レフバ>
______キーンコーンカーンコーン........._________
チャイムの鳴る音がした。一体いつの時間を知らせるためのチャイムだろうか。朝学校に来てからほとんどここにいるので、もうどれくらい経ったのか分からない。今日は室内に籠もっているのには勿体ないほどに天気の良い日だった。大概の生徒はその本分を全うしているだろうから、図書室にはそれほど口を聞くわけでもない司書(大人なので)と長い時間二人きりであった。生徒の多くは授業を受けるのに特別疑問を抱いていないだろうが、この学校に編入される以前からカミサマの研究に一部携わっていた彼にとっては、初歩的なことを学ぶのは意味がないことだった。なので退屈を享受するよりかは、多少不良扱いされても結果的には研究に有意義なことをすれば良いと思い、ここ最近図書室に籠もっているという次第である。当分の目標は、『図書室の本を全て読む』ことだ。さて、彼は気づいていないが、時刻は昼を迎えていた。要は休み時間なので、他の生徒も入室してくる頃だろう。(........................)(どこの国もそうだけど、昔って似たような名前の奴がいっぱい居るんだな)彼の持つ「言語能力」には、単に異言語の習得が早いという意味よりかは、そもそも言語への対応力が高いという意味の方が強い。何が言いたいかと言うと、読むのも速い方なのである。なのでまだ図書館生活を始めてから数日ほどしか経ってないが、着々と読破した本の数は積み重ねられているのだった。(ここの列は飽きたし違うの読むか)はぁ、と一仕事終えたというようなため息をつき、持っていた一冊を元の位置に戻して、他の箇所に向かった。向かった先は、過去の文学作品の作品集だった。この手の本は一冊にその内容を詰め込められ過ぎているので、やたらと分厚く大きく、それでいて読む人が中々いないので、本棚の背が高い。ここでレフバは自分の背が小さいという自覚を持ちたくないので、意地を張って足台を使わず自分の身長のみを使って、一番上の棚にある本を取ろうとした。だが届きそうで届かない、というのが現実だった。「ふんっ、んん〜...!」本自体に触れることは出来るのだが、それを取り出せるかどうか。彼は諦めたくないので、自分の指先を信じて本を手繰り寄せようとしばらく粘ってみるものの.........、である。 (5/9 13:57:38)
エレナ>
図書館に来た理由は、単純である。私は最初からカミサマやコードの研究をしていた訳では無い。ヒーローとしての役割が生徒たちに与えられるようになった頃。つまり、途中から転入してきた身分だ。従ってこの学校で本来学ぶべき分野についての知識はかなり出遅れている。だから、望む望まないに関わらず、優等生をやらないといけないのだ。『あ____………』いつも通りに扉を開けたところで、声が漏れた。懸命に背伸びをして、頭上より僅かに高い本を取ろうとしているのである。小動物を見ているようで悪い気分はしない。むしろ、しばらく見ていてやろうかな、なんて意地悪な気持ちも湧いたが____『ほら、これでいいか。しかし、貴様も一人で頑張らずに、台でも使えばいいだろう。あるいは、司書に取ってもらうとか。』本当に困っていそうだから、取ってやることにした。しかし、どう足掻いても無理な高さならともかく、台でも使えばいけそうな程度の接戦だ。だったら、誰かを呼ぶなり、何かで高さを稼げばいいだろうに。と僅かに___いや、多分見下ろされる側からしたらかなり___視線を下ろしながら言った。それに『……私が休み時間始まりと同じくらいに来たから、つまり貴様は授業中から居たことになる。……まさか、すっぽかしたのか。』頭が痛くなる。授業を受けずに図書室に居る、なんてのだけを見れば孤高な感じがするかもしれないが、ずっと高いところにある本が取れずに粘っていたりしたなら可愛くしか見えない。『これに懲りたら、皆と同じ時間に来い。そうしたらすぐ誰か取ってくれるだろうよ。』 (5/9 14:22:31)
レフバ>
「!」突然、目の前に自分のものより大きな手が伸びる。何事かと思い唖然としていると、気付けば自分の手の上には目的の本があった。「なっ、」何をしやがる!と、勝手な真似をした相手に睨みつけようと振り返ったが、目の前にいたのは自分よりも遥かに体格の良い、長躯の女だった。自分を見下ろす視線に文句を言おうとしていた威勢が削がれると、「お、」「おう...」と尻込みし、どこか力の抜けた口調でそう返事した。授業をすっぽかしていたことを見抜かれると、「ふん、お前には関係ないだろ」と、あからさまに不機嫌だという様子で、そっぽを向きながらぶっきらぼうに答えた。「授業受けたって意味ないからここに居んだよ。当分はここで過ごすって決めてんだから」と口にする一方で、子供っぽく融通が効かない態度の中に、若干『自分より上位の存在から遠ざかりたい』という思いが見え隠れしているような気がした。「そーかよ!そんなのお前みたいにもうちょっと背丈があれば良ければ済む話なのにな!」「っ ともかく!______、...その、ありがとうな」ここまで散々失礼な態度を取ってきたが、助けてくれた相手を蔑ろにしておくほど幼稚ではないため、最後にはきちんと感謝の言葉を述べた。 (5/9 14:50:44)
エレナ>
『??』何か言おうとしていたような気がしたが、それは文章として何も組み上がらず萎んでいく。余り大事な用件では無かったのだろうか。『……直接の関係がある訳じゃないが、無関係とも言えんぞ。私たちは曲がりなりにもヒーローだ。つまり、いついきなり呼び出されたりするかもわからんし、それに____』授業をサボっているのはダメだ。なんて頭ごなしに否定するような真似はしたくないけれど、この学校でなら話は違う。いつ緊急の連絡が入るのか分からないんだぞ、と注意すると共に。『待っている人たちは心配になるだろう。貴様にも、友達くらいは居るんじゃないのか?』母がいなくなった日を思い出す。じゃあ行ってくるから、なんてケラケラと笑う後ろ姿に、ただいま、と泥だらけ、傷だらけになりながら帰ってくる姿を想像して。風呂の用意や食事の支度に思いをめぐらせながら見送り____そして、想像していたように帰ってはこなかった。『カミサマや悪人を相手にするときだけが、ヒーローの帯びている危険じゃない。知っているだろう?前任者達が行方不明や、死亡、あるいは廃人同然になったことをな。』だから、そんなことにはなって欲しくない。もちろんこの人のためにも、そして、友達を失うことになる、この人の友達のためにも。『そう腐るな、身長なんぞすぐ伸びてくる。……ああ、ありがとうは言えるか。また拗ねられたらどうするかと心配したよ。』『……冗談だぞ?』 (5/9 15:06:31)
レフバ>
「それは______」友達を引き合いに出されると困ってしまう。退屈に身を置くのは気に食わないが、友人を大切にしないというわけではないのである。「...............友達を心配させないってのは大事だろうけど、」「それもそうだけど.....................」と、何か言いたげな様子ではあったが、それらを振り払って「分かったよ。ともかく授業に出れば良いんだろ」とひとまず受け入れるのだった。「当たり前だろ!オレだってもうちょっと肉とか食えば...」なんて負け惜しみじみたことを言うものの、彼の実情は学食の食べ残し常習犯で、大の野菜嫌いである。「はぁ〜?こんな態度で悪かったな!感謝くらいまともに出来るに決まってるだろ!」何かと反発したがる子供のような素振りを見せるが、上手いことおだててやれば全く真逆の雰囲気を見せたりしそうである。「_____そう言うお前は誰なんだよ。教師か?」教師相手にこのような言葉遣いをする時点で、生徒としての心得は微塵も無いも同然だが.........自分より身長が高い上に、落ち着き払った印象を見せられると、彼でなくとも十分教師と勘違いしそうなところではある。 (5/9 15:36:42)
エレナ>
『ああ、その意気だ。頑張れよ。』それは授業に出る、という言葉にも、身長もすぐ伸びるだろう、という言葉にもかかっていた。『はいはい、わかったわかった。私が悪かった。ちゃんとありがとうが出来てえらいぞ。』小さい子供をあやす様に穏やかに応対して、多分この少年とは相性が結構良さそうだなと思った。多少生意気なくらいが年下なんてものは可愛いものである。頭を軽く撫でながら、よく出来たな。なんて口にして。それから_____凄く失礼なことを言われた気がした。教師。きょうし、キョウシ、Kyousi。少し前、女性離れしていると言われたのは記憶に新しい。だが、それは年齢どうこうではなく体格の話だ。よりにもよって_____老けているとでも申すか_____!!『ふ、ふふふふ。面白い冗談を言うんだな、貴様は。は、は、は。』ばん、ばん、と、面白いことを言った友達にする時のように、本棚を叩いてみせる。ばん、ばん、ばん、ばん……それは杭打ち用のハンマーのようだった。鍛えに鍛えた筋肉で、強かに平手でぶつ。棚は揺れ、本が落ち、老朽化した部分は剥がれたり割れたりしていってしまう。楽しいなんて1ミリも思っていない。思うのはふざけたこと言いやがって、だ。『エレナ・ドラグノフ。年齢は18だが、転入の関係で二年にあたる。 じ、ゅ、う、は、ち、歳だ。わかるな?』 (5/9 16:13:39)
レフバ>
「やめろよ!ナメんな!」頭を撫でられるのは好きではないのか、それとも相手が悪かったのか、その手を振り払った。「な、なんだよ...オレが変なこと言ったか?」自分が何かおかしなことを言ったか、レフバはそれが分からず困惑する。ただ教師、という言葉を言っただけなのだが...途端に相手の態度が豹変した。おかしな雰囲気で笑っていると、相手は突然本棚を叩き始める。それは抑えきれない笑いによるものではなく、単に激情を本棚相手にぶつけているように見えた。「あっ、あーーーーーーーーーーーーーーッ!!!何してんだよお前ッ!!?」様子のおかしくなった目の前の人物は、なんと本棚を破壊し始めた。まるで焼き菓子みたく、叩けばボロボロと崩れ落ちていく。綺麗なまでに粉砕されていき、呆気に囚われていると気付けばそこには本と木片の山が出来上がった。「わ、分かった分かった!18なんだなお前は!?分かったから落ち着けよ!!!」本棚に囲まれた閉鎖空間で、突然様子がおかしくなり本棚を破壊し始める大柄な存在を目の前にして、逃げ出さなかっただけまだ肝が座っている方だろうか。「ど、どうなってんだよその怪力...本棚だってどうしてくれんだ.........」何事かと、司書や図書室に来た生徒が覗いてくるだろう。きまり悪い顔をしながら、レフバは本を拾い集める。「お前が事情を説明しろよな!」駆けつけた生徒は、かつて本棚だったものが無惨に砕け散り、ただの粗大ゴミとなったのを見て自分の目を疑うだろう。「____でもお前、」「お前もさっきオレのことガキ扱いしただろ、お互い様なんじゃねーのか」彼はふくれっ面をしながらそう言った。「変にレッテル貼って悪かったな...」と、二度と教師という言葉は出さずに謝罪した。 (5/9 16:59:06)
