敗北@エレナ>
ボクシングの基本は足腰である。体力に粘りをつけるために、陸上競技顔負けに走り込む。そして、筋トレの要は負荷である。筋肉は重いものを持ったり、体重を支えたりすると鍛えられる。それを二つ同時に満たす手段が世の中にはある。それも、簡単に手に入る___入る___?ものである。『帰り道、歩きや自転車で帰るのが億劫な者はいるか。運賃は取らんから安心しろ。』そう、人力で誰かを背負って帰ればいいのだ。そんな無茶苦茶な、と思うかもしれない。しかし、救急救命の現場や、軍隊の行軍には数十キロの荷物がのしかかることも多々ある。つまり、やってやれないことではないのだ____と閃いたのが今朝のこと。私は校門の前に立ち、挑戦者を募ることにした。このために帰り際教室に残る者たちを置き去りに疾走してきたのだ。ぬかりはない。この広い校庭に____大軍を迎えうつかのような形相で、一人突っ立って、メガホンで呼びかけている。大道芸人か街頭演説か。ともかく目立っているのは当然____ (5/8 23:20:24)
Sion・Forsyth>
「(貴方のその大きく鍛えられた体躯に、校庭に響き渡る大きな声。今から帰寮しようと通りがかっただけなのですが、何やら…挑戦者?とやらが必要なようで。とりあえず人手なのでしょうか、お手伝いできる事があれば喜んでお受けいたしましょう。そんな思いで、貴方の後ろから、とんとん。人差し指で肩を軽く叩きます。覗き込むように貴方の視界にひょこ、と入り込めば、いつも「ミステリアス」だとか「ちょっと怖い」と言われてしまう笑みを浮かべるでしょう。)___ええと、先輩…でしょうか。何方か探されていますか?お手伝いが必要ですか?(___なんて。勿論貴方が考えていることもやりたいことも分かりません。そして、何より運動が苦手な私が貴方に挑もうものなら赤子の手を捻るように負けてしまうでしょうし。ほんの少しのお節介とサービス、貴方の為にできることとしたらちょこっとズレた世間話くらいなのに、貴方の時間を虫食いにしてしまうような蝶々が1匹、貴方の肩に留まりましたよ。)」 (5/8 23:33:44)
エレナ>
『……そうか、そうかそうか。協力してくれるか。____体重と自宅までの距離を言え。』そもそも待ち構えて誰かを捕まえる気でいたのだから、どんな形であっても誰かが来たことに苦言を呈する理由も、驚く訳もない。多少何を考えているのか分からないような部分はあれど、見かけで人を判断するのは愚策だと、エレナ・ドラグノフは常々口にしていたところじゃないか____尋ねたのは、体重と自宅までの距離。体重を知るべきなのは、何キロを担いだか分からないようでは目安にならないからで、距離についても言わずもがな。自宅まで42.195kmあるというなら、私はこの娘をつれてフルマラソンだ。『体を鍛えるのは、ヒーローへの近道だ。何せ、力のない正義など単なる演説だ。教科書に書いた道徳など守るやつも少なかろう。しかし、一念鬼神に通じるとしても、伸び代だけはどうにもならん。多少なり鍛えた以上は、更に上を目指すなら、より一層の重りが必要になる。』そこで貴様だ、と口にするまでもなく彼女を見る。『ちなみに希望は多少反映するぞ、好きな担がれ方を言え。屋上から飛び降りてみたい、暴漢から逃げてみたい、沈む舟で愛を誓いたいなどは却下だが。』 (5/8 23:53:20)
Sion・Forsyth>
「………はい?え、ええと…体重は…私も乙女故あまり詳しくは言いたくないのですけれど、50Kgはない…と思います、自宅は今は学校の寮で暮らしているのですぐ近く、ですね。(口元に手を当てて、何をするのかと考えて見ましたが…まさか、追いかけ回されるとか…ああ、いえいえ、体重を聞いているのですからただ追いかけ回すだけではないのでは…砲丸投げみたいに投げられるのでしょうか…?なんて、常人からしたら突飛な考えを浮かばせ眉を顰める。寮生のため貴方が臨むようなフルマラソンもできないのですが、ただ抱えられて貴方が走るだけならどんな距離でも、私は二つ返事でOKするでしょうね。)……とりあえず、貴方様の身体を鍛える事をお手伝いすれば良いのですね!はい…?か、担がれ方…??…………よくわかりませんが、抱っこされるのですね!でしたら落とされなければなんでも大丈夫です!!(…なんて言っていますけれど。貴方のスピードやパワーに私の身体がついていけるかは…やってみないとわかりませんね。)」 (5/9 00:08:50)
エレナ>
『……なるほど、つまり引っ越してきたのか?私は元からこの辺りに住んでいるが、同じく寮生活だ。大きな声では言えんが、母がヒーローでな。』なんで寮に来たのか。実家の話でも振ってみた……のは良いが、先に出たのは恨み言だ。自分の話から始めるようなマネはなかなかしないが、これは特殊な例だ。『……ず、随分……馬鹿……で、ではなく!遊び心ある人で、我が家を秘密基地同然に改造するだけに飽き足らず、戦争でもやるのかというくらいに銃砲を溜め込み、あまつさえ「かっこよく取りだせる方が僕は好きだ。」などと宣い……。最終的には隠し倉庫に落下したり、古い弾丸が火を噴いたり……。』何より厄介なのは、あの悪ガキのような母に、それが作れる技術力があったことに他ならない。『当人が居た頃ならともかく、今は行方不明で始末に負えん。自衛官の父が付きっきりで面倒を見ている有様だ。』笑えよ、というようにくたびれた目で彼女を見た。実家がどうというなら、よく見ればこの子は育ちが良さげに見える風体だ、お金持ちの家なのだろうか?『……まあいい。であれば、全力で走れば問題は無い。距離が短いなら、速さをあげればいいだけの事。よし、捕まれ。』いわゆるお姫様抱っこ……の、はずだ。軽く屈み、いざとなれば気恥しいような気がしながらも、コホン、と咳払いをして抱きとめる体勢を作る。これだけなら格好はつく。しかし____いわゆる、力を込めた矢先、自体は変わる。ボディビルダーが鉱山なら、エレナは掘り出した幾山の鋼で打った日本刀だ。確かに細身には見えるが、しかしその総量に変わりはない。シャツやスカートを運動用に脱ぎ、通学用カバンに詰め。ランニングウェアのような姿に変わる。そうして腕に、足腰に力が篭もると_____その女は、筋肉(マッスル)だった。他に形容する言葉など無用。鍛えに鍛えた身体に、鬼が宿っている。仮に鉄球に木の葉を一枚置こう。確かに木の葉も重さはある。しかし、鉄球を潰すことはまかり間違っても有り得ない。そのくらいに不条理な肉体だった。『荷物は頼む、あと、振り下ろされるなよ。少し「険路」を行く。』 (5/9 00:31:09)
Sion・Forsyth>
「はい、親離れも兼ねて寮に引っ越してきました!(そう、私の家庭は深くは口にはしません。だって、恨言が先に出ていたって…こんなに鮮明に思い出せるくらい、それを笑い話にできるくらい、貴方のお母様は、ヒーローに相応しい好い人だったのでしょう?その話に水を差すなんて事は勿論致しません。寧ろ、突拍子もなくて面白くて、暖かいお話になんだか胸が満たされた気になりました。)…その、私の実家は…あまり良い印象を持たれないのですが、葬儀屋でして。私と、それともう一人、兄を不自由なく暮らせるくらいには暖かくて幸せな家庭でしたよ。ふふっ、私のお母さんは…先輩のお母様のように、遊び心の旺盛な人ではありませんでしたが。(なんて、ちょっとしたジョークを。そうこうしているうちに軽々しく持ち上げられるものの、いかんせん少し気恥ずかしい部分がありました。重くないかな、だとか、汗臭くないかな、とか…でもどうか、要らない心配と言わず、可愛らしいといっそ笑ってくださいな。貴方の荷物を預かり、抱きしめるように持ちます。落とさないようにしなければ…そう思い、荷物を持つ腕に力を込め…込めた、のですが。)」「………あ、あの…どうしたらそんなに強靭なお身体に…ああいえ、女性らしくないなどと言っているわけではないのですが…!!(筋肉の差なんて一目瞭然でした。細身の体に、筋肉にぐっと力が篭る様は、どこか肉食動物を思わせるような。鉄球と木の葉で例えられたならば、私は木の葉ですらないのではと思ってしまうほどに、それは〝努力〟でした。)……ふ、振り落とされないように…?頑張りようがない気もしますが、頑張り?ます…(気持ちはジェットコースターに乗る時のように身構えて、出来るだけ貴方の腕の中でコンパクトに丸まって。準備…いいえ、覚悟が決まれば、目をぎゅうっと瞑ったまま頷きを一つ。)」 (5/9 00:51:14)
エレナ>
『……そう自信のないことを言うな。別に、立派な仕事だろうに。死者を悼むのも、事務的な意味で始末をつけるにも、そうした方がいないと出来ないことだ。それに____貴様がそんなふうに言うんだったら、きっと優しい方なのだろう。』ふ、と柔らかに笑んだ。幾らくだらない話として喋る気になっても、結局はこうして、暖かく、少し寂しい、春の日の夕暮れのようなものが胸に込み上げてくる。ならそれは、きっと_____『何か言われたことがあるなら、次からは呼べ。見ての通り格闘技や修養は繰り返したが、明鏡止水には程遠い。……ヒミツだが、それなりに喧嘩や野試合は好きなままだ。』なんて、軽口を叩く。難しい道を行くと言っていたが、それもそのはず、筋力と脚力のみで、障害物を飛び越え段差を踏破し、高所からの落下も多少ならなんのその。いわゆるパルクールまがいの動きで校庭を全力疾走し、それに飽き足らず校舎の外周を疾駆する。まさかプロには勝ち目はないが、体を支える、飛ぶ、乗り越える。単純な動きに関しての速さや安定感は間違いがない。寮への道のりがてら、ペースを落としたかに見えれば室内からの救助訓練と自称して校舎の中にまで堂々と渉猟し闊歩する様は、獅子の凱旋に等しい。それはやっている事自体はむちゃくちゃだが、動きの機能美は確かだった。ただ、戦闘機を観光用に乗り込むやつはいないという話はご愛嬌、乗客がどうなるかは___根性次第だ。『言われ慣れているから気にするな。____一人、助けられなかった友が居てな。子供ながらに思ったよ、女子供に死なれるのは堪える。次以降はそれが無いようにと鍛えたのみだ。』『だが、それにしても貴様は軽すぎるな。可愛らしいのは確かだが、ヒーローには力や体力は必須科目だろう。……何、少し嫉妬だ。』風を追い越して、寮を目前に___少し苦い話をすることになった。 (5/9 01:21:42)
Sion・Forsyth>
「___、(そうです、お父さんも、…お母さんも。立派な人です。だったのです。だから、お世辞でもご機嫌取りでもなんでもない…貴方の優しい言葉が、とても嬉しかったのです。心地よいと言うには些か強い気がする風でさえ、今この瞬間だけ心地よくて。)___…んふふっ、ありがとうございます。もし、〝私が迷った時は〟…先輩を呼びますね。(空間把握に長けているだけあって、貴方がどの道をどう走って、通り抜けているのか…それを理解する事ができた。そして再び、貴方のその努力を認識して、憧れて…ほんの少し、嫉妬もしました。)」「…大丈夫です、先輩は…その、保証できる強さがわたしには、ありませんけれど…まだまだ強くなれるような、そんな気がします。(風に揺れる桃色の髪が、華の香りを優しく振りまく。それは例えるなら…献花だとか、そういう不吉なものではなくて。頑張る貴方へ贈られた、一輪の小さな華と形容してほしいのは、私のわがままです。)…なんというか、お互い…無い物ねだり、ですね。ヒーロー活動なら、それこそ私達みたいな人たちが連携をとるのです、嫉妬なんて言わずに、憧れという言葉に収めておきましょう?なんて…(綺麗事は、寮を目前に立ち止まる貴方の靴の音にかき消されたかもしれない。放課後の、人生の1ページにも満たない、頁を破っても、満たないかも知れないほんの一瞬でした。それでも、その頁を大事にするかどうかは、貴方と、わたしが決める事なのです。___わたしですか?わたしは勿論、大事にしますとも。)」〆 (5/9 01:44:05)
小室 耕助>
(水の落ちる音がぽつりぽつり。それに混じってプシュー、ガタンと扉の開閉音が耳に飛び込んでくる。それから楽しそうに水溜りを踏む子供の笑い、雨にうんざりしたような男性のうめき声、傘がバサッと広がる音。色々な音が聞こえてくる……顔をあげてもそこには何もない。ただ、ここには放棄された廃バスと寂れたバス停があるだけだ。私は再び視線を下げる。水溜りには廃バスと似ているバスが乗客を降ろし、また開閉音を鳴らして扉を閉ざしていた。私はこの光景をずっと見つめている。またそう時間を経たずして、バス停に残された時刻表通りに水溜りの中のバスは戻ってくるだろう。それが同じ日の光景なのかは、自分にはわからないが) 「……やあ、こんにちは。君も雨宿りついでに水溜りの中のバスを見ていかないか?」(バス停の椅子に腰掛ける。随分と使われてないだろうその場所は腐った木の匂いを発しぎしっという音を鳴らすものの、椅子と雨を弾く屋根はまだまだ現役だと教えてくれる。次のバスを待っていると、そこにおとなしそうな少女が歩いてくるのを見つけた。私はそちらに軽く頭を下げ、にこやかに空いているスペースに掌を向けた。私はただこの時間は良いものだと思い誘っているだけ、一緒に腰掛けるも断るも無視するも好きにして構わない。ただ聞こえるだろう、遠くからバスが走ってくる音が) (5/13 19:47:05)
