Lonely・Esuka

Holy shit

Holy> 
(──────────夕刻だった。もしかしたら貴方は買い物帰りだったかもしれない。飛ばされた風船を取り戻すようなほんの些細な日常を守ったあとだったかもしれない。街並みは昼間の陽光、青とクリーム色が抱きしめる昼下がりとはまた違う顔を持っていた。焼かれ、まるで影絵のようになった世界。絵に描いたような沈むゆく太陽が無くなっても寂しくないようにと、子供のために薄明かりを用意したかのような月が出るまでそう時間はかからない。今日という日が沈みゆく。…疑いようもな、『平和』であったはずだ。『平和』〝 だった〟と言い切るに事足りていたはずだ。父親に肩車されてはしゃぐ子供。仕事帰りのサラリーマン。買い物をする主婦。車の通る音。ポシュゥ……と言う音と共にバスからはゾロゾロと市民が降り去る。遠くから聞こえるは電車の音、自転車のベルの音、足音、クラクション、それから。) (それから。)(──────────)『──────────タス、けて……………』(──────────)『ュ、る、して………………………………』(──────────)『【⠀たす、けて】………』 (【⠀─────√─────】 )( 生活に、決して溶け込むこともない、【不協和音】が、貴方の耳には届いただろうか。微細なズレに気付いた人間はそう居ない。もしかしたら本当に【貴方】だけだったかもしれない。無視したって構わない。こういう時は見ぬふりをするのが1番賢い。)(しかし貴方は【その選択を取る】とは思えない。声は、路地裏の方からだ。)『たす、けて………………………』(──────────)『だれか………………………』(──────────)『お願い………………………』(──────────)『【⠀許して】』 ((─────√─────)) 「 ………………………………… 」(もしも足を向けることを選択したのならば、不協和音はどんどんと虚像を実像に、ぼやけたそれらが明瞭になる錯覚に陥るかもしれない。)『たす、けて………………………』(──────────)『だれか………………………』(──────────)『お願い………………………』(──────────)『【⠀許して】』 ((─────√─────))『たす、けて………………………』  

『【─────√─────許して───────√───】』

( 〝 パキッ、パキュッッ………… 〟)( あどけない子供のような声の、ゴール地点だ。貴方は目にすることだろう。ズロォォォォォ…………………………と小さな女の子を中心に、複雑に絡まり合う【食中植物】のような者達を。排泄物と鉄を織り交ぜたような酷い腐臭を振り撒き、胃袋を裏返しそのまま袋状にしたような者たちが脈打つ様を。)(─────√─────)『【許して】』(─────√─────)(まただ、また声が聞こえた。それは少女からか?……否。それはその袋状の、食中植物から聞こえる。中からじゃない。〝植物植物 〟が呼吸をするようにハクハクと穴をひくつかせ、コポォ……と胃液を漏らしながら、呟いている。)(では、この少女は。)「……………………………………………あはァ………釣れちまいましたか????連れねえなァ、釣れねェなァ、吊れねェなァァァッてェェェェェェェ……………………」「 ほりしぃ………………ずうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッとォォォォォォ………………………思ってたところでええぇぇぇぇぇぇ…………………」(後ろを向いていた少女は、ガクンッッ……………と、マリオネットの糸が切れたように前のめりになった後、グルリと脱力しきった様子でそちらを見やり、瞳孔を収縮させる。ジィィィ………………………………と見やる先は貴方、…の目ではなく耳。そう、耳だ。)「…………………………オマエ、人間ですねェェェェェェ………………………ほりしぃともルクレルクとも違う、人間ですよねェェェェェェッッ………………………………」(足元に広がる血痕と彼女のベルベットの液体。彼女が振り返り影がどいたところで顕になる、『蔦に絡まって負傷している市民』と、倒れ込む男2人。スーツを着込み、柄の悪いネクタイをつけている。)(西日で伸びきった貴方の影は実像よりもずっと大きく見せてくれることだろう。飛ばされた風船を取り返す小さな世界はもうおしまいだ。)( サクラダ キョウ。)(今君は。)(【ヒトの生死の狭間】にいる。ネバーランドに甘んじるのはやめておいた方がいい。)   (5/15 21:28:58)


サクラダ キョウ> 
『本当に、気の所為であって欲しかった。』(ただ、いつも通りの日常がいつものように流れていく一日の筈だったんだ。そう、それはレシピ本と調味料、それから卵を2パック程買い終えて家路に着くときのことだった。どんなスイーツを作ろうか、みんなはどんなスイーツで笑顔になれるだろうか、そんなことを考えていたんだ。その、掠れた叫びを見つけるまでは。)(そう、それは本当に砂場の中の一部、ほんの一粒だけが赤いことに気付いたぐらいの、本当に偶然の発見だった。気の所為かもしれない、単なる空耳かもしれない、疲れているだけかもしれない。だが、それを拾い上げない訳にはいかなかった。その赤色は、捨てるには余りにも残酷な色をしていたから。)(声を聞き取った瞬間、足がその方向へと勝手に走り出した。理屈が頭の中を遮る前に、本能が体を動かしていた。)

(声が近づく。)

(夢は、現実に。)

(希望は、絶望に。)

(許しや助けをこう少女の声なんて、聞きたくは無かった。だけど、だけど、──────)( 〝 パキッ 〟)(そこで。)( 〝 パキュッッ………… 〟)(辿りついた。)(『あ、貴方は、なにを、。』)『………………………………………あはァ………釣れちまいましたか????連れねえなァ、釣れねェなァ、吊れねェなァァァッてェェェェェェェ……………………』(『ねぇ、何を。』)『ほりしぃ………………ずうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッとォォォォォォ………………………思ってたところでええぇぇぇぇぇぇ…………………』(『何を、していらっしゃるのですか......?』)(こちらを一瞥する貴方は、なんというか。)(あまりにも。)『…………………………オマエ、人間ですねェェェェェェ………………………ほりしぃともルクレルクとも違う、人間ですよねェェェェェェッッ………………………………』「.............................................俺は。」「......................俺はもう、人間には"戻れない"」「なんだってそうだ。形あるものは、形が変わってしまえば二度と同じ形には"戻らない"。"戻せない。"」「俺は、君のことが誰だが存じあげないが。」(あまりにも。)「傷ついた人の体は治っても、心は二度と同じ形には戻らないんだ。」「少しだけ、そこをどいてくれ。」「傷ついた人の、手当が最優先だ。」(彼はそう言い放つと同時に、勢いよく負傷した男達に向かって走り出した。)(そう、)(君の瞳は、あまりにも綺麗で。それでいて、"残酷な赤色"だったんだ。)   (5/15 22:00:14)


ほりしぃ> 
『..........................................俺は。』『......................俺はもう、人間には"戻れない"』「……………………………………、…………」(貴方がポツリと零した呟きに、彼女は目を見開いた。縦長の瞳孔がまるで生者のようにひくつく。あどけない顔をした彼女は、貴方から目が離せない。耳は人間、容姿も人間、故に気付くことが出来なかったのか。それとも貴方が【不可解な嘘】や【比喩表現】として用いているのか。なんにせよ、その一言、耳にした時の彼女は、以降の言葉なんでどうでもいいと言うように、その言葉ばかりが脳内をグルグルと巡回していたのは明白だ。その証拠に声色は、先程の敵意も、悪意もなく、残されるのは2つの相対した感情。)「……………オマエ………………………〝 カミサマ〟なのか?」(〝 一抹〟の、期待と、不安である。)『───────少ししだけ、そこをどいてくれ。』『傷ついた人の、手当が最優先だ』「……………………ッッ、…」
(だがしかし。) (勢いよく走ってくる貴方に対し、植物を張り巡らせ 壁作り拒もうとしたのもまた、〝彼女 〟である。張り巡らせることに成功したのならば、貴方はその植物の隙間から彼女の姿が見えるはずだ。)(カツリ、コツリ、カツリ、コツリ。) (彼女は後ずさり、2人の人間を引き渡さんと言わんばかりに両手を広げ、植物越しにとうせんぼうをするだろう。)「…………………………手当……???治すってことですかァ…………??人様の晩飯を逃がそうってェ言うんですかァァ………………………??」「…………あのな、あのなあのな、カミサマは知らないんだ、知らないんでしょ、知らないからですよね?そうに決まってる………………ほりしぃは使える良い子ちゃんだって。あのな、あのな、聞いてカミサマ。ほりしぃ、ほりしぃクソほどめんどくせーケド、ちゃあんと『ガッコー』のルールにも則ってるンです。『悪い奴らはとっちめる』…………………コイツらはッッ… 嫌がるルクレルク人のオンナ、店に無理矢理引き渡して、金をむしり取る人間でした。ほりしぃ、見つけました。見つけちゃいました。偉いので、賢いので…………賢いでしょう…………???カミサマ???」「……………………悪い子だから、没収なんて。……………ぁるわけ、ねェですよね?そんな意地悪、しようとか思って、ませんよね???ほりしぃ、そしたら今日も【⠀ご飯が食べられなくなっちまう 】………………」 (貴方が『カミサマ』かもしれないという期待と不安から、声色が震える。自分はカミサマを愛している。心の底から尊敬している。そんな相手が『自分よりも人間を優先しようとしている事実が恐ろしくて堪らない』。彼女の発言に嘘偽りはない。最近の彼女の食事は悪いヤツを主食とする。………しかしココ最近、世界があまりに平和だからか、彼女が盲目だからか『ここ4日間』何も食べていない、そう。食べていないのだ。このままではこちらもこちらで死に孵ってしまう。)「……………もしかして、【⠀嘘 】ついてる?」   (5/16 01:01:39)


サクラダ キョウ> 
『……………オマエ………………………〝 カミサマ〟なのか?』(黒い『何か』が、彼と負傷者達を遮った。)「俺が、カミサマであろうと、なんであろうと。」(燃える。)「俺は、手を差し伸べれば助かる人達を見捨てることは、しない。」(怒りが)「俺はカミサマだが、それ以前に。」(哀しみが)「サクラダ キョウだ。」「人間であろうと、ヒーローであろうと、カミサマであろうと、俺の前で死なせるのはッッッッッッッッッ!!!!!」(どうしようもなく、再燃してしまうんだよ。)「──────────..............」(いつだって冷静に。もう二度と、目の前で失わぬように。)(濁ってくすんだ瞳の色を知るのは。)「───............。」「...............................二度と、ごめんだ。」(自分だけでいい。)「お前は、人を喰うのか。」「.......................何故。」「.........................人は死んじゃえば。」「もう元には戻らないんだ。もう二度と会えなくなるんだ。誰からどれだけ悲しまれようと、その死を悼まれようと、惜しまれようと。」「どう足掻いても、死人とは会えないんだ。」(彼の目元に、影が落ちる。目尻が夕焼けに染まり、ほんの少し燃える。)「俺は皆を死なせない為にヒーローになったんだ。もう二度と誰かを悲しませないために、もう二度と失わぬように。」「それが、俺の"正義"だからだ。」(彼は未だ熱が籠もる眼差しを、貴方に向ける。)「もう一度だけ、聞くぞ。」「お前は何故、人を喰らう。」「アンタの正義は、一体何だ。」(彼は問いかける。貴方の正義を、貴方の過去を、貴方の信念を。斜陽差し込む薄ら寒い裏路地、邂逅した二人の人ならざるものは、それぞれを確かめ合うの。)   (5/25 21:55:41)


ほりしぃ> 
『俺が、カミサマであろうと、なんであろうと。』『俺は、手を差し伸べれば助かる人達を見捨てることは、しない。』『俺はカミサマだが、それ以前に。』『〝 サクラダ キョウ 〟だ。』「………………………………………」(彼女はあからさまに眉を顰め、訝しげな表情をするだろう。 〝 こいつは何を言っているんだ〟そう言いたげな様子で。夕焼け空に当てられた、身を焦がす怒りを孕んだ貴方の瞳が彼女を捉えて離さない。無論、彼女もその場から逃げることなしないだろう。)『お前は、人を喰うのか。』「………そんなん見たら分かるでしょう。ほりしぃは人を喰います。」『.......................何故。』「…………はァ…………?????〝 何故 〟………???」『.....................人は死んじゃえば。』『もう元には戻らないんだ。もう二度と会えなくなるんだ。誰からどれだけ悲しまれようと、その死を悼まれようと、惜しまれようと。』『どう足掻いても、死人とは会えないんだ。』「……………………オマエ、この期に及んで何を言ってやがるンですか????」(…彼女は貴方を睨み、植物を畝らせていた。嗚呼、漸く分かった。貴方はカミサマはカミサマでも、鵺とはまた違う『元人間』で、その『ニンゲン』を捨て切れない 『敵(ヒーロー)』なんだ。 あの7日間、彼女は貴方に何が起こったかは知らない。大きな背中が貴方を投げた後にペースト状になったこと。何故貴方がヒトじゃなくなってしまったのか、…………どうしてそうも『馬鹿―お人好し―』なのか。知らない、分からない、知りたくもない。 )『──────────もう一度だけ、聞くぞ。』『お前は何故、人を喰らう。』『アンタの正義は、一体何だ。』 「………………ハッ……〝 正義〟ィ…………????」(彼女は思わず嘲笑した 口端にたいた血痕を親指でぐい、と拭い 軽く舐めとる素振りはまるで悪魔か吸血鬼。尖った耳から下がったピアスが、ヌラリと気味悪く光る。 ) 「…………………嗚呼、これだから〝英雄(ヒーロー) 〟は。」「揃いも揃って雁首揃えてやれ正義だの 『守らなければならない』だのなんだのォ……………ちゃんちゃらおかしくて反吐が出ちまいますねェェ~~~ッッ……………そんなもんほりしぃに【あるわけねェ⠀】じゃねェですか。 人を喰うのは『腹が減ったから』。 オマエらだって肉を喰うでしょう?鶏肉、豚肉、牛の肉。飯を食う時に一々ンなこと考えながら生きてるバカはそう居ませんよねェェ………………ほりしぃがやってることはそれと同じですよ。ニンゲンなんてほりしぃにとっては餌に過ぎない。誰が死んで誰が悲しんで、何が二度と戻って来ねェかなんてのはどうでもいいッッ………そう、どォォォでもいいんですよッッ……!!!!!下等なニンゲン共はほりしぃに食われて当たり前じゃあねェですかァッ!!!!!!!!!!!!」「ねェどうです????怒りましたか????ムカつきますか?????ムカつきますよね?????? そうそうそうそう そうですよ、それでいいんですよォッッ…………!!!ヒーロー共は弱っちくて脆い奴の傍に常にいるッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ほりしぃに敵意を向けて【当然】なンですッッッッ!!!!!!!!!!!!!!」 (彼女は笑っていた。 そうともさ、貴方のその感情は【間違っていない】。貴方がヒーローである限り、彼女に敵意を向けるのは当然だ。そうでなければならないのだ。ヒーローは弱い奴の味方、『可哀想の味方』であるならば、【強くて賢くて、誰の助けも要らない 、 弱者とは程遠い ほりしぃ】に対して、その目を向けるのは至極真っ当な話なのだ。だから彼女は言ってやった。マリーアントワネット宜しく、それが『当たり前』なのだと。)(………『当たり前』のはずなのに。) 「でェ…………?????あはッッ………………どうします?????ここで方を付けますか???カミサマだろォがなんだろォが、オマエもこっちの敵な以上、纏めて喰っちまっても構わねェッッてことですもんねェェエ゛エエェッッッッ!!!!」(……… )「ヒーローなんざァッッ………!!!!!!!!!!皆揃って死んじまえば良いんですッッッッ…!!!!!!!!!!!」 (それは確かな、……………ニンゲンに対する『妬み』だった。 ) (…………彼女のディスコードが、貴方の方へと向けられる。その身体能力ならば避けられないことはあるまい?)   (5/25 22:43:19)


サクラダ キョウ> 
「............................。」「おま、おまえ。」「...........................、......。」(落ち着け。)「.......、............っっ、 ........」「.......お前はっっ、」(自分で自分の感情をコントロールできない奴に、ヒーローなんて名乗る資格はない。)「────────...........................っ、っ、............」(貴方を見つめる視界が真っ赤に染まる。言いたいことなら、山程あるんだ。『そんな理由で人を殺していいのか。』『悪人なら殺してもいいのなら、この国に法律は要らないだろうが。』『お前は、悪...』脳に沸騰しきった血がめぐり、口を開いて自分の意見を押し付けそうになる寸前。ほんの、すんでのところだった。)(─────────────ポトン。)(鼻先に、ほんの少し、誰かが触れたような。)(ポツリ。)(ポタ、ポト、ポト、ポツン、ポトトトトトトトトトトトト..................)(空が、大泣きし始める。どうやら神様はなにか気に入らないことがあったらしい。)(...........................)(よぉおおおおく似ていた。あの地獄の七日間に。気がつけば降り出していた雨に、目の前で失った瞬間の途方も無いやるせなさ。)(真っ赤な視界が、急激に彩度を取り戻しながら貴方を映し出していく。昼下り、曇り空。呻き続ける瀕死の悪人、そして。)『ねェどうです????怒りましたか????ムカつきますか?????ムカつきますよね?????? そうそうそうそう そうですよ、それでいいんですよォッッ…………!!!ヒーロー共は弱っちくて脆い奴の傍に常にいるッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ほりしぃに敵意を向けて【当然】なンですッッッッ!!!!!!!!!!!!!!』(まるで、自分に言い聞かせているかのような、貴方の発言の違和感。)(彼は鈍感で、不器用で、馬鹿だけれど。でも、考えることを辞めてしまえば、暴力に頼れば、それはきっと本当にカミサマと変わらないから。だから、立ち止まって考えるの。貴方の、その言葉に隠された真意を。)「───────────────────。」「.............、..........。」「ほりしぃ、さん。」(彼は、声にする。)「今から二人で町を歩きつつ、趣深い庭園などに立ち寄りお茶を飲みながら話に花を咲かせませんかっっっ!!!!!」(彼は鈍感で不器用で馬鹿だから、これだけじゃ貴方の本当の心は、その発言の奥底に隠された貴方の本音までは聞き取れない。だからこそ彼は、貴方を知ろうとする。)   (5/25 23:22:46)


ほりしぃ> 
( あは、怒ってる怒ってる。)( そうだとも。貴方は間違っていない。人を殺すのはいけないことだ。それが『お腹が減ったから』たったそれだけの理由で執行されるなら尚のこと。貴方は止めなくちゃいけないんだ。だって貴方は『ヒーロー』だから。彼女の生やした植物が、今まさに貴方に絡みつかんとする。混繰土をも砕くソレに捕まれば一溜りもないだろう。 )(──────────しかし。)『今から二人で町を歩きつつ、趣深い庭園などに立ち寄りお茶を飲みながら話に花を咲かせませんかっっっ!!!!!』「…………………」「…………………………」「…………………………………」「………………………………………………………はァ?」 ( ピタリ、と。その植物達は、貴方の目の前で猛進を止めた。)(雨が、降っていた。 先程までの朱色が嘘のように。まるで〝曇天返し 〟。 )「…………………………【命乞い】ですか?」(彼女は、かつり、こつり、と足音を鳴らし、貴方に歩み寄った。) 「……………………【⠀時間稼ぎ】ですか?」 (意味が分からなかった。)「…………………………………それとも。」「……………………………………【弱そうだと思いました】?」 (だっておかしいじゃないか。さっきまで貴方は確かにこちらに敵意を向けていた。しかしそれが今、〝切られた 〟のだ。喰われてしまわないように、咄嗟に思いついた策なのか。或いは【もしかしたらなにかしらの事情がある】だなんて、淡い期待と偽善にまみれたそれをこちらに向けて来たのか?彼女は腰に手を当て、貴方を見上げて苛立ち混じりの笑みを浮かべた。)「………………とっとと殺っちまえばいいじゃないですか。御誂え向きの舞台でしょうに。『雨』も降り出してやがるんだから。」「つゥか…………………そもそもオマエ。このほりしぃにパチこいてンじゃねェんですかァ…………????『カミサマ』だのなんだの言ったことですよ。……さっきまで『正義がァ~~』だとか『 守らなければならないぃ~~………』とか偉ッッ………そォに言ってたくせにィ。なァにが『趣深い庭園でェ~~………』ですかこの デカブツ。」 ) 「………………………………言っときますけどねッッ………オマエにお情けかけられるほどほりしぃは弱くないんですよッッ…!!!!!!!!!!!!!!良いですかァッッ…………????オマエなんてその気になれば 一口でごっくん出来ちまうんですからね、ラヴィの消化液でもうドロッドロのぐっちゃぐちゃです!!!!!ホントに喰っちまいますよ??????ほらもっとニンゲンらしくマシな命乞いしたらどうです?????それともカミサマらしく『抵抗』したらどうなんですか????????」(彼女は貴方のモノマネを誇張し、尚も馬鹿にしたような口調で口にしたのならば ジロリと睨み上げるだろう。一体どういう風の吹き回しか。自分が下に見られているのではあるまいか。)(『ヒーローだから弱い者の、可哀想の味方にならなくちゃ』『相手を知らなくちゃ』)(………そんな意志の元で歩み寄ろうとしているのではなかろうか。だったら此処で殺された方がマシだ。だって絶対絶対負けるはずがないもん。) (彼女は目の前のカミサマに、本当はカミサマじゃないんじゃないのと疑いをかけつつ、脅すように自らのディスコードを貴方の頬に這わせようとするだろう。   (5/25 23:53:18)


サクラダ キョウ> 
(辺り一面を優しく撫でるような驟雨に、地面はほんの少し淡く輝く。)「【命乞い】、じゃない。俺は自分の命など【惜しくも無い】。俺一人の命で誰かを助けられるなら、それ以上の幸福などない。」(目の前で命が失われる感覚。)(自分の目標が、憧れが、『ヒーロー』が。その命の光が、消えてしまった所を、彼は知っている。何を恐れることがあるだろうか。何を怯えることがあるだろうか、何を惜しむことがあるだろうか。一番怖いのは、自分以外の『正しい人』が、理不尽な力に押しつぶされることだ。救うことだけが、自分の存在理由だ。)(次に。)「【時間稼ぎ】、それも違う。俺は一刻も早く君の後ろで息絶えようとしている方々を助けけなければならん。俺は君の時間を奪いたいなどと、微塵も思っていない。」(最後に。)「【弱そうだ】なんて、思わない。というか君が強いか弱いかなんて俺はまだ知らないし、だからこそ話し合いたい。」(彼は貴方の側で苦しむ人に、『ほんの少しだけ待ってください、直ぐに助けを呼びますから。』とつぶやいて。「『正義』とはなんだと思う。悪を悪と見なし、戦うのが『正義』?───────否。それは相手からすれば自分こそが『正義』であり、敵が『悪』だからだ。なら、弱者の為に、蹂躙する者を倒すのが『正義』か?────────────" 否 "。断じて"""否"""だ。それは盲目で自己中心的な自己満足に過ぎない。」「『正義』は、誰もが持つ【希望】。それぞれが異なる『希望』を、『理想』を持つ。だからこそ皆ぶつかり合うんだ。自分の『正義』を貫き通す為に。」(彼は左腕を高々と掲げて、呟く。)「"ティンカーベル"。」(左腕に装着された腕時計から、光が溢れ出す。紫陽花色のリボンがひらりくるりと回りながら彼の足元で球体を成し、やがてそれは小さな小さな人形となった。)「俺の『正義』は。」「誰もが自分の『希望』を叶えて、なおかつ誰も苦しまなくてもいい世界を目指すこと。その為に、決して諦めぬこと。誰も、傷つけぬこと。」「そして。」「もう誰も、死なせないこと、です。」(彼は眼の前に顕現した小さな魔法使いに、スマホを手渡した。)「今から、俺のディスコードであるこの子に助けを呼んでもらいます。邪魔をするのなら、俺も貴方と戦わざるを得なくなる。だが、その前に。」「貴方と【話し合い】をしたい。【分かり合う努力】をする前に戦うなんて、貴方の嫌いな『人間』と同レベルだ。」「選んでください。」「俺と『今から二人で町を歩きつつ、趣深い庭園などに立ち寄りお茶を飲みながら話に花を咲かせ、【分かり合う努力】をするのか。」「今まさに救急車を呼ぼうとしているベルを倒し、何も考えずに自分の利益だけを考える、『人間』と同じレベルに落ちるのか。」(魔法使いはスマホをあどけない手付きで叩き始めている。彼は貴方を、知ろうとしている。貴方の後ろで、『食材』がうめき声をあげている。)(驟雨は、貴方をも優しく受け入れる。)(【貴方は、どうする。】)   (5/26 18:18:54)


ほりしぃ> 
『正義』とはなんだと思う。悪を悪と見なし、戦うのが『正義』?───────否。それは相手からすれば自分こそが『正義』であり、敵が『悪』だからだ。なら、弱者の為に、蹂躙する者を倒すのが『正義』か?────────────" 否 "。断じて"""否"""だ。それは盲目で自己中心的な自己満足に過ぎない。』「…………………………………」(『俺の『正義』は。』『誰もが自分の『希望』を叶えて、なおかつ誰も苦しまなくてもいい世界を目指すこと。その為に、決して諦めぬこと。誰も、傷つけぬこと。』『そして。』『もう誰も、死なせないこと、です。』『貴方と【話し合い】をしたい。【分かり合う努力】をする前に戦うなんて、貴方の嫌いな『人間』と同レベルだ。』『俺と『今から二人で町を歩きつつ、趣深い庭園などに立ち寄りお茶を飲みながら話に花を咲かせ、【分かり合う努力】をするのか。』『今まさに救急車を呼ぼうとしているベルを倒し、何も考えずに自分の利益だけを考える、『人間』と同じレベルに落ちるのか。』 「………………──────────チッ………………………【⠀〝 戯れ言 〟⠀】を。」
(………希望論だった。夢物語だった。誰も傷つけたくない、死なせたくない。だから平和的に解決しようだなんて。きっとあなたの言葉の一つ一つは、世間一般的には『正しい行い』に違いはなくて、その子供の可愛い悪戯のようなディスコードで、春風のような煌びやかな魔法を届ければ誰もが笑顔になるんだろう。)(【それが気に食わない】のだ。)( 貴方は気付いちゃいないのだろう。その言葉の一つ一つが、彼女の【全て】を否定していることなのだと。 その綺麗な言葉が、眩しいほどに真っ直ぐな目が、彼女の小さなプライドと、『生きる理由』を削っていく行為なのだと。当然だ。彼女から見れば貴方も同じ。【傷ついた輩(弱い奴)を護るヒーロー】じゃないか。)(彼女は1度ディスコードを降ろし、だらりと力なく同時に腕も降ろした。乾いた唇からあどけない声が小さくこぼれる。)「………………………………分かり合う?」「……………それこそ無駄じゃありませんか。ほりしぃは先に言いましたよねェ……………【お腹が空いたから食べている】のだと。でもオマエはそれでほりしぃに敵意を向けかけた。その時点で【分かり合えっこ】ないのです。」「……………ヒトを食わなきゃ死に戻る………………オマエはほりしぃの【⠀生⠀】を最初から【否定】してるンですよッ……」「………………分からなかった?気付かなかった??傷ついてる人を見ていて放っておけなかった???【たったそれだけの理由】でニンゲンを食おうとしているのは理解が出来なかった?????〝」「…… オマエの夢物語はなァッ……………ほりしぃに〝 生きるな〟と言っているンですよォッ……………」「……………──────────でも、良いよ。ほりしぃ、オマエなんかに分かってもらおうなんて思ってないから。」「オマエに【期待】なんてしてないから。ほりしぃには【⠀ママ達⠀】がいるから。」「オマエに否定されたところでほりしぃ、⠀【死にたい】なんて思わないから。」「……………せいぜい弱っちくて雑魚の味方であればいい。」 「………………………………………〝 ヒーロー 〟なんて、大っ嫌い。 」
(顔を上げた彼女が ヘラァ、と脱力して笑った見せる。 雨で顔が濡れている。 頬から滴り落ちるそれは床に溶けて消えてしまった。彼女は貴方に歩み寄り、小さく握りこぶしを作り殴ろうとするかもしれない。腹いせだった。何度も何度も何度も、拳を貴方の胸板や腹に入れようとするのは。)「………………………オマエも、どうせ口先だけで誰も守れやしないにきまってるんです。オマエがとっとと死ねばいいんだ、死んじゃえ、消えちゃえ、いなくなっちゃえ、嫌われちまえみんなに、世界に。」「オマエなんて、 ほりしぃがいずれカミサマになったら、けちょんけちょんにして、喰っちまって、それで、それで、──────────………………」「……ッ………【ママ達】に、言いつけてやるからッ……………ママ達の言う通り、ヒーローはみんな【⠀最低⠀】だってッ……………………」 ( 何故今、この隙に貴方を喰わないのか。捕まえた餌たちをくわないのか。自分にとって正しい行いが【正義】なら、それとそぐわぬ行為をする輩が居れば【悪】と見なし 潰しに掛かるのがニンゲンだと言うのを【誰より理解している】からだ。【⠀ニンゲンと同じレベルに落ちるのか 】その言葉がどうにも気に食わなかったからだ。お茶なんて飲めない。だってバレたらママ達に怒られる。趣深い庭園なんて行かない。 オマエが嫌いだから。 )(だから話した。貴方が正義を語るように。自分だって『生きたい』のだと。)(でも貴方の事が許せないから、殴らずには居られないのだと。)   (5/26 19:27:46)


サクラダ キョウ> 
(雨は、降り続ける。貴方が、声を出す。)『ほりしぃは先に言いましたよねェ……………【お腹が空いたから食べている】のだと。でもオマエはそれでほりしぃに敵意を向けかけた。その時点で【分かり合えっこ】ないのです。』『……………ヒトを食わなきゃ死に戻る………………オマエはほりしぃの【⠀生⠀】を最初から【否定】してるンですよッ……』『…… オマエの夢物語はなァッ……………ほりしぃに〝 生きるな〟と言っているンですよォッ……………』『オマエに否定されたところでほりしぃ、⠀【死にたい】なんて思わないから。』『………………………………………〝 ヒーロー 〟なんて、大っ嫌い』(貴方が彼を殴ろうとすれば、彼はもう避けないだろう。けれど。貴方の拳は、彼に届くことはない。)(貴方の拳は、彼の【映像転写】をすり抜けるだけだ。)(もう、分かったでしょう?)(彼はすでに、ディスコードを使っている。その上での、人ならざる者の歪な力。)(貴方の拳は、空を切る。)(なんども、なんども。)(彼はそんな貴方に、それでも【夢物語】の続きを語ろう。)「確かに俺の『正義』は【夢物語】かもしれない。誰もが理想を叶えるなんて、到底無理な話かもしれない。」「─────────だがな。」「【夢物語】というのは。"誰もが夢を見れる"からこそ【夢物語】なんだ。」「確かに、最初は君を『知らなかった』から、人から命を奪う君に怒りを覚えた」「でも、も、君は【話してくれた】。」「結果として、君はあの輩を殺していないだろう。」「結果として、俺は君と戦っていないだろう。」「俺はカミサマだけど、『神様』じゃない。まだ俺は君と分かり合えてはいないかもしれないけれど、それでも俺は。」(彼は、自らの腕の皮膚の一部を食い千切った。そして、持参していたコップに血液を、一杯分。その腕から、垂らしたんだ。)「君に、幸せになって欲しいんだ。」(コツン、コップは貴方の真横に置かれた。蹴飛ばされたって、今はいいから。分かり合えるって可能性を、捨て切らなければ。)(ぱらぱらぱら、柔らかな雨の音の向こう側で、微かに救急車のサイレンが鳴り響く。二人の邂逅は、そうして幕を閉じた。)【〆】   (5/26 20:25:19)

