Yuri・Annabel

ヒドラ

サクラダ キョウ> 
(それは、とある昼下りのこと。)(昼休みの時間になり、多くの生徒たちは友人らと共に弁当を食べ、話に花を咲かせる。ただ、『多くの生徒』に該当しない、少数派達はどこにだっているのである。)(人付き合いが苦手な人、或いは一人を好む人。或いは.............)「失礼します!」(2ヶ月先に迫った中間考査に向けて、勉強に励むものだとか。)(はっきりとしたよく通る声で図書室中に響いた声は、少し角で反響して彼の元へと帰ってくる。勉強道具のノートと教科書を小脇に抱えた彼は、図書室の扉をみんなの迷惑にならないようにそっと閉めれば、貴方がいる所から少し離れた机に腰を下ろし、教科書を開く。そして、彼はおもむろに教科書の試験範囲を音読し始めた。もちろん授業中のように、ハキハキとした、よく通る声で。クラスメイトが恥ずかしそうに小さな声で読んで、お腹から声を出しなさいと言っていたので、そこを忘れないように。)「まるさん、空中ブランコ乗りのキキ。そのサーカスで一番人気があったのは........」(それは朗読、と言うにはあまりにも棒読みだったろう。それどころか、時たま国語辞典を開いては、分からない単語の意味を調べてはその意味まで音読し始める始末。司書さんはどうやら今は居ないらしい。お昼ののんびりとしたい時間、その図書室はまさに彼の独壇場とかしていた。)   (5/11 17:03:07)


Yuri・Annabel> 
( 図書室はどんな所?そう問われたなら、夢見る墓場ってきっと答える。息を潜めた樹木の果て、本棚の中に眠る本。開けばそこは別世界。或いは誰が後に遺していった軌跡。別世界に飛び込むのも、誰かの生きた跡をなぞるのも、幼い頃から本に囲まれた彼女は大好きだった。小中高、新しい学校に通う度に図書室の場所は1番に把握した。休みの度に市の図書館に足を運んだ。記憶の中、色褪せた図書館の風景は一瞬たりとも在りはしない。読む以外の理由で本を起こしてはいけない。煩くしてはいけない。ある種、神聖な場所への信仰心じみたその信念。『 ぅ………… 』それが、貴方ったらどうだろう。『 うーるさーーいなーもおーーーー!!? 』〝はっきりとしたよく通る声で図書室中に響いた声〟〝教科書の試験範囲を音読し始めた。もちろん授業中のように、ハキハキとした、よく通る声で。〟ガ タ ン ッ ッ ! 椅子を後ろに引く大きな音が、貴方の声に被さるように初めて響く。ソロステージのマイクをぶっ倒して。逆立ちをしたハの字の眉、むむむと尖ったへの字の唇。読んでいた本を置く動作だけは一切の音を立てず、本を傷付けないように優しく、洗練されていたと言っても良い。顔を見れば分かるように、貴方の大きな大きな音読に彼女の怒りは火にかけられて、ぐつぐつと沸騰までしてみせた。足音もなく、本棚と机とすれ違い『 ────空中ブランコ乗りのキキ、そのサーカスで1番の人気があったのは、なんといっても空中ブランコ乗りのキキでした。三回宙返りをしながらキキが飛ぶと、テントにぎっしりいっばいの観客は、いつも割れるような拍手をするのです。 』貴方の読んでいるであろう本の内容を何も見ずに口にした彼女は、ふんと腕を組んで仁王立ち。『 ……あのねだねー、図書室では静かに、なんだよー。 』   (5/11 17:37:30)


サクラダ キョウ> 
(誰かが椅子を立ち上がる音が聞こえた、気がした。正直、自分の声が大きすぎてイマイチ聞こえない。とにかく先生が言うとおりに、ハキハキと読み上げる。それだけに集中していた。)『 ────空中ブランコ乗りのキキ、そのサーカスで1番の人気があったのは、なんといっても空中ブランコ乗りのキキでした。三回宙返りをしながらキキが飛ぶと、テントにぎっしりいっばいの観客は、いつも割れるような拍手をするのです。 』「むっっっっ!?」(ただでさえぱっちりと開いている目を彼はさらにかっぴらき、近づいてきた貴方を見て固まった。)(それから、真顔で一言。)「や、やるな君。この文章を暗記しているとは。さては孔子か?孔子の生まれ変わりか?」(彼は驚きながらも敬意を評し立ち上がり、是非知り合いになろうと話しかけようとしたとき。)『 ……あのねだねー、図書室では静かに、なんだよー。 』(間延びした貴方の声と、その反面何故か今にもぴくぴくと動きだしそうな貴方を見て、彼は思い出した。)「なっっっっっ!」「そ、そうだった!本当にすまない、君の読書の時間を害してしまった.............本当に申し訳ない、謝罪を受け入れては貰えないだろうか........ユーリ・アナベルさん。」(そう、口にした。最初の『なっっっっっ!』こそハキハキとしていたが、そこからは囁き声になっていって。謝罪しながら、彼は貴方の名前を呟いた。そう、貴方の名前を知っているのである。貴方が彼を知っているかは分からないが、少なくとも彼は貴方と話したことがないにもかかわらず、貴方の名前を把握している。)「償いと言ってはなんたが、なにか俺にできることはあるだろうか..........」(彼はしなだれた植物のように、しおしおと顔を悲しみに陰らせている。)   (5/11 17:56:53)


Yuri・Annabel> 
むー………まあー、分かってくれる人ならいーいけどぉー…………、……………………。( うんうん、と頷いて。どうやら悪気があったわけではなく、うっかり忘れててハキハキと音読を……うっかり忘れててハキハキと音読をしてたってなんだろう。…………。…まあ、兎も角、悪気があったわけではなく、謝罪及び反省はすんなりと。大切なのは間違いを犯したときに謝れること、そしてそれを程度にはよるけれど許せること。ふくふく膨らんでいた頬は途端に萎んで、一件落着。お互い良い読書タイムを。それだけで済む筈だった。…顔も知らない男子生徒から、フルネームを呼ばれるまでは。一瞬のフリーズ。1カメ、2カメ、3カメと切り替わるような間を置いて、──その場から一足飛びで後ずさった。『 きも…………ちわるー…るーー……………るーーー…いねー……? 』両の腕はファイティングポーズ、若干口元寄り。堪えようとはした。流石に初対面で悪い人には思えないのに気持ち悪いと口にするのは気は憚られた。しかし本能的に、つい。同学年なら分からなくもない。かくいう彼女も入学式の栞は読み込む派で、名前は記憶済み。しかしながら他学年ともなると情報を得るのが先ずもって困難だ。それを、顔と名前が一致するほどに記憶されている。『 まあユーリちゃんー、かぁちいですからー?仕方ないーかもだけどー…………じゃあー、君の名前も教えてほしーなー? 』その場でくるんと1回転。きゃあーともちもちほっぺに手を当ててみたり。仕方ないかはやや審議の余地があるけれど。大声を出したことに凹んでいる相手を更に問い詰めるのは気が引けた。)   (5/11 18:30:01)


サクラダ キョウ> 
「謝罪を受け入れてくれるか..........本当にすまなかった、これからは絶対にこの過ちは犯さないようにすると約束する。ああでも、やはりやむを得ない場合はあってだな、例えば先生にここで大声で読めと命令されれば抗議はするが、しかし先生の命令とあらば受付なければいけなく、でもしかし君との約束を無下にするわけにはいかないな........君の厚意を......先生と君では立場は先生のほうが上だが、かと言ってどんな年齢であろうと俺に教えを説いてくれる方は俺からすればそれは人生の師であり.......」(彼は、生真面目である。尚且、不器用である。自分で答えを決めることに、本当に時間がかかるのである。考えて、考えて、考え抜いた結果に出す答えが自分の正義と信じている。)(よって。)(彼はフリーズした。眉をひそめながら、ああでもないこうでもないを繰り返し何度も行き来し、それ故に貴方の前で固まるのである。)「いやしかしよくよく考えれば校長先生に大声で命令されれば朗読せざるを.........いやしかし立場は...........」『 きも…………ちわるー…るーー……………るーーー…いねー……? 』「..............いやそれでもやはり君との約束を優先しよ、ん?」「き、気持ち悪い........か、そうかすまない...........しかし俺は自分で考え抜いた答えしか信じられなく........いやだが、人生の師である君が辞めろというのなら辞めるが..........」(ようやく自分なりの結論にたどり着いたと言うのに、どうやら貴方は彼のポリシーを気色悪く感じてしまうようだ。少し苦しそうな表情を浮かべる。)「わ、分かった。俺の名前は『サクラダ キョウ』。確認済固有個体のカミサマだ。」(名乗れと言われれば名乗るが礼儀と言うもの。それから貴方にも分かりやすいように、最後に一言だけ付け加える。)「触れたら死ぬ、なんて見に覚えのない噂を流されてはいるが......それなら聞き覚えはあるだろうか。」   (5/11 19:09:09)


Yuri・Annabel> 
( すれ違いが起こっていることは薄々察していた。彼女の口調がスローリーなのに対して、貴方は思考がそれなようで、せかせかと次のことを考える彼女と比較すればその速度はウサギと亀。下手すれば自動車と亀にも相応しく、速度の差が3度追い付いてしまう程にある。待ちますか?そう聞かれて待ってられるほど彼女は淑女らしくはなく、急ぎますか?そう聞かれても貴方は答えが出せないだろう。そうしている内に、また追い越してしまいかねない。いつの間にか人生の師と崇められていることにより生じた疑問。それが唯一追い付くための隙といえ____『 ?????…………師であるぞー、わっはっはー。まあー師的にはー?考えることぉ、大事だからねー、良いよー、良いことだよぉー弟子くんー 』……れば、良かったのだが。警戒体制はなんだったのか、脇腹に両手を当て、声は潜めて高笑い。なんだかよく分からないけどまあ良いだろう、と、そんな結論は早々に出た。よく分かっていないのにうんうん頷き、師を気取る彼女の方が学年としては後輩である。『 ほおー…………自我があってー、敵対関係に無いカミサマー、…シキガミってぇーやつー? しかもー、さくらだ弟子くん有名人………有名神だー?聞いたことあるねぇ、噂ー、興味深いなぁ…………。 』本当にファイティングポーズまでとって警戒していたのはなんだったのか。貴方が貴重なカミサマと分かるや否や、瞳に宿る光は強まり、しぱしぱと2回瞬いた。後ずさった距離を駆け足で、先程よりもずっと近くに戻り、ちょこまかちょこまか右往左往動き回りながら貴方の姿を凝視する。好奇心旺盛、怖いもの知らず、触れたら死ぬ、なんて噂を知っていた上でも尚、観察の距離は触れられるほどに近く。あまつさえ、差し出した右手の意味は『 なんでか知られてたけどー、私はユーリ、ユーリアナベルー。…はい、よろしくのあーくしゅ 』   (5/11 19:37:57)


サクラダ キョウ> 
「ありがとう、君の厚意に感謝する。もし差し支えなければ、これからは師匠と呼ばせてもらいたいのだが.........」(彼は、楽しそうに笑う貴方を真っ直ぐな瞳で真剣に見つめ、熱い視線を向けて語りだす。)「笑い事ではない。君はアドバイスをくれた。自分が傷つきながらも、無知な俺にアドバイスをくれた。もし君が俺の音読を我慢して図書室を出ていけば、それによって次の被害者が出てしまうところだったんだ。俺は絶対に人を傷つけたくない。絶対に、だ。だから、ほんのちょっとでも勇気を出してアドバイスをくれたのなら、君はもう俺にとって人生の師匠だ。だから、師匠と呼ばせてくれ。是非、師匠の生き方や思想、その心持ちの真髄をご教示いただきたい。」(そうして、貴方に許可を得ようとすれば。)『 ほおー..自我があってー、敵対関係に無いカミサマー、…シキガミってぇーやつー? しかもー、さくらだ弟子くん有名人………有名神だー?聞いたことあるねぇ、噂ー、興味深いなぁ…………。 』「そうか、知っていてくださったのだな、師匠。貴方ほどの人間に認知されているとは光栄.....」(........嫌な予感がする。その、貴方のパチパチと瞬きをする仕草だろうか。なにか、なにかを間違えた音がした。すごい勢いで近づいてきたと思ったら、あちらこちらから覗き込んで。それから、はじめましての自己紹介。そして。)『…はい、よろしくのあーくしゅ 』(差し出された、右手。)(彼は、しばし貴方の小さな右手を見つめた後に。)「心遣い感謝痛み入る、師匠。ありがとう。しかしながら、俺は君には触れられない。やむを得ない事情があるんだ、本当に申し訳ない。いつか君に触れられる日が来たら、そのときは握手をしよう。」(そこまで、言い切った瞬間。予鈴がなり始めた。)「休み時間も残り5分だ、教室に戻ろう師匠。」(本当に、いつもどおりの昼下がり。そこに混じった、ほんの少し特別な出会いの日だった。)【〆】   (5/11 20:15:20)

Yuri・Annabel> 
『 グレイスくんーでしたけー? ユー…………ん、ん"っ、ヒーロー名ヒドラー、時間通りに参上ー、だよー 』 ( そんな装備で大丈夫か?───大丈夫じゃない、問題だ。時間通りに指定された教室に来た少女、もといポニーテールのヒーローは、能天気な口調ながらもそれなりの不安は感じていた。腰に回したベルトにぶら下げられた装備といえば、タバスコ入りの水鉄砲に催涙スプレーといった品揃え。不審者対策としては問題ないだろうが…場合によっては今回の任務、相手はあのカミサマだ。あれらをタバスコや催涙スプレーで倒せるかと問われてyesと答えるやつは、きっと正気じゃない。能力を使うにも限度がある。であるからこそ、それなりの不安をヒーローは抱えていた。見回りは最低でも2人から。火力は十分とはいえず、任務時に連携を組むための訓練の一貫であるから当たり前であるとはいえど、初顔合わせ。この訓練が決まってから、なんとかするっきゃないなと頬をぺちぺちした夜は数知れない。自己紹介もそこそこに、装備品の確認、路地裏に主に出没するカミサマのデータ、離脱時の注意事項等の説明を受けたら、……初めての公式戦、ヒーロー活動の始まりだ。─────《歓楽街の裏通り》その名の通り、様々な娯楽施設が栄える歓楽街の裏通り、もしくは路地裏、その辺りの楽しさの裏側に蔓延る人の負の感情や罪の感情がどっぷりと沈殿した場所である。駆け出しヒーロー達が対処すべきカミサマやガラの悪い人間たちが隠れ住んでいる。絶対に1人きりでは探索しない事だ。【探索1回目、特段なにも起きなかった…もう少しだけ進もう。】 路地裏を生ぬるい風が吹き抜ける。隅っこで泥くずと貸した空き缶がカロンと転がり、それに驚いた小虫がぞろぞろと列を成して移動を始めた。お世辞にも良い匂いがするとも、綺麗な場所とも言い難い。寧ろ相反するのがこの場所だった。『 うへぇ…………、やぁだねぇー…。グレイスくんはー、こういうとこ、平気ー? 』汚れた空気はじわりじわりと肌に染み込もうとしてくるようで気味が悪い。ぞわりと立った鳥肌、両腕で身体をぎゅうと抱えた。奥へと踏み出す度に、身体を蝕もうとする空気の濃度が上がる気がする。きっと、潔癖性の生徒なら発狂ものだろう。)   (5/14 01:51:27)


水沫 泡> 
(待ち合わせをしていた少女は、いかにも出来たてホヤホヤのヒーローといった様子で待ち構えていた。ポニーテールをくるくると揺らし、慌ただしく装備品の確認をしたり説明を受けたりしている。小動物のようで守りたくなる少女というのはこういった子のことを指すんだろう。しかし、彼女も立派に市民を守る側の人間である。………髪を上げたせいでよく見える尖った耳に目線を向けて、"あぁ、ルクレルク人か"なんて思ったが口には出さなかった。何となく親近感を感じてしまうのは、未だそういった認識が蔓延っているからに違いない。)「はい、ヒーローグレイスです。よろしくね」(自分がそんなふうにヒーローと名乗る日がやってくるとは思っていなかった。今日はただの見回り、大きな任務では無いのだからそう身構えなくても良いだろう。……と思っていたが、ヒドラーはソワソワしている。緊張しているんだろうなぁ。ろくな装備のない彼は、いざという時の為のガスマスクを2つだけ持ってあなたにはついていった。)(______歓楽街の裏通り。陰鬱な空気の停滞したその場所を何分か歩いた。さすが見回り、特に何も起こることなく道を進んでいく。ここを掃除する人なんていないのだから、当然のようにゴミが溢れ返っている。足に当たった缶をカコンッと音を立てて蹴り飛ばせばふと思い出した。"昔はこんな場所に住んでいたな"と。『グレイスくんはー、こういうとこ、平気ー? 』腕をさすり嫌そうにする少女を見て、そりゃ女の子はこんな場所嫌かという風に思う。)「あはは、出来れば来たくないよねぇこんな場所。」「変な人とか出ても、困る……し………?」(彼は蹴り飛ばした缶が壁に当たってコロコロとこちらへ戻てきたのをじっと見ていた。グレープ味の炭酸飲料の見た目をしたそれは、蹴り飛ばした時にほとんど重量がなかったのに。”開いてない''彼はそれを拾い上げると目を細め首を傾げる。)「あかないアキカンだねぇ」探索2回目、あかないアキカンと遭遇…?> Yuriちゃん   (5/14 11:21:45)

Yuri・Annabel> 
んねぇー……、 ( この場所が嫌だと感じるのは貴方も同じ様で、単純ながらほっとする。それでも嫌そうな気配を露骨に出さずに柔和な笑みを浮かべられるのは流石先輩と言おうか、その胆力が頼もしくあった。尊敬、自分もやってやるぞと気合いを込めて、じとりと手汗の滲んだ手を腕から引き剥がす。深呼吸はあまりしたくないが、気分的には初めよりましになった気がした。綺麗好きではないものの、掃除してしまいたくなる裏通り。そもそもこんな風に汚れているから、悪い人が蔓延る場所になってしまうんじゃないだろうか。上を見上げて見える空も、換気扇の煤けた汚れと混じってしまって、何処かほの暗い。『 変な人が来てもー、腕っぷしに自信があったらー…………ん、なんかあったー? 』てっとっと、無警戒に前進していたヒーローは、着いてきていた筈の貴方の気配が消えてしまって、壁にぶつかってしまったようにびたんっと止まる。振り返れば貴方はしゃがみこんでいて、ゴミ拾い…?そんな疑問は直ぐに解消された。『 だねぇ、…今でもー、だぁれも開けられてないんだっけー…。空かないじゃねぇかーってー、捨てられちゃったのかねー… 』蓋の空いていない、なのに中身の無い空き缶。空かないアキカン。缶蹴り時には凹まないその性質から大人気になったそうで……というのは冗談だけど。何をしても空かない、壊れない性質を持っているのは本当だ。この路地裏においてもそれは変わらず、他の空き缶と比べてアキカンは滑らかなボディを保っている。跳ねるように貴方の元へと戻ってアキカンをつんと突つけば、身に纏っていた藻のような汚れの塊もぼろりと落ち、まるで新品のような様だった。)   (5/14 11:49:31)


水沫 泡> 
「ここにあるってことは辺りにあかないアキカンが出てくる自販機があるってことだろうなぁ。」(アキカンを放り投げては掴み、これがカミサマか…なんて目線を落とす。カミサマは千差万別。八百万の神だなんて言ってあらゆるものに神様がつくのはそうかもしれないが。空き缶とはなかなかセンスがないように思える。)「持って帰ってレポート書かないとだね」(そう言ってアキカンを懐へしまい笑いかける。先程から少し前を歩くあなたはどこか危なかっしくて、例えるのなら子犬。自分よりも背の低いあなたを後ろから見守りつつ、先へ進むことにしよう。____そんなことを思った矢先)『よぉ嬢ちゃん。こんなのところで何してんだ?』("いかにも"といった様子のガラの悪い大人が正面からフラフラりと歩いてくる。彼は思わず、あなたの服の一端をちょいと掴みこちら側へと引き寄せるだろう。)探索3回目、ガラの悪い大人が声を掛けてきた…!どうやら通り魔の類らしい。戦闘ライセンスを2つ以上持っていなければ1d6を振ること。1ならば君は致命傷を受けて気を失い半日以内に救助されなければロストしてしまう。2か3なら大怪我をして24時間ライセンスを全て使えなくなる。4以上なら軽傷を負い戦闘ライセンスのうちどれか1つ24時間つかえなくなる。   (5/14 12:05:23)


Yuri・Annabel> 
う"……………そろそろー、集めたアキカンでお家が建てれちゃいそうーだよねぇー、…レポートで提案したらぁ、採用されちゃったりしませんかなー ( レポート。苦手でもなければ嫌いでもない分野。読むだけならなんなら好きで、読むためには書くことが必須、大切なことだと理解している。その上で、気持ちの面でレポート作成が苦手だった。椅子の上にじっとしているのとか、手の進む速度でしか文字を記せない所とかがあんまりにもまどろっこしくって。現実逃避するように、アキカンからすっと目を反らす。レポートやだな、反らした直前の顔にははっきりとそう書いてあった。新たな研究の題材、言い換えればレポートのネタが直ぐに浮かぶ辺り、本当に分野としては苦手ではないのだけど。「よぉ嬢ちゃん。こんなところで何してんだ?」……噂をすればなんとやら。びしっと決めたスーツ、ゴツい指輪を嵌めた片手には燃えた煙草、染み付いた酒と鉄の匂いが路地裏の中であっても鼻の奥を痛いほどに突く。服を後ろから引っ張られるまま後ろに下がれば、こんなところの空気でも、ちょっと軽くなった気がした。迷子になっちゃってー、…なんていって、素直に案内してくれるだけの相手でもないだろう。此方の顔を見比べて舌舐めずりをしている辺りから程度が知れる。学校では不安であったのに、いざとなると胆が据わるというのだろうか。守らなきゃ、と体がふつふつ湧く気がする。『 水鉄砲で目を潰すのでー……その隙に逃げるかトドメ、どー? 』貴方だけに聞こえるように声音を落とす。指先を引き金に滑らせた。)   (5/14 12:38:05)


