真>
(編入生の尖り耳。銀髪蒼眼に特有の美形とくれば悪目立ちするものだが、案外クラスには馴染めている感じがする。感じがするというのは、別に馴染めてはいないからだ、変わり者だし浮きもするのは当然の事だった。学校生活に欠かせない部活動にもあまり興味はなかった。何かしら部活をやる気はなく、出撃に備えるだけ。)(がここで問題なのは、練習相手も練習場所もない事である。元より、一人でも最低限体を動かしたいが流石に寮の部屋ばかり暴れるのも飽きるし、けれども人に練習風景は見せたくない。もとい技術の隠匿は鉄の掟と呼ばれる破ったら即刻死刑とされる、彼にとっては法律よりも100倍大切なルールであるから、所謂道徳だとか倫理的な観念から、人に練習風景は絶対に見せたくないのだ。現実的な話で行けば信用できる友人ならまだしも、見ず知らずの誰かに見られうるというのは論外だった。秘密を共有し切磋琢磨し合える都合の良いライバルだとか友人だとかは、漫画作品みたいに都合よくは出てこない。)「…!!」(という訳で、校内を探索したが成果はなし。流石に学園内で誰にも見られず、そこそこ広くて放課後に一人で過ごせる都合の良い場所なんてないのかしらと諦めかけながら歩いていると、気がつく。普段は閉まっているあの屋上にどうにかこうにか侵入できれば──と。)「…!!」(という訳で、校内を探索したが成果はなし。流石に学園内で誰にも見られず、そこそこ広くて放課後に一人で過ごせる都合の良い場所なんてないのかしらと諦めかけながら歩いていると、気がつく。普段は閉まっているあの屋上にどうにかこうにか侵入できれば──と。)
坂入 縁>
――――“学校”という“自由”と“平等”を極めた、掲げた機関はないだろう。そして、これほどこの自分に適した居場所はないだろう。同年代及び異年齢の多種多様な人々が、一つ屋根の下学業を、活動を、生活を共にする――。『博愛』を好む自分にとって本当に居心地が良すぎる。良すぎて心地よいくらいだ。――――この世界の情勢など、あまつさえ我らが“先駆者”の一連の騒動なども忘れてしまうくらいに――――。“分け隔てのない”環境、“同じ”志を持つ者が集まる学び舎、、、。ここ数日過ごしている中で、中にはこの環境、システムを快く思っていない者もいることが判明したが、まあそれも様々な人々が集っている証拠だろう。多様性は認めなければ。また“予想通り”だが、容姿といいこの非凡な頭脳や穏和に努めている人柄から、『学友』と呼べる存在もできてきた。――――まあこの“自分”が人望に恵まれるのは、めっぽう当然のことだが。本当に。自分としては充実し過ぎていると過信している今日この頃ではあるが、などと我を顧みていられたのはそこまでだった――――。彼を――――校舎を見上げて、その華奢な身体に似合わぬ、武骨な縄を肩に引っ提げて、整ったその端正な顔をしかめてまで何かを企んでいる――――裏庭の木陰から垣間見るまでは。、、、、、、、あまりに日常にも“彼”にも合わないこの状況に素直に困惑する。この学園の生徒だとは思うが、まさかとは思うが、何か良からぬことをしようとしているのではーーーはたまたこの“居心地の良い”場所を害することでは――――。我ながら杞憂が過ぎると思うが、念のため声をかけてみることとした。 (5/11 01:32:45)
真>
「……。」(暫くは返答がない。何故なら、自分に声をかけてきているとは全く思わないからだ。)(その間、実に凡そ13秒。腕を下ろせば『よし』と小さく一言。何が良いかは彼もよくわかっていない。徐に校舎に近寄れば、ここでようやく気がついてふと気配に振り返る。)「あ、こんにちは?」(排水管に足をかけながら、周りを見渡せば別に人もいないし自分のことだろうなあと思って、一応は挨拶を返すのだった。不審者に声をかけた側の感情とは裏腹に、実にお気楽な返答であった。)「こんな所で、何か御用ですか?」(排水管の強度を両手で持って揺らしてみたり、体重をかけてみたりして確認してみるのである。全く悪びれないという事は、人に何か説得するにあたって大きなアドバンテージになりうる。それは全く自然に普段通りに振る舞っているから、見ている側に『ああ、普通のことなんだ』と錯覚させるからであり、人はやはり他人の顔やしぐさ、挙動から相手を評価するのである。尚、この場合も該当するかまで彼は深く考えていない。なぜ話しかけられたのかまで考える間も無く、どう登るかしか今彼の頭にはない、ある意味凄まじい、見上げた没頭を発揮しているのだ。) (5/11 01:57:15)
日満寺 虹架>
「ということで、今日の個別任務は此処だね、エニシくん張り切ってこー!」(時刻は夕刻、未だあまり交流の無い二人が今回向かったのは歓楽街の裏通り、頻出するカミサマやガラの悪い大人たちがなにやら問題を起こしているらしく、それらを何とかするのが彼女と君の今回の任務なのだが、…探索1回目、特段なにも起きなかった…もう少しだけ進もう。)「ホントに此処で合ってるのかな…?」(彼女は自ら先頭を歩み特殊な感性で壁の落書きなどを携帯端末により画像を取りながらやや不安になる様な言葉を漏らす。彼女の愛用するレックスブーツはジャリジャリとスパイクでアスファルトをやや削りながら確かにその足取りは先へと進んでいく。) 探索2回目、インボルバーと遭遇! という事なので縁くんは https://eliade20.1web.jp/45954/45969.html が路地裏に出現したロルから回すのだ!!! (5/13 01:26:32)
坂入 縁>