ほりしぃ> 
(【Holy shitは 『劣等』を、何よりも呪っていた】)(キ──────────ンコ━━━━━━━ンカ────────────ンコ⎯⎯⎯────⎯⎯⎯ン)( 3時40分、チャイムがなった。放課後、朱色と古びた紙の匂いが充満した図書室内。書物がまるで都市部のビルか、あるいは生い茂る木々のように建ち並んだそこは、逃避行でもタイムトラベルでも、どんなところよりも『知識を得る』には打って付けの場所でしょうに。ビル街のように車の音が煩わしく鳴り響く訳でもない。森のように鳥のさえずりが聞こえる訳でもない。シン、と静まり返ったそこに来るのは根っからの本の虫か、或いは…………………………)「~~~~~ッッッ゛!!!……、クゥッッッ………………己ェ、人間めッッッ…小癪な真似をしやがりますねッ………………このほりしぃを一体誰だとォッ……思ッ………てッ……………」(熱心な『信徒』であるか。)(その軍人のような格好をした女は椅子に登り、ぐぐぐぐぐッ………と腕を伸ばし、なにやら本棚の前でぷるぷると震えていた。片腕には数冊の『カミサマ』に関する本。そして伸ばした手の先にもまた、彼女の「お目当ての本」が1冊。悲しきかな、143cmの彼女は椅子を使ってもそこには届かないのである。これは何かの陰謀か?こうして自分が来るのを想定して、わざと誰かが置いたのか?クソッタレ、これだから人間は……と内心で悪態をついているのは言うまでもない。)(そして、そのいかにも不機嫌な彼女にもしも、誰かが気づいて物音ひとつ、あるいは声でもかけてしまったのであるならば、きっと彼女はピタリと止まり。顔のみをそちらに向け、ジロリと睨みながら口にするだろう。)「……、……おい、テメェ……何見てやがんです?????」   (5/19 21:56:14)


ベニタ> 
(授業の終わった、明日また授業に耽るまでの憩いの時間。図書館は、新刊の無臭と、古本のほんのりと甘く心を撫でる匂いと、敷かれたカーペットから漂う埃の匂いで満ちていた。宙に舞った塵らが窓から、照明からの光に照らされまるでレンズフレアのように幻想的。しんとした空間に、時折遠くからカラカラ、と大きな脚立のキャスターを鳴らす音がする。音が近づいたなら見ることができるだろう、正体見たり、それは点滴を連れ回す病人のように徘徊する少女だ。)(からから、音が奇妙な邂逅に導く。右には片手で抱えた掌サイズの二冊の本、左には自身の身長ほどもある脚立を侍らせ、捜し物と貴方の待ち構える角を曲がった。)(がらっ、と、心なしか一際大きくキャスターは鳴いた。暫くはその姿を眺め、見入っていたように思う。自身よりも小さな背丈の、さながら軍人のような女の子が椅子に登っていた。一目で、本棚の上部にある、この広大な本の中の何れかを求めて手を伸ばしていることは火を見るより明らかであった。力を込めて震えていた脚も、伸ばした手の先も止まり、首の上が動く。)「────あの、違うの!」「そこの───後ろの、本!とりに来たんです」(大蛇をも凌駕した、その赤々とした双眸でぎろりと睨まれれば、かわずでなくとも怯むことだろう。無論己もそうである。望みの場所を視線で訴える。声は…震えていただろうか?貴方の果てまでも追うような偵察の瞳から逃れるように、更に進んで一つ向こうの本棚から目当ての本棚へと迂回する。幸いにも捜していた本は低い位置にあった。脚立を通路の端に寄せ、できる限り縮こまって、“カミサマ”に関する──少し子供向けの歴史書を手に取る。──貴方がその目を再び彼女へ移したならば、その始終を見ることだろう。)   (5/19 22:28:47)


ほりしぃ> 
『────あの、違うの!』『そこの───後ろの、本!とりに来たんです』「……………………………、…………」(震えた声だった。同じ赤目を持つはずなのに、貴方の瞳は兎のように愛らしく、それでいて惨めったらしく驚愕していたのは目に見える。彼女は貴方の発言に目を細めたのならば、椅子から降り、長い長い髪を揺らしながら かつ、こつ、かつ、こつ、と貴方に歩み寄った。もしかしたらあなたは後ずさるかもしれない。しかしそんなのもお構い無しと言わんばかりに、彼女はあなたが下がれば同時に詰め寄り、ずい、と顔を近づけるに違いはない。髪が耳を隠していようもんなら、それを梳かすようにどかしてしまうかもしれない。なんせ彼女が見やるは貴方の顔……ではなく、〝 耳〟なのだから。 不躾にも彼女のやる行いは、彼女自身は至極当たり前のことのように思っているらしい。) (『平和を愛するジャンヌ・ダルク』じゃあ到底検討もつかないだろうさ。耳を確認した後に、更に顔を近づけ、餌を見つけた獣のように〝すん 〟と匂いを軽く嗅ぐところも、貴方の両頬を片手で挟み込むようにしながら上を向かせて、喉元を見やる瞬間も。拒めない力加減ではない、貴方が嫌ならいつでも振り払えばいい。彼女は一通りの、医者で言うところの触診のようなものが終われば1つ。)「……………………………………ふゥーーーーーーーーーん……………………。」「オマエ、【人間】ですね。」( …声を、漏らす。)(それから、貴方から手を離し一歩下がっては 長い髪を手の甲でサラリと触れ、フルリと震わせながら こう言った。)「……………………………ま、いいですケド。………人間。オマエ、ちょうどいい所にきやがりましたねェ? そんな無様に怯えなくとも、別に取って喰いやしねェですよ、『今』は。…………………ただオマエにこのほりしぃから1つ頼みがあるんです。人間に頼むのは非常に癪ですが。」「……………そこの本、オマエ。取ってきてほりしぃの所まで持ってきて貰えませんか?」(一体何様なのか。きっと彼女は顎を使い、くい、と先程自分が取れなかった本を指し示して 『早くとってこい』と促すんだろう。全く今日は厄日だね。)   (5/19 22:49:30)


ベニタ> 
(奇跡の英雄を準えた、まだ仕込み途中もいいところのヒーローは踞る。近くなった地面から余裕を孕んだローテンポの足音が響く。“カミサマ”について記したレポート──のような、学会等に提出するには足りない、もっと砕けた文書が、床に置いていかれる。後退る足音もまた、ヒールの音。感じた威圧感は背丈よりずっと大きかった。追い詰めるような上目遣いは恐ろしかった。すぐ後に触れた爪は、無情な氷の女王を彷彿とさせた。耳の縁をなぞった時に、痛覚が目覚めて目をきつく閉じた。ピアスも開けておらぬ柔な肌には些か刺激が強い。──手が一旦離れると漸く、震える程に籠っていた力が何処かへと雪崩れ落ちていく。恐怖と一緒に閉じ込めていた肺の中の息が脱出口を見つける。肩で息をしていると、そんなことはいざ知らず。)「う゛」(黒い手袋に覆われた手に頬を摘ままれた。彼女の気が済むまで、此方には全くもってわからぬ事が終わるまでずっと為すがままだった。異様さを認知できてもその理由までは処理しきれない。『…………………………………ふゥーーーーーーーーーん……………………』。ため息のような声の後に、種族を問われた。──何故?)「うん」(答えを探そうと脳が働く中、コミュニケーションの意識は辛うじて返事だけを通した。──そうか、耳長だ。髪を揺蕩わせる仕草に顔へと意識が向いてやっと気がついた。『……………そこの本、オマエ。取ってきてほりしぃの所まで持ってきて貰えませんか?』。散々と奇妙な言動を晒した後に遣ってくるのが頼み事とは意外だった。何があるかわからない。しかし自分を頼ってくれたのだ、無下にするわけにはいかない。異論を慎みただ頷いて、ヒールを脱げば彼女と同じ様に椅子に登る。) 「…………はぁ」(微妙に届かない、脚立を取らなくては。二度手間に苛立ちため息が出た。……いつもなら出ないのに。ストレスの原因はそこの監視役に決まってる。意識すれば先程のやり取りは鮮明に蘇る『そんな無様に怯えなくとも、別に取って喰いやしねェですよ』『『今』は。』。────“今”はとって喰いやしない?じゃあいつか食われるの?これが終わったら?頭が考えを進める度に頼まれた本を取るのが怖かったが、視線を送れば依頼人は威厳たっぷりに遂行の時を待っている。逃走などの企ては、観念するが吉であった。)「ホリシィちゃん。これで良かったかな」(脚立を降りながら、本を両手で持って爪先でヒールを履き直した。近くで待つ貴方の正面に向かって本を差し出す。──表紙に記された題名を見て、ふと声がついて出た。)「カミサマのこと、調べてるんですか?」   (5/19 23:39:03)


ほりしぃ> 
(長い睫毛を伏せて、貴方は 文句1つ言わず、彼女の『お願い』を、『要求』を呑み込んだ。カツリコツリとその場で靴を脱ぎ、椅子に登る。身長は貴方もそう高くはなく、手を伸ばしても1度目は届かなかった。彼女はその様子を後ろで見やりながら腕を組み、カツカツカツカツカツ、と足を鳴らしているのがよく分かる。まるで早鐘を打つメトロノーム。口で言わずとも『急かしている』なんて意図は容易に汲み取れるはずだ。)『ホリシィちゃん。これで良かったかな。』(漸く、と言うべきだったか。貴方は彼女の言う通り、指定した書物を此方に手渡してくれた。重厚な冊数とワインを零したかのような品のある赤色。金色の文字で記された文字はラテン語、すなわち『失われた文字』である。)(──〝origo dei 〟──)(彼女はその文字をチラリと見やったのならば 目を細め、フン、と鼻を鳴らし、パッ、と軽く奪い取る形で受け取った。)「ええ、それです。なンだ。ちゃんと出来るじゃあないですか。『人間』の癖に。 」( 本を受け取れば、貴方に対する用事はどこを探したって見当たらない。ここからは彼女と貴方はまた赤の他人に戻ることだろう。否、そうでなければならなかったのだ。)『カミサマのこと、調べてるんですか?』「……………………、……………………」「………………ね、人間?オマエは。」(踏み込んだのは、貴方の方からだった。 今まで笑みをひとつも浮かべなかった彼女の口は依然として下がったままである。放っておけばいいものを、おずおずと、それは小動物のようだった貴方が人間特有の好奇心を、香水に交えてほんのりと漂わせては、朱色に溶ける前に彼女は言葉を拾い集めてしまったんだから。)「…………………──────────オマエは、『カミサマ』のコトを、どう考えで?」「………………そういうオマエこそ、調べに来たんですよね?『カミサマ』のコト。………何故です? やはり、オマエも…………………『報酬』や、『討伐』が目的ですか?」(ジィ……………と、彼女は貴方を覗き込んだいた。朱色より色濃い赤色が、貴方を閉じ込めて離さなかった。これは密やかに抱かれた、1つの期待でもあったのだろう。貴方の片手にも、彼女とは別の「カミサマ」についての書物が握られている。 )   (5/20 00:02:48)

ほりしぃ> 
(………──────────カツ、カツ、カツ、カツ、カツ、カツ…)(長い長い廊下の奥から、懐中時計の秒針に混ざり合うように誰かさんの足音が聞こえることでしょう。ふんわりと惜しみなく生クリームをたぁっぷり絞ったようなツインテール。イチゴジャムとブラックショコラを使ったケーキのようなミリタリー衣装。そして小柄なその容姿、華奢な腕に抱えられたのはカゴいっぱいの林檎なんかじゃあなく………不釣り合いな『資料の塔』。頭一つ分は軽く抜けているでしょうか。これだけ積んでれば、恐らくは彼女の方から前方を確認することは難しいに決まってる。でも、彼女はそれが寧ろほんの少し〝 良かった〟と思えていた。だってこれなら、周りの生徒に顔を見られることも、周りの生徒の顔を見ることもほとんどなくなるのだから。)( ……嗚呼。これで周りが静かなら、〝 もっと素敵〟だったのに。 )(寒天ゼリーみたく切り取られたオレンジ色の西日は、惜しみなく自分を抱擁することさえも煩わしいのに、廊下から、締め切った窓から、壁やら硝子を掻い潜って校庭から生徒の笑い声が聞こえてくる。)(──────〝 あの雑貨屋行かない?あのちょ~かわいいとこ!〟)(〝あァした天気になぁ~~れっ 〟)(もうジャンケンでよくないっすかァッ?!?! 〟)(〝うぅわ、今からカラオケ生きて~~わ………… 〟)(〝駅前のパンケーキがさー………………〟)「……………………、…」「……………ホント、どいつもこいつもバッカじゃねェですか。」(軽く俯き、彼女は被っている帽子の鍔を気持ち程度に下げる。 別になんとも思ってない。ええ、本当に。雑貨屋なんてガラクタの巣窟でしょう?見たことないけど名前がナンセンスだもの。ふん、明日なんて雨が降っちゃえばいいのに。靴も服もびちょびちょになっちゃえばいいのに。ジャンケンなんか、負けちゃえばいいのに。 カラオケも、パンケーキも、名前からして馬鹿みたい。関係ない、関係ない。 ) 「……………、……(ほりしぃには、関係ない 。)」 ( ……そういえば、この間のアレはカミサマじゃなかったみたい。対する自分は本物のカミサマを探しているのに、これだから人間っていうのは。 内心での悪態は止まることを知らないように彼女は何かから逃げるように足早に、化学室に向かって、そして──────────)「 ……………………」(両手が塞がってるもんだから、お行儀悪く、勢いよく足でガラッッ………!!!!と開けた。…誰も、いなけりゃいいけれど。 )   (5/23 20:53:15)


Gaill Monochoria> 
(カツリコツリ。夕暮れ、廊下鳴らすアンダンテは前方注意。それと何処か、寂しげでしょうか。)(喧噪。其れは放課後のグラウンドから、教室から、校門から。とめどなく、とめどなく。仲間に入れないのか入らないのか、そんな差は些細な事。“普通の学生”がひとりぼっちで其れを聞くのは、些か心細く。私も入りたいのにな、なんて唇を噛む甘酸っぱさだって、或いは青春と呼ぶ事が出来るだろう。)(さて。)(ツインテールにミリタリー。眼前塞ぐは資料の塔。情報量を賑やかさで表すならば宛らそれはブレーメン。恵まれた“普通”の外に佇む少女は、貴女は、どう思うのでしょうか。)(解答例、と云う訳では無いけれど。ある意味じゃまた一人の“異端”。風吹けば折れそうな其の痩身は、長方の液晶を睨んで、アルファベットの羅列の上に指を躍らせて。)(夕日と孤独の淋しさになんて見向きもせず、最早知覚すらしていない事でしょう。)「WOOOOOOOW!!!!!!!コイツァ興味深い!!!!!!!!!!」(カタカタカタカタカタ...........。)(動き続く指はプレスティシモより尚速く。ひとりぼっちの理科室に音は響いて。それから、それから。)ガラッッ………!!!!「おわッ!!?!?!?」(エンターキーを叩けば暫しの休憩を取っていた男の不意を突く一撃。其れは貴女の戸を開ける音。『驚きました』感全開のポージングと素っ頓狂な声。危うく椅子から滑り落ちそうな勢いで。)「.............。」「ン゛ンッ....」(咳払い。其れと共に姿勢を直した。気を取り直して、と云うには些か遅すぎるってのは言わないお約束。)(兎角、開かれたるは陽気なお口。)「heyheyhey嬢ォーチャン............ちとお行儀が悪いなァ..........」「ノック......はまァ無理そうだが。もうちと丁寧に開けて差し上げたまえ、ドアが泣いちゃうぜ?」(念の為言っておくが。)(彼は普段足で乱雑に開けたりなんてしていない。驚かされたはらいせなんかでは無い。(多分)先輩として、少女へ良識を教えてあげているのだ。私怨なんて無い。本当だ。絶対ない。)   (5/23 21:25:30)


ほりしぃ> 
『おわッ!!?!?!?』「……………………、………………………」 (嗚呼、ほらねやっぱり〝誰かいる 〟。彼女は素っ頓狂な声を耳にしたのならば、そろりと顔の3分の1を横から出して、貴方の様子を、まん丸の赤目で覗き見るでしょう。主に〝 耳あたり〟を。そして───────………………)「…………………………はァァ゛~~~~~~~…………」 (…そして、彼女はあろうことか世紀の大科学者…基ゲイル、紛れもなく貴方に対して『溜息』をついたのです。 わざとらしく体制を崩し両手をあげる様子にジト、と睨むような視線を送った後に〝馬鹿馬鹿しい 〟と呆れたように目を回して、やれやれと首を振る所まで凡そ3秒。資料を抱え直す彼女は 〝もうこれ以上貴方なんかに興味はない 〟、それどころか〝 居ないもの〟として扱おうと言わんばかりに ズカズカと中に入ってくるのでした。)(………勿論、それを〝 はい分かりました〟と素直に飲み込み、楽譜代わりにモニターに向かって引き続き電子世界の海に溺れるような貴方では無いけれど。)『ン゛ンッ...』「…………………………」(ツン、とした様子、勿論彼女も無反応。低い位置から資料を淡々と戻す様子はまるで釣れない猫のよう。対するゲイル選手………失礼?ゲイル先輩はどうでしょうか……………おぉっとッッッッッ…………………!!!!!!!)『heyheyhey嬢ォーチャン........』(〝 引 き 下 が り ま せ ん 〟。 ) (欧米よろしく開口一番フランクな挨拶。出だしは完璧、嗚呼、そうともさ。完璧だったはずなのに。)「はァ゛…????【お嬢ちゃん】ンン………………?????」(…これが【彼女】じゃなかったらどんなに良かったか。先程まで釣れない態度の子猫ちゃんだったのに、貴方の方を見遣る時には その大きな目はジロリと威嚇するように思い切り眉間に皺を寄せて睨み付ける。)『ちとお行儀が悪いなァ..........』『ノック......はまァ無理そうだが。もうちと丁寧に開けて差し上げたまえ、ドアが泣いちゃうぜ?』「……… おい、【⠀ニンゲン⠀】。オマエ、立場が全ッッッッッッ…………然わかってないんですねェ~~~~~~??????はァ………いいですか??ほりしぃはな、今はお腹がいっぱいで、わ・ざ・と 見逃してやってるんですよ、オマエのことを。それなのにベラッベラベラッベラと『ドアが泣いちゃうゼ~~おじょーちゃーーんへへへへへ~~~………もっとお行儀よくぅ~~~~~~……(目を細め軽い顔芸をしつつ 資料を持った手をぴらぴらさせるジェスチャー付き 』…………フン、くだんねェこと言ってねェで ほら、これッ、これとこれとこれ!!!あとこれッッ!!!!!パクっと食われたくなかったら そのお口に ぴーーーーーっ!てチャックして きれーに片付けときやがれくださいねェ………」(…そして、終いには挨拶と言うには腐りきった態度と敬語ではあるもののまるで突貫工事をしたような荒い言葉遣いであなたの言葉に返答をするのでした。 しかも「いかにもアホそうな全然似てないあなたのモノマネ付き」で。 更にはこれ、それ、あれ、それ。彼女は貴方に歩み寄ったのならば自らが使っていた、まだしまっていない資料を 「返事はYES以外ありえない」と言わんばかりに押し付けようとするんだから。 …これなら1人の方がマシだったかもしれない。〝 お互い〟に。)   (5/23 22:04:23)


Gaill Monochoria> 
(不意打ちに対する咳払い。其処へ追い打ちの様な冷ややかな視線ッ!ですが引き下がりません気にも留めませんゲイル選手。フィジカルは学校屈指の底辺ながらもメンタル面のパワーは選りすぐり。細さと声量の対比はイヤホンから出るコンサートの音量。然し打てど響かずでは無いですが仮にも相手は開幕白い目で彼を見たまた別種の強豪!呈す様相はワンマンライブ。照れ隠しの意図すら隠れ蓑に突っ込んだ男の台詞には手酷い返しが待っています。)『……… おい、【⠀ニンゲン⠀】。オマエ、立場が全ッッッッッッ…………然わかってないんですねェ~~~~~~??????はァ………いいですか??ほりしぃはな、今はお腹がいっぱいで、わ・ざ・と 見逃してやってるんですよ、オマエのことを。それなのにベラッベラベラッベラと...........』(まさかの物真似付き。ドアを用いた不意打ちの次は予想外の切り返し。鮮やかなクロスカウンター。芸術点すら付けたくなる見事なムービングッッ!!!!なまじプライドだけが引っ付いた男子高校生ならばテクニカルK.O.待ったなしの一撃。然し。)(然し!!!!!!!!!!)「 【 レ ッ ド ド ア 】 。 」(放たれたるは棺にも似た、然れどトラック並みの大きさを誇る黒き箱。其れは正常に、“普通”に刻まれていた時を打ち、止める。そんなディスコード。)________目標:資料の片付け。(瞬き、すら許さない刹那未満。君の腕を圧迫する質量は消滅している事だろう。)「オイオイオイオイィ...........片付けってーのは何のコトかな?」「クスリでもやってるんじゃあなかろうなァ?勘弁してくれよ、ジャンキーのオトモダチなんてまっぴらだ。」(依然ニヤニヤと。軽口を叩いては外人肩竦めのポーズ。)「なんでィなんでィ、人間呼びたァキミも随分立場を履き違えてるらしいな?ジャンキー。」「hehe、『パクッ』つってw それこそ大好きな葉っぱみたいに行かれちまうのかい僕ァ。おー怖っ」(まさしくベラッベラベラッベラと捲し立てて。多弁ジョーク好きファッ■ン科学者は此処で終わらない。終わらせない。)(二度目だ。)【レッドドア】_____________(幾ら彼が君に言い返そうが、結果としては資料を片付けると云う圧倒的肉体労働を踏み倒した君に旗は上がるだろう。事実彼はちょっと疲れている。君は満足して帰るかもしれない。或いは詰め寄るのかもしれない。だが。いずれにしろ、其の黒い直方体は。君がヒトであれカミであれ他のナニカであれ意に留めない。ただ、時が止まるだけだ。)____________「おや~~~~???」「こりゃ失敬だな“ミセス”ゥ.......」「どうやらジャンキーは僕だったらしィ。」「見えてなかったよ〝その手荷物〟ゥ.........」(1フレーム未満を縫って。君の元にはまた資料の重みが戻って来ているだろう。丁寧に端を揃えてある。そして何より。)(君に対する男は随分息切れをしているだろう。どうせ戻すなら一度目の時に片付けたフリでもしてそこらの棚にでも隠しておけば良かったものを。何故か懇切丁寧にお片付け。渾身の一撃(?)を叩き込んだ割には恰好の付かない疲労困憊!!運動不足ヒッキーの弊害が顕著に出ていますゲイル選手。)「“お行ォ儀良く”お願いするなら片付けてやらん事も無いが、なァ.....?」(なんて言ってはドヤ顔。貴女はどうか判らないが。少なくともおふざけ科学者は此の状況を楽しんでいる。)   (5/23 22:42:50)


ほりしぃ> 
「………ちょっと、なにぼーーーーっと突っ立ってんです???聞こえねェんですかこの木偶の坊。とっとと資料を────── 」『「 【 レ ッ ド ド ア 】 。 」』 「─────────────── 」 (おーーーーッッッッッッと!!!!!!!)( 演劇であれば主人公のみが動くエピローグのように。ゲイル選手の後ろに聳え立つは12フィード強程の棺桶でしょうか。彼女はその中に誰が眠っているかは愚か、その姿を視認することさえも出来ません。手前で指先ひとつ動かさずにそのまま静止している口を半開きで間抜けた姿は正しく『阿呆』と言うべきでしょうか……………)『オイオイオイオイィ...........片付けってーのは何のコトかな?』 「………………ッッ…………???!!!!!」 ( 手品師宜しく、ストレンジもビックリ 、1フィルム未満、確かに『荷物』はそこにあった。あるはずのものがない。ないものは無い。時間が止まっていることすら気づけないほりしぃ選手、相手の余裕が削れていることに気づければいいものを、急に重力から腕が離れていったからかよろけつまづきそれどころでは無いッッ!!そして立て続けに投げ掛けられる台詞は……)『クスリでもやってるんじゃあなかろうなァ?』「………ッ゛!!!」(追撃!!)『勘弁してくれよ。ジャンンキーのオトモダチなんてまっぴらだ。』(追撃ッッ!!) 『hehe、『パクッ』つってw それこそ大好きな葉っぱみたいに行かれちまうのかい僕ァ。おー怖っ』 (追撃ィーーーーッッ!!!こォーーーーれェーーーはァーーー痛いッッ!!!!!プライドエベレストはこちらも同じこと。白旗をあげるにはまだ早い。ほりしぃ選手もまた、〝 クリティカルヒット〟を受けた様子が隠せません。)「ッッ゛~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!こンの゛ッッ………!!!!だァァァァァァれがオマエなんかの──────────ッッ」【レッドドア⠀】『おや~~~~???』『こりゃ失敬だな“ミセス”ゥ.......』『見えてなかったよ〝その手荷物〟ゥ.........』「な゛、ァッッ゛…………………!!!!???????」(怒りで顔を真っ赤にするほりしぃに反論の余地はありません。次の瞬間、またガクンッッ………………!!!!!!!!!!!!!!…と。) ( 今度は無いはずのものがそこに〝 戻ってきた〟。人は咄嗟のことには反応できない、車は急には止まれない、もう何も無いと力の抜けていた腕にそれを持たせられれば言葉にするまでもないでしょう。ほりしぃ選手、情けない声と共に 崩れ落ちるゥーーーーーーッッ!!!!!科学者に叶うはずもありません、仕舞いには白衣を翻し、聳え立つ勝者の如くゲイル選手は口にします。)『“お行ォ儀良く”お願いするなら片付けてやらん事も無いが、なァ.....?』 「ッッ゛………………ッ……………」(ほりしぃ選手、どう動くのか。荷物に屈して地べたにペタリと足を付け、睨みあげる赤い瞳には…………)

「ッッ゛ ~~~~~~~~~~~~~………馬゛鹿ァ゛~~~~~~~~~ッッ……………………」

(………………………〝 うるうるとみるみるうちに溜まる涙〟。)(…勝負は、あったようだ。彼女は荷物をぬいぐるみのようにきゅぅぅ…………抱えながら しゃくりを上げて吠えるでしょう。)「 ッッ゛~~~~~~!!!!!ニンゲンの癖にッッ!!!!もやしのくせにっ!!!よわっちぃくせにッッ!!!!!!おっ、オ゛マエなんかァッッ!!!!オマエな゛んかなァッッ……!!!!!!!!このほりしぃにかかればッッ!いつだって喰えるんですからッッ!!!いい気になってんのも今のうちですッッ!!!!!!!ほりしぃが【⠀〝 カミサマ 〟⠀】になった暁には、真っ先にオマエをぶっ殺して、ギッタンギッタンのけっっちょんけちょんにしてやるッッ!!!!!! 」(〝彼女は劣等を呪っている 〟。)(文字通りである。もう悔しくて悔しくて堪らないのだろう。こんな男に、こんなヒョロヒョロの軟派なニンゲンなんかにほりしぃが手のひらで転がされ、遊ばれるだなんてッッ!!!!……てな具合に。無論、自分から喧嘩を売っておいてなんなんだという話ではあるが。鼻先を赤くし、鼻水を女児のように垂らしつつ大粒の涙をボロボロと零しながら 並べる言葉の羅列は何とも、聞くに絶えない稚拙なものだった。〝 いつだって喰える〟とは言うものの、では今食わないのはどうしてか?こんなにも屈辱的なことをされたのに?答えは単純。『今は腹がいっぱい』だからこれ以上入らないのである。そして何より絶対ルール。 『学校内では物を食べないお約束』を、彼女はキチンと守っている。)   (5/23 23:33:43)


Gaill Monochoria> 
(プライド高きこと山の如し。然して其の大山ごと物理的にもこけてしまった貴女。科学者は勝ちを確信する。)(追撃に次ぐ追撃。しょうもない語彙とふざけた叡智の機銃掃射。満面の笑みと云えば平和的なのだが本質はイジワルだ。手札はジョーカーまで切った。此処からは君次第。ウェルニッケとブローケの導き出した最大限の煽り-トキシック-。此れに返せる札が在るならほぼお手上げだ。在るならの話だが。)『ッッ゛ ~~~~~~~~~~~~~………馬゛鹿ァ゛~~~~~~~~~ッッ……………………』「........うぇ゛っ?」(在った。)(其れは云うなればスペードの3。必殺の一撃を覆す開闢の一閃である。ドアを開けた貴女が聞いた驚嘆の素っ頓狂、其れとは別種の驚きの声が彼の口を衝いて出た。)(開幕の視線。圧倒的煽り。王者の風格。)(......てっきり。てっきり同類だと。そう、思ってしまっていた。だがどうだ、目の前に居るのはプライド高き一人の乙女なのだ。)(考えてみよう。一切の慈悲を、酌量を取り除いて言うのであれば今の彼は〝一方的に能力を使用しあまつさえ幼げな見た目の少女の矜持を全力でヘシ折りに掛かり挙句の果てこかせて泣かせたクズ野郎〟だ。此の人種隔てぬ孤児院育ちにはレディーに優しくあれと云う英国紳士的メンタリティも少なからず存在する。つまり。つまりだ。)「......ぉ、」「ぉぉぉぉぉおおおおおおすまんッッッ!!!!!すまんかった!!!!!!ほら泣くな!!!!なッ!?!?!?!?悪かったって!!!!!!!!!片付けてやるからッッッ!!!!!!!やめてくれ泣かないでくれ痛いっ!!!!!良心の呵責が痛いっっ!!!!!!!!!!!」(見るも無残な返り討ち。これは反撃と言うよりは道連れ自爆アタック(と云うのも男の性格的に勝手にそうなったに過ぎないが)と言った方が正しいか。其の衝撃とダメージは語るに能わない。ついでに言うならディスコードの発動と今度こそ正式なお片付けをした事も特記する必要は無いだろう。)(貴女の一転攻勢?かは分からないが少なくとも男の状況は七転八倒の劣勢だ。夕暮れの理科室。外の喧噪も少し落ち着いて。)「なァほら、僕が悪かったからカミサマになるとかそんなおっかねェコト言うなって」「僕も大概じゃあるが仮にも僕等はヒーローだろゥ?」(そんな事を、あやすだか宥めるだか分からないが。先刻迄とは打って変わって、随分優しい声音で言うだろう。)   (5/24 00:13:18)