蕪木 千歳>
( 午前中に降っていた雨は昼前に止み、放課後にまた降りだしていた。傘を持ってきていないことを嘆くクラスメイトの声を聞きながら、天気予報を見た母から持っていくように言われていた私はばっちり傘を持ってきていて、それが誇らしくも、何故だか寂しくもあった。持ってきてるから一緒に帰る?…なんて、言えるわけもなく、しとしと降りの雨を塞ぐ傘の中は広い。なんとなく落ち着かなくて普段より早く教室を出たものの、乗るバスの予定時刻にはまだ余裕があって、じっとりと横入りした雨と湿気が無意味に服を湿らしていく。こんなことなら、いつも通りの時間に出るべきだったと、天候と同じ曇天模様な気分になった。水の弾かれる姿が見える、お気に入りのビニル傘を、傘と何もない所の境界線をガラス越しにぼんやりと眺めながらくるりと回す。ブロロロロ────────。不意に耳に届いた、古いバスが排気を吐き出す唸り声にはっとして振り返る。けれど、振り返った先、バスは居なかった。本当に少しだけ歩いた先の廃れたバス停。そこに居た知らない男の先輩の隣に座ってしまったのは。普段なら怖くて断るのに、今日ばかりは惹かれたのは、そんなバスがきっかけだった。『 ……先輩?は、詳しいんですか?…水溜まりの中のバス停に。……私さっき、音がしたなって思ったのに何もないから、びっくりしちゃいました。 』畳んだ傘から滴った水滴が、廃バス停のコンクリートを初めて濡らす。小さく会釈した後、近くも遠くもない距離感で浅く椅子に腰を下ろして、そんな風に声をかけた。えへ、と少しだけ照れたようにはにかんで、湿気でぺたつく頬をかく。猫背気味に貴方の顔を覗き込んだ。) (5/13 20:13:34)
小室 耕助>
「詳しい……と言えるほどでもないよ。調べたら一定の区域内で色々目撃されているカミサマみたいだけど」(隣に座った君に少し目線を移し、その疑問に答える。人類とカミサマがある程度共存するようになって、そう時間も立たないうちにこの現象についての情報が飛び交ったらしい。調べればある程度当時の噂話を拾えるだろう。どうやらこの現象に危険性は一切ないらしく、こうして放置されているようだ。おかげで私達はこの音を聞く事ができるし、当時の光景に思いを馳せる事が出来る)「付近の廃バスが走っていた頃の光景なんだって言われているらしい。当時の停車する時間に音はやってきて……今みたいにバス停で停車する。顔を上げれば見えないのに、水溜りに目を向ければ見える」(水溜りに波紋が広がって、その中にまだ走り回っているバスの姿が映し出される。自分達の前、ちょうどバス停のある場所に止まった。雨音に混ざって扉の開閉音が響く、それを聞きながら付近で雨ざらしになっている廃バスを見つめた。実際はどうなのかわからない、でも今の光景はなんとなく心を落ち着かせてくれる。少なくとも私はこれが好きだ。君はどうだろう?面白いと思ってくれているかな?私の顔を覗き込む君に、問いかけるように首をかしげて見せる) (5/13 20:43:02)
蕪木 千歳>
へぇ…………、…カミサマって、こういうのもあるんですね。( 危ないものばかりな印象があったのは、きっとテレビで報道されがちなカミサマはヒーローと戦っているものであったからな様に思う。だからこそ、無害、ただ昔をおもんばかるようなカミサマの正体に、驚きでぱちりと瞳を瞬かせた。雨宿りの屋根の先の水溜まりには次のバスが映り込み、足元だけが映された乗客が乗っていく。静けさの満ちた雨の中、発車するバスの音はよく響いて、顔を上げても、発車したバスの後ろ姿は現実にはない。『 ……行っちゃった。 』『 ノスタルジーって、えと、いうんでしたっけ、不思議なカミサマで、昔あのバスに乗ってた人が見たら喜びそうだなって、思います。 』膝の上で掌がきゅうと丸まった。首を傾げる姿に心臓がどぎまぎして、じんわりと肌を濡らしたのは汗と湿気のどちらだろう。
たどたどしい言葉使いで紡がれた言葉は定型文、或いは無理矢理書いた読書感想文のようで、とはいえ他に言いようがなくて心臓の痛みが強まった気がした。クラスメイトよりも縁遠くて、他人というには些か近い。先輩というのはそういった存在で、けれども目上の人で、だからこそ問い掛けが痛かった。気分を害したらどうしたものかと。無邪気な子の方が人に好かれやすいというのは、よく知っている。と、と椅子から足を踏み出して、雨で濡れた地面の縁にたった。へらりと笑ってしたのは、夢のような小さな提案。『 …あのバスに私達って乗れちゃったり、しないんですかね。や、水溜まりの中にあるやつですけど、……水溜まりの中に入って、そのまま乗ったり、とか、出来ないかなーって思っちゃって。 』 (5/13 21:12:10)
小室 耕助>
「そうかもね。私ならどう思うかわからないけど、当時の記憶や記録のようなものが残っているというのは案外嬉しいのかもしれない」(君の返答は、なんとなく違和感を感じる。それは緊張、不安、迷い……ひょっとして問いかけられるのは苦手な子だったのだろうか?この手の話に正解というものは存在しないのだから、もう少し肩の力を抜いてくれて構わないのだが。しかし、下手に"無理しなくて大丈夫だよ"と言っても逆効果になる事もある。無理に落ち着かせようとするよりは、気づかない様子を見せてあげる事で安心させられるかもしれない。私は君の様子に気づいてないふりをして、返答を返すことにした)
「……どうだろうね、試したという話は聞いた事ないな。もしかしたら水溜りに足を踏み込めば乗れるかもしれない」(私は乗れる可能性は0ではないと考えている。あくまで一方的に、当時の状況が映し出されるのみだと話を聞いた事はあるが……年月を経てカミサマの性質がもし変化していたら?私は君の話に頷いてみせて、水溜りの方にゆっくりと歩いてみせる。結論としては、何もおこらなかった。やはり映し出す特製のようだ。私は口元を緩めて、ダメだったよと肩をすくめた) (5/13 21:30:41)
蕪木 千歳>
( 不快にさせることはなく、とはいえテンポが良いとは言えない会話に水面が揺らぐ。そう感じるのは気持ちの問題もままあって、傍目に見ればゆったりとした会話のようでもあるかもしれない。けれど、ほっとすると共に気を使わせてしまうのが申し訳なくもあった。風変わりなバスさえなければ、こんなことにはならなかった。だからちょっとだけ恨めしい。バスだけで見れば、寂れた雰囲気が好みであるのもまた憎らしかった。『 まあ、試して本当に行けちゃったら、ちょっぴり危ないですもんね……、…………へ、え、…せ、せんぱい? 』試したことがない、そんな報告は残念でもあり、行ける可能性の残した夢のある話。とはいっても、帰り方は分からない、バスの行き先も分からない。となると度胸試しでもしない限り、そんな馬鹿なことをする人は居ないのだろう。………そう、それは馬鹿なこと。廃れたバス停から貴方が出ていくものだから、私は些か狼狽する。戸惑いから手は上に上がるけれど、服を掴んで引き留めるようなことは出来はしない。水面に足を踏み入れて、────にゅるん。…………そんな風に吸い込まれてしまうことはなく、先輩は変わらず其処に居た。『 ──────。 』唖然、呆然、焦燥感と微かな、怒り?提案しておきながら。『 …濡れちゃいますよ、バス停から出たら。それに、…それに、ほ、本当に乗れちゃったら、どうするつもりだったんですか。…………………あぶないこと、しないでください。 』ぱしゃんと水面が跳ねて、靴下に張り付いたような気がした。小さな雨粒がパーカーに着地し吸われていく。黒と反対の白いパーカーの先を震える指先で摘まんで、バス停の方へと弱く引っ張る。胃の奥が重たい。笑い話で済ませれば良いのに、本気で怖いと感じていた。自分が入り込めてしまえたら、そんな空想は夢見たくせに。) (5/13 22:12:12)
小室 耕助>
「あ、ああすまない!いや、本当に乗れたら貴重な情報を得られると、思ったんだが……本当に申し訳ない、その……」(この時の私はきっと、いつになく動揺していた。可能性を考えながらもこんなことをしたのは、乗れたとしてもその情報を君が持ち帰ってくれると、考えていたからだ。危険性が僅かにでもあると知れたら大きい前進であり、無事ならばそれはそれで笑い話の一つにでもなるだろうと。私は服の裾を摘まれて引っ張られるまで、君の気持ちを頭の中に入れてなかったことを知った。それはそうだ、自らの提案或いは軽口で本当に消えてしまったら心臓に悪いじゃないか。自分の興味を優先したことを、頭の中で後悔しながら慌ててバス停に戻る。その背中で、バスの出発する音が鳴っていた)
「濡れてないかい?えっと、そうだな……ごめん。……もう少し雨宿りするかい?」(本当に怒らせるようなつもりではなかった、誓ってそれは本当だ。このゆったりとした時間を誰かと共有できれば、と思っていた。本当にそれだけだったとも。こういう時、どうすればいいだろうか?タオルは、鞄にあるかもしれないが自らのタオルを女性に渡すのはどうなのだろう?他で埋め合わせようにも、そういえば君の名前すら知らないのだった。私にできるのは謝ることと、もう少し聴いていくかという質問だけだった) (5/13 22:41:32)
蕪木 千歳>
( 自分に掛けられた言葉をまるで他人事みたいに聞きながら、胃に押し込まれた異物の放つ冷気を感じた。確かにヒーローなら、率先して動くべきだ。研究すべきだ。程度はあるが専門校に通う学生としても、それはなんら間違いない。でも、先輩がそんなことしなくて良いって、言いたくなった。『 …私も、軽率でした。ごめんなさい。眼鏡がちょっと濡れちゃいましたけど、それ以外は全然。……先輩こそ大丈夫ですか?ハンカチ使います? ………あのカミサマに、気力とか色々抜かれたりしてません? 』怒られてまごまごしているのが面白いみたいにふ、と笑って、肩の力を抜いてみせる。バスが発車する音、雨音がちょっと遠くになる。ぱっと手を離して、微かに湿ったパーカーの袖をレンズ部分に押し当てて水分を取れば、曇った世界が少しだけ見えやすくなった。ハンカチは持っているけれど、自分に使うほどでもない。ただ貴方は自分より長く外に出たものだから、要るかもしれないと少しだけ悩む。心配半分、冗談半分の問い掛けは場を和ませるためのもので、本当に抜かれていたら洒落にならない。あーぁとしゃがみこんでしまいたい気分を誤魔化して、さっきより深く椅子に座った。『 …あと1,2回だけ見たら、帰りのバス来ちゃうので帰ります。 』多少濡れても壊れない腕時計。便利だけれど今では標準機能なのだろうか。そんな時計の時間を確認して、先輩は?と問うように首を傾げた。) (5/13 23:04:04)
小室 耕助>
「そうか、そんなに濡れてないならほっとした。大丈夫、出ていたのは数秒くらいだろうしね。……はは、この通り元気そのものさ」(まずは君がそこまで濡れてなくて一安心。加えて、笑ったのをみてこちらは肩の力を抜いた。流石にハンカチを借りるのは申し訳ないというのもあるが、実際長く外に出ていたようで、時間で考えれば数分経つか経たないかくらいの僅かなものだった。なので問題はなく、気力を抜かれたのではないかと問われれば、その心配はいらないとにっこり笑ってみせた。流石にこれ以上揶揄うような態度を取るのも誠実さに欠けるというもの。軽口で返そうかという考えを頭の奥に引っ込ませて、君が座ったのを確認してから自分も腰掛ける)「そうか。私はーー……君さえ良ければ、帰るのを見届けてから帰路に着くよ。私はそこまで遠くもないしね」(時間で考えて残り数十分後、それを見てから帰っでも良いだろう。君を引き止めてしまった手前、ついて行かなくとも帰るところ位は見守るべきなのではと考えた。勿論一人でこの空間を味わいたいというならば、それも構わない) (5/13 23:24:42)
蕪木 千歳>