水沫 泡> 
「……ふは、そりゃいいね」("水鉄砲"あぁ、あなたが持ってたのは拳銃ではなく水鉄砲だったのか。まるで子供だましのような提案に彼は吹き出せば、わしゃりとあなたの頭を撫でてその話に乗るだろう。本当はその水鉄砲で人を殺してしまうことだってできるのが彼ら能力者なのだが、通り魔を極刑にするかはヒーローの決めることではない。トントン、とコンクリートをつま先で叩き彼はフラッとあなたの前に出るだろう。)「これはこれは、真昼間から見回りですか?それは随分と、素晴らしい行いですね。」(娯楽が欲しい。悪い自分が大好き。目の前の俺らのことを餌としか思っていない。___コイツの思考はダダ漏れで、きっと隠すつもりも無いんだろう。程度の低い犯罪者だ。その程度の低い通り魔と彼はじっと目を合わせる。)(ダボッとしたアウターに両手を突っ込み、無警戒を装う。ヒーロースーツらしいそれを未だ持ち合わせない彼は、それこそただのランニング中の高校生程度にしか見えないだろう。背も小さく、身体も細身。色も白ければ、連れて歩いているのは可愛らしい少女。おまけにルクレルク人だ、強そうだと想起させる要素が1つだって無い。そんな奴が愚かにも1歩前へ出て、ヘラヘラと笑いながら声をかけてくるのだから、アイツはすかさずマウントを取ってくることだろう。そうやって彼は、目の前の男の注意をこちらへ誘導した。射撃のライセンスを持ち合わせる貴方なら、その隙に拳銃……いや、水鉄砲を構えて相手の目を狙い撃つことなど朝飯前なのでは?)   (5/14 12:54:10)


Yuri・Annabel> 
っ……へへへ、まーかしてー ( 犬は一芸が出来た後にご褒美を貰うものだけど、今回の褒美は後払い。それは程好いリラックスとやる気に繋がって、自然と頬がふんにゃり緩んだ。たまたま路地裏に迷い混んでしまった兄妹、1歩踏み出す貴方は妹を守ろうとする兄、そんな姿に見えただろうか。想定されるのは美麗な顔立ちが苦痛に歪み、血に濡れる姿……………そんなことばかり考えているから。『 …ごめんねぇ、おじちゃん。 』狩る側から狩られる側に変わるのはどんな気分か。想像は出来ないけれど驚くことはよく分かり、其所が隙だった。男が貴方に手をかけようとしたその時に、ちらつかせるのは黒い拳銃。一瞬の怯えと怯みは撃ち抜く側からすれば充分すぎる程のもの。─銃声は響かなかった。何故ならそれは、タバスコを含ませただけの水鉄砲に過ぎないのだから。それでも拳銃だという思い込み、両目に走った鋭い痛み、溢れた涙が視界を狂わす。『 ─────グレイス! 』   (5/14 13:13:07)


水沫 泡> 
「はは、これは傑作。」(赤い水が男の顔にかかり、目に命中する。銃声は鳴らなかったが、男の悲痛な叫びが路地裏に響いた。ほんの少しのタバスコが目元につくだけでも相当痛いのに、きっとタバスコの水鉄砲が男に与えた刺激とは想像を絶するものだろう。男がフラリと後ずさる。その瞬間彼は体を捻り鳩尾に強烈な蹴りをぶち込んだ。ミシ、と変な音が足から伝わる。"やべ、やりすぎた"____これ過剰防衛にならないかなぁなんて不安が一瞬脳裏を過ぎる。道幅は狭く、通り魔は簡単に壁へ激突すればその下にあるゴミだめへと身体を沈めることだろう。彼はポケットから手を出して身体のバランスを取れば、起き上がろうとする男に近場にあったバケツを被せた。ゴンッ、と鈍い音が乗る。いったいどんなバランス感覚なのだろう、その上にひょいと腰かけてはスマホを取り出しタタタと番号を打ち込んだ。)「よっ……と。お手柄だよ、ヒドラー。あとは警察に頼もう。」(事故ですか、事件ですか、という切羽詰まった声がスピーカーから聞こえてくる。彼はどこか気の抜けた声で現状と住所を伝え、通り魔を警察に引き渡すことだろう。)   (5/14 13:27:50)



Yuri・Annabel> 
なぁいすキックー ( 軸足の通った綺麗な蹴り、顔立ちも相まって演舞のようにも見えるその動作に、掃き溜めに鶴、そんな見たままの言葉が浮かんだ。美しさも蹴りの威力は比例したようで、バケツも被され完全に撃沈した男が起き上がることは暫くないだろう。拳銃の先に残る赤みをぴぴっと振り払って。今なら自分より背の低い貴方の頭を指先で撫でた。『 グレイスくんもー、だよー。助かったー 』相手は通り魔1人とはいっても、人を殴るのにはそれなりの恐怖心がある。躊躇えば、殺られていたのは此方だっただろう。助かったのは、精神的支柱としても。間も無く狭い通路に警察が駆け付け、男は引き渡された。保護され一緒に帰ることを提案されたが、学校名を告げれば納得したようで、返されたのは敬礼だった。『 私もねー、忍びでもなし、前に出すぎるのは危ないなぁってねぇ、学んだよー 』( うんうん、と頷いて、ヒーローは貴方のほんの少しだけ前を、大きく開いた足をもて回しながらゆっくりと歩く。偵察なら兎も角として、今しがたきちんと詰んだ経験。それを忘れる鶏じゃなかった。2度撃った水鉄砲の中身は1/3ほど減り、誤射しては笑えない量でもある。ミ"チ"─────ッ。軋んだ建物からぱらぱらと細かな瓦礫が降り注いだ。【探索4回目、インボルバーと遭遇!】 その音にピタリと足を止め、改めて突っ込まなくて良かったことを実感する。……なにか、来る。『 こ、ぉちー、こっちー、おいでー 』貴方の服をくんと引いて、思わず路地裏の影に隠れた。現れたのは幾つもの頭が連なる肉塊。響き渡るは呻き声。足はないが2本の腕で地面を這いずり動いている。ざっと数えただけでも、頭の数は40個以上あるだろう。路地裏に迷い混んだ人間の成れの果て、そういうことなのだろうか。『 おっき…………、…グレイスくんやー、……いけるかなぁ………? 』   (5/14 14:06:23)


水沫 泡> 
「うおっ……」(貴方に服を引かれて、彼はヨロヨロと物陰へと引っ込んで行った。そしてこの振動の正体に目を細める。あぁ、本当にこんな場所にもカミサマいるんだ。しかも、なんか……)「報告書にあるやつより大きくないかな……」(気色の悪い見た目に彼は眉をひそめる。観測されたことのある最大重量には大きく及ばないが、それにしてもでかい。このカミサマは研究が進めば死者蘇生に役立つのではないかと言われているそうだ。動きはのろまでこの2人なら簡単に逃走することも可能だが、彼は討伐一択だ。死者蘇生なんて魅惑的な響に彼が釣られないわけがない。その研究成果や効果には期待していないが、それでも心が動いてしまうのは希望を捨てられないからだろう。)「建物を倒して乗っけるのが手っ取り早いけど、そういう訳にはいかないもんなぁ」彼は辺りを見渡す。狭い路地。汚い空気。もっと広い場所なら躊躇なく臨める戦闘も、ここでは慎重に行かなければ被害が出てしまう。)「ヒドラー、少し下がってて」(恐らく彼女の能力は戦闘向きとはいえない。どうやら少し頑張るしかないらしい。彼はカミサマの方向を見たまま後ろに手をやり、貴方の頭を優しく撫でる。それからトンと物陰から姿を表せば、傍へとクラウドを顕現させた。)「頼めるかな、……うん?う〜ん、そうだな。それじゃあ帰りにアイス買ってあげる。300円のやつ」(フリルや雲を纏った彼女はご褒美でもせがんだのか、彼の言葉にやる気を出してふわふわと上空へと登っていく。気体がどうやってアイスを食べるのかは彼も知らない。________しばらく沈黙が続く。戸惑っているのではない。真っ直ぐとカミサマを見据え、待っている。) 「……ここ…クラウドッ!!!」(彼の声が路地裏に反響する。瞬間、辺りの空気が凍てついたように凍った。そう、彼はカミサマの上空にあった空気、酸素と水素を氷に変換した。水は意外と重いもので、25mプールを満たす水はおよそ500tを超える。では、空気中の気体を氷にしてしまえば500kgなど優に超えるだろう。彼はこの狭い路地裏で、その容積を確保出来るタイミングを待ったのだ。_____指を鳴らして、クラウドに合図を送る。一瞬空気の酸素が薄くなった気もするが、きっと気のせいだ。氷はすぐさま気体へと戻り、そこに残ったのはぺちゃんこのカミサマだったものだけだ。)   (5/14 14:35:02)


Yuri・Annabel> 
んー……………? ……うん、( 生憎、武術も剣術も極めていない。強い力があるわけでもない。得意分野は法律に阻まれ所持することが出来ず、持てるのは現状水鉄砲程度。能力は……1度使ってからというもの、少しだけ怖くなって距離をおいていた。撤退するという選択肢は貴方には無いようで、どうするのか、疑問を抱きながら大人しくちょっぴり後ろに下がった。ふわふわの雲、泡洗剤が人になったような少女が不意に現れる。少女の声は聞こえない。けれど幼く、貴方と似た髪色の少女は本当の兄妹のようで。………これが、ディスコード。ぽかーん、と口が開いてしまった。まるで見たことがないわけでもない。自分のディスコードと対面したことがないわけでもない。でも、彼は情報の中にしかいないものだから。これ程間近で見るのは、初めてだった。雲の少女がくふくふ可愛らしく笑って、高い空へと昇っていく。『 わ…………、わー…………!! わーーーーッッ!!? 』1つ、昇っていく少女の美しさに見惚れて 2つ、鋭い貴方の声がまるでヒーローのようで 3つ、突然空中から現れた氷がカミサマを一瞬で踏み潰したものだから。キュウリを見た猫みたいに吃驚して、思わずその場から飛び退いた。驚いた自分の声が氷に反響して返ってくる。路地裏から作られた氷のわりに、透明度は高く、潰れたカミサマの姿がほんの一瞬歪んで見えた。けれどそれも気のせいだったかのように消え失せ、残ったのは冷えた空気とぺちゃんこのカミサマだったもの。『 ほあー……………、すごい、すごいねぇ…、ぺっちゃんこだー………。 』貴方に駆け寄り、潰れたカミサマと貴方の姿を交互に見詰める。体液で浅い水溜まりが出来上がり、それに浸かる姿は見るも無惨。少しは、取り込まれた人々の魂も浮かばれたのだろうか。貴方への感謝と、安らかにの想いを乗せて手を合わせた。)   (5/14 15:12:07)


水沫 泡> 
「あはは、凄いのは俺じゃなくてクラウドだけどね」(彼は与えられた武器を使ったまでで、実際のところ彼が強いのではなくその武器が強いのだ。しかし褒められると彼は照れくさそうに頬をかいて、へにゃりと笑った。)「俺でも倒せる相手でよかった。今日は2つ分のレポートを書かなきゃだね」(彼も君を真似るように手をあわて、カミサマの前にしゃがみその様子を見る。人の怨嗟を推し固めて形にしたようなそれは、カミサマというより化け物だ。これが"あの子"と同じとは思えない。……これがもし、人型で、話しかけてくる神様だったら。きっと彼には倒せやしないだろう。彼にはそんなに大それた決意も決断力もない。醜い化け物でなければ、倒す相手とも思えない。)「さぁ、そろそろ帰ろう。今日の収穫は3つもある。」「あとアイス買わないと、君も一緒に食べるかい」(犯罪者を倒し、アキカンを見つけ、神様を倒した。彼は3本の指をゆらゆらと振って、少し嬉しそうに笑う。今、自分はヒーローだ。だからあの男も倒せた。きっといつもなら、許して見逃したりしたんだろう。)   (5/14 15:33:52)


Yuri・Annabel> 
それでもー、すごいんだよー ( 謙遜する貴方にちょっぴり唇を尖らせて、このこのーと肘で突っつく。ちゃあんと嬉しそうだから、それが伝わって嬉しくって、突っつく力は殆んど入っていないに等しかっただろう。喜びはつかの間で、レポートの話をされると途端に重しが掛かる。1つでも嫌なのに、2つと来た。はぁいと答える声は分かりやすく沈んでいた。自分ならどうやってこのカミサマを倒すのか。浮かびそうで浮かばないビジョン。
『 !! アイス………!!!はいっ、はぁーいっ、食べるー…! 』思考の迷路はアイスに釣られて、ひょいと抜け出してしまって。切り替えが早いのは良いことというか、考えが浅はかとでも言おうか。……ともあれ、思考に暗んだ瞳は途端に輝きを増し、腕は立派に伸ばされた。じと目寄りの瞳は一見無気力そうであるのに、アイスへの期待に背伸びをするほどエネルギッシュ。貴方が嬉しそうなことも、うきうきの一因で。ヒーロー…というよりも、小さな子供に似た姿。レポートのことも、難解なカミサマのことも今は忘れて。アイスを食べたらまた思い出す…筈、たぶん、おそらく、もしかしたら。『 グレイスくんはー、なんのアイスが好き?わたしはだねー─────……………… 』   (5/14 15:58:41)

Yuri・Annabel> 
( 怒られる前には帰ろうと思う。無茶をやってこんなところで死ぬつもりもない。けれどそれはそれとして、何も出来ないままでいるのも、嫌だ。数日前、任務でグレイスと共に訪れた歓楽街の裏通り。ほのくらい夕日を高いビルが遮断し、一足先に夜の帳が降りた通りに。彼女は今、一人きりで立っていた。【探索0回目、その名の通り、様々な娯楽施設が栄える歓楽街の裏通り、もしくは路地裏、その辺りの楽しさの裏側に蔓延る人の負の感情や罪の感情がどっぷりと沈殿した場所である。駆け出しヒーロー達が対処すべきカミサマやガラの悪い人間たちが隠れ住んでいる。絶対に〝1人きりでは探索しない事〟だ。】バレれば怒られてしまうだろう事は分かっている。危険であることも、自己満足でしかないことも。けれどそこには、それがなんだという程の無茶があった。前と同じタバスコ入りの水鉄砲に催涙スプレー、それに加えて1つだけ増えた。……本物の、確かな重みを持った拳銃。相棒は呆れた風に此方を止めにかかっていたが、それを聞き入れられることはなかった。【探索1回目、特段なにも起きなかった…もう少しだけ進もう。】生温い風が足元を撫でる。吹き抜けることの無い淀んだ空気。まとわりつくそれはこの場所らしく、日が落ちても涼やかさを持つことはない。遠くから賑やかな音のみが聞こえる、正しく裏通り、日陰の場。この間と同じ場所なのに、よりいっそう鬱屈とした雰囲気を感じるのは、頼もしいヒーローが居ないからだろうか。【探索2回目、探索2回目、あかないアキカンと遭遇…?】まとわりつく重たい空気を振り払うように、そこら中に散らばったアキカンの中から、比較的綺麗な物を蹴った。カコーーーン────。軽快な音を立てて壁にぶつかった空き缶は、止まることなく此方の足元まで転がってくる。ここら辺にあるものなら、多少凹むなりしていて、こんな綺麗には帰ってこない。そうでなくとも、蹴られた衝撃で歪むなりすることだろう。疑問が浮かび持ち上げてみれば、空気のように軽いそれは蓋が空いていなかった。『 …………2個目、だねぇ……。……きみー、多過ぎないー? 』持ち帰らなくとも……いやでも、これでもカミサマ、放っておくのは気掛かりだ。渋々と空き缶を懐に閉まった。【探索3回目、特段なにも起きなかった…もう少しだけ進もう。】何れ程進んだだろう。なんとなくでここまで大したこともなく進んでしまったものだから、帰るのには手こずりそうな、そんなちょっと奥まで歩みは進んでしまっていた。まとわりついていた空気は、生温いを越して微かな冷気を帯びていた。『 んーーーー………………っそこぉ、隠れているのはお見通しー、だぞー 』不意に何の前触れもなく振り返れば勢いよく、右の建物の影を真っ直ぐに指差しそう口にする。別段、なにか感じ取った訳でもない。あんまりにも静かで、なんだか心細いものだから、ネタで言ってしまった。ただそれだけのこと。自分でも馬鹿らしくって、ちょっぴり笑ってしまう。)   (5/16 18:56:46)


Walter=Von=Neumann> 
「……コホン、」(君の言葉にうげぇ、なんて気まずそうな顔をした彼は渋々狭い路地の物陰から出てくるだろう。先ほどまで鳴らして居なかった杖をコツン、コツン、と君が指差した反対方向から鳴らしながら。君が振り替える頃にはすんと澄ましたいつもの何の気ない表情に戻っているだろうが、マスクから覗く瞳は単に気まずさを滲ませている事だろう。)「言語体系も文明も気付き上げた秩序ある人間が、それも世界の秩序を守ろうという英雄の卵が、よもやこんなところに ” 一 人 ” でいる筈もありませんから?きっと君とは初めましてなのでしょうどうも初めましてこんばんはお遭い出来て光栄です全くもう本当に素敵な夜ですねこんな夜に一人感傷に浸りながら何も考えずにただ風任せに転がって居たいと思うのもそれはそれで抒情的で素晴らしいク*ったれだと思いますが_____」(彼はすぅっと息を吸い込めば一切の息継ぎもせずに矢継ぎ早にそんな皮肉と言い訳をつらつらと並べ立ててやっと息継ぎをしたかと思えばその続きはさらなる追撃の言葉ではなくただの溜息に成り下がった。)「……一人の紳士として放っておくわけにはいきません。」(溜息を吐き出した後に何かを諦めたようにやれやれと言った声色でそう呟いて、更に君の回答を塞ぐかのように君の次の言葉にやや食い気味にこう付け足すだろう。)「改めまして、こんばんは、“迷子”さん、駆け出しヒーロー、” ラ ビ ” と、申します。帰り道が分かるまでお供しますよ。」(彼がそう応えながら歩み出そうとすると、カチカチ、とまるで何か硬い物が軽くぶつかり合うような音が路地裏の狭い空間に反響し始めるだろう。君がそれに気付けるかは分からないが、少なからず彼は気付きつつもやり過ごそうとそのまま歩みを進める。君が黙って居てくれれば、君が特に大きな音も出さずに居てくれれば、このままやり過ごす事が出来る。今回の彼の目標はあくまで、君と云う“迷子”の人間を此処から早々に連れ帰る事なのだから。) 探索4回目、マンティスと遭遇! https://eliade20.1web.jp/45954/45974.html   (5/16 19:54:20)


Yuri・Annabel> 
…………………………。 ( 反 対 方 向 。なんの因果か、誰かしら居るところまではあっていたらしい。いやいや、そこまで来たら外れていてくれ、或いは全て当たっているとか。…なんとも言えない気まずさに、振り返るのは躊躇を覚えた。とはいえ咳払いまでされてしまっては、振り返らない訳にもいかない。覚悟を決めて勢いよく、ぐりんっっと風が拭く勢いで 『 う………… 』さぎ?『 わ、わ、わー……………っ!?まぁ………って、まって、まってぇ~……………… 』言葉の濁流がぽこぽこ頬を殴っては、身体を後ろに下がらせていく。ふわっふわで、アンティークなお洋服を着たうさぎさんは可愛さ満点。……である筈なのに、言葉遣いも勢いも、何一つとして容赦なく。厳しい先生に見付かってしまったときのような胃の痛さを思い出す。言葉の防御壁として両手の平を前に出してみたところで、それは一切意味をなさず、待ってと言ってみたところで、言葉が止むようなこともない。容赦の無いふわふわうさぎは、どうやら、ヒーローらしかった。頬っぺたをむにっと摘まんで、引っ張ってみる。…鈍い痛み、どうやら、夢でもないらしい。『 ……………ラビットだからー、ラビー? 』言葉に流され過ぎて、ぐわんぐわんと揺れ動く頭を引き摺って。真っ先に出たのはそんなちょっとした事だった。迷子さん。15歳にもなって得た、不名誉な称号。これでもヒーローだと言い張ったって良かった。なんなら、言い張るべきだったのではないかとも思う。しかしながら、ヒーローらしい行いは何も出来ていなかったし、何より、ヒーローなのに1人でいたのを告げ口されたら、先生に怒られる……!!!!…傍目から見ればそんなこと、でも、こんなことでもぐぅの音を塞ぐには十分だった。というかこの意地悪うさぎ、絶対に分かった上で言っている。そして、ヒーローだと言えばこんな奴がなわけないだろうと嫌味を言われるに違いない。学校で遭遇したとしても同様だろう。そんなコーヒーみたいな苦いのが、言葉を奥に流し込んだ。…………そもそもどうして、うさぎが2足で歩行しているのだろう。シキガミ、やっぱり幻覚?というか……『 ……ラビも駆け出しヒーローならー、一人で来ちゃあ、だめだったんじゃーないのー…? 』 勢いに背中を押されるままに、小学生よりも小さい貴方の後を歩く。まるで鴨々の親子のよう。けれど母鴨の優しさはそこにはなく、有無を言わせぬ圧だけが、子鴨の付いていく理由だった。)   (5/16 20:27:27)


Walter=Von=Neumann> 
「Rabbi、正しくは師を意味する言葉です。僕が駆け出しでありながらも此処に来たのは迷子の君を守る為です____________ッ」(言い切るが早いかその異変が起こるが早いか、びゅんと風を切る様に後方へと足払いを放つ、君が何の警戒もせずに居るならば上手く転んでくれるだろう。そうすれば、あの鎌に首が刈られる事も無い。脚力は一般人よりはあるはずだ。聴覚も一般人よりは優れているはずだ。問題なのはウェイトの軽さ、軽すぎる彼の体重から放たれた足払いで君が転ぶかどうかはかなり怪しい所だ。)「……こういう輩達から。」(だから彼はダメ押しの一手を打った、手に持っていた杖を細剣の様に鎌の軌道に合わせて対衝突するように突き出す事で杖は切断されようとも多少勢いを殺す事は出来るだろう。ただの迷子ではないのならば、きっとその些細な猶予で地力の回避も出来るだろうと踏んだのだ。もちろん、君が迷子であるはずなんて憶が壱にも在りはしないと彼は気付いているわけだが。)「_____ちなみに迷子さん、" ダ ン ス " は踊れますか?」https://youtu.be/gKlrr6jsPgk  (5/16 20:56:39)