「ああ、そうだね、よろしく頼むよ。虹架ちゃん。」(彼女のその今日夕焼けに照らされた屈託のない笑顔に微笑みかけつつ、その明るさとは対照的な仄暗い夕闇に閉ざされた“そこ”に視線を移す。こんな純粋無垢な少女に、このような荒廃やら衰退やらの文字が浮かぶような場所は不似合いだ。「……大丈夫かい?気を付けてくr……」不安そうな声を漏らす彼女の目前に、突如として“ソイツ”―――インボルバー――――が現れた。「……ッッつ危ない!!!!よけるんだッ!!」―――おどろおどろしいソイツの肉体……否存在から間一髪で逃れとりあえず距離を置く。一目見た時はおおよそ自分と同じくらいであったその素体は、この狭い路地の中で見る見るうちに自分のほぼ倍ほどの巨体に肥大化していた。変異性のある個体なのだろう。ひとまず死角に入り、相手の様子をうかがう。――――どうやら生物としての感性や機敏性はあまりないようで、まだこちらには気づいていないことはおろか、迫ってくる様子も受け取れない――――。個体の特徴はおおよそ自分の記憶の知識通りである。「……ふう………さて、どうしようか。これ以上の形態変化や状況の悪化が現れないうちに、生け捕りとでもいきたいところだけど…」と、彼女の返答を待っていると、「第三者」の声がした――――声の主はおそらく“ソイツ”だろう。辛うじて言語体系を成していると推測したが、言語コミュニケーションとして成り立っているのか、未だ判断はできない。 (5/13 02:20:49)
日満寺 虹架>
「うぁ…っ!?」(君の声を聞いて咄嗟に飛び退く、そこに現れたのは写真などで見た事のあるインボルバーというカミサマである。初めて見た実物は写真よりも大きく、進路を塞ぐようにゴムが擦れるようなビチビチと云う不快な音を鳴らしながら排気口からにじみ出てきたように見える。)「……ど、っ…どうしようか……確か、ええと、逃げるか生け捕り、あと、圧し潰す事で討伐も出来たはずだけど、あの見た目なら400kgくらいの圧力が必要なんじゃないかな……」(ぼそぼそと小声で君に声を掛けながら、ゆっくりと後ろに後退しながら距離を取る。とりあえず、研究データを蓄積する為に携帯端末でその動画をデータに納めながら君に選択を委ねるだろう。捕まえるか、逃げるか、はたまた討伐するか。これだけの大きさの物ならば討伐か生け捕りにして治安を守る事を優先したいところだが、あまりにも戦力が低すぎるこちらは能力に頼る他ない。合計385kg分の重量もしくは威力で攻撃する術を彼女は持っていないのだ。) (5/13 02:35:53)
坂入 縁>
貴重な研究データを収集してくれている彼女に気を配りつつ、相手の出方を見計らう。――君の言う通り、討伐にはそこそこの圧力が必要なことに違いないだろう。――――“人間じみた”喜怒哀楽千差万別の“表情”を千変万化に浮かばせるインボルバーに、――――今の僕らでは、手も足もでないということだけが自明だと判断した。「…………僕としては、……ひとまずは今後の調査、討伐及び研究資料のために、データ収集に努めたいところだな……。僕の記憶が確かであるなら、インボルバーは吸収した脳細胞の影響により、言語体系を持つ個体があると聞いている………。先ほどから微かだが、その片鱗が確認できるようなんだ。……僕はいつでも動けるようにしておきたいから、君は情報収取に専念してくれ………………惜しいけどね。今の僕らには“安全”が最優先事項だろう。……」――――まあいざとなれば彼女の盾となる覚悟はできている。 (5/13 03:11:06)
日満寺_虹架>
「その、ええと、…じゃあ……、ハロー…?」(君の難しい言葉を何とか噛み砕きながら出した答えはつまり、話しかけて言語活動を試みろという事だろうか?という憶測であった。君の選択は現代社会の在り方に実に当てはまるものだろう。インボルバーに言語体系を持つ個体が居るのが事実だとして、その中にまだ自我や意思があるのならば、そしてその意志や自我が理性によって人類の害にならないのだとすれば、カミサマとの共存を選んだ我ら人類にとって無為に“攻撃しない”のが最善策なのだ。だが___インボルバーから放たれる言葉は確かに人語の片鱗が見えはするもののそれがコミュニケーションの為に放たれた意味のある言葉だとはとても思えないだろう。支離滅裂な単語を途切れ途切れに放つその肉塊と理解し合う事は恐らく現段階ではあまりにも不可能らしかった。)「えー、」(ずるり、少しだけインボルバーがこちらへと身悶えながらにじり寄る。)「…あと、その、」(ずるり、)「ぐーてんたーく?」(ずるり、ずるり、)「ぐーてんもるげん?」(ずる、ずるり、ずるり、)「ちんじゃおろーす、…じゃなくて、なんだっけ、」(徐々に近づいてきたインボルバーはまるで獣が大きな顎を開くかのように縦にギチギチとその身体を伸ばして、今にもこちらを圧し潰さんと倒れてくるのも目前だ。)「あの、えーっと、えーっと、……中国語でこんにちはってなんて云うっけ、エニシくん?」(だというのに彼女はとにかく言語を絞り出す事に集中し過ぎて相手の攻撃の予備動作にも気付かずににへらぁっと少し恥ずかしそうに君の方に笑みを浮かべた顔を向けて小さく首を傾げるだけだ。今まさに、インボルバーはその400kg近い体躯をこちらへと傾けて、あとは重力の自由落下に任せ__________)>エニシくん (5/14 21:03:06)
坂入 縁>
何を思ったのかドイツ語で挨拶を交わそうとする彼女にソイツの影が落とされる。ずろりずろりとその愚鈍な図体を前にしても果敢に挑もうとする姿勢に感服するも、今、どう考えても、我々が、窮地一歩手前、否、窮地が文字通り“目前”に迫っているのは確かである。――――「…すまないね。失礼するよッッ」―――またもや屈託のない笑みを向ける彼女の顔が驚嘆の表情に変わるのを横目に、腰のあたりを横抱きにして数メートルほど後方へ退き“回避”する―――― ただでさえ狭く陰惨としているこの場所で、ほんのつい先ほどまで我々がいた所に、ずおおおおおおおおっと粘質性のあるマグマのような巨体を落としてきたインボルバーから、彼女を守るにはこれが最善と判断した。――――あと数秒、数センチ、遅ければ、近ければ、どうなっていただろうか――――。右腕に抱えた彼女から凄まじい驚嘆の声が聞こえてくるのに、咄嗟の行動とは言えど、年頃の女性に対する行為としてはいささか申し訳ないと思いつつ、彼女のことを鑑みて大事をとってすぐに退避せずに、データ収集を頼んだ自分の判断に一番非があるだろう。――――――「――――ここまで来ればとりあえず安全は確保できるかな……失礼したね、ケガはないかい………?」先ほどできたものだろうか、足首のあたりに軽度の打撲痕が垣間見えた。「――っつと、そのケガのこともあるから、今回のところはこの辺にしておいた方が良さそうだね………」「もっと早めの段階で判断すべきだったね、勝手な判断から君に頼んでしまって申し訳ない。…………」こちらの謝罪に対し、目線を下げて真摯に受け止めてくれる君を見ると……やっぱり………君にはあの“屈託のない笑顔”がお似合いだ。「ああ、……まあ、さっきの質問の答えだけど、北京語で“こんにちは”は『您们好』ということだけ言っておくよ」 (5/14 22:00:46)