………それなら、良かったです。( もしこれでお互い油断していて、翌日二人して風邪を引きました、なんてことになったら。学年が違うのだから知る術なんてないだろうけれど、それを考えると滑稽で可笑しく思えた。そんなこと、滅多にありはしないだろうけれど。隣に座った順番が初めとは逆で、それがなんだか近い気がして身を縮こませて距離を取る。態々移動しては失礼だから、バレないことを願って。縮めても近い気のする距離が、なんだか落ち着かない。さっきまで怖かったバスの発車音が、今はいい気晴らしだった。『 …優しいんですね、先輩って。………………先輩が自分の傘持ってたら、ですけど、…バス停まで、お願いしても良いですか? 』送ってくれる行為は何処と無く紳士的、よりはっきりと言ってしまえば男性的で、そういうつもりはないだろうにちょっとだけ気分が浮わついた。そんな自分に呆れながら、口元に手を当て、冗談めかした笑みを作る。断るか、受け入れるか、数順の迷い。その末の結末はどっち付かず。でも流石に、バス停の先まで送ってもらうのは気が引けるし、そこまでくれば殆んど帰ったようなものだ。ただ分かれた後の帰りだけ、傘がなければ近くとも貴方はまた濡れてしまうものだから。そこだけ1つ条件だった。) (5/13 23:41:36)
小室 耕助>
(君が身を縮こませるのでやはり濡れていて寒いのだろうかと思考する。本人が平気だというのだから、それはきっと自分の気にしすぎなのだろうが。それでも気にしてしまうので、露骨すぎない程度に君の表情を伺って、唇の色や震えなどがないかを確認する。そこからはあまり見つめないようにそれとなく視線を背けた)「優しいとは、少し違うな。私のはただの自己満足だよ。……良いのかい?それならば、バス停まで君を送っていこう」(私が優しいというのは、素直には受け取れない。どこまでも自分勝手でしかないのだ。君をなんとなくで引き止め、そのくせ時間が遅いからと紳士ぶって君を心配しているんだから。だから、君の提案は正直予想外だ。バス停まで一緒に歩いて構わないという。嫌われてなさそうでホッとするべきか、心配するべきなのか判断に悩むが……その提案をのもう。鞄に入った折りたたみ傘を取り出しておき、いつでもいいと君に伝えよう) (5/14 00:01:13)
蕪木 千歳>
………私からすれば、それが優しいになってるんですよ。…有難う御座います。( そうは言っても、貴方は納得しないだろうけれど。人は人にした親切をあっさり忘れてしまうという。受けた恩は忘れないのに、だ。だから、恩を受けた私はこの事は忘れてしまうまでは覚え続けているだろうし、それまで優しかったと自分の中で証明し続けられたら良いなと淡く願う。息苦しくって落ち着かない、寒いのも熱いのも心地好くはなく、…互いの名前すら知らない。…………それくらいが、どうせちょうどいい。行きましょうか、と、ぱっと微笑んで、閉じていた傘を開いた。透明な傘越しの水溜まりに、到着したばかりのバスが移る。そんな水溜まりをえいやっと踏んづけて、移る景色を揺るがした。雨音が傘を跳ねて、直接自分の中に響く。その賑やかさは、近すぎた距離が戻ったようで。雨音に書き消されないように、声を張り上げるために吸い込んだ空気が心地好かった。)『 ……もし先輩が良かったら、ですけど、………また一緒に雨宿りしてくれたら、…その、…嬉しいです。 』 (5/14 00:15:16)
Sion・Forsyth>
「(____とある葬儀屋は思考停止を〝嫌〟っている。呪ってはいない。愛してもいない。ただただ、嫌っている。葬儀屋にとって思考停止とは「歩を止める」ことそのものであるから。歩を止めるそれ即ち進むことも、戻ることも____、〝迷う〟ことも、〝導く〟こともできないからだ。)____………、(長くてくだらないくだらない前置きはここまでにしましょう、アナウサギさん。私は、貴方をグラウンドの隅で見つけました。貴方はどうしてそこにいたのでしょう。人間観察なのでしょうか。…いいえ、貴方にとっては。楽園の中で仮初の平穏を楽しむ〝マウス〟なのでしょうか。___そんなことはともかく。足早に貴方に近づき、そして…物置小屋の後ろで、貴方の嗅覚、聴覚をバカにしていると思われるような隠れ方をします。そんな私の心情は____、)」「(____っっっっかっっっっんわぁぁいいいい〜〜〜〜っっっ!!!!!!♡♡♡♡♡)」「(顔にほぼ出ていないだけまだマシというものです。腐っても、いくらヒーローを目指してもただの女子高生。日和見主義、平和ボケだとかそういう物ではなく…ああ、ごめんなさい。前言撤回です、これは一種の思考停止なのかもしれません。だって、だって…もふもふしていて、ふわふわしていて、瞳は桃色でくりくりしていて、背の高いかわいいシルクハットを被っていて……そうです、貴方ならわかっているはずです。これは〝かわいいによる思考停止〟だと。)」 (5/19 20:30:06)
Walter=Von=Neumann>
(アナウサギは自分を呪っていた。彼が手に持っているのは写真だ。それも歪な形に切り抜かれた写真。とても常軌を逸したその写真には無数の気が付いている。それを飼育小屋の中へと入れてやれば小さく喉を鳴らす。) 「……、きゅぃ、……………」 (恐らく誰かが近くに居る事は理解していただろう。けれど、それでも、彼はそうするしかなかった。互いに互いの生活がある。だから、どうしようもない、どうしようもない、なんてその先にあると願って止まない可能性を追い求めない自分を、進むことも、戻ることも、迷うことも、導くこともできない自分の事を、 呪 わ ず に は 居 ら れ な か っ た 。君にはきっと彼の意図なんて読めないのだろう、でも、今はそれでいい。)(人間には人間の世界が在り、彼らには彼らの世界が在る。そして、どちらにも染まり切れない自分の世界はきっと、こんな世界じゃないから、だから、彼は歩みを止めてはならない。それから、ほんの少しだけ飼育小屋を見つめて、ハットを深く被りなおしては君が居る方向へと歩みを進めて君にすれ違う際に小さく呟く。)「………邪魔しちゃいけませんから、話ならあちらで。」(君がもしも彼の真意に気付いてくれるのならば飼育小屋からは彼が鳴らした喉の音と同じように、きゅい、きゅい、と小さく何度も聞こえてくる事だろう。) (5/19 21:05:05)
Sion・Forsyth>
「(____『きゅぃ、』。たった一声、一鳴きでした。けれどそれはウサギのものと呼ぶには優しすぎて、人のものと呼ぶには些か寂しいものでした。…貴方にとって、その二足歩行は…0.7kの知能は、本当にあって良かったのでしょうか。事情を深く知っていれば私はきっとすぐにここを離れていたでしょう。…ああ、でも。私は愚かな愚かな〝人間風情〟ですから。貴方があちら側に残してきたものが、わたしには____、)」「(あちら側に〝遺した〟ものに、見えてしまったのです。)」「(貴方と同じか、それ以上の聴力。それは小さな命の鳴き声を聞き逃しません。すれ違う、その前に。)____あの。…あの子たちは、〝残(遺)して〟いいのですか…?(そっと、貴方の肩に手を添えます。手を握るには、私は人間として完成されてしまっているから。私が貴方の肩に手を添えるその感覚は___、貴方の視界を邪魔し、鼻に留まる蝶のようでしょう。)」 (5/19 21:24:53)
Walter=Von=Neumann>
「……私の家族ではありませんから、それに…私にできる事はこれ以上ありませんから。諸君らの様な、蜘蛛の巣から蝶を助ける事を善行だと思っている愚か者には成りたくないのです。」(彼があそこに残したのは、残したのは、あの子の家族の写真だ。点々と転がる小さな情報を知能だけで紐解いてあの子の家族の写真と体毛を手に入れるのは骨が折れた。未だにシルクハットには木っ端か落ち葉が付いているかもしれない。もしも君が此処から出られるなら、家族の様子を見て来てくれ、とあの子が云っていたのだ。可愛いから飼いたい、そんな思考停止も呪うに値するが、根本としてそれが彼の呪詛の元ではないのは確かだ。あの子を開放してもあの子が家族に会える確率は非常に低い、そして、人間の匂いがこびりついたあの子がまた家族と暮らせる確率はもっと低い。だから、現状維持が正解だと彼は思っていた、思っていた、はずなんだ。けれど、…)「お嬢さん、…SMA_0046_JPN、小さな世界というカミサマが居ますね。もしもこの世界が小さなガラス細工に囲まれているとして、そこから出たら、私達は死んでしまうかもしれないとしましょう、死ななくとも、幸せには絶対に成れないとしましょう。……君は、そのガラス細工を上から眺めている存在です。手元には木槌があるとしましょう。………割りますか?」(彼は歩きながらそのままA棟へと入って行けば君が後方に付いてきているという事を大前提にそんなくだらない例え話を口にするだろう。君達の知能では導き出せる回答なんて限られていると知っているはずなのに、淡々と呟かれたその設問は彼にとって、きっと救いを求めるのにも等しい行為なのだろう。それを君が感じ取れるかはまた別の話だが。) >シオン嬢 (5/19 21:53:24)
Sion・Forsyth>
「(黙って、喉元まで上がってきた胃酸にも似た苦い言葉を飲み込む。そしてそれを繰り返す。知っているでしょう、知能指数が一定以上離れると会話が成り立たないことを。…けれど。〝諸君らの様な、蜘蛛の巣から蝶を助ける事を善行だと思っている愚か者には成りたくないのです。〟)……、(苦味を失った、純粋な思いの言葉は言の葉としての役割を失って吐息として無機質な床に溢れ落ちました。私はみんなとは違う、なんて言っても貴方には「そうありたいだけ」と一蹴されて、何も言えなくなってしまうでしょうから。)」「(その後の小さな問い。私には貴方の意図が読めません。例えその問いに意味が無くても、貴方の力になれると信じてやまずに必死に考えます。手元の木槌、それと小さな世界。割るか、割らないか。___考えた末の答えは。)………不躾な前提崩しをお許しください。私は〝絶対に木槌を持ちません〟。(小さな世界と木槌があったとて、それを割る力があったとて、自分は絶対にそれに手をかけないと言う答えにもならない前提崩しを、貴方に。)」「(私が貴方の事を知らないように、きっと貴方も私の事を知らないのでしょう。真意に気付くかどうか、それは貴方に押し付けます。)___私がもし、手を加える事が許されるのならば…そんな時があったのならば。それはきっと、〝全てが終わった後〟でしょうから。(葬儀屋は葬儀屋だ。命を救うことも奪うこともしない、できない。蜘蛛の巣に捕らえられた蝶はもう手遅れでしょう、ならばせめて弔いを。ひび割れた小さな世界も手遅れでしょう、ならばせめて導きを。貴方が皮肉屋ならば、私も…答えを出さない、貴方の答えも求めない、意見も受け入れるつもりはないという最高の皮肉を。)」 (5/19 22:13:17)
Walter=Von=Neumann>
「……そうですか、」(彼は、その回答に文句を言わなかった。否定できなかった。皮肉なんてもっての他だ。知識と知能だけでは解決できない不条理を目の前に、目に見える範囲でだけ保たれている世界の秩序とやらを、ただ茫然と眺めるほか彼には手段が無いのだ。今もまだ探し続けているはずなのに、やっと二進法を習得した彼の両脚は可能性を見いだせない愚鈍な固定概念にどろりと纏わりつかれて歩むことが出来ずにいた、そう、進むことも、戻る事も、ましてや、迷う事も、導くことも。)「…ちゃんと芸ができたイルカには小魚が与えられるらしいですね。奢りますよ、何が良いです?」(彼は今までの会話をしっかりと脳裏に刻んだ上でタキシードの中から財布を取り出して食堂へと足を運ぶのだ。終わりを見守り、そしてその最期を飾る他、部外者で在り傍観者である自分たちには為す術は無いのかもしれない。感情のままに自身が生きて欲しいと、自身が幸せになって欲しいと、そう願う者の手を引くだけではきっとなんの解決にもならない。寧ろそれでもっと大きな何かが崩れる可能性すらあるのは彼だって知っていた。だから、もはや何が正解かなんて彼には分からないのだ、君達人間を卓越した知能を以てしても、この問題にきっと解を導けない。すっぱりと終わりを告げる様に皮肉を口にしては、食堂のおばちゃんが居るカウンターへと進んでいき、ずりずりずり、と近くの席の椅子を頑張って押してカウンター前へと足場を作ろうとするだろう。)>シオン嬢 (5/19 22:39:30)
Sion・Forsyth>