Yuri・Annabel> 
(【昼、屋-上、塔-屋、影。】それはいつから始まったか。一先ず入学して1月を満たすほどしか経っていないのだから、2ヶ月も前からの事じゃない。交流の期間はまだ短く、けれどこういったことを始めたのはかなり早くのことだった。お互いが読んだことのある図書室の本の中から1冊を選び、ちょっとした暗号を仕込んでおく。そうして、指定した場所に辿り着けたらオススメの本を紹介し、貸し借りしあう。本友とでも言おうか。見付けるのは大変なこともあり、お互いの都合上合っているのに待ち合わせ場所に合流できない事もある。それでもそれなりに、知らない本を読めるという点が特に気に入った交換会だった。『 ……………もぉちょいで読み終わー…るーからー、……ちょっとだけ、待ってー…………。 』昼休みの屋上、日影が落ちる塔屋の裏側。僅かに拭く風に髪を靡かせながら、体育座りで熱心に本を読み込む彼女の姿が今日、そこにあった。横に置かれた小さなトートバッグは、今回のオススメ本が入っているのか、なだらかに膨らんでいる。ほんの一瞬だけ横目で貴方の姿を捉えたかと思えば、また引き寄せられるは本の中。残っている頁は数ミリ程度で、大人しく待てればすぐ読み終わる事だろう。)   (5/19 22:44:41)


相良 独> 
(暗号を使った待ち合わせ。それは秘密の待ち合わせであり、アニメやドラマにおいて稀に見られるものである、というのは相良独の持論である。この暗号を通して交流を行うというのは彼の心を大いに刺激した。そして数少ない友人と呼べるものを作ることができたのだ。おすすめの本を紹介し合って貸し借りを行う交換会は数少ない娯楽であり、自らの知らない物語を知るという非常に貴重な機会を得ることができている。無表情な顔の下の心の表情はきっと喜んで跳ねていることだろう)「……あぁ、存分に読んでいたまえ。日が落ちようと自分は此処にいるから安心するといい」(熱心にその手に持つ物語の世界に引き込まれている貴女の姿を一瞥し、屋上の柵に腰掛ける。残っている頁を見る限りすぐに読み終わると分かるが、案外早く読み終わらない時だってある。後数頁のところで前の頁に戻って読み直す人がいることを知っているからだ。しかし、彼女はそれに値しない可能性が高いため、結果的にすぐに読み終わると独は予想した)>Yuri・Annabel   (5/19 23:06:15)


Yuri・Annabel> 
…………あーりがとー、……………………。( カバーの付いている本の内容はぱっと見では分からない。けれど身体を小さくして読み耽っている彼女の口角は常にご機嫌な弧を描いており、読み耽るだけあるお気に入りの本であることが伝わるだろう。貴方の予想通り、一方通行で彼女が読み終えたのは凡そ5分後のことだった。よぉしー、と満足げな吐息と共に息を吐き出し、彼女は思い切り身体を伸ばす。伸ばしながら、身体は少しずつ後ろに傾き…………ぶんっっ!そんな振り子の原理を用いて、勢いよく前に加速した彼女はその勢いに任せて立ち上がった。ほんの少しのバランス取りに、ぐんにゃりと腕が一瞬回っては、ぴしりっと気を付け!『 今回もご苦労、だよー。よくぞぉ、私の隠した暗号を見付けたなー 』かと思えば、足をハの字に開き、本を持った手の甲は腰に、残った手は柵に持たれる貴方の姿を真っ直ぐに指差した。ちょっとした気分と言おうか。ただ、じゃあ交換しようか、と会話を進めるよりも、こうした悪ふざけを踏まえた方が面白いような気がした。そして貴方なら、この意味のない面白さが分かるような人であるような、期待を込めて、そんな人であるような気がしたのだ。気を付け、仁王立ち、かと思えば今度はしゃがんでトートバッグを手に取る姿は落ち着きがなく、本を読んでいたときとは打って変わった動きっぷり。『 相良くんも、持ってきてるんだろうー? ふっふっふー……今回は何をおすすめしてー、くれるのかなー? 』   (5/19 23:27:00)


相良 独> 
「あれくらいの暗号を見つけることは容易いことだ。俺にとって児戯に等しいことだからな」(柵に持たれたまま、腕を組んで少し不敵な笑みの様なものを浮かべてみる。マスクの下でその表情を浮かべているためあまり見えないだろうが、それでも貴女の悪ふざけに対して結構ノリノリで乗っている。こういう悪ふざけを行える仲というのは結構親しい仲ではないかと思う。そう思う理由としてはとある本の知識からだが、それを真に受けてそう考えるのは独くらいしかいないだろう)「あぁ、持ってきたさ。俺の読んできた本の中でもベスト5に入る本だ」(肩から下げられたバッグから本を取り出す。少し思わせぶりな態度を見せつつも、スッと本を取り出した)「コイツが今回俺が選んだモノ。心して受け取るが良い」(そうして取り出した本を貴女に手渡した。その本はそれなりに分厚く、ちょっと古めかしい雰囲気を纏っているものである。開いてみれば紙も少し古く黄ばみかけており、歴史を感じるものであった)「それはかなり古めの時代の小説だ。使われている表現は古く、調べても情報の断片も見つけられないマイナー中のマイナーのこの本。時代からも人からも忘れられた忘却の遺物とでも言うべきものだが、そこに描かれている物語は称賛に値するものだと俺は考えている。図書館の目立たぬ本棚の奥に隠されているかのように置かれていたこの本からは運命に似た可能性を感じだ。詳しい内容は…まぁ、読んでみればわかることだろう。あぁ、ただ頁が破れやすいから注意したまえ」(そう一気に早口で語った独の声は平坦だが、興奮しているかのように声がいつもより僅かばかり高くなっている。それだけお勧めしたい本であるのだろう)   (5/20 00:11:15)


Yuri・Annabel> 
( 余裕をたっぷりと含んだ不適な笑み、及び雰囲気を互いに匂わせるこの空間はともすれば闇取引の現場、…素性を知る者からすれば、何をしてるんだ、こいつら。と、白い目で見られるようなものだった。当人達からすれば真剣そのもののじゃれあいなのだが。『 なぁ………っ!べ、ベスト5、だとぅー 』雷に打たれたような。目を見開き仰け反る姿はややオーバーなリアクション。貴方の思わせ振りな態度も相まって、屋上には暫し、ゴゴゴゴゴ────ッ。そんなジョジ○めいた雰囲気が渦巻いていた。「コイツが今回俺が選んだモノ。心して受け取るが良い」『 こ、こいつぁー───!!!! 』受け取った本はかなり古めかしいものだった。年季の入った、古本市ですら他のものと一線を画す埃を被り、隅で眠るであろう代物。長老と呼びたくなるような存在感。恐る恐る表紙を捲れば、日に焼けた頁が微かな凹凸を作り出し、微かな影が出来ていた。掘り出し物も掘り出し物、下手すれば、旧時代の情報が詰まっている可能性もある。イーコールによって1度崩壊したこの世界。そんな世界において、旧時代の資料なんて大袈裟にみても100あるかどうかといった所だろう。瞳はキラキラと輝きを増し、高い高いのように本を抱えてはぐるんぐるんと回りだした。それほどのテンションの上がりよう。目が回る前に止まった彼女は力加減はしつつも、ぎゅうっと受け取ったばかりの本を抱き締めた。つい、今すぐ読んでしまいたい衝動に駆られる。けれど破れやすい本ともなれば、確実に安全だと言える場所で読むのが1番だ。……でも、………でもなぁ………『 ほーーーう、…ほほーーーー…うー、やるじゃあーないかー? ………………、……………………あとで大事にー読ませてもらうとしてー? 』ぷるぷると腕を震わす欲求を堪えて、本は無事にトートバッグの中へとしまわれた。『 私がおすすめする本はー…………これだぁー! 』俺のターン─────!!トートバッグから勢いよく取り出されたのは、〝雨降る本屋〟そんなタイトルの子供向けと思われる本だった。確りとした多少の水なら弾けるであろう表紙は艶々と輝き、そこには本棚と1人の女の子が写っている。『 雨降る本屋。図書館に来た女の子がー、変わった本屋に迷い混んじゃうお話だぁー。……カミサマの1種で説明付いちゃうけどー、不思議なロマンがあったってー、本の中でくらい良いじゃんねー…? ちいちゃい頃は、お星様を閉じ込めたゼリーとかー、食べてみたかったものだよー。……シリーズものだからー、気になったら続編も借りて読んでみるべしぃ、だよー 』超常現象は基本的にカミサマの証拠。調査対象だ。学校で怪談をして本物の怪異と出会ったら、十中八九それはカミサマ、回れ右して逃げるが鉄則。しかし本の中なら、神秘は証明されることなく保たれる。夢やロマンがあるじゃないか。旧時代とロマン思想。対称的ともいえる今日の2冊は、寧ろそのギャップが楽しさのポイントだった。)   (5/20 00:50:37)


相良 独> 
「この学校にこの様な稀覯本とも言うべき物ががあるとはだれも予想できないだろう。何しろ、古き時代の物は殆ど消え去ってしまったからな。本来なら博物館の様な歴史の保管庫に収められるべき貴重な物品だ。それがこの学校にあるとは……ユーリ、お前でも予想できぬだろう?」(旧時代の物は基本的に殆どが消滅しているといっても過言ではない。そんな物は基本的に国の機関や一部保管所にて厳重に収納されているものだが、この学校には何故か存在していた。偶々何処からか流れ着いたのだろうか、それとも誰かが意図的に持ち込んだのか。どっちの可能性もあり得るが、独はそれを気にすることはなかった。歴史的価値のある古き稀覯本。それは彼の探求心を惹くのに充分であった)「な、なにぃーーー」(貴女が本を勢いよく取り出すと同時にオーバーリアクションな反応を示すが、その反応と声は半比例している。いつもより声量が高いものの、抑揚がないせいで大声で棒読みしているようにしか聞こえない。反応の大袈裟さと棒読みの大声のギャップは酷いものだが、それが相良独という人間なのだ。だから仕方がないのだ)「ほぅ、シリーズものか。それはまた良いものを選んだな。シリーズものは読めば読むほど中に引き込まれていく魔性の物語。それを選ぶとは…やるじゃあないか」(貴女が取り出したものは子供向けの本と思われるが、子供向けと侮ること無かれ。時にそれは大人の心すら揺さぶるほどの力を秘めていることもある可能性の塊とも言うべき本なのだ)「ロマンは良い、とても良い。それは人の心を揺さぶり、高揚と憧れを齎す一種の可能性。物語に秘められた究極の……いや、すまない。少し熱くなってしまったな」(ロマンという事柄に独は気持ちが高揚する。物語にはロマンが秘められ、そのロマンが彼を物語に引き込んだと言っても過言ではない。独の今の思想を作り上げたと言っても良いことを熱く語ろうとしたが、それを既の所で飲み込んだ。あまり気持ちのまま話すことは相手にとって迷惑になるかもしれないといつだか言われた言葉。それを思い出して踏みとどまったのだ)   (5/21 22:29:29)


Yuri・Annabel> 
んむっふっふっふっー……そうだろうー、そうだろおー? ( 腕を組み、ちょっぴり後ろに仰け反った。知識を求めるものは皆友でありライバル、即ち戦友。そんな存在から驚かれ、誉められては嬉しくならない筈もない。オーバーなリアクションと抑揚のない声音は一見感情が読み取りがたく、とっつきにくいように感じる。けれど我々は戦友。その戦友の言葉を偽りであると疑うことがあるだろうか。それに、無表情気味なこと、間延びした口調が抑揚をあまり感じさせないことは、彼女だって同じだった。それでいて此処まで本の趣味が合う戦友、話すほどに〝コイツ、分かってるな〟という実感が湧く。『 熱くなりたまえよぅー、相良くん。 良いかねー??? 』くるっとターン、びしっと指差し!トートバッグを丁寧に床に置いた彼女は塔屋に近付き、足におもいっきり力を込めたかと思えば………『 んッ──しょおっ!!!』塔屋の縁に飛び付いた───!!!流石に1度では飛び乗れず、辿り着いた手でしがみついて、足がじたばた、じたばたと揺れ動きながらよじ登る。ちょっぴり深呼吸。掃除されることのない塔屋の天辺はちょっぴり汚い。けれど、貴方よりも5mは上の視界が誇らしかった。『 ロマンとは───物語に秘められた究極のドリーム───!!! 』『 猫がお話しする本の後はー、猫ちゃん話したりしないかなーってぇ、声かけてみたりー、かくれんぼの時とかぁ、隠れた場所からワンダーランドに行っちゃったりーってー、そわそわしたりぃ、本を読むとだねー、その世界の者達とお友達になれるのだよー?でもってぇ、今度は私も~~~ってー、いつもよりねー、世界が楽しくなるのさー 』『 もちろんー?物語以外も好きだけどねー?過去の偉人が残した問題とかー、予言とかー、研究資料とかー、読み応えあるしー、あー、生きてたんだなぁ………って感じがねー、本の中に生きてるんだなぁって感じがねー、好きなのだよー。 』ドヤァ───。そう文字が浮かんでそんなほどの盛大などや顔をかまして。塔屋の縁で平均台の真似事をして、ふらふらと両手を広げて歩きながら彼女は語った。そこに躊躇いや恥じらいはなく。だって、戦友、君なら分かるだろう?胸の高鳴り、本との対話、忘れられない高揚感。それに取り付かれた者が本の虫というもの。『 ほれほれー、相良くんにとってのー?ロマンはー? 』   (5/21 23:04:33)


相良 独> 
「熱く…そう、熱く…か…」(両手を広げ、ロマンについて語る貴女を見て、その熱に感化されていく。"同類"であり"戦友"である"友人"の言葉は彼の胸の熱を熱く叩き、鍜治場から溢れる焔の様に燃え上がっていく)「俺にとってのロマンは…」(物心ついた時から、そんなものは決まっている。決まっていたといった方が正しいかもしれない。その時から今の時まで、彼を動かし続けた。体中に流れる血液と同じように、物語が彼の体を駆け巡って動かし続けた。その面と同じ無表情だった心に極彩色の色どりを与え、人生という物語を動かし始めてくれたのは、物語というロマン他ならないのだから)「ふっ…!」(足に力を込め、大きく飛び上がった独は塔屋の縁に飛びつき、貴女と同じ景色と目線の場所へと立ち上がった)「俺にとってのロマンは、物語そのものである!本に描かれし幾千幾万幾億の物語の数々!本に描かれしこと即ちそれはどのようなものであれ物語だ!そしてそれがロマンである!」(いつもよりちょっと抑揚の上がった声、高めの声量。昂った感情が、心の奥から湧き上がる熱が、独をいつもより一段階上へと引き上げる)「悲劇の恋物語、ハッピーエンドを迎える童話、誰しもが知る物語であろうと、その一つ一つにロマンがある。そのロマンは俺をその世界へと引き込み、そして多くを俺に授ける。叡智だろうと凡智であろうと、無意味なものはなく、そこには確かな意味が埋め込まれている。そして問題や予言といった物語とは関係のないように見えるものにも、それぞれ物語と意味が込められている。生きてきた者たちが描いたものには、例外なく物語がそこにあるのだから。そしてそれもロマン。彼らが描いた全ては俺の価値観と世界を広げより高位なものへと導いてくれる」(胸の高まりと共に早くなり多くなる口数と溢れる言葉。相良独という人間における価値観とロマンに対する思いを溢れさせる)「ああ、即ちロマンとは究極の可能性、無限に広がる世界そのもの。俺自身を成長させ、今を生きる物語を彩らせるアートとも言うべきか。それが俺はたまらなく好きで、生きる実感と喜びを与えてくれる熱である……といった感じだな」(そう言い終えて、彼の語りは終わった。他人とは違う独特な感性とその語り口は本に描かれた物語に取り憑かれた相良独の全てというべきか。貴女と同じ本の虫であり、それでいて物語に偏り過ぎた者。その価値観と独創性の混じった本心を恥じらいも躊躇いも捨て去り語り終えたのだった)   (5/21 23:54:54)


Yuri・Annabel> 
………やるなぁ……………。 ( 身長差約30cm。あっさりと戦友は追い付いて、そして少しだけ追い越してった。そんな背中に、力強く─流石に落ちない程度の力加減はしたが─掌を押し当てた。『 ……ふっふっふー、ふっふっふーのーふっふっふー、大志を抱いたなぁ?しょーおねんっ 』にやりと浮かんだ、顔には笑顔。差別も批判も、忠告だってかなぐり捨てた世界の天辺に、今我々は立っている。なんとなく、根拠もなしにそんな気分。昼休みの屋上で、暗号作って待ち合わせして、オススメの本を交換しあって、そして、世界の天辺でロマンに付いて語っている。くらくらするような夏の香りをなんとはなしに感じ取った。実際に感じるのは梅雨の香り。雨が近付く滑らかな風。だからこれも、そんな気分なだけかもしれない。でも、互いの熱量が此処だけの夏を呼び寄せたなら、それもまた、〝ロマン〟じゃないだろうか。………熱が体内時計を狂わせて、幾らでも過ごせそうなそんな気分は予鈴の鐘がかき消した。『 昼休み、短いなー………。……………5限目月始まる前にー、戻ろうかー…。次はそうだなぁ…………2週間後にでもー、どうかねー? 』見下ろせば、身長もプラスされて地上は随分と下に見える。任務時似たような高さを降りていると言えばそうなのだが……アドレナリンの問題か、それとこれは話が違う。最悪、木から降りられなくなった野良猫よろしく下ろしてもらおう。そんな魂胆を拵えて。Vサイン、数字の2の指、その掌には大きなロマンがきっと詰まってる。)   (5/22 00:26:58)


相良 独> 
「志は大きすぎる程度が良いのだぞ、少女よ。大志を抱けどかの有名なクラーク博士も言っていたのだからな」(マスクを外しニヤリと笑って見せる。滅多に見せないマスクの下の素顔を見せながら大きなゴツイ掌ををお返しと言わんばかりに―流石に加減しているが―押し当てた。心の底から語り合える友と二人だけの世界で会い、ロマンを語り合うなんてなんて素敵なことだろうと思う。ジメったい梅雨の空気すら気にならないほどの熱と爽やかさが高揚した二人の体を包み、一時の休息と平穏を与えてくれた。その熱と爽やかさは暑っ苦しい夏の香りと木陰に吹く初夏の風を思わせたが、それを引き裂くように鳴る予鈴の鐘。浮かれていて物語に浸っているような気分であった二人を残酷に冷酷に現実へと引き戻したのだった)「そうだな、それくらいが丁度良いだろう。じっくりと味わうにはそれほどの時間がいるだろうからな」(無限に続くと思っていた時間にも終わりが訪れ、次の授業へと向かわねばいけない時になった。熱くなっていた体も次第に冷めていき、いつも通りの抑揚と声量へと戻っていく。だがその表情だけは先ほどの余韻というべきか、まだ楽しげな雰囲気が残ったままになっている。Vサインを描いている貴女の意図を察して下ろしてあげた後、その小さな掌に大きな掌を重ねて。二人の一時の別れと今後の検討を祈るハイタッチが、二人の秘密の集まりの終わりを意味する合図となったのだった)〆   (5/22 00:48:04)

迷 羽間> 
(なんてことの無い昼下がり。いつものようにあてもなくただ何かを求めて校内を散策していた迷は図書室へと行き着いた…………のが数分前。そして今彼の目の前にあるのは悲しくも地面に伏しその中身を辺りへとばらまいた腰ほどの高さの木製の本棚である。学ランの前を全て開け、無地のTシャツを中に来て、長い髪をひとつに結い、……見るものが見れば十分に輩である彼だが、決してわざとこんなことをした訳では無い。図書室を散策していた時に床に落ちていた紙に足を滑らせてコケた結果である。普通の人間であれば咄嗟に受け身なりなんなりアクションを起こしたのだろうが、迷はしなかった。倒れるのを理解し、天井を見上げて、「あぁ…」と呟くだけに留まった。)困ったな。これは。(まるで困ってなさそうな落ち着いた声音。眉だけは困り調子に歪めて本を眺める。本棚を立てるのはできる、本も集められる。だけれどもここの常連でもない迷には本を正しく戻す術がない。適当に入れてしまうか、どうしようかと迷いながらまずは1冊ハードカバーの本を持ち上げた。)   (5/25 23:06:40)


Yuri・Annabel> 
( 彼女が扉を開ける音は静かだった。教室の扉は勢いよく開くのに。図書室だけは急いでいても音は静かで、それは彼女にとって神聖な場所であるからに他ならない。図書室に足を踏み入れた彼女は、さて今日は何を読もうかと机の横を通って本棚の前に─────立とうとして。『 ──────────。』机に隠されていた不届きものを発見した。男性。男の子?幼い顔立ち。身長はそこそこ。床に寝そべり。周囲には、明らかに、意図的に置いたのではないだろう本。本。本。というか、本棚も、倒れてる。『 …………、…………………?????? 』絶句。あまりにも信じられない事態。読書中でもないのに、彼女の動きはぴたりと止まり、2/3程開かれた瞳で呆然と貴方を見詰めていた。ぱちぱち、と幾度か瞬きをして、真っ先に口にしたのは倒れている貴方への心配じゃなく『 ……なに、してる、の……? 』『 …………よくも、やってくれた、なー……? 』どうやら、暫定本の敵と認識したらしい。本が床に散らばっているというあまりにもショッキングな映像に、頭の処理は未だに追い付いていない。故に、何が何やらと言った風ではあるのだが……貴方が原因であろうことだけは理解したらしい。じりじりと後ろに下がる彼女の姿は、所謂警戒体勢だった。)   (5/25 23:24:47)


