伊藤 優希>
「ないなぁ…」すとん(本を棚に戻す。見渡せば沢山の本がずらっと横一列に整頓されている。カミサマについて、コード理論、小難しい数学書。それらを手に取り、捲っては元の場所に戻す。無理もない。元々作品名も、作者名もなければ表紙すらないのだから。表紙が真っ白な本。中にはとある王子のお話が書いてある。僕はその本を肌身離さず持っている。だってこの本は僕の一部だから。孤児院で馴染めなかった時の最初の友達)「…仕方ないか」(僕は図書館でこの本の作者と同じ本を探していた。誰がいつ書いたのか分からないけど、僕はこの本に助けてもらった。だから、この本を書いてくれた人をいつか知りたいと思っていた。けど、そう上手くはいかないらしい)
「やっぱり無いのかなぁ…そもそもこんなに本があると探すのも一苦労だし」(迷惑にならない程度の小さい声で思わず愚痴を零す。とは言え1日2日で何とかしようという気はない。気長に探してみようかな)「ちょっと休憩しよ」(適当なテーブルのある席に座り、服の内ポケットから白い本を取り出して読む。もう何回も読んだ話だ。そらで言える位には暗記しているけど、それでもやっぱり字を追いたくなるのは、それだけこの本が好きだということ。思わず口角が上がる)「やっぱり、見つけたいなぁ」(と、呟きながら本を読み進める) (5/10 22:14:28)
ピース・オブ・ケイク>
「...恐縮ゥ...なのですがァ。」耳元から、声が聞こえた。単語一つ一つの間に妙に生々しい微かな掠れた吐息を挟んで聞こえたその声。君が懐古し想いを馳せている間。意識が周囲から本へと切り替わっている刹那。そこに入り込むようにしてそれは座っていたのだ。...男だ。男だった。...いや、男なんだろうか...?もしかしたら君はそう思ってしまうかもしれない。細々と困ったように目尻が落ちた目つきと、同じような困り眉。長い髪の毛と肉の少ない痩せた輪郭。女性的、というよりかは男に見えるが、男性的外見が薄い、と言ったような風貌であった。それこそ次の一言、二言のうちに男が別の生き物に変わってしまう、見失ってしまう。そんな風に思わせるような顔つきだった。よく見れば、男の服装もまた奇妙なものだ。室内だと言うのにやけに厚着をしている。それに傘を携えており、手から離そうとはしない。最初こそは違和感もないのかも知れないが。見れば見るほどに不可解な違和感を膨らませてしまう。だが、見なければ彼が瞼の裏で水泡のように爆ぜるのではないか、だなんて思ってしまうかも知れない程である。君の顔のすぐ近くまでに顔を近づけていると言うのに他の人間はこちらを訝しむことも妙な視線を送ることもない。それは彼の独特な雰囲気によるものなのか。それとも彼がなんらかしらの理由...。例えば、奇行であったり、過去であったり、出身であったり。そんなものが原因でそうなっているのかは分かりはしないだろう。「......そのォ...。迷惑、だといけないんです...がァ、ァ...。何かァ...お困りでしょうかァ?」彼の次のセリフだった。先ほどと同じように吐息混ざりの粘着質な声と、ひび割れるような間に挟まれた重低音。相変わらずの申し訳なさそうな表情は未だに君のことをジィッと近距離で見つめているばかりで、離れる気配すらない。だが、彼は君が何かに困っていてそれをもしかしたら手伝えるかも知れない、と言った風な口振りだった。君にとってこれが何かの一助となるやも知れないし、災いであると頭を抱える出来事かも知れない。彼はただ短く要件を述べれば、それ以上話すことはなく、ただ君を見つめながら返信を待つのみであった。 (5/10 22:57:07)
伊藤 優希>