エレナ>
『……子供扱いしている気はなかったんだがな。何、可愛げのある後輩には自然に口出しも増えてしまうのは、年長者としては仕方ないことだろう。どうか許せ。』はあ。と溜息をつきながら、ああまたやってしまったと背後の惨状に振り返り。それから、くたびれて肩を落とした。子供扱い。そう言われたら、そんなふうに思われていたのかと思った。後輩として可愛らしいと思い、多少甘やかしたり口出しが増えているのは意識していたが、なるほど不機嫌になったのはそれか。悪かったな、と謝罪をしたが、しかしどうにかなるようなものではないような____『驚くほどか。鍛え方が足りんぞ。』悠長に話しているのは、他でもない。この学校にいる生徒には、各々ある兵器がある。ディスコード。本人の感情に起因して力をもたらす存在だ。私はあまり超常の力で事件を解決するのを好まないので、専ら、私がやりすぎた時くらいがいつもの出番だ。『それに、どうしてくれるんだ。という問いについては、私のような粗忽者には、それは優秀な事後処理役が居てな。』がち、と側面にあるボタンを押して、ストップウォッチの機能をオンにする。傍らに芒と現れるのは、宿主と同じかあるいは少し低いくらいの長身痩躯の美女_____『サファイア、本棚を治してくれ。』本棚に本が仕舞われ、その形も治っていく。時が遡るだとかそんなものでは無いのは、本棚は治っているとはいえあくまで文房具をちゃんと買えばできる範囲の修繕であり、傷は確かに埋めてあるが、痕跡は皆無とは言い難い事から読み取れる。『……いつもすまんな。』かち、とまた押して、彼女が消失していく。……反省しよう、深く。 (5/9 17:37:30)
レフバ>
「.........良ーけどよ。」「オレは年上は好きじゃねーけど、正直な相手なら別に嫌じゃねぇ」「だからといってオレのことペットみたく頭撫でたりするのは嫌いだからな」どのみち多少は子供扱いされるのは仕方がない、体格や年齢差において、今後上回ることはほぼ確実にないだろうから。それならばせめて、されて嫌な一部を伝えれば良いだけである。「.....................」「_________それがお前のディスコードか?」この学校に来てから、他人のディスコードを目にするのは数回かはあった。今回の彼女のディスコードは人型で、どうやら宿主と意思疎通が出来るらしい。“”自分“”のは...............会話が出来る相手なのだろうか。あぁいうのを見て少々羨ましく思うところではある。「____単に修理する、って内容ではないよな。ある程度の仕上がりにでも収まるが、ひとまず何でも出来る能力?とは違うか。そんな平凡な能力なわけねーと思うし」それならもっと器用に治っている筈だし、と付け足す。「推測みたいなことしてワリーけど、あんたみてーなのが正直に自分のディスコードの内容口にするとは思えなかったから、適当に言ってみただけだ」「それで、どんな内容なのか正直に説明したりするのか?」 (5/9 18:15:00)
エレナ>
『……わかった。』頷く。世話をしたり構ったりするのは案外好きな部類であるが、だからこそ相手が嫌がることをするのは本意ではない。『そう外部に漏らしたくはないが、今も大勢に見られているし。それに、実際棚を壊した負い目もあるからな。』顔を顰めて、ああ失敗したと繰り返し思う。ディスコードの正体など、可能な限り伏せたいのに。『あの娘の能力は、言うなら過程をスキップする能力だ。例えば、さっきみたいに壊れた本棚。あれ自体は別に私にも、貴様にも治せないものじゃない。壊れた部分を接着剤で継いで、組み上げたら別に修理できる。そういう、自分で叶えられる程度の願いなら叶えられる。』ディスコード オムニア・ピンクサファイア。その能力は、いわば願いを叶えてしまうこと。その言い方が好きではないから、説明するとしても「過程をスキップする」能力だと戒めているが、事実本人ができてしまうのなら、およそ何もかもその時間や過程を破棄して叶えてしまう万能さを誇る。『反対に、この学校を殴って壊すとか、空を飛ぶとか。私にとっての無理難題はできるわけじゃない。』具体例を出しても呆れてしまう。大体、こんなことを願うくらいならもっと有効な使い方で、同じ結果に導けるだろう。たしかに、一足飛びには叶えられない願いでも、何かしら間を挟んだら結果自体は変わらないという場合もある。『……お分かりかな。ただ____あの娘と戦うこと自体は嫌いじゃない。彼女も彼女で、体術のスペシャリストだからな。』だから『だが、あくまで私が出来ることしか出来ないということは、私自身が成長しなければ、宝の持ち腐れだ。』『それに……』だからこそ『ああいう不測の事態以外は、私は可能な限り能力を使う気はない。そんなもの無用なくらい強くなければならんからな、私は。』それに頼りきるような人間にはなりたくないなと思う。『もちろんこれは他言無用。無闇に言いふらすな。』厳しく告げた言葉は、ヒーローとしての自覚から来るものだった。壁に耳あり障子に目あり。口ぶりから乱用は控えているが、ここぞという時にまで使わないほどに頭が固くはない。逆に、いざと言う場面には頼るからこそ、切り札は当然、トップシークレットの情報だ。『だから、貴様も私から話されたとは言っても話す必要はない。いいな。』 (5/9 18:46:28)
レフバ>
「過程をスキップする?てことは...」「面倒な調査書書く時とか、メッチャ散らかった自分の部屋掃除する時とか、自分自身がやらなくても良くなるってことか...?」それっれメッチャ良いかも...と独り言を呟いた。「勿論だ。いくら校内だからって無闇に言いふらしたりするほど悪趣味じゃねーしな」「あんたがそう言うんなら、オレは喋らないことにするぜ。あんたの言う通り、””能力なんか使わなくたって自分で出来る””、これが最もだからな」______この力を際限なく使ってしまえば、恐らく自身を仇なす者は誰一人目の前に現れることがないだろう。自分に必ず復讐されることを知れば、手を出す者はきっといない。だからこそ価値がないのだ。真に自分が認められなければ、一切意味がないのだから。「______...............ところで、本棚ぶっ壊しておいて、お前って何の目的でここに来たんだ?」そういえばそうだった。本棚が破壊されるというアクションに気を取られていて、本来はどういう状況だったのかが見失われていた。レフバからすれば、本を取ってもらった相手がいきなり怒り、結果相手のディスコードの内容を知ることとなったのだが......起点から飛躍した結末になったような。「まぁ、本読みに来たんだろ?ここに来る理由って大体一つだろうしな」オレもお前の時間を取って悪かった、と付け足した後に、「そーいや、そっちは言ったのにオレの方は名乗ってないよな」「オレはレフバ。調査でまた顔合わせることになるかもだしな。挨拶しておくぜ」 (5/9 19:25:43)
エレナ>
『そのくらい自分でやるように。』確かにその通りだ。人型ならこういう文字を書けとか部屋を掃除しろとか造作もないだろう。そういう部分の発想は悪くないのに、使い方があまりにも勿体なくはないかそれ____『ついでに忠告というか、アドバイスだ。貴様も"バレた時"に使う能力の応用法は考えておくと身のためだ。男の子なら好きだろう、必殺技。正直馬鹿にしながら漫画を読んでいたが、いざ自分で異能力(ディスコード)なんてものを持つようになると見方が変わる。』お節介な先輩だが、このくらいは肩入れしてもいいだろう。『相手が能力を見抜いてもどうにもならない。あるいは、どうにもならなくはないが、相手が能力を見抜いていても推測できない。』相手は獣や機械じゃない。いや、獣でも野性的直感はバカにならないのだから、人智を超えた力を持つカミサマならば尚更だ。彼らは無知性なものもいる。しかし、知性がありながら無軌道な存在も同時に生きている。であれば、そこには読み合いが発生するのは道理だ。『そんな切り札(カード)は持っておくだけで命綱になる。』そんな時に、最後に頼れる切り札は作っておけと。『……あ"』そうだ、今日この時間は勉強するために来たんだ。と、思い返し気づいたものの時間はギリギリ。うっかりはいつになっても治らないらしい。これで果たして"失敗を呪っている"のだろうか。たまに疑問になる。『レフバ、か。覚えておこう。授業には出ろよ、きっとその方がいいから。』そうして、私は大急ぎで教室に向かって走った。間に合わないことはないにしても、色々ダメダメな日だ。また何かしでかしそうだったから_____ 〆 (5/9 19:54:21)
真>
これが現実、学生として赤点もいい所。呼吸していて悲しくなってくるような現状。その理由は単純明快、1時間目を見事に寝過ごしたのだ。もういっそ切り詰めた朝食を気持ちだけは優雅に摂って、お昼から重役登校しようかしらと悩んだが真面目なタチなので仕方ないかと、休み時間にのんびりと教室に向かう。今更焦っても仕方ないし、休みと名のついた時間ならば公衆に迷惑をかけないのならば幾らのんびりしてもいいと思っているような学生の代表者的思考を巡らせた。そして普通に寝坊かましたことを半ば忘れかけてすらいたのはきっとこの気持ちの良い快晴のおかげだろう。満足いくまで眠ってこんな陽気を浴びながら、散歩のついでに登校していると思えば少し得をした気分にすらなる。蒼眼が陽光をきらと反射して首筋を風が撫でた。鏡でふと寝癖をあらためてチェックして銀糸をかきあげたりしてみる。日常通りに過ごしているとハプニングがあっても足取りは気がつけば十分に軽い。今日の昼は何を食べよう?なんて、戦いが絡めば他人よりナイーブになる事は認めるが、そうでなければ実にお気楽なのだった。真面目を自称する割に実に軽い鞄を手にした少年は欠伸ながら教室へと向かっていく。能力使用の為の装置が時間をちゃんと示すこともきっと忘れているのだろう。 (5/9 20:39:13)