ほりしぃ> 
『ぉぉぉぉぉおおおおおおすまんッッッ!!!!!すまんかった!!!!!!ほら泣くな!!!!なッ!?!?!?!?悪かったって!!!!!!!!!片付けてやるからッッッ!!!!!!!やめてくれ泣かないでくれ痛いっ!!!!!良心の呵責が痛いっっ!!!!!!!!!!!』「………………ッッ…………(うるせェッッ!!!!!!!!!泣いてないですケドッッ!!!!!!!!人間如きが思い上がるんじゃねェですよッッ…………つうか謝られたらホントにほりしぃが負けたみたくなるじゃねェですかッッ……… !!!!!!!! )」 (いいや、泣いている。どこからどう見ても泣いている。少女らしいふっくらとした頬を伝う大粒の涙は紛れもなく彼女のものだ。涙が落ちる前にぐしぐしと乱雑に袖で拭う様子、どうやら貴方の慰めは逆効果のようだ。彼女だって泣きたくて泣いたわけじゃない。でも分かるだろう?子供は感情のキャパシティを越えてしまうと、怒りと同時に涙も溢れてくるもんだって。声を出してしまうと余計に泣いてしまいそうなので、ただ彼女は貴方の声掛けに返答もせず、なるべく顔を見せないように俯くのみではあるが。)(まるで貴方の優しさに漬け込んだ泣き脅し、その悲劇のヒロインのような今の状況さえも、優しく情けをかけられる様も惨めったらしくて【劣等を感じざるを得ない】)『なァほら、僕が悪かったからカミサマになるとかそんなおっかねェコト言うなって』「……………ッ゛ッ…………」『僕も大概じゃあるが仮にも僕等は〝 ヒーロー 〟だろゥ?』「……………、………………」「……………────────〝 気楽で良い 〟ですね。オマエ。」(………だから、だからさ。つい言っちゃった貴方の産まれも、貴方の育ちも、貴方の名前も、何故ここにいるのかも分からないまま、ポツリと呟いちゃった。知ってるんだ。ヒーローって『可哀想』の味方につくんだって。…自分は『可哀想』なんかじゃないし、そんな私欲に消費される一般人なんかじゃない。ひねくれた彼女は斜めからしか物事を見ることが出来ず、貴方の厚意でさえ受け取ることは出来なかった。帽子で影がかった目元は貴方からは見えないし、もしかしたらその零れた言葉さえも聞こえないかもしれないけど。)(次、顔を上げた彼女は フン、と鼻を鳴らし腕を組む。切り替えるように並べる言葉はこうだ。)「……………いいですかァ????【⠀ニンゲン 】。何度も言いますがほりしぃは〝 オマエら 〟とは違う…【⠀ヒーローごっこ⠀】や【⠀馴れ合い 】はオマエらが勝手にやってればいいんですよォッ!カラオケも?パンケーキとやらも??雑貨屋も、………靴を飛ばして、天気を占うのも………………ジャンケンを、するのも………………」 「………………………………ッッッッというか!!!!!ニンゲンは弱いから群れて生きてますよね????オマエはなんで1人でこんなとこいるんです????特に〝 がくせー共 〟なんかは皆阿呆みたくぴーちくぱーちく騒ぎまくってたってのに…………………………………………あっ、もしかしてオトモダチ居ないんですかァ~~~~??????んふふふふゥ~~~~~…………だぁとしたらオマエ、ニンゲンにしては『懸命な判断』だとこのほりしぃが褒めてあげましょう。トモダチなんているだけ邪魔!!!非効率的です!!!!!!……そうですよね????」( そもそもどうしてあなたがここにいるのか。放課後、まあ別に興味もないが自身の知る限りでは生徒達は遊びに行くのがセオリーだ。なのに貴方ときたら、自分が来た時点で誰かといる痕跡は皆無。もしかしてこの人『オトモダチ』居ないのかしら?なんて。ほんの少しの淡い期待はここだけの話。だっているわけない、こんなにもいじわる(まあ自分から喧嘩を売ったけれど)なんだもの。 ニヨニヨと煽るような笑み。立ち上がり、顔を近づける彼女は 『いませんぼっちです』のね返答を待っているかのようだ。)(…………………………まあ、恐らくは数秒後に貴方の返答にまたその予想が打ち砕かれるんだろうけれど。)   (5/24 01:08:08)


Gaill Monochoria> 
「(うわァアァア~~~~~~~どーーーすりゃ良ーんだこういう時ィッ............)」(全力の謝罪。静寂で応える貴女に彼の冷や汗は加速する。手八丁じゃないなら口八丁くらいは欲しかったものだが残念。泣いちゃった少女への対応に関しちゃ零丁も良い所だった。男の脳裏に浮かぶのは鉄拳高身長怪力女性ヒーローと黄色い髪の人懐こい青年の笑顔。詰まる所が良心の呵責が生んだ圧倒的ビジョンだ。冷や汗は止まらない。)(けれど。)『……………────────〝 気楽で良い 〟ですね。オマエ。』(ぽつり、と。或いは夕立の様な。)(斜陽の眩しさは依然理科室を刺した。)(貴女が口にしたのは許しでは無く、怒りでもなく?小さな小さな其の声から、全部察せる程粋な男じゃあ無いモンで。けれど覗き込むのも許しちゃくれなそうだから。だから。) 

「【レッドドア】。」

目標:貴女の、______(ただ。ただ悪態をついただけなら気にはならなかった。小さな反撃だと思えば其れで済むし、実際吐き捨て気味の言葉ならばそうなのだろう。だが其の消えてしまいそうなか弱さが。“零れた”と表現すべき儚さが。俯いて顔を隠す姿が。)(到底、ただの意地っ張りにゃ見えなかったんだ。)(☆叶うならば、俯いていた彼女の表情を見たい。)______(それから、それから。貴女は鼻を鳴らした。切り替わった様な声音。其れ等を聞いて。静かに、聞いて。)『………………………………ッッッッというか!!!!!ニンゲンは弱いから群れて生きてますよね????オマエはなんで1人でこんなとこいるんです????特に〝 がくせー共 〟なんかは皆阿呆みたくぴーちくぱーちく騒ぎまくってたってのに…………………………………………あっ、もしかしてオトモダチ居ないんですかァ~~~~??????』「........。」(聞いて。)(口を、開いた。)「“そうだ”と言えば満足かい?」(板に付いたニヤニヤ笑い。飄々と。)「そうだったら最初のオトモダチにでもなってくれるのかィ?」「なァ。」「ほりしぃチャンよ。」(矜持で飾った言葉。其の裡面へ。)   (5/24 01:32:46)


ほりしぃ> 
「……………────────〝 気楽で良い 〟ですね。オマエ。」 ( その瞬間に、レッドドアが発現したことにすら、彼女は気づけやしないだろう。もしも貴方が彼女を覗き込んだのならば、きっとその表情は見えるはずだ。その表情は───────………)( 『 水彩のように滲んだ羨望と嫉み、寂しさ 』だった。そもそも彼女は、『ヒーロー』が嫌いだ。『可哀想』の傍にいるのがヒーローである限り、『弱い立場を守るのが正義』である限り、彼女の傍にヒーローは決してやってこない。だって自分は『可哀想』でもなければ『弱くもない』……そんな小さなプライドが、彼女の足場を支えている。それからもう1つ。 そもそも誰かを想えるのは、心に余裕がある時だけだろう? 彼女は自分でいっぱいいっぱいだ。小さな両腕で自分を抱きしめるので精一杯だ。対する貴方は、その腕で沢山沢山抱き締めて、前に進むんでしょう。自分の知らない能力を使う。目標に向かって突き進み、何度も挑戦し必ず鍵をにぎるディスコード。自分の能力は他者を喰らい模倣する だけ。それに貴方は自分よりきっと、きっと…………………こんなふうに、考えれば考えるほどとなりの芝生は青いのだ。)(これ以上成長しない『アポリア』と可能性を握る『叛逆の輪』。それとも貴方は『可哀想な人を助けた自分』という結果を『愛している偽善者』 に過ぎないのか。 …嗚呼正直な話、後者だったら良いのになとか、思うさ。安心できるのにな、とか。 ママ達から話に聞いていた『人間』 とやらは、『餌』として【醜くなければならない】のだから。)〘 レッドドアは解除される〙 「……………………………あっ、もしかしてオトモダチ居ないんですかァ~~~~??????」 (チャンネルはそのままに。それはまた、『再生』を始めた。貴方は薄い唇を開き、ニヒルな笑みを浮かべる。) 『“そうだ”と言えば満足かい?』「………………………はァ??何言って………」『そうだったら最初のオトモダチにでもなってくれるのかィ?』「なんでそうなる」『なァ』「ッッ、いやですから」『ほりしぃチャンよ。』「………………………ッ゛ッ~~!!!!!!!ですからッッ!!!!!!!!な゛んでそうなるんですッッ?!??!?!からかってますか???お情けですか???オマエ、なりてェんですよね『ヒーロー』にッッ!!!!!!つーかそもそもなんでヒーローになりたいんですか????どうせ どんな『ヒーロー』も餌は『弱者』なのは変わりはねェでしょうにィッ!!!!! でもほりしぃは違う、だってほりしぃは強くて賢くて、使えるいい子ちゃんですからねェ~~ッッ……ふふん、そうでしょう??…そうですよねッッ…………????」 「………嗚呼!!!!」「これだから【 ニンゲン⠀】は。ほんと、なんにも分かってないんだから。」 (──────────【人間は醜い】)(先述通り、そうでなくてはならないのだ。きっと貴方もその1人。意地の悪い笑みで予想の斜め上を行く。科学者はロマンチストとはよく言ったものだが、恐らく彼女のひねくれた思考じゃそうも言って居られない。正直訳が分からないのだ。この流れでどうして自分と『お友達になる選択』を見出したのか。考えうるのはやはり、どこか『可哀想』にでも見えてしまったからかしら、とか。決めつけ、凝り固まった偏見塗れの言葉はトマトでもなげつけているかのようだ。………でも、ずるいな。彼女は誰にも抜かされない、足跡のない『1番のり』ってのが好きだから。もしも自分が少しでも〝 弱かったら 〟。)「……………ヒーローなんか、………弱っちぃ雑魚の傍に居ればいいんです。」 ( ………………嘘、弱い自分なんて有り得ない。彼女は帽子の鍔をつまめば、くい、と深々と下げて目元を隠した。 )「…………………………そうでしょう?そうですよね?」 (彼女は最後に問いかける。)   (5/24 02:32:33)


Gaill Monochoria> 
(.......プライドなんて。綻んだら、零れて、溢れて、止まらなくなるモノだ。最後の防衛線だ。だから綻ばせちゃいけない。だから誇り高くあらなきゃいけない。)(だから。)「.......口を開けば。」「口を開けばそうでしょうそうですよねと随分共感を欲しがるじゃあないか。」「独りじゃ不安かい?ええ?」(双眸は、貴女を見据える。)「僕ァな。」「僕ァ正義のヒーローになろうなんて欠片も思っちゃァいないぞ。」「いいか?そんな意識は全く以て無い。1ヨクトメートルとてな。」(見れば分かる通り、目の前の男は白衣を着ている。痩身である。意地悪である。)[Q.正義と云う言葉を定義出来るか?][A.否。出来る筈が無い。]「なんだっけなァ?“カラオケ”ェ?“パンケーキ”ィ?“雑貨屋”ァ?“占い”ィ?.............“ジャンケン”?」「クックック............」「hahaha!!!」(男は笑う。哂う様に笑って。けれど、また貴女に向ける目は。それは、屹度優しい色を宿すだろう。)「ふーーー..................。」「オイオイオイオイ........“下等”な“ニンゲン”の娯楽を随分覚えてるじゃあないか。なァどうしたァ???」「オトモダチ作りが愚行ならば何故最初に『居ないんですかァ~?』なんて煽ったんだ?」「キミの問いを肯定で返してやったのに何故そんな不服そうなんだ?」「 キ ミ の 言 う 事 が 正 し い な ら ば 何 故 愚 か な ニ ン ゲ ン 如 き に 同 意 を 求 め る ? 」(『これだから【 ニンゲン⠀】は。ほんと、なんにも分かってないんだから。』なんて、可愛らしい声の寂しげに紡いだ言葉を反芻して。)「解らないなァ.........全く以て解らない。」(捲し立てて、捲し立てて。プライドの綻びへ。少女の矜持の本質へ。暗中模索、なんてのは研究の時だけで十分だ。唯浮かぶニヒル。男は言葉を紡ぎ続ける。)[Q.自縄自縛を前提とした虚栄を強さと呼べるか?][A.否。呼べる筈が無い。](だから、だから。)「何故.....あんな寂しそうな顔してたんだィ?」「なァ、“嬢ォチャン”。」「理由は知らないが。」「.............独りぼっちだって立ってられるよう頑張って来たんならさ。」___(自縄自縛を前提とした虚栄を強さとは呼べない。だが、然し。其れを保とうと足掻く人間は〝弱っちぃ雑魚〟だろうか?そして其の綻びに寄り添う権利はヒーローには無いだろうか???)(解は考える迄も無い。)(そんな訳がないだろう。彼は大衆正義を好いていない。科学者は規則通りの理屈だけを愛しはしない。此の御人好しは!!!!!!!!!)(君の事を見放さない。見て、離さない。)(だから。)___「キミは強いぜ。」

[Q.『ヒーローは弱っちぃ者の傍に居るべきか?』] 

[Q.ヒーローは。英雄は。______________________正義の為にだけ在るモノか?] 

「同意を求めてるところ悪いが。」-Answer.-「そういうワケにゃ行かんなァ?」-否。-(容量は0。だからゆっくり、其の痩躯を折って。叶うなら、貴女の顔を、覗き込もうか。)「なァ。」「キミの傍に、居ちゃダメかい?」(静かに、告げる。君が蹲って泣きたくなった時、周りに置いて行かれようと立ち止まってやれる様に。抱えきれなくなった時、其の思いがこの世界から無かった事にならない様に。“普通”に、“大衆正義”に、そんなクソッタレに挟まれて擦り切れてしまわない様に。)(彼は“正義のヒーロー”になりたいだなんて微塵も思っちゃいないが。)(〝誰かのヒーロー〟にならば喜んで突っ走って、手を差し伸べて。泥臭くたって、なろうとするだろう。)(そんな御人好しだから。)「クク、なんだかプロポーズみたくになっちまったなァ?」(そんな、ジョーク好きだから。飄々と笑って、言うんです。貴女をちゃんと、見据えながら。)「僕ァ、キミの友達にゃァなれないかィ?」   (5/24 03:40:33)


ほりしぃ> 
『.......口を開けば。』『口を開けばそうでしょうそうですよねと随分共感を欲しがるじゃあないか。』『独りじゃ不安かい?ええ?』「………………、何、言ってんですか…………」( 図星だった。自分は間違えて居ない、その確証が欲しかった。もしも自分の認識が間違えていたら?もしも自分の常識が覆ってしまったら?そんなことはあるわけない、あってはならない。ママ達の話によればニンゲンは、【醜くて救いがない、どうしようも無い餌】であるんだから。目の前の貴方だってそうだ。だって、〝 耳が尖っていないから〟。)(だが、……貴方の口はそうだもしてもよく回った。まるで演説者、弾切れを知らないマシンガンのよう。彼女はそれを止めたかった。聞きたくなかった。望むわけもなかった。遊びを覚えているのも、話し声が聞こえちゃうからで、決して、決して羨ましくなんかない。でも貴方の言葉に入る隙間なんてなくて、『決して羨ましくなんてない』筈なのに、どうにも刺さって抜けそうもなくて。心の奥、柔らかい所を触られないように、攫われないように彼女は胸に手を当てて、ゆっくりと後ずさる。)『僕ァな。』(なのに。)『僕ァ正義のヒーローになろうなんて欠片も思っちゃァいないぞ。』『いいか?そんな意識は全く以て無い。1ヨクトメートルとてな。』(逃がしてくれないなんて。)『────オトモダチ作りが愚行ならば何故最初に『居ないんですかァ~?』なんて煽ったんだ?」『キミの問いを肯定で返してやったのに何故そんな不服そうなんだ?』『 キ ミ の 言 う 事 が 正 し い な ら ば 何 故 愚 か な ニ ン ゲ ン 如 き に 同 意 を 求 め る ?』「ッ゛………………」(まるで、悪魔 ─ヒーロー─)『何故.....あんな寂しそうな顔してたんだィ?』『なァ、“嬢ォチャン”。』「………ほりしぃは…………ッ………………ほりしぃはッ…………………」『キミの傍に、居ちゃダメかい?』「──────────ほりしぃはッッ!!!!!!!!!」『僕ァ、キミの友達にゃァなれな「ほりしぃはオマエの友達になんかならない゛ッッ……………!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」(【⠀ズロォォォォォォォ…………⠀】と。)(〝ソレ 〟は。)(覗き込んだその瞬間、酷い【腐臭】がするに違いない。 先程まで、薬品の匂いしかしなかった。先程まではそこに【居なかった】。しかし今はどうだろうか。彼女の足元から急速に成長したかのようにヒトの部位と植物が入り組んだような 〝 それら〟は。、ところどころ剥き出しの臓腑を〝まるで生きている 〟と言わんば かりに、ドク、ドク、ドク、と拍動させ。)(【⠀ラヴィエルジュドゥフェール 】はそ こ に 存在している。嗚呼、なんて愚かなこと。貴方の容量は【ゼロ】だ。くだらない小競り合いで2回つかい、残りは彼女を理解しようと近づく為に。…………全く科学者の名が聞いて呆れる。恨むならば自分を恨むがいい。映画だってそうだ。【良い奴】はみんな死ぬ。毛細血管にまみれたハエトリグサによく似たそれは、今、まさに貴方の方へと近付いて、その細く非力な身体を ──────────)「ッッ゛…………………」「………………、………………」(………………………【喰う前】に、彼女の足元へとゆっくり戻って行った。)「……………………別に、寂しくなんかないです。」「……………オマエは、オマエ達は所詮餌です……………」「…………………………………、…………そういうのは、………〝 ママ達〟に聞かなきゃ………………………………分かンない、です。………………………そもそも、なりたくも、ないですケド。」 「………………………………行こ、ラヴィ。」(…今日は、〝 お腹がいっぱい〟だから。本当にそれだけだから、貴方を食べなかっただけなのさ。彼女は自分のディスコードに小さく話しかけ、その場を後にすることだろう。扉の前で立ち止まり、小さく振り返ろうとしたあとにあとまた前を向いて、パタパタパタッ、と軽い足音を鳴らしながら、走り去った理由は、貴方が知る由もない。)〆   (5/24 13:23:42)

水沫 泡> 
(探索ライセンス:カミサマ知識。情報屋に貰った知識を元に、それを身につけるため最近図書館へ通うことは日課となっていた。今日も本の巣窟へと足を踏み入れる。本の匂い、が何の匂いなのかは分からないけれど。図書館特有のその雰囲気が落ち着くから嫌いじゃない。 彼はいつもの席へと向かう。すると目に入るのは本の塔。彼も数冊、カミサマに関する本を抱えているが目の前のそれは比じゃない。今にも崩れそうなそれの下に、ちんまりとした女の子が座っている。それは耳のとがった女の子。良くも悪くもルクレルク人だ、と思うのが普通だろう。彼はそれを見て疎ましさを感じるどころか少し嬉しい気持ちになる。血は薄くなってしまったけれど、彼も同じく尖った耳をもっているから。__彼にとって、もはや本の塔は見慣れ始めていた。それくらい、君はいつもここにいる。彼はいつも君の斜め前辺りに座っているけれど、今日は君の正面へと腰掛けた。)「たくさん勉強してて凄いなぁ」(最近、思ったことが考えるよりも先に口に出てしまう。彼は声に出ていること慌てて目を泳がすが、誤魔化すように長い髪を耳にかけて、自分も本を開いた。)   (5/27 13:44:03)


ほりしぃ> 
「……………………、……………………」(【異常性癖︰カミサマ知識×2】)(彼女は妄信的だった。知的探究心と言うには高過ぎる依存心は高く、積み上げられた塔のような書物らがそれを顕著に現している。 それもそのはず。彼女のライセンスは『アポリア』だ。つまり、これ以上の成長性は望めない。【劣等】を呪っている彼女からしたら薄々勘づいている境遇を見て見ぬふりし、キツく蓋をしながら毎日毎日勉強に励むのだった。) (────────しかし、これはココ最近の話。この時間になると よく足を運んでくる奴がいる。)『たくさん勉強してて凄いなぁ』「…………………、……………」( パールを思わせる白髪の髪色。慈悲深そうな青色の瞳。〝 やや尖った耳〟。その呟きは『思わず漏れてしまった』のか、意図してこちらに『話しかけた』のか。話しかけられるや否や、彼女は塔の隙間からジロリと貴方を睨み、古い紙の匂いですぅ、と肺を満たしきった後、ふぅ………………………と深く息を吐く。)「……………………オマエ、ちょっと耳が尖ってるからって馴れ馴れしくありません? 」(そして、貴方が目の前に座ると同時にガタリと立ち上がったのならば 本の塔を抱え……………)「……ッ、ほりしぃ、は…………ッ…………」(………移動し。) 「ッッ…………オマエのことなんて知りません、しッ!!!」(どさッ!!!と少し遠くの机に運んだ。これで貴方が『目の前に座った』という事実は無くなる。手をパンパンと、払い 椅子をひいてちょこん、と腰掛けるだろう。) 「………………………………」「……………………これぐらい普通なので。」(視線はもう既に貴方ではなく、その本の中にあった。なんとも御挨拶な話じゃないか。)   (5/27 14:12:28)


水沫 泡> 
『……………………オマエ、ちょっと耳が尖ってるからって馴れ馴れしくありません? 』「えっと……?」(想定していた10倍、いや100倍、酷く振り払われた言葉に驚く。ガバッと本を抱えて、移動し、ドサリと落とす。さっきよりも離れた場所に座られて、彼は呆気にとられたようにその様子を見守り)「おぁ………そっ…か……」(あまりにも情けない反応をした。小さな頃良くいじめられていて、だからそれを無視したり許容することは得意なのだが。君のそれはいじめと言うより……嫌われ、てる?なんかしたっけな、いや、声かけたのがまずかった?いつもの彼ならこの状況も飲み込み、目の前の小さな子が良いと思う環境、状態を彼も望む。つまり、遠ざけられたことを嫌がらずもう話しかけることは無い。……のだが。) 「それが普通って、凄いと思うな。」(君の方は見ないで、本に目を向けながらそう言った。このくらい、普通。それが普通になるくらい君はひたむきに勉強し続けてきたのだ。それが褒められるためでなくとも、他の誰かが褒めていたのだとしても。"このくらい"……なんて。自分の努力をもう少し褒めてやってもいいと思った。彼がこんなことを言ったのは、きっと周りのヒーロー達の影響なんだろう。)   (5/27 14:24:12)


ほりしぃ> 
『それが普通って、凄いと思うな。』「……………………、…………………」(……凄くなんてない。凄くなんてないのだ。これが当たり前であり、決して口にはしないけれど自分にとっては寧ろ『足りない方』なのだ。これ以上の『ライセンス取得』は望めず、体も成長しない。貴方はこれから沢山の人と出会ったり、多くの知識を得たり、努力の数だけ『得られる』かもしれない。だが彼女は違う。だってママ達だって言っていた。『もっと勉強しなさい』と。ひねくれた価値観と歪んだ観点からしか物を見れない彼女は、貴方の言葉を聞いて素直に受け入れることは出来るか?ゾワゾワとした得体の知れない浮遊感、彼女は本で口元を隠し、貴方の方を見ずに言葉にするだろう。)「…………………………さっきからなんなんですか?【⠀〝 ありがとう〟⠀】とでも言われたいんですか?オマエ。」 「…………別にそんな事しなくても良いんですよ?オマエのことをパクッと食っちまおうだとか、そんなこと思ってませんから。あは、良かったですねェ~~~~ッ…????お耳がニンゲンのソレじゃなくてェ……」(彼女は貴方がどんな人なのかを知らない。故にここまで避けても言葉にする貴方の心理が理解できなかった。ここまであからさまな態度をとったら離れるのが普通だろうに。気を使って彼女と目を合わせないところも、まるで『そう思ってます』みたいな態度も。皮肉にまみれた言葉を吐く彼女は、ふい、と顔を背けたのならばペラリとページを捲った。)「………」「……………………」「……………………………………………」「………………………………………、…………」「…………そ、………………」( ……………………????)「……………そ、……、そもそもほりしぃが、………〝凄い 〟ことなんて、…………………全然、…………………知ってますケド。」 (…………………)(………………………恐ろしくちっっっっっさな声だった。蚊の鳴くようなそれだった。口元どころか目深に帽子は被られ、表情すら見えない。) 「…………………………………、…………………………ので、…………………………」 ( 先日、彼女は『サクラダ』という男に言われた。『話し合わずに猛威を振るうのは下等なニンゲン共と同じ』だと。だからつっけんどんにしてシャッターを閉めるのではなく、不器用ながらに噛み砕いて、ちゃんと『聞いてますよ』をアピールしたかった。自分は「下等なニンゲン共と同じでは無い」のだと。だから聞き入れることぐらいは出来ますよと。それに相手はルクレルク人、しかもカミサマに関する本を読んでいる。)(…………………そして、何より。)
(……………『劣等』を呪っているこちらからしたら、卑屈を拗らせている中で褒められると、どうにも〝 悪い気〟はしないのだ。それが本心じゃなかった時、それが見くだされ情をかけられたと同義の薄い言葉でも、「やっぱりな」と思えるように虚勢は張り続けなければならないにせよ、である。)「……………………………、…………媚びを売るならいかにもそういう「馴れ合い」が好きそうなニンゲン共にするべきです。そうでしょう?………そうですよね。」   (5/27 15:06:21)


水沫 泡> 
「はは、君はありがとうって言われたくてこの学校に来たの?」(<読心×2>彼女は何かを求めて勉強している。彼女はなにかにそう望まれてる、もしくは自分で望んで。何かをめざし、努力をしている。しなければならないと思っている。それは強いヒーローか?……否。彼が見てきた"純粋なヒーロー"と性質のそれが全く違う。彼らはとって食うだとか、そんなことが可能だとしても口にしたりしない。つまり君は、どちらかというと。"こちら側"。無償の愛や救いを与えるためにここに来たのではなく、何かを得るため、自分の探す何かを求めてここにいる。純粋なヒーローであれば【ありがとうなんて求めてない】って言い切るかもしれないし、寧ろそれだけのためにここにいることだってあるかもしれない。でも多分、これは推測でしかないけれど君は違う。そして、それは彼も同じだ)「そっか、ちゃんと凄いって分かってるならいいんだ。」(彼は安心したように君を見て笑った。口元を本で覆い隠すその素振りは愛らしくて、不器用ながらに回答してくれるからきっといい子なんだろうと。そんなことを呑気にも考える。そもそもこんなにも努力出来る子が悪い子なわけないのだけれど)『…………………………、…………媚びを売るならいかにもそういう「馴れ合い」が好きそうなニンゲン共にするべきです。そうでしょう?………そうですよね。』「僕のことを快く受け入れてくれる人は、多分世界にはまだとても少ないよ。」(君なら分かるでしょ、と。そう言って軽く自身の耳に触れた。差別はやめようと言ったところで差別が無くなるわけではないのだ。この学校の人達はとても優しい。いじめは起こらないし迫害もされない。でも、これまでいた学校ではそんなことは無かった。彼は今でこそ人と関わることに躊躇はしないが、寧ろ馴れ合うのは好きではなかったはずなのだ。)「それに、君とは耳がお揃いだから。少し嬉しかったんだよ」(嬉しいって言うのは、変かな。そんなふうに笑って、彼は気がつけば本ではなく君のことばかりを見ているだろう。そんな彼は、君からすればどこまでも鬱陶しく映るんだろうか。)   (5/27 15:38:47)


ほりしぃ> 
「…………ほりしぃが???……………………馬鹿言わないでください。」(思わず鼻で笑ってしまった。感謝の言葉なんてなんの腹の足しにもならない。目に見えないもの、触れられないものに果たして価値はあるのだろうか。『ありがとう』と言われると嬉しそうにする、だなんていうニンゲン同士のやり取りを遠目から見てきた彼女は、貴方もそれに該当すると決めつけていたに過ぎない。質問を質問で返す貴方の意図を読み取ることは、彼女には出来やしないから、 本のページを捲る彼女は、密やかに貴方の話を聞く他なかった。)『僕のことを快く受け入れてくれる人は、多分世界にはまだとても少ないよ。』「………………………、……………………」 (…………しかし、何かを読み取る心理学がなくったって、その言葉の意味を理解できないほど彼女は馬鹿じゃない。【迫害】【差別】 嫌な2文字が脳裏を過ぎる。 …気にしていないと言えば嘘だった。それは貴方も同じであるのは明白だ。でなければわざわざそんなことを口にする必要は皆無じゃないか。あなたに何があったかは知らない、知る由もない。……しかしこの憶測が正しければ。) 『それに、君とは耳がお揃いだから。少し嬉しかったんだよ』(………この言葉は至極真っ当であるはずだった。普通ならば絆されたっておかしくなかった。事実、彼女も『耳が尖っている貴方だから』食べやしないし、図書室から出ていかずにまだここに座っている。 もしかしたら貴方の開口一番の言葉は、『貴方の本心だったかもしれない』なんて 淡く期待することだって出来た。優しく、ややはにかむように微笑みかける様子。 彼女もここで笑みのひとつでも浮かべてやれば円満に終わっていたはずだ。 )(しかし。) 「……………… ほりしぃとオマエは違います。」 (………………彼女は、本を強く握り締めながら、ポツリと呟いた。彼女があなたを受け入れず、ずっと引っかかっている言葉。それは。)(─────『僕のことを快く受け入れてくれる人は、多分この世界には〝まだ 〟少ないよ。』────)「……………受け入れてくれるやつが【まだ】少ないって。………………それってつまりは受け入れてくれているやつは既に何人か、『存在する』ってことですよね。」「………………迫害や差別を見て、『可哀想』だと思ったやつがオマエの傍に居る。〝 ヒーロー〟はオマエの味方もちゃぁんとしてるじゃありませんか。オマエが雑魚に見えるから、『守ってあげなくちゃ』ってちゃんと考えてもらってるんじゃないですか。」「………でもほりしぃはちがう。ほりしぃはオマエ達とは違って強いから、そんなこと思われません。絶対に〝 思わせません〟。」 「………………耳がお揃いだからって、『こっち側』な訳じゃない。」( 耳がとがっていても、差別を受けていても、貴方と彼女じゃ違うのだ。人じゃない2人組。でも貴方は『仲間はずれ』で、彼女は『人でなし』なのだ。 酷い言い様だとは思う。でも言わずには居られないのだ。チリン、とタグのようなピアスが揺れる。 『ニンゲン(餌)の中にも優しいやつは居る』と割り切ることは彼女にはできない。貴方だって彼女のやっている『日常』を知れば、『お揃い』だなんていえなくなるに決まってる。)「………………オマエの方こそ。………この学校に入ったのは、馬鹿なニンゲン共と同じで。『ヒーロー』とやらになりたいからじゃあないのですか?」   (5/27 16:29:44)