「あわ」(唐突に近くに出てきた男を見て驚く。男?男。多分?最近良く変わった人物に遭遇する。本を閉じて男に相対した。トレンチコートの彼を見て、僕は口を開く)「えっと、そうですね。とりあえず、自己紹介しますね。初めまして、僕は伊藤優希です。1年生です」(困り事を聞いてもらうにも、まずは自分の素性を明かしてから。学校内の人間なのだから、そこまで危険性は無いだろう)「それでですね。困ってる事、と言えば…コレなんですけど」(僕は閉じた本を相手に見せながら、話を続ける)「えっと、この本は僕が孤児院に居た時からずっと持ってる本なのですけど、見ての通り表紙が真っ白で作者も無ければタイトルも無いんです。ただ」(一呼吸起きながら、本の表紙をなぞるようにして、言葉を紡ぐ)「僕はこの本の作者の名前を知りたいんです。でもまぁ、これだけ本があると探すのも一苦労なんですよね…もし良かったら手伝って貰えませんか?」(苦笑しながら相手の目を見て頼んでみる。相手は初対面。もしかしたら断られるかもしれないけど、助けになるかもしれないと申し出てくれてるのできっと助けてくれる…かな?恐る恐るにはなってはいるが、それでも頼んでみる。所謂、ダメで元々、と言うやつだ。) (5/10 23:13:46)
ピース・オブ・ケイク>
彼は君の自己紹介を聞き終えれば、ただ静かに「私はァ...。......これはあまり、必要ではなかったです、ねェ...。失礼しましたァ...。」とだけ言って自分の名前も何もかもを名乗ることはしなかった。それは過剰な謙遜にも見えるし、なんらかの名乗れない事情があるようにも見える。やはりこの男はどちらとも言えない。しかし、どちらでも正しいようにも思ってしまう。不明瞭な男だった。だが、君のその〝悩み〟にはしっかりとした反応を見せるようで、君の一連の話を聞き終える頃にはそっと隣から立ち上がり、君の背後へと回った。そして腰を曲げ君の顔の横から自分の顔を並べるようにしては「...その...迷惑ゥで...恐縮...なんですがァ...。本、見ても...良いですかねェ...?」と申し出た。彼の体はどこか冷たく、近くにいると言うのに距離を感じるようだろう。それは体感と言う意味でも、心という意味でも。彼は無駄話どころか、挨拶や遠慮と言ったコミュニケーションを取ろうとしないのだから。あくまでも君の悩みに対する補助であり、君の苦笑いも本を見る時のどこか遠いところを見るようなしなだれた目つきも。彼は意に介さず、ただ淡々としていた。)(5/10 23:28:20)
伊藤 優希>
「??…そうですか」(相手が自己紹介を省いたのを聞いて少し変わった人だなと思った。でもここ最近会った人もかなり変わっていたし、ここの学校だとそういう人が多いのかもしれない。そして本を借りてもいいかと聞かれたのでにこりと微笑む)「ええ、構いませんよ」(相手に本を渡しながら、繋ぐ)「この本の物語は、記憶を失った王子様のお話。王子様は木々や花、リスや人々に聞いてまわります。『私の生まれた場所はどこですか』」(ああ、覚えている。記憶している。完全に忘れることなどない。僕の中で確固たる記憶を呼び起こす)「みんなは答えます『知らなくても大丈夫。貴方はこの国の王子様なのだから』でも王子様が欲しいのはそんな言葉じゃないんです。王子様は探しました。失った記憶を、探して、探して、わかりました」
(ふぅ、と息を吐いて呼吸を整える)「なかったんです。最初から何処にも。彼には故郷なんてなかった。生まれた場所なんてなかった。彼はみんなの思いで作られた王子様。そうあれと願われた王子様。覚えてる訳ありません。知っている訳ありません。そもそも生まれてすらなかったのですから」(ただあった、というのがこのお話の結末)「王子様は悲しみました。私には、思うべき故郷も、懐かしむ記憶もなかったのだと」(物語はそこで終わる。子供が読むにしてはかなり虚しい。だけど、僕はその物語に不思議と惹き付けられ、今もその物語の残滓に縋っている)「とまぁ、そんなお話です…って読めば分かりますよね。すみません」(好きな物に興味を持ってもらってちょっと舞い上がっていたみたいだ。落ち着こう) (5/10 23:42:36)