迷 羽間> 
(思考は未だにゆるゆると流れる。本来ならば焦るなり慌てるなりして然るべき状況においてもまだ。迷は小さく息を吐くばかり。痛むのは後頭部と背中、傷とすら呼べない程度の弱い痛み。まずは本を机にでも置こう。このままじゃあさっきのように転けるのが目に見える。その後はどうしたものか。彼にとっては今後の方針を決める大事な思考なのだが、傍から見れば倒した本棚を枕に天井を見上げる不審者である。そんな所を誰かに見られでもしたら。)「……………………あぁ。まずいな、これは。」(誰かに見られでもしたら、当然こうなる。迷の視線の先には1人の女生徒。警戒、困惑を孕んだ視線。続く言葉には十分な敵意を含んでいた。迷の口振りはこの時に限っては誤解を招くに余りある。まずいと言いながら、焦る様子はない。慌てて弁明する訳でもない。彼女から灰色の瞳をふいと外して緩やかに立ち上がる。ついでに拾ったハードカバーの本を机へと置いた。)「すまないな。驚かせて、悲しませたようだ。」(落ち着いた声音。申し訳なさそうな表情。迷は意思疎通においては優秀な部類だ。つまるところ、相手の感情を読み取るのも上手い。彼女の敵意も警戒心も、本が好きで図書室が好きで、そしてショックを受けた故だと何となくではあるものの理解をした。)「事故、と言っても。俺の不注意が招いたことだ。」(だからこそ、弁明は説明は言い訳は最低限に。伝えるだけ伝えれば、また本を1冊拾った。本棚と裏というのは存外汚れているものだ。舞った塵で汚れた本を手で軽くはらい、軽く息をふきかけた。)「あぁ、もう1つ。危ないから少しの間この周りには近づかないで欲しい。目当ての本があるなら俺が取ろう。」(思い出したようにそう言うと「転けると痛いからな。」なんて冗談めかして笑って見せた。)   (5/25 23:42:21)


Yuri・Annabel> 
………私はいいよー、いいけどー………本には、謝ってほしいなー……? ( 警戒は解かないまま、じりじりと近付き1番近い本を拾った。少しだけ埃を被っている。折れてしまったページは無し。表紙裏表紙にも傷はなし。服の袖を伸ばして撫でて、埃を払えば汚れも、なし。念のためぱらぱらとページを捲ってみるけれど、うん、破れているようなページもなし。1冊目は一安心。けれど、2冊目もそうとは限らない。なんなら、ここまでの所業をしておきながら本に謝らない道理もない。ないない尽くし。ならこのまま、貴方も悪い人でなし?笑顔が素敵だし。なんて理由は安直か。でも、現行犯逮捕をしなくてはならないかと思っていた頃と比べれば、印象はだいぶいい。1冊目を机の上に置き、2冊目を手に取った。ページ、表紙、裏表紙、中身を確認してまた埃を払う。今回も、問題なし。本にちゃんと謝れるなら、悪い人でないと認めてもよし。……笑顔、素敵だし。言葉遣いとそれを裏付けるような人のいい笑み。仮にそれが演技だとしても気付かない程に、その2つで悪い人ではなさそうと9割信じる程に、彼女はちょろかった。『 謝れない人ならー、追い出すけどー、…ちゃんと謝れる人ならー、お手伝いをーー…認めます。心臓に悪すぎてー、ほっとけるもんじゃあーないからねぇー…………。 』唇の先を尖らせながら、ふんす、と微かに鼻を鳴らす。事故現場に遭遇して救急車を呼んだり助けなきゃと思う人は多いだろう。今の惨劇は、彼女にとってはまさしくこれで。危ないなんて後回し。ほしい本を受け取ったとしても落ち着いて読めるわけがない。3冊目…と手に取りながら、ふと思い出したように。『 …………そういえば、お怪我のほどはー…? 』   (5/26 00:13:41)


迷 羽間> 
(パチリと瞬きを数度。本に謝る。迷にその考えは無かった。本は本だ。紙とインクとエトセトラ。だが、もし、もし本に意思があればさぞ痛かっただろう。整然と並び、知識だったり世界だったり見た事もない物を教えてくれる彼らにとっては災害も良いところだ。ならば、謝るのが道理。驚きに満ちた表情で彼女を見つめてから、手に持った本に視線を落とす。数秒の思考。人も倒れれば痛い。人よりも随分と脆い彼らが痛くないわけが無い。)「………………痛い思いをさせて本当に申し訳ない。」(ぺこり。本を両手に持ち頭を下げる。傍から見れば滑稽に映ってもしょうがないが、悪いのは迷である。そして、彼女の真似をしてページをめくり破損を確認する。最初に拾った物にも頭を下げる。)「手伝ってくれて助かる。ところで、手伝いついでに、本が好きそうな君に聞きたいんだが、本の並びなんかが書かれたものは存在するのかい?」 (本人にとっての一番の問題。元通りに出来ないと言う重要な部分なのだが、相変わらず深刻さが伝わらない。「不勉強な事に並びがわからなくてね。」困ったような笑顔は、本当に困っているのか疑いたくなるものだ。3冊目4冊目5冊目……謝罪と共にゆったりと本を拾い上げていく。彼女に比べてペースが遅いのは慣れていないのと、単純に迷がゆったりとしているから。)「後頭部と背中。打撲にも満たないから気にしなくてもいい。ありがとう。」(本を片手にふわりと笑う姿は不良めいた服装にはさぞ似合わないことだろう。)   (5/26 00:30:29)


Yuri・Annabel> 
ん。( 端から見れば滑稽でも、彼女から見れば確りと本に敬意を払っており、悪い人かどうかを判断する最後の関門でもあった。今しがた拾った本。これまでの本にもきちんと頭を下げている。人は過ちを犯す生き物だが、罪を認め謝れたのなら今回の件は不問としよう。人は、許すことも出来る生き物なのだ。『 ……そーいうことにー、しておこーう。…本ね、好きそうーじゃなくてー、好き、だよー。本が好きなー、ユーリ・アナベルー、……お見知りおきをー? 』果たしてどちらがどちらのお手伝いをしているのか。それは明らかに彼女の方ではあるのだけど、……貴方が譲らないならしょうがないな、とでも言わんばかりの態度で感謝の言葉を受け取った。本が好きそうと言われるのは彼女にとっては誉め言葉で、けれどだからこそ、断定しても良いのに、なんて変な不満点。手に入れた本好きの称号を高々と掲げた自己紹介は、状況が状況でなかったら、変な決めポーズでも決めていそうな程に誇らしげだった。 さて、本好きの彼女は名簿について聞かれると、少しだけ考え込むように眉を寄せ、目線をついと空中に上げた。流石の本好きでも、本の並びを全て覚えてはいなかった。けれど、『 名簿は確か無かったけどー…………五十音の作者順、同じ作者はタイトルの五十音順の並び、だよー。シリーズ物は456-1、456-2みたいにー、下にあるラベルに振ってあるからぁ、そちらをご覧ーあれー 』読んできただけ、基礎的な知識が詰まっている。ゆったりとした口調に反して、拾った本は何冊目になるか。話ながら今手にして居る本の背表紙とその下に貼られたラベルを見せれば、そこには確かに番号が振られていた。『 痛いときはー……湿布?するんだよー? まぁー、問題なさそーならなによりー 』本の並びに反してあやふやな知識。けれど一先ず笑う姿に、漸く貴方にも心配が向けられたのかほっとした。)   (5/26 00:56:56)


迷 羽間> 
(さて、どうやら許されたらしい。最初は不運な事だと思った迷だったが、あの時本棚を倒していなければこうして彼女と話すこともなかっただろう。本に謝るように言ってきたり、本が好きそうだと言えば好きそうではなく好きだと訂正してきたり、なかなかどうして愉快な人間と出逢えたものだ。独特の間延びした喋り口調に耳を傾けながら、手を休めることなく本を拾う。一種の儀式になりつつある謝り、汚れを払い、破損を確認する。そして、口には出さずに彼女と出逢えたことを本に感謝をする。)「ふふっ、それは失礼した。本が好きなユーリ・アナベル。」(そういうことにしておくとはなんの事か、流石に分からずに、それでも彼女が納得してるなら問題は無いだろうとそっと流しながら、本を机に置き視線を彼女、ユーリ・アナベルへと移す。)「俺は、迷羽間…………………ふむ、そうだな。動物が好きな、迷羽間なんてのはどうだろう。」(そして、彼女に習うように真似をするように。自己紹介を果たした。)「もし君も動物が好きなら、今日のお礼に俺の友人を何人か紹介しよう。」(友人、なんて言いはするが猫や犬やエトセトラである。今日の天気なら、猫達は昼寝でもしている頃だろうか。そんな取りとめのない思考へと引っ張られるのを引き戻したのはユーリの声だった。)「なるほど……良いな。実にわかりやすい並び方だ。ありがとう、ユーリ。」(見せられた背表紙をまじまじと見つめながら何度か頷く。そして自分が拾った本達の背表紙を見つめて撫でる。確かに全てに番号が振られていた。)「うん?あぁ。ありがとう。コブでも出来てたら保健室のお世話になるとしよう。」(本に比べればあやふやな心配。迷はそれに好感を覚えた。人を蔑ろにしてるのではない。本を心底愛しているのだと感じたから。最後の本を手に机に置き、本棚にも謝罪とともに立ち上がらせる。)「さて、あとは彼らを家へと返してやるだけだな。」(いつの間にやら迷流の敬愛のようなものが本へと注がれていた。)   (5/26 01:20:15)


Yuri・Annabel> 
…………ほぉーーーん……、しかとー覚えたよー。動物好きのー、迷くんー ( この人もまた、大志を抱く少年だ。形式を真似た自己紹介は同種のようでひどく嬉しく、くふくふ、くふくふと笑みが溢れた。貴方にとって動物が友人なら、此方はさしずめ本が友人か。動物と対話し、共に歩く貴方の姿を想像すると…なかなかどうして格好いい。動物使いのようにも見えるが、言い回しとしてそれは適していないだろう。『 いいねーぇ、是非ともぉ、紹介してもらおうかー 』喋れる猫とか、居るだろうか。とすると貴方はこれから壮絶な冒険をすることになるのだけど、そんなこと気にせずにちょっとばかりそわついた。居るのは物語の中でだけ。居たとしたらそれはカミサマ。そんなことは分かってるけれど、良いじゃない、夢くらいみたって。 『 どいたまだよー。 』感謝の言葉に、またちょっとだけ得意気になりながらも返す言葉はシンプルに。こういうのは、スマートな方が格好いい。………と、思う。表情は緩みきっていたものだから、実際に口にした彼女が格好良かったかは放っておくとして。『 迷くんもー、分かってきましたなー。んー……………始めにー、作者さん毎にまとめた方が良いかなー…?終わったらー、順番に入れてー、タイトル順に並び変えるー………どうー? 』そう、本棚は本にとってのベッドでありお家なのだ。仁王立ちして後方腕組みなんとか面で、うんうん、と深く頷く。よい傾向。よい心掛け。師匠、超褒めちゃう。そしてそれはそれとして、1冊ずつ手に取って並べていけば、終わりはするが途方もなく時間がかかるだろう。本棚と本を見比べて、暫し考えた彼女はより早く帰すための提案を1つした。タイトルを見れば誰が書いたかは覚えている。始めに手間がかかるが、長い目で見れば此方の方が恐らく早く済むだろう。はて、この案は通るか否か。)   (5/26 01:53:41)


迷 羽間> 
(ゆるりゆるりとした口調で覚えたと口にした少女。その様子を見ていれば本当に覚えたのか不安になる者もいるだろうが、迷は人懐っこい笑みを浮かべた。なんとなく。本当になんとなくの話なのだが、彼女は記憶力が良さそうだと思った。)「なら、いつか昼休みの時間でも空けておいてくれ。晴れていれば、そうだな。2~3くらいはきっと会えるさ。」(自分の友人の紹介したいという迷の話に乗り気な相手を見れば、嬉しくなるのは仕方の無いこと。誰が来るかはその時まで分からないが、彼女の事だ楽しんでくれるだろう。ふむ、本を読むユーリも非常に絵になるが、小動物に囲まれる彼女もそれはそれで実に映えそうだ。なんで考えたあたりで、このままでは友人相手に妄想を繰り広げる変質者になりかねないと悟った迷は本棚へと視線をやった。後方で何やら満足気なユーリをちらりと見やり、彼女の提案に小さく頷く。)「あぁ、いいね。それでいこう。」(思案も何も無い即答だったが、仕方の無いことだろう。本に関しても片付けに関しても門外漢なのだ。私物の少ない迷の部屋は片付けなくても片付いてしまう程に物がない。ならば専門家の意見に頷くのは至極当然の事だった。)「えぇと、作者は五十音順で、作者ごとのタイトルも五十音順だったか?」(彼女の提案がなければ1冊ずつ入れていたであろう迷はしゃがんだ体勢からゆるりと立ち上がると、2~3冊手に取り確認するように問いかけた。)   (6/11 16:17:08)


Yuri・Annabel> 
そーう、タイトルはー棚に入れるときでも良いからー、出来たらでー? ( 改めて机にずらりと積み上げられた本達は圧巻の一言に尽きる。きっかけは兎も角として、こうして1つの棚に詰められた全ての本が並んでいる光景を見られたこと、それから、動物好きの君に会えたことはそんなに悪いことでもなかったかもしれない。1冊の本を手に取り、表紙を撫でる。〝星空が降る夜に 著者:神農 武昭〟上にあ行が控えていることもあり、机の天辺から本2列分程下にその本を置く。『 こんなー感じー、読みが分からないとかあればー、聞いてくれー? 』無論あ行から始まる名前の作者が想定した以上にいれば、その時はまたずらさないといけないことになる。それはやや困る事態だが……まあ、なんとかなるだろう。ふふん、と得意げに任せなさいと胸を張ったのは強がりでも過言でもなく、本と作者の名前を読み含め覚えているからに相違ない。その証拠に、2冊、3冊と手に取り置く所作はスムーズで、タイトルを一別したあと置いているようだった。確認してみれば、50音順だって間違いでないことが分かるだろう。ばたばたと走り出してしまいそうになりながら、それでも早歩きで済んでいるのは図書室では静かに、そんな彼女の鉄則のお陰でもあり、スピード制限の枷でもあった。)   (6/11 16:41:46)
 

迷 羽間> 
「りょーかい。」(確認が取れれば本を手に間延びした返事をした。彼女の口調がうつってしまっただろうか。それとも、既に本のタイトルと著者名を読むことに意識を向けているせいか。積み上げられた本を前にしてだれる訳でもなく、かといってその光景に感嘆する訳でもなく。迷は1冊1冊手に取っては並べていく。ユーリに比べれば随分と遅い歩みなのは、慣れていないというよりかは急ぐのが苦手といった様子。焦りを知らない彼は、それこそ焦る、急ぐ、慌てる事を不得手としていた。)「おー…………っと。早速で悪いんだけど、これはなんて読むんだ?しゅんかとう??」(読み方がわからなければ、という言葉に気のない返事をしたかと思えば、迷は僅かに首を傾げながら彼女に歩み寄り本の表紙を見せた。著者の欄にあったのは『春夏冬』の文字。変な当て字でもなければ読めるだろうと高を括っていた迷だったが、残念なことに『あきない』は読めなかったらしい。ここはひとつ本の師匠を頼ろうと、彼女の答えを待つように前かがみになり顔を伺うように灰の瞳を彼女に向けた。)   (6/11 17:02:11)


Yuri・Annabel> 
( 片付けあるある。片付けている最中に本とか読みたくなる。こうして1冊1冊を眺めていると、あ、これ懐かしい、だとか、そういえば最近読んでなかったな、となる本に出会ってしまうもので。ゆっくりと高まる読書欲。ちょっとくらい良くない?なんて誘惑。ぎゅっと容器から溢れかけたそれを圧縮したのは灰色の瞳だった。『 んー……………? あー、そっちは あきない さんだねぇ、……下の名前が優って方も同じ名字なんだけどー、そっちの読みはー、あきなし さん。秋がないー、あきなしさんとーあきないさんー。…………うんー、助かったよー 』危ない、危ない。心の中の小さい彼女がふぅと額の汗を拭う。貴方からすれば、お礼を言われるのは不思議なことに違いない。けれど、本を帰す使命も忘れて、危うく彼女は読書に手を出しかけていた。さらば、読書タイム。君達を読むのは棚に帰し終えたその後だ。『 白って書いてー、つくもさんって人も居るねー、漢字の百引く一が白だからー。 』『 文庫毎にアナグラムで作者名を書き換えてる人とかもねー、居るんだよー。 』『 文庫違いで他作品の登場人物をちょっとだけ出す作者さんとかねー、ひどいんだよぅー……そんなのそっちも読むしかないじゃあないかぁーってねー、………まあー、面白いんだけどもー。 』本を作者順に並べながら、以降彼女はぽつぽつとそんな話題を口にするだろう。何故か、なんて決まっている。そうでもしないとまた読書に手を出しかねないから、これ一択。貴方なら笑って許してくれそうなものだけど、流石に優先順位は分かっていた。…たまに引き留めないと、揺らいでしまいそうなだけで。)   (6/11 17:25:45)


迷 羽間> 
(間延びした口調だと最初に思った。それは正しかった。けれども、今回の返答はそれを踏まえても遅いものだった。並べる作業に没頭していたのだろうか。集中力を切ってしまっただろうか。なんて事を考えながらも読み方の話に耳を傾けていると、最後の一言。助かった、とはどういう事だろう。何から助けてしまったのだろう。常に携えていた笑みはふっと消えて不思議そうに目を見開く迷。)「あきないさんと、あきなしさんか…………なるほど。…………?こちらこそ、ありがとう……?」(咄嗟にそんな返事をしてしまう。だが、この疑問は直ぐに解消される。ユーリの小話に「それは頭がいいな。」「ふふ、読者の心理をよく分かってる人なんだな。」なんて返事を返している時に。)(ふと、もしかしたら奥付や最初のページに著者名やタイトルの読み方が書いているのでは?なんて思い立ち本のページをめくったその時、ふと湧き上がる欲があった。読書欲。彼女程ではないが確かに存在した欲求。それを自覚した時、ユーリの反応が遅かったのもお礼を言われたのも理由がわかった。そして、ついクスクスと小さく笑ってしまう。可笑しいだとか馬鹿にしてるわけじゃない。ただ単純に可愛いと思ったから。彼女の話してくれる小話に相槌を何度か打った後、口を開いた。)「…………少しくらいならいいんじゃないか?読んでも。」(だから、囁いた。彼女を引き留めたはずの迷が今度は悪魔の囁きをもって彼女を誘惑する。自分は緩やかな速度で本を仕分けしながら、本からはあえて目を逸らさずに、誰も見ていないと暗に伝えるように。これは内緒の話だが、迷にはもう1つ欲求が生まれていた。それは、今日であった本が好きで間延びした話し方をするようなそれでいて行動は慌ただしいような、そんな彼女が本を読むところがみていたいという小さな小さな欲求。)「終わったら、一応声はかけるけどな。」   (6/11 17:53:10)


Yuri・Annabel> 
( 危ない危ない難所を越えるのも慣れたもの、慣れてきたのに変わらぬ難所なのだから恐ろしいもの、そしてそんな難所を越えるための手段を奪われてしまえば、越えようがないというもので。びたっっと本を整理する手が止まる。読んでも良い。読んでも、良い。いやいや、と柔く首を振った。まだ本は残っているわけでして。けど結構整理した方では?それなら読んでも良いのでは?だってほら、弟子からも良いって、いやしかし、師匠の名が廃るというもの……。『 ……………………、……そ…そうー……かなー……? 』葛藤は暫し、健闘した方だ。しかし1度意識すると気になるもので、しかも止める手段がないと来た。片すための本を手に取る度に、内容を思い出し気になりもする。覚えているなら読まなくて良い、なんて問題じゃないんだ。覚えていたとしても読みたくなってしまう、それが名作が持つ魔力。これが食べたいお口になった、という経験があるものなら分かるだろう。本を置く手がぷるぷると震え、ちらっちらっと視線が積まれた本を向く。そして『 じゃあー…………、後は任せるとーしよーうー…かー………なぁー 』敗北のゴングが鳴り響いた。仕方無いじゃないか、そこに本があるんだもの。本を読みたくて、図書室に来たんだもの。まだ整理されていない本の中から、1冊を手に取る。それは同じ世界観のシリーズものながらその1冊で完結するもの。林檎の妖精、葉っぱの妖精等の種族間でのお話だった。固めの小さな本はよく手に馴染む。流石に声を掛けられても気付かない程に熱中するわけには行かないからと、椅子には座らずに、とんと柱に背中を預けた。熱中しない為の、立ち読みの筈だった。ちらりと目線を向ける度に、ちょっとずつ彼女の背中が柱から滑る。本を持つ腕、向けられる優しくも真摯な眼差しは変わらない。けれど少しずつ、背中が丸まり、元より低い背が低くなり………最終的に、彼女は小さな箱に詰められたような体育座りの体勢に落ち着いた。本を捲る指先、たまの瞬き以外は一切動くことがないそれは、本の中に意識の全てを移しているから。それ以外の動作を思考含め放棄した、無駄を削ぎ落とした結果だった。)   (6/11 18:24:00)