日満寺_虹架>
「ひッ!?!?_____っぷぇ、ッ!」(君が咄嗟に動いたのを見て目を丸く見開きながらぐわんっと身体が横薙ぎの圧力に振り回される。遠心力でつぶれるような間抜けな声を出しながらそれが抱えられているのだと気付いた頃には今まさに自分たちが立っていた地点が肉塊に沈んでいるではないか。命拾いしたと気付いたのは更に君に開放してもらってからの事だろう。)「あ、っぶなかったね…!?」(目を白黒させながら胸元の服をぎゅっと掴んで鼓動を抑えようとするがばくばくといつも以上に駆け足で脈動する心臓からは自分がいま生きているという事を知らしめられる。興奮のせいでもはや足首の痛みなど感じるまでも無かった、インボルバーが伏した時にアスファルトが剥けて瓦礫が飛び散ったあの瞬間、きっとそれが足元に命中したのだろう。)「大丈夫だよっ、あの、ありがとうね、エニシくん。___んぁ、そか…にんまはお…?か、なるほど…」(博識な君に素直に感心しながらうんうんと頷いて覚えたと自分に言い聞かせるが、…きっとそれほど記憶力は良くないはずだ、いつかまた君がそれを教える瞬間が来るかもしれない。________探索3回目、)「とりあえず、順路を変えて、気を取り直して、行こうっ!やぁー!」(彼女はそんな言葉を漏らして腕を上へと向けて突き上げる。えいえいおー、みたいな事を云いたかったんだろうけれど、どこかの筋肉芸人の様な掛け声を放ってしまうのだ。そんな声を聞きつけてか、後ろから革靴を鳴らしながら近づいてくる足音がある。振り向けばそこに居たのは4人ほどのガラの悪い男だ。) 『元気だねえ、お嬢ちゃーん、でも此処遊ぶにはちょっと危ないからさ、もっと明るい所で遊ぼうか』『俺達もっと良い遊び場知ってるからさあ』(どうやら彼女に気が在る様で、良い慣れた口説き文句を吐きながら彼女の腰を抱き寄せて側腹部へと指を這わす。じ、っとガラの悪い男たちはまるで邪魔者を追い払う様に君を睨みつける。) (5/14 22:24:49)
坂入 縁> 1D3 → (1) = 1
日満寺_虹架> 1d3 → (2) = 2
坂入 縁>
曖昧模糊な彼女の返答に少し苦笑しつつ、その裏通りを後にする。腕を高く伸ばしつつ士気を高める彼女の底抜けの明るい声も、もう耳に馴染んできた。気を取り直して、と、思ったところで、背後から人の気配を感じた。成程治安の悪さからかろくでもない輩もいるようだ。馴れ馴れしいその体裁や浮ついた声が本当に、めっぽう耳障りなこと、この上ない。――――取るに足らないような存在と、同じ土俵にたつようなことは、自分の信条に反するkとおだが――――彼女への態度やその無礼千万な目つきは、“買う”理由に十分足りるものだった。……「――――すみませんが、先を急いでいるので、」――“一応”敬語で返す。先攻を取るのはポリシーに反する。あくまでも、できるだけ、“穏便”に、対応したいものだ。――――“手”を出すのは“仕方なく”に越したことはない。さっきみたく、先ほどのように、後攻でも――――――――“手遅れ”にはならないだろう。 (5/14 23:32:33)
日満寺_虹架>
「ごめんねお兄さんたち、そういう事だから…」(うへぇ、なんて顔をしながらそーっと男の指を摘まみながら手を解き、君の方へ小走りで近付けばその手を取って路地裏の奥へとそのままの勢いで向かうだろう。終始苦手な野菜に対する扱い方と同じような表情と接し方をガラの悪い男たちに徹底していた彼女は君にありがと、と小さく囁いてその奥へと進むだろう。_______探索4回目、特段なにも起きなかった…もう少しだけ進もう。 探索5回目___________)「あぁぁ…そうだよねえ、カミサマばっかりじゃないんだもんね、此処…もうちょっと警戒しとかなきゃだなぁ…ふふ、でもまた助けられちゃったね。」(彼女はもう男たちが追ってこない事を確認しては申し訳なさそうに、それでいてなんだか嬉しそうに君へと笑みを浮かべるだろう。…その時だった。聞こえる、…何かが、小さな赤子の鳴き声を、絶対にそれが良くない前兆である事はきっと互いに察知する事が出来るだろう。あまりにも異様なその鳴き声はこの場所には相応しくない、ならば…ならば、……可能性は。_______『マスカレイドホール』と遭遇 https://eliade20.1web.jp/45954/47564.html (5/14 23:52:28)
坂入 縁>
別段礼を言われるようなことはしていないのだが、感謝の意をちゃんと口にしてくれるあたりに彼女のその温かみのある人柄がうかがえる。「ああ、……そうだね。まだまだ気は抜けないね………」(今となっては、この牧歌的な発言をした自分に、心底反吐が出る。そのくらいに、それほどまでに、自分の危機感のなさを、………呪うに値する……)――――あの“嬰児”の声が耳に入ってくるまでは、――――“マスカレイド・ホール”――――教科書にて目視するのと、いざ眼前に遭遇するのとではその差は雲泥の差だ――――。と逡巡する間に、『瞳』を見てしまっていた。“しまった”――――という時にはすでに遅いのは常套句。自分と―――おそらくは彼女も――――ライセンスの一つが変えられてしまっているだろう。“もう”逃げはできない。“最悪の状況”という文字が脳裏に見え隠れする……。『今度こそ』彼女を、――――――――――――平和の犠牲に値しない者を――――――――守らなければ。 ディスコード発動の準備も念頭に入れる。 (5/15 00:57:22)
日満寺_虹架> 1d3 → (3) = 3
坂入 縁> 1d3 → (3) = 3
八雲 錐>