水沫 泡> 
(言葉を受け入れず、弾き返す。その様子はまるで、ほんの少し前までの自分みたいだった。彼女と彼は全く違うし、過去だって違うだろう。でも何故か、似てるな、なんて思えてしまうのは彼のエゴだろうか。)「俺はヒーローになりたかったわけじゃないよ。……今は、みんなと話してそうなりたいって思ってるけど。ヒーローが嫌いだったんだ」(彼は変わった。彼は変えられた。ヒーローなんて大嫌いだったのに、目指してみようかなんて手を伸ばしてしまっている。その変わり身の速さに思わず笑ってしまうほどだ。手首に付けられた、彼には似合わない派手な髪ゴムを指でなぞった。"守ってやりたいなんて思わせたくない。守りたいと思われるということは、弱いと思われるということだから。"きっとそんな風に考えているんだろうと推測する。その考え方にも同意できた。彼は生憎君のように強くなくて、ハチロクに守られてばかりで、エレナにも守ってやると言われてばかりだ。だからいつだってヒーローが傍にいた事は否定できない。100に嫌われても1に愛されていれば、幸せなのかもしれないから。だから、君とは違うのかもしれない。でも)「弱ければ守ってくれるし、強ければ守らないといけないかもしれない。俺は確かに弱いよ、とても」(彼はよく知っている。どんなに強くたって、誰かに救われても良いことを。どんなに強くたって、人は死んでしまうということを)「でもね、俺みたいに弱くなき救われちゃいけないなんて決まり事はないんだ。強いヒーローだって、人を殺した悪役だって、みんな……救われていいし、助けられてもいいんだ。それはどんな人だってそう、世界で一番強い人がいたとしても。人を何百と殺した極悪人と呼ばれる人がいたとしても、その人に手を差し伸べる人が1人くらいいたって……いいと思わない?」(彼はそうして欲しかった。彼はそうなりたかった。だから、"そうすることに決めたのだ"。君が誰の手を取ってもいいし、とらなくてもいい。ただ、どうしようもなくなった時に掴める糸を、彼は君に伸ばし続ける。だから、君が救われたいともし感じることがあれば手を掴めばそれで良いんだ。)   (5/27 16:57:17)


ほりしぃ> 
『俺はヒーローになりたかったわけじゃないよ。……今は、みんなと話してそうなりたいって思ってるけど。ヒーローが嫌いだったんだ』「………………………………、………………」 (彼女はその言葉に、ようやく顔を上げた。驚いたような表情だった。そんなこと、あるはずないと思っていた。誰しもヒーローは「憧れ」で、嫌う奴は『悪役』なんだと思っていた。でも貴方は見たところ悪役どころか、『皆が求める絵に書いたような善人』じゃないか。)『弱ければ守ってくれるし、強ければ守らないといけないかもしれない。俺は確かに弱いよ、とても』 『でもね、俺みたいに弱くなきゃ救われちゃいけないなんて決まり事はないんだ。強いヒーローだって、人を殺した悪役だって、みんな……救われていいし、助けられてもいいんだ。』 (『強い奴は救われる必要も誰かと群れる必要も無い』。貴方は彼女のその考えとはまるで真逆な事を言っていた。自分の生を否定され、化け物だと、敵意を向けられることは己が強いからこそなのだと。……それと同時に、放課後の、雑貨屋も、占いも、カラオケも、パンケーキも。そして『ヒーロー』も。邪魔で煩わしくて、何となく眩しくて、『妬ましい』 と感じるのはまだ己が『未熟』だからなのだと。)(…──────────彼女の根源は、『ママ達』の為。『ママ達』が受け入れてくれれば、自分を認めてさえくれればそれで良かったんだ。『ママ達』はこの世界が不幸だから『カミサマ』を創って理想郷にすると言っていた。自身はそれの要となり、糧となる器だと。しかし未だに【認めて貰えない】。こんなにもママ達を、愛しているのに。ママ達に認めてもらえるためにやっていることは、『ニンゲン達が受け入れ難い事』であることは分かっている。) (そのうえでママ達に認められない己は本当の意味での『世界に認めて貰えない ひとりぼっち』。何者にもなりきれない、除け者、………だから鵺が輝いて見えた、だから人を殺すことを良しとする惨いカミサマが彼女にとってのいわば、……〝 孤独(ロネリー)にとってのヒーロー〟だった。理想に置き換えていた。…………それなのに。)『それはどんな人だってそう、世界で一番強い人がいたとしても。人を何百と殺した極悪人と呼ばれる人がいたとしても、その人に手を差し伸べる人が1人くらいいたって……いいと思わない?』 「………………………………………」 「………………………………」 (『こうでなくてはならない』『ああしなければならない』〝レール 〟から外れた、『決まり事はない』なんて自由な言葉が突き刺さって離れない。だから彼女は立ち上がって言った。………………言ってやった。)「…………………………………………馬鹿みたい。そんなの、【許されるわけない】じゃないですか。」(貴方の目を、しっかりと見ていた。)「…………………………、………………だってそんな世界になったら、……………………『誰もがヒーロー』になっちゃうじゃないですか。そしてそんなの、『誰もヒーローじゃない』じゃないですか。」「…………………………………ヒーローは強い奴が『敵』で、弱いやつの『味方』じゃないと、ダメじゃないですか。」「……………じゃないと、……………じゃあ、じゃあなんでほりしぃは、……………………ッ………ほりしぃは【ずっと独り】なんですか。」 「どうしてほりしぃは、〝 ママ達〟に認めて貰えないんですか。ぶたれるんですか。」「なんで、ほりしぃは沢山の〝ヒーロー 〟に嫌われてるんですか。」「………………それはほりしぃが、ママ達にとって『まだ強さが足りなくて』……………アイツらにとってほりしぃが『強いから』じゃないと、おかしいじゃないですかッ゛ッ…………………」(………貴方の考えは、【あってはならない】ことなのだ。じゃないと、彼等が自分を嫌う理由も、ママ達が認めてくれない理由も納得ができなくなってしまうから。 世界が自分を【⠀生まれた時点で間違えている 】と罵っているなんて、思いたくないのだ。路地裏で出会ったアイツも、『誰も傷つけたくない』とか言っておいて、『自分を傷つけて』分けてくれた血液は『可哀想だったから』なんだ。きっと誰かを悪役に仕立てて、自分がヒーローになったり、可哀想なやつに手を差し伸べて良い様に見られたかっただけなんだ。科学者だって、友達になろうと誘ったのは、可哀想だったから、恩を着せたかったから。そう決まってなくちゃおかしい。おかしいのだ。) (………………人間の行動原理の全てに【下心】があるから、彼女は安心して今日を生きて、人を食うことができるのに。)「………………、…………」「……………ッッ…オマエの言ってること、全ッッ然………意味わかんない。」 (………………………貴方が〝 ヒーロー 〟だったらどうしよう。貴方のようなヒトが。もしもこの世界のヒーローと呼ばれる存在だったら。『正しかった』と納得しちゃったら。彼女は──────……………)「………………今に見ててくださいよ。ママ達のためにも、ほりしぃが正しくて、…………オマエが『間違ってる』って、証明してやります。」「所詮ニンゲンなんて、『救う価値もない雑魚』ばっか。皆汚いんです。………………救われても誰も文句言わねえのは『弱い奴ら』だけですから。」 (自分の弱さを認めることは『強さ』である。彼女は貴方と違ってそれが出来ない。認めることが出来ない。脆すぎる足場に高すぎるプライド。触ればすぐに崩れてしまいそう。)(だから彼女は崩れないように、虚勢で貴方にそんなことを伝えた。本を閉じて、塔を抱えた。証明のためには、もっと良く。…人を知らなくちゃならないのかもって。)   (5/27 18:08:57)


水沫 泡> 
(崩れてしまう。目の前の本の塔みたいに、君の心が崩れてしまう。脆い足場を強く踏み締めて、立ち上がったあなたを見て、彼はそう思った。どうして認めて貰えないのか。どうしてぶたれるのか。どうして友達ができなくて、どうして仲間外れで、ただ、……ただ、ルクレルク人だからって。……それは周りが馬鹿だから、愚かだから、矮小で、阿呆で、僕よりも強いから。じゃないと、……じゃないと"おかしい"。_______小さい頃、周りの子はみんな幸せそうなのに、自分だけがそうでないように感じた時に、彼も同じことを思った。理不尽な運命や物事を納得して受け止めるためには、"そうでなくてはおかしい"何かが必要なのだ。例えば彼なら、自分が弱くて悪い事をしたから、だから酷い目にあってしまうんだ。そうでないと"おかしいから"。そう思っていた。だって、もし、僕がいい子で、優しくて、そんな子だったのなら。どうしてあんな、痛くて、辛くて、酷い思いを___________。……君もそうなんじゃないかって気がした。自分が救われないのは、報われないのは、自分が強くて、人間が愚かだからだと。そうだとわかった時に、今の彼はあなたを放っておける程優しくは在れなかった。)(誰もがヒーローで、誰もヒーローじゃない。だって、彼の友達は、カミサマは、ヒーローに殺されたから。その日から彼にとってヒーローは"悪"でしかなかった。君にとって今の彼は悪なのかもしれない。いつか彼女が、誰かと交わした言葉で、世界が思うよりも酷くないことに気がついた時に。もしかしたら、今までの人生はなんだったんだろうって泣いてしまう日が来るかもしれない。やっぱり人なんてクズばかりだと、人を殺す日が来るかもしれない。なんにしろ、そうなった時に。ひとりぼっちになった時に。要らないと言われてもそばに居る人がいなければ、君は簡単に壊れて崩れてしまう気がした。)「君の言う通り。僕の言うことは間違ってるかもしれないし、救う価値も救われる価値もないかもしれないね」「…………ただ……」(君には必要ないかもしれないけれど。君の友達になりたかったんだ。)「君の努力が、誰にも見過ごされて。それが当たり前だと思えてしまうほどの環境にいて……なら、少しくらい……褒めさせて欲しいなと、思ったんだ」(本を抱えて、どこかへ行こうとする君へ。努力が報われなくとも、ママのために頑張っているのだとしても、少しくらい頑張ってよかったと思えるような、そんな力になれたならと。そう思う。)   (5/27 18:40:08)


ほりしぃ> 
「………………………馬ッ鹿みたい。」 (彼女は一言だけだった。長い長いツインテールをフルリと揺らし、あなたから顔を背けて出ていった。 『たったそれだけの理由で虐げられてなるものか』『認められない自分がいてなるものか』。 かつての貴方が『どうしてこんなことをされるのか』模索した理由か『自分が弱かったから』であるならば、彼女は『自分が強いから』。弱い自分はそれを受け入れるしかないし、許すしかない。そうやってやり過ごさなくちゃ自分が壊れてしまうんだろう。彼女はその逆だった。 受け入れない、許容しない。『強い』からこそ抵抗するし、強いからこそママ達の言うことならなんでも聞ける。 自分は間違っていない。だって自分は『良い子』だから。)(そうでなくちゃ、自分が壊れてしまうから。)(足音が遠ざかる。彼女は貴方が優しく伸ばした手を受け入れることはなかった。彼女の両腕は自分自身を抱えるので精一杯。塔のように抱えた本達から手を離したら崩れてしまうように、抱き抱えた自分の臓腑がまろびでてしまいそうで嫌だから。 何を躍起になって貴方が間違えていると訴えているのかは分からない。でも、きっと彼女はこれから 『ヒトとなるべく話してみる』ことを覚えるんだろう。理解しようとするんだろう。 本当の意味で『納得出来る理由』が欲しいんだろう。)(………コレは、【嘗ての諦めなかったキミ】。)(─────────ホーリーシットは【劣等】を呪っている。)〆   (5/27 18:55:47)

平山 平治> 
(ネットをみたりテレビをつければ"ヒーロー"の話題を嫌でも目にした。かつて彼が憧れた光、この街を守る正義の味方。理解はしている、彼ら彼女らのようにはなれない。ディスコードというやつも持っていなければ、何か特別な物を持っていなかった。だからこそ諦めた。テレビの中のヒーロー、学園の中の能力者達。これは自分には関係のない話だ、そう関係のない話、関係のない話……)「チッ、いってぇ……」(誰よりそう考えていたはずなのに、彼は柄にもなく触発されていた。何か自分にもできることがあるのではないか?かつて見た夢に近づけるのではないか?そう、少なくともこの日は考えたのだ。体を鍛えようと、拳を振り上げては壁に叩きつける。知識なんかないからやれる事は全部思いつきでしかなく、結果として、彼の今日の成果は拳を痛めただけに終わった。熱が冷めれば虚しくなるもの。落ち着いた脳は"なにガキみたいな馬鹿なことやってんだ"と今日の自らの行動を罵る。重たい足と腕を引きずりながら、包帯を求めて保健室の扉を乱雑に開いた)   (5/27 22:03:40)


ほりしぃ> 
「………………………ッたくこの保健室品揃え悪すぎますね。ちゃんと補充しときやがれください全く……………………」(貴方が入るほんの少し前、どうやらその室内には『先客』がいたらしい。西日が差し込む放課後【4時30分】。その小さなルクレルク人らしき女は棚を漁り、残り少ない巻数の包帯を手に取りながら独りでに文句を呟いた。…………というのは、彼女もまた怪我をしてここにやってきたのだ。手袋を外せば露呈するは手の甲、打ち身。内出血の中の、乾きかけた血と体液の滲み。まるで手の甲を何かで打ち付けられたような痕はもう古くなった包帯の隙間から露出している。とっとと巻き直したいところだと、彼女は包帯を解こうとしたその時だ。 ) (──────────ガラッ!!!)(と。)(扉が、開いた。その勢いの良さに彼女は思わず肩をビクつかせ、彼女は音の鳴る方へとジロリと視線を向けるだろう。そこにいるのは男、……………耳を見れば『ニンゲン』であることは容易に想像がつく。だからこそ。)「……………おいデカブツニンゲンッッ…………!!!もっと扉静かに開けられねェんですかァ?????クソほど耳障りなんですケドッ!!!!!!!!つうか大体───…………」(彼女はあからさまに顔を顰め、怒鳴った。 立ち上がるや否や、包帯を巻直す前に手袋をはめ直せばスカートの皺を伸ばすようにパッパと整え、貴方の方へと身体を向け歩み寄るだろう。身長差凡そ30センチ。こんなチビに出会い頭ここまで文句を言われる筋合いは貴方にないと言うのに。 腰に手を当てる彼女は、貴方を睨み上げ、どういう了見だと言わんばかりに次の言葉を………………………)(………………………言う、その前に。)「………………………、……………」(ジィ、と貴方の手の甲を見やる。…それは貴方がやってきた本来の理由だ。滲んだ血痕、素行の悪そうな男の怪我。 …………転んでついたわけじゃあるまいに。訝しげな表情は言わずとも、『何したんだ』と言いたげなのは明白である。 )   (5/27 22:35:04)


平山 平治> 
「うっっるせぇ……扉を開ける音よりどう考えてもテメェの声の方がでけえだろうが」(先客がいた事に、彼は腹立たしそうに眉間に皺を寄せた。目線を下げていけばそこには小さな少女が立っていた。あからさまに顰められた顔、ついている耳は普通の人ではない。長い耳の人種、確か……なんだったか。それを思い出すよりも先に、彼の鼓膜を大きな怒鳴り声が貫いた。眉間の皺はより深くなり、面倒くさそうに顔を逸らす。まただるそうなやつが先客にいたな、なんて内心でぼやいている間に彼女はツカツカと歩みよってくる。無視しても良いのだが、怒鳴り込んでくる性格的にそれをすればより怒らせる事。つまりは、また怒鳴られるだろうことを彼は察した。少し溜息を漏らして、彼女の方に顔を戻していく)「…………?…………………………なんだよ、言いてぇ事があんなら言えや」(訝しげな表情でじっっっと黙って見つめてくる。その様子から何したんだと言いたげ、なのは途中で気づいた。先程と打って変わって静寂。彼も黙って、何が言いたいと表情で訴えていた。どれくらい時間が過ぎたのか、いや全く過ぎてないのかもしれない。先に沈黙に耐えられなかったのは彼のようで、首の後ろを怠そうに叩きながらそちらに話を促した)   (5/27 22:55:50)


ほりしぃ> 
『………?…………………………なんだよ、言いてぇ事があんなら言えや』「…………………………、………」(【彼女は人間が主食である】)(思わず見入ってしまったのは言うまでもない。身体に刷り込まれた本能。反射的に 溜まる涎と きゅぅ……………と鳴る喉。でもここは『学校』だから。それに彼女はこの間、とある男子生徒と約束をしていた。それは、『人間は救いようもないクソしかいないことを証明する』こと。失礼な話をするようだが、見るからに貴方は『素行が悪そう』。その怪我だって〝転んだ 〟と言うには無理がある。『ヒト(ヒーロー)はクソ』であることを証明するにはまず ニンゲンという種族を知らねばならないという手前、す『いかにもお行儀悪そうな貴方』が、彼女の狙い目………標的というわけだ。本来ならばいい餌が手に入る絶好のチャンスであったが、その本能をバレないように密やかに、こくりと口に溜まった涎と共に飲み込んだのならば口にする。)「…………………ねェオマエ、それ何したんです?」「……………………………もしかして【⠀ 喧嘩 ⠀】でもしましたァ…………????見るからにオマエ、短気でお馬鹿ちゃんそうですもんねェ~~………………………オマエ。」「ヒトでもばかすか殴ったんです???? 」(彼女の口元は僅かににやけていた。そうだと言って欲しかった。 自分の感情に任せて人を傷つけましたと、そう言ってくれたら。〝ヒトはどうしようもない生き物 なんだ〟と、安心できるから。後ろに手を組む彼女は、じぃ………………と貴方の顔を覗き込む。ほら早く言えよ、と言わんばかりに。)   (5/27 23:13:59)


平山 平治> 
「ッ……お前、絶対性格悪いだろ。ぜっってぇ嫌なやつだろお前」(ライセンス危機察知、彼は自分に迫る危機に関してはかなり敏感だった。それはほとんど感のようなものであり、虫の知らせであった。彼の予感は今までにないくらい"逃げたほうがいい"と知らせてくる。しかし信じがたい。目の前の少女に?見たところ人外というわけでもないのに?まさかディスコードとやらだろうか?疑問が頭の中で羅列されていく中、彼女は沈黙を破った。それはーー……どう考えても彼を馬鹿にするような内容であり、初対面とは思えないほど下に見ているのが丸わかりなものだった。疑問や警戒が頭の中から消えていき、代わりに浮かんできたのは"なんだこの女"という苛立ちのようなものだった)「つーか、テメェに関係ない話だろ。いいーからそこどいて、俺に包帯を取らせろよ」(勿論彼は喧嘩などは、する事もあるだろうが今日はやってない。"ちょっと諦めた夢を思い出して、ヒーローになれるかもと壁を殴って鍛えてました!"……などと言えるわけもない。冷静になればなるほど黒歴史になりそうで、その上やり方もバカのソレだ。それを、どう考えても人より何倍も馬鹿にしてきそうな目の前の女に話すだろうか?少なくとも自分は話したくない。彼は何をしていたのか一切口にせず、不機嫌そうに吐き捨てていた)   (5/27 23:31:03)


ほりしぃ> 
「はァ゛…………………??????!!!!?嫌なやッ…………………ッッ゛~~~~~~!!!!!!オ、オオオオマエ、ッ……オマエェ~~~~~~~ッ!!!!!!よくもまあそんなッ!!!!!!!オマエなんかッ、オマエなんかッッ…………………!!!!!」「ッ……………ッ………………」「……馬鹿ッ!!!阿呆ッ!!!!」(貴方の直感は正しかった。彼女は嫌な奴である。絵に書いたような悪役である。しかし、しかしだ。 今彼女は『ニンゲンを知るための強化月間』 に入っている。食べようとしなかっただけまだマシだと思って欲しいぐらいだ。 …怒っちゃダメ、怒っちゃだめ。冷静に、冷静に。彼女は握りこぶしを作り顔を赤くしながらフルフルと震え、なるべく、なるゥ~~べく抑える。 自分からは煽るくせに、ちょっとでも攻撃されたらこの有様だなんて全く笑える話だ。) 『つーか、テメェに関係ない話だろ。いいーからそこどいて、俺に包帯を取らせろよ』「……………ッ、ハイハイもういいです。ほらとっとと行けばいいじゃないです──────────………」「…………………ぁ。」(…やっぱり話、聞こうとするんじゃなかったな。なんて、諦め半分投げやりに彼女は場所を開けて貴方に包帯を探させることを促すだろう。しかし、彼女はここで思い出す。今、こうして手に持っている包帯が、〝最後の1個 〟であることを。 貴方は今、包帯を探しているだろうか。もしも見当たらなくて、こちらを見たとしたのならば。)「………………………………」(にまァ~~~~~~~ッッッッッ♡♡…………と笑って包帯をひらひらぁ~~っと、チラつかせるかもしれない。)「 ……………………でェ……………????〝なんで包帯が必要なんでしたっけ? 〟」 (やっぱり喧嘩?人殴りましたーーーとは言いずらい???まさか貴方が『ヒーロー』になりたいからだなんて、彼女はそんなの知る由もない。性格悪いと言われて、当然だ。)   (5/27 23:51:00)


平山 平治> 
「お前なぁ〜……人の事短気で馬鹿って言っといてキレんじゃねぇ、そっちのが短気じゃねぇかばぁかッ!!」(彼女の言う通り、彼は短気だし間違いなく馬鹿でもある。本来言い返し用のない事実なのだが、彼は目の前のこいつにだけば言われたくないと、心の底から思っていた。彼は先程の虫の知らせを忘れて言い返すだろう。君が馬鹿というなら、彼も馬鹿と返していく。しかし時計を見ればハッとして、煽るのを止めた。正直大分、すごく、いやもの凄くムカついてはいる。しかし当初の目的は包帯の確保と、拳のテーピングだ。これ以上構ってたら保健室が閉まってしまう。家に包帯なんかないし、普段フラフラしている彼が必要以上の小遣いなど貰っているはずもない。お情けで食費くらいは貰っているが、包帯を買う余裕は正直なかった。なので、勝手に学校の備品を使わざるおえない。気を取り直し、包帯を探すのだが……)「あ、ちょっ、テメェなんの嫌がらせだよ!?くそっ、ああもう喧嘩喧嘩!喧嘩したんだよ!ほらもうこれで良いだろ」(ない、棚をひっくり返しても見つからない。切らしてんのかよと舌打ちし、仕方なく後ろを振り返った。そこには凄く凄く楽しそうな……人によっては可愛いとこぼしてしまうくらい、彼にとっては性格が悪いと言いたくなるくらいニヤついた彼女の姿。その手には包帯が握られていた。何故か彼女は包帯を求める理由を欲しているらしい。この上なく面倒くさい。しかし考えてみよう、わざわざ本当の事を話す必要はない。喧嘩したと言えばそれで終わるかもしれない。彼は見てわかるくらい適当に、どう考えても面倒くさいから言いましたって態度で喧嘩してきたと嘘を吐くだろう)   (5/28 00:13:08)


ほりしぃ> 
「あ゛ーーーーーッ?!?!?!オマエめんどくさくてワザとはぐらかしてやがりますねッ?!?!!!!!!???!!!!な゛ァ、もォそれじゃあ意味がねェんですよッッ!!!!!!!何が『これでいいだろ』ですかこの馬鹿ッッ!!!!!!!!」(見てわかる通り、貴方は『投げやり』にウンザリとして返答していた。無論、心理学を持っていなくてもそれが『この場を切り抜けるための安っぽい布石』だと言うのは言うまでもない。彼女は包帯を後ろに隠しては後ずさって睨み付ける。)「 良~~~~~ィですかァ~~~~~~??????? こんなことしたくてほりしぃはオマエに時間を割いてるんじゃねェんですッ!!!!!!!ほりしぃはやっぱり『ニンゲンはクソ』だって、『ヒーローはろくでなし』だってコトを証明しないといけなくてですねェッッ゛…………………」「…………………、……………?????」(彼女は言った。それは貴女からしたら【不可思議】なことであるかもしれない。証明?誰に、なんのために? そこを知らなくったって、彼女があからさまにその『2つ』に異常なまでの嫌悪感を抱いているのは文字通りの馬鹿でも分かるほどの言い様だ。『ヒーローは弱い奴の、可哀想の味方』。その当たり前がこの間、脆く崩れかけそうになった。足場が崩れちゃ立てやしない。当たり前が壊れることが怖い。だから、いかにも『素行が悪そうな貴方』に聞くことで、建て直そうとしていたのだ。ニンゲンが『悪いやつしかいない』ことを、『下等』であると、証明して欲しかったのだ。)(だが、ふ、と。彼女は止まった。止まって、あなたをジィ、と見た。)(ここは『ヒーローを育てる学校』。………………貴方はそこに、入学している。)「………………………………………」「………………………………………………オマエ。」「…………………………そもそも、……………………なんでこの学校に『居る』んですか。」「………………喧嘩って。『ヒーローがいかにも嫌いそうなこと』じゃ、無いですか。」 (今更ながらにポツリと聞いたこの台詞。…貴方はまた、めんどくさいとはぐらかすだろうか。)   (5/28 00:42:31)


平山 平治> 
「うるせえなぁ……そもそもお前何企んで………………"俺はヒーローじゃねえ"」(ヒーロー、かつての自分の憧れかつての自分の夢かつての自分の光。自分もあの人達のように生きたい、あの人たちみたいに弱い人を守れるようになりたい。でも、ディスコードが使えない。使えない、使えない使えない使えない使えない使えない。他のみんながヒーローになる事を期待されていても、なっていたとしても、ならない選択をするとしても.そもそもその選択肢を与えられなかった。"彼は一般人だ"人々の声援を受けて途方もない力を得る、なんてことはない。カミサマの聲は聞こえない、ディスコードを複数扱えたりしない、運命を覆すような事は出来はしない。特別な血統でもなければ、機械やカミサマでも突然ない。ただの一般人であり、能力が使えないカカシ。エキストラ。捨て駒。)「…………帰る、じゃあな」(能力がなくてもやれる、なんて幻想だ。それは嘘ではないのだろう、でも本当の事でもない。彼はこう考える。努力すれば強くはなる、でも能力があればその努力以上の力を出せる。『なんでこの学校に居るんですか』全く持ってその通りだ。半年前はディスコードなんか皆持ってなかったさ、でも今は違う。自分は置いてかれる、自分は追いつけない、自分は憧れに近づけすらしない。『なのに何故ここにしがみつく?』答えは出ない。"威圧"君は彼の威圧に怯む事はないかもしれない。それでも何か、地雷を踏んでしまったのは、理解できるかもしれない。それを笑ってもいい、馬鹿にしてもいい、何か思うことを話してもいい。どうしたとしても、彼は何も返さずにここを出ていくだろう)   (5/28 01:05:23)


ほりしぃ> 
「………………ッ……………………」 (【威圧】)( 彼女はそれに対抗するライセンスを持っていない。 腹の底が冷える感覚、足がすくんでしまいそう。こんなの初めてだった。言葉が出なかった。………視線が切れたのは貴方の『帰る』の一言が出てから。貴方はこちらに背中を向け、保健室を後にするのだろう。 )「………………………、…あいつ 、なんなんですか……………………」 ( 『ヒーローなんかじゃない』って。どういう意味だったんだろう。皆がヒーローになることを望む学校で、どうして貴方はあんな顔をして突き放したのだろう。確かに貴方は自分を『嫌な奴』だと言った。バカと言えばバカと答える単純さを持ち合わせていたはずだった。)「……………………………、…………………………ぁ。」(……ふ、と彼女は手元を見た。そこにはたった一つの包帯。そういえば貴方は怪我をしていた。でも。自分だって怪我してるし。それにあいつ、多分嫌な奴だしと。悶々とする事凡そ5秒。)(──────────そして。) 「……………ッッ゛…………………………………」(走り出すまでおおよそ2秒。貴方に追いついたのは何秒後だっただろうか。 カツンッッ!!!!!とハイヒールを鳴らしたのならば彼女は貴方の目の前に立ちはだかり、ツカツカツカ、と歩み寄るだろう。そして乱雑に手をとることができたのならば、貴方の手に包帯を無理やり握らせるかもしれない。) 「……………………ッ……………………………」 (それは明らかに、〝 申し訳ないことをした〟と思って追いかけたとは言えない表情だった。何も言わずに睨みあげる顔は、『納得がいかなかった』と言わんばかりだった。何がいけなかった?貴方は何を考えた?なんで『ヒーローなんかじゃない』?)(… 言いたいことを今日のところは全部飲み込んでおきましょう。包帯を渡したのだってただの気まぐれだ。貴方から何かを言われる前に、走って逃げたのは彼女の方から。)(劣等に苛まれるあなたと、劣等を呪う彼女の話は、……………また今度近いうちに。)〆   (5/28 01:22:23)