迷 羽間> 
(声をかけた相手からの返事が無い。視界の端では動いていた手がまるで時でも止められたかのように静止している。理由は手に取るように分かる。敗北必至の葛藤の最中なのだろう。モノは違えど何かを好いている人間ならば理解は容易いことだ。好きな物を触れていい使っていいと言われ、咎める者もなく咎める理由も無く、そんな中でわざわざ自分を制するのは酷く難しい。)「あぁ、構わないよ。」(ようやく聞こえてきた声は随分と揺れていた。緩やかに返した言葉の後押しすら必要なかったかもしれないと思えるほどに。それから暫く、先程よりだいぶ緩やかになった速度で本を並べるのを視界の端で眺めているとユーリの手が止まり、敗北の言葉が聞こえた。本来なら本を読むためにここに来たのだろうし、彼女の葛藤に勝ちも負けもないのだけれど。敢えて言う程でもない。)「任されよう。」(最後にちらりとユーリを見やり微笑んだ。なにか思うところでもあったのか立ったまま本を読み始める彼女を数秒眺めてから、迷は本の片付けを再開する。紙を捲る音、本を置く音。そして、微かに聞こえる服の擦れる音。視界の外で彼女がどうなっているのか想像にかたくない。窓からは暖かな陽光が差し、図書室に確かな静寂が訪れる。時間の流れが緩やかになる感覚。穏やかで安らか。迷がこの時間を気に入るのにさして時間はかからなかった。気づけば本を並べ終え、後は棚に戻すだけ。数度肩を回してから、並び順のルールを思い出しながらしまっていく。また暫くすれば本棚は元の状態____から2冊本が欠けた状態____になった。)「ん、んん………………」(大きな伸び。関節が気味の良い音を立てた。ユーリはと言えば、すっかり本の世界だ。言葉にはしなかったが、思った通り絵になる姿だと、迷は微笑んだ。彼の手には一冊の本。興味の湧いたものを1冊入れずにおいたもの。努めて音をたてぬように椅子を引くと、そこに腰かける。机に対して横を向き、足を組み、頬杖をつき、本を開いた。時間の許す限り、この安穏とした空間を楽しみたかったのだ。紙をめくる微かな音だけの世界を。)   (6/11 18:50:15)

サクラダ キョウ> 
(美容師は、いつも髪を切ってるわけではない。)(ピアニストは、常にピアノを弾いている訳ではない。)(サクラダは、常にお菓子を作っている訳ではない。)(彼女は戯れていた。)(ウサギのぬいぐるみの耳をつけた魔法使いが、くるくると躍る姿を、彼はぼーっと眺める。ひゅるんひゅるん、しゃらんらん。)(図書室の禁書コーナーに入り込んだ彼は、地面に寝そべってティンカーベルが遊ぶ姿を呆けながらみていた。天井窓から刺してくる光が、ホコリを照らし出す。まるでスポットライトみたい。)(くるりくるり、躍る彼女はきらりと光る杖を振っては、昼休みを楽しんでいた。)   (5/28 20:15:48)


Yuri・Annabel.> 
………………ん、? ( 心の内では鼻歌混じりの図書室探索。お静かに、ですから、実際の音には絶対にしない。けれど図書室に足を踏み入れた途端、内心の鼻歌がぴたり、と止まったのは (彼処ー……普段開いてたぁーけー?) 本の貸し出しカウンターの奥の扉。そこは大抵司書さんの部屋で、ちょっとした机とソファー。それから本につけるテープや貸し出しの書類などが閉まってあるような場所だった。覗かせて貰った中学生の当時は、謎が解けてワクワクしたことを覚えている。けれど、それで1つ生まれた謎が、司書室の中に更にある扉の事だった。聞いても内緒と言われたのは、子供に夢を残すためだったのか、今となっては知りようもない。兎も角として、空いた扉の隙間から見えたそこもまた、司書室であるように感じられた。ちらりと覗き見えるのは机とソファー、歴代の貸し出しや本の注文の資料が眠る古い棚。滅多に見れないものであること。昼休みも早い時刻で図書室に人気がないことが災いした。気になるままにカウンターの内側に入り込み、けれど中には入り込まずにただ室内を覗き込む。その内に、奥にある比較的小さな扉が開いている事に気付いてしまった。目を凝らせば僅かに見える隙間からは、コンクリートの冷えた気配が感じられた。昔から気になっていた扉。図書室には誰もいない。更に扉が開いている。好奇心にそわついた彼女を止める存在は居なかった。強いて言えば彼女のディスコードくらいだろうが、態々止められたり煽ったりしてくる相手を呼び出す通りもない。敢えなくして、その通路は二人目の侵入者を招き入れてしまったのだった。対して秘密の通路は長くもなく、直ぐに出口だろう扉に辿り着いた。ここまで来るとそれが当たり前であるように扉は開いていて、覗き込めば仄暗い其処には随分と古い本が見えた。この間交換会で交換したものよりも、少し古い。そう見えるのは埃を被っているからだろうか。息切れしそうな呼吸を潜めて室内に足を踏み込めば、きぃ…………と微かな音がした。正直端から1つ1つ丁寧に見たい。けれど次来れるのはいつになるか分からない。何せ、今日何故扉が開いていたのかも分からない。なんならこれバレたら図書室出来んも有り得なくない。となると、質より量、どのくらいの何があるかを知るべきでは?いやでも、気になるのは読みたいなあ……。歩みは気になるものがあまりにも多くて亀さんだって勝てちゃうペース。先住人が直ぐに見付かる場所に居たのはある意味幸運だった。初めこそ、誰かと思い驚いたものだけど。それは貴方もお揃いだろうか。『 おやぁー…………?弟子くんとー………可愛らしい子ー……? 』気になる本が多過ぎて、貴方の側までは近寄れずに、けれど目を細めて寝そべっているのが誰なのかを認識した彼女はそう首を傾げ、……さて、これは奇遇だねーで済まされる事態か。)   (5/28 21:37:07)


サクラダ キョウ> 
『 おやぁー…………?弟子くんとー………可愛らしい子ー……? 』(ゾワリ。彼の皮膚に生える何千、何万、何百万もの毛が逆立つような感覚。)「これは、まずい。」(彼はうめきながら、自分の胸を押さえる。苦しそうに胸を掴んで、耐えながら、なんとか上半身だけ起こすことに成功したようで。)「うぅ、う゛ウウ゛ウウウウ゛ッ!!」(蠢く。彼の皮膚を、真っ黒な影のような靄が侵食し始める。じわりじわり、彼の皮膚に染みのように、墨汁を垂らすかのように、黒色が広がり始める。)(ぞわ、ぞ、ぞ、.........................................)「あ、ああぁ、あああああああああ゛あ゛あ゛あ゛ッッッ!!!!!」(彼が叫ぶと同時に、彼のくすんだ薄紫の紫陽花色の瞳ですら、光を飲み込む純黒に塗りつぶされた。皮膚を伝う黒い靄はやがて皮膚から漏れ出し、激しく闇を吹き出しながら彼は禁書コーナーを駆け回る。もはや人の形を成していないそれは、黒い球体に近いナニカ、として小部屋を走り回った後に。)(唐突に、姿を消した。)(それは貴方がほんの一瞬瞬きをした瞬間だったかもしれない、もしかしたら彼だったものが禁書の本棚の死角に入った瞬間だったかも。)(何にせよ、ここにいるのは、貴方と。)(シャラン。)(どこか面倒くさそうに、本棚から出された禁書に座っているティンカーベルだけだった。)   (5/28 22:16:34)


Yuri・Annabel.> 
ひゃ…………っ!? ……ぇ、…えー……えぇ………… ( 狼男、化け狐、魔女やドラキュラなんかも姿が変わる者、変えられる者の1種に含まれるだろうか。急にそんな変異を目の前で見て、訳の分からぬまま。けれどその駆け抜ける何かの勢いに身体はバランスを崩し、ぺたんと尻餅をついた。Q.何が起こったのか。A.分からない。0から100まで分からない。推測なら建てられる。それから、声をかけられては不味い状態であったのだろうことも。嵐が去った後、目が届く範囲の書物を見渡し一先ず破れたりしてしまっている本がないことに安堵した。…知人が何故かああなってしまっていることよりも、本に気を向けてしまうのは悪い子だろうか。でも、古い本だ。脆く繊細で、日の当たらない場所にひっそりと仕舞われなければならない者達だ。心配してしまうのは性だろう。ほっとして息を吸い込んで、舞い散る埃に咳き込んだ。口の中がじゃりじゃりするようで、ちょっぴり、気持ちが悪い。魅力的な書物の山、謎の弟子、残された謎の生物と彼女。本の心配をし、無事なことに安堵もした。けれど、流石にじゃあ今から本を読もうか!という気にはなれそうにもない。『本の上ー……座っちゃあ駄目なんだよー…? 君が誰なのかもー、分からないけどー………………、お話出来るのかなー…? 』また、きぃ………、と、床の軋む小さな音がした。少しだけ近付き、膝を折って目線を合わせる。小さな小さな魔法使い。『 うさぎ耳、うちのベルと同じだねぇー…、君の方がー、よっぽどー、可愛いけどー 』試しに指を1本、10cmほどの距離を置いて伸ばしてみる。意思の疎通方はなんなのだろう。ベル、ベルベットアワー、ディスコードに聞き出せば全て解決すること。でも、どうしようもない限りは聞き出すのは負けたようで、あまり気分的に良くなかった。)   (5/28 22:44:55)

Yuri・Annabel> 
( 現場は公園。時刻は15時を少し過ぎた頃。以前の任務と似た場所時刻に嫌な予感を覚えたが、確かに二人だけが当てられるほどに規模は小さかった。一言で言えば、木の上から降りられなくなった子猫のような光景とでも言おうか。3m程の高さ登り棒。その天辺にはぴいぴい泣いている子供がブタの丸焼き宜しくぶら下がっていた。そしてその下には露呈しているだけでも2mは裕にあるだろう触手がうねうねと陣を取り、近付くものを軒並み凪ぎ払っている。射程は3m程か…、マンションという場で確認されたものよりは幾分も小さい。けれど、『 おっわぁ~…………………やれるー? 〝 えにわん〟? 』やる気チャージのポニーテールをぴょこぴょこ揺らして、公園入り口に到着するなり思わず眉が寄ってしまった。平和な公園とグロい触手のギャップだろうか。それは随分と禍々しいように思えたのだ。ただ、聞いてから愚問だったな、とはたと気が付いた。クラスメートな君のことは、それなりにだけ知っている。それならヒーローである君も、芯のところは変わらないのだろう。軽く息を吐き、持ちなれない相棒、刀の束を握った。公園に居た一般市民は避難済み。後は、疾患者である登り棒から降りられなくなった子供をなんとかするだけだ。)   (5/31 23:28:23)


枸橘 茨> 
「まっかせて、“ヒドラ”!泣いてる子供を華麗に助けるのが、カッコいいヒーローの責務だよ!(この現象が起き始めたという日、現場には“キュア○○”が多く現れたという。そのよしみで今日のヒーローとしてのお面は日曜朝の少女ヒーロー。普段より2割増しの笑顔で意気込む少女はバシン!と手の平に拳を打ち当て、小気味よい音を公園中に響き渡らせる。その音で蠢く触手たちの注意を惹くとともに、真っすぐ一直線に登り棒へと突進していく。彼女の特筆すべき点はその【瞬発力】。襲い来る触手を搔い潜り、徐々に距離を詰めていく。そして涙に顔を濡らし怯える子供へ指を向け、人々に安堵を促す【元気】一杯な声で宣言する)そこで待ってて!必ず助けて見せるからね!!」(とはいえ言うは易し行うは難し、その道のりは簡単ではない。切り落とすまで止まらない触手が相手、加えて救助対象が上方にいることからそこへ行くには空中で無防備になる瞬間がどうしても発生する。この触手たちと打撃を主体とする少女では相性が悪い。破壊力が売りの八極拳といえど対人用の技術。間合いの広い触手を相手にできるのは──ひたすら攪乱し、触手たちを登り棒に絡みつかせて動きの自由を奪うことだ。そこまでやって、彼女は頼れるクラスメートにして戦友を振り返り頼る)ヒドラ!こいつらのトドメお願い!」   (6/1 00:04:09)


Yuri・Annabel> 
ん、そのとーおりー、( ほら、やっぱり。ヒーローらしさが頼もしく、付けるお面はシンボリック。後にあのお面は…!!となっちゃったり? 恥ずかしがる人も居そうだけれど、生憎此方は嫌いじゃない。貴方の半分にも満たないほどにはきっと乏しい表情筋。頬っぺたをぐねぐねこねくりまわして、ぺちぺちっと叩いて 『 ヒーローちゃん達にぃ、まっかせぇーなさぁーい 』にっと口角を上げて微笑む。どのくらい頼もしさは届くものか。そもそも存在したものか。けれど、貴方や皆と同じヒーローで在りたいんだ。貴方の元気いっぱいな声に、子供の泣き声が弱まっていく。下を見ないようにずっと閉じられていた瞳がうっすらと開かれて、貴方の勇姿を見詰めていた。以前の話だと、銃弾は飲み込まれてしまったらしい。だからこそ、苦手な分野ながらも道場に通い、鍛練を積んだ。その成果が身に染み込み、この刀は貴方の道を斬り拓く為に存在する。瞬発力で掻い潜る貴方の死角から迫る触手を、引き付け絡ませてくれた全てを、斬る。『 ────ありがとー、えにわんっ 』一閃。白刃が煌めくのは1度で事が足り、切り落とされた触手が落下しては霧散し消滅していく。…とはいえこれも時間稼ぎ、地面から微かに生え残った短な触手は身を震わせ、また伸ばすための力を蓄える。この間を逃せば、同じことの繰り返しになるだけだろう。『 ……あっちゅう間にー、子供の救助ー、それから遠くに逃げることー…えにわん、出来るー? 』刀から手は離さない。警戒も緩めない。全て刻むにしても、地中に埋まっている分その全てが分からない。なら、救助と距離をおくことが優先事項。単純ながらそう判断を下せば、…これも愚問になり得るか?)   (6/1 00:40:46)


枸橘 茨> 
「そういうことだから、安心してもう少しだけ待っててね!!(『ヒーローちゃん達にぃ、まっかせぇーなさぁーい』お面の下に笑顔を絶やすことなく弾むような声でサムズアップしながら、上から迫れば掌底で払い足を掬えば跳躍し隙間に体を滑り込ませるとこちらも弾むような体さばきで触手を絡め、巻き付ける。届く頼もしさが存在しなかったとしても、ヒーローはここに確かに存在する。ならば箱を開けるまで不確かなシュレーディンガーの猫、さっさとこじ開けて存在を確定させてしまえばいい。未来は、人の手によって創られるのだから。)」「こっちこそ、ありがとー!(一刀の下に束ねられた触手たちは斬り捨てられ、形を失っていく。これで一旦、道は開かれた。復活するまでの僅かな時間のみの凪だが、隔てる距離はたかが上方3m、何の問題もありはしない。何故なら彼女はヒーローだから。ヒーローといえば、ジャンプは得意中の得意に決まっているだろう?)もちろんだよ!これでやっと、あの子の所まで行けるよっ、ジルバイ!!変身!!!(『……あっちゅう間にー、子供の救助ー、それから遠くに逃げることー…えにわん、出来るー?』取り出したるは魔法のステッキ。一振りすれば、お面のヒーロー見習いは、仮面のスーパーヒーローに早変わり。風を切る速さとしなやかさで跳び上がると、宙ぶらりんの子供を抱えて瞬く間もなく貴方の元へシュタッと着地)」「お待たせ!救助完了、急いで距離を取るよ、ヒドラ!はい君、これあげる!(ポン、と姿を戻して子供を背負い、貴方の手を引き公園を飛び出す。窮地から脱した子供は不安と恐怖からの解放に緊張の糸が切れ再び大きく泣き出す。そこへ手慣れたように飴玉を取り出し大きく開く口へ放り込み、甘味とそれを味わうという行動への集中で気分を落ち着かせようとする。なんにせよ)初めての共同作戦、大成功だったね、ヒドラ!!(泣く子も釣られて笑うほど、喜色満面の笑みで貴方に喝采を。戦友と勝利の凱旋を)」   (6/1 01:34:38)


Yuri・Annabel> 
さぁっすがぁー ( 魔法少女が持っていそうなステッキはいつからその手にあったものか。泡のような女の子に、情報に済む暴れん坊兎、そして、貴方はそのステッキが〝ジルバイ!!変身!!!〟愛や呪いが形になったもの、ディスコード。『 ん、また伸びる前にー、逃げちゃおうー。もーぉ大丈夫だよー、君ー 』背負われた子供の頭をぽふぽふと撫でくりまわして、お陰さまで後は逃げるだけ。後方は任せて。もしもまた追ってくるようなら、そんな不届きものは斬り捨てよう。遠くへと走り抜けながら、時折高いところから公園を確認すれば、離れるにつれて弱っていく触手の姿が見てとれた。手段は根絶ではなく撤退ではある。けれど、二人だけでも、子供を守ることが出来た。何も出来なかった以前よりも守れた今は、ヒーローらしくなれているって言って良いのだろうか。『 んー……そうーだねぇー、…うん、大成功だ。 』言っても、良いのかもしれない。眩いばかりの笑顔につられて、思わず自然に口角が上がった。まるでアニメのような、ヒーローらしいヒーローの姿。それは随分と心踊るもので。子供を親御さんの元に送り届けて、公園の触手の確認もして、全部終わったら 〝 やったねぇ、えにわんー 〟そういって、ハイタッチでもしてみよう。/〆)   (6/1 01:59:34)

ソフィア・ルドベキア> 
( ある日の校内。図書館で借りた本..約10冊程だろうか、其の本達を返すべく歩いていたのは2年のソフィア。重たくて正直自身のディスコードであるトラブル イン ヘヴンを喚びたいという気持ちに駆られながらもトコトコと歩いていた。トコトコ、だなんて可愛らしい擬音が彼女に似合うかどうかはさておき、10冊程の本を鞄の中に入れて肩に掛けて居るとはいえやはり重心はグラつくモノで。駄べりながら歩く人、駆け足で何処かへと向かう人、横列に並んで堂々と歩く人達等々の様々な人達にぶつからぬように身体をゆらりゆらりと揺らしながら必死に避けては進み、立ち止まっては歩き出す...の繰り返しをしていた。)「( やっぱり呼ぶ?喚ぶべき?トラブルって呼べば来てくれるけど、重いのを持たせる為だけに呼ぶなんて其れってパシリみたいで嫌だな何となく..勿論トラブルは"そんな事気にするな"って言ってくれるのは分かるけど、けど..でも、.. )」( 悶々と考えながら歩く。考え事をしながら歩くとどうなるか。御察しの通りソフィアは向かって来る人を避けれずにぶつかってしまった。「 わっ! 」と声を出しながら傾く身体。バランスが取れずに床にビタり、と倒れ込めば肩に掛けていた鞄の中に入っていた本が数冊飛び出すのが視界に入る。" ぶつかってしまった!! "と慌てて脳内で何が起こったのかを整理し、直ぐ様「 ごッ!!!..ごめんなさい、大丈夫ですか..!! 」と声を掛けた。ごめんなさい、の" ご "が大きな声で出てしまったのは、それ程焦っていたからだろう。とは云え、ぶつかってしまった貴女の対応、返答がどうなるのかは分からない。ほんのりと顔を青くしながら貴女の返答を待つ事にした。)   (6/19 23:27:14)


Yuri・Annabel> 
( 本が好きな彼女は今日も図書室に向かう。本が好きな彼女だけれど、流石に歩きながら読むなんてことは、……全く無いとは言えないけれど、基本、しない。だからうきうきるんるんでも、視線は真っ直ぐ前を見ていて、そのままだとぶつかってしまう貴女の事を、きちんと交わした____筈だった。右へ避ける。貴女も右にふらりとよろめく。左へ避ける。貴女も左にふらりとよろめく。『 ………?????? 』これは一体どうしたことか。大人しそうな、如何にも文学少女のような形からは、意地悪をするような悪意や完璧に合わせるような運動能力は感じられない。つまる所、これは奇跡のような偶然というやつで。『 ひゃ…………っ!? 』ぶつかる、ぶつかっちゃうよ!?そう思いながら避けきれずに、思いきりの正面衝突。べたんっと床に付いた掌とお尻が痛くって、馬鹿正直に待ち構えたり交わそうとしたりせずに、引き返したって良かったのにね。『 びぃ………びっくり…し………あ"っ!? 』ぱちぱち、と2,3度瞬いて、何が起こったかの現状を把握。やっぱりぶつかって、尻餅を付いて、青い顔の相手が居て。やっぱり悪い人じゃなかったんだなぁの達観と、床に落ちている本が、何冊か。ぶつかったことより何よりも驚き焦ったのは、本が落ちていること。衝突事故の被害者はなんてこと、運転手以外にも居てしまった。途端に悲しくなってしまって、彼女は何よりも慌てて本を拾ったことだろう。折れてしまってはいないか、汚れてはいないか、慌ただしくも丁寧な手付きで確認して、そして、漸く 『 よ、良かったぁ……………、…私はねー、大丈夫。けどー……本を持ってるときはー、気を付けないと、だよー…? 』ぷんっと片方の頬っぺたを膨らませて。ぶつかってしまったことよりも、本を落としたことに彼女は御立腹だった。)   (6/19 23:53:13)


ソフィア・ルドベキア> 
( " 私は大丈夫 "の言葉にほっと息を吐く。" 本を持ってる時は気を付けないとだよ "の言葉に再度顔を青くし、頬を膨らませる貴女に対して目の前が一瞬真っ白になる。其れに貴女に本を拾わせてしまった事も相まってそれはもう、酷い顔をしてしまう。友達の居ないソフィアは友達を沢山作り、友達と遊び、話し、お茶会したり出かけたり買い物等をしたいと思って居るのだが__まさか友達を作る前に見知らぬ人にぶつかった挙句自身の不手際で落とした物を拾わせてしまうだなんて。友達を作る前に見知らぬ人を怒らせるだなんて、___言語道断である。)「 ご、ごめんなさい、気を付けます.. 」( うぅ、と震えた呻き声を小さく出しながら頭を下げ、本を受け取るべく手を差し出す。そして__「 本当に、ごめんなさい..あの、本当に怪我無いですか?凄いなんというか、凄い、思いっきりぶつかってしまって、..お、お詫び!!お詫びをしたいのでもしお時間がよろしければあの、お茶でも..!! 」ドドドッと言葉を紡いでは出し、紡いでは出した。自分が何を言って居るのか正直分からなくなっている。巫山戯ているのか?と思われてしまうかもしれない。が、お詫びをしたいのは本心だ。だからソフィアは貴女のその青色の瞳をじっと見詰めたのだった。_あ、耳長い..というか目の色とか形とか綺麗だな.._と、考えてしまったのは秘密。)   (6/20 00:09:39)