レフバ>
______「あ」なんて、廊下に高い少年の声が響いた。「なんだ〜っ お前も途中から参加するのか?」真より背丈の低い、やたらと血色の良くなさそうな彼だった。少年は自分と同じくこの時間にのろのろと教室へ向かおうとしている人物がもう一人いたことに喜んでいるのか、真の元へ小走りで駆け寄ってくる。「お前も一年だろ?一緒に行こうぜ」初対面の筈なのだが、何かと馴れ馴れしい印象の人物である。肌の色は不健康なほどに白いが、北欧を思わせるようなほっそりとした顔周りと、東欧由来の控えめで筋の通った鼻が、彼の顔を完璧にさせている。要は人間らしさは薄いものの結構な美形ということである。「お前、名前何?オレん名前はレフバ、よろしくな」もしかしたら顔くらいはお互い知っていたかもしれないし、知らなかったかもしれない。彼は聞いてもいないのにやたらと話しかけてくるのだが、「なぁ、体調悪かったの?それとも単純に授業に参加したくなかったの?どっち?」と尋ねた際には、1時間目を寝過ごしたという事実を見抜いているような雰囲気があった。「変なこと聞いて悪いな。____そのさ、もし授業受けたくないんなら、オレと一緒にどっか行かないか? もしお前が授業受けるってんならオレも教室に行くことにするよ」「最近はあんまり教室に来てないんだ。授業受けてもつまんねーしな」クラスのメンバーの不在をいちいち把握することも無いだろうが...確かに、彼の姿はここしばらくというか、今が初めて会ったとしてもおかしくないくらい、全く見覚えがないのである。 (5/9 21:11:43)
真>
銀糸をぐしゃぐしゃと再びいじり始めた頃。何やら声が響いたのでついビクッとしてしまう。同時に一瞬まん丸になった蒼眼が少年を捉えた。美形は美形だが対照的にハッキリとした眉が男らしさを備えながら然し筋の通った鼻と控えめな口元が女性らしさを演出し、まん丸な瞳はいつもと同じどこかキツい印象すら与えるキリとした目つきに戻る。然しキツい印象を抑える二重だの何だの、美の四則演算とやらの末に美形の解が導き出されるが、本人にそういう細かい事はわからないし、そういう美形を映す語彙はイケメンとかくらいしかないのでひとまずそういうことにしておこう。そもそも、普通人の顔をそうまじまじと見もしない。何となくの印象で捉えるのはよくあることだ。パチパチと睫毛が慌ただしく揺れ動く。ぱっちり二重の瞼を擦りながら「おはよぉー?」なんてどこか間抜けな声をあげた。人の顔と名前を覚えられないという弱点を密かに抱える彼にしては珍しくレフバの事は覚えていた。…きっと、多分。いや、嘘だ。正直話した事があってもなくても覚えてないので適当に合わせることにしていた。半分寝ぼけ眼で頭も回っていないし、何かしたい訳でもしたくない訳でもない。ひとまず会話をリードさせて、どう出るのかは後から決めることにした。「俺は真、よろしくー」こんな奴いたっけ?の直後には次会った時にわかるかなと不安になる。偶にしか会わないと余計に覚えられないし、声に出して呼ばないと名前は忘れてしまう。けど、自分よりも背丈が大分低いなと考え直す。大抵は自分よりも大きいのは立派な特徴だ。何がどうって小さめの体が一応コンプレックスであるせいか、或いは修練の賜物か顔や名前よりもサイズや姿勢から捉える癖があるお陰で、その点レフバは彼にとって実に特徴的だった。「……さあ、何だと思う?当てたら付き合ってもいいぜ。ま、外しても放課後か昼休み遊んでもいい、君が暇ならね。」何か楽しい事をするんだろう。遊びの誘いだとひとまず決めつければ景気良く頷いた。それはそれとしてズバリ決めるのは今は面倒なので暗に後からでも相手できるよなんて事を示す。常にそうでもなく、天気が悪かったらそれは無理だと言っていただろう。今日は機嫌が良いので授業もレフバの事も突き放すような選択を取らなかっただけだ。「やーでも、受けた方がいいぜ?置いてかれると後が面倒だし、あんまり出来ないとなんていうか気に食わない。」 (5/9 21:45:27)
レフバ>
「それってどのみちOKって言ってるようなもんだろ」冗談言わないように見えて、中々付き合いが良い奴だなと思うことにして、「それじゃ放課後、玄関で待ち合わせしようぜ。すっぽかしたら明日会った時覚えてろよ」と、早速約束を取り付けて放課後に遊ぶことにした。「ふーん?それもそうか...まぁお前に合わせるって言ったわけだしな、じゃあ一緒に行こうぜ」なんて、彼は授業を優先したいそうなので、レフバも一緒に教室に行くことにする。____実際の、彼が授業に参加しない理由は、『授業の内容がもう既に知っていることなので退屈』だからなのだが。________さて、無事一日が終わり、放課後を迎える。真は玄関に向かっただろうか、もし向かったのなら、既に靴を履いて昇降口で待っていたレフバが、『見つけた!』という顔でそちらに向かって手を振るだろう。「本当に来てくれるって半分信じてなかったぜ」なんて口にした後に、「じゃ、行くぞっ!」と玄関を飛び出した。彼の生き生きとした様子は、今にでも真の手を繋いで引っ張って行きそうに思えた。無論そんなことはなかったが、真の方から繋げば、案外そのまま離さずに繋いでいてくれそうな雰囲気でもある。何だか彼は、弟のように思えた。「_____お前ってアイス食べる?」彼は何気なくそう尋ねた。 (5/9 22:10:41)
真>
「女の子ならとっくに遊んでるんだけど」肩を竦めながら、くすりと笑う。「じゃあ、そういう事だな。」何ら問題なく、いつもの他愛無い日常は続く。特にコード自体への知識はあまり無いので勉強は手を抜けない。それは元より生き残りまた勝つ為の事で決してくたばってやらない為だ。他愛無い日常を維持するのは思うより遥かに大変な事故に。───そして数時間後、もとい学生の本分放課後に時計の針は問題なく進む。「よう。お疲れ様〜」さて、この美少年、実は約束なんてそれはもうスッカリ忘れていたし、すっぽかしてもすっぽかしたことすら忘れていただろう。理由は語る必要もない。実に実に暢気でお気楽な、つまり、真という人間の良い所が出ているという事だ。「はいはい。」言われるまま従ってついていく。これでは偶然通りがかった所を口説かれたようでまるでナンパされたような感じすらする。可愛い女の子なら良かったのにと思ったが、多分可愛い女の子からのお誘いならきっと忘れなかったろうとも思えば、(それもこれも可愛い女の子じゃないこのレバー…レ、烈海…蓮、レース、レーン…レフバ!そうレフバが悪いじゃん?)と思う事で全くの罪悪感や不自然感が醸される事はあり得なかった。そして、この幸運はきっと自分の日頃の行いがいいからだろうと解釈したし、何より大事、言わなきゃバレない。是即ち問題無い。「食べるよ。虫歯じゃ無いし。けど、アイス食べない奴ってそういるか?いるとして、どんなだよ。」俗っぽい口調は、銀髪と蒼眼の美形だとかいう神秘性を木っ端微塵に台無しにしている。お察しの通り、上品だとか格式のある人種では生憎なかった。投げかけられた疑問はそもそも普段暮らしててアイスクリームを食べる人か食べない人かが議題に上がる事など滅多にない訳だから、実に奇妙な感じだからついきいてしまったというようなものだ。きっと誰だって疑問符を浮かべると、後から思い返す事があればそう語るだろう。 (5/9 22:50:53)
レフバ>
「アイス食べるのなら何が好みだ?オレは最近原点に帰ってバニラばっかり食べてる」アイスといっても、氷菓かミルクか、棒つきかスプーンで食べるか、最中に挟まれてあるとかコーンがついているだとか、どんな種類があるかを考えだしたらキリがないだろう。「アイス食べないやつはいない!間違いないな」レフバは楽しそうにアイスのことについて話しながら、何やら繁華街へと向かっていく。____「最近はあんまり果物系食べてないんだよな、いっつもチョコとかナッツとか選びがちになるんだけど、オレ酸っぱいやつが好きじゃないのかもしれねぇ」「お前ってピノ一個頂戴って言われたら許せる?オレは許せないな、まぁそもそもピノ買わないんだけどな」「お前アイス屋行った時コーンにして頼む〜?オレ、いつか3段アイス食べてみたいけど、途中で溶けそうなのと食い切れる自信がねぇ、でもチャレンジしてみたくてさ.........」____なんて、とりとめもない会話をしているうちに...「________ここが一番品揃え良いんだ」と、着いたのはそれなりに大きなショッピングセンターだった。レフバに着いていくままに歩いていると、彼が口にしていた通り結構大きめな冷凍コーナーの前にまでたどり着いた。「オレ、お前が何食うのか気になるから、選んでるところは見ないことにするぜ。買ったらそこのフードコートで待ってるってことで!」と、レフバは一旦真の元から離れ、別の場所を見に行った。_________「何選んだんだ?」レフバの方が先に買い終わっていたらしく、フードコートへ行くと彼が手を振っている姿が見えただろう。「オレはこれ買ったぜ」と、レフバが見せたのはカップのチョコミントアイスだった。「お前ってチョコミント食べれる方?」レフバはフタを剥がすと、貰ったプラスチックのスプーンをそのミントグリーン色の塊に突き刺して、掬ってそっと口に運んだ。「オレも何で好きなのかって言われたら説明が難しいんだよな」歯磨き粉なのはまぁ分かるけど、と付け足し、先に溶けがちな淵のまわりを掬っていた。 (5/9 23:45:46)
真>