Gaill Monochoria> 
『……………────────〝 気楽で良い 〟ですね。オマエ。』『カラオケも?パンケーキとやらも??雑貨屋も、………靴を飛ばして、天気を占うのも………………ジャンケンを、するのも………………』『……………ヒーローなんか、』『──────────ほりしぃはッッ!!!!!!!!!』『…………………………………、…………そういうのは、………〝 ママ達〟に聞かなきゃ………………………………分かンない、です。』______________(某日。街の雑踏外れ。蒸し暑い夜の続く昨今、珍しく涼しい黄昏時。このまま夜へ移ろったなら、屹度少し肌寒いでしょう。空模様は静かな曇り。残光に陰った所為か、或いは本当に黒いのか。空に浮く其れ等は雨雲に見えた。)(部活帰りかカラオケ帰りか、何やら判らないけれど。ひとっこ一人居ない此の通りに向かう間も、学生達の喧噪は聴こえて来て。)(珍しく、男はたい焼きを買っておらず。其れを目当てとせず街へ繰り出していた。いつか見た資料の塔。放課後真面目にお勉強してたなら、大体このくらいの時間に帰るんじゃないかなんて、緩い予想を以て。)(因みに今日は2回目。過去在った初回は散歩に終わってしまった訳だが、街から居るかも判らない一人を探し出す難易度は其の時身に染みた。)(故、本日は妥協無く。振るわれたるはレッドドア。メトロノームも静寂を為す時計盤の中央。目当ての後ろ姿を見付けたなら。少し逡巡して、それから目標として設定していたメモ紙を破り捨てた。時間の邁進は解放される。貴女の足音は、あの日と同じく急ぎめのアンダンテでしょうか。其れすら判る前に、寂れた通りに声を響かせた。)「 Hey. 」(さて。或る夕暮れの理科室。其処で紡がれた寂しげな言葉を。虚勢で、虚栄で塗り固められた淋しげな言葉を、思い出す。孤独を好むと云うにゃ無理のある娯楽の羅列。伏せられた目、覗き込んで見えたのはパステルの水彩より淡く滲んだ淋しさだった。だから。)「〝ママ〟には訊いてくれたかねェ?」「どうだったよ、ほりしぃチャン。」(だから。軽い笑みで。静かに、言葉を、紡いだ。)>ほりしぃ   (5/28 22:23:21)


ほりしぃ> 
(──────────時の狭間、砂時計であれば逆向きに。 懐中時計は歩みを止める中。スマホで通話をする人、友達とはしゃいで帰る生徒、家に帰ろうとするサラリーマンにエトセトラ。貴方にとって、今この世界は『大規模な美術館』とそう変わらないんじゃないか。人々の生活、コンマ1秒を切り取った現代アート、リアリズムなそれは飛ばされた風船さえも息を止めて留まらせる。貴方が行きつけのたい焼き屋をスルーして、カツリ、コツリ、と白衣を翻しながら悠々と足音を鳴らす姿は、誰も気付くことはない。無人の棺桶に頼る程、一体貴方は何を探してここにいるのか。まさか誰もその大層な能力を持ちながら『ガキ1人を探している』とは想像しないだろう?) (だが。)(貴方は、【⠀やる男 】である。)(6月初め、日が伸び切り始めたこの時間。吸血鬼の如く日の目から避けるよう路地裏を歩いていた小さな後ろ姿が1つ。貴方はそれを認識し、いっとう元気のなさそうな彼女の顔を前に。)『Hey.』 (──────────【⠀レ ッ ド ド ア を 解 除 す る 】)『ママ〟には訊いてくれたかねェ?』『どうだったよ、ほりしぃチャン。』 「…………ッ?!?!?!………、…ッ、オ、マエ………………ッ゛……」 ( 彼女にとっては、見覚えのある軽薄な笑みといかにもおちゃらけた金髪が急に視界に現れることになる。長い前髪の隙間から赤目を見開いた彼女は、フラフラと後ずさりその状況に【⠀またオマエ 〝アレ(ディスコード) 〟を】とキツく睨みつけていたに違いない。そして、セオリー通りなら貴方に怒鳴り込んでいたところだったんだ。そう、〝セオリー通り 〟だったら。) 「………………………………、………ハッ…………ストーカーですか。気持ちわりィ。」「…………………………大体そんなん、聞くまでもねェですよ。ほりしぃはオマエとなんか、〝 オトモダチ〟になんかなりたくねェんだから。………………わざわざそれ聞くためにここまで来たんならお生憎さまですねェ………………………お話はこれで、おしまいです。」(彼女は貴方の質問に、顔を歪めて斜め下に背けるだろう。)(【5月■日 23時■分40分】)(…………『ママ、あの。』『………………………ニンゲンの、男がね。…………ほりしぃに、話しかけてきて。それで、〝オトモダチ 〟に、なりたいとか………………言ってて。』)(【■■■■■■■■■■……………?】)(『………………ッ…………そんなわけないッ!!!!!!ニンゲンらしく馬鹿みたいなこと言うもんだから、それでそのニンゲン、ほりしぃパクッと食べてしまいました。』『……………へ、へへ……………ほりしぃ良い子でしょ?………そうでしょ?…………〝 そうですよね〟。』『…………………………………喋り、ました、……喋りましたけどほんのちょっとだけッ、本当に直ぐに、食べてッ……………………………………………っ……はい、…………ごめんなさい。〝 ママ 〟。』)(【5月■日 23時54分】彼女は長い手袋を外し、細い腕を罪人のように机に差し出した。)(苦い思い出には蓋をする。彼女はゆっくりと顔を上げるも、なるべく貴方を見ないようにしながら口にした。)「…………………………………とっととおーちに帰って、科学者ごっこの続きにでも勤しみやがれください。良いですね?」(畜生、なんて運の悪い男だと、内心舌打ちをつくのは言うまでもない。彼女は踵を返すだろう。それでお別れだ。…………お別れ、したかった。)「………………ッ、…………………」(しかし。足元、まるで何か床でも抜けたようにぐらりと崩れて壁に凭れることになる惚れはまるで、糸の切れた人形のようだった。 一段と血色の悪い顔、覚束無い足取り。肩を預けることになった彼女は、それでもおうちに帰ろうと前に進もうとする。)   (5/28 23:19:15)


Gaill Monochoria> 
『………………………………、………ハッ…………ストーカーですか。気持ちわりィ。』(其の罵倒は予想通りで。けれど何処か、あの時みたいな勢いを感じさせなかった。)『…………………………大体そんなん、聞くまでもねェですよ。ほりしぃはオマエとなんか、〝 オトモダチ〟になんかなりたくねェんだから。………………わざわざそれ聞くためにここまで来たんならお生憎さまですねェ………………………お話はこれで、おしまいです。』「オイオイオイオイそりゃァねェだろゥ」「話が終わる終わらんなんてのはどォだって良い。どちらにしろ“僕ァキミへ話し掛ける”しな。」(其れは一方通行。此方が始めるんだから貴女が終わらせるかなんて知った事じゃあないなんて屁理屈。だが其の理論と呼ぶ事すら憚られる無理矢理な言葉も、ニヒルでふざけた科学者にはよく似合うだろう。)『…………………………………とっととおーちに帰って、科学者ごっこの続きにでも勤しみやがれください。良いですね?』「あァら残念、僕ァ寮暮らしでね。あったかいおーちは無ェのよォ」「僕も欲しいぜ?毎日出迎えてくれて友達選びにまで口出ししてくれるステキなママがさーァ」(しょうもない揚げ足取りを重ねて、オトモダチを目指すにしちゃ随分な対応だ。)(“聞くまでもない”なんて言う割に、あの日言葉に詰まった状態で零したのが親の事だなんてのもおかしな話。たかだかヤマ勘だが見透かした様な態度を取って、それから敢えて少しおちょくる様な言葉を。昨今、虐待やらなんやらなんてのはニュースキャスター様が死んだ顔して呆けた口でしょっちゅう読み上げている事だろう。或いはそんな可能性を思い浮かべたり。)【5月■日 23時■分40分】(時を止めれど。其の中で唯一人進み続く権利を持てど。貴女の言葉の真意を知らず、其の予想外へ身構える事も出来ない男は。結局の所、あの日要らないだろうなんて思った暗中模索を用いるしかなかった。) 『………………ッ、…………………』「、?」「オイどうした?」(がくり、と書き表すにはもっと生物的な滑らかさを持った、そんな下降が有った。突如崩れ落ち掛け、其れでも壊れ気味のゼンマイ仕掛けみたく進もうとする様子に異様なモノを感じて。)「具合でも悪ィのかね?僕と話さない為の演技だってんなら流石に傷つくぜィ?」(なんて軽口を交えるけれど、愚直な男には演技に見えなかったモンで。駆け寄って貴女の身を案じるだろう。)   (5/28 23:48:02)


ほりしぃ> 
『あァら残念、僕ァ寮暮らしでね。あったかいおーちは無ェのよォ』(黙れ。)「………………、……」『僕も欲しいぜ?毎日出迎えてくれて友達選びにまで口出ししてくれるステキなママがさーァ』「………………………………、………………」(黙れ、黙れ、黙れ。心の中で何度もそれを呟いた。今は貴方の減らず口に付き合っている余裕は彼女には無いのだ。ママの悪口なんて言ったら許さないぞと普段なら牙を向いているところを、『それじゃ収まりが効かないかもしれない』から堪えているのだ。なのにこのバカ(お人好し)ときたら。ズルズルと前に進む彼女に駆け寄るや否や。)『オイどうした?』 (こうやって。)人の気も知らないでズカズカと歩み寄ってくる始末だ。やけに貴方の声が遠い錯覚、近づくことにより視界の端に映る貴方の柔肌。 彼女はお腹をぐ、と抱き抱えるように抑え、壁に肩を擦り付けるようにずるりずるりとしゃがみこむ。 長い長いポニーテールは床についた。俯く彼女の表情は、長い前髪で分からない。 ) (しかし唯一今、分かること。それは彼女が。)『具合でも悪ィのかね?僕と話さない為の演技だってんなら流石に傷つく──────── …………………』(……………〝 嗚呼、もういいかな、 〟なんて、思っちゃったこと。)(ズロォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ゛………………………)(と。)(貴方を取り囲むように、腥い臭いと共に食虫植物共が彼女を中心に生えたのは。『ぉ゛…………お゛………………』と植物から発せられる鳴き声なような音。その1匹である巨大なハエトリグサを模倣したようなナ二かは、貴方を舐めるように見回すよう口元を近づけたのならば、ポタリポタリと液体を垂らすだろう。重力に従い 落ちたそれが【ジュワリ】と音を立てて煙を上げ、混凝土に焦げを作った。……賢い脳味噌を火花を散らし、ギアをあげて思考せよ。貴方は今、【捕食者の目の前にいる】。)「…………………………ッ、…………………」(小さな捕食者は、肩で息をし、依然として俯いていた。貴方の頬を品定めでもするように撫でようとする蔦は彼女の意思だろうか。)「…………………こ、のほりしぃがわざわざ見逃してやるって、………………言ってンのに、……………………本当に、愚かしくて馬鹿なヤツですねェェ………………」「…………………………初めてあった日のことを覚えて居ますか?」「オマエが【⠀パクッ】と、食っちまうとおちゃらけてたあの台詞。」 (そこで漸く、捕食者がゆっくりと顔を上げ、上半身をガクン、ガクン、と2度ほど前傾、後傾と主軸が定まらないと言わんばかりにおぼつかなく起き上がらせるだろう。カク、と首を傾げ、前髪の隙間から覗く赤目は貴方を捉えて話さなかった。小ぶりな口元を開き、覗く隙間から見える歯が尖っている理由を知っているか。)「…………所詮ヒトは【餌】でしかねェ、餌と仲良く友達ごっこだなんて笑わせないでくださいよ。」「………この際…………ヒョロっちくてもいーや。……喰えりゃァなんだって。」「そう、喰えりゃあなんだってッッ………………!!!!!!!!」 (さァ【逃げろ】。その奇妙なディスコードなら容易だろう。時の狭間に逃げ込んで、今のは見なかったことにするべきだ。威嚇するように大振りに構えられた植物達。〝 猶予〟は充分過ぎるほどである。)(…………………………【彼女は重度の飢餓状態にあった】。今ならば、どんなに痩せた貴方でも。皆等しく幼い彼女の糧となる。)   (5/29 00:25:19)


Gaill Monochoria> 
(ず、と。唯、一つ。場を蝕んだのは〝死〟であった。其の感覚よりずっと長く、長く、温く、暗く、腥く。ゆっくりと。然れど確実な今日を孕んだ其れは産声すら上げず。)『ぉ゛…………お゛………………』(声なのか、はたまた只の音であるのか。生物の本能へ土足と言わず素手で、己が体液へ沈み込めて行かんとする狂気すら持たない貪食。暗い場所より完全な暗闇が尚恐ろしい様に、陰一つ無くす程に照らし尽くす光が脅威である様に。只、唯。目の前には生命の終わりそのものが無機物の様に置いてあるだけだった。)「ッ............!?」(流石に頬を冷や汗が走る。其の感覚すら解する余裕はない。零れ落ち掛けているのは自身の命だ。)(思考しろ。)(思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ思考しろ『…………………こ、のほりしぃがわざわざ見逃してやるって、………………言ってンのに、……………………本当に、愚かしくて馬鹿なヤツですねェェ………………』「ぁ、?」(其れは、静かな。疑心であった。)【ディスコード】レッドドア【宿主】君は探求を愛している【能力】このディスコードの能力は時間の停止である。条件は目標を設定する事。例えば、目の前の障壁を破る事を目標として能力を発動した場合、その障壁を破るまで宿主以外の全ての時間が停止する事となる。逆説的に絶対に達成できない目標を設定した場合、老衰して止まった時の中で死亡し、宿主以外の視点からは宿主が突然白骨化して死んでしまう事となる。(何故、思考をしたのか。何故、焦っているのか。何故、黒の棺を、ディスコードを発動していないのか。)(デジャヴ、と云う言葉が在る。其れは深層心理に迄潜り込み得る錯覚を糧としたエラー-違和感/既視感-である。)(逆説。)(ならば実際に体験した事の在る事象が同一のエラーと為る事も在ると云えるだろう。)【彼は探求を愛している。】(彼は演出を、其の浪漫を愛する変身ヒーローを“同志”と呼ぶ。)(彼はギタリストの其の芸術を、“創作”を。心の底より賞賛している。)(彼は伝承を齧っている。北欧の魔剣、其の名を冠す技を放った英雄の仲間である。)(ならば。)(浪漫を、伝承を、創作を愛すならば。或いは其の噂話を。〝迷信〟を。彼は何処かで目にした事がある。)『『蚕蟲の卵 (てんしのたまご)』を知っているだろうか。』『一般市民は上記の情報を『オカルト掲示板の噂話』程度の認識しかしちゃいない。』(確度は低い。相違点を幾つか見付けただけだ。だが慥かに、君は。)『オマエが【⠀パクッ】と、食っちまうとおちゃらけてたあの台詞。』(慥かに君は、其の場任せのハッタリなんかじゃあ無く、“あの日から”。あの日から、『喰う』と、そう言っていた。)( な ら ば 。 )「【レッド、ドア】。」(ザ。)(ザザ、ザ、ザザザザザザザザザザザザザザザ__________________。)(世界は、歪む。刻針は回らない。只、唯。男は過程を双肩に背負い。結果を世界に齎すだけだ。)「.............。」(貴女の辛そうな顔を見据えて。)(情報屋から買った、ナイフを用いた。)「ッ............」(それから、それから。)(俯き気味な貴女の、其の前に立つ男は。)(........少し、窶れて居る事だろう。)「なァ。」「本気で喰うッてんならまァ........構わんが。」「一先ず〝この〟ォー.......試供品でもつまんでってくれよ」(そう言って。差し出すのは赤黒い澱みの満ちたペットボトル。)(レッドドア。目的を達する迄全てを打ち止める黒の直方。不可の目的を据えた場合、遺るのが白骨であるならば。停止空間内。栄養の接種さえあれば男の生命活動は止まりやしない。畢竟、唯一人過ぎ行く時間の恩恵を、呪縛をも受けられる男による。乾坤一擲の裏技である。)(はっきり言って。容量を、僅かとは言え寿命を消費して迄賭ける様な一手じゃあなかった。逃げてしまえば済む話だ。君を放っておけば済む話だ。突き放せば済む話だ。)(然し。然しだ。)「美少女に喰われておっ死(ち)ぬのも悪い話じゃァ無いがよゥ...........」(腹の底からの〝理解〟をしなくとも、事象として〝認識〟はしている筈で。あの時と同じくも、此の御人好しは。)「美少女と〝パンケーキ〟でも食える方が僕にとっちゃァ望ましいぜィ?嬢ォチャン。」(〝君の事を見放さない。見て、離さない。〟見据えろ。ネオンピンクの双眸を。顔色悪くも飄々と笑い続けて。ジョークみたいに望みを言った。紛れもなく、本心を。)(もう、煽りはしない。此の科学者は、あの日理科室を出る前の、少し立ち止まる君を見ていた。)(君にとっての悪魔-?-は。黄色い髪の青年と〝可能性〟を愛し、そしてなにより。)「まだ言って無かったな。」「僕ァGaill Monochoria。」「ンでもう一度訊くぞ。」_____________「キミの友達にゃァなれねェかィ?」G e i l l M o n o c h o r i a は 探 求 を 愛 し て い る 。   (5/29 01:29:35)


ほりしぃ> 
『───【レッド、ドア】────』(何度目かの呟きの後、世界の時間は貴方を置いて、ピタリと止まった。 その間、貴方が何を思考して、何を錯誤して、何を繰り返し、そして、何を〝 導き出したか〟なんてのは分からない。こちらの世界からしたら、貴方は『結果のみを持ってくる』 ことに過ぎない。次の瞬きの瞬間、息を吹き返したかのように動き出した時の中。彼女の目の前には例に及んで『結果』のみを手にした貴方がそこに立っていた。赤黒い液体がとぷん、と入ったペットボトル。彼女はその赤をよく、見知っている。それを手にした貴方の姿は。窶れた身体と少しぼさついた髪、よれた白衣と青白い顔。まるで彼女と同じように、〝 何日も食べていない〟か、或いは ─────………………)「………………、…………………」「……………………オマエ。」( そこまで思慮したところで。彼女は息を飲み、目を見開いた。 先程までまでなかったペットボトルに入った〝 〟赤黒い液体。 窶れた身体。顔色の悪い表情。拠れて時間のたった白衣。手入れされていないようなぼさついた髪。 )(───【■日前】───)(それは初めて彼女と貴方が出会った日。貴方をバカにしたその時、目前の本が消えては出現しを繰り返していた。あの時は対して気にする事は無く、下手すりゃ気づきやしないほどに頭に血が昇っていたのかもしれない。しかし今なら分かる。貴方は、そう。貴方は、『結果を持ってくる便利な不和を持った軽薄な男』なんかじゃなく─────────…………)『美少女に喰われておっ死(ち)ぬのも悪い話じゃァ無いがよゥ...........』『美少女と〝パンケーキ〟でも食える方が僕にとっちゃァ望ましいぜィ?嬢ォチャン。』『まだ言って無かったな。』『僕ァGaill Monochoria。」『ンでもう一度訊くぞ。』『_____________キミの友達にゃァなれねェかィ?』「…………………………、……………」「……………………………」「………………オマエ…………………、…………………………………」「……………………〝 あれから、どれぐらい経ってますか〟。」「オマエ、………………何考えてるんですか。」「こんなこと繰り返してたら、オマエは………」(時間が足りない、間に合わないなんてことのないよう、邪魔が入らぬ長考を心行くまでできるように。それは正しく『狂気的な努力家(科学者)』にしかなし得ない事象。) (〝 貴方は探求を愛している〟。)( でもこんなことを繰り返して使っていたら、貴方は世界を置いていき……………いいや。〝貴方が世界から置いていかれて決して動かぬ時の狭間に閉じ込められてしまう可能性だってある 〟。そうじゃなくても、周りが知らぬ間 に貴方は時を重ねるわけだから。寿命が相対的に見方によっては〝 縮んでいる〟と表記してもいい。人間は、体内の血液が20パーセント失われたら出血性ショックを起こすことは言うまでもない。ペットボトルに入っている血液量は凡そ500mL。一般的に行われる献血の平均値は400mLであり、華奢な貴方がこの献血量を貯めるということは────────…………)(…………〝不可解 〟だった。その先の言葉が紡げなかった。困惑の色、貴方から目が離せない。自分の感情に理解が追いつかない。怒り?いいや。憎いか??いいや。でも確かに〝 知っている 〟。) 「……………………ほりしぃは。ヒトを、喰うんです。」(彼女はポツリと呟いた。)「…………………今まで沢山喰いました。」「………………とある『ヒーロー』は言いました。人を傷付けるのは良くないことなのだと。」「オマエにとってもそうでしょう?同胞が殺されて、嫌じゃないですか?憎らしくないですか?許せませんよね????ほりしぃ達にとって、オマエ達は家畜以下なのは変わらないしこれからも喰うんですから。」 「オマエの努力は徒労に終わるんですッ…………無様ですねェ~~~~~~ッッ…………血液なんかなんの腹の足しになるんです????『優しさ』のつもりですか?『お情け』ですか????」(彼女は、立ち上がる。)「 食われたくないから交渉の一手にでも踏み切ろうとしましたか?????」(そして、腕を伸ばし細い貴方の身体を突き飛ばすかもしれない。)「………ッ………ッッ ………ッそれで誰かを、〝 救った〟つもりですか。」(何度も、何度も、何度も。貴方が下がったのならば前に出て、また突飛ばすなんてことを繰り返すかもしれない。)「気持ち悪ィんですよ本当にッッ!!!!!!!!!!!そうやって偽善ぶって、近付いて、餓鬼を見るような目でッッッ!!!!!!出会った時からいつもそうッ!!!!!!!パンケーキなんか食わないし、下等なニンゲンなんかと仲良くしないって言ってるじゃねェですかッッッッ!!!!!!!」( どこかに行っちまえと言わんばかりだった。)「……──────────なんで、…………そうまでして、〝 オトモダチ〟に、なることに固執するんですか……」「………ッ………せっかくニンゲンなんなら、………ッニンゲン同士で全部やりゃいいじゃねェですか、なんでこんな、こんな………ッ……… 」 ( ……苦しそうに顔を歪める彼女は、手袋に覆われた腕を下ろした。)(彼女はこの感情を知っている。それはあの『いかにも素行が悪い生徒』にも抱いた感情。誰かと話す度、度々抱いていた、その都度『納得がいかない』と片されるあの気持ち。) 
(それは。紛れもなく、ほんの小さな、〝 罪悪感〟によく似たものだった。)(でも、彼女にとっての『ごめんなさい』はママ達にしか使わない。許して欲しいから、愛されたいから。〝 自分を守りたい〟から。ママ達にとっての『悪い子』になりたくないから。『良い子』でいたいから。)(でも今は違う。別に許して欲しくもない、愛されたいとも思わない。虐められすらしないから、折檻もしてくれないものだから。こういう時に『ごめんなさい』を使うべきなのだと彼女は分かりやしないのだ。責められもしない状況が不安なのだ。せめてせめて『お前が悪い』と言ってくれたら、安心できてしまうのだ。不和はいつの間にか影にしまい込まれていた。……大きな威嚇で猶予を作ったのは、貴方が逃げてくれるって、淡く期待していた自分が憎らしい。こんなことなら、とっとと食っちまえば良かったんだ。)   (5/29 02:38:06)


Gaill Monochoria> 
『……………………〝 あれから、どれぐらい経ってますか〟。』(そんな問いが投げ掛けられたなら、男は困ったように小さく笑って、溜息を吐いてから答えるでしょう。)「はァ゛ーーー.............」「まァ“時間なんて経っていない!そーゆーマジックなのだァ!”で誤魔化せる程莫迦でもなかろう?君は。」「...........覚えちゃいない、数えちゃいない。ってェくらいにゃ経ったと考えておくれよ」(うなじの辺りを掻いて、誤魔化すみたいに一瞬目を逸らす。君の事を考えると真実を伝えるのは少し憚られたけれど。全部隠してキレイに救う、なんてのが出来るなら彼も正義のヒーローを目指していただろう。だから溜息を吐いた。)『オマエ、………………何考えてるんですか。』『こんなこと繰り返してたら、オマエは………』「腹の内はさっき話したつもりだがね。信用にゃ足ンねェかィ?」(軽く笑うのは相も変わらず。けれど男は貴女の言葉を確と聴いている。)『……………………ほりしぃは。ヒトを、喰うんです。』「ああ。」(疑心が確信に変わっただけだった。大きなリアクションは特に無いまま。)『…………………今まで沢山喰いました。』「ああ。」『………………とある『ヒーロー』は言いました。人を傷付けるのは良くないことなのだと。』「...............。」『オマエにとってもそうでしょう?同胞が殺されて、嫌じゃないですか?憎らしくないですか?許せませんよね????ほりしぃ達にとって、オマエ達は家畜以下なのは変わらないしこれからも喰うんですから。』「.......................................。」(男は、静かに。抵抗もせず貴女にされるがまま突き飛ばされて行くだろう。とすっ、とすっ、と。)『オマエの努力は徒労に終わるんですッ…………無様ですねェ~~~~~~ッッ…………血液なんかなんの腹の足しになるんです????『優しさ』のつもりですか?『お情け』ですか????』『食われたくないから交渉の一手にでも踏み切ろうとしましたか?????』『………ッ………ッッ………』『ッそれで誰かを、〝 救った〟つもりですか。』(止め処なく、止め処なく。) 『気持ち悪ィんですよ本当にッッ!!!!!!!!!!!そうやって偽善ぶって、近付いて、餓鬼を見るような目でッッッ!!!!!!出会った時からいつもそうッ!!!!!!!パンケーキなんか食わないし、下等なニンゲンなんかと仲良くしないって言ってるじゃねェですかッッッッ!!!!!!!』『……──────────なんで、…………そうまでして、〝 オトモダチ〟に、なることに固執するんですか……』『………ッ………せっかくニンゲンなんなら、………ッニンゲン同士で全部やりゃいいじゃねェですか、なんでこんな、こんな………ッ………』(下がって、下がって。壁に、建物にぶつかって行き止まり。そうしてやっと、少女の驟雨は収まった。貴女は気付くでしょうか。男から笑いが消えている事に。何処かからふつりと相槌が消えている事に。)「........あのなァ。」「ほりしぃチャンよ。」「キミァガキだろ。全然。」(するりと、何の躊躇いも無く。)「また肯定ばっか求めてよォ、なんだ同胞が殺されてだの何だのそれらしい事言いやがって。」「僕ァ肉が好きだが焼肉中に“友の仇”と牛さんにどつかれて死んでも納得いかんぞ全く以て。」(あの日、幾つかの予想外が君を襲っただろう。或るいは、今日だって。ヒーローなんてのに随分な理想を持つ君へ。大衆正義-ヒーロー-を嫌う悪魔の言葉は____________)「食人がキミらの生命線であるならばソレ自体を否定する事はしない。」(仮に。貴女がただただ人間を“餌”だと認識しているならば。それを下等だ下等だと意識するだろうか。人間は食物を下等だと罵るだろうか。いや寧ろ何処かでは豚を“不浄”として口にしない文化すらあるらしい事を彼は孤児院で知っている。)「偽善だァ???もし僕が偽善で気持良くなっちまうイカレ自慰ヒーロー(笑)なら今ココでキミを殺しに掛かってると思うがなァ。」「そうだな、一個一個答えてやろう。」(其れは、あの理科室での彼の自問自答の様に。貴女の自縄自縛を紐解く様に。)「一つ。僕ァ僕を救ったまでだ。目の前に在る未知を、可能性を棄てるなんて出来ゃしない。」(事実、蜘蛛の糸程も無い可能性へ彼を駆り立てたのは其の知識欲も関係する。仮にも男はマスカレイドホウルを前に笑って叫んで、彼の瞳を穿ち抜いている。)「二つ。僕ァキミを恨んじゃいない。さっきも言った通ォりだ。」「付け足すならキミの方がよっぽどヒーローらしいんじゃァないかァ?被食者の気持ちなんてェ考えちまってさ。」(そして男はまた笑い出す。)「三つ。交渉はありえない。美少女に喰われるンならと、そう言ったハズだ。」(突かれて来た道のりを辿る様。一歩一歩君の方へ進んで行く。もし仮に君が後退るなら、其の分だけまた歩を進めて。)「クックック..............面白いなァ?」(逃がさないとばかりに進んで。そして、そのお喋りな口は。)(貴女の核心を探求-もと-め、言葉を放った。)「キミの思慮は、言葉はどうにも。」_____________「〝優しい奴が無理に悪者ぶって頑張ってる〟様ォにしか聞こえんぜ?」(そして此の悪魔は聞き逃さなかった。決定打を。完全完璧ではないが。圧勝-ラヴゲーム-へ邁進する為の空隙を。)「キミ言ったよなァ???」「 “ せ っ か く ” ニンゲンならとォ.........。」(笑って、哂って。)「“こんな”ァ.......なんだァ?」「えェ?オイ。」(男は立ち止まって。それから、しゃがみ込んだ。貴女と、視線を合わせる、その為に。)「 Hey. 」「僕の思い違いなら申ォし訳無い限りだがァ............」「キミィ、もし本当に腹の底から絶対悪-ヴィラン-でも無ェならさ。」「ゴメンナサイの一つでも言ってみたらどォよ。」(拝啓 相対悪-ひとりぼっち-へ。)(ヒーローは弱い奴の傍に。自分は強いから。下等なニンゲンなんて。そんな言葉達は、ただ人間への拒絶と捉える事だって出来よう。少なくとも男はそう感じて居た。更に言うならば拒絶では無く自身への呪縛。孤独の強要。)(もしも。もしも、其の根源がヒトを喰べる事への自責の念であるならば。)「......生まれ育った環境は、思想は。」「キミの罪じゃァないぜ。」(寂れた通りで二人。)「それでもキミが自己を責め〝劣等〟に苛まれるなら。」(先述の通り。此れは自縄自縛を紐解く為の。)「僕が幾らでも揺さぶってやる。」(告解室である。)(黄昏の空を帳が薙ぎ始める。もう少しで夜が来る。雨脚は、まだ少し怪しい。)   (5/29 03:57:05)