Yuri・Annabel> 
ん、( 差し出された手の上に、ぽすっと優しく本を置いた。やっぱり悪い人でなし、本をちゃんと大切に出来る人は好い人だ、なんて緩い判定。彼女の機嫌はそれだけでたちどころに回復し、怒濤の勢いで紡がれる言葉にほんのり後ろに仰け反った。耳に響いて痛い訳じゃない、言葉が実際の物量を持っている訳でもない、なのに言葉の濁流がドダダと流れ込んでくるようで、実際に押し流されてしまいそうな勢いがあった。突風を堪えるときのように若干腕は上がり、身体を支える為に片足が後ろに下がる。困惑に染まった薄紫の瞳。その困惑は此方も染めていくようで『 ……………い、いよー………? 』困惑に押し負け、一先ず頷く、そんな事態を引き寄せた。こくん、と頷いた後に、しげしげと貴女の身体を上から下まで観察する。貴女の方が打ち所が不味かったのでは?そう思って。その思考に至って漸く、『 ええとー………えー………………だい、じょーぶー…? 』本を優先するあまり、聞いていなかったこと。実は大丈夫じゃなかったのかもしれない。その場合は保健室?病院?…入院? 発展した思考は染まった困惑が抜けきらない証。逆当たり屋のようなことって、あるのだろうか。おろおろとした動揺のまま、貴女の回りを1周とてとて。改めて怪我の確認を。『 あの、びょーいんーとかー、…無理しなくてー…良いからねー…? 』   (6/20 00:32:57)


ソフィア・ルドベキア> 
( 本を受け取り、..重さで「 うっ 」となるが、何とか耐える。そしてお詫びをする機会を貰えた事を素直に喜び安堵し、取り敢えず移動しよう_となるが、此の儘では二の舞だと気が付いた。そして「 図書館に本を返しに行ってからでも大丈夫ですか..? 」と聞く。勿論ダメだと言われたら、そうですよね、ごめんなさいと言える様に準備をするべく様々な事を頭の中で考える。)「 あ、はい、本も私も大丈夫です..!!病院は、い、行かなくても大丈夫ですよ...?? 」( 大丈夫か、と聞かれれば素直に頷く。そして再度肩に鞄を掛け、数冊手に持ちながら" 病院とか "と言われた事に対し「 無理もしてないです!!ご心配おかけして申し訳ないです、」と頭を下げて今日何度目かの謝罪をする。_いやはやしかし、この本結構重い。謝罪してる中でもそう思ってしまうぐらいには重い。筋力が余りないソフィアのできる事と言えばただ一つ。呼ぶしかない。彼を呼ぶしか無い。__急に呼んだら失礼かな、_と考えて考えて、考えた結果。)「 あの、..お友達呼んでも大丈夫ですか? 」( おず、と控えめな声色で聞く事にした。)   (6/20 00:54:38)


Yuri・Annabel> 
ん、大丈夫ー、……………ともだち……… ( カフェ、つまりは学校外に向かおうというこのタイミング、ぶつかった相手に対して呼び出して聞かれる友達。導かれる答えはリンt…………いや、いやいや、悪い人じゃないのだし、本を大事にする人が呼ぶお友達ならそんなことになる筈もない。けれど、本が持つのが辛いほどに重たいこと、ディスコードを友達と呼んでいることに気付いていない少女からすれば、このタイミングで呼ばれるお友達は不可解で、このタイミングだからこそ呼ばれる理由を求めた。図書室に本を返しに行くには多少時間が掛かる。友達が合流ないし準備を済ませるのは恐らくその時間なのだろう。……やっぱりどう考えてもぶつかった上に本を落としたことに対するお礼参いやいやいやいや。ぶんぶんぶんっと首を振って、握り拳をぎゅっと固めた。ちょっぴり髪がぼさぼさになるけれど、気になりはしない。『 うん、…うん、良いよー、良いともー、………けど、あのー…何人くらい…………? 』10人とか呼ばれたら、流石に囲まれる前に逃げなきゃいけない。覚悟を決めて息を吸い、問い掛け返す声音は恐る恐るの忍び足。)   (6/26 23:14:01)


ソフィア・ルドベキア> 
( 一瞬戸惑った様な表情。まるで" その友達って誰? "と言わんばかりの雰囲気が..何となくする。首や頭を降ったり、髪がボサッとしてしまっても気にせずに" 何人くらい? "と聞いてくる__不味い、これもしかして『 ぶつかって来た癖に友達を呼ぶだァ?オイオイ、その友達とやらは一体誰なんだよあァん??? 』ってヤツですよね、そ、そうなんですよね!?!?違いますトラブルは凄く素敵な子なんです本当にパシリなんかじゃなくて!!!!!!!!と、心の中で1人劇場を開くソフィア。ころりころり、とほんのり変わる表情が何とも言えない味を出している。)( そして恐る恐るの声色で質問された事をすぐ様思い出し、慌て、焦り、吃りながらも目を開き大きな声で叫ぶ様にして伝える。だが、焦ったり慌てた時大抵の人は余計な事まで言ってしまうのがオチでありお約束で。気が付けば周りに人が数人しか居ないのが救いなのだが、ソフィアは目の前の貴女に対してこう言った。「 あ、えっ、えっと!1人です!1人です!私友達が彼しか居なくて!!!でもあの、彼はトラブルは凄い良い人で、あの、凄いパシリとかにする訳じゃないんですけどあの、でも、何と言うか本がちょっと重くて、ごめんなさい言い訳ですよね、でもトラブルは素敵で、寝れない時とかお話してくれるんです!それに凄く優しくて、きっと仲良くなれます!!!彼も私と同じ一人ぼっちですけど彼はなんと言うか、その、凄く優しくて、えっと、素晴らしいんです!私の最高の友達です!!! 」 )   (6/26 23:36:10)


Yuri・Annabel> 
( oh ジーザス。『 そ、そうかー………、あんねー、…その、ねー、ごめんなさい。 』友達の数が全てじゃないけれど!!!でもでも確実に勢いに押されるままあまり人前で言い難いことをカミングアウトさせてしまった予感はあって。それほど仲睦まじい関係性の人が1人でもあるなら充分ではあるけれども、けれども、だ。多分確実に誤解していたし、カミングアウトはさせてしまったわけで、申し訳なさそうに眉を寄せごにょり、後にぺっこり頭を下げた。『 呼んで良いよぅ、……けどー、本が重いならー私が持った方が良いのではー…? 来るまで持ってて待つのもー、大変だろしー、持つよー? 』申し訳ないし、引き留めるような理由もない。本が重かったことに気が付かなかったのも申し訳ない。けれど会話?を聞く限り、本が重いから友達を呼ぶのなら、校内とはいえ駆け付けるまでの待ち時間があるはずで。それなら、目の前にいる自分が持った方がよほど早い。任せて欲しい、これでも鍛えている。その証拠に両腕でムキッとマッチョポーズを決めてみる。背が低くとも侮られちゃあ困ります。それに、重いのを知った上で見過ごすというのも、そんなに気分の良いことじゃなかった。 )   (6/26 23:52:49)


ソフィア・ルドベキア> 
「 ご、っっっ!?!? 」( ごめんないって何で!?!?と疑問符が脳をぶち破る。そして、落ち着かなければ成らない状況なのだと理解するのに、早10秒。大声を出してしまったと理解したのに、プラス30秒。深呼吸をするまで、3秒前..3.2.1..深呼吸開始。スゥ-..ハァー..と2回ほど深呼吸をしては、顔を赤らめながら「 こ、此方こそ、大声出してしまってごめんなさい.. 」としおらしく謝罪をする。気が付けば2人の周りには、人の影は無くなっていた。勿論数人居たのだが..まぁ、そこはご察しの通り離れていった訳で。)( 何はともあれ、やっと静かになった廊下で貴女の発言を頭の中で考える。" 持つよ "と今、貴女のその綺麗な唇から喉から声が出されたと分かった途端嬉しそうに顔を緩め「 えッ!いい、の..? 」と聞く。普通の友達が居ないソフィアは、初めて言われる言葉だった。勿論、幼い頃は手伝おうか?とか大丈夫?とか聞かれることはあったが今では誰にも言われない。完全なボッチだったから。だから、酷く嬉しく感じたし、まるで友達の様だ!とも思えたのだった。なので貴女の『 来るまで待つのも大変だろうし 』という言葉に疑問を抱かなかった__抱く脳が無かった。ディスコードなのだから呼べば秒で来る。時間があれば豪華なエフェクト付きで登場も可能なのだが。何にしても取り敢えず「 そしたら、お願いします 」と数冊、おそるおそる目の前に差し出し、受け取った瞬間に図書室へと歩き出した。)   (6/27 00:24:20)


Yuri・Annabel> 
良いよー、任せてー ( 本を抱えるのはいつものことで、多少重くとも持ちなれている。しげしげと眺めながら受け取る本。それなりに厚く、それを重たくなるほどの冊数借りているとなると、もしや貴方もなかなかの読書ジャンキー?読書中は本の世界へのトリップ中で、周りの事なんて目に入らない。だから、図書室の常連達が誰かなんて知りもしない。けれど貴方も読書ジャンキーなら、たまにやるおすすめの本交換会にお招きしても良いなと思えた。抱き抱えた本の表紙を、歩きながら時折ちらりと盗み見る。これはさながら、腹ペコ人の前にステーキが置かれなような状態な訳で。図書室へ向かおうとしていたところで本を抱えて、それが読みたくならない訳がない。流石に、此所で読み始めるから置いてってなんて言いやしないけれど、気になるものは、気になる。『 …………ぁ、私はねー、ユーリー、ユーリ・アナベルー、宜しくねー。好きな本はロマンがあるやつー。文明崩壊前の文化とかー、あとカミサマ以外の不思議な生き物とかー、わくわくして好きなんだぁー 』ふるふる、と首を振って読書欲を振り払う。こういう時はお話が1番、本のお片付けの時に学んだ。だからこそ、まだしていなかった気のする自己紹介を。……したのだけれど、やっぱり、読書欲を完全に振り払うことは出来なかった。だって、読書ジャンキー仲間なら、どんな本を好むのか気になるのなんて当然のこと。読書話に花を咲かせたくなってしまうのは仕方のないことだった。)   (6/27 00:41:00)


図画 コーサク> 
(放課後。ある少年は技術室に居た。それも不法侵にゅ…いや、『公正』に職員室から借りた鍵を使って。)「や〜、やっぱり此処は落ち着くでありますね、」(椅子に座り込んでぱたぱた足を振り、そう呟きながら近場のコンビニで買ったエクレアをもくもく頬張るのだ。)「と、さて…(口についたクリームをハンカチで拭いつつ立ち上がる。今日此処に来たのは機械__それも百均で買ってきた置き時計の分解、そしてバラバラになったそれを『元通りにする』練習。機械の分解は得意なのだが何故かそれを戻すことが出来ないのだ。__謎である。)「絶対トミーサンの力無しでも修理出来るようになってやりますよ〜〜、(意気込み、腕を真上に突き上げる。)…ん?(今度はしゃがみこんでがさがさ、普段なら工具一式が入っているはずのカバンの中を漁る。そう、『普段なら』。)え、あ、あれ…?工具が…な、(がし、テンプレのごとく頭を抱えてから少し溜めて。)無いであります〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!?!?!?!?」(大きな声が教室中に響く。)「(オロオロ、周囲を歩き回り。)ややや、どうしたものでありましょう……どこかで落として来たのでありますかね…ハッ!そういえば……このカバン開けっぱなしだったでありますね……???どッ、早く探しに行かないと…ッ、」(急いで教室を飛び出そうと扉を開けようと____する前に。)(扉がガラリ、開く。…そこに。)(自分が廊下に落としてきた、ゴチャゴチャとした工具を抱えて一人の、澄んだ青い目に淡い茶髪の小柄な少女が立っていた。)「や、それはボクの……工具達…!!此処までわざわざありがとう、であります!(ぱぁっと表情を明るくさせ、その少女から落としてきたものを受け取ろうと手を前に。…が、)いやはや〜、失敬でありま…す……えぇ〜〜〜〜っと、ゴメンナサイ…」(言葉の最後の方はモニャモニャと。なんだか、遅れて恥ずかしさまでが来てしまったようだ。)   (6/25 23:52:10)


Yuri・Annabel> 
( 床にネジが落ちている。それは放課後、いつものように図書室へ向かう途中の出来事だった。図書室は渡り廊下を渡った等の1階にあって、ちょっぴり遠い。けれど好きなことにかける労力が気にならないことくらい、何かしら愛するものがあるのなら分かるのではないかと思う。階段を降りる最後の2段を、勢い付けて蹴飛ばして。途端、靴に守られた踵にぐりっと何かが食い込んだ。驚きにぴゃっと背筋が伸びて、拾ったそれは何にでも使われていそうな、けれど廊下のど真ん中には消して使われていないであろう小さなネジ。『 ……………おやぁー? ………ベ、…………………。 』立ち上がって視野を広げれば、なんということだろう。ペンチにニッパーえとせとら、不揃いな一定感覚で、様々な工具が床に寝転ぶそんな有り様。………何故?そんな疑問が浮かぶのは当然で、教えてもらおうと自分のディスコード、ベルベットアワーを当然のように呼び出そうとしてはたと気付いた。……最近、コイツに頼りすぎじゃない? それは主に任務でのこと。しかし、好きでもない、忌々しいが宿敵とも呼べる相手に、頼りっきり。………………。『 …………よぉっし 』自力で調べてやる。そも、知識とは自ら切り開き得るもの。山頂までヘリで行くのは楽だがそうじゃないんだ。大変だろうと登山家は山を登るだろう。ふんっ!と鼻息荒く、そこに謎があるからと少女は気合いを入れた。ペンチにニッパー、ネジにはんだに針金に、ピンセットや小さなプラケース。様々な物を広い集めて、ちょっと流石に抱き締める腕もバランスを取って支えるのが難しくなってきた頃。他に落ちているものも見当たらない、終点はどうやら技術室前。なるほど、つまり、あー……………なるほど? 技術室にこれ等の工具や部品は確かにある。けれど、それが外に出ているのはどういうことか。トイ・ストーリーならぬツール・ストーリーでもあるまいし。 謎はきっと、この扉を開いた先にある。しかし少女には問題があった。なにせ、両手で工具を抱えてしまっているものだから、扉が開けられな『 ………………あ。 』(扉がガラリ、開く。…そこに。)(漫画でしか見ないような瓶底眼鏡。ボロいYシャツに不揃いな靴。ぴんとアホ毛が立っている。任務で見たことがある気のする人。じぃ…と見詰めてみるけれど、目があっているか分からない。ヒーロー名でない方の名前も思い出せない。どころか、そもそも知らなかったような気もする。どうやら、ツール・ストーリーを生んだ犯人は貴方だったらしいが、そのわりに、もにゃもにゃと言葉尻を丸めて、歯切れが悪い。『 …………工具達のー、お届け物だよー。…お届け物ー、だけどー………受け取らないのー? 』ずい、と押し付けようと1歩前に。じとりとした眼が貴方を襲う。どういう経緯で廊下に工具が落っこちていたかは分からないけれど、要らないから受け取ってくれ、なんてことは先程の反応からしてないだろう。少女からしてみれば、非常に不可解で、摩訶不思議な状況だった。)   (6/26 00:17:27)


図画 コーサク> 
「やややや!いやはやこれはぁ〜〜〜…(貴方の表情を見て照れくさそうに目を逸らし…いや、この眼鏡では目線などはきっと見えないのだが。そして少し背を仰け反り、頬をポリポリと掻く。)お恥ずかしながらコレを入れてたカバンが開いていた様で…落としてたのでありますな…(そう言いつつ彼女が抱えた工具を受け取っていく。)そういえば!話が逸れてしまうでありますがキミは多分…この間の任務に居た子でありましたよね、名前は〜えっと。(なんとか思い出そうとするが出てこない。そもそもあの任務ではあまり行動することが出来ず、回りも見れていなかったもので。)んんん、忘れてしまったようであります…恩人の名前は覚えておかなければですな教えてほしいであります!…ではではまずは此方から失礼、ボクの名前は図画コーサク、2年生、ヒーロー名を『キュリオスワーカー』というであります!よろしくでありますよ!」(好奇心を愛する少年はペコリ、頭を下げながら真面目に自己紹介をする。頭を上げた時の衝撃で眼鏡が少しだけズレる。それをすぐ掛け直すが…黒くて丸い瞳が一瞬だけ見えるだろう。)「今日はですねぇ…時計を分解しに此処に来たのですよ、そのあと組み立て直す練習も合わせて!…や、ディスコードの発現用のではなく!これをバラしてしまうと直せなくなってしまいますから…さっき買った置き時計を実験台に。」(そう言うと、机の上に置かれたアナログな置き時計を指差す。)「…なんでかわからないのでありますが、自分で組み立て直すことが出来ないのでありますよね…不思議であります…トミーサン(ディスコード)に手伝ってもらえば一瞬で直るのでありますが。自分でも直せるようになったらそれこそ最強!でありますからね!!!」(いつものオタク早口で一通り喋り終わった後。)「あぁああ!!!こッ、これはクセなのでありまして…折角届けてくれた相手に自分の話とはとは…これまた失敬でありますな、」(なんだか謝ってばかりいる。…ポンコツな男である。)「お礼と言ってはなんですが…(そう言うとカバンの中を漁り、元は工具の乗っていた貴方の手のひらの上にもう一つ買っていたエクレアをポンと渡すだろう。)此処まで来るのに体力も使ったでありましょう!生憎手持ちがコレだけしか無いのでありますが…よかったらどうでありますか?」   (6/26 00:53:59)


Yuri・Annabel> 
( おっちょこちょい、素直、人懐っこい、よく喋りよく照れる、感情の起伏が激しい、ケミカルなキャラクター、いや人。漸く腕が軽くなったとのびのびしていれば、お返しはふわふわぱりぱりな美味しいエクレア。『 ……ありがとうー。私はねー、1年のユーリーアナベルー、ヒーロー名はねー、ヒドラーだよー 』さっき話していた練習のお供なんだろうか、このエクレア。もぐもぐ食べながらあーでもない、こーでもないと悩む姿を想像すればお茶目なゆるキャラのようで可愛らしくて、思わずくふくふと笑みが溢れた。てってってっと興味深いばらされた時計の元に歩みを進めながら、時折くるりとつま先立ちで身体は回転。正しくはユーリ・アナベル、ヒーロー名はヒドラ、伸ばし棒は余計なのだけど、くるると回る身体の勢いに合わせて語尾もよく伸びていた。時計の乗る机の側の椅子を1つ引いて、一応靴は脱いでその椅子の上へ。高台から、ななめった大の字のような決めポーズ。…ヒーロー名を名乗ったのでな。ヒーローらしく、というもの。なんちゃらと煙は高いところを好む。『 宜しく、ねー。…あんねー、良かったらー、私も治すのお手伝いーしてーいいー? 』とうっと無駄にジャンプして、技術室の床の上。高くなった気のした身長が、また40cmほど低くなった。けれど時計とは目線がまた合わせやすくなって、なんということ、哀れな被験体時計をつんとつついて。『 工作系の技術があるわけじゃないけどー、自力でやりたいというお主の意思ー、よぉく分かるのだよー、なかまー。 だからねー、たまには良いかなってー?』うんうん、と仁王立ちで腕まで組んで少女は頷く。まあ私は先に一人で出来ちゃったけど、なんて内心自慢も忘れずに。ディスコードも人の手も借りずに頑張りたい熱意はひどく共感できるものだったものだから。)   (6/26 01:22:49)


図画 コーサク> 
「ユーリ・アナベル、サン!覚えたでありますよ!(そう、君の名前を忘れぬようにとハキハキ復唱する。なんとなく、二人称の部分までカクカクとした呼び方で。)」(と、小さなゆるふわ少女は椅子の上に乗り決めポーズ。ヒーローが好きなのだろうか、なりたいのだろうか?お茶目で、しかもそのためにわざわざ靴まで脱いで乗るなんて、真面目なんだなぁ、とほっこりする。)「…えっ、本当でありますか!!わざわざ落とし物まで拾っていただいたのにお手伝いまで…感謝するであります!(へへ、ボクにもアシスタントが…!)(…なんて、嬉しくって、内心ニマニマしながら。)…そういえば!何も見ずに〜は流石にムズカシイので…じゃじゃん!修理用の本は図書室で借りてきたのでありますよ〜、これ!」(机の上に先程まで放ったらかされていた『超すごい!構造大辞典!』と大きく書かれた分厚くて青い表紙の本をサッと取り、それがよく目立つように見せてみる。)「え〜と、これの確か……(ペラペラと付箋の貼っている場所まで捲り。)そう!ここに時計のパーツの位置が書いてあるページがありまして!これを見ればなんとかできそうでありますよね!」(そう、時計の断面図が書かれたページを指さして言うのだ。)「えぇっと、ユーリサンには…このパーツはここ!みたいに指さして言ってほしいであります!ボクがその通りに組み立てるでありますので!(ほぼカラッポになった時計の中。この中に歯車やらネジやらをはめ込んで行く。)…え〜と、まずはコレ…(まず手に取ったのは小さな歯車。)う〜〜〜む、能力を使えば本当にラクなんでありますよねぇ、(彼のディスコードの能力は構造理解。構造を頭の中に無理やり叩き込めば、その瞬間からしばらく部品の位置まで完全把握することが出来るのだ。)一人で覚えるのは少し苦手なのでありますよ、いや!ボクの手にかかれば工作技術でな〜んでも作れちゃうのでありますがねぇ…」(自信のある技術力にだけ、少しだけ見栄を張って。)(…そう言いつつもポンコツ技師(ワーカー)は早速付ける場所を間違えそうである。さあ、本日ばかりの『助手(アシスタント)』さんはどうする?)   (6/26 02:01:23)


