を見るか、用事があるとき以外は立ち入らない他学年の校舎へと足を向けるかならば後者の方が彼にとっては充実していると言えるんでしょう。人気の少なくなった校舎、タン、タン、タンと自分の足音のみが校舎内に響き渡るからこそ、今ここには『一人しかいないんじゃないか』と錯覚さえ覚える。朱色の背景、窓に死角に切り取られた絵画のような西日。窓は全て閉まっている。そう。〝 閉まっているはず〟なのだ。)「……………?」(風が、頬を撫でた。彼は思わずそちらに視線を向けるだろう。その先、階段の向こうに扉。半開き。それだけならば何ら不思議なことは無いのだが、如何せんここは『屋上』だ。屋上は鍵がかかっていて、普段入れやしないはず。無論彼も例外なく行ったことは無い。好奇心は猫をも殺す。行ったことがない、普段は行けないそこに『学校探検』という名目で歩いていた彼が、興味をそそられない筈もない。踵は既に扉の方へ。階段を登り、僅かに口の空いた扉に手を掛ければ。)「…………あ。……なんだ。人、居たのか。」(…影絵のように色濃く映る街並みをバックに、そこには先客が立っていた。少しばかり驚いたような顔。見たことも無い生徒。)「……、もしかして、転校生?」(自分より幾分か小柄なあなたは、同級生か1学年したか。どちらにせよ、彼は口元に笑みを浮かべるやいなや、上記の言葉を開口一番に呟くはずだ。不躾だろうということに、彼はまだ気づいちゃいない。) (5/13 14:32:52)
真>
「うーーーん──────……ん」(少年は少し変わったところがある。風の弱い日を見計らって人のいない時間に命綱をきちんと身に巻きながら排水管などを伝ってよじ登り屋上を踏破したのみならず鍵を外から開け放ち、後日使えるようにしていた。そして、今日はこの屋上を自らの秘密基地にして自由気ままに誰にも見られないよう武術の訓練なりをして過ごすつもりだった。……だった、と言うのも興奮とは得てしてなかなか冷めやらぬものでまるでこの学校を征服したかのような密かな優越感と秘密基地を確保した高揚に胸を躍らせて街を一望してお気楽に伸びでもしていたものだから、半端になっていた扉が風にあおられて『さあいらっしゃい』と言わんばかりに人の好奇をこれでもかと情熱的に煽る演出をしていた事など気が付かなかった。)(ので、)「へ?!……あっ、あー、ソウダヨ」(煩雑に流されたふんわりとした銀髪を、びゅうと風が一吹きにしてくしゃくしゃに撫であげる。凛とした面構えでもしていれば様になるのだが、覗く蒼眼は驚かされた猫さながらのまん丸で素っ頓狂な間抜けな第一声を忘れる者はまあいない。一度見ればまず忘れない特徴と年内で三本指には入るくらいの間抜けを晒して百点満点の第一印象を焼き付けたのも束の間、どう誤魔化そうかと頭を回転させながらほとんど自白してるのと変わらないような様子で、バツが悪そうに頭を掻くカタコト外国人擬きが其処にはいた。)「知り合いの紹介でね、色々人出も要りようだったし入学できたんだ。」(気を取り直してもう適当な会話をこなして逃げちまおうと算段を立てて、会話を続ける。少なくとも見かけたことがあまりないとくれば学年が上であると相場は決まっているのだが、一年生ならば安定の敬語すら今は置き去りだ。) (5/13 14:57:58)
七竈 八六>
「えーーーッッ!!!!マジでッッ?!?!?!転校生とか超嬉しいンだけどッ!!!いいなァッ、俺の学年にも来て欲しかった。」「あ!!!俺、ナナカマド ハチロクッ!!!よろしくッッ!!!!!!!」(彼は、貴方の返答に ぱぁぁぁぁッ、と花の咲くような期待の籠った笑みを浮かべ、上記の言葉を告げた。『転校生』その響きってなんとなしにワクワクするじゃないか。同じクラスに転校生が来たら、どんな子が来るんだろう、なんてソワソワと落ち着いては居られないものだ。まん丸く見開かれた青色の瞳、欧米的な顔立ちからして外国人であることは容易に想像できるだろうが、彼は恐らく貴方がルクレルク人であることはどうにも気づいていないのか、知能指数は貴方より格下であることは見て取れるかもしれない。『よろしくッッ!!!!!』だなんて能天気に口にするのがその証拠だとも。初対面だと言うのに、グイグイこられちゃあなたも困ってしまうだろうに、彼は思ったことを留めておけるキャパシティはなく考えついたことは全て例に及んだこの口からまろびでる。屋上の扉をパタリと閉めれば、図々しくも屋上へと足を踏み入れるに違いはない。)「つうかさ、屋上って来ていいのかよ??普段はさァ~~、確か危ねぇから行っちゃダメ、ってなってっし。……………先生に見つかったら怒られっかもしんねェ──────────…」 (〝ああそういえば 〟と、今更ながらに気になったことを1つ。こんな時間に屋上に1人でいる、そもそも屋上をわざわざ選ぶってのも不思議な話だとは思わないか。そもそも入っちゃいけない場所、彼はそこまで口にしたところで、次の瞬間〝 ハッ〟と息を呑み、深刻そうに尋ねるはずだ。)「……え゛ッッ……、ま、まさか〝 飛び降りる 〟気じゃなかったよなッッ………?!?!!!!!!!」 (5/13 15:16:36)
真>
(純正日本人の敗北だ。然し元よりルクレルク人の顔立ちというのは固有的なもの、欧米人らしさやアジア人らしさのくくりではなかなか形容し難い。少なくともルクレルク人であると気が付かない限りそう思うのも無理はない。主に焦りすぎて出たカタコトのせいだ。)「俺は真、よろしく先輩!!!」(凄まじい展開もといテンションにやや置いてきぼりにされつつあるが、合わせるように自己紹介する事で一先ず逃げ切る事にした。失礼な話だが七竈という男がどんな人物かは今の会話で何となく解ったつもりになれば、このまま押し切ってそれらしく会話を切り上げられる。なんて、そう思ったのも束の間またも叫ばれれば、今度はその声に驚いて肩をビクッと震わせた。)「わっ…ち、違う違う違う!あの、あれ、自主トレーニング的な!偶然扉空いてたし、一人の方が集中できるから使ってもいいかなぁーって……ね、ウン。もしかしなくても、やっぱ普通は空いてないんだね。」(迫真の稚拙な嘘、ここはなぜ鍵が開いていたので使いましたとシラを切り通すつもりなのだ。少なくとも、いい人そうだし、細かいことなど気に留めなさそうな彼相手なら何となく押し通せそうな気がするのだ。)「まあ、ともあれ、心配させてすいませんー。でも、俺大丈夫だから!……あ、そういえば俺は一年生なんすけど……七竈先輩って何年生?2年生に知り合いいるんですよー、エレナ・ドラグノフって人で、あのボクシングの。」(ふと、問うてみる。彼には顔の広い知り合いが2年生に在籍している。ここに来たのだって、彼女の勧めあっての事だ。いつだって豪快な乙女である彼女はきっと人気者だし、普段からあまり話す気のない自分自身の話よりも、みんなの人気者の話の方が場は盛り上がるのだ。) (5/13 15:41:37)