ピース・オブ・ケイク>
「...そうですかァ...。」彼は淡白だ。それか鈍いのかも知れなかった。話のあらすじを聞いても、流すように返事するだけだった。彼は本を渡して貰えば、後ろからページを一枚だけ捲り、文字を目で追って。やがて閉じてしまった。そもそもに話なんて興味ないのかも知れなかった。一ページしか読まない。ラストシーンだけを無感情に眺めただけだったのだから。彼は「失礼...しました...。」と小さく謝りながら本を君へと返した。そして、「探してきますねェ...。」それだけ言って君の側を離れていくだろうか。彼はやはりと言うべきか、言葉が欠けている。きっと彼なりにどこか思い当たる節があったのだろう。だが、それを解説するほどではなかった。むしろ、君の探すものをすぐに見つける方が大切であると判断したのだ。彼の足取りはゆったりと、しかし確実だった。陰気な物言いではあるが背中は曲がっていないし、特段に奇妙な点は見当たらない。だからこその愛想なさを感じるかも知れないし、そこに微かな常人というものを感じて安心するかも知れない。君が彼についてこようとこまいと、彼は5分と経たない内に片手に数冊の本を持って帰ってくる。だが、その中に君が言っていたものが無いことは君も直ぐに気づくだろう。文体や内容、挿絵なんかから推測して似たような書き方をされているものをピックしたようだ。しかし、君が持っているその本に作者が書かれていないため、彼が選んだものが正解とも不正解とも言えない。あくまでも似たような本でしかないのだ。 (5/11 00:05:29)
伊藤 優希>
(本を返され、探してきますねと、のそり、という表現が合いそうな動きで探しに行ってくれた彼。名前は知らない…というか教えて貰えなかったけど、根はいい人なのかもしれない。もう少し、交流を深められたら、名前を聞いてみてもいいかもしれない。さて、彼ばかりに探させるのもいけない。僕も探してみよう)「似たような言葉の選び方、挿絵の物は見つかるんだけど…」(手に取っては戻すを繰り返す。どうにもそれらには、あの白い本のような真に迫るようなものが感じられなかった。もしかしたら、作者の渾身の出来があの本なだけで、実際はもう見逃してしまっているのだろうか。それなら、僕が探しているのは作者ではなくて、彼のように真に迫るような本を探していることになる。目的がすり替わってしまっているではないか)「もっと精読して、一致してるか確かめないと…」(そうして探していると、彼が戻ってきていくつかの本を手渡される)「あ、探してきてくれたんですね、ありがとうございます」(それらの本を受け取って、読んでみる。その中でも1冊、気になる本があった。これは、今まで探して近いものを見つけたが、これらがかなり近い。とてもよく似ている。挿絵や、言葉の使い方が酷似していた。なら、と表紙を見るとそこには)「…作者名だけ書いてませんね」(タイトル、愚者の追憶。作者は不明。あぁ、やられた。間違いない。この本は僕の探していた作者が書いたものだ。しかし、彼の匿名性は徹底しているようで、探し物は見つかったが、探している人は見つからなかった、というオチに終わってしまった)「探してきてくれてありがとうございました。結局作者は分からずじまいでしたけど、それでも、きっかけは掴めたと思います。僕一人だととても時間がかかってしまっていたと思うので助かりました」(相手に感謝の旨を伝えて、その本を胸に抱く。折角だし借りていこう。もしかしたらヒントを得られるかもしれないし) (5/11 00:19:11)
ピース・オブ・ケイク>