Yuri・Annabel> 
おぉー………おー……?…りょうかーい、助手ちゃんにー任せとけぇー ( 助手、早速不安を覚える。そういう本を読むのも好きではある。けれど、そういった分野の広い本は大抵説明があんまりにもシンプルか、本格的な説明であることが多く。つまるところ、事細かで分かりやすい取り扱い説明書ではなく、根本的な知識としては同じ系統だろうが、製品の違いから見たままやれば大丈夫、で済む代物ではないということだ。とはいえこの分厚い本の中から時計を探し出す熱意は確かで、それならそれに答えねばと、少女の気合いも高まるもの。直そうとするのに細かな所が見難い断面図を選ぶ点、分解する時点で動画を撮っておくなどしない点、様々な抜け具合に少女が気が付かないまま気合いを入れたのは、…所謂同族というものだったからなのだろう。先程まで立っていた椅子に腰を下ろして、右上が日に焼けたページをそっと手の甲で撫でる。時計屋さんで売っているような置時計の内部構造。それから、プラケースの中で家に帰るときを待つ歯車の群れ。実際に分解してみたことはなく、普段使っている時計も似たような構造なのかと考えるとなかなか興味深いものがある。一通り眺め終えて、いざ組み立て練習が始まると足はぶらぶら。椅子の足の横を通り抜け、振り子時計さながらに揺れる。じっとしていられないお年頃。ぱたぱたと揺れる猫の尻尾にもそれは近く、狙いが定まればぱしっと少女の指先が貴方の服の袖を掴むだろう。『 それはー、まだ。最初のはー、これ…かなぁー…? 大きい歯車は中央の軸と次の歯車が繋がっててー、ちーいーさーいーのー…はー…お互いに繋がってる感じー? むー…なるほどー…………… 』部品ケースに分厚い本を頻りに見比べて、間違えなんて無いように。難しい構造にぎゅっと眉はよって唇は尖ってしまうけれど、精一杯頑張りたいもの。1個の部品を指の腹で優しく摘まめば、すすす……と貴方の側まで差し出した。次はこれ…いや此方?悩ましい、難しい、けれど 『 ディスコードに頼りきりなの、私は悔しいー…からぁ、一緒に頑張ろうーね。合う歯車ー、頑張った探そうー、おー 』すす、と差し出された候補は2つ。見た分じゃ判断の付かなかった2つながら、実際に貴方が先の歯車に嵌めてみればどちらが合うか分かるだろう。なかなかに頭を使う作業。けれど知識として身に付いているものがあると思うと悪いものでもなく、ぐぐっと1度体を上に伸ばした。)   (6/26 11:45:15)


図画 コーサク> 
『 それはー、まだ。』(ほわほわ少女に思いがけず注意を受ける。)「え"ッ!?(突然の出来事に歯車を落としそうになるがあわててキャッチして。)あ、こ、これはァ……、(後少し止められるのが遅ければ一巻の終わり…のはずだったが既のところでシャツをぐい、と引き止められ。先程からやらかしばかりで先輩らしくここはキメないと…と思った矢先にこうである。)〜〜〜〜ッ、その…」(だらだらだら、恥ずかしさのあまりヘンな汗が流れる。顔は例のごとく真っ赤であり…少し余った袖で隠れた手で顔をごしごししつつ、なんとなく覆ってみるもバレバレなようだ。)『むー…なるほどー……………』(そう、悩む君の方を未だに手で隠された顔を少しだけ動かし、ちらり、とだけ見て。やはり少女もどうにか、構造について理解を示そうとしているようである。流石に少年も気を取り戻したようで。)「 そ、そうでありますね…」(と、少女が差し出す2つを壊さないように、そ…っと掴む。)「これが…えっと、ここに…(銀色の軸の部分にカチリ、歯車の片方をはめ込んで見る。どうやらこれで正解らしい。)…おおおっ!?す、すごいでありますな、ユーリサン!合ってました!!!よ!!!」(パチパチ、君を称賛するように拍手をしつつ。好奇心の少年は知識の少女を見つめて、まるで小学生のようにきゃいきゃいと喜ぶのだ。)「ふむ、そうなればもう一つは先程付けた場所に噛み合うようにすれば…?(ここからは完全集中モ〜ド。君の指示の通りに歯車やネジを受け取り、小さなパーツはピンセットを使いながら。かち、かちと部品を付けていく。)っ、こう!!!!(時計の針を付けて、最後に時計の『外側』をカパリとはめ込みネジを閉める。)……よし、これで。(最後にキリキリとゼンマイを巻く…と。)(カチ、カチ、それは時を正しく刻み始めるのだ。)………や、やった!!!見て下さいッ、ちゃんと動かせますよ!」(部品同士はピッタリ噛み合い、正常に動く。)「や〜〜ったぁ!!お手伝いは借りましたが……ディスコードの力を借りずに直すことができましたでありますよ!!!!!(時計を高々に掲げてそう叫ぶ。)」(それから。君の手をがっしと掴んでブンブン振りながら。)「いやはや、今日は本当に本当に助かったでありますよ、ユーリサン!キミはきっと素晴らしい技術者になれますよ!物の修理に限らず!や、別に君のミライをボクが勝手に決める権利はないのですが!」(君の向上心に心を動かされたのか、彼のキラキラした表情から伺える感情は感謝と感動。…それと諸々への謝罪。)「うぅむ、今度はもう少し準備という物をしなければありませんな、あとは…分解する前のメモ…写真?でも撮っておいた方が良いでありますね…(これは今回の反省点。好奇心のままに、思いついたところから手をかけようとするので何時だってどこか抜けているのだ。)この辞典じゃあ少し奥の方が見づらかったでありますな、もっと見やすいものがあれば良いのでありますが…図書室にはあるでしょうかね…?」(顎の下に手を置いて、悩ましげにこくりと首を傾げる。)   (6/26 13:10:19)


Yuri・Annabel> 
ん、やりましたなぁーコーサクさん ( 大袈裟、盛大な拍手喝采。しかし悪い気はせず、寧ろ褒められるほどにというやつで、腰に手を当てちょっぴりふんぞり返ってみた。ローテンションとハイテンション。年上に対して使われない敬語と、年下に対して使われる敬語。比較的対称的な2人だけれど、心境や根っ子のところは同じであるのかもしれない。うんうんと頭を悩ませ、どうにも分からない所は貴方に相談をして、文殊の知恵とまでは行かずともその残りかすくらいの知恵を持ってしてそうして遂に 『 ほぁぁー……………、わ、わ、わ、………どーだろう、ねー…けどうんー、やったねぇ、やったー 』カチ、カチと動き出す時計。働きっぱなしだった脳がだらだらと緩んでいって、同じ様に身体の力も抜けていく。その最中に手を捕まれぶんぶんと振られるものだから吃驚して、がくがくと揺さぶられる身体はなすがまま。技術者、ミライ、それは考えたことがない事柄。目に見えるほどに表情はキラキラと輝いていて、それならそう悪いことでも……、…悩ましいことはまあいいやと後回し。手を握り返しゆるゆる揺らして、一先ず喜びを分かち合うことを優先した。手が離れればくたりと両腕は机の上へ。端に置いていたエクレアの袋を手にとって、ばりっと開いた。疲れたときには甘いもの。『 そうですなー、んー……専門書みたいなのならー、あるかもー…? あとはほらー、小学校のーじゆーけんきゅー…だっけー? そういうののー、参考書とかー、…見てみるー? 』むぐっとお口にゴールイン。ふわふわな生地、ほろ甘苦なチョコレートはぱりぱり食感、そこを甘く滑らかなクリームが包む。美味しさ甘さに緩んだ脳が更に蕩ける。むぐむぐ食べ進めながら、相談事に考え事。糖分をとった成果、それから図書室常連の成果かそれほど悩むことはなかった。最後の一片をひょいと食べきって、ごちそうさま。)   (6/26 13:48:38)


図画 コーサク> 
(自信満々に腰に手を当てポースを取る少女の方を見て、感心したように彼は言うのだ。)「ほうほうほう!やはりなるほど、見に行ってみましょーか!ついでにこれ(先程紹介した『超すごい!構造大辞典!』と描かれた分厚い本)も返さないといけませんからね、う〜む、時間、は…(先程直った時計と自身の腕に巻かれた時計を見比べる。……時間は同じ。完全下校まではあと一時間ほど。まだ学校に…居てもヨシ!)ユーリサン、もしかして…なのですけど。図書室の常連サンでありますか?(なんだかこの間図書室に行った時に見かけたような気がして。)もしお時間があれば……嫌でなければ!案内をしてほしいのであります、お恥ずかしながら図書室には好きでよく行くのでありますが、専門的な物はきっと余り見てこなかったモノでしてね…」(へらり、と笑いながら少し体を曲げて頭の後ろの方を掻く。)(…先程あげたエクレアをもふもふと食べる少女は、なんだかリスや猫みたいで微笑ましい。)「あぇえ、さっきボクもそれ、食べたばかりなのですが…早速甘いものが恋しくなってきたでありますね、図書室に行った後、寮に帰る前にたいやき屋さんにでも寄りましょうか…(ここらで有名なたいやき屋さん、『そいやき』。まだ開いているであろうか。もし買うとするならこの間ゲイル先輩が食べていたクリーム味。)(彼は人並みに甘いものが好きなのであった。)…さ!早くしないと先生に無理やり追い出されてしまうでありますから!」(そう言うと、先程完成した時計と工具達をカバンの中に詰める。…もう物を落とさないように、今度はしっかり締めて。)(青い辞典を片手に足取りも軽く、少年は図書室に向かうだろう。小さなアシスタントさんにふらりと手を振って。)   (6/26 14:29:36)


Yuri・Annabel> 
じょーれんー……だねぇー、うん、そういうことならー、常連さん兼助手ちゃんにー任しとけぇー。( 胸を張って常連です!と言い張るのはちょっと自己評価が高過ぎるというか、いやいやそんなそんな、常連なんてまだまだですよと照れ臭くなる。かといって、毎日図書室に行ってるだけ、を簡単に置き換えれば結局のところ常連でしかなく、悩まし気ながら渋々同意する他なかった。案内するのは難しいわけでも、嫌なわけでもなかったし、ならまあいいかとそんな気がして。食べ終えたエクレアの包装をくるくる畳み、とんと胸を一叩き。撤退作業にすたこらさっさと鞄にしまわれる工具達。乗せたカバンは確り閉められて、きっともう落っこちてしまうこともない。『 ん、追い出される前に行こっかー、…て、待ってってー 』立ち上がり椅子を元に戻す。そんな瞬きの間に貴方は軽やかに部屋の素とへと飛び出していて、慌ててエクレアの空はゴミ箱へぽい、ボタンをぱちんっぱちんっと押して明かりも消して、鍵は…持ってないから諦めよう。助手を置いてってどうするのか、慌ててぱたぱたと背中を追った。/〆)   (6/26 14:54:28)

Dabih> 
────…雨。今日一日、外は、激しい雷雨と突風に見舞われていただろう。窓ガラスは常に雨風によって揺れ、時折、遠くの山の方で雷が落ちたような音も聞こえてきたあろう。既に街の方から大雨警報が出されており、午後からの授業は中断となって、今日はみな早帰りだった。そのため、既に校内に残っている生徒の殆どが下校しているようで、いつにも増して、校内はしん、としており、静寂に包まれていただろう。「………。」(……はぁ)そんな中、校内にある資料館にポツリ、と、あかりがついていただろうか。そこに、ひとりの女がいただろう。─名を、ダビー・アルゲッティ。彼女は普段も学校が終わったあと遅くまで校内に残っており、よくこの資料館で本を読んで過ごしている。───今日は、雷雨の影響で、学校が午前放課となったことで、いつもよりも静かなこの場所で、自由を満喫しているようで、女は、窓ガラス付近に車椅子を寄せて、窓ガラスに軽く息を吹きかけるだろう。すると、窓ガラスはたちまち白くなって、そこに女は様々動物の絵を描いていただろうか。「……………………にゃん。」(にゃん)女は、窓ガラスに猫の似顔絵を描いていたようだ。どうやらだいぶうまく描けたようで、少々得意げな顔を浮かべていただろう。………しかし、女はこのとき、まだ予想だにしていなかった。…この場所に、新たな客が、もう時期やってくるということを   (7/4 00:34:45)


Yuri・Annabel> 
( とある少女は煮詰まっていた。何に?これまでの任務の報告書を書くのに。何で?こういった書き物は苦手だから。でなけりゃこれまでの任務のレポートを貯めに貯めて、一気に書くはめになんてならないだろう。普段と違う天候が脳の活性化に繋がるなんちゃらと理由を付けて、教室の居残り。この天気なら帰らないとと流石に思わなくはないけれど、帰ったら本が読みたくなるに決まっている。煮詰まってぐて、と机の上に身体を投げ出している辺り、効率の度合いは変わらないような気もするけれど。そんな少女は本、読みたいなぁ…………と力なく窓の外に目線を向けて。何故か灯りの点っているC館を見付けたのがことの始まりだった。) ぁぅぁぁー………………あし、気持ちわるぅい……………… ( 来ない方が良かったかもしれない。傘を差していたとはいえど、横殴りの雨は容赦なく服を濡らして、特に太股より下は壊滅的。びっとりとくっつく靴下が気持ち悪い。足拭きマットにぎゅっぎゅと靴裏を押し付けても拭いきれなかった水分が廊下をきゅっと鳴らした。傘立てに入れられた傘からぼだぼだと落ちる雨粒。帰りはこれ以上か、と思うと気持ち憂鬱。でも、リュックの中身は確認した限り濡れてはいなくて、それならまあ良いかという気もした。気を取り直して、向かう先は灯りの溢れている資料室。なんとなく、此方に生徒が足を運んでいるのは珍しい気がして気になったんだ。それは或いは教員かも知れなくて、早く帰りなさいと言われるかもしれないけれどそれはそれ。どうせレポート書けないし、それなら気になるを解消した方がよっぽど良い。自分的に。明かりが点いているのだから当たり前ながら、資料室の鍵は開いていた。ちょっと湿っぽい空気、香ばしい紙とインクの匂いに、乾燥機のモーター音。本棚とパソコンが何台かに、大きな閲覧用の机もちらほら。圧倒的〝良〟なんなら〝最高〟通い詰めよう。そんな決意と、見付けたのは1人の女生徒。名前………は…覚えてないけど…見たことのある顔のような気がする。此方の存在に気付かれたなら小さくぺこり、と会釈して『 ……こーんにーちはー…?………お疲れ、さまー? 』……だって、なんて声をかけるべきか知らなかったんだからしょうがない。図書室じゃ基本1番手で不干渉、こうして本のある場所でアクシデント無しに人と合間見えるのはかなり特殊なことだった。)   (7/4 01:03:55)


Dabih> 
「………にゃーn」“『 ……こーんにーちはー…?………お疲れ、さまー? 』”窓ガラスに猫の似顔絵を描いていると、突如として、閉まっていた扉が開かれて、それと同時に誰かしらヒトの声が聞こえてきた。…どうやら、君がこの資料館に到着したようだ。「───!?!??!!???!??!!?」予想だにしない来客と、直前まで、普段他人に見せないような自分の行動をしていたため、面白いぐらい肩を撥ねさせ、真っ黒い目を丸くさせて、思わず両手を万歳のポーズまでしているのに、悲鳴声だけはいっさいあがっておらず、加えて、その直後に近くで大きな雷鳴がなり、畳み掛けらるような出来事ばかりが起きて、彼女は遂に車椅子の上から猫のように飛び上がり、そのままきみの目の前の床にごろごろと、転がり落ちてきただろうか。   (7/4 01:32:13)


Yuri・Annabel> 
へわ…………っ!? ( 雷の逆光を受け真っ黒い影の落ちる身体。伸ばされた腕に襲い掛かる幽霊の様な恐怖を感じて、思わずびょんっっっと飛び退いた。ゴロゴロゴロと転がる身体。絶対に痛い。心臓は驚きでバクバクと大きく震えていて、近付く足取りは対称的に小さく遅かった。生きて、いる。いや流石に、床を転がって死んでしまうような事はないだろう。あればそれは丸きりホラーな物語の始まりだ。『 だぁ、…だ、だいじょー…ぶー………?』 そろり、そろりの足取りは漸く元々立っていた場所まで戻ってこれて、音を立てないようにそっとしゃがみこんだ。ちょん、ちょん、と指先で肩をつついてみる。暖かい、……と、思う。生存が確認できれば一安心で、また飛びかかってきたらどうしよう、というのが目下の問題。いやでも、彼女はカミサマではなく人間であった気がして、それならそんな不可思議な行動を取るわけもない。状況を確認する。それが今真っ当で、唯一出来るとも言えることだった。)   (7/4 02:01:10)

Yuri・Annabel> 
( きっと、穏やかに眠れている人の数が常時よりちょっぴり少ない夜だった。屋上から眺めた祭りの灯りはとうに潰えて、ネオン街の眩さだけが網膜を焼く。眺める景色、吸い込めば感じる異国の香り。この国に着くなり図書館に籠っていたものだから、実は初めて感じる物達。あぁ、良かった。まだ見ていなかったこの景色、この香り、人々の営みが消えてしまわなくて。……良かったと思えるものを守れたのに、穏やかに眠ることができないのは、蹴りあげた緑の石の硬さを、足先はよく覚えているから。『 ……………ヒーローって大変だね、べる。』真っ暗なスマートフォンの画面を、淡い青色の燐光を纏う左手がそっと撫でる。返ってくるのはどうせろくでもない返答だ。だから、電源を入れるなんて真似はしないけれど、しかし問い掛けるにはいい暗闇だった。ピクリ、と。ルクレルク人特有の。けれどそれより伸びた、まるでロップイヤーのような耳が捉えた音に震えを示す。眠れない人が多い夜、こうして一人の時間があったのはある意味奇跡であることは分かっていた。『 ……こーんばーんわー。先客ーしてたよー、えーとー?えにしくんー、だっけー? 』夜の景色に背を向けて、ゆっくりと瞬いた瞳は見詰める。任務で時折見掛けていたのとは変わった姿。記憶を引っ張り出して合致させるのはなかなかの難易度で、しかし不可能なことではなかった。)(8/19 01:44:27)


春透 /坂入縁> 
ちらちらと網膜に反射する異国の摩天楼に目を細めては、この景色を、この生活を、ここで暮らす人々を、守った、否“守るという選択肢を選んだ”という実感も未だに湧かないまま、うつらうつらと時間をつぶしている。夜は好きなほうだ。明るいのは、眩しいのは、輝かしいのは、性に合わない。とてつもなく。こんな自分と、真逆のように、とてつもなく似合うのは、……………また“彼女”のことを考えては、ぼんやりと屋上の方へと足を進める。正直、この姿を人に見られるのにまだ抵抗もある。……………という思考に反してどうやら先客がいたようだ。間延びした声の方に目を向けると、闇夜に溶け込むような、それでいて、生に呼応するかのように、ホログラムの部位がゆらゆらと動いているのがわかった。長い耳や、左半身や目のそれは、通常の人間にはありえないものだが、間違いなく、それは彼女であった。彼女だと信じたかった。「―――――――――――何してるんだ。ここで―――――」なぜか普段のあの人の良い“仮面”を取っ払ってしまったような、不愛想な返事をしてしまった。しまったな、と思いつつも、もうそれすらもどうでも良いと思っている自分がいる。今くらいは、“日の目”を浴びていない今くらいは、せめて、“普通の人”でいさせてはくれないだろうか   (8/19 02:13:38)


Yuri・Annabel> 
間違ってないみたいでー、なによりー? ………なにとー言われましてもなー ( 肯定されたわけではないけど、否定もされていない。ならその無言は肯定と見ていいだろう。それに、どちらかといえば目下の問題は、貴方の名前が合ってるか、よりも、勘違いでなければ若干の敵視を向けられていることになってしまった。まさかカミサマだと思われている、なんてことはないだろう。同じ任務、同じ現場に居たのだし。立ち入り禁止区域………であった気もしない。そも、止める人が居ないが悲しくも正解かも知れないが。……ふむ。『 寝れないからー、のんびりーゆったりー?おせんちなきーぶんーとやらにー、浸ってたんだよー。はーい、そんは君はー? 』分からないなら本人に聞けばいい。有り難いことに、今はなんと対話するだけの時間がある。両腕を伸ばしてくるくると、話しながら踊るように回りに回って。指先から散った蒼い光が身にまとわり付く。まるでホタルのような、或いは光源を持った雪のような灯りは脆く、一秒もたたずに空気と馴染んだ。)   (8/19 02:26:00)


春透 /坂入縁> 
こちらの質問に、またもやあの特徴的な、間延びしたしゃべり方の声が返ってきた。―――――なにとー言われましてもなー―――――どこか遠いところに目を向けながら思案している様子である。多分、こちらが“その”姿について何も指摘しなかったのが気になるのだろうか。……………いつもの学生としての姿とは大きくかけ離れた“こんな”姿をしているのはまあお互い様、であるだろう。あと、こんな話し方をする知り合いは思い出す限り、記憶の隅に一人しか出てこないし、任務等でちらほらあの電脳のようなディスコードを見かけてはいた。まあそれとも――――――――――今くらい、“素”でいたいのも、お互いさま、だろうか――――――――――『おせんちなきぶん』とやらはつかめないが、聞かれてる分には答えようかと。「…………いや、特にこれと言った用事はない、……………暇つぶし程度だ、所詮」。指先から放たれた光源を目で追って口を開いた。「―――――その体、支障は無いのか?」こうして言葉を交わすのも、暇つぶしくらいにはなるだろう。今の自分にはそのくらいの興味しかなかった。   (8/19 02:57:46)


Yuri・Annabel> 
そっかー、そうかー ( どうやら罰せられることはなさそうだ。それだけでその返答に安堵して、無愛想さは気にもとめず。うんうんと頷く姿は、そうかそうか、そういうこともありますな。と賛同しているかのようでもあった。問い掛けにびたりっと回転が止まる。勢い余って腕は簡単には止まれずに、ほんの微かな打力を残して。それは燐光にも現れていた。『 ちょっとー気持ちー悪いー?けどー、それだけー、かなー? うんー。指先が消えた訳でもーないしー、物はねー、普通に掴めるんーだよー。 』両手をぐぐぅ……………ぱっと、握ったり、開いたり。カミサマ化した左手と、人のままである右手。それらの動きはどちらかが不自然ということもなく、ただ、加工された映像であると言われた方が自然であろう程に現実味は存在しない。一見すると、被害といえるようなものはそれだけで、細胞が変質したことによる違和感だって、きっといずれは馴れてしまうのだろう。馴れて良いことでは、個人的にはあまりない。けれど人間、大抵のことには馴れてしまえる生き物だ。『 気になるーならー、触ってみるー? 握手ー、的なー? …あと私としてもー、そっちはどうなのかとかー気になるなー? 』価値観、判断力の物差しの値を変えてしまわない為にも。すすすっと差し出された掌は間違いなく人の形をしていて、瞳は興味深そうに、貴方のことを見詰めていた。)   (9/3 01:22:15)