ほりしぃ> 
『……………………』『……………………………』『........あのなァ。』(長い長い沈黙だったように思う。突き放すだけ突き放して、肩で息をする彼女と 笑みを1つも浮かべずに見下げる貴方。なんの節操も無しに罵り、人間からすれば『絶対悪』に変わりはない己と友達になりたいと誰が思うのか。沈黙を割いたのは貴方だった。肩をビク、と軽く震わせる彼女は決して貴方の方を見ない。)『ほりしぃチャンよ。』『キミァガキだろ。全然。』「ッ゛………!!!!!!!! オマエ、誰に向かってそんなッ……………」『また肯定ばっか求めてよォ、なんだ同胞が殺されてだの何だのそれらしい事言いやがって。』『僕ァ肉が好きだが焼肉中に“友の仇”と牛さんにどつかれて死んでも納得いかんぞ全く以て。』 ( 〝餓鬼 〟。 )(その言葉に彼女は強く反発した。細い身体の割にまだ水気の抜けないあどけない丸みを帯びた顔立ちと、低い身長。齢15と名乗るにはまだ幼さの残る見た目はきっと『ニンゲン』からしたら子供というのが妥当なのだろう。しかし、教団では違う。彼女はもうそろそろで成人であり、『タイムリミット』が迫っている。もうそんな【年齢】なのだ。)( 【HO ︰アポリア 】)(【⠀彼女は劣等を呪っている 】)( この年齢になっても第二次適正兆候が見られない。 それ以前に己が生きる為には、『ニンゲンを食わなくちゃあいけない』。 でもヒトを食べればヒーローが言うんだ。この世界では『悪』であると。貴方だってそうだと思っていた。〝貴方はヒーローを目指すニンゲンだからそうでなくちゃダメじゃないか 〟。己を恨み、敵意を向ける。それは貴方が『下等』で、貴方が味方につかないのは『自分が強いから』。その数式が崩れるなんて、【あってはならない】ことだから。) (──────────なのに。)『食人がキミらの生命線であるならば。』(…………あなたというニンゲンは、出会った時からずっとそう。) 『─────ソレ自体を否定する事はしない─────』「……………………………、………」( 彼女は、貴方を見やり、瞳孔を収縮させた。 )「……………なん、で。」(1歩、今度は彼女が後ずさる。)『そうだな、一個一個答えてやろう』( 1歩、貴方が近づいた。)『一つ。僕ァ僕を救ったまでだ。目の前に在る未知を、可能性を棄てるなんて出来ゃしない。』「………………………………はァ?」(また1歩、貴方は後ずさる。)『付け足すならキミの方がよっぽどヒーローらしいんじゃァないかァ?被食者の気持ちなんてェ考えちまってさ。』「ッッ゛……脳味噌腐りきってんじゃねェですか。 ほりしぃはただッッ゛…………ただオマエ達が耳にタコができるぐらい同じことを繰り返すからそう言ってるだけですッッ…………『人を傷つけるのはダメ』『悪役は懲らしめる』『○○が可哀想』『可哀想』『可哀想』『可哀想』ッッ………………!!!!!!!」(貴方が、前に出る。)「三つ。交渉はありえない。美少女に喰われるンならと、そう言ったハズだ。」「…………ッそれも馬鹿な話です、軟派な男の常套句じゃあないですか。」 『クックック..............面白いなァ?』「……………………………………ッ、………………」(………………ひたりと冷たいものが背中に走る。後ろは、壁だった。これ以上下がれない。逃げられない。逃がして貰えない。威嚇する猫のように、彼女は貴方を睨むのみだった。)『キミの思慮は、言葉はどうにも。』『〝優しい奴が無理に悪者ぶって頑張ってる〟様ォにしか聞こえんぜ?』『キミ言ったよなァ???』『 “ せ っ か く ” ニンゲンならとォ.........。』『Hey. 』『僕の思い違いなら申ォし訳無い限りだがァ..........』『キミィ、もし本当に腹の底から絶対悪-ヴィラン-でも無ェならさ。』『ゴメンナサイの一つでも言ってみたらどォよ。』「…………違うッッッッ………………!!!!!!!違う違う違うッ……!!!!!!!ちがうッッッ゛………………………………勝手なことばっか、勝手なことばっか言いやがってッッッ………………!!!!!!オマエなんかッ、オマエなんか、オマエなんかッ…………………………………………」 (……本で作られた脆い足場がどんどん崩れていく。彼女の虚栄が、独りぼっちの王国が、君臨していたはずのお城が、ひとつずつ、ひとつずつ落ちていく。 大きな目に涙が溜まる。鼻の奥が痛い。零れないように、溢れないようにするのが精一杯で。)『......生まれ育った環境は、思想は。』『キミの罪じゃァないぜ。』『それでもキミが自己を責め〝劣等〟に苛まれるなら。』『──────────僕が幾らでも揺さぶってやる。』「………………………………、……」「ッ………………………………………………………………」「…………………………………………、…………………………」「……………………………ッ………………………………………………………」(彼女は口を開いた。そして、閉じて。俯いて、悔しそうに顔を背けて。でも俯いたりなんかしたら、ほら、こぼれないように堪えていた涙が溢れてしまって。きゅぅ……………………と喉が鳴る。そうだとも。ママ達の期待には答えたい。でも、自分がやっていることは世界からダメだと言われる。人をいっぱい食べなきゃ怒られる。でもヒトをいっぱい食べると世界から嫌われる。ママ達は『穢れるから』とキツくダメだと言っていた娯楽の全ては、皆が笑顔になれること。)( 『そうでなくちゃいけないことなんてない』)(………誰かさんから貰った言葉だった。)(でも、それを失ったら自分はどうやって立っていればいいか分からない。) 「………………っ、…………………」「ま、またち、に………………」「…………………………ママたちに、うそ、ッ…………………ついちゃった、」「オマエを、たべてないのに、〝 ぜんぶたべた〟って、いった、っ………………………………」 (……崩れきった瓦礫の真ん中に。1人の女の子が立っていた。)「……………………ぉ、おともだちになってみたいって、いおうとしたけど、こわくて、いえなくて、だから〝 はじめて〟ぅそ、ついちゃった………………っ……………………」(女の子は、ポロポロと泣きながら、痛む両腕でぐしぐしと擦り、帽子を落としたのも拾い上げずに、情けなく吐露した。)「だから、オマエと、〝 おともだち 〟になれないっ、……………………っ、ママたちに、おこられるの、こわい、し、きらわれるの、やだ…………っ、………………」 ( 努力が必ずしも実るわけじゃない。母親達に認められない、頑張れば頑張るだけ世界からは嫌われる。)( 世界にたった1人の感覚。)(彼女の名前は。) 「っ、……………『lonely(ロネリー)』…………うそついちゃったんだぁ…………っ、……………………」 ( 彼女は貴方に、まだ謝れないようだ。)   (5/29 05:18:59)


Gaill Monochoria> 
(違うなんて言ったって、叫んだって。彼の言葉は止まらない。止まる筈が無い。城砦、狙い定めるネオンピンク。射貫く様に。ただ、言葉を。)(そして、そして。)『………………っ、…………………』『ま、またち、に………………』『…………………………ママたちに、うそ、ッ…………………ついちゃった、』『オマエを、たべてないのに、〝 ぜんぶたべた〟って、いった、っ………………………………』(雨が降るみたいな、なんて云うには、その声は。ずっとずっと弱かったから。自由落下より尚緩く。此の告解室へじわりと、霧みたいに、滲んで行くのです。痛く、痛く。)「.......オイオイ。」「勝手に殺してんじゃァねェよゥ。」(尚も、軽口を叩いた。だが其の浮雲の様な明るさが、貴女を取り巻く呪いに似た何かへの切り札-ジョーカー-。絶対も相対も大衆も常識も無く、ただ自己を離さない純然たる英雄性-ダークヒーロー-。)(頑張っても、頑張っても照らされない道を前に。夜の明けない世界を前に。自分を護る為に壁を築くしかなかったなら。大切な“ママ”の為頑張っては報われず。努力の対価に世界は少女を軽蔑した。其れは運命と呼んで悲劇を描くならば十分過ぎる。十 分 す ぎ る ク ソ ッ タ レ だ 。 )(少なからず、男は憤っていた。目の前の少女を思って。目の前の世界を恨んで。)『……………………ぉ、おともだちになってみたいって、いおうとしたけど、こわくて、いえなくて、だから〝 はじめて〟ぅそ、ついちゃった………………っ……………………』『だから、オマエと、〝 おともだち 〟になれないっ、……………………っ、ママたちに、おこられるの、こわい、し、きらわれるの、やだ…………っ、………………』「............。」『っ、……………『lonely(ロネリー)』…………うそついちゃったんだぁ…………っ、……………………』「ッ!!!!!!!!!!」(刹那。秒針を止め、落ちる砂を止め、太陰の巡りを止める不和を用いない、本当の刹那。)「 僕 を 見 ろ 。 」(空間を打つ様な、低くて、静かで、何処か優しい声音で。)(もし、貴女が赤の双眸を向けたなら。二つの色は、交差するでしょう。)「さっき言ったよな。生まれ育った環境も思想もキミの罪じゃない。」「そして加えるなら。」「罪どころかキミのモノですらない。」(バイアスが掛かりやすい掛かりにくいの差は多少在れど、幼少よりずっと一つの律のみを教えられて来たならば。其れは最早【叛逆】の余地も無い〝絶対〟だ。だから男は。貴女の所為じゃないと。貴女(Lonely)の意志じゃないと。そう言った。)(此れだけ責任感が強くて、自己に厳しい貴女なら。屹度、“ママ”達への感謝やら敬意やらを抱いちまうだろうから。育ててくれた事へ律儀な想いを持っちまうだろうから。)(だから。あの日、貴女の顔を覗き込んだ時の様に、男は優しく微笑んだ。)( 叶うならば、その頭を撫でてやれないだろうか。 )「 .......よく頑張ったよ。 」(其れは、貴女が一番に求める人からの肯定ではないのだろう。今まで散々求めた肯定を蹴散らしたクソ野郎からの物だろう。けれど其の暖かさは、こんな春の終わりの、場違いに肌寒い夜にゃ丁度良いかもね。)「ママ相手に嘘ォ吐いて尚頭ン中には残るくらいにはさ。」「なりたかったんだろ?友達。」(泣きそうになるくらい寂しくって、大切に思えちまう黄昏の最期。不思議な不思議な空の下。呪いでも、愛でも無く。男は魔法を掛ける様に、ひとりぼっちの少女へ伝えるんです。)「じゃあよ、秘密でなっちまおうぜ?友達に〝保護者の印鑑〟なんてのァ要らんモンなのさ。」(其れこそ、彼は劇的で素敵な〝正義のヒーロー〟じゃないから。雨よりも隕石よりも速く、重く誰か打つ様な言葉は持ち合わせていないけど。其れこそ。じわり、と沁みて行く霧の様な、言葉でしょうか。)「今日よりちょくちょく僕ァキミを連れ回す。何処だって連れてってやる。パンケーキも雑貨屋もたい焼きもな。」「僕だけじゃァ無い、あの学校ァ御人好し(バカ)が随分多いからな。」「それからキミの頭で、キミの意思で考えたまえ。どうしたいかを。」「どうなりたいかを。」「“なれそうだから”なんてお利口じゃァ無く“なりたい”ってだけのフザけた我儘を。」「僕ァ、その意思を見放しはしない。」「だからな。」_____________(踵を返して。靴を少し脱いで。ふわりと、向こうへ飛ばした。) 

Gaill Monochoria> 1d2 → (2)=──────【特殊HO:叛逆の輪】発動。 

1d2 → (1) = 1

「これはその一歩目だ。」

(靴は無事正しく着地。貴女が彼を見ているならば、其の向こうへ広がる夜空が見える事だろう。マッチポンプのお天気占い、多分恐らく百発百中。御覧あれ、今回は的中。綺麗な晴れの星空だ。)「Hehehe.........」(悪魔の本質を囁きとし、其れが受けた者を堕落へ導く声だとするならば。此の時男は、正しく悪魔だろう。)「あァ。一つ、思考を解すヒントでもやろうか?」(〝蚕蟲の卵〟よ。神の水子よ。産声無き生命よ。)(“天”運等打ち棄てて。)(さぁ。)(さぁ!!!)_______________「キミの“ママ達”も【ニンゲン】なんじゃァないかねェ?」(地-人の世-に堕ちろ。)   (5/29 06:25:19)

ほりしぃ> 
(───────いつからだっただろうか。)(毎週『■曜日』、『16時半きっかり』、この時間帯の■側の空き教室に行くのが日課になっていっていったのは。生徒達のざわめき、鴉の鳴き声、伸びた陽の光。まるでそれらは自分に関係ないという顔で、カツリコツリとヒールを鳴らしながら長い長い髪を揺らして、彼女は歩みを進めていた。校舎端の教室。もう随分慣れたように、迷いなく。 カツリ、コツリ、カツン────────。)(『ガラリ』。)「…………………、………………」( 扉は、開いた。 )( 彼女の目前に広がるのは他の教室と何ら変わらない黒板、窓枠、教卓である。寂れたそれは青春の1ページと呼べるほど華やかではないが、それでも風情があると表現する人間だっているんじゃあないだろうか。そう、そこに【⠀その中心には机を懇切丁寧に並べたて、まるで意図的に大きなテーブルのように形作ったような土台無かったのであれば⠀】。複数の額縁に飾られた夕焼け空の絵画。テーブル。そして鉄仮面を被った長身の男。その光景は明らかに【異常】であり、美術品と例えられた方がまだマシと言うほどに筆舌に尽くし難いものだっただろう。)(しかし、冒頭でも述べた通り。これは彼女のほんの些細な、習慣でしかない。躊躇なく教室に入った彼女が、見慣れた光景に目を細め、いかにも高慢そうに腕を組んだのがその証拠である。)「……………………別に机まで並べなくていいと、ほりしぃは毎度言っている筈ですが。身の程弁えられ過ぎて逆に気持ちわりィんですケド。」 ( まるで人の真似事。これは1か月前ほどの些細な約束から始まった。【完全に喰いやしないから一週間に一度血液か少量の肉を寄越せ】と。でなければこの場で【全部喰う】と。無論、ただの小さな少女からの不躾な脅し文句に怯むような貴方では無いだろう。貴方はそれを【受け入れた】紳士的な対応を当時していたに過ぎない。捕食者と獲物。食うものと食われるもの。彼女は小さな腕を貴方の足に伸ばそうとするだろう。)(…………これは、誰も知らない彼女と貴方だけの秘密である。)   (5/30 21:58:06)


ジェントル> 
「…『ジェントルマンリー』、だろゥ。」「(遠くから聞こえる、体育館のシューズの底とフローリングの床の擦れ。階段を上っていく足音と、ちょっとした話し声。それらを全て置き去りにして、扉を開く音と共に、死んだように横たわるジェントルマンと君は食卓に並べられる口うるさいターキーと食卓を好まないおてんばな『お嬢様』。)レディ…君は『ジェントル』を喰らゥ…喰らわれる側も喰らう側も、礼儀あっての『紳士的な』食事がだからねえェ…(さらけ出された脚の、ところどころ欠けた腿。その隙間には鎖が詰まり、窓からじりと照らす太陽の覗いた頭が、金属製の脚に赤光を灯して。)ボクは食事ィ…机に並べられるターキーィィィ…とか、薄切りのハム、肉厚のステーキみたいなァ…ねェ。(誰もいない閑静な教室に二人きり。部屋の電気も付けず、照り返す赤光を頼りに、長い影は伸びた。)食事は丁重であればこそォ、だからねえェ…(そんな鎖もほどけて、ずるりずるりと体のダイヤモンズはほどけ、)ヒトって、怖がっちゃうからねえェ…(君の目には赤い血肉が見えるだろう。)地面におっこちちゃったァ…そゥいゥ人もいるだろゥねえェ…(欠けたターキー、あるいは人の胃袋へ数枚の消えたハム、)」「でもねレディ、ボクはヒトだから、生きていても『皿』の上におとなしく乗ることができるゥ…(うっとりとした顔だ。死んだように寝転ぶジェントルは、笑顔だけを君に見せて、しかし未だ『食事』のように振る舞う。)それってとても『紳士的』なことだからねえええェェ………(二人きりの秘密を持つ君を、『レディ』と呼び。伸ばされる手へ、)ボクは喜んで喰われるよゥ…だから、『ディッシュ』なのさァ…(『食事』を心待ちにする笑顔と、)君も『紳士的』に喰らってくれたまえェ…(1つの忠告を、向けた。)」   (5/30 23:43:54)


ほりしぃ> 
『レディ…君は『ジェントル』を喰らゥ…喰らわれる側も喰らう側も、礼儀あっての『紳士的な』食事がだからねえェ…』「……………………………………」(彼女はタグのようなピアスを揺らし、貴方を冷ややかに見下げた。出会った時からそうだった。喰われることへの無抵抗、それどころか『喰らわれることを望み、拒みもしない』。本当に気味の悪い奴。紳士的な貴方の口上も聞きなれたもんだ。オレンジ色の教室はまるでターキーを焼く竈のよう。焼き加減はレア、ヘンゼルとグレーテルに出てくる魔女も最期に見た光景はこんなだったのだろうか。)『ボクは食事ィ…机に並べられるターキーィィィ…とか、薄切りのハム、肉厚のステーキみたいなァ…ねェ。』『でもねレディ、ボクはヒトだから、生きていても『皿』の上におとなしく乗ることができるゥ…』『それってとても『紳士的』なことだからねえええェェ………』『ボクは喜んで喰われるよゥ…だから、『ディッシュ』なのさァ…』『──────────君も『紳士的』に喰らってくれたまえェ…』「………………何を下んねェことばっかほざきやがってんですか?」(彼女は粘着質で耳に残るような貴方の口上にうんざりと、そして苛立ち混じりに答えることだろう。ニンマリと食事を心待ちにし、こちらへと微笑みかける貴方と相反し、彼女は一切の笑みを見せることは無い。口を開き零すのは、相も変わらず高慢な、敬語の皮を被った無作法だった。)「ターキー?ハム?ステーキ?ンな下賎なモノ喰ったことなんざねェですし、そもそもほりしぃの腹ン中入っちまえばぜぇぇぇェェェんぶ一緒じゃあねェですか。オマエが仕立てあげた食事会場にはなァァァんの意味もない。…………寧ろこのほりしぃに【ニンゲンの真似事(礼儀作法)】に則ってオマエを喰えなんざァ、…………図々しいにも程があるってもンでしょう 」(食事なら食事なりに黙ったらどうだと。口にするのは今回ばかりが初めてじゃあないはずだ。貴方は喋る度にこうして彼女に嫌悪感を向けられ、尚もその口を本日も閉じることは無かった。半ば諦めてもいいところではあるし、無視するのが吉ではあるが、彼女も彼女で依然としてまだ、子供なのである。小さく溜息をついたのならば、彼女はそろりと視線を貴方の足へと向ける。ボロボロの足、複数の噛み跡、抉れているところだってある。それらは自身が付けたもの。貴方を全部食べない代わりに、貴方をちょこっとずつ食らっていくギブアンドテイク。…………否、貴方にメリットはないのだけれど。彼女は貴方の足に触れたのならば、髪を耳にかけ、小ぶりな口から吸血鬼のような牙を覗かせるだろう。そして───────……)「……………………………………、……………………」「………………………………ねェ、オマエ。」(ぶつり、と貴方の皮膚を裂く前に。)「………………………………………………なンで。………………ほりしぃに『食べてもいい』って、言うんですか。」(………………今更ながらの疑問を、投げ掛けた。)「あん時脅したから、『全部は喰われたくないから』とか、………………ンな理由じゃねェでしょ。…………………………………………オマエは望んで食事になりに来ている。」「………………………………痛くねェんですか。」「……………………別に、だからといってどォというこたねェんですケド。」(科学者が言った。『生きる為に人間を食うことは悪では無いのだ』と。科学者は自身にペットボトル1本分の血液を与えた。)(とあるカミサマのなり損ないが言った。『如何なる者も、それがカミサマであろうとニンゲンであろうと、なかろうと。傷付けることはいけないこと』だと。『人が死ぬ所は見たくない』のだと。………………なり損ないも血液をくれた。傷つかない存在に、あの男は入っていないようだった。自分はそれを、蹴り飛ばした。)(とあるヒーローが言った。『〝こうであるべき 〟ということは、きっとない』と。『誰でも救われる権利がある』と。…………………………あのヒーローは優しい眼差しでこちらを見ていた。) (とある不良青年に、たかだかニンゲン如きに彼女は臆した。人に興味を持ったばかり。聞きたいことが沢山あって、怒らせた。 あの人は怪我をしていた。) (…………………………〝 貴方 〟は?)( 今までの彼女ならば、躊躇なく貴方を喰っていた。だが今になって疑問に思ったんだ。どうしてこうも無抵抗なのだと。どうしてこうも尽くすのだと。何が楽しいんだと。)   (5/31 00:22:51)


ジェントル> 
「君がどう思うかは勝手だからねえェ…これはボクがジェントルであるための、『ボクの食事』だから…(何度もした問答なのだろう。いくら食われたとて、彼の言葉は一言一句変わらない。答えたことを忘れているからこそなのか、それとも単に一言一句を覚えているからなのか。)ボクは、死んでもジェントルでなければいけないのさァ…(口の中に『全て』が失われるその瞬間まで。)ボクはただ『ママの不条理』を奪う、『たった1つのいい子』だから。あの人の救いにならなきゃいけないんだァ…(彼女は不条理を呪っている。そして彼もまた、不条理を呪っている。だから笑い、紳士に憑かれ、自らを食い破る君にすら物怖じをせずにただただ笑い続けている。)だからレディ。レディ、レディ、レディ………今日は、噛みつかないんだねェ。(夏へと移り変わる前の太陽の、その頭は、暗がりの帳を下ろすにはまだ早く、赤光は黄昏をまだ呼ばない。朱と血肉は、暗がりの帳を待ちわびてまだ踊る。)ボクは君に喜んで食べられる。レディ、紳士はレディを受け入れるものだ…(血湧くのは『ジェントル』への歩み、肉躍るのは『レディ』に歩む。)」「ボクが傷ついて誰かが死ぬことが少なくなるなら、それより嬉しいことはない。(彼は利己的である。ジェントルの風上にも置けないほどに。血湧き肉躍るは包帯に巻かれる空の眼窩が、火傷と切り傷がそれを思い出させ、痛みが君の食事ですら利用している。)ボクを傷つけても死んでしまおうとした人が、いるからねえェ…(君の食事を利用して、君や誰かが死ぬところを見ないように。)だからレディ。ボクは『いたくない』を探したから。(君の食事を利用して、あの堕ちる痩せこけた、真っ白な『ママ』をまた見ないでいられるように。)…だからいたくても耐えられる。ボクなら。(君の食事を利用して、『ボクのいたみ』を『ボクだけのもの』にできるように。)それで君が、誰かが死なないなら、ボクは『ジェントル』さァ…(紳士は、利己的であった。自分が紳士であり続けるために、君を利用していた。)ボクの全部を食っても、君は結局満たされないのだろゥからねえェ…(喰らわれるのが裁かれるべき悪人だったとしても、『いたい』は。『死』は、彼には恐ろしくてたまらなかった。)」   (5/31 01:12:37)

平山 平治> 
「やっっとか、眠い……」(退学にならない程度に通学、面倒くさい補習などを終えてやっとの解放。とはいえこれからやる事は特にはなく、彼のこの後の予定は白紙だった。とっとと帰るか、或いは街を当てもなくふらふらするか。しかし、今日はどちらも面倒くさい気分だった。単純に眠いからか、酷い倦怠感で眉間の皺がいつもより深くなっていく。こうなれば保健室で勝手に休憩を取るか、しかし先日のことがある。苦手なタイプの女、包帯を一方的に渡されてから一切出会わない。会いたいと思ってはいない、前の出来事からなんとなく顔を合わせたくないから。体のだるさと会いたくない相手を天秤にかけて、暫く悩んだ末に保健室の方に足を向けた。柄にもなくゆっくりゆっくりと扉に近づいていき、中の様子をのそりと伺う。どうやら彼女がいないなら入ってしまおうと考えたらしい。しかしでかい図体は廊下から見れば怪しさしかなく、保健室内から見れば隠れられている気になった彼の顔が思い切り見えているだろう)   (5/31 21:25:10)


ほりしぃ> 
(──────────カツリ、コツリと義足とヒールの入り交じる音。彼女は長い長い髪を揺らし、生徒達の喧騒を背景に歩みを進めていた。 彼女の目的地はいつもながらに図書室に行くこと。高い高い書物の塔を積み立てて、知識を得ることこそが日課だった。しかし、目的地の場所に行くには【保健室】の前を通らなければならない。と、なれば当然…………………………)「……………………………………」(こちらから見れば大きくガタイのいい図体を丸めながら保健室内を覗く貴方が見えるわけで。こちらに警戒して視察しているとは露知らず、『あいつは一体何してんだ』と思う反面、つい先日のことをふ、と思い出す。)(『─────"俺はヒーローじゃねえ〟───』)(あの言葉にはどんな気持ちが乗っていたのか。『なんでこの学校にいるのか』その質問から逃げたのか。………………そんなの、別にどうだって良かった。だって貴方は下等なニンゲンなんだもの。あんなやつはほっとけばいいし金輪際関わる必要だってない。なんなら食っちまえば済む話。)(………………なの、だけれど。)(彼女の足先は、気付けば貴方の方へと向かっていた。そしてきっと貴方からしたら、それは『突然』と言うに相応しいことだろう。)「…………………………、………………おい、〝 デカブツ〟。」(突如後ろから、ツン、と高飛車そうなあどけない声色。振り返れば貴方が最も逢いたくなかったであろう少女が1人。腰に手を当て見上げる姿。)「………………………………オマエ、何してんですかこんなとこで。……………………また怪我ですか。」 (………………声をかけたのは罪悪感から?それとも気になっちゃった?或いは………………分からない、分からない分からない。けど、彼女の声色は心做しか、前より落ち着いている気がする。)   (5/31 21:53:48)


平山 平治> 
「今日は居ねえ見てぇだ……チッ。んだよ、お前も保健室に用事か?」(中にいない事を確認して、思い切り扉を開けようとしたそのタイミング。聞き覚えのある声に驚き、扉がガタンッと大きな音を鳴らした。そのままゆっくりと振り向き、視線を下の方に下ろしていけば避けようとしていた相手がまさにそこにいた。舌打ちを隠そうともせず、また少し居心地の悪そうな顔。ぶっきらぼうなものいいと共に腰に手を当てる少女を見下ろした)「怪我は、してねぇよ。単にほら、あれだあれ……授業で疲れたから休みにきただけだ。テメェはなんだ?サボりにでもきてんのか?」(以前の帰り際のような威圧感は発していない、しかし落ち着かない様子ではあった。それは彼女に最後に聞かれた言葉が頭の中に残っているからだろうと、彼は自覚している。本来ならば無視するところではあるのだが、無視しなかったのは逃げていると思われたくないという、ちっぽけなプライド。そして、目の前にいる少女が以前より落ち着いていた気がしたからだ。少なくとも初対面で煽り倒すくらいの勢いはあった。今日はその時とは雰囲気が違う、だから少し気になったのだろう)   (5/31 22:08:19)


ほりしぃ> 
『怪我は、してねぇよ。単にほら、あれだあれ……授業で疲れたから休みにきただけだ。テメェはなんだ?サボりにでもきてんのか?』「………………………………………はァッ????オマエなんかと一緒にされる道理なんか………………………………………………」 (……彼女は貴方の発言に、思わず睨みを聞かせて反論した。誰がサボったりするもんか。彼女は勤勉である。しかし今こんなところで小競り合いをして先日の二の舞になるのは避けたい。口篭る彼女はその目を伏せて、指先をいじりながら呟く。)「………………………………………ほりしぃは、……………………、サボりとかでは、なく。…………………」「図書室に行こうとしたら、たまたまオマエが……………………………………居て。」「…………………………、…………」「……………………………………だから、………………………………その…………………………」「……………………………この、間の、…………ぁ、の…………こと、……………の、………」( 出会い頭以降、彼女は貴方と目を合わせることは出来なかった。別に何か威圧されている訳でもない。けれど何故か、舌が張り付いたように次の言葉が出てこない。誤魔化すように俯いた際に垂れた長い髪を指先でモニョモニョといじる彼女。だって言えるわけないじゃないか。〝この間のこと気にしてないかこっちが気になっちゃった〟だなんて。彼女も初めてだったんだ。今まで人間に罵声を浴びせられたって 、臆することなんてなかった。でも貴方の帰り際。想像を絶するような酷い言葉を言われたわけじゃない。でもただ、何となく、何となく。引っかかってるんだ。 )(どれもこれも、餌でしかない人間達に興味を持った、自分のせい。彼女の今の様子は、さしずめ〝 親の機嫌をぶっきらぼうに伺う子供〟である。)「………………ッ………………、………ああもう、焦れったい………」「……………………──────────【ヒーロー】が大嫌いなんです。ほりしぃは。」「でもこの学校は、ヒーローを目指す輩が腐るほどいるじゃねェですか。」「……………、…っ、………………………だから。逆にオマエがどうして、……………………『ヒーローを目指さない』のか。………………気になったんです。」「…………前、手ェ怪我したのが喧嘩だなんて…………………くだンねェ嘘をついたのだって、訳分かんねェし。」 (だが、その言葉を留めて事なきを得る選択ができるほど、彼女の心のキャパシティは広くない。少しばかり言葉足らずだった先日に付け加えるように吐き出されたそれらは、彼女の心中。彼女はヒーローを毛嫌いしている。寧ろそんな彼女がこの学校にいることの方が違和を感じることじゃないか。)(下手くそな嘘と どこにも見当たらない時計。)(……………………彼女はあなたの方をまだ、見れない。)   (5/31 22:44:56)


平山 平治> 
「あぁん?じゃあなんでここに…………くそ、調子狂うじゃねえか。んだよ、なんか言いてえなら早く言え」(売り言葉に買い言葉。このまま言い争いになる、と思っていた。合わない視線、勢いが死んでいく声色。彼はその様子を見ながら、片眉を上げて黙っていた。何かを気にしているんだろうと理解できる、大方何が聞きたいのかもなんとなく察しはつく。【だからもう、はやく言ってくれ】そんな機嫌を伺うような子供のような目で見られては怒るに怒れない。どうにも調子が狂う、どうしようもなく居心地が悪い。焦ったいと呟く彼女に対して、なるべく声色を落ち着かせて話を促した。どうせ聞かれるなら、後になろうが今話そうが変わりないのだから)「やっぱりその話かよ。面倒くせぇ……その話はな、半年前に終わったんだよ。聞きたきゃ聞かせてやる、俺はその時まで夢も忘れてた」(【聞かれたくないなんて以前の時に察せるだろう?何故俺にそれを聞く?】彼は間違いなく苛立っていた。反面、彼女の様子が茶化すような雰囲気じゃないのも察していた。聞かれたくないのをわかっていて聞いているのだとも。聞かれるだろうとも予想はしていた。深い深い溜息がこぼれ落ちて、渋々という形で語り始めるだろう。この学園が変わった、そんな事件。それが起こるまで皆一般人と変わりなかった、ディスコードなんてない特別技能を持っていたわけでもない。そして自分は高校生、ガキの頃の憧れや夢など忘れていた。ヒーローになる、なんて本気にしていなかった)「この半年間で世の中ぜぇんぶひっくり返った。俺が憧れてたヒーローとやらは次々消えた。この学園も変わっていった……どいつもこいつもディスコードなんて能力を手に入れた。でもよぉ、俺にはそんな能力なかったのさ」(憧れの消滅という絶望。次代のヒーローになるという忘れていた夢を思い出し、そして呆気なくそれは消えた。そこから全て変わった。昨日まで話していた友人たちも、影の薄かった窓際の生徒も、大嫌いな人も!皆何かしら能力を手に入れた。自分には、それはなかった。結局のところ拗ねているのだ。自分に与えられなかったこと、置いていかれた事、資格がなかった事に。かつて憧れた彼らのように自分の好きだった街を守れるそんな、そんな存在になれなかった事に)   (5/31 23:13:41)