「『…ちゃんと芸ができたイルカには小魚が与えられるらしいですね。奢りますよ、何が良いです?』………あら。(想定より斜め上の答えでした。ちゃんと答えを出せた、ではなく…ちゃんと芸ができた、と。それは皮肉になりえない可愛い言葉遊びですよ、なんて言葉は今回は飲み込みましょうか。ずりずりと椅子を可愛らしく引き摺り、カウンター前に足場を作る貴方。)……ふふ、っふふふ…奢ってくださるのでしょう、何をリクエストするか、そしてそれをどう使うかは私の自由なのですよね?…まさかまさか、私たち人間の知能を卓越した貴方が「私と同じような前提崩し」は致しませんものね?ではでは____、(くすくすと貴方の可愛らしい姿に笑いを添えて、貴方には次のメニューを有無を言わさずリクエストするだろう。)」「___長ねぎ、青ねぎ、玉ねぎ、ニラ、にんにくなどのネギ類は絶対に入れないように、それと芋類、豆類も無しでお願いします。ああ、一応トマトがいくら熟れていても葉っぱが混入しないように。まあ学校なのでそんなことは無いと思いますが…へ?ああ、そうですね、あとは___(貴方にちら、と目を向ける。貴方の膨大な知識量で有ればわかるのではないですか、私が何を…〝誰の為のリクエストをしているのか〟。さあ、最後のリクエストを聞き入れてくださいな。)」「___個体差はありますが、人参や果物を。…ねぇ、素敵なウサギの紳士様。〝貴方のご友人は何が好みでしたか〟?」 (5/19 22:59:55)
Walter=Von=Neumann>
「…まあ、…あ、追加で紅茶を2つ。」(ただ同じ牢獄で少しばかりの時間を共に過ごしただけの間柄だ。だから、自分には関係ない相手のはずだったのに、色々な事を知れば知るほど、この地球が回る度に、星が光り、視認不可能な程遠い何処かで星がまた一つ潰える度に自分に救えない物の方が多い事を認識してしまう。これならば牢の中で不自由を呪っていた方がまだマシだったかもしれない。知らぬが仏という言葉がある様に、知るべきではなかった事象達が彼の足に絡みついているのは言うまでも無かっただろう。けど、それでも、知ってしまったから、認識できたから、理解できたからこそこの衝動に駆られているのであればそれでも良いと、せめて全てを知った上でその最後に花束を湛えられるこの立場を幸いと思うべきなのだと、君の回答からは導いた。)「……彼はよく、…………タンポポを食べていましたよ。」(君のリクエストを聞いてこの女性は何を考えているのやら、と肩を落とすが、こういうのも悪くない、…悪くないと、思った。それからまらずりずりと椅子を押しながら元の位置へとそれを戻して、カウンターから近い席へと向かえば、君が座るべき位置の椅子をずりり、と引いて、どうぞ、なんてエスコートする。君がその位置に行き、腰を下ろすのと同時にまたずりり、と椅子を押し込んでベストポジションへと君の可愛らしいヒップを導くだろう。)「さて、湿っぽいお話もひと段落しましたし、これから優雅なティータイムというわけですが、…申し遅れました私はヴァルター・フォン・ノイマンと申します。まあ半年もあればお互い視界に入る事もあったでしょう。君の事はなんとお呼びすれば?」>シオン嬢 (5/19 23:40:08)
Sion・Forsyth>
「流石に食堂にたんぽぽは無いですね、後でどこかで摘んで差し上げなければ…(なんて、まじまじと考える素振りを見せるでしょう。花壇のを摘んでしまったら怒られるでしょう、かと言って何度も踏まれたようなものを持っていくのは…だとか。…貴方が万象に足を囚われているのであれば、きっと私は未練に足を囚われているのでしょう。けれど私はそれを一つ一つ導いて、解いていくのです。__私は…勝手に信じているのです。私ができたのだから、貴方様にもそれができると。足を止めるにはまだ早すぎます。けれど、ほんの少し並んで、〝迷う〟くらいは、もうしていいのではないのですか。)」「(貴方が何もなしに人の手など借りたくないというので有れば、このたった数メートルの、お茶会へのエスコートを…貴方から受けた〝導き〟としましょう。)……ああっ、とんでもない。此方こそ申し遅れてしまいました。ごめん遊ばせ。__シオン・フォーサイスと申します。呼び方は…失礼、あまり友人が多い方ではないので…これと言った呼び方はわかりません。___どうしますノイマン様。いっそ「イルカ」とでもお呼びになられますか?(そんな…皮肉と言うにはあまりにも悪意がない、ちょっとした意地悪です。それと、心の中で軽く謝罪を。もちろん、「半年間とてもかわいいもふもふのうさぎさん」と思っていたことに対して、ですよ。)」 (5/20 00:00:24)
のいまん>
「……では、シオン嬢と。この話をするのは君が初めてです。どうぞご内密に。……実は少々君とは話がしたかったのですよ。」(彼はテーブルに運ばれてきたサラダと紅茶に視線を落としてから葉野菜をフォークで刺して口元へと運ぶ。空腹感は満足度を下げる、ただしあくまでそれは刹那的な不幸感を生み出すというだけである。充足感の元に生物は正常に脳を機能させることは言うまでも無く、兎角我々が弱音を零した時に口を塞ぐべきなのは然るべきではあるがどうせ塞ぐのならば質の良い食べ物で塞ぐべきであるというのが彼の持論、小難しくは云ったが要は空腹感のせいで悲観的に成るのだからとりあえず美味しい物でも食べようという話だ。だから、君が選んだこのサラダはベストチョイスと呼べるだろう。むしろこれ以上の選択はきっと無かった。)「……葬儀屋、だそうですね。半年前、セブンス・イクリプスの初日に何人もの人々が死んでしまった。その死者達の葬儀もきっと後を絶たなかったでしょう。その葬儀に君は携わっていましたか?」(もそもそとシュレッダーに紙が吸い込まれていくように葉野菜が彼の口の中へと吸い込まれていくのがひと段落すれば、彼は紅茶を手に取って、その香りを堪能しながらそう質問を投げかけるだろう。君の回答を待ちながら彼は紅茶を口元に口元へと運び音を立てないように上品に味わいながら一口、もう一口と食堂へ人生の彩りを流し込む。そう、これだ。これが無いと一日は始まらないし終わらない、これが無いときっとこのまま悲観的に一生を過ごすところだっただろう。)>シオン嬢 (5/20 00:26:13)
Sion・Forsyth>
「(貴方に視線を向け、至って上品に紅茶を嚥下した。持ち手には指を通さず、啜るような音も立てず。その仕草から、きっと大切に育てられたのだろうと読み取れる。いたって平凡な、けれど少し裕福で、優しい家庭で育てられたのだろうと。___そんな〝普通の高校生だった〟彼女が。)『半年前、セブンス・イクリプスの初日に何人もの人々が死んでしまった。その死者達の葬儀もきっと後を絶たなかったでしょう。その葬儀に君は携わっていましたか?』(あの七日間の後悔を簡単に捨てられるはずが、なかった。ぴく、と肩を揺らし、貴方を見つめる瞳は、静かに震えていた。驚くように、あの日を想い出すように。…以前なら泣き出していた。今だって、貴方が後一つ背中を押せば、私は涙の海に消えてしまうでしょう。)」「……ええ、勿論。(そっと目を閉じました。けれど、はっきり。あの日の109名。名前も知らぬ藪医者。それと、ナックルバスター…いえ、〝ジニー・ヘンドリック〟。)けれど、私に詳しい事情はわかりません。私はここで、自分の身を守るのに必死でしたから。…私が知っているのは、父と兄が教えてくれた事のみです。関わった事、だけなのです。何人見送ったか、何人弔ったか、そこまではわかりません。(〝私は知らない〟と、そう繰り返すように、そう貴方と、私に言い聞かせるように。もし貴方が望むならば、先程貴方が教えてくれた事との等価交換と言うのならば。…善処はしましょう。)」 (5/20 00:49:06)
のいまん>
「そうですか…いいえ、お気になさらず。……此処の生徒も、確か何名か亡くなられましたね。…その中にこの学校の飼育係の女子生徒も居たのだと思います。その方の最期が、知りたかったのです。」(君が応えたその言葉は彼に思考の猶予を与えなかった。ほとんど知らないと同義のその言葉はそれ以上の話種には成らなかった。知らなくても済んで良かったとも心の何処かでは思ってしまっているのだろう。安堵とも落胆ともとれる溜息でふんと鼻を動かしては、サラダにまた手を付け始める。彼が英雄を目指した理由、彼が脱走した理由、彼が人を嫌う理由、彼がrabbi-師-と名乗る理由、彼が人語を理解しようとした理由、それら全てがこの学校の飼育小屋と云うとても小さな空間に溢れるほどに詰まっていた。あの夜、彼もまた何かを失っていたのだろう。それを、彼は取り戻そうとしていた。)「…不躾な質問でしたね、申し訳ありません。でも、シオン嬢、君の口からその言葉が聴けて安心しました。きっと解を導いてしまえば私は足掻く理由を失ってしまう。」(サラダを完食すればふぅ、と一息ついては少しだけ姿勢を整え座り直せば、懐からベルを取り出し、テーブルに置けば、チィンと小気味良い高音を鳴らす。そうすれば自分を可愛がっている食堂の従業員がこだわりクッキーを持ってきてくれるのを知っているから。乾燥ニンジンを刷り込まれて作られた人形型の小さなクッキーと紅茶は思いのほか合うのだ。彼の味覚にとっては魅惑のマリアージュと呼ぶにふさわしい。きっと君の分も運ばれてくるだろう。)>シオン嬢 (5/20 01:15:17)
Sion・Forsyth>
「___いえ、いいえ。本来、私情を挟むのは良いことではありません。貴方様が謝る必要は、ないのです。(貴方の気遣いに、ほんの少し笑みがこぼれました。先ほどまで薄かった紅茶の香りがより芳醇に鼻をくすぐるのを感じる。漸く、心の奥底にあった緊張が解れたのでしょう。そんな穏やかな時間の中で、ひとつだけ。)…ヴァル…いいえ、〝Rabbi様〟。____解は必ずしも一つではありません。ああ、素人の見解です。無視してくださって構いません。けれど貴方様には、「足掻く為に解を導かない」より「進む為に解を導く」ほうが…お似合い《格好いい》ですよ。」「(懐からベルを取り出す可愛らしい貴方にほんの少し頬が緩んでしまったのはさておいて。皮肉屋の貴方がまるで慰めるように、クッキーを用意してくれる。)…ふふ、随分とあの方に気に入られているようですね。…小さなことですし、言うのはあまり良くないかもしれませんが…あちらとこちらの境界線も、悪いことばかりではないのでは?(答えを聞くのを待つように、ありがたくクッキーを頂戴する。さくっとしていて、それでいて滑らかな口当たりの良いクッキー…本当に、本当に小さな幸せかもしれません。それでも、この、貴方にぴったりなクッキーは。___貴方の解を導くのにも、ぴったりだと思うのです。)」 (5/20 01:38:49)
のいまん>
「もちろんそうでしょうとも。……ならばこそ、まだ思考する余地は大いに残されている。それこそ私達の寿命では足らない程に。」(もちろん、解は一つではない。元よりストレスに弱いアナウサギという種族が膨大な無理を押し通して手に入れた人語と人間的な形態は彼の寿命を大いに縮める結果となっただろう。思考できるだけの知能はそれだけのストレスを甘受する余地となり君と話している今この時にすらも刻一刻とすり減っているに違いない。時間に追われて妥協案を提示する事ほど惨めなものは無いが、それでも何も出来ないよりはきっと何倍も良い事は確かだ。だから、頭で理解していたその事象を、君に尋ねる事にした。)「……この方に覚えがもしもありましたら、それか思い出せたらで構いません。彼女の最期を教えてください。君の云う通り、私はきっと進まなければならない。けれど、もしも、その事実が要因となって私が立ち止まってもう動けなくなってしまったのなら、君が責任を持って私の背を押すか、続きを綴ってくださいね。」(彼は最後に懐から生徒名簿の切り抜きを取り出して名前入りの顔写真を渡す。【第0章秘匿行動使用1回目】もちろんこれは他の誰にも告げていない事。ある意味これは信頼の証とも言えるのだろう。さて、至福の時間はもう終わり、私達はまだ進まなければならない。一生掛けても導けるか分からないその解を導き続けなければならない。もしも解けずともその式を誰かが受け継いで、いつか、きっと。)>シオン嬢 (5/20 02:05:50)
Sion・Forsyth>
「____…この子、(写真と、それと名前。それを受け取ってから、言葉に詰まった。それはシオンが最期を知っているからではない。___その女生徒とシオンが、…〝同学年だから〟だ。そしてきっと…あの日、東側にいたシオンは__……)…すみません。最期は、…知らない、のですが…(気まずそうに、と言うよりは…罪悪感、焦燥感、色々な感情をごちゃ混ぜにしたものが、顔に滲む。泣き出さずとも、その表情から貴方ならきっと「何が関わりがあった」事がわかるだろう。)」「…ヴァルターさん。ほんの少し、考える時間をくださいますか?貴方様の背中を押すタイミングと___、私が背中を押す覚悟を決める時間を、私の出せる〝最適解〟で合わせてみせますから。(そうは言えども、私はこの後迷いなく兄と父に連絡をとるでしょう。そして、それが何のためか、言うまでもないのです。結果を、最期を、その後を聞いて……、私は「とある式」の解を導く為に歩みを進めます。……ああ、もう迷いはないはずなのに。どうしてあのお茶会は、紅茶があったのに口が渇いていたのでしょう。)」〆 (5/20 02:24:38)