いくつかの本を持ってきた。幸いなことにこういう物にも〝幻覚〟は作用するようで本を開けば、その上に雨雲と雨が見えていた。閉じている本からもそれぞれに雨音がする。おかげで君が読ませてくれた本と同じような雨の音がする本を選ぶことは出来た。それでも本を開いて確認すれば雨音以外はあまり似ていなかったり、雨音はそっくりだが振り方が違って見える辺り確実にこれだと言い切れるようなものもなかった。だが、君ならば彼にも知覚できないことが知覚できるんじゃないかと思ってそれらしい物を持ってきたのだった。それから彼は頬杖をついて、君が本を確認するのを見ていた。時折、本に目を落とすがそれが長く続くことはなかった。...彼が『愚者の追憶』なんて本をまじまじと見出すまでは。彼は少しだけ、ほんの少しだけ君から目線を外した。きっと君はほんに夢中で気づかないかも知れない。ただ、少しだけ深く息を吐いて。遠くを眺めた。『…作者名だけ書いてませんね』君がそんな独り言を溢す頃にはすっかり元のように気味悪く無表情に君の横顔を見つめた。そして、君が感謝の言葉を言う頃には彼はもう立ち上がって背を向けている事だろう。君の感謝を受け取ることも突き返すことも彼はしない。ただ通り雨のようにさっと降るだけ降って過ぎてしまうのだ。立ち止まることも急ぐこともせずに等速でしか進まない。彼はそういう人間なのだ。 (5/11 00:51:10)
伊藤 優希>
「あれ…?」(いつの間にか居なくなってる)「…今度会ったらちゃんとお礼言わないとなぁ」(思わず苦笑した。仲良く、とまでは行かなくても、会った時に会話する位には話せるようになれたらな)「なんて」(さぁ、本を借りに行こう)「あ、そう言えば」(ふと思う)「あの人はなんであそこに居たんだろう?」(……考えても分からない。まぁきっとたまたま通りがかったとか、そういう些細な理由だろう。そう結論付ければあとはもうそれについて考えることはしない。いつかまた、出会えるだろうから────)〆 (5/11 00:56:37)
ピース・オブ・ケイク>
「...あのォ...。恐縮ゥ...なのですがァ...。」それが彼が君へと向けた第一声だった。君へと話しかけた男は君よりも10センチも20センチも小さく、何より陰気で細々とした声をしていた。男の声は今し方にこの辺りを掠めている通り雨のせいでいつもよりも余計に小さく、そしてあやふやな聞こえ方だった。この日の昼はゆるりとした晩春の温暖に包まれていた。それに鈍麻されていた脳は一向に怠惰にも体を動かすことさえも拒んでいた。ただでさえ、複雑かつ難解な専門的な内容など平生であっても牛歩のようにして理解に苦しむと言うのに。だが、それも一時のこと。授業が終わりもうすぐ帰れる、だなんて学生たちが思い始めた頃に雨がやってきたのだから。春から夏への狭間の時期特有の猛烈な雨によって緩慢な脳みそと放漫な午後の陽気は打ち砕かれた。几帳面な学徒は持参した傘やカッパやらで悠々と帰ってしまったし、調子の良い者や顔の広いものはそれぞれに傘を貸してもらったり入れてもらったりしていた。こう言う時には乗り物で学舎へと通う生徒は特に羨ましがられてるようだった。土砂降りだと言うのにも気のすることのないような人間も一定数いた。どれだけ雨が降っていようが、皆どうにかしていつも通りに帰路へとつく。放課後に残って〜..だなんて青春な話もこんな日にはなりを潜めるらしかった。それは、今こうして二人しか残っていない教室が物語っている。男と君は、同じクラスだろうか。それとも別だろうか。いいや、それもあまり関係ないだろう。もう授業も終わった。生徒も影さえ見当たらない。教師は授業を終えて、自ら研究するなり、部活を監督するなりでほとんど教室にやってくることもないだろう。ただ、この二者間の間に確とあるのは、先ほどの陰気で申し訳なさそうな声と未だに話したことも接点があったこともないと言うことだけである。