春透 /坂入縁> 
否定的な印象語から口にされたのが意外だった。彼女のその燐光を纏って動く腕を見ている限り、機能性の面を聞いている限りだと大方支障はないように思えた。――――――――表面的には。では、内面的には、どう『思って』いるのだろう………………“ヒーロー”であるが故にその身に降りかかった、被害とも代償ともいえるその容貌を……………自分の中で、単なる暇つぶしであったはずが、徐々に彼女への興味と関心が芽生え始めた。動くがままにそのホログラム化したそれを見ていると、【気になるなら】と、急に手が差し出された。「…………あぁ。」別段断る理由もないので厚意に応じた。差し出されたのは人のままである手。若干の視線を感じながら右手で軽く握る。―――――――想像はしていたが、ちゃんと“ニンゲン”の手をしていた。体温と、触覚から“生きている”ことが伝わる。半ば観察でもするようにそれに触れていたら、――――――――『そっちはどうなのかとかー気になるなー?』―――――――これは“こっち”の“カミサマ化”が“どう”か――――ということだろうか………………………まあこちらが先に尋ねたのだし疑問を抱くのは自然だろう。「…………まあ、見慣れてない人に誰かと聞かれるくらいで、こっちも特に支障はない。……………敢えていうなら、身体的な面だと、体格が変わったから前の身体に比べて、若干距離感にズレが生じることがあるのと……………」「――――――――火傷跡が存外痛む。それから……………」「正直、自分が一番この“変化”に対応しきれていないのが現状だな。……………鏡を見るたび、未だに気持ちの整理がつかない。」「…………君は、こうして、その体になったのを、どう思っている……………?」話慣れていないからか、調査報告のような話し方になったが、最後の方は愚痴のようになってしまった。ヒーローらしからぬこの態度に、君はどう思うだろうか。   (9/3 09:45:02)


Yuri・Annabel> 
あーー、そうだよねぇー…………私も帰ったらー、聞かれるでしょうなー ( なんて誤魔化したものか、ぱっと思い浮かんだのはそんな事。この学校に入ってからヒーローとして気にかけている人は多く居て、その人達からすればこれはあまりに想像を絶する変化で。驚かれるだろうことは容易に想像が付く。続いた解答はぽつぽつと、以前の身体と比較しながら相違点を導きだしているようで、じっくり現状と向き合っている時間でもあった。『 ……ふむ、ふむー、痛み止めでなんとかなるなら助かるけどー、んー、大変だー………それからー? 』『 …………ふむー、むー、なるほどねー? 』繋いだいた手をそっと離し、また片足を軸にくるくる回る。軽く瞼を閉じて、くるくる、ぐるぐる、それはローディング画面にもよく似ていて、時間は2秒程度と案外短くして終わりを告げる。『 嫌ではねー、ないよー。もちろんー、良いとも思ってないけどーでもー 』ぴたっと止まって、導きだされた結論はそうだった。現状が快か不快か、良いか悪いか、どちらかをはっきりすることは出来ず、現状針は宙ぶらりん。『 私はー、…ちゃんとー、あの子の願いを壊した責任と言いますかー、守れなかった全員のことと言いますかー、そーいうのをー、……忘れたくないなぁってー、思うんだよー。 』否、はっきりさせてはダメなのだ。彼女のしたことは罪だった、けれど間違いではなく、元の願いは純粋だった。過去の歴史は悪だった、けれど今を生きる人達に何の咎があるだろうか。ヒーローは誰かの味方で、誰かの敵で、はっきりさせなきゃいけない立場で、でも、一個人としてなら、複雑に絡まったそれを一塊にしてしまわずに、それぞれを解いて大切に出来る。大切にしたい。彼女の願いを壊した責任の重さも、代わりに守れた世界の愛しさも、生まれてしまった尊い犠牲も、それはこの身体を見る度に、褪せることなく思い出せる事だろう。それは他より軽症であるから故かも知れないけれど。『 うんー、私はそうなんだよー。 』考え続けた問題の答えは、考え続けていい、そう結論を出せたなら、身勝手だけれど勝手にすっきり。なんだか憑き物も、おせんちな気分も落ちた気がして、万歳のように1度ぐぐぅっと身体を伸ばした。)   (9/3 10:31:41)


春透 /坂入縁> 
間延びした物言いとは対照的にクルクルと回りながら燐光を放つ彼女は、点灯を繰り返す切れかけの蛍光灯のようだった。その不安定さのように、彼女の返答もまた、曖昧模糊としたものだった。守れなかった彼女や、願いや、世界を、“忘れたくは”ない。――――『忘れたくない』という根底の思いには同感だった。だけど、彼女のそれと、自分の抱く“忘れたくない”とでは、“どこか”違っているのは何か感じていた。自分だって、あのときの出来事も、事実として、受け止めているし“仕方がなかった”として片付けたくはない。それに―――――この身体を、容貌の持ち主である、姉のことも、“忘れたくはない”。ヒーローになっているときの愛想のよい物腰や口調も、肩あたりまで伸ばした髪も、いつも手鏡を持っているのも、全部、死んだ姉を、あの日“犠牲になった”姉を、忘れないようにするためだ。戒めとするためだ。幸の向こう側には、いつだって何かしらの、誰かの不幸がある。その上に成り立っている、その上でしか成り立たないものだ、というのが、ヒーローをしていて今のところ導いた結論だった。「――――僕も、それを背負ってはいるつもりだ。忘れない、忘れたくはないつもりだ。――――――――でもそれで………………本当に“良い”のか、が、良く“分からない”。」「“忘れない”ということで、それらは、その犠牲や、失ったものは、報われるのだろうか、本当に、僕らは『許される』のだろうか………………」「俺は、君とは違って、“正解”が欲しいんだ。…………そうだな、ハナマルとか100点だ。笑えるだろ。」煌々とさんざめく君のホログラムに目を細めてそう吐き捨てる。評価が、教示があって然る身分だ。ヒーロー、といっても、僕らは所詮、一塊の“生徒”にすぎない。“学生”に越したことはない。たかだかその身分の僕らが、それらを背負ってよいのだろうか。―――――あぁ、ただただ僕は、――――――――俺は、不安なのだろう。   (9/3 11:27:03)


Yuri・Annabel> 
それはー、分かんないなー ( ぐるりと回る間も無く、それは即答だった。けして適当にあしらったからでも、思考を完全に放棄したからでもなく、考えるまでもない純然たる事実。回りかけの腕は勢い任せにふるふると揺れて、その癖ぶれない瞳だけはいやに真っ直ぐに貴方を見ていた。『 ……報われないしー、許されないと思うー。でもー、報われる人も居るしー、許してくれる人もー居るとー思うー。皆ー思考回路はー、色々なんだよー、十人十色ー?』 正解を欲していない、或いは、数多の角度から見れば正解なんて存在しないと思うが故の思考だろうか。当たり前すぎて態々そんなことは聞いていないとまで言われてしまいそうな解答は、それでも思考の芯だった。それでも、そんなことと軽んじてはいけない当たり前だった。『 自分のことを採点できるのはー、自分だけじゃあーないかねー? あとそー、迷ったときはー本を読むといいよー、本、いいよー』ちょっとだけむんっと唇を尖らせて、なんかちょっと良いこと言った?と誇らしげなのがたまにキズ。ただそれでも、背負うと決めたのだ。数多の意見を、自らの力不足を、人生の採点、正解の選択を、〝ヒーロー〟として。)   (9/3 12:00:01)


春透 /坂入縁> 
「、いや、まあそうだろうけど、――っ。」またもやふわふわとした間延びした声の回答が間髪入れずに帰ってきて、からかわれているのだろうとバッと彼女の顔を見上げると―――――蒼く燦燦と照らすその目は純朴に自分を見据えていた。その目には、呆れも、からかいも、憐れみも感じられず、ただ淡々と事実を伝える様だった。………………彼女の口から語られるそれは、柔らかな口調で包まれてはいるものの、全てを捉えているようなものだった。そこにはただ、彼女なりの“覚悟”と、“責任”が、感じられた。――――――――多分、おそらくだが、自分に足りていないのは“それ”だろう。たとえ“それ”が、その選択が、行為が、思考が、間違っていたとしても、許されないものだったとしても、取り返しのつかないものだったとしても、――――――――それが正しいか、正しくないかは“自分自身”が決めるもの、だということ。“覚悟”と“責任”を持って、それを“認める”ということ。――――――パラドックスのようだが、今の自分にはこの“正解がない、という”答え“が、一番しっくりきているような感じがした。『憑き物』がとれた、というような……………「採点……か、なら、ヒーローとしての俺は、まだ及第点以下だろうな。」と苦笑しながら呟く。言ってもまだ『完全』にとれた訳でもない。まだ燻ってはいるのが現状だ。「……………本、か。なるほど。?」なぜか誇らしそうな彼女の表情をみて、疑問形になった。……ならば、「……………なら、ユーリのオススメの本、なんかあるか?」   (9/3 12:25:29)


Yuri・Annabel> 
( ぱちぱちと2度瞬いて、その質問は今日1番の悩み所だった。くるくる回ることはなく、腕が振られることもなく、ただじっと眉を寄せて真剣な顔付きで考え込む。漸く口を開いたかと思えば、困ったようにまた悩みだして。ギギギと後ろ髪引かれる思いで重たく紡がれる言葉、それでも一言で紹介すると満足げにうんうん、と頷いた。『 …………………私のおすすめはねー、んー……………むーー………断トツはーファンタジー系………だなー。人の子が迷い混んでー、冒険するお話がねー、好きー 』『 カミサマ以外の不思議な出来事ー、ロマンがあってねー、使われてる道具とかー食べ物とかー、そういうの色々神秘的で素敵なんだよー、………あぁでも、 』『 世界がこうなる前のねー、資料とかー、その頃に書かれた本とかもねー、いいんだよー?今と同じところとー違うところがあって興味深いしー、その分読むのに時間かかっちゃうけどーそれも楽しみというかねー。構造系に興味があるならー、物の解剖学の本もー面白いと思うしー、建築のとかもねー、身近なものってこうなってたんだなーって分かるのがねー面白いよねー。なんやかんやー、カミサマの調査資料とかも興味深くて好きだしー、1番はファンタジーなんだけどねー、でもー他にも面白い本は沢山なんだよー。 』ぴっと立てた人差し指をるんるんで振って、ご機嫌に語っていた口はもごもごと濁りを見せる。やはり引かれる後ろ髪を立ちきることは出来ておらず、湧き水のように止まることなく語る語る。…ふんにゃりと緩んだ目元は見るからに楽しげで、恋する乙女のようだとも言える。けれどいつだって、恋も乙女も暴走するものだ。『 今度ー貸すー?オススメの本ー。好みに合わせて厳選するよー? 』固めた拳は気合い十分、やる気にメラメラと瞳と魂が燃えていた。)   (9/3 12:48:52)


春透 /坂入縁> 
また腕の閃光が見られると期待してしまってたので、見目好い顔立ちを少ししかめてうんうんと熟考してくれているのが意外だったけど、こんな自分のために考えてくれている点ではありがたかった。選りすぐられて出された答えは“ファンタジー系”――――所謂“空想”のお話。学術書やら専門書くらいしか関わりがなかった自分からしてみれば、中々手をだしにくいジャンルだな、と思っていたら、『あぁ、でも―――――』と、先ほどとは打って変わった軽快さで言葉が紡がれる。あぁ、本当に本が好きなんだな、と思いつつ、“『知識を愛している』”が故のその知見の広さに心惹かれる。……………と、同時に、好きなことになるととたんに熱くなるその様子に、姉の面影を勝手に重ねていた。―――――あの時、生きていた時、もっとちゃんと聞いていれば、な、と惹かれる後ろ髪を断ち切れないままでいる。――――気づけば彼女の顔が近くにまで迫っていた。そういや彼女も一塊の“ヒーロー”である前に、“一人の女の子”である。否、どこか闘争心を漂わせるその表情と、固く握られた“拳”からは、僕らがよく知るあの“真っ赤なヒーロー”をも思わせる。「……………あ、あぁ、そうだな。じゃあ、“ユーリ“先生のオススメ本を、お願いしようか。」などと、軽い口を叩いてみる。   (9/3 13:19:10)


Yuri・Annabel> 
ふふんー、まっかせーなさーいー ( オススメの本をあれやこれやと考えてみては、それならこっちも行けるのでは?なんて連想ゲームは止むことなく。こんな時間にこれだけテンションをあげてしまっては、眠ることは厳しいだろう。けれどそれはそれでありだった。眠れない分、オススメの本一覧を組み立てる時間に割けるのならなんて素晴らしい事だろう。寝不足でへろへろ、なんて、ヒーローとしてはあるまじき事態なのだろうけど、それでも本へと向かう思考は避けようがない。『 楽しみに待つが良いよー、先生としてー縁くんもー本の虫にしてあげようー 』びしっと指を突き付けながら告げた言葉は自信満々で_______帰国した翌日、約束通り彼女は君に何冊かの本を貸すだろう。中には、続きが読みたいとなってしまうような長編作品まで織り混ぜて。/〆)   (9/3 13:41:12)

Yuri・Annabel> 
( 白のYシャツにシンプルな黒のベスト、同色のショートパンツから伸びた足のホログラムはタイツで覆われ、同様に両手には革の手袋が嵌められていた。髪はきゅっと高くで絞って、人より随分と長くなってしまった耳が見えてしまうけどやむを得ない。だってこの方が〝気合いが入る。〟寮の入り口で少女は拳を固め、ふんっと息も荒くガッツポーズの様に脇を締めて気合い十分。ちらりと入口を見ては、随分と手に馴染むようになった懐中時計を眺め───という行為を、一時間近く続けていた。一連の動作の中で、時折足踏みをしたり、くるくる回ってみたり、うんっと身体を伸ばしてみたり、そんな動作を混ぜながら、とにもかくにも落ち着きがない。というのも………寮の入口から出てくる人影、それが目的の人物であってはぱっと眠たげな瞳を覚醒させた。『 おはようー?こんにちはー?まあーどっちでも良いけどー、縁隊員はー本を迎えに行く準備はバッチリかねー? 』 たたっと駆け寄る足取りは軽く、無駄がない。そう、何せ今日は本を迎えに行く………基、色々な本を見たり買ったり、それ以外にも色々しちゃう日。けれどやっぱり大本命は本を見ることで、その為に並々ならぬ気合いを注ぐのは彼女からすれば当たり前だった。)   (9/11 23:49:20)


坂入縁> 
出かける前に、今一度玄関先においてある姿見に目をやる。そこに映るのは、未だに二年前に亡くなった“彼女”の面影である。体格に加え、趣味嗜好までも当時の“彼女”に似つつあり、そのあたりは慣れてきていたが、この顔だけはまだ慣れそうにない。違和感を抱きながらも、今日も財布と腕時計を持ち、いつも来ているコートとスラックスの服装で出かけるとする。色々拘りを持たないようにしているつもりだが、“彼女”の影響か、普段は持ち歩かないようなハンカチやティッシュに加え、化粧直しのコンパクトやいくつかの飴玉などのはいったポーチも、無意識のうちにコートのポケットの中に入れてある。それはさておき今日はユーリとの約束のある日。大方時間があれば、普段は一人で大通りなどに行っては人の行動やらを観察するのが趣味だからか、こうして誰かといっしょに任務以外ですごすのは新鮮な感じもする。と、思いつつ待ち合わせの寮の入り口には、“準備万端”というような彼女が立っていた。「――――――あぁ、おはよう。今日はよろしく、」「…………迎えに、か。まあ目ぼしいのがあったらいいな。」……………いつものごとく“愛想良く”ふるまおうとも思ったが彼女の前では一回素を見せているんだったなと思い、少し口数も少なくなった。「……………じゃあ、行くとするか…?」   (9/12 00:29:05)


Yuri・Annabel> 
本の懐はねー、深いんだよー? ( それはめぼしいものがない訳がないという本への信頼及び自信。ぴんと指を立てて語りかけたが、貴方の出発のサインに時は金なりをはたと思い出せばその指はみるみる内に萎んでいった。『 んっん、そうだねー行こうー。 今日はー、一先ず3つの本屋さんに行ってみようかなって思うんだよー。1つ目はモールの中にあるおっきな書店でー、2つ目は商店街にある古本屋さんー、最後にー個人で出版されているものを扱ってるぅ本屋さんー。定番とー、お宝発見の2つで行ってみようかなーてねー。』いざ出発となれば足取りは軽やかに。道案内をするように、歩幅は半歩先を行く。そうしながら3つ指をぴんと立てて、彼女は貴方の顔を覗き見た。1つ、2つ、3つ、場所を話す度に思い浮かぶ書籍の数は多く、それだけでもう夢見心地。無限に上がる口角に、置いていかないように気を使っている足取りは正直な所走り出したくてしょうがない。それに呼応するように、長い耳の端がぴこぴこ揺れていた。1つ目までの道のりは貴方でも馴染み深いものであっただろう。徐々に増える人通り、休日だけあって車も多く、着いたモールの駐車場はみっちりと隙間なく埋まっていた)   (9/12 00:49:13)


坂入縁> 
「……………本屋だけで三か所も行くのか…?」本を選ぶくらいだろうという感覚でいたのでその意気込みは予想外だった。最後に出された古本屋以外は行ったことはあったが、その拘りから察するにそれはもう“本”目当てというよりも“本屋”目当てではないか。などと思いつつも、彼女の軽い足取りに合わせて歩みを進める。ふわふわと本へ思いをはせては胸を躍らせる彼女を見ていると、特徴的な耳も相まってか、身長的な差もあってか小動物の様が思い起こされる。しばらくすると目的地にはたどりついたが、予想はしていたが中々の人混み。「……今日はさすがに混んでいるな…」他に本屋はあるというのに、こんな人混みにもお構いなしに闊歩する君についていく。「何か目当ての本でもあるのか…?」一応なんとなしに聞いてみる。   (9/12 01:24:38)


Yuri・Annabel> 
( ぐるんっと勢い良く振り返った彼女の瞳は困惑していた。けして本屋だけでも、3ヶ所もでもない。なんなら書店によって力を入れている出版社の本は違うもので、写真集を多く扱う書店もあれば全く扱っていない書店もある。料理人が違えば味が違うように、本屋によって取り扱う本のレパートリーには違いがあるのだ。金魚のように唇を戦慄かせて、とはいえ、これが常識でも、常人の感覚ではないことも、……流石に、流石に、分かっていたから。『 ………売ってる本がね、違うんだよー。こういうところの本屋さんはー、うんー、大体の本があるねー、けどー、古い本はもう売ってないのとかもあるしー、小さな出版社さんの本だとー売ってないことも多いんだよー。そーしーてーーーっ、そーいう本はー変わったものが多いのさー 』なんとか語尾を伸ばして、ゆっくり、ゆっくり、捲し立てないように言葉を紡ぐ。語り終えた頃には息を吐き出して、さながら、煙を吐き出す蒸気機関車だった。人混みの多さもなんのその、小柄な体とヒーローとして培った洞察力を無駄遣いして、通りやすいルートを模索する。彼女の後ろを付いていけば、一先ず人混みに呑まれることはないだろう。『 この中の5………7割はきっとー、本を買いにね、来た人だよー。』盲目に、そして自信は満々に。恐らくそんな訳はない。『 今日の目的はー……………取り敢えずー、縁くんのお眼鏡に敵う本を見付けることーだけどー、………………全部の棚は、見たいなぁ…………。 』到着した本屋は学校の図書室よりは広く、そして街の図書館よりはやや狭く。ただ入口付近だけでも所狭しと新品の服を着た本が並んでいた。それを見てしまったらもう、大好物の餌のパーティーを前にお預けさせられている犬でしかない。貴方と本棚の間を視線は忙しなく移動して、一応リードを預けてはいた。暴走する自信があるために。)   (9/12 01:43:00)


坂入縁> 
彼女の本への愛を語っているのを、はあ、だとか、へぇ、だとか曖昧な返事を返しつつ、人混みの中をまるでレールが引かれているかのように、すんすんと速度を緩めない彼女のその小柄な体を見失わないようにしてついていく。もう少しゆっくりでも本は逃げないだろうに。と小言を言いそうになったが、言ったところで彼女の耳には入らないだろう。あの長さからして、“届かない”のではなく。―――――このエリアの半数は本目当てだと豪語するその目には、書籍たちはどう映っているのだろう。まるで宝物を見つけたかのように、目を輝かせては周囲の本だなを眺めているにも関わらず、なおも“自分へのオススメ本を探す”というミッションを遂行しようとしてくれているのが、有難いやら、ここまでくると申し訳ないやら。「―――――まあ俺は俺で何か適当に探したりしているから、君の好きにしてくれて構わないぞ………………ただ、まあ見失わないようにはしたいから、どの辺にいるかとだけ教えてくれたら………」この声も耳に入っているか定かではないが、彼女のその知識への愛情を止めるすべは持ち合わせていない。というか止めるのが無礼にも思えてきた。――――――にしても、と、先が思いやられつつあるが、自分も本棚へと視線を移す。なにぶん彼女のオススメしていたファンタジーやらフィクションやら……………いわゆる文学作品とやらにはとんと手をだしてこなかった者である。読書の習慣こそ少なかったが、見てきたものを挙げるなれば、学術書、新書、研究誌、参考書などなど。おおよそ彼女の好みとは合わないジャンルだろうが、この際だから、という体なら彼女の好みにも手出しできそうだ。「とりあえず、あの辺の学術書あたりの棚にはいる、とだけ言っておくぞ。」そういって彼女の視線の先とは反対方向に移動しようとした。   (9/12 02:17:07)