問われたことへの理由について、まあ何でもないことかと勝手に納得して良しとした。食べない人間はいないというが、だからこそ話題としてはそれなりのものなのかもしれない。「アイスはスーパーとかでしか食べないな。…大体カップ派、好きなのは、何だろ。バニラとか?」あまり深くは考えない。味のチョイスなんてものはメーカーによるし、強いて言うなら、というような好みしかない。「夏はフルーツ系かソーダだな、。これは間違いない。」淡々としかし着々と会話は進む。ただ、返答の調子は冷たくこそ無いがどこか淡白で、冗談相手になら返すが冗談以外にはそんな様子だった。言ってしまえば冗談めかして何か言うともうそれでコミュニケーションは終わっていて、大抵は次の話題なのだ。話すのは嫌いでは無いし、深く人と関わり合いになる気のないような自分とはやけに対照的で、だから何か言えなかったのかもしれない。「あー、了解。」見送りながら、変わった奴だなあと思いながら売り場を闊歩する。何がどうってかなり滅茶苦茶だ、もちろん幼さが起因するのかとも思う。美人は得をすると言うが、きっとレフバは顔でかなり得をしているのだろうと考える。あの性質との相性はかなり良いはずだ。それに付き合う自分も自分なのだろうか。然しそんな事は最早どうだっていい。今この瞬間大切なのは何味を選ぶかである。アイスの話ばかりしていたらアイスクリームの口になってしまったのだ。「む、これかな。」遅れて現れた真がスッと差し出したのは何てことのないよくあるもの、可愛らしい桃色に鮮やかな赤の散りばめられたストロベリー味のアイスクリームだ。「チョコミントは食べれる。けど、買わないな。売ってない事も多いし。」スプーンを突き立てれば、口に運んだ。 (5/10 00:12:48)
レフバ>
「え〜いいなー苺!最近苺味って食べてないな」「なんかさ、苺は好きなんだけど、本物の苺が食べたい時と苺のお菓子が食べたい時って別なんだよな。どっちも違う味に感じる気がしない?」「チョコミントって見かけないところは全然見かけないよな。あんまりアレンジするのにも向いてないしな。オレは好きだけど」なんて会話を繰り広げていると、「お前って人と物分け合っても良い方?」と尋ねてきて、「折角違う味なんだからシェアしても良いんじゃね?って思って」と、自分のチョコミントアイスを差し出してきた。「良かったらどーぞ。」提案を受け入れるか受け入れないかは真次第だ。...さて、他愛ない会話が積み重なっていくうちに、カップの中は空になっていた。「それじゃ帰るか」本当に一緒にアイスが食べたかっただけだったらしく、後はもう帰るつもりらしい。 (5/10 20:09:23)
真>
「なんか、アレ、赤色が綺麗だから食べたくなったんだ。チョコミントも可愛いけど。」(可愛いとは言ったが、見た目が華やかだと何だか食欲が湧いてくる。確か赤色は食欲を増進させるのだとかいう豆知識を何処かで聞いた覚えがあるが、さてどこだったかなぜだったかはあまり思い浮かばなかったしどうでもいいので忘れる事にした。)(見た目の可愛らしい甘いスイーツを眺めていると、つい自分のディスコードを思い出す。スイートハートはキュートさについてはそこそこ上位だが能力は全く可愛くないし、暇な時にお喋りに付き合ってくれる訳でもないからやっぱり可愛げというものはない。あのディスコードは他人というより、自分の髪の毛や爪のような体の一部のようだった。煌びやかに見せかけて、これ以上に悪趣味なディスコードも中々ない。)「ふふ、折角だしいただこうかな。……あ、レフバもどうぞ。」(スプーンを差し込んでレフバのチョコミントを掬い上げれば、じっくり味わって、選択肢から外してきたチョコミントも悪くないなと思い直した。それから、ああ貰うだけでは分け合う事にはならないなとお返しにカップを傾けてやるのだ。何でもない日に見えて、今日はきっと特別な日。他愛無い日々はしかし他愛無いことなどなく、二度と来ることのない過ぎ去ってゆくこの瞬間が、途轍もなく有意義である今この時を純粋に楽しんで、幸運に甘んじた。)「ああ、いいよ。……そういえば、朝言ってたけど何で授業が退屈なんだ?簡単過ぎるから?」(ふと、閃くようにそんなことを言っていたと思い出す。頭が良いのだろうかと思うが、同族がいてぬか喜びするあの様子は他に意図があったのではないかと思えば疑問符は中々拭いきれない。何より学園側にとっては戦力補充の為に途中増員された身だから、彼自身が仮に何か有名人だったとしても全く全然わからないのだ。) (5/10 20:45:57)
レフバ>
「ありがとな」そう言ってレフバは、真の分のアイスにスプーンを挿し、苺味のクリームを掬い上げた。「〜〜〜 うま〜!」「苺味ってやっぱ美味いな」「授業に出ない理由?」そう問われ、レフバは少々間を置いた後に、「___あんまりやる気湧かないしな、自分にはいらないって思った授業には出てない」「授業受ける時間があったら別のことに使うことにしてんだ。最近はずっと図書室にいるぜ。ひとまず図書室の本全部読むのが当分の目標だな」と、さらっと規模の大きなことを口にして、「お前も授業がイヤになったら来る?一人でサボるより面白そうだしさ」と一緒に授業をすっぽかすことを誘うのだった。「じゃあ、オレもお前に聞くけどさ」「_____子供の頃って、何になりたいとかの、将来の夢ってあったか?」彼はそう尋ねた。「オレ、小さい頃から何かとこういう環境にいて、カミサマの研究に携わるために、自分の生まれた場所から転々として、今では日本の学校に編入されたわけだけど、こんな仕事して全然楽しくないし、イヤな目に遭うことばっかだし_______今ではもう””やめられない””理由が出来ちまったりして」「でも、もし普通に生きれてたら、___________オレ羊飼いになりたかったんだ。」「良いだろ、羊飼いって。日が昇ったら山を登って、何時間も犬が羊追っかけてるところ眺めて、そして日が落ちたら山を降りる。たまに毛を刈ったり、羊の肉食ったりするんだ。オレは肉が好きだからな」「って言っても、今の羊飼いが全員そういう生活出来ているわけじゃないらしいけど。でも今もなりたいって思ってる。」「_______お前は?そういう夢、あるのか?」 (5/10 21:32:36)
真>
「なるほど、頑張れよ。俺も暇ができたら遊びに行こうかな。勉強ヤバいから、あんまりサボれないけど。」(ワケ有りかあと納得すると共に訳アリな生徒がいたとして成り行きとしてはなんら不自然なところは無いのだと感じた。好き勝手に土足で学園に上がり込んだ自分はイレギュラーなのだと思い出す。あくまであの憎らしいディスコードと武術で入ってきた、奇妙な物好きなルクレルク人に過ぎない。)「夢?夢……羊飼い、ねぇ……」(唐突な将来の夢トーク。高校に行くつもりは元々はなかったが、こういう夢トークは、いや正確には青春らしい事がすごく羨ましかった。そもそも何になりたいかなんて考えたこともなくて、どうすれば生きられるかを教えられてただ静かに暮らしていた。夢を見る事はとんでもない贅沢品だった。ルクレルク人が裕福な事などほとんどありえない事はどんなに愚かでも想像に難くはないだろう。そして、彼らにとってはそれでも見るものが夢なのだろう。なれば、我々、いや──唯ひとりある自分にとって夢とは)「静かに暮らしたい。」「外の人間にも、誰にも文句を言わせない。金がなくてもいいから、静かに、穏やかに、平和に暮らせればそれでいい。」(『その筈だ。』という言葉は吐けず或いは吐かず、身の上を語りはしなかった。ただ、嘘は言っていない。同時に全てでもない。)「……まあ、多分ね。あんまりそういうの気にした事なかったから。」(捻くれた冷め方をしているせいで、『役にも立たないしね』なんて、つい言ってしまいそうになるけれど、少なくとも叶えるのが難しそうな夢を抱えた少年相手に、しかしその夢を未だ抱くその野心に水を差すのは野暮だと感じて、最後まで嘘のない淡々とした言葉で締めくくる。) (5/10 22:19:13)
レフバ>
「ふーん」「___じゃあ、もしカミサマもイーコールもない世界になったら、オレと一緒にアルプスにでも行って羊飼おうぜ」なんて言って、「冗談だけどな、九割くらい」と、ニコッと笑った。「そしたら多分、アイスは滅多に食べられなくなるけど」冗談にしたって、だいぶ規模の大きな冗談だとは思うが。しかしそれはレフバなりの、目の前で寂しい様子を見せる彼に対する、ささやかな気遣いだったのかもしれない________________歩いているうちに学校に着き、別れの時が訪れた。「じゃ、オレは自分の部屋に戻るぜ。楽しかった!またアイス食いに行こうな!」彼は別れの挨拶を告げると、手を振りながら軽い足取りで、真の前を去るのだった。 〆 (5/10 22:34:00)
真>
「…ふふ、なんかありがと。そのときは頼むぜ。」(真は、人と話すのが上手くない。それは本人の思うより圧倒的にと強調の言葉がつくほどだ。仮に何か笑える冗談を言う奴だと真に対し感じる人間がいてもユーモアのある事と気難しい事や協調性のない事が同居する事は実の所矛盾しない。相手が自分を大切に思うかどうかなんかの感情的な部分をまずすっ飛ばして、相手視点の損得勘定で考える癖に──こういう時の察しは決して悪くない。人の心がわかるのにいざというときは見ようとしない無自覚な悪癖が、彼の奇妙な人付き合いを形作っていた。孤立と自立は異なる事を理解っていても、中々どうして難しい。)「ああ、また明日!」(それでも真自身の気持ちは決して暗いものではなかった。楽しい事があったそんな日に、一体どこの誰が文句をつけるのだろう?) (5/10 23:26:38)
八雲 錐>
「(例えば、小説の中でよくヒーローになるのは探偵だ。あるいは一人の少年であったり、ただ一人の男であったり、強い心を持つ女であったり、心優しい老婆であったり。)…ふふ。(はらり、はらりとページを捲る度に、ヒーローは躍動する。彼の小さな笑いを誘うような間抜けた出来事であったり、時に表情を固めて考えさせるような言葉や行動を文として教えてくれる。現実は小説より奇なりと言う。今こそそれをひしひしと感じているところであるが、それでもその中に抱く『憧れ』は止まらない。夢に進み続けるから。)…うん?(だから彼は、あらゆる『作品』を好む。今は探偵ものを見ているらしく、そして君が何処にと探し回っていた本だ。ついそれを見かけた時、何かしら『見てしまって』いただろう。金髪で大柄、相手に…君には特に、かもしれないが威圧感を与えるには十分な恵体を持った男。)どうかしたかな?(彼が柔らかく応対するのはもとよりの性質であり『ヒーロー』故だが、威圧感のある肉体で威圧感のある振る舞いをすれば与える印象は想像に難くないから、でもある。椅子に座ったままで彼は、君に向かって穏和気な笑顔を浮かべながら、ただ目を見て話しかけていた。)」 (5/11 19:02:02)
レフバ>