Sion・Forsyth>
「………よしっ。(私シオン、本日初めてパン作りに挑戦致します。___時刻は昼下がり、今日は休日だ。わざわざ食堂を利用するための許可を取り、どうしてパンを作るかと言うと___、)………〝 爆 発 さ せ な い よ う に 〟頑張らなければ………(___そう、私…自分で言うのもなんですが、〝超〟のつく箱入り娘なのです。料理ができないのです。練習したいのです。…身の回りの事は過保護なくらい、父、兄、母がやってくれていました。母の料理を手伝う事はあれど、野菜の蔕を取るだとか、野菜を子供用の包丁で切らされるだとか、それくらい。自ら手伝いたいと言ってもこの有様です。)」「(ですから、私…兄と父に私が作った美味しいものを食べてもらい、家族離れをしたいのです!)ええと、小麦粉と、お水、イースト、…お塩も?…とりあえず混ぜれば解決でしょう。(本来、塩とイーストは離して混ぜるべきなのですがそんなこともつゆ知らず。とにかく混ぜ、適当に捏ね、今のところはいつもよりは順調。)……バターを入れて捏ねる…?冷たいままではダメです、レンジにかけてしまいましょう。(___そう、ここまでは順調だったのだ。ここまでは。〝室温に戻す〟はずのバターを思い切りレンジにかけた挙句__、)…あれ。…どこまで温めればいいのです?(そうしてタイミングを伺っているうちにバターが焦げ始める。次第に周りに焦げた匂いと、ほんの少しの黒煙が___…………お菓子作りが得意な君は、休日の昼間とあらば食堂にいるだろうか。さあ、もしよければ葬儀屋にお菓子作りとやらを教えてあげてくださいな。)」 (5/24 19:56:51)
サクラダ キョウ>
(正午を過ぎ、幾ばくかの時間が流れた頃。ティータイム、おやつの時間、なんて言われる頃合いに、溶け出した太陽の橙色が、狭苦しい部屋に微笑む。)(ちゅーっ、ちゅーっ、とストローを吸っている彼は、そのゴツゴツとして手で英単語帳を捲っていた。)「door.......どおら......どおり........どおる............どお......れ?」「ハッッッ!!!!」「そうか、どおる、つまりドールッッッッッッッッッ!人形だなぁぁぁあああああ!?!?」(ぺらり。)「ドア!?!?!?!?なんなんだ、もう、もうああああ、もう、何なんだ!?!?!?こんなに非合理的な言語があるか!?!?!?どこに"a"があるんだ!?!?!?なぜ"r"で"アー"なんだ!?!ん!?馬鹿か!?!?!?馬鹿なのか!ん!?!?!?」(狭い狭い教室。そう、そこは自習室。食堂の真横に位置するその教室で、彼は必死に英単語を覚えようとしていた。だが、真面目で実直な彼ですら、限界を迎えようとしていた。英語が、苦手なのである。ドンっっっ!と牛乳パックを置けば、彼は立ち上がった。置かれた牛乳パックには、『いちご・俺。』のパッケージ。)「限界だ!糖分!もっと糖分を取らなければっっ!!!!!」(彼はドアを勢いよく開け放てば、爆速で食堂へと駆け込んだ。)「失礼しまっっっっっ.........!!!!」「──────.............煙?火事!??!?!?」「火事!家事は英語でHousework!!!!!!」「違う、ちがう、あああ言ってる場合ではない大変だ!!!!」「大丈夫ですか!?!?!?今すぐに避難を!!!!」(煙の臭いを嗅ぎつけたが早いか、すぐに目に写った女性.........美しくも怪しい雰囲気の貴方の避難を手助けするべく、食堂に踏み入った。) (5/24 20:28:09)
Sion・Forsyth>
「(デシグアル ダークの悔恨___その翌日。各々疲れている体を休めているであろう昼下がり、女子寮の廊下を静かに歩く影が一つ。)…流石に、このお時間にお邪魔するのは避けた方が良かったでしょうか。…ですが、エレナさんはトレーニングをしている可能性もありますし…(貴方、そう、貴方の部屋。その扉の少し手前で、少しいいお店のお菓子袋を抱えて呟きます。この間のお礼として、中身はそれぞれ異なる味のマカロンが六つ入ったもの。)ですが、ですが糖分の取り過ぎだからと遠慮もされてしまいそうな…ナッツなどが良かったでしょうか、そもそも甘味はお好きでしょうか…(顎に手を当てて、扉の前に延々と不安を零していく。ノックをしたのは私の手ではなく不安の呟きでしょうか、ひょっとしたらエレナさん、貴方に届いているかも。)」 (5/25 21:13:46)
和枕 音子>
「 ………………平和だ。」( かららん。湯呑の中を漂流していた氷塊が、軽い音を立ててまわった。 季節は夏____と、いうわけでもなく。春の後、梅雨の前にある何とも言えない晴天時間。桜が散って、葉っぱが緑色に染まる今の時期を何と形容するべきなのか、ぼくにはさっぱり分かりかねるのであった。 )「 ……………………………………………平和、だ。 」( 二度目の呟き。) ( 昼休み開始のチャイムが鳴って10分くらい。3階B棟、地図上でいう左から2番目、右から3番目。放課後には茶道部だとか華道部だとか、そんな人間がわいわい使っている和室。い草の香ばしげな匂いを鼻腔に感じながら、和枕音子はひとりでこっそり昼ごはんを楽しもうとしていた。) ( 膨らんだトートバッグを漁れば、コンビニで慣れ親しまれたのり弁当が顔を出す。蓋を開け、割り箸をぱちんと割って、今まさに箸先をご飯に突き立てようと______ ) (5/25 21:15:11)
エレナ・ドラグノフ>
私からの視点の話を少ししよう。いつもの様に鍛えている真っ最中に、足音がしたから友達かな?と思い一旦中断した。しかし、待てど暮らせど自分の部屋の前で固まったまま。しまいには、囁き声のような____内容は詳しくわからないが、多分落ち込んでいそうな____言葉が滔滔と投げかけられ続けている。『……何かの心霊現象だと思ったぞ。』汗を拭うのも忘れ。今がスポーツブラジャーにハーフパンツという人を迎えるような格好なんかじゃ間違いなくないことも忘れ。恐る恐る開いた先に居たのは____顔見知りの姿だった。よりによってシオンの、つい前日の任務を共にした彼女を忘れることはない。ただ、こちらからは顔が見えないのだから勘弁してくれと思う。本気で幽霊騒ぎだと思ったぞ_____『用があるなら……少し部屋で待っていてくれ。シャワーだけ浴びてくるから。』部屋の内装は、強いて言ったら___センスが壊滅していた。多分職員室の余りだろうスチール製のデスクを、横にして部屋最後部に。低いガラステーブルと、向かい合うような一人がけのソファーは応接用だとわかる。棚や収納にはトレーニング用品や週刊誌などそこまでおかしくはないのだが、サボテンやら観葉植物や野花などどう見ても置きすぎでまとまりがない。ついでに、何かウエスタンにでも憧れたのか、モデルガンを壁にラックを引っ掛けて飾ったかと思えば、模造刀を机の上に置いていたりする。調度品が明らかに過多なのだ。『……と、貴様は休まなくて大丈夫なのか。女の子なのに、随分走り回ったばっかりだろ。』服を変えている暇はないが、少しでも早く支度を済ませるために、最低限の応接だけを済ませて風呂場に向かいながら。怪我などは大丈夫か?と訪ねておく。無理をして来ていたら大変だからだ (5/25 21:35:37)
Sion・Forsyth>
「(ぽつぽつ、と言葉を落とすのに夢中でいきなり開けられたドアに驚いたように肩をびくつかせる。驚かせたのは此方だというのに…)すっ、すみません…!!(貴方の格好にとやかくは言わない、言えない。むしろトレーニング中だと思っていたから。それに___鍛えられた身体はまさに筋骨隆々、文句の付け所がなかった。)急にすみません…ええ、疲れていないと言えば嘘になります。けれどそれはお互い様ですし、昨日も私一人では役立たずだと思ったので、お礼の品を。(くい、とマカロンを箱をちらつかせる。とりあえず汗だくではまともに話も出来ないので、〝急に来てしまってすみません〟と付け足す。)」「(貴方がシャワーを浴びに行っている間に、キョロキョロと部屋を見渡す。お花にサボテン、週刊誌…と、刀に銃…??)好きなものを集められるのとてもいいことです!(人の部屋をじろじろと見るのは失礼かもしれないと思いつつ、好奇心は抑えられなかった。___そういえば、今日持ってきたマカロンにお試しで紅茶がついていたはずです。)…勝手にお借りしては怒られるでしょうか、ですが労いの意も込めて、後でちゃんと洗わせていただくので…、失礼します…!(食器棚をこっそり開けて、ティーセットを拝借する。ポットでお湯を沸かして、慣れた手つきで紅茶を淹れて___、すこし蒸らしている時間を待っていれば、貴方がシャワーから出てくる頃だろうか。)」 (5/25 21:59:23)
エレナ・ドラグノフ>
『……悪い、待たせた。』____湿気を帯びて微かに煌めいた黒髪。ふわりとした柔らかさを普段帯びたそれは、今に関しては真っ直ぐ降りていて。熱をまだ携えた肢体が服を着るのを鬱陶しいと主張していたために、汗が染み付いてどうしようもなかったから服を変えたはずだというのに、さっき変わらない装いに加えてタイツを履いただけに収まってしまった。失礼だろうけど急だったから仕方ないよな、とか、下手にめかしこむ方が相手も気を使うよなとか、自分を納得させながらタオルを肩にかけたまま戻って。『別に、私は貴様を足でまといだなんて思っていないし、ヒーローだから貴様を手助けした訳でも、1人じゃ何も出来ないと思って守った訳でもないからな。』紅茶の匂い。多分気を利かせて、淹れておいてくれたんだろう。お菓子もあると言っていたし_____ソファに座る。それから、さあ楽しいティータイム!となる前に、忙しなくて言っておけなかったことを先に言うことにした。お礼はいいのに、とは言わない。それ自体は殊勝だと思うし嬉しい。_____でも。『私の目に見えるところに、友達の女の子が居たから助けたんだ。それは、そんなふうに……何か謝るみたいな感じになられるようなことじゃないはずだろ。』そんな謝られるみたいなのは、嫌だ。だって_____の理由は口にした通り。それはもう、半分怒ってるように思われて仕方ないくらい、きっぱりと言い切った。 (5/25 22:17:13)
Sion・Forsyth>
「(少し怒っているようにきっぱりと話す貴方に狼狽える。顔には出ないものの、言い方がまずかったかもしれない、と俯いて考え込む。数秒の沈黙を貴方に耐えさせた後に、)…すみません、私の言い方がよくありませんでした。ええと、…その。エレナさんがいたからこそ、私は須藤さんに〝正しい道〟を示せた、と思ったのです。けれど実際、一人であの触手の中に私一人で飛び込んでは飛んで火に入る夏の虫、でしたから。(蒸らした紅茶をとくとく、とティーカップに注ぐ。)…でも、もし私が自分を褒めていいのでしたら!」「___私、沢山の人を助けられました!…何人を何階で、というのは必死すぎて覚えていませんが…(ぱあっ、と珍しく表情を全面にだして嬉しそうに話す。半年前に比べたら、通り魔事件に比べたら、ずっとずっと成長できた気がするのです。例え杞憂だとしても、それは前に進める自信に繋がるはずなので。最後に慌てたように〝あっ、勝手にティーセットをお借りしてすみません…〟と付け足して。)」 (5/25 22:32:41)
エレナ・ドラグノフ>
『___なんだ、分かってるじゃないか。』俯かれた時、どうしようと思った。その後聞いた言葉に、思わず笑みが零れた。的はずれな慮り方をしたことが僅かに寂しく、それを何周も上回るくらい彼女が自分を素直に誇れることが嬉しかった。____守ってやろうと思う。自分は、少しくらいは他の人よりも頑丈だ。だから、こうした時間を守る人間になるべきなんだと思う。今は、つい気にかけてしまう彼女が。ああ。そんなの要らない心配だったじゃないかと思えるまで。『でも、そんなふうに言われたら少し照れるな。本当は自分のことだとか、シオンが怪我をしたりしたらどうしようとか。そんなことで頭がいっぱいで。飛び込んだのも本当は勢いだ。』自分のこと。誰かに話したら、馬鹿にされそうなこと。私はあの日一度、失敗した。誰かより先に自分を盾に出来なかったこと。危険を犯すのを怖がったこと。本当は気にしなくていいんじゃないかと何度も言い訳しようとして、吹っ切れなかったことをあの日叶えた。シオンのこと。あの触手は危険なものだった。それを、自分の身近な人に向けられたこと。それを自分が助けられる場所にいたこと。本当は自分じゃなくても出来たかもしれず、自分がやるには荷が勝ったかもしれないことを成せた。『だから、こちらこそありがとう。貴様がもし痛い思いなんてしていたら、私は……やりきれない。最初は怖かったが、こんな風に話が出来るくらい元気でいてくれるのが嬉しいよ。』紅茶を口にする。甘く豊かな香りが溶けだした。お菓子は……こういうのは持ってきてくれた人から食べてくれないと尻込みする。そんな女が私である。『……せっかくだ、今日は貴様の話を聞いてみたい。時間くらい、あるんだろうな?』 (5/25 22:57:20)