「あ、縁くん。(昼下がりだった。)ちょっと一緒に帰らない?(ヒーローだった少年たちは、『最初から』に戻り行く世界の中で、ただの少年。高校生だった。)君って、甘いもの好きだっけ。(腕時計もベルトも、変身するための『スーツ』さえも、今の彼は持ち合わせていない。)…思えば忙しくって、どっか行くなんてこともなかったからさ。この節目に、高校生楽しまないとな、って。(各地からカミサマが、いなくなっている。憑き物が取れてきていた彼には、それは『吉報』だ。傍から見ればでしかないが、その傍にいる彼にとっては、間違いなく吉報だったのだ。)だからちょっと、友達作りしたりとか、といろいろ行きたいとこ行ったりしてみたいなって思ってさ…(あっさりと終わりすぎて唖然として疑念もないわけではあるまいが、言い訳にしてみるのもいいかもな、なんて。)クラスメイトの縁くん。どうかな、よかったら一緒にドーナツなんて買いに行っちゃうのは。(君と彼とは席が近かったのだ。運が良かったとするか悪かったとするかは、君次第だけれど。)それと、友達の縁くん。君をそう呼べないかな?(ともかく、学校の校門あたりで、彼は君を買い物に誘ったのだった。)」 (8/2 00:00:13)
坂入縁>
異国の生活にも幾分か慣れてきて、数週間前までいた故郷への懐郷の念も薄れてきてはいた。でも未だにカミサマのいないこの現状に、武器屋で買った、今まで持っていた拳銃やらナイフやらを持っていない現状には、どこか、まだ、慣れそうにない。それに正直な話、今までロクに友達らしい友達もいなかったし、大体のここでの日々を一人でぼんやり散策やらなんやらするくらいでしか過ごしていない気がする………………なんだかんだこうしてカミサマもいなくなった今、“ヒーロー”という肩書きが取り払われ、ヨスガという『彼女』の名前を取ったヒーロー名前も呼ばれることもほとんどない。“高校生”という学生の肩書きに、そこまで価値やら何やらも見いだせないままではいる。まあこんな自分でも気に障るような不満もない。――――――――――――――――ともすれば、聞きなれた声が後方から聞こえた。振り返ると、ガタイのいい金髪の彼の姿が目に入った。「…………やあ、君か。…まぁ良いけど、」――――甘い物、か、別に好きでもないし、嫌いでもないが、彼とはあまり任務やら位でしか関わったことがない気がするので、この際、という感じではある。「僕は別に大丈夫だよ。“君が行きたいのなら”そうするさ。」(やっぱり自分の“感情”を出さないようにするクセが、抜けないままではいる)多分、愛想の悪いやつには思われてしまってはいるだろう。何分、まともな人付き合いはしてきていないのが正直なところだ。“模範解答”を探してしまっている。「ああぁ、好きに呼んでくれて構わないさ。八雲くん。」そう言って、彼と歩みを並べることとした。 (8/2 01:26:28)
Yuri・Annabel>
( きっと、穏やかに眠れている人の数が常時よりちょっぴり少ない夜だった。屋上から眺めた祭りの灯りはとうに潰えて、ネオン街の眩さだけが網膜を焼く。眺める景色、吸い込めば感じる異国の香り。この国に着くなり図書館に籠っていたものだから、実は初めて感じる物達。あぁ、良かった。まだ見ていなかったこの景色、この香り、人々の営みが消えてしまわなくて。……良かったと思えるものを守れたのに、穏やかに眠ることができないのは、蹴りあげた緑の石の硬さを、足先はよく覚えているから。『 ……………ヒーローって大変だね、べる。』真っ暗なスマートフォンの画面を、淡い青色の燐光を纏う左手がそっと撫でる。返ってくるのはどうせろくでもない返答だ。だから、電源を入れるなんて真似はしないけれど、しかし問い掛けるにはいい暗闇だった。ピクリ、と。ルクレルク人特有の。けれどそれより伸びた、まるでロップイヤーのような耳が捉えた音に震えを示す。眠れない人が多い夜、こうして一人の時間があったのはある意味奇跡であることは分かっていた。『 ……こーんばーんわー。先客ーしてたよー、えーとー?えにしくんー、だっけー? 』夜の景色に背を向けて、ゆっくりと瞬いた瞳は見詰める。任務で時折見掛けていたのとは変わった姿。記憶を引っ張り出して合致させるのはなかなかの難易度で、しかし不可能なことではなかった。)(8/19 01:44:27)
春透 /坂入縁>
ちらちらと網膜に反射する異国の摩天楼に目を細めては、この景色を、この生活を、ここで暮らす人々を、守った、否“守るという選択肢を選んだ”という実感も未だに湧かないまま、うつらうつらと時間をつぶしている。夜は好きなほうだ。明るいのは、眩しいのは、輝かしいのは、性に合わない。とてつもなく。こんな自分と、真逆のように、とてつもなく似合うのは、……………また“彼女”のことを考えては、ぼんやりと屋上の方へと足を進める。正直、この姿を人に見られるのにまだ抵抗もある。……………という思考に反してどうやら先客がいたようだ。間延びした声の方に目を向けると、闇夜に溶け込むような、それでいて、生に呼応するかのように、ホログラムの部位がゆらゆらと動いているのがわかった。長い耳や、左半身や目のそれは、通常の人間にはありえないものだが、間違いなく、それは彼女であった。彼女だと信じたかった。「―――――――――――何してるんだ。ここで―――――」なぜか普段のあの人の良い“仮面”を取っ払ってしまったような、不愛想な返事をしてしまった。しまったな、と思いつつも、もうそれすらもどうでも良いと思っている自分がいる。今くらいは、“日の目”を浴びていない今くらいは、せめて、“普通の人”でいさせてはくれないだろうか (8/19 02:13:38)
Yuri・Annabel>
間違ってないみたいでー、なによりー? ………なにとー言われましてもなー ( 肯定されたわけではないけど、否定もされていない。ならその無言は肯定と見ていいだろう。それに、どちらかといえば目下の問題は、貴方の名前が合ってるか、よりも、勘違いでなければ若干の敵視を向けられていることになってしまった。まさかカミサマだと思われている、なんてことはないだろう。同じ任務、同じ現場に居たのだし。立ち入り禁止区域………であった気もしない。そも、止める人が居ないが悲しくも正解かも知れないが。……ふむ。『 寝れないからー、のんびりーゆったりー?おせんちなきーぶんーとやらにー、浸ってたんだよー。はーい、そんは君はー? 』分からないなら本人に聞けばいい。有り難いことに、今はなんと対話するだけの時間がある。両腕を伸ばしてくるくると、話しながら踊るように回りに回って。指先から散った蒼い光が身にまとわり付く。まるでホタルのような、或いは光源を持った雪のような灯りは脆く、一秒もたたずに空気と馴染んだ。) (8/19 02:26:00)