________推理小説は、最終的には事件の真相が明らかになってこそ、『推理小説』なのである。もし解決されず物語が終わるのなら、それはミステリー、怪奇小説の部類であろう。_____推理小説の重要人物は、非凡な存在である場合が多い。推理力に優れ、日々の生活と秩序に染まった人々の中で、唯一冴えた顔をしているような探偵や刑事、もしくは犯人がいて、それらが物語をより重厚にしていく。非現実(ものがたり)を非現実(ものがたり)たらしめてくれる者がいなければ、面白くない。_____これは推理小説に限らず多くのものに当てはまるが、伏線が散りばめられ、それが一つ一つ回収されていく様子を見るのは、実に心躍らされる部分がある。だからこそ推理なのだろう。分からないことが分かるのは、人間の中に存在する悦びのうちの一つである。それを摂取するのにたいへん都合の良い形をとっているのが、推理小説というわけだ。___________そして、推理小説で起こる事件というのは、大抵が””殺人””である。_____________________「...別に」何だかイヤな気分だ。つい先日、図書室に籠もってないで教室にもちゃんと行け、と注意されたので、今日はなるべく授業に出てみたというのに......... 放課後になって漸く図書室に行けたかと思えば、読むのを途中にしておいた本を、他の奴に読まれていたのだから。「見てねーよ。勘違いすんな」親切に話しかけてくれた相手にこのような態度を取るものではないが、今目の前にしている相手はレフバにとっては、あまり好きになれない人物だった。(どこへ行っても子供扱いだな)大柄な体格、優しそうな顔、_____そして何より、初対面の人物に対しても物腰が柔らかい態度。いっそ無視される方が良い。いかにもな、相手を気遣っている、という様子を見せつけられるのは、レフバとしては非常に警戒してしまうのである。(そんなに気になって仕方がないガキみたいな表情してたかよ)実際の内面とは裏腹に、レフバの顔立ちは非常に子供っぽく、怒っていたとしてもそれほど怒っていないように見えてしまうほどの童顔である。なので傍から見れば、元気で素直そうな印象の、可愛らしい少年として映るだろう。彼自身は、自分の容姿があまり気に入ってなかった。行動に容姿が追いついていない。子供として見られる、ナメられる。その一因が自分の顔面だとするのなら、余計気に食わない始末である。「.....................................」さて、目的の本を読まれていたのなら、別の本を読むまでだ。彼はつまらないからという理由で、授業に出ていない。その代わり日中はほぼ図書室に居座りっぱなしである。当分の目標は、『図書室の本を全て読む』ことだ。今のところ、読み物の数だったら計100冊は超えているであろうか。他にも写真集や図説を合わせると、結構な数になっていると思うが... 「.........」適当に、推理小説が置かれているコーナーの前に立ってみた。推理小説は好きか、と問われたらきっと、人並みには好きだがこだわりは無いと答えるだろう。しかし一時期夢中になったことのある推理小説があって、その時は自分のやることを放棄してこっそり隠れて読んでいたほどだった。ともかく、のめり込むほど面白いと思っていたことを覚えている。 適当に一冊、本棚から背の低い文庫本を取り出してみる。「っ、」開いてみると、前の持ち主がコーヒーを溢したのだろうか、香ばしい香りが漂った。自分自身はコーヒーは飲めないが、匂いは好きである。「............」偶然の出会いに、ほんの少しラッキーだったなと思うと、先程から続いていた複雑な気分もどこかに消え失せ、「、フゥ.........」と椅子に座りため息をついて、「(カサッ)」ページを開き、「...........................」そのまま本の世界に、没頭していくのだった____________________________________________________________「 はぁ、」一冊読み切るのにそれほど時間は要さなかっただろうか。あとがきまで読み終わり、彼は本を閉じた。それなりにページ数はあったが、彼は言語への適応力が高い__要は、単に異言語の習得が早いという意味だけに留まらず、速読の能力もあるのだ。なので一冊を他の者より早く読み終わることが出来るのである。 「なぁ、」そして、彼は時間を見積もって読み進めていた。「____それ、どうだった?」同じ席に座る、自分が読みたかった本を先に手にしていた彼が、それを読み終わるまでの時間を。「さっきから途中で笑ってたりしたけど、そんなに面白かったのか?」.........何故レフバは、自分の苦手とする相手に話しかけたのか。気まぐれか、それとも純粋に気になっただけなのか。どういう意図なのかは分からないが、ともかく彼は、先程無礼な態度を取った相手に、本の感想を求めてきたのだった。「推理小説で笑うところなんて、あんの?」 (5/11 20:16:18)
八雲 錐>
「(探偵は、力と心で戦う彼〈変身ヒーロー〉とは違い、知能と理詰めで戦うそれまたヒーローだ。小説より奇なる現実の探偵もいれば、小説の中の探偵と、同一の人物は自分自身以外にない。…意外にも、ヒーローと通じるものがある。意外性とは、例えば君が最も大嫌いな『彼のような人』に対してつっけんどんであったりむしろ触れに行ったりしに来るような。ヒーローと探偵、『八雲 錐』と『レフバ』。)何もないならよかった。(初めは、突き放されたから何も触れはしなかった。…傷ついたり、かちんと来るということはないが、なんだかんだ冷たくされるとむずがゆくはなるものだ。…とはいえ、集中すれば見えるのは本の内容だけ。大して気にすることもなく読み進める、こちらはこちらで本に没頭できるほどには好いているもので人並みには読むのも速いつもりである。)へえ…(感嘆の声なんか上げながら。)」「(はらり。)…君、すごいね。(そして今度は、何故だか君から話しかけてきた。ちらりと見れば、手元には裏表紙で置かれた本。直すため、立ち上がろうとしていたところだ。)」「たくさん読んだら早くなるのかな?(まず驚いたのはやはり読む速度。こちらは半分よりそこそこ多いほど読み進めて、あと20分程度で読み終わるかどうか…というくらい。君は気づけば、もう一冊読み終わっていた。)それにしても。やっぱり興味あったんじゃない、この本に。(…そして彼の人当たりのいい笑顔は、君が最初に敬遠したときから全く変わらなかった。)とっても面白かったよ。て言っても、僕も数を読んでる訳じゃないから素人の感想だけどね。(どういう意図か、細かく考えることはやはり他人のことなので難しくはあるが、今のところは『素直じゃないなあ』、なんて程度で。)ちょっと笑えるような小粋な書き方をしたり、全体的になんだかおしゃれな雰囲気まで感じるような。そういうタイプの書き方だったよ。(感想の基準は完全に彼のものではあるが。)それに、熱くなるような展開もたくさんあったし。僕は好きだな。(…そう。彼の好物は『熱いもの』である。)」 (5/11 21:09:10)
レフバ>
「まぁそういうもんじゃねーの?オレはずっとこんなカンジだから分からねーけど」レフバは頬杖をついて彼のことを見つめた。「別に。以前読んだことあるだけだ」会話はするものの、相手と目線は合わせずに、彼は窓の外を見ながらそう言った。あからさまに気難しくて、こちらとの距離感を測っているような雰囲気だ。「ふーん。まぁ確かに、細かいところにそういった表現が多かったよな」あたかも知っているかのように振る舞うが、実際は半分ほどしか読んでないのである。「結構大胆なシーンも多かったよな」恐らく熱くなるシーンというのは、自分がまだ読んでいない部分だろう...... 「あんまり本は読まねーわけ?」読書が趣味だという人間はそう多いわけでもない。趣味といっても、毎日、毎週一冊のペースで読んでいるような人間ともなると数が限られてくる。レフバのようにそもそも読むスピードが早いのなら違う話だが。「文字でも、ケッコー熱くなるだろ?」「文字が映像より劣ってるなんてことは決してない。文字だって感情が大きく揺さぶられることがあるし、視覚情報がないからこそ自分で場面を想像するのが楽しいんだ」レフバは本の装丁の四隅の一角をなぞながら、そう口にした。「じゃあ何、普段は映画とか見てんの?」今は『図書室の本を全て読む』という目標があるので、ここ最近は読書漬けだが.........以前は映画もよく観ていたりした。が、一般人とは逆で、速読の出来る文章は良いが、映像は早送りし過ぎるわけにもいかないので.........結果的に映画を全部観終わった時間よりも、本一冊を読み終わる時間の方が短いという事態が発生する___要は、コスパが悪いのである。なので近頃は興味のある作品以外はダラダラと観ることがなくなってしまった。 (5/11 22:06:53)
八雲 錐>
「(少し不器用なのだろうか。なんて、ちょっとした憶測でも立てれば、距離を測るような仕草こそあれど少しばかりは打ち解けることができているのかもと嬉しくなる。真意のほどはわからないが、こうして会話が弾んでいくだけでもやはり嬉しくなる。)本を読むのは好きだよ。ただ他にやることがあると、読もうって気にあんまりなれなくてさ。(趣味。『ヒーロー』たる、その演出を愛すものとして、磨いてきたのはセンスだ。動きや格闘のセンスなど、足りていない戦うセンス。結局、片手間でやっていた衣装制作の方がたぶん才があった。)どちらかというと、楽に吸収できるのはアニメとか映画の方がやっぱり見ちゃうな。(しかし、今より妥協は許されない時間がやはりあったもので、才のある衣装制作などやっている暇もなかった。血の滲んだあとは、まだ残っている。)僕、見ての通り肉体派…なんだけど、やっぱり継続しないとなかなか、ね。(それでも片手間に、暇のない時間の中でも吸収できたのが、文ではなく映像だ。つまるところ、時間の点で彼と君は逆の性質だ。)」「でも。(だが、それは時間の点において。)確かに文章っていうのも、一つ熱いものを持ってるんだね。この小説からは、そういうものをたくさん感じた。感情を揺さぶるのがうまいね。(君の文を愛する心は彼を共感させるものもあり、同じ『芸術』、あるいは『演出』を好むのだろう、と。)小説だったら、大事なところとか熱いところとか、何回も反芻して余韻に浸れる。映画とかもディスクだったら巻き戻しはある。でもそれはあくまで巻き戻しだからさ。(同じ人物が、同じ顔をして、同じことを言うのを繰り返す。嫌いじゃないが、粋ではないな、なんて思っていたところだ。)小説はリアルタイムを何度も経験できるような感覚になるんだよね。(人物は同じだ。だが表情や言葉の重みは見る度に姿を変えて成形されていく。)それと僕、実は特撮ものとかよく見るよ。まだやってるでしょ、休日の早い時間に。あれが面白くてさ、毎週欠かさず見てるよ。(そういったところが、映像よりより『深く』見れるのだと。)特撮もいいよ。単純に勉強になるし。(彼にとっての『ヒーロー』を見る演出が、1つ増えた瞬間だった。そして、『ヒーロー』を布教する様子を捉えた瞬間でもあった。)」 (5/11 23:08:21)