Sion・Forsyth>
「(ふふ、と頬を緩めて笑を零した。『___なんだ、分かってるじゃないか。』あの場では焦燥感と現場の切迫した状況に交わせなかった言葉を、こうして落ち着いた優雅な状況で話せることが嬉しかった。)___ですが、私一人では須藤さんの元に辿り着けませんでした。迷わない力も、進めなければ意味がないのです。…ああ、ええと…言いたいのは、ファインプレーができてよかった、という事なのです…!(わたわたと手を振り言い直す。ピンクサファイアちゃんの失敗を恐れ、可能性を信じる能力、それゆえにあの触手、あの扉の先に行けたのだ。)」「(それに、万が一。一人で先に行けたとしても、戦えない自分は相手に捕まって…それこそ仲間に、ヒーローに迷惑をかけてしまうところだったから。こと、とマカロンの箱を置いて封を開ける。きっと、綺麗な包装を剥がすだけで躊躇ってしまうのが貴方だから。) 『……せっかくだ、今日は貴様の話を聞いてみたい。時間くらい、あるんだろうな?』(嬉しかった。生憎、話し始めるのが得意ではない私にそう言ってもらえるのが。紅茶を口にする。ほう、と息を吐く。一つ間を置いてから安心したように笑いかけて_、)勿論です。エレナさんのお話も、していただけますね?」 (5/25 23:14:25)
エレナ・ドラグノフ>
『重々承知だ。チームの勝利、というヤツだろ。』落ち着け、と紅茶を口に運びながら制した。もしかして気を使わせているならこれは想定外。アレだろうか、無礼講だと言っておいて緊張させるタイプだったりするのか私_____ と、内心少しショックを受けた。『私の話か。聞きたいんなら、別に構わない。あんまり面白いかはわからんぞ?』続く言葉にやや元気がないのは、つまりは思い当たるフシがいくつもあるからだ。『確か……』咳払いした後、マカロンを口に放る。柔らかい甘さが口に溶けだしたことに安心したのか、単純な頭は気を取り直して、前々から聞いてみたかったことを思い浮かべる。彼女は確か葬儀屋と言っていた、そして、それを自嘲で言うわけではなく、きちんとその仕事に対して誇りも抱いているような言動も伺える。なら、その場合ヒーローよりは葬儀屋を目指さないか?と考えたワケだ。『確か、貴様は自分で葬儀屋と言っていた記憶がある。それに誇りを持っているのも知っている。であれば何故、ヒーローを目指すようになったんだ?』『ほら、普通の流れなら、お父さんお母さんの仕事を継いだり、似たことを目指すような気がするじゃないか。』 (5/25 23:34:03)
Sion・Forsyth>
「(『確か、貴様は自分で葬儀屋と言っていた記憶がある。それに誇りを持っているのも知っている。であれば何故、ヒーローを目指すようになったんだ?』)…それは、(先程まで笑っていた顔が、急に…曇っているのではない、〝悩んでいる〟ような顔に変わった。自分が何故ヒーローを目指したのか、その理由をどこから話すべきかと口を噤んだ。)__葬儀屋の仕事は、私には兄がいますので後継には困らない、というのが___、〝一番納得してもらえる理由〟でしょうか。(いたって真面目に、けれど困っても悲しんでいるでもないように、ゆっくり話し始める。)」「…ジニー・ヘンドリックさん、名前のない藪医者さん、…それと、明野さんの夫のトモカズさん。…ヒーローは、戦いで遺体すら無くなってしまうでしょう。不謹慎なのも、不躾なのも承知でお話しします。___私だけでも、〝見届けたい〟のです。(勇姿を、最期を。例えカタチに残らなくとも、せめて私だけは。気持ち、性格はさておき、身体的にはシオン・フォーサイスは余りにもヒーローに「向いていない」のです。それでも、家族の反対を押し切ってヒーローを目指そうと決意したのは。家族を、恋人を、親友を、遺体のない状態で亡くした人に、一言だけでも「彼(彼女)は最期まで格好良かった」と言われるだけで、ほんの少し悲しみを減らせると思ったから。)」「___それに。…もし、もしも。〝誰かがカミサマに成ってしまったら、誰が弔ってあげるのでしょうか〟。(貴方が話を聞いてくれていたほんの数分。冷めた紅茶は湯気すら出さずにただただ、今はまだヒーローにもなりきれない私の顔を映し出していました。)」 (5/25 23:49:53)
エレナ・ドラグノフ>
そんなことはありえない、と、じゃあ皆が死ぬなんてことか、と。よりによって言いそうになった。ヒーローは確かに、時として無惨な死に方をする。誰しもは救えないし、自分を含めると生き残りの椅子は更に減る。それを分かっていないで、何も知らずに飛び込んだつもりではない。けれど_____今がまかり間違って上手くいっているから忘れつつあったんだ。それを彼女は、見つめたいのだと口にする。その人の終わり(ゴール)が、どんなものだったのかを見届けたいと言う。そうして後に遺される人を救うのだと、美しい瞳が語っていた。『不謹慎でも、不躾でもないさ。確かに、忘れそうにはなるが私たちは常に命懸けの暮らしをしている。半年前の件だって、まだ解明されてないままだったんだ。なら確かに、また何も残さないで消えていく人も居るのが普通かもしれない。』ある日の夜を思い出す。星が遠くまで見える澄んだ夜更け。眠るのなんて忘れて庭で月を見ていた私を呼び止めて、母は語っていた。ヒーローと呼ばれる自分は、失敗だらけだったこと。誰かを救えたとか、誰かを助けたとか、綺麗な活躍なんて出来なかったこと。それでも何か残せるものが、胸を張れるものがあるだろうと、必死に歩き続けたこと。それらをひとしきり語り____きっとこの人は、もう帰ってこないんだと思った。今思えば、なんで叫び声を上げてでも、刃物を振り回してでも止めなかったのか。それが死ぬ間際の獣が群れを離れるのに近い行為だと何故わからなかったのか。 『私も、そうだな。ヒーロー(かあさん)に置いてけぼりを食らったから、分かる。今あの人はどうなったのかとか、生きているのか死んだのか、何も分からないことがどうしても認められなくて。全部忘れて、知らんぷりをして、他人のフリをして。居ないなら居ない。仕方ないじゃないかなんて思おうとしたりした。』『だから_____シオンのそれは、きっと誰かを救えるよ。』肯定。寂しく笑ったそれは、二度とありえない夢を見るようだった。『仮に、私が死んだりしたら……。ありがとうと、そう言っていたとたくさん伝えておいてくれ。ごめんなさいは何時でもできるけどさ、ありがとうは誰かに言ってもらえなきゃ出来ない。』 (5/26 00:12:42)
Sion・Forsyth>
「(冷めた紅茶も淹れ方によってはずっと美味しいままです。…けれど、冷めて紅茶をより美味しくさせるために必要なのが、温かい会話です。)『_____シオンのそれは、きっと誰かを救えるよ。』(また、柔らかな笑みが零れた。歪んでいるだとか、そんなのでヒーローを目指すな、だとか言われる事もあるかもしれない。けれど、私はただの葬儀屋にしてはこの学校の関係者、生徒、そのご友人、家族の死を見届けすぎているのです。呪いと言うには優しく、決意と言うには痛いそれこそが、私を迷わせない、私をヒーローたらしめる理由なのです。)」「(さく、とフランボワーズのマカロンを口にする。)人に取っては、やはり良くないご意見をいただく事もあります。…けれど、エレナさんのようにちゃんと受け止めてくれる方がいるからこそ、私は迷わずにいられるのです。(行儀悪くぐっと飲み干した紅茶。これ以上渋くなってはいけない、というのは建前。貴方のくれた優しい言葉は、きっと冷め切った紅茶でも美味しくしてくれると思いました。暖かい日差しが差し込む昼下がり、窓の外に咲いた花に留まった蝶々が、まるで迷わないようにそっと二人を見つめていました。)」〆 (5/26 00:46:43)
Sion・Forsyth>
「___なっ…な、……(時刻は休日の昼下がり、私と…同級生のケーキさんは、とある部屋に突然と閉じ込められてしまいました。どうしてこうなったかと言うと___私にも全くわかりません!!!先ほどまで食堂で居合わせたピースオブケイクさんと昼食を取り、愛も変わらず変わり者同士でくだらない話をし、どうせなら食後の運動に少し校内をお散歩でも…と、誘って…そうです、そこから私が自分のクラスの教室に忘れ物をしてしまったので、ついでに取りに行こうと教室に入って___…………それでどうして、私の前に「〇〇〇しないと出られない部屋」のプレートが飾られて……いえ、いいえ、カミサマだと言うことはわかります。けれどどうしてこう…)___なんでよりにもよって「運命の部屋」な゛ん゛ですかあ゛ぁ゛ぁっっっ!!!」「(思考が理解するのを許さないともがいています。___「DES_5811_JPN、運命の部屋」。これならヴォルカノカリスや鵺と追いかけっこした方が百倍マシと言うものです。なんでもノックをしてその指示に従えば出れるとの事ですが、その指示が…御下品御下劣なものがほとんどだそうで。そして…私のディスコードも恐らく効きません。ドアの前でがくりと膝をつき、ぼそ…っと呟きます。)……こう言うものは、恋人以上でないと楽しめないと、思うのですけれども…(というものの、正直わかりません。お恥ずかしい限りですが、身内が過保護なせいで恋人が出来たことすらないもので。不安だの不満だので青くなった顔を向けて、ケーキさん。貴方に全てを丸投げします。)…………………ケーキさん。ノックしてくださいませんか………………」 (6/26 19:14:02)
ピース・オブ・ケイク>
(「運命の部屋」に送り込まれたことは、驚くべきことだった。彼には経験したことなどなかったし、想像すらしてなかったのだから。)(...だが、それよりも) 『なんでよりにもよって「運命の部屋」な゛ん゛ですかあ゛ぁ゛ぁっっっ!!!』(彼女が、こうも叫ぶことの方が彼の眼を大きく見開かせた。そして、その後にひとしきりの精神的なエネルギーを使い果たしたのか、それとも何か良くないものを想起したのか、桃色というにはあまりにも淡くて光るようなその髪と対照な青い顔を覗かせていたことも。彼の眉を上げさせるには十分だった。) 『……ケーキさん。ノックしてくださいませんか………………』「_あ゛ぁ...ん゛ん゛ッ.....。」(咳払い。少々、驚いた顔と声を隠すために一呼吸。そして、いつも通りに)「...そのォ...恐縮ゥゥ......なんですけどォ...。ノック、した時の結果は...私でも...どうにもォ...。ですので...怒らない、で。下さい、ねェェ...?」(と、形式的に謝る。わかりきったことを、さも申し訳なさそうに上目遣いで。肩を窄めて、それらしく。そして、のそりのそりと、傘を杖のように鳴らしながらあの扉の前へ___)(コンっ...コツリ...)(一回と、少しだけ。中途半端に、切れ悪く。彼はその扉をノックしたのだ。) (6/26 19:26:27)
Sion・Forsyth>
「(___ノックの結果は。『互いに殴り合って勝敗を決しないと出られない部屋』。)___あの…流石に殴るのも殴られるのも嫌、なんですが、その……と言うかあの、ノックしてもらって申し訳ないのですが、もう一度ノック、しても…?(立ち上がり、ぽすぽすとスカートについた汚れを払う。殴られるのが嫌、と言っても…一番恐ろしいのは私のお兄様で。ケーキさんが私を一回殴ったりしたら少なくとも十倍程の仕返しが来るので、この要求は却下させて頂きたいのです。)……ではあの、失礼させて頂きます…ね…?(出来るだけ御上品に、先程の格好悪い姿を拭う様に、ノックを3回。こんこんこん、と歯切れのいい音を立てて現れた次の要求は___、)」 『1分間キスしないと出られない部屋』。「あ゛あ゛ぁ゛………っ!!!(また膝をつき、顔を覆う。この要求を口に出して読めるほどの魂胆が無ければ勇気もありません、羞恥心で泣き出しそうなのを抑え、立ち上がり、扉に蹴りを___、)い゛っっ…!!(入れようとして、転びました。)___もういっそのこと脳挫傷で死んだ方がマシですね…(盛大に転んだまま天井を見上げます。溜息をつき、部屋の中にある椅子に腰掛けて息を吸い上げて__)___この!要求を!呑むつもりは!お互い無いと!思うので!…交互にノックしましょう。相手のせいにするのはなしで、お願いします……(予想もしていなかったセブンス・イクリプスの8日目。下手したら8日目だけでは済まないかもしれません。)」 (6/26 19:40:43)
ピース・オブ・ケイク>