春透 /坂入縁>
こちらの質問に、またもやあの特徴的な、間延びしたしゃべり方の声が返ってきた。―――――なにとー言われましてもなー―――――どこか遠いところに目を向けながら思案している様子である。多分、こちらが“その”姿について何も指摘しなかったのが気になるのだろうか。……………いつもの学生としての姿とは大きくかけ離れた“こんな”姿をしているのはまあお互い様、であるだろう。あと、こんな話し方をする知り合いは思い出す限り、記憶の隅に一人しか出てこないし、任務等でちらほらあの電脳のようなディスコードを見かけてはいた。まあそれとも――――――――――今くらい、“素”でいたいのも、お互いさま、だろうか――――――――――『おせんちなきぶん』とやらはつかめないが、聞かれてる分には答えようかと。「…………いや、特にこれと言った用事はない、……………暇つぶし程度だ、所詮」。指先から放たれた光源を目で追って口を開いた。「―――――その体、支障は無いのか?」こうして言葉を交わすのも、暇つぶしくらいにはなるだろう。今の自分にはそのくらいの興味しかなかった。 (8/19 02:57:46)
Yuri・Annabel>
そっかー、そうかー ( どうやら罰せられることはなさそうだ。それだけでその返答に安堵して、無愛想さは気にもとめず。うんうんと頷く姿は、そうかそうか、そういうこともありますな。と賛同しているかのようでもあった。問い掛けにびたりっと回転が止まる。勢い余って腕は簡単には止まれずに、ほんの微かな打力を残して。それは燐光にも現れていた。『 ちょっとー気持ちー悪いー?けどー、それだけー、かなー? うんー。指先が消えた訳でもーないしー、物はねー、普通に掴めるんーだよー。 』両手をぐぐぅ……………ぱっと、握ったり、開いたり。カミサマ化した左手と、人のままである右手。それらの動きはどちらかが不自然ということもなく、ただ、加工された映像であると言われた方が自然であろう程に現実味は存在しない。一見すると、被害といえるようなものはそれだけで、細胞が変質したことによる違和感だって、きっといずれは馴れてしまうのだろう。馴れて良いことでは、個人的にはあまりない。けれど人間、大抵のことには馴れてしまえる生き物だ。『 気になるーならー、触ってみるー? 握手ー、的なー? …あと私としてもー、そっちはどうなのかとかー気になるなー? 』価値観、判断力の物差しの値を変えてしまわない為にも。すすすっと差し出された掌は間違いなく人の形をしていて、瞳は興味深そうに、貴方のことを見詰めていた。) (9/3 01:22:15)
春透 /坂入縁>
否定的な印象語から口にされたのが意外だった。彼女のその燐光を纏って動く腕を見ている限り、機能性の面を聞いている限りだと大方支障はないように思えた。――――――――表面的には。では、内面的には、どう『思って』いるのだろう………………“ヒーロー”であるが故にその身に降りかかった、被害とも代償ともいえるその容貌を……………自分の中で、単なる暇つぶしであったはずが、徐々に彼女への興味と関心が芽生え始めた。動くがままにそのホログラム化したそれを見ていると、【気になるなら】と、急に手が差し出された。「…………あぁ。」別段断る理由もないので厚意に応じた。差し出されたのは人のままである手。若干の視線を感じながら右手で軽く握る。―――――――想像はしていたが、ちゃんと“ニンゲン”の手をしていた。体温と、触覚から“生きている”ことが伝わる。半ば観察でもするようにそれに触れていたら、――――――――『そっちはどうなのかとかー気になるなー?』―――――――これは“こっち”の“カミサマ化”が“どう”か――――ということだろうか………………………まあこちらが先に尋ねたのだし疑問を抱くのは自然だろう。「…………まあ、見慣れてない人に誰かと聞かれるくらいで、こっちも特に支障はない。……………敢えていうなら、身体的な面だと、体格が変わったから前の身体に比べて、若干距離感にズレが生じることがあるのと……………」「――――――――火傷跡が存外痛む。それから……………」「正直、自分が一番この“変化”に対応しきれていないのが現状だな。……………鏡を見るたび、未だに気持ちの整理がつかない。」「…………君は、こうして、その体になったのを、どう思っている……………?」話慣れていないからか、調査報告のような話し方になったが、最後の方は愚痴のようになってしまった。ヒーローらしからぬこの態度に、君はどう思うだろうか。 (9/3 09:45:02)
Yuri・Annabel>
あーー、そうだよねぇー…………私も帰ったらー、聞かれるでしょうなー ( なんて誤魔化したものか、ぱっと思い浮かんだのはそんな事。この学校に入ってからヒーローとして気にかけている人は多く居て、その人達からすればこれはあまりに想像を絶する変化で。驚かれるだろうことは容易に想像が付く。続いた解答はぽつぽつと、以前の身体と比較しながら相違点を導きだしているようで、じっくり現状と向き合っている時間でもあった。『 ……ふむ、ふむー、痛み止めでなんとかなるなら助かるけどー、んー、大変だー………それからー? 』『 …………ふむー、むー、なるほどねー? 』繋いだいた手をそっと離し、また片足を軸にくるくる回る。軽く瞼を閉じて、くるくる、ぐるぐる、それはローディング画面にもよく似ていて、時間は2秒程度と案外短くして終わりを告げる。『 嫌ではねー、ないよー。もちろんー、良いとも思ってないけどーでもー 』ぴたっと止まって、導きだされた結論はそうだった。現状が快か不快か、良いか悪いか、どちらかをはっきりすることは出来ず、現状針は宙ぶらりん。『 私はー、…ちゃんとー、あの子の願いを壊した責任と言いますかー、守れなかった全員のことと言いますかー、そーいうのをー、……忘れたくないなぁってー、思うんだよー。 