彼は君が言葉を聞き取れたと判断したのか、それはあまり重要でもないと考えたのか君の返事を待たずして「...傘...。あの...持ってますゥ...?いや...その...素人質問で...申し訳ェェ...ないんですが...。」だなんて妙に単語一個一個の間の低く掠れるような吐息を吐き出しながら陰気に眉を寄せて言った。振り返るときっと彼は君に貸そうとでも思っているのか、傘が握られている。黒くて、無骨で。少々普通のものよりも長いだけのただの傘が。 (5/13 23:08:02)
サムライヤンキー>
(季節の変わり目の、時節柄ジメッたい空気に辟易した。このまとわりつくような、粘土を持つ温い空気を肺に入れるのすら億劫に感じた。)「ッッちィ」「ボケカスがァ…………」(殆どの奴らが帰った教室の窓から窺える、水が入ったバケツをひっくり返したような土砂降り様に悪態を付く。)(馬鹿声張り上げて、斬り裂かんとする勢いで、胸糞悪いあの雲に怒鳴り散らかしたい。そんな我が身いっぱいにして癇癪玉の如き憤怒と願望を何とか綱渡りする気分ギリギリで堪えていた。)(嫌い、嫌いだ。全てが気に食わないし、ムカつくし、なによりなんでもいいから早くぶった斬りたい。)(そんな物騒な危険思想が、この男、ハザンの脳回路、あるいは毛細血管を線香花火みたいにバチバチと灼き切ったところで──────)『...あのォ...。恐縮ゥ...なのですがァ...。』(その時、暗渠よろしくかび臭い声が耳に──────)
『...傘...。あの...持ってますゥ...?いや...その...素人質問で...申し訳ェェ...ないんです「ㅤ声ㅤがㅤ小ㅤせㅤえ"ㅤえ"ㅤえ"ㅤえ"ㅤえ"ㅤえ"ㅤえ"ㅤえ"ㅤえ"ㅤ〜ㅤ〜ㅤ〜ㅤ〜ㅤ〜ㅤㅤ〜ㅤ〜ㅤ〜ㅤ〜ㅤ〜ㅤ〜ㅤッㅤッㅤッㅤ!ㅤ!ㅤ!ㅤ!ㅤ!ㅤ!ㅤ!ㅤ!ㅤ!ㅤ!ㅤ!ㅤ!ㅤ」(遮った!!)(何の脈絡もなしに話の脈を泣き別れにした。)(あな、不幸。)(この男に話しかけたのが運の尽きッ斬り。)(安心したまえ、こいつは君が思っている以上の理不尽贅沢満漢全席だ。)「………………………ンだァァァ、このヒョロガキィィィィ〜〜〜〜???」「テメェの声が、これッッッッッッッッッッッッ…………………………~〜〜〜〜」(無駄に溜める)「ッッッぽッッちも聞こえねぇぇぇえええッッッッッッ!!!!」
「…………………………………訳じゃねェッッ、…………けどォォ……………ッッッ」(………………………ひとしきり、理不尽に怒り散らかしたと思えば、鎮静剤でも静注したみたいに不気味なくらい静まり返って、だから未だに怒りの残り火が燻る眼差しが、ギロリと睨みつけるようにあなたを視界に入れるために移動する。)(そう、この男、キリヤ ハザン。腐っても〝ココ〟、ヒーローを育てるべくの高度教育(コイツの場合はもはや躾)を受けている訳だ。何も無ければそうそう君の足と体を泣き別れにせんべく、牙を向いたろうが、彼の身に刻まれた教育……………躾が効いていた故の変わり身だったのである。)「……………………クソが、クソ、クソッッ」「ンでェ、ンの用ォだよヒョロ助ェ。傘がナンチャラウンチャラって話しかァ?もう一度言え」 (5/13 23:43:55)
Sion・Forsyth>