(日頃から思っていたことではあるが。彼女はいつぞやの、悪魔的な七日間からすれば随分と逞しくなっていたようである。どうしたって、あのことは彼女に何かしらの心の傷を負わしただろうに。)『…交互にノックしましょう。』「あ、あ...はい。」(どこかこう言う緊急時でも、そんな風に平凡な思考ができるあたり、彼女の方がヒーローとして、生徒として意識は高いのだろうな、などと思う彼。別に特段に嫌なわけじゃなかった。良いと思うわけでもないが。痛そうに後頭部を抑える彼女も、猛烈な勢いで扉を蹴ろうとした彼女も。自身のような霖雨、積雨ではない。心の奥底で燃ゆるような美しさがあるのだろう、だなんて思い見るにはあまりにも今が忙しかった。) 「で、では...恐縮ゥ...ながら...ならします...ね...。」(___コン、コン、コン、コン、コン)(五回。異様に長く、単調に。)(出た結果は)(『セクシーポーズを習得しないと出られない部屋』)「...。」(きっと、彼女的にはこれもダメなのだろうと。推察しながら、そっと彼女にも見えるように体をのけて、そのプレートを指差した。) (6/26 19:58:57)
Sion・Forsyth>
「…やりませんよ。やりませんよね?片方にさせるのも二人でやるのも私は嫌です!!!ので!!!!もうこうなったら遠慮なくノックをさせていただきます!!!!(こつこつこつ、と早歩きで扉に向かえば、先程より幾分か強く感じるノックを3回。)運命は捻じ曲げるものです!なんのこれしき、ヒーローがたった一つの部屋に膝をつくなど……いいえ、3回も膝をつくことなどありません!!(ぶっきらぼうに、不躾に。悲鳴の様に叫んだ挙句の要求は___、)」『約束を3つしないと出られない部屋』。「___!!…来ました!!来ましたよケーキさん!!これならできそうです!!!(男子中学生思考ならば今までの要求で満足しないものは一つもないだろう。けれど私、腐っても腐っていなくても女性なものでして。ケーキさんだから嫌、という訳ではなく…嫌というより、羞恥心が凄まじいのです。だからこそ此度の要求には軽くジャンプをし、プレートを指差しながら喜んでしまいまして。)ん゛んっ…失礼しました。やっとこさ全うできそうな要求が来ましたので、その…決めましょう。約束事、三つ。(咳払いをし、少し気まずそうにしながらもそう呟く。…もっとも、何を約束するかは決めていないのですが。なんでしょう、こう…一緒にパンケーキを食べる、とかでしょうか。)」 (6/26 20:07:57)
ピース・オブ・ケイク>
「...や、や...約束ゥ...ですかァ...。」(ほら。やっぱり。貴方は、強い人だから。運命の部屋、なんて言葉で飾られた部屋に、本当の運命を知っている貴方が負けるはずがないのだから。彼はそっと貴方の方をいつもみたいに下から見上げるようにして)「では...その...恐縮ながら...一つ...。...〝ここから出たら、授業に遅刻したことを謝ります“か...?...いや...本当に...恐縮ゥ...なんですか...。」(彼はそう言って色々と約束を考える君のことを見守った。約束なんて、どうでもいい。なんだっていい。別に意味があることじゃなくても良い。)「...部屋から出たら空気を吸う...とかでも...。」(なんてくだらないことももう一つ、提案して見せた。) (6/26 20:27:05)
Sion・Forsyth>
「…んん、では…そうですね、〝ここから出たら、今回の件を先生に報告する〟を一つにしましょう。それで後二つは…(椅子にもう一度腰掛けて、腕を組み、落ち着かない様に片手で顎を触りながら悩み込む。__そういえば、ここからほど遠く無い場所に美味しいパンケーキ屋さんが出来たとか___、)約束事、なんでも良いのですよね!…でしたら恐縮なのですが、約束事の二つ目は〝次の休日に一緒にパンケーキを食べに行く〟だなんてどうでしょうか!(私利私欲?そんなことはどうでもいいのです、美味しいもちもちふわふわパンケーキの前では全てが屈するのです、この運命の部屋さえも!ふふん、と鼻を鳴らしながら、「二つ目を強引に決めてしまいそうなので、三つ目はお任せします」と貴方に。)」 (6/26 20:37:36)
ピース・オブ・ケイク>
『〝次の休日に一緒にパンケーキを食べに行く〟だなんてどうでしょうか!』(あっけらかんとしていた。苦難はさったと言わんばかりに。そう言う切り替えの速さも貴方の美徳なのだろうと彼は思った。)『二つ目を強引に決めてしまいそうなので、三つ目はお任せします。』(彼は表情の下で困惑した。扉に背中を預けて、腰掛けた貴方の口元と地面とを何回か視線を行き来させた。彼は、しばらく黙っていた。表情も、姿勢も変わらない。少々に付き合いの長い貴方だからこそ、彼が考え込んでいると思えるくらいにじっとして。)「そ、そのぉ...大変...恐縮ゥゥ...なん、ですけど...。こんなこと...でも、貴方にしかァ...言えないん...ですゥ...。」(そのうちに、彼はそんな風に幾つもの逡巡と、困惑とを纏って。貴方の元へ。まるで、迷ってしまってどうすればいいかもわからないかのような口振りで。話すのだ。)「......では、三つ目は...。」(彼はスッと指を一本、立てて、提案する。申し訳なそうに、静かに静かに。)「貴方が弔った、私の友達が。〝一体誰だったのか〟一緒に考えてくれませんか...?」と。彼は言葉をそのまま、いつも通りに温度なく、低く、のっそりと続けた。「私は...私はァ...。あの時、あの時...確かに...。私の...友達を...か、彼を...貴方に、引き渡しました...。でも、で、もォ...。」そっと息を、彼が喉を鳴らして飲み込むのが静かな部屋に霞むように響いた。「私 は 彼 が。 誰 な の か を 知 ら な い の で す。」「へ、変なことを...言って...その...申し訳、ありせン...。ご、ごめんなさい...。い、いや...ならいいんです。ただの...戯言...ですからァ...。」(彼はそう言った仕切りに、また目を伏せて話さなくなってしまったのだ。) (6/26 21:27:12)
Sion・Forsyth>
「『貴方が弔った、私の友達が。〝一体誰だったのか〟一緒に考えてくれませんか...?』「___それは、」(慌てている訳でもなく。驚いた訳でもなく。淡々と、ああ、貴方の雨はまだ止むことを知らないのだと。貴方はまだ悩まされているのだと。元より小さくは無い葬儀屋の後継、これしきのことで取り乱したりはしない。…これしき、といっても。私の中で良く見かけることかも知れない、と言うだけであって…貴方のその〝雨〟が、小さなものと言う気は無いのです。『私 は 彼 が。 誰 な の か を 知 ら な い の で す。』その言葉さえ、怖いとは思いませんでした。身内に連絡をし、名前や住所を調べることなんて簡単です。けれど、貴方が求めているものはきっとそれでは無いのでしょう。)」「___はい。(至って、優しく。貴方の背中を撫でるように、優しく。貴方に傘を差し出す様に、優しく。)フォーサイス社は、最後までお供致します。お客様に納得頂けるよう、安心して頂けるよう、尽力します。故に___、」「その約束、承りました。」(鍵が、開く音がした。)〆 (6/26 21:36:25)
シオン>
「(時刻は昼下がり、偶然居合わせたラブリーさんと街の中で会話を___………さっきまでしていた、はずなのですが。)___ラブリーさん、動かないでください…!!!(突如現れた白い霧。今日の天気は晴れ、湿度もさほど高いわけじゃなくて、気温も暖かいし寧ろ暑いくらいだったのです。ラブリーさんの手を強く握り、〝それ〟と目を合わせないように下を向きます。……こんな状況は、カミサマ以外あり得ないのです。SIR_3299_JPN、白蛇。別名、三途之川。大切な人の背中を見せて、連れ去ってしまうカミサマ。先程まで賑やかだった街中、今では濃く白い霧が立ち込めて、その中にいるのは〝何故か私達だけ〟。お願い、行かないで、ラブリーくん。貴方が以前私にしてくれた様に、必死に願います。大切な人が見えない様にと俯く瞳は貴方の顔を見ることができなくて。自分の持ちうる最大の力を手に込めて、最後に小さく「おねがい、」と。)」 (7/26 18:56:28)
ラブリー>
「あ、ねぇねぇシオリン!この道の先に肌にいい石鹸売ってる専門のお店があってね───────。」『ラブリーさん、動かないでください…!!!』(何気ない、《ラブリー》の日常生活。)(当たり前のように続いていた話には、白い靄がかかり、町は一瞬にして白に飲み込まれてしまった。)(君が忠告するのは、ほんの僅かに遅かったのだろう。)(青空の小麦畑を切り取り、貼り付けたような綺麗な瞳は、)(──────霧の先で、)「………………かあ、さ…。」(────母の後ろ背を、見た。)(たった一人、先を行き、たった一人、先を逝った人。)(霞の先に消えていく後ろ背は熱を持っていない。)(寂しくて、静かで、それを最後まで『母』とは呼べなかった。)(───────ぎゅうっ。)(君が握った手のひらを君の声に答えるように握り直した。)(ライセンス【聞き耳】。)(大丈夫。君の声、ちゃあんと聞こえてるから。)(ほんの少し、君に聞こえるような、囁くような笑い声を零して、その先にある。その先に確かに居る母の後ろ背を眺めた。)「……多分、〝《俺》じゃ追いかけられない〟から。」(憧れ。)(尊敬。)(愛情と、哀愁。)(届かない背。)(母のようにはなれない。妹のように勇気はない。)(臆病な男がとっくの昔に捨て去った過去の残響。)(………音楽がヘッドホンから零れ落ちて、ただ流れていく。)(その耳は罪の形をしている。だからずっと塞いでいる。)(───────母のようになれたらどれだけ良かったか。)(今はただ、君と共に。溢れる音と、誰もいない静寂と。)(君と繋いだ温もりを《聞き届け》ながら。)(霧が晴れるのを待った。) (7/26 19:34:52)
シオン>
「(きっと、貴方は進んでしまう。そう思っていました、貴方は優しいから。貴方が臆病という二文字の下に隠してしまった優しさを、私はほんの一握りだけ知っているのですから。)……っ、(貴方の手を両手で握ります。怖くて堪らないのです、貴方が向こう側に逝ってしまう事が。 ___静寂の海、この間のメイリンさんの時…もしも貴方が、私より先に行ってしまっていたら。取り返しがつかなかったかも知れないと今気づいて、安堵とともに焦燥感も覚えました。)___ラブリーくんが追いかけたいのは、確かに…今ラブリーくんが見ている人なのかも知れません、でも…」
「(憧れて、尊敬して、愛して、哀して、自分には出来ないと貴方が否定したって。___貴方は、確かに此処にいるじゃないですか。)…ごめんなさい、…………………ラブリーくんは、本当は追いかけなくたって良いのかも知れないって…(私は否定しません。これはただのワガママで、私の願いで。)ラブリーくんは、ラブリーくんには…ラブリーくんらしいヒーローに、なってほしいんです…(否定でも無いその言葉は、ほんの少しの説得力を持っていました。私は貴方の〝名前〟を知りません。でも、同じなのです。…戦えないところも、ヒーローに向いてないところも。細かなところまで言うのなら、髪の色だって。…母を、喪ってしまった事だって。)」 (7/26 19:52:57)
ラブリー>
(ラブリーは偶像である。)(ヒーローに向いていない男が、ヒーローを目指す。その為に作られた。)(─────────『小鳥遊嘘鳥』という要素を全て捨て去った男の、末路なのである。)(愛想の無い口調も、冷たい瞳も、大好きな辛いものも、全部我慢して、全部黙って、)(愛想を振りまき、愛らしい瞳で貴方を見て、甘いものを口いっぱいに頬張る、《愛の具現化》。)(愛の宣言。)(それ故の、【ROSE CHERIE】であるが故に。)(そして何よりも。)(『小鳥遊嘘鳥』という男が、これ以上、罪を、責任を、重みを、全てを背負わないために作られた空っぽの盾こそが─────。)「────シオリン。」(霧の中。)(消えることの無い後ろ背に、いつまでも、首を絞められながら。)(愛らしさの具現化は。)「……悪い夢でも、見てるみたいだね。」(《ラブリー》は。)「でも大丈夫だよ。」(〝空白(ヒーロー)〟の傀儡は。)「ラブリーはいつでも、ハッピーで、ラッキーだからっ!」(────────『小鳥遊嘘鳥』であることを夢に見る。)(君が安心できるよう、彼は声を踊らせて言うだろう。君に顔が見えていたのならウインクでもしたくらいには明るくて、眩しい声でさ。)(だって、ラブリーはね。)「君といると、毎日がハッピーだからね。」(───みんなと生きてるこの時が幸せ!!)(例えそれを、〝過去(小鳥遊嘘鳥)〟は恨んで、拒んでいたとしても。)(〝小鳥遊嘘鳥(過去)〟さえ覗かれなければ、ラブリーは。)(──────ラブリーでいられる。)(ヒーローの偶像。)(理想の愛らしさ。)(愛の宣言。)(調香師の間で最も愛された花に敬意を表す香り。)(それこそが、)[ROSE CHERIE](霧が晴れていくと同時に、母の後ろ背も消えていく。)(ふぅ、と大きく息を吐けば、力を込めてましたよ〜なんて言うかのように肩を下へと下げた。)「えへ、何の話してたんだっけ?突然のカミサマ現象で、忘れちゃった!」(明るい笑顔が貴方に振り返った。)(その顔に君を疑う色なんてない。)(君を蔑む色なんてない。)(例えその心の奥底の鴉が、貴方を大嫌いだと歌っていても。)(君がその言葉を伝えるべきなのは、《ラブリー》ではなかった。けれど、君のその声が君の本当に届けたかった誰かに届くかは、分からない。)(──────あの子の好きな、ラスサビは、永遠に流れない。)(〝彼〟が耳を、閉ざす限り。) (7/26 21:09:18)