』否、はっきりさせてはダメなのだ。彼女のしたことは罪だった、けれど間違いではなく、元の願いは純粋だった。過去の歴史は悪だった、けれど今を生きる人達に何の咎があるだろうか。ヒーローは誰かの味方で、誰かの敵で、はっきりさせなきゃいけない立場で、でも、一個人としてなら、複雑に絡まったそれを一塊にしてしまわずに、それぞれを解いて大切に出来る。大切にしたい。彼女の願いを壊した責任の重さも、代わりに守れた世界の愛しさも、生まれてしまった尊い犠牲も、それはこの身体を見る度に、褪せることなく思い出せる事だろう。それは他より軽症であるから故かも知れないけれど。『 うんー、私はそうなんだよー。 』考え続けた問題の答えは、考え続けていい、そう結論を出せたなら、身勝手だけれど勝手にすっきり。なんだか憑き物も、おせんちな気分も落ちた気がして、万歳のように1度ぐぐぅっと身体を伸ばした。) (9/3 10:31:41)
春透 /坂入縁>
間延びした物言いとは対照的にクルクルと回りながら燐光を放つ彼女は、点灯を繰り返す切れかけの蛍光灯のようだった。その不安定さのように、彼女の返答もまた、曖昧模糊としたものだった。守れなかった彼女や、願いや、世界を、“忘れたくは”ない。――――『忘れたくない』という根底の思いには同感だった。だけど、彼女のそれと、自分の抱く“忘れたくない”とでは、“どこか”違っているのは何か感じていた。自分だって、あのときの出来事も、事実として、受け止めているし“仕方がなかった”として片付けたくはない。それに―――――この身体を、容貌の持ち主である、姉のことも、“忘れたくはない”。ヒーローになっているときの愛想のよい物腰や口調も、肩あたりまで伸ばした髪も、いつも手鏡を持っているのも、全部、死んだ姉を、あの日“犠牲になった”姉を、忘れないようにするためだ。戒めとするためだ。幸の向こう側には、いつだって何かしらの、誰かの不幸がある。その上に成り立っている、その上でしか成り立たないものだ、というのが、ヒーローをしていて今のところ導いた結論だった。「――――僕も、それを背負ってはいるつもりだ。忘れない、忘れたくはないつもりだ。――――――――でもそれで………………本当に“良い”のか、が、良く“分からない”。」「“忘れない”ということで、それらは、その犠牲や、失ったものは、報われるのだろうか、本当に、僕らは『許される』のだろうか………………」「俺は、君とは違って、“正解”が欲しいんだ。…………そうだな、ハナマルとか100点だ。笑えるだろ。」煌々とさんざめく君のホログラムに目を細めてそう吐き捨てる。評価が、教示があって然る身分だ。ヒーロー、といっても、僕らは所詮、一塊の“生徒”にすぎない。“学生”に越したことはない。たかだかその身分の僕らが、それらを背負ってよいのだろうか。―――――あぁ、ただただ僕は、――――――――俺は、不安なのだろう。 (9/3 11:27:03)
Yuri・Annabel>
それはー、分かんないなー ( ぐるりと回る間も無く、それは即答だった。けして適当にあしらったからでも、思考を完全に放棄したからでもなく、考えるまでもない純然たる事実。回りかけの腕は勢い任せにふるふると揺れて、その癖ぶれない瞳だけはいやに真っ直ぐに貴方を見ていた。『 ……報われないしー、許されないと思うー。でもー、報われる人も居るしー、許してくれる人もー居るとー思うー。皆ー思考回路はー、色々なんだよー、十人十色ー?』 正解を欲していない、或いは、数多の角度から見れば正解なんて存在しないと思うが故の思考だろうか。当たり前すぎて態々そんなことは聞いていないとまで言われてしまいそうな解答は、それでも思考の芯だった。それでも、そんなことと軽んじてはいけない当たり前だった。『 自分のことを採点できるのはー、自分だけじゃあーないかねー? あとそー、迷ったときはー本を読むといいよー、本、いいよー』ちょっとだけむんっと唇を尖らせて、なんかちょっと良いこと言った?と誇らしげなのがたまにキズ。ただそれでも、背負うと決めたのだ。数多の意見を、自らの力不足を、人生の採点、正解の選択を、〝ヒーロー〟として。) (9/3 12:00:01)
春透 /坂入縁>
「、いや、まあそうだろうけど、――っ。」またもやふわふわとした間延びした声の回答が間髪入れずに帰ってきて、からかわれているのだろうとバッと彼女の顔を見上げると―――――蒼く燦燦と照らすその目は純朴に自分を見据えていた。その目には、呆れも、からかいも、憐れみも感じられず、ただ淡々と事実を伝える様だった。………………彼女の口から語られるそれは、柔らかな口調で包まれてはいるものの、全てを捉えているようなものだった。そこにはただ、彼女なりの“覚悟”と、“責任”が、感じられた。――――――――多分、おそらくだが、自分に足りていないのは“それ”だろう。たとえ“それ”が、その選択が、行為が、思考が、間違っていたとしても、許されないものだったとしても、取り返しのつかないものだったとしても、――――――――それが正しいか、正しくないかは“自分自身”が決めるもの、だということ。“覚悟”と“責任”を持って、それを“認める”ということ。――――――パラドックスのようだが、今の自分にはこの“正解がない、という”答え“が、一番しっくりきているような感じがした。『憑き物』がとれた、というような……………「採点……か、なら、ヒーローとしての俺は、まだ及第点以下だろうな。」と苦笑しながら呟く。言ってもまだ『完全』にとれた訳でもない。まだ燻ってはいるのが現状だ。「……………本、か。なるほど。?」なぜか誇らしそうな彼女の表情をみて、疑問形になった。……ならば、「……………なら、ユーリのオススメの本、なんかあるか?」 (9/3 12:25:29)
Yuri・Annabel>