ほりしぃ> 
(…貴方は倦怠感に塗れた灰色の記憶を、煙草の煙替わりに吐きだした。貴方と言う人間は、粗悪に見えて案外良く、人のことを見ている。彼女が言い淀む様を急かさず、彼女が聞いたあとも逃げ出さず、子供だと、言葉通りに〝 面倒臭い〟と軽くあしらうこともなく出し惜しみをしなかった。もう、半年も前になる。雨の中、貴方の憧れたヒーローは次々と消えた。そこで立ち上がったのがヒーローの卵、コード専門学校の生徒達だ。生徒たちは皆時計を手にして『ヒーローの担い手』となって言った。ある人間は『何かをこよなく愛し』ある人間は殺したくなるほどに何かを『呪う』。そんな強い感情が結びつき、ディスコードが生まれた。ディスコードとは理想の具現化、レッテルの象徴。)(【⠀しかし貴方にはそれが存在しない】)(普遍、普通、平凡、一般、エキストラ。物語の『背景』なんだと。)(…………ヒーローに、〝なりたかったんだ 〟なんて。聞く人によっては情けない話だったかもしれない。貴方を負け犬の遠吠えと、逃げ出した出来損ないと罵る瞬間は、貴方自身が1番手を買って取っていってるのかもしれない。)(…………しかし。)「…………………………」「………………、………………」「、…………………そう、ですか。」( 最後まで口出しをせず、話を聞いていた彼女は。何故かどこか、〝安堵感 〟を含んだ表情で、ひとつの相槌を零すのだった。 その気持ちは、分からないでもなかったんだ。⠀【HO1・アポリア】 彼女はこれ以上成長しない。どんなに勉強しようがどんなに鍛錬を積もうがどんなに努力をしようが その努力(ライセンス)が実る日は永遠に無いんだろう。【カミサマにならなくちゃ】その望みから彼女は随分と遠くにいる。 人が当たり前として美味しく食べる食事もとったことがない。まだ、お友達と呼べる人も居ない。 ディスコードはあるけれど、この名目は『劣等』。彼女にとってはこの上ない最悪のレッテルだ。)「…………………………〝 オマエみたいなのも〟居るんですね。この学校。」「……………………、…………………怪我をしたのは、〝 鍛えようとでもしてた〟ンですか。」「……………………………ふゥん。」(……零すのは一つだけだ。)「…………………………………………────────〝 ズルいニンゲン〟ばっかじゃないんですね。」   (6/1 00:21:08)


平山 平治> 
「知りたい事は聞けたかよ?ああそうさ、俺はただの…………なんだ、その、顔?なぁ、やめろよ」(吐き出せるものは全て吐き出した。そう、彼は一般人だ。他の人たちの身に、心に刻まれた一本の芯。何かに対する強い愛も深い憎悪も彼には存在しない。強い劣等感と絶望を持っていても、心に"諦め"がある。彼は自分がただのエキストラであることを、心の奥底で認めてしまった。他の誰より、自分自身でそう思っている。それ故に……だけど、それでも、だからこそと奮い立つ事ができない。そのくせ完全に諦めて納得する事すらもできない。"普通"の人なのだ。どこまでいっても、中途半端な人間なのだ。それなのに、なぜ、彼女は安堵感すら感じる表情を浮かべている?そこには見下しているとか、馬鹿にしているという感情は含まれていないように見えた。なぜ?彼の頭は?で埋め尽くされていく)「…………意味わかんねえよ。一人でなんつーか、うまく言えねえけど、納得してスッキリするんじゃねえよ」(彼は君のことを何も知らない。だから、いや知っていたとしても同じかもしれない。君の言葉の意味を、理解できないでいる。誰よりずるい人間だ。完全に抜ける事もできなければ、ちゃんと向き合うこともしない。半端に一般人である道とこの学園の生徒である道を行ったり来たりしている。それなのに、『〝 ズルいニンゲン〟ばっかじゃないんですね』なんて、彼は自分に向けられるべき言葉ではないと感じていた)   (6/1 00:42:51)

Dabih> 
───────或る日の夕暮れ時のことである。空には1番星が輝いて見えて、茜色の空に藍が混じり、もうじき日が落ちて夜に変わる頃に少女たちはぱったりと【出遭ってしまった】だろう。「えへ、えへへへ………」「えへへへへへ………」「……………………。」まるで、ヒキガエルの鳴き声のような、低くて、掠れていて、不気味な笑い声が夕闇の中で木霊する。声の主はキミの姿を見つけると、車輪が錆び付いた車椅子を動かして、キミに近寄って来る。(キィ────────) (キィ────────)(ガラガラ────────) (カラン────────)(コロン────────)まるで悲鳴でもあげているかのように、錆び付いた車輪は異音を奏でながら、キミの目の前まで彼女は前進する。(キィ────────) (キィ────────)(ガラガラ────────) (カラン────────)(コロン────────)遂に彼女はキミの目の前に辿り着いて、キミにその顔を見せつける。常闇のようにどこまでも深く沈んでいってしまいそうなほど、その瞳は黒くて、暗く、いつも何処か違う場所をチラリ、チラリと動かしており、視線は一点に留まっていない。だが、口角だけは吊り上がったようになっていて、まるで、その口の部分だけ、画像を貼り付けたかのようで、ずっとその角度を保ったまま、彼女は低い声で笑い続けている。……はっきりといって【不気味】だろう。「………………………ぁ」「………………ぁ」「………………あの」「……………………………これ」普段、iPadなどによる電子機器を用いた文字の打ち込みや、紙などに文字を書いてする筆談などでコミュニケーションをとる彼女が、その手段を取らず、キミにそのままの声で、意志の疎通を図ろうとした。そして、彼女は震えた両手でキミに【何か】を差し出して、それを受け取ってくれるのを待っていたであろうか。……………【それ】は真空パックに入っており、中身は何やら【赤黒い】。パック越しからでも漂うその【異臭】はキミの【食欲】を誘うであろう。…………彼女が手に持つ、真空パックに入った、その【赤黒い物体】の正体とは「…………………………えへ、えへへへへへへ」「……………えへへへへへへへへへへへへへへ」「………きヨ、きょうはァ、…カ、カカカ、か!、か、くヒ!…………か、かタ!……カた、…ノ……お、ぉぉ、ォ、……ふへへへ!…ふひ!…に、…に、ク!!」真空パックに入った【赤黒い物体の正体】、それは【彼女自身の右肩肉】だった。………そう、彼女はキミが日々生きていく為に大切な、■■から差し入れられた、大切な、大切な、【食料源】もとい【餌】なのだ。───────サァ、【ショクジ】の時間だ。たぁん、と、お食べ。   (6/1 22:20:52)


lonely> 
「………………………、……………………」(赤色と紫色、そして紺色のコントラスト。乾いた油絵のようなそれを背景に、窓枠に寄りかかる彼女は退屈そうに腕を組んで立っていたことだろう。ここには校舎の果て。誰も寄り付かないし、帰りのチャイムはまるで隣街のよう。スピーカーさえ壊れている。時刻は【17時】を回ろうとしていた、まさにその時だ。)(キィ────────) (キィ────────)(ガラガラ────────) (カラン────────)(コロン────────)「…………………、……………………」キィ────────) (キィ────────)(ガラガラ────────) (カラン────────)(コロン────────)(………嗚呼、【来た】。 錆しそうな悲鳴と一緒に、車輪を漕いでゆっくりと。大きな瞳はジロリと視線のみを貴方に向けるのみ。待っていれば貴方の方からやってくることを知っていた彼女は、傲慢にもその場に留まったまま1歩も動かなかった。)(そして。)「……………………、………………」(貴方は〝 当然〟こちらにやってきてくれる。目前まで来たところで、彼女は漸く床につきそうな程の長い髪をフルリと揺らして、貴方の方に目を向けた。座っている貴方よりもほんの少しだけこちらの方が身長が高い。帽子の鍔で影がかった目元に温度はなく、貴方の動向を静かに、見下げるように眺めるに違いない。)『………………………ぁ』『………………ぁ』『………………あの。』『……………………………これ。』(間もなくして、あなたは乾いた唇をひび割れるように開いて、ニヤニヤと粘着質に笑みを浮かべながら言葉を紡いでいた。年相応の艶が失われた、低く掠れた声色と、違和を纏わずにはいられないバグかのような吃り癖。鼓膜を揺さぶるそれは生理的な【嫌悪感】を与えるには十分すぎる。…貴方は続けた。)『………………………えへ、えへへへへへへ』『……………えへへへへへへへへへへへへへへ………きヨ、きょうはァ、…カ、カカカ、か!、か、くヒ!…………か、かタ!……カた、…ノ……お、ぉぉ、ォ、……ふへへへ!…ふひ!…に、…に、ク!!』 ( 何がそんなに嬉しいのか、何がそんなに楽しいのか。 カーディガンから僅かに露出した冬場の枝先のような指にしっかりと支えられていたのは、〝 鮮度の損なわれていない新鮮な赤色〟。何故わざわざ筆談ではなく口でコミュニケーションを彼女には測ろうとしたのか、そこの無い穴と言うよりかは、「その先が無い壁」のような真っ黒な瞳には、彼女がどう映っているのか、なんてのは知る由もない。少しばかり生暖かさの残るそれを当たり前のように片手で受け取る彼女は、そこでようやく小さな口を開くことだろう。)「………………………………オマエ、相変わらず。」「相ッッッッ…………………変わらずゥ……………………【⠀薄気味悪ィ〝餌 〟】ですね。」 ( 開口一番だった。 )「………………つうか………なんですコレ。〝ロネリー 〟、肩の肉好きじゃねェッて言ったことありませんでしたっけ?硬ェし筋張ってるし、そのくせして栄養価はこれと言って高くもねェ。………… ……再三言いますが、 ロネリーは 〝 エスカ〟なンですよ?」「…………………オマエ、分かってンですか?」 ( 貴方は彼女の貴重な食事。ヒトの食事じゃ栄養を補えない彼女が学校生活を最低限送れるように配属されたなもひとつの理由なのかもしれない。躊躇なく肉を差し出し、嬉しそうに糧となる。有難い存在であるはずなのに、彼女は感謝のひとつどころか、文句を垂れる始末だった。貴方は『エスカ(適合)』しなかった。でも彼女は『エスカ』である。その隔たりを強調するかのような言い回しは性根の悪さをより、際立たせる。)「………………、……ま。いいですケド。で?オマエの方は今日、飯を喰ったンでしょォね。」「ロネリーの非常食なんですから、美味しくなる努力ぐらいしてもらわなくちゃ困ンですケド。」 ( 彼女はあなたから貰った肉を 袋越しに弄りつつ、問いかける。彼女はエスカの中でも『少食』だ。痩せた身体がそれを物語っている。 エスカは沢山食べなくちゃいけない。でも彼女は貴方1人でさえもこうして時間を掛けて、日を明かしてちょこちょこ摘み食いをする。 …まるで殺さないようにしているみたいに。)   (6/1 23:12:14)


Dabih> 
彼女を蔑むキミの瞳は、温度もなく、慈悲もなく、容赦なく、ただ目の前にいる【もの】に耐え難い嫌悪感と、抑えられない■■感を孕みながら、静かに向けられていて、それから暫くして、キミは【それ】に向かって小さく言葉を口にする。〝「………………………………オマエ、相変わらず。」「相ッッッッ…………………変わらずゥ……………………【⠀薄気味悪ィ〝餌 〟】ですね。」 〟「ふひっ!」【笑う】【それ】は不気味なまでに【満面の笑み】を浮かべて【笑う】だろう。「ふひひ、ふひひひひひひひひひひひ……♡」【それ】の口角が更に吊り上がっていく、【それ】の【目】の【黒点】が徐々に上に昇ってく。「…〜~〜~〜~〜~/////////////////!!!!!!♡♡♡」かけられた言葉を受け、【それ】は声にならない声を叫びながら、【興奮】してるようであった。【それ】は車椅子の上で【身を捩らせ】ながら頭を抱え、恍惚とした表情を隠すように蹲るようにしながら、呻き声のような声をあげていただろう。「………………ふひひ♡」「……………はぃぃ♡」…………ソぅです、ゥ♡」「…………ワタしはァ…♡」「アナタ様の……♡」「【⠀薄気味悪ィ〝餌 〟】、デすゥ゛〜!!♡♡」【それ】は自分の【立場】を【理解】するように、〝自分自身〟 に刻み込んで、【浸透】させるように、【ねっとり】と、【ドロドロ】と、そんな汚らしい【音】をキミの耳に届けて、自らそう【宣言】しただろう。〝「………………つうか………なんですコレ。〝ロネリー 〟、肩の肉好きじゃねェッて言ったことありませんでしたっけ?硬ェし筋張ってるし、そのくせして栄養価はこれと言って高くもねェ。………… ……再三言いますが、 ロネリーは 〝 エスカ〟なンですよ?」〟 〝「…………………オマエ、分かってンですか?」〟 「ああ……」「あぁ……」「ぁァ……」「…………………嗚呼♡」自ら肉を切り取ってまで差し出した、【晩御飯のメニュー】にケチをつけられても、【それ】は恍惚とした笑みを浮かべていただろう。「……………ご、ごめ、ごめんあ、…ごめんなさ、い」「ひひ…」「…………つ、つギ、次は、わ、………が、ガンば!…がんば、る!か、ラ。」そして【それ】は身を捩らせ、両手で顔を覆い隠しながら、キミに謝罪のような言葉を口にしただろう。「………………、……ま。いいですケド。で?オマエの方は今日、飯を喰ったンでしょォね。」〟 「……!!」質問を受けた【それ】は【何か言いたそう】な具合に、顔を明るくさせたのち、しかし、【何か言葉に詰まった】ような具合に、一瞬だけ困ったふうな顔もみせるだろう。…そして、「………………え、…ぇと」「………………キ、きヨ、きょう、は、…まダ」「…………!!」「……………で、でも!!」「………………このマえ、は!!」「この前ハ!!タべたの!!」「………しォ、の……おニぎり」「…………やさ、シぃ…ひ、ト…から」そうして、彼女は、キミに塩のおにぎりを、最近出会った男子生徒から譲り受けて食べさせてくれたエピソードを話しただろう。   (6/2 00:15:08)


lonely> 
「…………………、…………………」(艶めかしく身体をくねらせ、青白い肌を火照らせる貴方。首元に僅かにかいた汗と張り付きくねる1本1本の黒い髪。太腿を擦り合わせて身を震わせる光景を何度見たことか。罵声を浴びせれば悦ぶし、蔑めば快感になる。【良くも悪くも調教が行き届いている証拠】だろう。加虐嗜好を持ち合わせていたのならば貴方の反応は100点満点であるだろうが、相手は生憎のロネリー・エスカ。〝次が頑張るから 〟そんな言葉を聞いたところで優しく慰めるでも、過度に虐げるの伴い。彼女は呆れ、軽蔑仕切ったような、そして半ば見慣れたような目線を向けた後に小さく溜息をつき貴方の質問の答えを聞きながら真空パックを早速開けようと──────────…)『………………え、…ぇと 』『………………キ、きヨ、きょう、は、…まダ』『……………で、でも!!』『………………このマえ、は!!』『この前ハ!!タべたの!!』『…しォ、の……おニぎり』『…………【⠀やさ、シぃ…ひ、ト…から⠀】』「………………………………、………………」(〝ピタリ 〟と。彼女の動きが、止まった。)( 短い問答だった。貴方はニンゲンから、食べ物を貰ったらしい。優しいニンゲンから。ヒトの食べ物を。)「……………………、…………………………」「……………………………………、…………………」「…………………………………………、……………………………へェ。」(… これは彼女から問いかけた事だった。貴方はそれに応えただけだ。貴方は〝食べないこと 〟の方が問題だと思い、この間はちゃんと食べたのだと教えてくれただけだ。勿論貴方が餓死してしまえば元も子もない。貴方の発言には〝 良かったね〟の一言を返すのが、正解である。そう、【普通のニンゲン】ならば。) 「…………………………優しい【ヒト】から、食べ物を。」「……………………【美味しかった】ですか?」「ねェ。」(彼女はゆっくりと歩み寄り、車椅子にギシリと腕を乗せて、貴方に顔を近付ける。眉間に寄っている皺。睨むような三白眼。明らかな、【不機嫌】。自分は差して美味しくもない、代わり映えのない同じ食事(人の肉)を食べては、世界からは悪者扱い。しかしママ達には食う量が足りないからもっと食わなければ意味が無いと責め立てる。生徒は昼休み、美味しそうに、楽しそうに毎日代わり映えする色とりどりの食事を口にする。)(………貴方だって同じ立場だった筈なのに。知らないところで我々の餌であるはずの人間と〝仲良くできている貴方 〟が居る。)(ロネリーはパンケーキも食べれない。ママが怖くて友達も作れない。) (なのにただの【餌】である貴方は、それが許されると言うの?) 「……──────────それ【ママ達】に知れたらどうなると思います……?」(だから彼女は問いかけた。)「…………〝お仕置き(折檻) 〟で済めば良いですね。それともオマエにとってはご褒美ですか?ヒトから貰って、ヒトの食事を、ヒトの真似事のように食らう。ニンゲンは優しい?笑わせないでくださいよ。そんなんだからオマエは【エスカ】に上がれなかったンです。」「…………………………(ロネリーは〝 塩むすび〟なんか、………………、……………………食べたことないのに。)」(…………………最低な言い回しだった。しかし矮小な、子供の彼女にはどうしても耐えかねた。大人になんてなれなかった。彼女は貴方に『嫉妬』しているのだ。でもそれを認めるのすら、ママ達への反抗になりかねない。だから唇を噛み締めて、どこか不服そうに目を逸らしながら言葉を飲み込む。後に顔を上げた彼女は、貴方を見つめて目を細め、問い掛けるだろう。)「…………で、今日は〝 まだ〟ってことは、これからまた〝ニンゲン 〟に餌付けでもされに行くんですか?ロネリーの非常食の癖して?」「…………嗚呼、それとも丁度腹が減ってるなら。」「………………………──────────このロネリーと食べ合いっこでもしますゥ………………??オマエ如き至極もったいない代物でしょうケド。」   (6/2 00:58:51)


Dabih> 
〝「…………………………優しい【ヒト】から、食べ物を。」〟 〝「……………………【美味しかった】ですか?」 〟 〝 「ねェ。」〟 キミは、【それ】が座る車椅子に腕を乗せ、険しい表情を近付ける。……【それ】は一瞬、肩を大袈裟なくらい跳ねさせて、睨む三白眼から逃れるように、視線を可能な限り外へ、外へ、と移動させる。「………………………。」【それ】はキミの質問に対して、だんまりだっただろう。「………………………。」【それ】の顔がどんどんと青ざめていく様子が、見て取れただろう。顔を近づけてみているおかげか、【それ】の額から、次々と冷や汗のようなものが流れているのも確認できるだろう。………そして〝「……──────────それ【ママ達】に知れたらどうなると思います……?」〟 「…………………………ッ!!」「…………………………ぁ、ぁ、ぁ!!」「………………………ぁ゛ぁぁ!!!」【それ】は頭を抱え、震えていただろう。先程まで、あれほど、【罵倒を受けて】も、【恍惚とした】表情を浮かべていた、【彼女】が、明らかに、キミたちが呼ぶ【ママ達】という存在に、【怯えている】ように見えただろう。「やあぁぁ、ぁ、ぁ、……………………………。」「嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌ぁ………………」幼児の喚き声のように、ただひとつの【否定語】を小さな声で延々と呟き続けながら、しまいには身体を縮こませ、耳を塞ぎながら蹲って、時折鼻を啜るような音と、【ごめんなさい】という蚊の鳴くような声が聞こえてきて、その間、キミがいくら声をかけようと、まったく反応がなかっただろう。……果たして、【彼女】がこれ程までに【怯える】のは、【ママ達】に【禁忌】を【報告】されることが怖いから、なのか、それとも、【ヒトと仲良く】しているところを【咎められる】のが恐ろしいのか。…………或いは、【ママ達】、その存在【そのもの】に対して、【消え去ることのできない出来事】を抱えてしまっているから、なのか。〝「…………〝お仕置き(折檻) 〟で済めば良いですね。それともオマエにとってはご褒美ですか?ヒトから貰って、ヒトの食事を、ヒトの真似事のように食らう。ニンゲンは優しい?笑わせないでくださいよ。そんなんだからオマエは【エスカ】に上がれなかったンです。」〟「…………………………。」【それ】から反応は特になかった。まるで、壊れた録音機のように未だ延々と【ママ達】に向けた【謝罪】と【懇願】の言葉を口にし続けていて、その【内容】はきっと、キミの【精神】を【汚染】して、【吐き気】と【悪寒】を否応なく誘ってしまうことだろう。〝「…………で、今日は〝 まだ〟ってことは、これからまた〝ニンゲン 〟に餌付けでもされに行くんですか?ロネリーの非常食の癖して?」〟 〝「…………嗚呼、それとも丁度腹が減ってるなら。」〟 〝 「………………………──────────このロネリーと食べ合いっこでもしますゥ………………??オマエ如き至極もったいない代物でしょうケド。」〟「……………………………………ひひひ♡」「………………………アナタ様、わァ………………」「…………【餌】、である、ゎたクシ、の、、こト……」「…………くひひ」「………………【心配】して、下さってルン、でスか……ァ……?」「……………くヒヒヒ♡」「イケナイ!」「イケナイ!」「それは…ァ…、イケナイ、コト、ですわ、ぁ…♡」【それ】はキミのいまの発言から、【所持者】としての【愛情】をどうやら感じてしまったようで、魂が抜け落ちたかのようだった【それ】の表情は、再び気持ちが悪いほどの満面の笑みが戻っていて「…………くひ」「……………嗚呼、どうシ、マ…しょ、ゥ」「…………〝【勘違い】〟 してしまィそう、二なりマすわァ……♡」【それ】は不敵に笑いながら、頬を赤らめて、まるで恋心を持つ乙女の如くの雰囲気で佇んでいただろう。   (6/2 11:35:02)


lonely> 
『………………………ッ!!」『…………………ぁ、ぁ、ぁ!!』『………………………ぁ゛ぁぁ!!!』「………………………………、」(【ママ達】)(…………それは、貴方にとって。我々にとって【絶対的な存在】である。我々の全てを管理し、我々の育て手。穢れ知らずの白い服と手袋。冷たいタイルの床、青白い部屋。植物が根を張り巡らせるように繋がれる管を貴方だって見た事があるでしょう。暗い部屋、隣から悲鳴が聞こえるのだって。……否、彼女にとってそれは貴方の悲鳴だったかもしれないけれど。)『やあぁぁ、ぁ、ぁ、……………………………。』『嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌ぁ………………』(無様だった。身を捩らせ悦んでいたあの貴方が、その一言でこんなにもなるんだから。そして彼女は明らかに、貴方が〝 そうなること〟を分かってて言葉を選び、口にしたんだ。そうだよな、ママ達は【怖い】し【絶対】だ。先程口にしたとおり、〝ニンゲンと仲良しこよし 〟をしていたと知れたら。反抗なんて以ての外。………………だから彼女に反抗期なんてやってこないし、ママ達の言うことならなんでも聞く。)(その共通認識が間違えていなかったことによる安堵感と、貴方は自分の格下、そして今だけはまるでママ達にでもなったかのような優越。自分が怖くて出来ないことを、自分がいい子だからやらないことを、貴方がやってのけたことに関する嫉妬心が和らいだ瞬間、小ぶりな唇に 密やかに笑みを作らせていた。そうしていつしか、貴方が壊れた機械人形のように動きが止まった頃合に、彼女は口を開くだろう。それは食事の申し出だった。これまで外界を一切遮断して縮こまっていた貴方が、顔を上げた瞬間。 まるで主人に許しを得た犬のような…………否。そう例えるには貴方には無垢さが些か足りない。)『…………………………………ひひひ♡』『……………………アナタ様、わァ………………』『………【餌】、である、ゎたクシ、の、、こト……』『…………くひひ。』『………………【心配】して、下さってルン、でスか……ァ……?』『……………くヒヒヒ♡』『イケナイ!』『イケナイ!』『それは…ァ…、イケナイ、コト、ですわ、ぁ…♡』「……………………はァ?心配???」 (ぐ、と再び眉間に皺が寄る。)『………くひ』『……………嗚呼、どうシ、マ…しょ、ゥ』『…………〝【勘違い】〟 してしまィそう、二なりマすわァ……♡』「…………オマエ、付け上がるのも【⠀いい加減⠀】にしてくださいよ。」「…………………あくまでロネリーとオマエは利害関係。食う側と食われる側。それ以下でもそれ以上でもない。孵化もしねェし使えもしねェ、食われることでしか役にも立てない餌でしかないオマエに、このロネリーが愛着を抱いているとでも?…餌が痩せて骨ばかり。食えもしないならいよいよオマエは用無し。〝 生きる価値〟すらなくなるんですからね。そこんとこ分かってンですか?」( そうだ。心配なんてするはずもない。ただ自分が食う上で痩せて不味くでもなってしまったら嫌というだけだ。ならば何故チビチビと貴方を殺さず食うのか。他の姉様は人1人何日も掛けて食うなんてことはしないのに。少食であるということを抜いても喰う頻度は貴方の日常生活に差して害が及ばない程度に留められている。 学校生活で飢餓状態を避けるための非常食」であるから、と。貴方はその理由を分かっているはずだ。) 「……………………………で?喰うんですか?喰わねェんですか?なァ、おい。」(小さな少女が貴方の車椅子に膝を乗せ、貴方にまたがろうとする。それは明らかに、何かを急かしているように。)(…………いつだって、生かすも殺すも自分次第、貴方は自分の下に居るのが絶対だった。ママ達はなぜ早く食べないのかと疑問に思っているかもしれない。けれど彼女はソレがほんの少し、楽しかった。ママ達に隠れて『生き物』を飼っている気分だった。なのに貴方が人間と仲良くして、ご飯を貰って、いつか自分から離れたら。 ヒトと仲良くもできない。姉様のように沢山食べれない。ママ達にいつ捨てられるか不安だ。それに加えたあなたの存在。未熟で小さなロネリー・エスカは。)( 【劣等を呪っている】 )   (6/2 13:22:33)