レフバ>
「ふーん、時間の確保が難しいってか」自分とは真逆の立場だ。走ることは好きだし得意だが、トレーニングを行う時間よりも研究を優先することが主なので、これといった運動を行う機会は日常ではあまりない。また偏食や少食の傾向が強いせいで、恐らく彼のような肉体を持つことはきっと難しいだろう。「じゃあ、今日は大事な時間を使って本読みに来たわけか。そんなに読みたかったのか?それ」最近は、ずっと図書室にいるせいで、ここに来る顔ぶれの大体を覚えてしまった。恐らく彼のことは初めて見る気がする。「へぇ、」「良いこと言うじゃん。」確かに、同じ映像を観るのと、再び読んでその場面を想像するのは、全く異なっていることだ。そういった点も、視覚・聴覚情報で構成されているので、観る側はずっと受動的なままでいれる映像作品というものが存在しているのに、未だ読書が人々の間で続いていることの、理由の一つだろう。「特撮かー。あんまり観たことないな.........」「小さい頃にそういうものに触れたことなかったからな」強いて言うならゴジラくらいだろうか...... ともかく、特撮はどうやら、彼を構成する一部となるくらい好きなものらしい。「単純に勉強になるってどういうことだ?そういう教養みたいな要素があるのか?」 (5/11 23:58:51)
八雲 錐>
「まあ、1、2年の時は、本当に妥協は許さなかったから。(それを示すように、彼の肉体は規則正しく引き締まっていた。ゆるっとしたシャツの、だるっとした半袖から見える、黒い『スーツ』に包まれた腕が表しているだろう。)僕、3年生なんだけど…というか、自己紹介してなかったね。僕は八雲 錐。よろしくね。(そして同時に、君が彼を初めて見るのは気のせいではないことも。図書室で黙々と勉強をしている暇があれば、その整った施設を使う方が彼には効率的である。全く勉強をしていない、というわけではないが。)…それで、高校生最後の年だし、『ヒーローになる』っていうのは決まってるから。それに今ももうヒーローみたいなものだから、最近ゆとりを持つようにしてるんだ。(しかし今は。待ちかねていたとはいえ、次世代の英雄となることを突然強いられることになってしまって。)本音を言うともっと頑張りたいけど、やっぱり新しい生活には慣れないもんだね。(『強さ』を教えてくれる人。『憧れ』であったものは、今やまたフィクションの中のものに逆戻りしてしまっているのだから、実のところ気が滅入っていた。)」「変身系を主に、って感じなんだけどね。(だから彼は、存在するフィクションに学ぶ。運動にゆとりを持った代わりに、他の『学ぶこと』へはより一層の熱を持った。)彼らの『理念』とか、『行動』とか、ヒーローとして勉強になること、たくさんあるよ。(彼は演出を愛している。だから、らしい理念や行動というものを大切にして、学ぶのだ。)そういう意味で、この小説も同じだね。依頼者のことを第1に考える探偵の、それも見習うべき理念や行動だ。(彼は演出を愛している。何かしら燃えるものがなければ、もはや生きていけないほどに。)…あ、仕事みたいに思ってるわけじゃないんだよ?楽しんだ上で、ね。(ただ燃えるということは、それを『好んでいるから』なのだけれど。)」 (5/12 20:08:35)
レフバ>
「あっそ。」多少会話を重ねたところで、彼が警戒する必要のない存在になることはない。それに、次にまた会うかどうかも分からない相手に、自分の名を名乗る必要もない。また会うことがあるのなら話は別だが。「そーかよ。別に、頑張りすぎて他のことを蔑ろにしてるわけじゃないなら良いんじゃねーの」授業をほっぽっておいて図書室ばかりに居る自分には相応しくない台詞だが。「ふーん?オレはそういうところに目が向かなかったかもな。ずっとどういう事件だったのかを追ってた」情報が分析され、推理が冷静に展開されていくところばかりに気を囚われていたが、確かにその小説の中の探偵は、自分の中にある確固たる理念と思慮を以て行動していた気もする。推理小説は、物語の中心となる事件が存在しているために、キャラクター間の個人的なストーリーよりかはそちらが優先されるため、あまり推理小説に登場人物の魅力を深く見出したことはなかった。が、きっとそういう話が、まだ読んでいなかった残りのページに書かれていたということなのだろう。そういう話は、きちんと物語を全て読み終えてからするべきだったな。惜しいことをした。_____________「じゃ、」「オレは帰るぜ」近くで本を読んでいただけの相手と、これ以上話そうにも何も話すことはない。_____それに、何だか気分は読書じゃなくなってしまった。レフバは席から立ち上がって、持っていた本を本棚に戻すと、「邪魔して悪かったな」と言い残して、そのまま図書室を出ていこうとした。(確かに、痛快で熱い展開なのは良いけど、最後は大体、完璧なハッピーエンドに終わってしまう)(最後にせめて一つでも腑に落ちないところがあるくらいが、余韻があって好きだ)(ただ、それだけ。)誰も引き止める者がいないのなら、彼は扉を開けて、そのまま寮の自分の部屋へと帰っていくだろう。まだ日は長く、朧に黄色を宿した青空が、まだ明るく広がっていた。 (5/12 21:20:26)
和枕 音子>
( それは、静かに静かにそこにいた。すぅ、すぅ、と言う寝息すら、ゆるく上下する背中すら、数センチの距離まで近付かなければ分からないほどに。人の姿、それこそ常駐すべき司書の姿も見当たらない図書室。廊下から一番離れた窓際の、背の高い本棚の隙間に置かれた長机に突っ伏して、少女が寝ている。窓の外からは威勢の良いホイッスルの音や、教科書を読み上げる若い声が、あとは頂点から落ちるだけとなった目映い陽射しと共に、室内へ飛び込んでくるだろう。窓が開いているから、生暖かい風なんかもたまにカーテンを揺らす。コード専門高等学校は、たった今五限目の授業中であった。)「 _______ん、 」( 吐息。身動ぎは、僅かにテーブルを軋ませて。)( _______少女は徐に顔を上げる。) ( 笛の音か、この場にいた誰かが立てたかもしれない物音か。少女を現実に引き戻した犯人は分かりようがないけれど、酷く緩慢な動作で瞬きを数度繰り返し。白いロングパーカーの袖で眠気の滲む瞼を擦って。そうして『 ぼく 』はようやく『 きみ 』を視認する。)「 ………………おは、よう? 」( こてり。ちょっとだけ小首を傾けては、そんなぼやけた言葉をきみに掛けた。) (5/24 21:35:05)
レフバ>
____________漸く、五分の一くらいだろうか。 何が半分かって?『この図書室にある本の数』がだ。 入学してからもうそろそろ一ヶ月半が経ちそうな頃合いだが、『図書室の本を全て読む』という試みは、自分でも想像していた以上に順調だった。最も、授業に参加していないからだが。日中、放課後、全て読書に充てる生活を送っていたが、継続していれば案外ここまでいけるものなのだと実感する。一年間この生活を続けていたら、恐らく全ての本を読破出来るだろう。その時が来れば、もうこの図書室を利用することはほとんど無くなるに違いない。そう思うと、この空間に賞味期限という概念を持ち出したくなってしまったのだった。今日もレフバは授業を放り出して図書室にいた。外は心地よい天気、爽やかな風にあふれ、時たまに授業の音が聞こえてくる。それを蔑ろにして勤しむ読書は、口にするものではないが、彼としては気分が良くなるものなのであった。さて、読み終えた本を元の位置に戻そうと、窓際の本棚にまで向かった時____________そこにいた彼女を起こしてしまったようだ。「.....................................................」「................................おはよう?」今思えば、この図書室登校を続けてからずっと、彼女はこの部屋に居たような。そして本を読むというよりかは、ここを睡眠の場として利用していた。別に、何故ここで寝ているかの事情も、彼女が何者なのかも、彼としてはさほど気になることではない。気持ちよさそうに寝ている人を興味本位で起こそうと思うほど、彼が思慮に欠けた人間なわけではないからだ。なので存在自体は知っていたが...........................実際に話しをするのは、これが初めてだ。「朝はとっくに過ぎたぜ」彼は初対面の相手に冗談を言える質でもないために、真面目にそんなことを口にした。 (5/24 22:06:04)
和枕 音子>
( どうして彼に声をかけたのか、理由を答えよと言われたのなら〝 目が合ったから 〟と告げるしかない。たまたまきみがそこにいて、たまたまきみの青灰色とぼくの琥珀色がかち合った。寝起きで思考力が間延びしている中、一番最初にまろびでたのが『 おはよう 』なんて言うお花畑のような台詞だったっていうだけのお話。きみが誰なのか、今は授業中のはずなのにどうしてこんな場所にいるのか。そんな疑問、寝惚けた頭では浮かばないし、浮かんだってすぐに忘れる。) 『 朝はとっくに過ぎたぜ 』( きみ______比較的小柄で線も細めな男子生徒は、至極真剣な顔で真面目な突っ込みを宣った。)「 ……………………知ってる、よ。だってぼくが図書室に来たの、今日は四時限目からだし…………。朝は保健室に直行してすやすや安眠だった。」( くあ、と欠伸を噛み殺しながらぼくは言う。)「 眠りから覚めたあとは必ず『 おはよう 』と言うって決めて………………………は、いないけど。なんか、それが当たり前みたいな…………感じ、しない? 」( 抗いがたい眠気はすっかりなりを潜めていた。立ち尽くしたようなきみの姿を観察するに、その手に持った本を返すなり取るなりしようとしたに違いない。まぁ、ぼくの睡眠欲がそんなことで霧散するわけはないから、ぼくが起きたのは単純に満足したからなのだろう。…………自身の身体のことであるのに、分からぬことばかりであった。)( __________さて。)( ぱちり。再度瞬きを挟み、今度はきみにしっかりピントを合わせることにしよう。前述した通り華奢な生徒だ。名前も学年も知らない彼のことを、しかし、ぼくはかすかに見知っていた。)「 きみ、よく図書室にいる子だよ、ね。図書室に住んでいるんじゃないかって、話にもなってる。」( なっていない、たぶん。あくまで自分がそう思っていただけである。)「 ………………で、いつもいるってことは。きみは本が好きなの? 」( 他にも色々言うべきことはあったのかもしれないけれど。眠りから覚めたばかりで火照る頬を机の木面に押し当てながら、きみに問うのはそんなしょうもない質問だった。 ) (5/24 22:43:09)