シオン>
「(気づいた時には涙が溢れそうになっていました。気づいた時には、きっと私の方が霧の中で迷っていたのでしょう。ラブリーと言う偶像に塗りつぶされてしまった誰かより、自分を偽る事も出来ない葬儀屋は迷っていただなんて皮肉。『___シオリン。』『……悪い夢でも、見てるみたいだね。』そうです、わたしはきっと、すごく悪い夢を見てしまっているのです。だから、だから…貴方が『ラブリー』であることさえ、夢だったらと。罪悪感、焦燥感、エトセトラ。先の見えない霧の中で迷った葬儀屋は、自分の精神がすり減らない様に貴方の手を握っているようでした。)」「(貴方がラブリーさんとして明るく話す声に、どうしようも無く己の不甲斐無さを感じました。見届けなければならない、聞いていなければならない。ラブリーはみんなのヒーローだから。輝ける存在だから。___それなのに。どうして、どうしてこんなにも目を背けたくなってしまうのでしょうか。『___えへ、何の話してたんだっけ?突然のカミサマ現象で、忘れちゃった!』)……あ、(パッと開ける視界に、手の力が緩みます。きっと安心したのでしょう。…けれど、離しませんでした。むしろ先ほどと同じように強く握って、涙をほんの少し溢して。それから、)……行きましょ、石鹸、屋さん…(喧騒の中、ほんの少し震えた声でそう言った。霧の悪夢はきっと終わったから。蝶は不甲斐なく慰めるように薔薇に留まり、こう言うのです。)」「薔薇の香りのが、欲しいです…」 (7/26 21:29:40)
ラブリー>
(画面の先の存在に『現実』を求めてはならない。)(ラブリーとは今で言うようなvirtualと変わらない。現実を覆い隠し、偽りの設定で動く傀儡。)(だからこそ、その中身を。〝中の人〟を、探ってはならない。)(それが誰しも素敵なこととは、限らないから。)『……行きましょ、石鹸、屋さん…』「そうだ石鹸屋だ!ありがとシオリン!行こう?」(消え入りそうな君の声を、少しでも上げてあげたくて、自分だけは、明るくあろうと声を弾ませた。)『薔薇の香りのが、ほしいです…』「─────────っ、……薔薇ね!…あったかなぁ。あ、でもね!ソープフラワーってのはあるよ!石鹸がお花の形してるやつ!飾りとしてしか使えないんだけど。」(君との表情はきっと雲泥の差。)(それでもキラキラな笑顔で続ける彼にはほんの少し違和感も覚えてしまうほど。)(まるで使命感のように続けてるんですもの。)(君よりも多く喋るお喋りな彼。だけれど、流石に貴方の顔色が暗いのはわかっている。)(わかっている。)(わかってるから。)「ねぇ、シオリン。ちょっと前を向いてくれる?」(少し足を止めて、繋いでいない方の手のひらを貴方の前で、)(──────────パチンッ!)(それと共に、彼の手元にぽんと咲いたのは黄色の薔薇だ。)(それと一緒に、彼の手元には紺色のカードが挟まっている。)「…上手くできるか、不安だったけど、成功してよかった。」(母のちょっとした特技だった手品。自分じゃあんまり練習したことなかったけど。)「あのね。それ、《俺》のアカウント。」(───────ゲーム実況者《ヲリ》。)(君に名前は教えられない。)(だけれど、君は、ほんの僅かに『小鳥遊嘘鳥』に近付いた。)「普段と違うから、多分びっくりすると思う。みんなにも、教えてないから。」(見るも見ないも、君の自由。)(ふにゃふにゃに笑って彼は君にそう告げた。)「あんまり、知って欲しくないから。」(でもそれは。)(────小鳥遊嘘鳥が確かにそこにいる証拠だ。)(彼の記録だ。)「………………俺が、君をどう言うかとか、君をどう思ってるとか、本当はそういうの、探ってほしくないし、知ってほしくない。」(落ちた瞳は夜のよう。)(先程と違う消えてしまいそうな声。)(愛らしい見た目に反する暗い色。)「けど。」(小鳥遊嘘鳥は貴方を罵倒するかもしれないよ。)(小鳥遊嘘鳥は貴方を拒むよ。)(だけどね。)「……《ラブリー》で笑ってもらえなきゃ、《ラブリー》の意味が無い。」(君が目を逸らしたら、《ラブリー》は君に、笑いかけられない。)(だから君は、どうか。)(嫌うなら、目を逸らすなら、『小鳥遊嘘鳥』にしてほしい。) (7/26 22:09:04)
シオン> 「(貴方が私をセーブした時に花をくすぐった香り、それと同じものはあるのでしょうか。もう霧ははれたのに、相変わらず俯いていた私。『ねぇ、シオリン。ちょっと前を向いてくれる?』その言葉を聞いて、ようやく貴方の顔を見たのです。(──────────パチンッ!))……へ、(まるで魔法みたいに、目の前に現れた一輪の薔薇。『あのね。それ、《俺》のアカウント。』薔薇を恐る恐る受け取りながら、紺色のカードも手にする。…貴方が探って欲しくないだとか、知って欲しく無いだとか…言っている間にも、少しずつ笑顔が戻ってきて。それは、ラブリーの存在を肯定するものにもなり得るのでしょ。)」「……ん、へへ…(ほんの少し赤くなった左目を擦りながら、不恰好な笑みを浮かべます。『みんなにも、教えてないから。』その言葉に、浅ましくも特別感を感じてしまいました。嫌うなら、目を逸らすなら?___いやです。私は目に映ったもの全てを見届けたいのです。だから、だから。私は、本当のアナタもラブリーも、ヲリくんも。全部全部大事にしたいのです。疎ましいとか、鬱陶しいとか、そう言う都合の悪いことは全部聞かなかったことにするので。ラブリーだから意味があるとかそういうのも知りません。…私の中だけでは、〝アナタ全て〟に意味があるのです。)…せっけん、ちゃんと、付き合ってください。」「(そのあと、私はラブリーさんとずっと手を繋いだまま石鹸屋でショッピングをしたでしょう。帰ってからはいそいそと着替えてシャワーを浴びて、もらった薔薇を飾って、とあるゲーム実況者のライブを見ようと慣れないパソコンで準備をするのです。…そして、シオン・フォーサイスは___)」「(黄色い薔薇の花言葉を、まだ知りません。)」〆 (7/26 22:33:52)
サクラダ キョウ>
(ぱた、とてててててて。)(とんとんとん、と、と、とんとん。)(『..........だな.......とうを........とは少し........とう。』)(とてとて、とてて。かたかたかた、こんこんこんこん。)(耳を、澄ませば。)(廊下に響き渡るのは、まるで足元が覚束ない少女が走り回るかのような音。渋く嗄れた声が、誰かに指示するような声。そう、まるで───────初老の男性のような。渋みがありつつも、その奥に知性を感じさせるような声が微かに廊下に響く。ただ、相変わらず少女の足音のようなものはあっちへいったりこっちへいったり。もしその廊下を通りがかる者が居たならば、もしかしたら嗅ぎ取ってしまうかもしれない。)(とてとてとて、ぴょんっ!)(あまぁいあまぁい、まるで夢の国にでも出てくるような香りを。もし探そうと思えば香りの出処はすぐに分かるだろうね。不思議な音が響く方向に足を進めれば、香りは強まっていくんだもの。進んだつきあたりには、一つの部屋が待ち構えていることでしょう。表札を見ると、『食堂』と書かれた札の下に『すごい、おいしい』と下手くそな字で書かれた紙が、セロテープで雑にはっつけられている。)(とてとて、とて!)『ふむ.....こんなところ.....あとは.......』(香る、ふんわりと貴方の体を包み込むような甘い香り。)(足を、踏み入れるかい?) (7/27 15:45:07)
シオン>
「(近くのコンビニに寄って、学園に帰ってきた頃。ご飯を食べようとラフな格好で食堂に向かっていました。…本当は、お部屋で食べてもよかったのですけれど…少し離れた所から甘い甘い香りがするものですから、何か素敵な出会いがあるかも、なんて。強くなる甘い香り。それを、まるで深呼吸するかの様に堪能します。)___『すごい、おいしい』…?(ええ、ええ…きっと美味しいのでしょうけれど、これは一体…、食べにおいで、のニュアンスでいいのでしょうか。扉を恐る恐る開けると、吹き抜ける風の様に溢れる甘い香り。___足を踏み入れたその先は。)」「あっ、こん…にちは。(最初に目にしたのは、奇しくも貴方の顔でした。___そして私は、貴方から申し訳なさそうに、なにか負い目を感じている様に瞳を逸らしてしまいました。どうしてか、ですって?___…………私は、〝あの時の校外学習〟でカミサマに立ち向かう貴方を置いて…我先にと逃げ出してしまったからです。)」 (7/27 16:03:51)
サクラダ キョウ>
(ガララララ。)(扉を開いた先に広がっている光景は、まるで不思議な遊園地のよう。一際甘い香りが貴方の鼻腔を満たす頃には、きっと部屋の中が見渡せている筈。そこには部屋着姿で厨房のど真ん中に居座り、カラカラと紅茶をティースプーンでかき混ぜている彼────サクラダの姿。だけど、それだけではないの。とてとて、ぴょん、とて。突然の予期せぬ来訪者である貴方の存在を認知した彼女は、彼の足元にひょこ!と隠れてしまう。ただ、隠しきれていない帽子と縫い目のあるまんまるの瞳がほんの少しだけ彼の足からはみ出して。)「こんにちは!!!」(貴方がそうっと目を逸らしたことに気づきはしたものの、特に面識のない彼からすればその理由はわかるはずもなく。ともかく、彼は少しばかり。挨拶の声がデカい。)「どうかされたか?ここは調理室なので教科書とかの置き忘れとかはないかもしれない。.........ああ、調理実習か?申し訳ない、今すぐここを開けよう、ほんの少しだけ待ってくれれば用事もすむ。..............いや、まて。もしかして。」(ここまで並べるように頭の中の思考をそのまま口から言葉にして喋ってから、彼はある可能性に辿り着く。)「もしかして.........食べに来てくれたのか!?張り紙を見てくれたのか!?」(彼は今度は目を見開きながら、心の底から嬉しそうな笑顔を浮かべて貴方の返答を待つみたい。その間に、彼の足元では小さな魔法使いが『ひょこ.....ひょこ....!』とばかりに顔をのぞかせ、貴方のお顔を見つめようとしているみたいだね。)「どうかされたか?ここは調理室なので教科書とかの置き忘れとかはないかもしれない。.........ああ、調理実習か?申し訳ない、今すぐここを開けよう、ほんの少しだけ待ってくれれば用事もすむ。..............いや、まて。もしかして。」(ここまで並べるように頭の中の思考をそのまま口から言葉にして喋ってから、彼はある可能性に辿り着く。)「もしかして.........食べに来てくれたのか!?張り紙を見てくれたのか!?」(彼は今度は目を見開きながら、心の底から嬉しそうな笑顔を浮かべて貴方の返答を待つみたい。その間に、彼の足元では小さな魔法使いが『ひょこ.....ひょこ....!』とばかりに顔をのぞかせ、貴方のお顔を見つめようとしているみたいだね。) (7/27 16:30:33)
シオン>
『こんにちは!!!』「(貴方の明るい声にほんの少し驚いて、また貴方の顔を見ます。元気な人だこと、と一人でくすくす笑えば、視界の隅でてちてちと走り回る小さな…人形、でしょうか。どうやら驚かれてしまったみたいで、警戒されたい様にそっと手を振って見ます。貴方の能力か、ディスコードそのものなのかはまだわかりませんが、怖がるに値はしません。かわいいお人形さんでしたから。『どうかされたか?ここは調理室なので教科書とかの置き忘れとかは___』)ああいえ、その、食事を__……『もしかして.........食べに来てくれたのか!?張り紙を見てくれたのか!?』………はい!食事をしにまいりました!」「(嘘をついてはいません。それに、食べに来てくれたのかと聞くということは、あの張り紙はきっとお茶会のお誘いか何かだったのでしょう。)私、シオンと申します。差し支えなければ、貴方様のお名前と…そちらの、小さな魔法使いさんのお名前も、教えていただけますか?」 (7/27 16:44:15)