「___なっ…な、……(時刻は休日の昼下がり、私と…同級生のケーキさんは、とある部屋に突然と閉じ込められてしまいました。どうしてこうなったかと言うと___私にも全くわかりません!!!先ほどまで食堂で居合わせたピースオブケイクさんと昼食を取り、愛も変わらず変わり者同士でくだらない話をし、どうせなら食後の運動に少し校内をお散歩でも…と、誘って…そうです、そこから私が自分のクラスの教室に忘れ物をしてしまったので、ついでに取りに行こうと教室に入って___…………それでどうして、私の前に「〇〇〇しないと出られない部屋」のプレートが飾られて……いえ、いいえ、カミサマだと言うことはわかります。けれどどうしてこう…)___なんでよりにもよって「運命の部屋」な゛ん゛ですかあ゛ぁ゛ぁっっっ!!!」「(思考が理解するのを許さないともがいています。___「DES_5811_JPN、運命の部屋」。これならヴォルカノカリスや鵺と追いかけっこした方が百倍マシと言うものです。なんでもノックをしてその指示に従えば出れるとの事ですが、その指示が…御下品御下劣なものがほとんどだそうで。そして…私のディスコードも恐らく効きません。ドアの前でがくりと膝をつき、ぼそ…っと呟きます。)……こう言うものは、恋人以上でないと楽しめないと、思うのですけれども…(というものの、正直わかりません。お恥ずかしい限りですが、身内が過保護なせいで恋人が出来たことすらないもので。不安だの不満だので青くなった顔を向けて、ケーキさん。貴方に全てを丸投げします。)…………………ケーキさん。ノックしてくださいませんか………………」 (6/26 19:14:02)
ピース・オブ・ケイク>
(「運命の部屋」に送り込まれたことは、驚くべきことだった。彼には経験したことなどなかったし、想像すらしてなかったのだから。)(...だが、それよりも) 『なんでよりにもよって「運命の部屋」な゛ん゛ですかあ゛ぁ゛ぁっっっ!!!』(彼女が、こうも叫ぶことの方が彼の眼を大きく見開かせた。そして、その後にひとしきりの精神的なエネルギーを使い果たしたのか、それとも何か良くないものを想起したのか、桃色というにはあまりにも淡くて光るようなその髪と対照な青い顔を覗かせていたことも。彼の眉を上げさせるには十分だった。) 『……ケーキさん。ノックしてくださいませんか………………』「_あ゛ぁ...ん゛ん゛ッ.....。」(咳払い。少々、驚いた顔と声を隠すために一呼吸。そして、いつも通りに)「...そのォ...恐縮ゥゥ......なんですけどォ...。ノック、した時の結果は...私でも...どうにもォ...。ですので...怒らない、で。下さい、ねェェ...?」(と、形式的に謝る。わかりきったことを、さも申し訳なさそうに上目遣いで。肩を窄めて、それらしく。そして、のそりのそりと、傘を杖のように鳴らしながらあの扉の前へ___)(コンっ...コツリ...)(一回と、少しだけ。中途半端に、切れ悪く。彼はその扉をノックしたのだ。) (6/26 19:26:27)
Sion・Forsyth>
「(___ノックの結果は。『互いに殴り合って勝敗を決しないと出られない部屋』。)___あの…流石に殴るのも殴られるのも嫌、なんですが、その……と言うかあの、ノックしてもらって申し訳ないのですが、もう一度ノック、しても…?(立ち上がり、ぽすぽすとスカートについた汚れを払う。殴られるのが嫌、と言っても…一番恐ろしいのは私のお兄様で。ケーキさんが私を一回殴ったりしたら少なくとも十倍程の仕返しが来るので、この要求は却下させて頂きたいのです。)……ではあの、失礼させて頂きます…ね…?(出来るだけ御上品に、先程の格好悪い姿を拭う様に、ノックを3回。こんこんこん、と歯切れのいい音を立てて現れた次の要求は___、)」 『1分間キスしないと出られない部屋』。「あ゛あ゛ぁ゛………っ!!!(また膝をつき、顔を覆う。この要求を口に出して読めるほどの魂胆が無ければ勇気もありません、羞恥心で泣き出しそうなのを抑え、立ち上がり、扉に蹴りを___、)い゛っっ…!!(入れようとして、転びました。)___もういっそのこと脳挫傷で死んだ方がマシですね…(盛大に転んだまま天井を見上げます。溜息をつき、部屋の中にある椅子に腰掛けて息を吸い上げて__)___この!要求を!呑むつもりは!お互い無いと!思うので!…交互にノックしましょう。相手のせいにするのはなしで、お願いします……(予想もしていなかったセブンス・イクリプスの8日目。下手したら8日目だけでは済まないかもしれません。)」 (6/26 19:40:43)