レフバ>
「うーーーーん?」 眠りから覚めたあとは必ず『 おはよう 』と言う、のは____「____しないな。」彼にとってはない感覚だった。何しろ、彼は不健康そうな肌の色をしているが、こう見えて朝以外に寝るなんて時は滅多にない健康優良児であるし、__________________________目が覚めた時に誰かが傍にいるという経験は、もうしたくないから。「はぁ〜?誰だよそんなこと言ったやつ」別にそう思われても構わないが、自分は授業に出ても無駄だから本を読んでいるのであって、不登校扱いされるのは気に食わない。第一、一日一回は教室に顔を出してはいるのだ、放課後にアイスを食べに行く相手を探しに。「きちんと教室には行ってるっつーの」始業前にはな、と付け足した。「毎日ここに通って本読んでる人間が本を好きじゃないってことあると思うか」そもそも読書をして後悔を覚える者は中々いないと思うが、よっぽど害のある内容でもなければ。「そーいうお前は本好きなわけ?ここに来てもずっと寝てるところしか見てねーけど」 (5/24 23:07:11)
和枕 音子>
『 ____しないな。』「 しないか。」( まぁ、挨拶なんて人それぞれだ。夜に『 こんばんは 』、朝に『 おはよう 』、昼に『 こんにちは 』。目を覚ました時も『 おはよう 』で、寝る時は『 おやすみ 』。いったいどこの誰が考えたものか、残念ながらぼくには知識が無かったけど…………それって夜に起きる人間は、目を覚ましたその時に何て言えばいいのか、さっぱり分からないじゃないか。くるっとまとめて全時間帯、どんな時にも共通の挨拶があればいいのに______。 )『 はぁ〜?誰だよそんなこと言ったやつ 』( _____何の話、だったっけ。) ( あぁ、そう。図書室に住んでいるみたいな話。)( ふっ、と。考え込んで話を聞き流してしまう癖があるのは良くない。治そうとは思っていないが、余計な誤解による厄介事を解決する労力が勿体ないから。一息。きみの言葉に差し入れるように、雑念混じりの空気を吐き出す。)「 ちゃんと出席自体は取れているなら、問題はない……か。あんまりぼくもひとのことは言えない。…………この話、やめよう。」( 話を始めたのは自分の方であると言うことも忘れ、一方的に会話を打ち切った。)『 そーいうお前は本好きなわけ?ここに来てもずっと寝てるところしか見てねーけど 』「 好きだよ。」( 応えは素早い。一も二もなく、それ以外の答えなどは有り得ないと。丸まった猫背をぐぐぐ、と、それこそ猫のストレッチみたいに伸ばしながら、)「 本を読むという行為に、個人の実力差とか、努力差とかは存在しないから、ね。」「 ただ、わざわざ図書室でページを捲らずともいいかなって……言うのと。諸事情あって、あまり起きていられないんだ、きみがそう疑問に思うのも仕方ない。」( この学校に入学する前は、気が狂いそうなほどの時間があった。本を読むという趣味に走るのも、当然の帰結であったと言えよう。自らの〝 諸事情 〟とやらを、あっけらかんとした調子で口にしては、きみに視線を送る。)「 きみ__________、」「 きみきみ言い続けるのも、何だかあれ……だね。 名前とか、教えてくれたりする? 」( 「 嫌だったらいいけど。」名前を自分の口から言いたくないってひとも、この世にはいるくらいだし。) (5/24 23:39:52)
レフバ>
「ふーん。そうかもな」読書に実力や努力はいらない、か。「向き合っているのは本だからな」_____読書は、本と自分との会話のような一面があって、そこには個人的な世界が広がっているだけで、感想の共有や議論という行為などが無ければ多方面からの介入などないわけで。もっと言えば、文章を読んで何かの感情を抱いた自分を見つめていることでもあるのだ。人は、何かしら時間も食事も睡眠も忘れるほど続けられる行為があったら、それは自分と向き合っている時間だという場合が多いらしい。最も、食事も睡眠もそれに当てはまる行為だが______「そーなの?大変そうだな。」どうやら相手は常に眠い身体だということらしい。それは少々不便そうだ。自分だったら、人前で寝るという行為はとても出来たものじゃないだろう...............たまには本も読まずに過ごす時間も良いのは認めるが、今のところ読書以外の用途でここを利用したことはない。「それってちゃんと眠気の知らせが来るのか?それともいきなりぶっ倒れるのか? 本読んでる最中に寝て紙面に涎垂らすとかないだろうな」恐らく前者の可能性の方が高いが、後者であった時はかなりイヤなものなわけで。本を汚されるということは、読書行為を蔑ろにされる気がしてあまり好きではないのだ。「________オレに名前を聞く前に、自分から誰だか言ったらどうだ」口調は強いが警戒している、というほどでもない。むしろ彼の受け答えや態度はラフだが、まだ特に信用していないということだろう、相手の内面を、どの位置でコミュニケーションを取るかを探るように、会話しているような雰囲気だ。 (5/25 00:39:42)
レフバ>
___________今日の空は灰色だった。この時期は、日差しが降り注ぐような晴天であれば暑いのだが、雲がかかっていたり、夜中だと肌寒さを感じるほどなので、気温差が激しく扱いづらい印象がある。それと風が強く、雨が少々、といったところだろうか。あまり街中で人の姿は多くは見受けられなかった。「_______折角の土曜日だっていうのにな」今日はアイスの鬼になるつもりだったのに.........と、レフバは残念そうな表情でそう呟いた。この気温は、アイスを食べるのには適していない。彼の趣味は読書にテレビゲーム、研究する日はデスクに向き合っていることばかりで、外に出る回数は少ない。が、元来性格は活発な方なので、時間があるのなら進んで外出したいという気持ちはある。なのでこの土曜日は久々に外で遊ぼうと思い、楽しみにしていたのだが......外に出てみれば生憎の空模様だった。(日曜は予定入れたし......思いっきり今日は遊ぶつもりだったんだけどな)ちなみに、彼は某有名アイスチェーン店をこよなく愛している。なお愛し始めたのは日本に来てから、要は三ヶ月前後くらいの付き合いだ。彼の中にはとあるルーチンが存在する。それは週に一回は””アイスの鬼””になることだ。その日はいっぱいアイスを食べるという内容で、基本は友達を誘って行くのだが、皆他の予定があったらしく、とうとう遊び相手が見つからないまま今日を迎えてしまった。ちなみに人を誘う理由は、違う味を頼んでシェアするためである。一人で沢山注文しても食べ切れないし、それ以前に全て食べ終わるまでに溶けてしまうから。食事は好きだが、他人よりは食べるスピードは遅いし、嫌いな食べ物は沢山あったりする。野菜とか。(なんかあったかいものが食べたいかも、)そういえば、この辺の繁華街は主にゲームセンターやアイスを食べるのに利用してばかりで、他の店に入ったことが無かったような。折角学校の近くに店が沢山立ち並んでいるんだから、寄らないのは勿体ないことかもしれない。というわけで、何か良い店がないかと適当にそこらをふらふらと歩き回っていると________外にショーケースがあるタイプの、小さな中華料理屋が目についた。(本当の中国人が経営している、ってワケでもねーのな)中に入るようなタイプの店だと、他の客の視線がイヤなので、こういった外で商品を受け取れる店の方が面倒じゃなくて良い。さて、屋台にはメニュー表が置いてあり、そこには餃子だとか、北京ダック、叉焼、小籠包などの名前が連ねられてあった。彼は肉が好きだったので、ここのラインナップからは勿論、「北京ダックちょーだい」 (5/28 20:54:40)
李洲>
ク゛ゥ......「あ~~~~~~、終わった~~~~~、腹が、、」(もう長針と短針が同時に12の文字盤から気づけば、時が想像以上に建っているのであって、昨日のまん丸く白いお団子が空に向かって絶対ん規則であるはずの重力を無視するかのように自由に浮かび始めてから、明るすぎる球体が遥か先からその重みをもって音を携えずゆっくりと浮かび上がってくるまでずっと一昨日提出の課題にペンを走らせていた彼のお腹は情けない音を鳴らしていた。スッと気怠そうに立ち上がればフラフラと、ショウロンポゥ…、ショウロンポゥ…と呪文のようなものを唱える。灰色の空は彼の意識を遠のかさせ彼に何か考えることを許しはしなかった。次に気づけば脳が認識していたのは”中華料理”の文字。)「ショウロンポゥ…ショウロンポゥ…」(この店は以前から彼が訪れようとはしていなかった店である。そもそも店の看板が汚くない。少し見える店内の床は油でテカテカにコーティングされてはいないし、何より店主の日本語が片言でない。___彼は行く先行く先の中華料理店で幾つかの”旨い中華をちゃんと作れる”店の共通項を知らず知らずのうちに見つけていて、無意識的に中華料理に訪れるときは彼の大脳半球にぽつりと音もたてず浮かんでいる前頭葉がその景観、匂い、音の情報を頼りにそのドアを希望とともに開けようとする手の采配を振るのだった。今日までのその判断は全てNOであったが、今日という今日は、その采配に対し、何でも溶かしていたはずの液体が寂しそうに揺れ満たす胃の表情を見て足を動かさせた。だから、そんなこともあり選ぶのはテイクアウト。わざわざ待ってなんかいられない。如何やらこの中華男の捉えている店の先には幾分か小さい男が並んでいた。近くまで寄ってみれば『北京ダックちょーだい』の声がした、___、、ええい!仕方がない。こちとら緊急事態だ、死人だ!空腹死人がでるぞ!今したな!?注文!したんだよな!?じゃあもう俺が注文してもいいフェーズだよな!?なんたって俺は空腹死人予備軍なんだから、、、___もうそんなことが文字となって頭の中を渦巻いたこの男はその注文した彼の前にそのフラフラとした体を重みを置き去りに引きずってその男の前にずかずかと割り入っては「おっちゃん、、、、、ッッッッ、、ショウロンポウ、、、俺に小籠包を、、、、」と言えば、並んでいた男に向かって「名も知らないが、悪い、確かにお前の目には今倫理観のかけらもないマナー欠落糞男にみえているかもしれねぇが、おれは今本当に本当に、、言わなくても何となく伝わるよな?もうあちゃ~っていうフェーズまで来てる。人助けと思って許してくれ、な」というのは今言える彼の最大限の言い訳を今彼が持ち合わせている全ての”やさしさの模範解答”のベールで包み込んでいるつもりだった。 (5/28 21:43:28)