( ぱちぱちと2度瞬いて、その質問は今日1番の悩み所だった。くるくる回ることはなく、腕が振られることもなく、ただじっと眉を寄せて真剣な顔付きで考え込む。漸く口を開いたかと思えば、困ったようにまた悩みだして。ギギギと後ろ髪引かれる思いで重たく紡がれる言葉、それでも一言で紹介すると満足げにうんうん、と頷いた。『 …………………私のおすすめはねー、んー……………むーー………断トツはーファンタジー系………だなー。人の子が迷い混んでー、冒険するお話がねー、好きー 』『 カミサマ以外の不思議な出来事ー、ロマンがあってねー、使われてる道具とかー食べ物とかー、そういうの色々神秘的で素敵なんだよー、………あぁでも、 』『 世界がこうなる前のねー、資料とかー、その頃に書かれた本とかもねー、いいんだよー?今と同じところとー違うところがあって興味深いしー、その分読むのに時間かかっちゃうけどーそれも楽しみというかねー。構造系に興味があるならー、物の解剖学の本もー面白いと思うしー、建築のとかもねー、身近なものってこうなってたんだなーって分かるのがねー面白いよねー。なんやかんやー、カミサマの調査資料とかも興味深くて好きだしー、1番はファンタジーなんだけどねー、でもー他にも面白い本は沢山なんだよー。 』ぴっと立てた人差し指をるんるんで振って、ご機嫌に語っていた口はもごもごと濁りを見せる。やはり引かれる後ろ髪を立ちきることは出来ておらず、湧き水のように止まることなく語る語る。…ふんにゃりと緩んだ目元は見るからに楽しげで、恋する乙女のようだとも言える。けれどいつだって、恋も乙女も暴走するものだ。『 今度ー貸すー?オススメの本ー。好みに合わせて厳選するよー? 』固めた拳は気合い十分、やる気にメラメラと瞳と魂が燃えていた。) (9/3 12:48:52)
春透 /坂入縁>
また腕の閃光が見られると期待してしまってたので、見目好い顔立ちを少ししかめてうんうんと熟考してくれているのが意外だったけど、こんな自分のために考えてくれている点ではありがたかった。選りすぐられて出された答えは“ファンタジー系”――――所謂“空想”のお話。学術書やら専門書くらいしか関わりがなかった自分からしてみれば、中々手をだしにくいジャンルだな、と思っていたら、『あぁ、でも―――――』と、先ほどとは打って変わった軽快さで言葉が紡がれる。あぁ、本当に本が好きなんだな、と思いつつ、“『知識を愛している』”が故のその知見の広さに心惹かれる。……………と、同時に、好きなことになるととたんに熱くなるその様子に、姉の面影を勝手に重ねていた。―――――あの時、生きていた時、もっとちゃんと聞いていれば、な、と惹かれる後ろ髪を断ち切れないままでいる。――――気づけば彼女の顔が近くにまで迫っていた。そういや彼女も一塊の“ヒーロー”である前に、“一人の女の子”である。否、どこか闘争心を漂わせるその表情と、固く握られた“拳”からは、僕らがよく知るあの“真っ赤なヒーロー”をも思わせる。「……………あ、あぁ、そうだな。じゃあ、“ユーリ“先生のオススメ本を、お願いしようか。」などと、軽い口を叩いてみる。 (9/3 13:19:10)
Yuri・Annabel>
ふふんー、まっかせーなさーいー ( オススメの本をあれやこれやと考えてみては、それならこっちも行けるのでは?なんて連想ゲームは止むことなく。こんな時間にこれだけテンションをあげてしまっては、眠ることは厳しいだろう。けれどそれはそれでありだった。眠れない分、オススメの本一覧を組み立てる時間に割けるのならなんて素晴らしい事だろう。寝不足でへろへろ、なんて、ヒーローとしてはあるまじき事態なのだろうけど、それでも本へと向かう思考は避けようがない。『 楽しみに待つが良いよー、先生としてー縁くんもー本の虫にしてあげようー 』びしっと指を突き付けながら告げた言葉は自信満々で_______帰国した翌日、約束通り彼女は君に何冊かの本を貸すだろう。中には、続きが読みたいとなってしまうような長編作品まで織り混ぜて。/〆) (9/3 13:41:12)
Yuri・Annabel>
( 白のYシャツにシンプルな黒のベスト、同色のショートパンツから伸びた足のホログラムはタイツで覆われ、同様に両手には革の手袋が嵌められていた。髪はきゅっと高くで絞って、人より随分と長くなってしまった耳が見えてしまうけどやむを得ない。だってこの方が〝気合いが入る。〟寮の入り口で少女は拳を固め、ふんっと息も荒くガッツポーズの様に脇を締めて気合い十分。ちらりと入口を見ては、随分と手に馴染むようになった懐中時計を眺め───という行為を、一時間近く続けていた。一連の動作の中で、時折足踏みをしたり、くるくる回ってみたり、うんっと身体を伸ばしてみたり、そんな動作を混ぜながら、とにもかくにも落ち着きがない。というのも………寮の入口から出てくる人影、それが目的の人物であってはぱっと眠たげな瞳を覚醒させた。『 おはようー?こんにちはー?まあーどっちでも良いけどー、縁隊員はー本を迎えに行く準備はバッチリかねー? 』 たたっと駆け寄る足取りは軽く、無駄がない。そう、何せ今日は本を迎えに行く………基、色々な本を見たり買ったり、それ以外にも色々しちゃう日。けれどやっぱり大本命は本を見ることで、その為に並々ならぬ気合いを注ぐのは彼女からすれば当たり前だった。) (9/11 23:49:20)
坂入縁>
出かける前に、今一度玄関先においてある姿見に目をやる。そこに映るのは、未だに二年前に亡くなった“彼女”の面影である。体格に加え、趣味嗜好までも当時の“彼女”に似つつあり、そのあたりは慣れてきていたが、この顔だけはまだ慣れそうにない。違和感を抱きながらも、今日も財布と腕時計を持ち、いつも来ているコートとスラックスの服装で出かけるとする。色々拘りを持たないようにしているつもりだが、“彼女”の影響か、普段は持ち歩かないようなハンカチやティッシュに加え、化粧直しのコンパクトやいくつかの飴玉などのはいったポーチも、無意識のうちにコートのポケットの中に入れてある。それはさておき今日はユーリとの約束のある日。大方時間があれば、普段は一人で大通りなどに行っては人の行動やらを観察するのが趣味だからか、こうして誰かといっしょに任務以外ですごすのは新鮮な感じもする。と、思いつつ待ち合わせの寮の入り口には、“準備万端”というような彼女が立っていた。「――――――あぁ、おはよう。今日はよろしく、」「…………迎えに、か。まあ目ぼしいのがあったらいいな。」……………いつものごとく“愛想良く”ふるまおうとも思ったが彼女の前では一回素を見せているんだったなと思い、少し口数も少なくなった。「……………じゃあ、行くとするか…?」 (9/12 00:29:05)