ピース・オブ・ケイク>
(日頃から思っていたことではあるが。彼女はいつぞやの、悪魔的な七日間からすれば随分と逞しくなっていたようである。どうしたって、あのことは彼女に何かしらの心の傷を負わしただろうに。)『…交互にノックしましょう。』「あ、あ...はい。」(どこかこう言う緊急時でも、そんな風に平凡な思考ができるあたり、彼女の方がヒーローとして、生徒として意識は高いのだろうな、などと思う彼。別に特段に嫌なわけじゃなかった。良いと思うわけでもないが。痛そうに後頭部を抑える彼女も、猛烈な勢いで扉を蹴ろうとした彼女も。自身のような霖雨、積雨ではない。心の奥底で燃ゆるような美しさがあるのだろう、だなんて思い見るにはあまりにも今が忙しかった。) 「で、では...恐縮ゥ...ながら...ならします...ね...。」(___コン、コン、コン、コン、コン)(五回。異様に長く、単調に。)(出た結果は)(『セクシーポーズを習得しないと出られない部屋』)「...。」(きっと、彼女的にはこれもダメなのだろうと。推察しながら、そっと彼女にも見えるように体をのけて、そのプレートを指差した。) (6/26 19:58:57)
Sion・Forsyth>
「…やりませんよ。やりませんよね?片方にさせるのも二人でやるのも私は嫌です!!!ので!!!!もうこうなったら遠慮なくノックをさせていただきます!!!!(こつこつこつ、と早歩きで扉に向かえば、先程より幾分か強く感じるノックを3回。)運命は捻じ曲げるものです!なんのこれしき、ヒーローがたった一つの部屋に膝をつくなど……いいえ、3回も膝をつくことなどありません!!(ぶっきらぼうに、不躾に。悲鳴の様に叫んだ挙句の要求は___、)」『約束を3つしないと出られない部屋』。「___!!…来ました!!来ましたよケーキさん!!これならできそうです!!!(男子中学生思考ならば今までの要求で満足しないものは一つもないだろう。けれど私、腐っても腐っていなくても女性なものでして。ケーキさんだから嫌、という訳ではなく…嫌というより、羞恥心が凄まじいのです。だからこそ此度の要求には軽くジャンプをし、プレートを指差しながら喜んでしまいまして。)ん゛んっ…失礼しました。やっとこさ全うできそうな要求が来ましたので、その…決めましょう。約束事、三つ。(咳払いをし、少し気まずそうにしながらもそう呟く。…もっとも、何を約束するかは決めていないのですが。なんでしょう、こう…一緒にパンケーキを食べる、とかでしょうか。)」 (6/26 20:07:57)
ピース・オブ・ケイク>
「...や、や...約束ゥ...ですかァ...。」(ほら。やっぱり。貴方は、強い人だから。運命の部屋、なんて言葉で飾られた部屋に、本当の運命を知っている貴方が負けるはずがないのだから。彼はそっと貴方の方をいつもみたいに下から見上げるようにして)「では...その...恐縮ながら...一つ...。...〝ここから出たら、授業に遅刻したことを謝ります“か...?...いや...本当に...恐縮ゥ...なんですか...。」(彼はそう言って色々と約束を考える君のことを見守った。約束なんて、どうでもいい。なんだっていい。別に意味があることじゃなくても良い。)「...部屋から出たら空気を吸う...とかでも...。」(なんてくだらないことももう一つ、提案して見せた。) (6/26 20:27:05)
Sion・Forsyth>