レフバ>
「うわっ」注文してすぐだった、自分の目の前に何やら、大柄な男が押しのけて入ってきたのは。「はぁ〜......?」誰だお前、と言おうとしたが、何やら目の前の彼は俺を助けてくれ、ということをブツブツと呟いていたので、「____分かったよ。おじさん、会計はコイツを先にお願いな」と、ひとまず彼の言うことを聞いてやるのだった。「ってかよ、マナー欠落糞男さん。そんなに腹減ってんならわざわざここじゃなくたって良いだろ、中華しか食えないっていう呪いでもかけられてんのか」レフバは自分より年上は苦手である。正確には、””自分を偽る大人””は苦手だ。なので嫌いな年上にこの目の前の彼は該当するが.........彼は””大人気ないし性格が悪そうだ””という雰囲気があるので、そこまで邪険に扱うまでには至らなかった。 (5/28 22:01:53)
李洲>
『____分かったよ。おじさん、会計はコイツを先にお願いな』(そんなあまりにも優しすぎる台詞(普通であれば、深々と重い頭を下げ礼を言うはずの)に彼はにやり、と頬の緊張してた筈の筋肉を解しては「謝謝な」とだけ言葉を残す。申し訳程度に掌と拳を重ねて。『ってかよ、マナー欠落糞男さん。そんなに腹減ってんならわざわざここじゃなくたって良いだろ、中華しか食えないっていう呪いでもかけられてんのか』「わざわざ譲ってくれた手前ありがたいんだけど少年君さ、」最初こんな口調から話し始めれば、何人かの人間であればムカとくるものでもあろうがそんなことは気にはしない。すれば、二つの拳を男の前に差し出し、論理のろの字もないような展開をする。「あのな?糞を喰らうか、大好物を喰らうか。もう答えは一つだろ」片方の拳を開いては、両方の腕をブランと下す。そんな下らないことを話し、気が付けば、差し出し口の方に視神経を働かせて網膜にうつしでるのは、北京ダックと小籠包が小さな机に所せましと向かい合い湯気を流している姿であった。『はいよ、ご注文の品。代金は__』店主が低く響くような声でつらつらと感情がない人造人間の如し代金を要求すれば、彼は中華服のポケットの中を探って、何かに気づいたかのようにぱっと顔を明るくさせ、にやにやと少年の方向を向く。「わり、俺財布ねーわ。ちょっと、ちょっとだけ今だけ、今だけだから、な?」だれが見ても気づくような作り笑顔で靨にウサギの足跡のような靨を浮かばせては右手を頭の後ろで擦る。 (5/28 22:28:51)
レフバ>
上から目線で少年と呼ばれるのは気に食わない。「よく分かんねーけど、メチャクチャ困ってるっていうのに、それでも糞は選びたくないっていうプライドは塵レベルには残ってんだな」面白いぜ、と付け足して、レフバは商品が出されるのを待った。暫く経つと、机には小籠包と北京ダックが湯気を立ち昇らせながら現れ、美味しそうな匂いを冷たい空気に包まれるこの街中に漂わせた。「本物の北京ダックって初めて食べるかも」日本に来るまでは決まった食事内容しか提供されてこなかったので、異国の地の料理など以ての外だった。日本は一つの国だというのに、他の国の料理も食べようと思えば、日本国内で専門の料理店がいくつか探せたり出来るものだ。結構、贅沢な環境ではある。自分は今まで代わり映えの無いメニューばかり食べてきたせいで、その反動でここでは色んなものを食べるのが好きになっている......「...は?」先程は割り込みを許したが、支払いの時になったと思えば、彼は突然『財布が無い』だなんて言いだしたではないか。「................................」ここでレフバは、どのような罵倒を彼に浴びせようか、数秒の間に思考を巡らせ様々なワードを考えたが、結局は、 「.....................おじさん、ありがと」と言って、彼のことは一切無視して、ひとまず自分の支払いを済ませ出された料理を食べることにした。「美味いな、コレ。アヒルで出来てるんだっけ」 (5/28 23:24:24)
李洲>
(財布を忘れたことを伝え、彼の”最大限のかわいげ”で男にお金をせびったものの、当の彼はまるで誰もいないかのようにあからさまに北京ダックを頬ぼり始めた。そんな彼を見て、お、というある種何かを認めるかのような表情と同時に、悔しそうに唇を嚙み締めるかのような表情が重なった刹那は一瞬。そのあとはすぐ意地汚い微笑みもたたえず色が重ねっていない無表情で中華服のあまりに大きいポケットから財布を出して代金を店主の手の中に納める。すれば少し男の方を向いては、)「っち、上手く行ったと思ったのに。」(そういっては、湯気が流れる小籠包をメスで人体を開く医者かのように、すー、っと箸を差し込み流していく。中にはごろごろとした肉が匂いを含ませ姿を見せて、その表面からは、少し幸せの色に濁った肉汁が溢れんばかりに流れ出る。すこし満足そう(完全なほほえみとかの類ではなく口角を上げる程度でしかなかったが。)に半分に切り分けた小籠包の一切れを口に入れる。口の中でそれらの肉、皮、肉汁の香りは混ざり合い、口の中を熱気と肉汁で満たした。)「ん、意外と悪くねェな。」(評論家のようなまなざしをたたえればすぐに、男の近くによって、)「それ、ど。」(音階を並べるかのように彼に意見を求める。何を思ったのか、冷静に、何も顔の表情一つ、声色二つ変えずに小籠包を食べながら、視線も変えず「これは、おこちゃまにはまだ早いでちゅからね~。」と小ばかにした調子(冷静さの裏に)で言う。) (5/29 20:57:15)
レフバ>
「あっそ」「少なくともテメーみたいな大人にはなりたくないよな」人が沢山いる場所はそれ相応に変な人もよく見かけるというが、どうやら今日はそういう日らしい............ 「________実際の中国人ってのは、テメーみたいな捻くれていていけ好かない奴が多いのか?」「人の金奪おうとしたり、自分がしたいように他人にケチつけて、自分は奪われない気でいるのって、それって中華というよりかは野蛮な遊牧民なんじゃねーの」「ま、お前が本当に中華でも、そん時は『中国人は壁を造るのが上手い』ってだけだけどな」「あぁでも、清代以降から万里の長城って全く着手されず放置され続けたらしいぜ、それに段々と消失してってるらしい」「今じゃ””見た目だけのハリボテ””ってことだな」なんて、適当なことを言い連ねておいて、さっさと料理を食べ終えてここから逃げてしまおう......... (5/29 21:24:16)
李洲>
(多くの偏見やたわごとをつらつら、つらつらと並べられては、それも気にせず、小籠包を口に放り込んだり、「ん、やっぱ旨いな、」とか「こっれ、やばいな、食わず嫌いしてた俺がばかだったな」とか言ってみたりしていて、男が言うまるでヘイトスピーチにも捉えかねない言霊たちは、恐らく本当にこの小籠包男の耳の渦巻き管に入っていいのか迷っているところであろう。(伝わったところでこの男はたぶん認識をしていないが。)その男が不満たらしを終えてどこかへ行こうとすれば、小籠包男は彼の方向を向き、片眉は上げ、もう片方は下げてまるで欧米人のような表情の使い方で「なんだァ、さっきから聞いてればゴチャゴチャゴチャゴチャ、、いいだろ別に。」(___全くもって良くない。列に割込みしては金をせびろうとし、挙句の果てに自身の論理を正当化する人間なんているだろうか。否、いない。しかし、実のところ彼の此れは彼なりの礼の気持ちである。列に割り込んだことから始まる様々な迷惑の。何とか礼を素直に言おうとすれば彼の”面倒のくさい部分”が邪魔をして。ユーモアを言おうとすれば財布を忘れるふりという最悪のユーモアでさらに滑らせ、素直にありがとうと言えばいいのをためらってしまってはただの本当の距離感0のマナー欠落糞男になってしまっている。全てが裏目に出ているのだ。実際であれば他人に興味がない彼がわざわざ金をせびろうとしてめんどくさいことは起こさないし、わざわざ話を続けようとはしない。不器用ながらも彼なりなりの礼をしようとしていたのだ。顔には出ていないものの、彼の心の表情は耳まで真っ赤に染まり、何とか冷静を保とうとしている。急にこの男は、一回り小さい相手の首元を掴み(彼自身どう収拾をつければいいか迷っての行動であろう。ほら、若干耳は恥じらいからか赤に染まった。)「あーあ、残念、俺につかまってしまったので逃げられませーん。小籠包食べ食べ委員会開催~。」いつものさらに気怠そうで低い声をどうにか明るく保つ。首元を掴んだまま近くの椅子に座ろうとする。灰色の空は俄然重く。 (5/29 22:02:24)
レフバ>
「____ぐえっ!!!!」ここから早く立ち去ってしまおうという意図がバレてしまったのか、わけも分からずその不審な男に首根っこを捕まれ、そのまま近くの椅子にまで引っ張られてしまった。「何すんだテメェ!本当に頭がイカれてんのか!!?」ここでレフバの体格がもう少し良ければ抵抗も上手くいったのかもしれないが、彼は同年代の中でも身長が低い部類である上に、その上女子にも勝てるか怪しい非力なので、至って健康的に育った青年である彼に対する勝ち目など、ほぼほぼゼロに等しかった。「(料理渡されたらすぐにどっか行ったら良かった.........!)」また、タイミングさえあれば彼の手を躱しここから逃げることも出来たが、(恐らく足の速さならレフバの方が上だろう)彼の手にはまだ皿が握られていたので、料理を置いてここから逃走するわけにもいかなかったのである......「オレのことボコボコにしたいのか!それとも金でもぶん捕る気か!!どっちにしろそんなことしたって意味ねーからな!!!」 (5/29 22:58:47)