Yuri・Annabel>
本の懐はねー、深いんだよー? ( それはめぼしいものがない訳がないという本への信頼及び自信。ぴんと指を立てて語りかけたが、貴方の出発のサインに時は金なりをはたと思い出せばその指はみるみる内に萎んでいった。『 んっん、そうだねー行こうー。 今日はー、一先ず3つの本屋さんに行ってみようかなって思うんだよー。1つ目はモールの中にあるおっきな書店でー、2つ目は商店街にある古本屋さんー、最後にー個人で出版されているものを扱ってるぅ本屋さんー。定番とー、お宝発見の2つで行ってみようかなーてねー。』いざ出発となれば足取りは軽やかに。道案内をするように、歩幅は半歩先を行く。そうしながら3つ指をぴんと立てて、彼女は貴方の顔を覗き見た。1つ、2つ、3つ、場所を話す度に思い浮かぶ書籍の数は多く、それだけでもう夢見心地。無限に上がる口角に、置いていかないように気を使っている足取りは正直な所走り出したくてしょうがない。それに呼応するように、長い耳の端がぴこぴこ揺れていた。1つ目までの道のりは貴方でも馴染み深いものであっただろう。徐々に増える人通り、休日だけあって車も多く、着いたモールの駐車場はみっちりと隙間なく埋まっていた) (9/12 00:49:13)
坂入縁>
「……………本屋だけで三か所も行くのか…?」本を選ぶくらいだろうという感覚でいたのでその意気込みは予想外だった。最後に出された古本屋以外は行ったことはあったが、その拘りから察するにそれはもう“本”目当てというよりも“本屋”目当てではないか。などと思いつつも、彼女の軽い足取りに合わせて歩みを進める。ふわふわと本へ思いをはせては胸を躍らせる彼女を見ていると、特徴的な耳も相まってか、身長的な差もあってか小動物の様が思い起こされる。しばらくすると目的地にはたどりついたが、予想はしていたが中々の人混み。「……今日はさすがに混んでいるな…」他に本屋はあるというのに、こんな人混みにもお構いなしに闊歩する君についていく。「何か目当ての本でもあるのか…?」一応なんとなしに聞いてみる。 (9/12 01:24:38)
Yuri・Annabel>
( ぐるんっと勢い良く振り返った彼女の瞳は困惑していた。けして本屋だけでも、3ヶ所もでもない。なんなら書店によって力を入れている出版社の本は違うもので、写真集を多く扱う書店もあれば全く扱っていない書店もある。料理人が違えば味が違うように、本屋によって取り扱う本のレパートリーには違いがあるのだ。金魚のように唇を戦慄かせて、とはいえ、これが常識でも、常人の感覚ではないことも、……流石に、流石に、分かっていたから。『 ………売ってる本がね、違うんだよー。こういうところの本屋さんはー、うんー、大体の本があるねー、けどー、古い本はもう売ってないのとかもあるしー、小さな出版社さんの本だとー売ってないことも多いんだよー。そーしーてーーーっ、そーいう本はー変わったものが多いのさー 』なんとか語尾を伸ばして、ゆっくり、ゆっくり、捲し立てないように言葉を紡ぐ。語り終えた頃には息を吐き出して、さながら、煙を吐き出す蒸気機関車だった。人混みの多さもなんのその、小柄な体とヒーローとして培った洞察力を無駄遣いして、通りやすいルートを模索する。彼女の後ろを付いていけば、一先ず人混みに呑まれることはないだろう。『 この中の5………7割はきっとー、本を買いにね、来た人だよー。』盲目に、そして自信は満々に。恐らくそんな訳はない。『 今日の目的はー……………取り敢えずー、縁くんのお眼鏡に敵う本を見付けることーだけどー、………………全部の棚は、見たいなぁ…………。 』到着した本屋は学校の図書室よりは広く、そして街の図書館よりはやや狭く。ただ入口付近だけでも所狭しと新品の服を着た本が並んでいた。それを見てしまったらもう、大好物の餌のパーティーを前にお預けさせられている犬でしかない。貴方と本棚の間を視線は忙しなく移動して、一応リードを預けてはいた。暴走する自信があるために。) (9/12 01:43:00)
坂入縁>
彼女の本への愛を語っているのを、はあ、だとか、へぇ、だとか曖昧な返事を返しつつ、人混みの中をまるでレールが引かれているかのように、すんすんと速度を緩めない彼女のその小柄な体を見失わないようにしてついていく。もう少しゆっくりでも本は逃げないだろうに。と小言を言いそうになったが、言ったところで彼女の耳には入らないだろう。あの長さからして、“届かない”のではなく。―――――このエリアの半数は本目当てだと豪語するその目には、書籍たちはどう映っているのだろう。まるで宝物を見つけたかのように、目を輝かせては周囲の本だなを眺めているにも関わらず、なおも“自分へのオススメ本を探す”というミッションを遂行しようとしてくれているのが、有難いやら、ここまでくると申し訳ないやら。「―――――まあ俺は俺で何か適当に探したりしているから、君の好きにしてくれて構わないぞ………………ただ、まあ見失わないようにはしたいから、どの辺にいるかとだけ教えてくれたら………」この声も耳に入っているか定かではないが、彼女のその知識への愛情を止めるすべは持ち合わせていない。というか止めるのが無礼にも思えてきた。――――――にしても、と、先が思いやられつつあるが、自分も本棚へと視線を移す。なにぶん彼女のオススメしていたファンタジーやらフィクションやら……………いわゆる文学作品とやらにはとんと手をだしてこなかった者である。読書の習慣こそ少なかったが、見てきたものを挙げるなれば、学術書、新書、研究誌、参考書などなど。おおよそ彼女の好みとは合わないジャンルだろうが、この際だから、という体なら彼女の好みにも手出しできそうだ。「とりあえず、あの辺の学術書あたりの棚にはいる、とだけ言っておくぞ。」そういって彼女の視線の先とは反対方向に移動しようとした。 (9/12 02:17:07)