「…んん、では…そうですね、〝ここから出たら、今回の件を先生に報告する〟を一つにしましょう。それで後二つは…(椅子にもう一度腰掛けて、腕を組み、落ち着かない様に片手で顎を触りながら悩み込む。__そういえば、ここからほど遠く無い場所に美味しいパンケーキ屋さんが出来たとか___、)約束事、なんでも良いのですよね!…でしたら恐縮なのですが、約束事の二つ目は〝次の休日に一緒にパンケーキを食べに行く〟だなんてどうでしょうか!(私利私欲?そんなことはどうでもいいのです、美味しいもちもちふわふわパンケーキの前では全てが屈するのです、この運命の部屋さえも!ふふん、と鼻を鳴らしながら、「二つ目を強引に決めてしまいそうなので、三つ目はお任せします」と貴方に。)」 (6/26 20:37:36)
ピース・オブ・ケイク>
『〝次の休日に一緒にパンケーキを食べに行く〟だなんてどうでしょうか!』(あっけらかんとしていた。苦難はさったと言わんばかりに。そう言う切り替えの速さも貴方の美徳なのだろうと彼は思った。)『二つ目を強引に決めてしまいそうなので、三つ目はお任せします。』(彼は表情の下で困惑した。扉に背中を預けて、腰掛けた貴方の口元と地面とを何回か視線を行き来させた。彼は、しばらく黙っていた。表情も、姿勢も変わらない。少々に付き合いの長い貴方だからこそ、彼が考え込んでいると思えるくらいにじっとして。)「そ、そのぉ...大変...恐縮ゥゥ...なん、ですけど...。こんなこと...でも、貴方にしかァ...言えないん...ですゥ...。」(そのうちに、彼はそんな風に幾つもの逡巡と、困惑とを纏って。貴方の元へ。まるで、迷ってしまってどうすればいいかもわからないかのような口振りで。話すのだ。)「......では、三つ目は...。」(彼はスッと指を一本、立てて、提案する。申し訳なそうに、静かに静かに。)「貴方が弔った、私の友達が。〝一体誰だったのか〟一緒に考えてくれませんか...?」と。彼は言葉をそのまま、いつも通りに温度なく、低く、のっそりと続けた。「私は...私はァ...。あの時、あの時...確かに...。私の...友達を...か、彼を...貴方に、引き渡しました...。でも、で、もォ...。」そっと息を、彼が喉を鳴らして飲み込むのが静かな部屋に霞むように響いた。「私 は 彼 が。 誰 な の か を 知 ら な い の で す。」「へ、変なことを...言って...その...申し訳、ありせン...。ご、ごめんなさい...。い、いや...ならいいんです。ただの...戯言...ですからァ...。」(彼はそう言った仕切りに、また目を伏せて話さなくなってしまったのだ。) (6/26 21:27:12)
Sion・Forsyth>
「『貴方が弔った、私の友達が。〝一体誰だったのか〟一緒に考えてくれませんか...?』「___それは、」(慌てている訳でもなく。驚いた訳でもなく。淡々と、ああ、貴方の雨はまだ止むことを知らないのだと。貴方はまだ悩まされているのだと。元より小さくは無い葬儀屋の後継、これしきのことで取り乱したりはしない。…これしき、といっても。私の中で良く見かけることかも知れない、と言うだけであって…貴方のその〝雨〟が、小さなものと言う気は無いのです。『私 は 彼 が。 誰 な の か を 知 ら な い の で す。』その言葉さえ、怖いとは思いませんでした。身内に連絡をし、名前や住所を調べることなんて簡単です。けれど、貴方が求めているものはきっとそれでは無いのでしょう。)」「___はい。(至って、優しく。貴方の背中を撫でるように、優しく。貴方に傘を差し出す様に、優しく。)フォーサイス社は、最後までお供致します。お客様に納得頂けるよう、安心して頂けるよう、尽力します。故に___、」「その約束、承りました。」(鍵が、開く音がした。)〆 (6/26 21:36:25)