Dabih> 
〝「…………オマエ、付け上がるのも【⠀いい加減⠀】にしてくださいよ。」〟 じろり、と睨みつけ、キミは彼女にそう言い返す。不機嫌と■等の感情が入り乱れた表情だ。そんな表情で見つめられてしまえば、彼女も当然、身体の奥底から湧いてでて来るようなエクスタシーに、身震いをさせずにはいられず、吐き出す息は荒さを増して、より淫らな熱を生じさせていただろう。〝「…………………あくまでロネリーとオマエは利害関係。食う側と食われる側。それ以下でもそれ以上でもない。孵化もしねェし使えもしねェ、食われることでしか役にも立てない餌でしかないオマエに、このロネリーが愛着を抱いているとでも?…餌が痩せて骨ばかり。食えもしないならいよいよオマエは用無し。〝 生きる価値〟すらなくなるんですからね。そこんとこ分かってンですか?」〟「…………………。」「…………………は、ぃぃ…」「……………ごメ、な、さィ…」「………………少シぃ……【興奮】しテぇ…♡」「…………くひっ♡」「…………チョーぉシ、ノっちゃッてまシたァ………♡」そう、所詮は【食う側】と【食われる側】。【捕食者】と【餌】の関係に過ぎない。あくまでいまもこのような、いってしまえば【奇妙】な関係性が成り立っているのも、【キミ】の【気まぐれ】の為でしかなく、いつ、どこで、どのタイミングで、その【気まぐれ】が変わって、あっけなく、キミに食い尽くされてしまう日が来てしまうかもしれない。……或いは、そうなる日が来ることを、【餌側】の方が、熱望しているのかもしれないが。だからこそ、【餌側】は【捕食者】の【不機嫌】を煽り、【怒り】を誘い、ひょんな拍子に、その【青白い肌】に【小さな牙】を突き立てられ、【肉を抉られ】、【噛みちぎられて】、【骨を砕かれて】、その血肉や臓腑が体内に収められて、ただの栄養素として吸収されて、立派に【役目】を果たして【ラク】になれることを、狙っている……………のかも、しれない。…まあ、ただ単に己の快楽の為、なのかもしれないが。〝「……………………………で?喰うんですか?喰わねェんですか?なァ、おい。」〟 キミは更に彼女の膝の上に跨って、彼女に迫る。……キミの身体は、見た目以上に、とても軽く感じた。【餌】であるじぶんと、そんなに大差ないのではないか、と疑ってしまうほどに、キミの身体は軽くて、本当に、どこかへ【とんでいってしまいそう】な、くらいで「………………………」「……………………………クヒヒ……」笑う。「………ふひひひひ……」呵う。「…………えへへへへ……」嗤う。「…………………………………………はァァ……♡♡」彼女の、吐息が、キミにかかる。「……………ナニヲ、そン、なニ…【焦って】……おられル、の、デスかァ…ぁ…?」【それ】は首をかしげ、戯けるようにそう喋る。「……………………それに」そう口にした【それ】の視線は、とある【一点】に向けられて「……………………喰わねェんですか…?……と、尋ね返したくなるのはァ…………」【それ】の視界の先に映っているのは、キミが、食べるタイミングを失ってしまっていた【赤黒い塊】だった。「………………………此方も、なんですがねェ……」…もう、とっくに空気に触れて、血なまぐさい臭いがあたりにたちこめてしまっていることだろう。「…………それとも…………」そういって【それ】は唐突に、口をもごもごと動かして、それから勢いよく、口の中の【何か】を噛んだであろう。。─瞬間、ぶちゅ、という、なにか、潰れたような音がすぐ近くから聞こえただろうか。─直後、【それ】の口から、【赤黒い血】が溢れんばかりに滴り落ちてきて「……………………ごふっ……!!」口の中で、留めておくことの出来なかった血溜まりを、思わず噎せてしまえば、【不運】にも、その血飛沫が、今、膝にのって、顔を近づけているであろうキミの、【綺麗】な顔に、容赦なくかかってしまっただろう。……そして「……………こ、(れ)で……た(リ)、(マス)か……?……」口からこぼれた血溜まりを、【それ】は両手で受け止めながら、キミにそう尋ねたであろう。果たして、キミは少女を【喰う】のか?【喰わない】のか?   (6/4 21:13:56)


lonely> 
「……………………はァ???………………焦る?」「(彼女は貴方の発言に目を見開いた。目を見開いた後に、顔を歪めることだろう。誰が、誰に向かって焦っているですって?そんなわけが無いじゃないか。だって彼女は貴方より立場が上。ママ達に【⠀期待⠀】されているのだ。愛されているのだ。満たされているのだ。貴方はどうだ?【適正】がないから餌になるしか脳がない。自分が飼わなければ直ぐにスクラップかモルモット。こうして貴方が現在も使い物にならない足を引きずり車椅子に乗って生きているのは、貴方が人間から食べ物を貰って嬉しそうに話せているのは、誰のおかげだと思っているんな。自分の立場をよく弁えているはずだろうが、〝 お互い〟に。) 「…………………………何故このロネリーがオマエの前で【⠀焦る⠀】必要があるんです?……………………オマエ、あんまり生意気なこと言ってると────────ッ…………」 (彼女は 貴方に腕を上げた。その腕で何をしようとしていたのか。次の行動が成される前に、⠀【ゴプッ……】と顔に〝 何か〟がかかる。反射的に目を瞑る彼女。充満する血腥い匂い。それが何かはすぐに分かった。彼女はゆっくりと間を開けながら、顔にかかった血液を指先で拭いつつ、自らの口元に持っていくだろう。)『……………こ、(れ)で……た(リ)、(マス)か……?……』「………………………………」(拭い、濡れた親指をちろりと舌で舐めとって、貴方を静かに睨んでいる。〝 汚い〟……そう言わんばかりなのだろうか。)(………………貴方は立場を弁えている。〝 弁えているはずなのにたまにその均衡が崩れてしまうんじゃないか〟と、彼女は僅かに危惧している。飼っていた弱っている猫を自分が見つけて、何となく餌を上げたり生き延びるように手を伸ばす。それからその猫が少し元気になって、他のところへ歩いて別の人間のところでも同じ事をされて、やがてどこか遠くへと行く。)  彼女はきっと、『それを幸せに思い見送れるほど』大人にはなりきれていない。かと言ってただの餌に対してそう言った考えを悟られるのも、ガキ臭い嫉妬心を抱いている己自身も許せない。自分だって人間とお話してみたいの?ママ達に愛されているはずなのに【怯えて暮らす】自分と、ママ達に愛されもしないくせに【満たされることを知っている】貴方が許せないの?)(【 甘いって、何? 】)「……………………………オマエ、ロネリーの顔にきったねェ血ィぶっかけて汚しといて、〝これで足りますか 〟じゃないでしょ。まず言うべきは〝 謝罪〟なんじゃありませんか。」 「…………………ホント、最悪。だから〝 愛されない〟んです。」 (彼女は貴方の手元に溜まった餌に顔を近付ける。いただきます、なんて言わない。だってこれは当たり前だもの。………………でも、ソレを口にする前に彼女は。)「…………………………………………」「……………………、……………………………………」「……………………………………もし。」「……………………………………もしも、ママ達にも愛されず、………………ロネリーさえもオマエを飼わず、………………………………いいえ。」「………………………………もしも、【ママ達】なんて、知らなかったら。……………………………………オマエは、……………………………………どんな風に生きてたと思いますか。」 (………………貴方とは、目を合わせなかった。貴方の上にまたがったまま、彼女は小さく問い掛ける。【愛されていない】貴方の生きる意味は餌になることだが、【それ以前の問題】だった時。貴方はどうするのかって。)(………………これは、他の人間では代替が効かない質問だ。同じ境遇はあなたしか居ない。)(愛されない人生なんて、考えるだけでも恐ろしいけど。)   (6/15 12:18:32)


Dabih> 
〝「……………………………オマエ、ロネリーの顔にきったねェ血ィぶっかけて汚しといて、〝これで足りますか 〟じゃないでしょ。まず言うべきは〝 謝罪〟なんじゃありませんか。」〟「………ぇ…ぁ…」「…………ご、…………ゴフッ!!…………」〝なぜ?〟と、少しばかり困惑の色を顔に出すと、【それ】は君の命令通り、〝言い慣れた文言〟を口にしようとするが、【それ】は既に【喋れる状態】ではなくなってしまっていた為、〝声〟をあげることすらままならずに、再び噎せてしまうだろう。…しかし、今度は【それ】が吹き出したものはキミにかからないように顔を背けており、真っ赤に染まったその手でつくっていた【受け皿】の中身は、もう残り少なくなっていただろうか。零れ落ちた中身は【それ】の膝元で赤黒い液溜まりを形成しているが、やがてそれを時間が経てば、その液溜まりもなくなって、ただの大きなシミに成り果ててしまうのだろう。〝「…………………ホント、最悪。だから〝 愛されない〟んです。」〟「……………………。」【それ】はその言葉に対する反応として、悦ぶわけでもなく、反抗するでもなく、悲しむわけでもなく、怒るわけでもなく、ただ、【事実】のひとつとして捉えて無反応でいただろう。そんなやり取りがあってから、キミはようやく〝餌〟に顔を近づけてくれる。「……………ぁ……」胸の内に湧き上がる期待と高揚感のあまり、思わず声が漏れ出しまうが、直前になってその動きが急に止まる。「………?」またも【おあずけ】をくらってしまった【それ】は困惑と待望の狭間で感情を揺さぶられながら、キミの顔をみやろうとする。…しかし、キミは此方と意図的に視線を合わせる気がないようで、そのまま彼女はキミから小さく問い掛けられる。〝「…………………………………………」〟〝「……………………、……………………………………」〟〝「……………………………………もし。」〟〝「……………………………………もしも、ママ達にも愛されず、………………ロネリーさえもオマエを飼わず、………………………………いいえ。」〟〝「………………………………もしも、【ママ達】なんて、知らなかったら。……………………………………オマエは、……………………………………どんな風に生きてたと思いますか。」〟「………………………。」彼女は、ダビー・アルゲッティは、驚いていた。まさか、キミが、【ママたち】に絶対を誓い、【ママたち】に【愛されている】〝キミ〟が【そんなこと】をいうなんて、…思わず、彼女の目は、暫く目を丸くしていただろう。 「……………。」彼女はそれでも【思考】するだろう。【もしも】の自分の姿を。…そして、答えがまとまれば、彼女は車椅子に提げてある鞄から、スケッチブックとペンを取りだして、そこにキミへの返答を書き綴るだろう。……暫くして、スケッチブックに答えを書き終えた彼女はペンをしまい、キミに画用紙の面をみせただろうか。そこに、書かれていたのは…『〝わかりません〟 』更に1枚めくる。『〝でも〟 』『〝あの日、神父様に拾われてなければ、とっくにこの命、元の腐った肉の塊に戻っていただけでしたので〟 』そこで、彼女の手は1度止まる、これがキミの問に対する答え(Answer)なのだろう。そもそも、生きることすらできていない。それが、1番考えうるなかで、1番妥当で、現実的な回答である。「………………」『〝でも〟』手を止めていた彼女の手が、再び動き出し、画用紙のページが、更に進んだであろう。そこに書かれていたのは、前のページに対して、否定を表す接続詞で、それから「………………。」彼女の手が、震えているのがわかる。【恐怖】しているのだろう。いま、こうして、キミに伝えようとしているのが、どれだけ【裏切り】に等しいか、知っているのだから。……それでも、彼女は思い切って、次のページをめくるだろう。……そこに書かれていたのは、『〝【ママたち】と出会ってない、キミと【普通】にお話がしたいです。〟 』それを見せ終えた彼女は、書いていた画用紙を急いで丸めて、口に入れようとしただろう。……こんなもの、あってはならないのだ。自分は、所詮、キミの〝餌〟に過ぎないのだから、【もしも】なんて、【夢】は【毒】にしかならないのだ。   (6/15 13:41:37)

サクラダ キョウ> 
(それは、今にも雨粒を溢しかねないような、そんか表面張力の限界くらいの灰に色付いた雲が折り重なって、空を覆っていた日のこと。天気予報が嘘をついたって、一日は始まる。)(─────シャラン。)(朝礼の時間まであと20分、もうそろそろ扉の向こう側の声も賑やかになり始めるかな、なんて頃合いのことでした。)(──────シャラン。)(妖精は、トテトテと巨大なビルの周りをを歩き回ります。こっちには分厚くておっきな本がたくさん、あっちには色とりどりで綺麗な本がたくさん、そっちには薄い本がたくさん。)(シャララン。)(木製のビルからせり出した不思議な建築物には、色とりどりだったり、みたこともない複雑な文字だったり。あっちにはこんなのが、こっちにはこんなのが、普段は宿主に付いて回っているだけの彼女は初めて、自分の意志でこの未知で満ち満ちた世界を探検してまわっている。右へ左へ、トテトテと走り回っているうちに、やがて彼女はちょっと動きが鈍くなっちゃって。はぁ大変、そろそろ休憩しようかしら、なんて様子で、彼女は近場にあった椅子によじ登ろうとして。)(──────────コテン。)(落ちた。)   (6/3 18:21:55)


ほりしぃ> 
( ──────────嗚呼、あらあら。なんとも悪魔的な出だしだ事ね。)(彼女はロネリー。ロネリー・エスカ。皆はこう呼ぶ〝ほりしぃ 〟と。小さな身体に不釣り合いな本の塔を抱える彼女は、 今から机に運ぶところ。朝礼凡そ20分前。分厚い毛布をかけたような曇り空は、どうしても起きたくない朝を見て見ぬふりするように太陽をひた隠して涙を堪えているようだった。灰色の憂鬱、伽藍堂の図書室。今日は授業に出たくない。でも決してサボるつもりもなくて、ただ教室にいるのが嫌なだけ。休憩が終われば息を吹き返したように皆が笑っている中で、1人だけ切り取られたような世界に取り残されるのも、かと言って話しかけらてなかよしこよしができるわけもない彼女の居場所なんてどこにもない。同じ知識を得るのなら、彼女にとっては文字の羅列に独り、逃避行するが吉だった。)(そんな時。)(───────ガタン。)「…………………、………」(〝誰もいないはず 〟の図書室で、自分以外の音が鳴る。彼女の動きはピタリと止まり、音のなる方へ顔を向けて訝しげに眉を潜めた。以降、シン、………と静まり返る図書室。〝 誰もいない〟という安堵感を覆される予感。抱えていた本を1度机に置いて、そちらに足を向けることにした彼女は、湿気でふわついた髪を少々うっと惜しそうに揺らしながら、歩みを進めた。軋む義足にはそろそろ油を刺さなくちゃ。カツり、こつり、キィ、カツり──────────……)(──────────カツン。)「………………………………、」( 曲がり角を曲がった先だった。椅子が落ちている影に加えて、…………横たわる〝落書きのような何か 〟が1匹。彼女は眉間に皺を寄せる。それはあからさまな〝嫌悪感 〟。彼女は貴方を知っていた。ソレは【路地裏のあの日】。スマホで連絡を取ろうとしていた妖精にそっくり。彷彿とさせられた思い出から一変。彼女は腰に手を当てるや否や、歩み寄り不躾にも見下げて、冷ややかな声で問いかけることでしょう。)「…………………………………オマエ。こんなとこで何してンですか?」「……………〝宿主 〟は?」(言ったでしょ。悪魔的な出だしだと。)   (6/3 18:42:49)


サクラダ キョウ> 
(言葉に言い表せない、根拠のない嫌な予感。)(誰だって味わったことがあるはずだ、学校の宿題をやっていない時に限って先生に当てられる気がしたり。忘れ物してそうな気がする、なんて何か心の中に違和感を残したまま家を出て、職場についてから腕時計を付け忘れていることに気付く、だとか。)(そういうのってのは大体心の奥底にある無意識が本能的に警鐘を促している、なんてことが多い。)(彼女の場合。)(椅子から落ちて、ああやっちゃったわ、なんて考えているかのようにぼうっと動かずに天井を見上げていたその瞬間。)(カツり、こつり、キィ、カツり──────────……)(──────────カツン。)(どこかで聞き覚えがある。)(その、人間から出されているにしてはあまりにも金属質で、機械から出されているにしてはあまりにも不規則な音は。)(『こちらに近づいている』)(すごおく、すごおく嫌な予感。今日は晴れの筈なのにお天気さんはご機嫌ななめだし、あの子は全然こっちの話を聞いてくれないし。)『............!』(このディスコードは、発言によるコミュニケーションは不可能である。その文字通り【言葉にならない】恐怖心を煽られるんだ、それでもって。)『...............!?!?』『.........?!!!!!?????』(突如視界に現れた黒と赤とピンク、見覚えのある警告色。どこだっね、どこだっけ、なんて考え、)『…………………………………オマエ。こんなとこで何してンですか?』『……………〝宿主 〟は?』(────────貴方の冷ややかな視線。)(覚えている。)(ええ、ええ、勿論。覚えていますとも。あの日のことは忘れない、あの子が血を流したあの日のことは絶対に。よくわからない、むつかしい言葉を使っていたけれど。ただただ、二人が怖かったの。どちらかが死んじゃうんじゃないかって、なにか良くないことになるんじゃないかって、そう、あの日も。【言いようのない嫌な予感】がしていたんですもの。)(とはいえ、彼女の知能は3歳児と変わらない。それくらいの子供が取る行動なんてのは、至極単純。)(とっ、.........................................とっ、......テッ、とてててててててっ!)(保護者や友達のとこに逃げる。)(この前貴方達が何を話していたのかはよく分からなかったけど、貴方のその視線はいざ自分に向けられると怖くて怖くて。だから彼女は、走った。)(─────────〝宿主 〟の元へ。)(幸いそこからそう遠くは離れていない、丁度貴方が立っている場所からもぎりぎり見えるんじゃないか。)(図書室の端っこで、机の上に本を塔のように積み上げて、何本も立った塔の真ん中に、これまた何冊も開きかけの本があって。その真ん中に開かれたノートに、突っ伏し熟睡している【彼】の姿が。)(開かれた本の内容はてんでバラバラだ。『カニバリズムは何故行われるのか』『自分の精神、他人の精神』『衝撃都市伝説』、エトセトラ。)(ただ、彼がたった今突っ伏しているノートの、開かれたそのページにはたった何行も何行も、思考と試行を繰り返した後が残っていて。そして最後にこう書かれているんだ。)『蚕蟲の卵?』   (6/3 19:39:36)


ほりしぃ> 
(ピーターパンに出てくる妖精は、〝 子供の笑い声〟から産まれてくる。風に乗って、ピクシーホロウへと向かうなんて噂は、ベットの上でまことしやかに囁かれる御伽噺だ。その御噺によれば妖精達の声はまるで皆、〝鈴の音 〟にそっくりだそうな。〝 ティンカーベル〟。貴方の第一声は──────…………)『...............!?!?』『.........?!!!!!?????』「…………………………………」「…………………、……………………はァ……………???』( 〝 届かない〟。それもそのはず、貴方に口はどこにもない。チリ、チリリ、チリリリリン……………ただ貴方の中では本能的な警鐘が鳴り響くのみである。彼女はあからさまにこちらに怯え、尚も質問を返さず飛び起きては とてとてとてとてッッッッ………!!と逃げの一手を選ぶ後ろ姿に不機嫌さを隠さず声を漏らした。そりゃあ貴方も逃げ出したくなるだろう。なんせあの日、貴方の宿主は愚か、複数人が『喰われかけた』のだから。フラッシュバックする赤色と腐臭は、3歳児には刺激が強すぎる。しかしそれは彼女にとっては普通で無ければならなくて、貴方のトラウマなんて知る由もない。今彼女にあるのはただ、『質問をしたのにそれに返さず踵を返した不躾な餓鬼』に対する苛立ち。目を細めた彼女は髪を揺らし、カツリコツリと足早に貴方の後を追いかける事だろう。それは『ウェンディがピーターを探しティンクを追いかける』と言うにはメルヘンさの欠けらも無い。赤の女王が白うさぎの首を跳ねるか、或いは軍服を来た女が小さな子を仕置きするかのような構図である。貴方の足の速さならばこちらがわざわざ走る必要もあるまい。悠々と、しかし淡々と。足早に。彼女は曲がり角を曲がったところで──────────…)「………………………おいオマエ………このほりしぃがわざわざ話しかけてやってンのに無言で逃げ出すたァどういう了見で──────────……………………………」(……すか。)(いい切る前に、彼女は目を見開く。大きな赤目に映るのは、あの日と何ら変わらない男の姿だ。『宿主はどこ』その答えがこうも簡単に得られるだなんて。…決して逢いたかったわけじゃない。ただなんで貴方が一人でいるのか気になっただけなのだ。というかそもそも、【貴方も同じ学校】だったなんて。)「…………………………」(………眠っている貴方から目を逸らす。そして次に目につくのは、その『本の塔』だった。勤勉な貴方なら授業中に遅れないようにもう教室に向かいそうな気もするが、どうしてこんな時間から、こんな量の本を?失礼な話だが、貴方がこんなにも愛読家であるとは思わなかった。貴方は未だ寝ている。起こさないようにゆっくりと近づいた彼女は、貴方が何を読んでいたのか。好奇心の赴くままに、覗きみようとするんだろう。だって自身も本を良く、読むものだから気になっちゃうなんてのはおかしな話じゃないはずだ。)(……………でも。)「……………………………………、」(………【それが、いけなかった】)「…………、……………」 (【自分の精神、他人の精神】)(【衝撃都市伝説】)(【【カニバリズム】】)(………脈打つはずのない心臓が、主張を始めたような錯覚。) (………………〝 なんでこいつがこんなの調べてるんだ〟。)(ソロリと彼女は視線を横に逸らす。最後に目に付いたのは、貴方の下に伏せられたノートだった。整った文字の羅列、メモ、見てわかる通りの試行錯誤の形跡。)(そして、最後に。)(蚕蟲(ワタシ)の──────────……)「………………ッ、………………………」(彼女は思わず息を飲み、後退った。瞳孔が揺れ動く。後ろに棚があることに気づかなかったのか、まんまと本達はその衝撃で落ちてきてしまった。)「しまッ…………………………」(…しまった、と思った時にはもう遅い。図書室内には派手に本が落ちる音が響き渡る。………………嗚呼、あなたが。〝 起きちゃう〟 。)   (6/3 20:15:28)


サクラダ キョウ> 
(夢を、見ていた。)『どうしたんだ、大丈夫か。...............なに?みんなとかけっこしてドベで、挙句の果てにこけちゃった?』『気にするな!かけっこしてこけたって、■■は俺の自慢の家族だ!!!!元気を出すんだ!!』(ぼんやりふんわり、影が形をなして、なにかの映像を形作る。)『見てくれ■■!!』『すごいかっこいいだろう!!!この人たち、ヒーローって言うらしいんだ!!!俺も、俺もこんな風になれれば......!』『【皆の幸せを守れる】、そんなヒーローに..........!!!』(ああ、これ。)『......................ごめんな。■■。』(夢か。)(ドサドサドサドサッッッッッッ!!!!!)(そこで、目が覚めた。)「......................。」(影が。)「...............、...................。」(少しずつ。)「..................んん......んん?」(形をなした。)(【黒と赤とピンクの、色鮮やかな警告色】。)(目を見開く、見覚えのある少女。)(そうだ、彼はこの人物について調べていたんだ。あまりにも異質で、それでいてなにか大きな矛盾を抱えているような。なにか違和感を感じさせる言動をする、貴方のことを。決して簡単なことではなかった。個人情報なんて、自らが名乗っていた謎の名前と、顔くらいのもの。たかが学生が貴方の置かれた環境を細かく調べ上げられるはずもない。そう。そんなはず、なかったんだ。)(『貴方が問答無用で彼を食ってさえいれば。』)(貴方はいくつもいくつも、貴方自身を探す手がかりを残してくれていた。意識的にやったことなのか、それとも無意識にしていたことなのか。どちらにせよ、彼は覚えていた。)『………………………オマエ、人間ですねェェェェェェ………………………』『……………オマエ………………………〝 カミサマ〟なのか?』『人様の晩飯を逃がそうってェ言うんですかァァ………………………??』『人を喰うのは『腹が減ったから』。 オマエらだって肉を喰うでしょう?鶏肉、豚肉、牛の肉。飯を食う時に一々ンなこと考えながら生きてるバカはそう居ませんよねェェ………………ほりしぃがやってることはそれと同じですよ。ニンゲンなんてほりしぃにとっては餌に過ぎない。』『……………ヒトを食わなきゃ死に戻る………………オマエはほりしぃの【⠀生⠀】を最初から【否定】してるンですよッ……』『オマエに【期待】なんてしてないから。ほりしぃには【⠀ママ達⠀】がいるから。』(貴方が溢した言葉の、一つ一つ。【どれ一つだって忘れちゃいない。】ネットを調べれば、本を調べれば、どれもが同じ答えに行き着いた。そして、あれだけヒーローに固執していた貴方を見て。)「................───────おはようございます。」(もう、この学校の名簿をしらみつぶしに確認済みだ。)「ロネリー・エスカさん。」「...........怪我はないか、大丈夫か?」   (6/3 21:01:03)


ほりしぃ> 
『................───────おはようございます。』「……………………………………、………」『...........怪我はないか、大丈夫か?』(………嗚呼、やっぱり起きちゃった。彼女は思わず内心で舌打ちをついた。貴方がどんな夢を見ていたかは知らない。貴方のことをほとんど知らない。しかし貴方は確かに此方の名前を呼んだ。〝ロネリー・エスカ 〟と。彼女は腕を組み、大きな目をぐ、と細め貴方を見下し睨みながら、小さく口を開き呟くだろう。)「………………………………、………」「………………………………………〝 余計なこと 〟を。」(それは怪我を心配する貴方に対してだろうか。それとも〝 書物やノートの数々に記載された事柄〟についてだろうか。恐らくはその〝 両方〟。彼女は手を伸ばし、貴方の反応なんて関係ないと言った具合に勝手にノートを手に取ろうとするだろう。そしてもしもそれが出来たのならば、文字の羅列に目を通しながら言葉を零すのだ。)「……………………そこの〝 餓鬼〟が椅子から落っこちて仰向けに寝っ転がってました。………宿主なら宿主らしくちゃんと管理し、躾けるべきでしょう。」「………………………それから。」(『蚕蟲の卵』『蠱毒(孤独)の少女達』『それは1つの噂に過ぎない』。一つ一つ丁寧に、有り合わせの情報を繋ぎ合わせて自分なりに解釈を。彼女は貴方から貰った血液をあの日、蹴り飛ばしたというのに。あなたはあの日からずっと彼女を気にかけていたと言うのか。)「…………………なんでこんなことしてンです?オマエ。」「…………………わざわざ〝 ロネリー〟の名前まで調べあげて………………………………さてはオマエ、変態ですか?暇なんですか?オマエが大好きなヒーローごっこは?今も困っている輩はいるんじゃねェんですか、ほら例えば〝 重い荷物をもった老婆〟とか。……ベターですよねェ…………???ベターで最も救いやすい小さな世界です。」「……………ま。…………兎にも角にも、金輪際はこのようなことをせず…………………こっちの紙屑は捨てておいてください。……………つうか、こっちで捨てていいですよね?………………………嗚呼、…………………あと、それから。」 (相変わらず御挨拶な態度だった。お世辞にも愛想がいいとは言えないし、〝 嫌われてる〟と捉えられても不思議じゃない。皮肉ばかりのニヒリスト。事実、彼女は「ニンゲンは嫌い」「オマエも嫌い」と明言していた。彼女は貴方がどんな人で、貴方がどうしてそういう事をやっていて、何故神様になってしまったのか、なれてしまったのか検討も付かない。きっと彼女はノートを返すことはなく、小馬鹿にするような表情でこれは捨てると言い張るだろう。それから………………) ………………それから………………」(………それから……………)「…………………………………………」(………………………………)「………………………………、…………………」(…………………─────────ジィ、と腕を見やる様子。まるで何かを言いたげに、そして確かめるよう。しかしそれを口にするのはどうしてもはばかられる理由が彼女の中にあった。ひとつはきっと、ほんの小さなプライドだ。………貴方と出会わない空白の数週間、数日間。今まで色んな人と出会って来た。だがそれを踏まえても、問いかけようとしていた内容を貴方に投げ掛けるにはまだ勇気が足りなかった。閉ざされた口から結局出たのは一つだけ。)「……………………………………別に、……………………なんでもねェですけど。」   (6/3 21:40:42)


サクラダ キョウ> 
『………………………………………〝 余計なこと 〟を。』(ぐぃ、と目を細めてこちらを睨み付ける貴方。当然の反応。というか、少し予想外ですらある。多分、もしかしたら、数日前の彼と出会ったばかりの貴方のままだったなら、本気で怒るんじゃないか。こんなノートを見られたら、またあのおどろおどろしいディスコードを突きつけながら『ヒーローはほりしぃに立ち向かって死んどけばいいのに勝手なことをするな』みたいな事を言っていたのではないか。けれどなぜか貴方は、【舌打ちをしない。】)『……………………そこの〝 餓鬼〟が椅子から落っこちて仰向けに寝っ転がってました。………宿主なら宿主らしくちゃんと管理し、躾けるべきでしょう。』(ふと足元を見ると、そこには怯えたようにズボンの裾に隠れながらも、貴方を見ようとひょこひょこと顔を出すベルの姿。今日は喧嘩はしないかな、大丈夫かなって心配するかのように。だけど、そんなことより。「ほりしぃさん...........................君は...............」(彼は貴方を見つめて、貴方とは対象的に目をまんまるに見開いているの。だって、今までの貴方の発言。どこか言葉や行動の節々に、違和感が現れていたから。例えば、何故わざわざ悪人を襲って食べようとした?学校のルールを守る為にといえば聞こえはいいが、そもそもの貴方の言う【ママ達】は、きっと貴方をカミサマにしたがっている。人を食いつづければ生き延びる条件ならば、貴方がカミサマになる条件はなんだ?わざわざ大嫌いなヒーローを育てる学校のルールに則ってまで、人を食って生き延びて、学校に何がある?そして極めつけは、ティンカーベルが転んでいたことの報告だ。転んでいること自体はそこまで珍しくない、子供くらいの知能なのだからそこかしこ冒険してときたま失敗する、よくあるいつもの風景。だけどそこに紛れ込む非日常。)「.........................教えてくれて、ありがとう。気をつけてベルを見るように心がける。」(貴方が、まるで人間のように優しいことをしたから。それが、前との変化だろうか。前のように棘があるようで、今はちゃんとこちらを見ているかのような。確証は、ないけれど。)『…………………なんでこんなことしてンです?オマエ。』『今も困っている輩はいるんじゃねェんですか、ほら例えば〝 重い荷物をもった老婆〟とか。……ベターですよねェ…………???ベターで最も救いやすい小さな世界です。』(彼は貴方が話し終わっても、少しだけ沈黙を守っていた。彼の中での迷いが、すこしだけ揺れる。)「君の事を調べる中で、よく分からなくなったことがある。」「善であるということが、どういうことなのか。確かに重い荷物を持った老婆が眼の前にいれば、俺は迷わずに助けるだろう。だけど、それが自己満足であると言われれば折れは全く否定できないことに気づいてしまったんだ。」「だって俺は、『たった今世界中で苦しんでいる俺の目の届かない人達』に思いを馳せてその苦しみを想像できない。『眼の前で苦しむ人達』しか守れない。」「大団円を描くには、俺の視野はあまりにも狭い。」(彼はほんの少しだけ、目線を伏せる。)「『性悪説』を知っているだろうか。」(もしかしたら、人間やヒーローの本質を否定する貴方なら、調べたことがあるかもしれない。)「大昔の偉い人が言ったらしい。人間の本質とは『悪』だと。」(積み上げられた本の塔、それだけの知識が今彼の中でぐるぐると回転している。)「戦争は無くならない。犯罪は無くならない。人を殺して喜ぶ奴はそういう環境に身をおいて生きてきたからしょうがないとすれば、蟻の行列を踏み潰して遊ぶ純粋な子供達は何故そんなことをする。」「.............................それでも尚正義を貫き善であるには、努力が必要らしい。」(彼は椅子に腰掛けて膝の上で両手を絡め、本の塔の真ん中で天井を見上げる。)「正しくありたい。今の俺は恐らく、かなり自己中心的だ。視野に入る人間のみを助けてヒーローになった気になって、それで満足している。」「ヒーローごっこという君の言葉は、正しい。俺は視野が狭いくせにヒーローになった気でいる。だから。もっと今の俺の目には届かないような、沢山のヒーローが気づかないような人達の苦しみに気づきたい。」(誰よりも無謀で夢のような正義を掲げる彼はせめて誰よりも。)「正しく、ありたい。」(そして彼は、天井から君に視線を戻す。)「だから俺は、この前初めて知った君のことを知りたい。君の視点に立つことができれば、きっと俺では気づけない沢山の人の苦しみや救いの手を求める人々に気付くことができる。」「それと後、単に。」「君をもっと、知りたい。」(じぃっと貴方がこちらを見つめる様子。なにか言いたげのよう。ただ彼は、人一倍勘が。)「............どうかしただろうか?」「───────.........。」「................、.....?」「.......あ!」「そうか!これだな?これに気づいたのだな??」(悪い。)(彼はポケットから嬉しそうに小包を取り出せば、貴方の前に置いてみる。)(それは、ピンクのリボンで包装された、可愛らしいうさぎさんの見た目の、一枚のクッキー。)「お菓子は幸せを作る、お菓子はみんなの心を和ませる!ならきっと、これも一つの平和への近道なんじゃないだろうか!」「これ、試作品にはなるが食べてみてはくれないか!?とっても甘くて美味しいんだ!!!!」(前提として。彼は貴方の秘密に、すでに多く辿り着いている。)   (6/4 20:48:51)


ほりしぃ> 
『............教えてくれて、ありがとう。気をつけてベルを見るように心がける』「…………………」(〝ありがとう 〟)(………彼女はその単語に鼻で笑ってしまった。言われる筋合いなんてなかった。ただ寝転がってたら邪魔だし、子供とはいえ不躾なその態度が気に食わなかったから教えただけ。腕を組んだまま、彼女はティンカーベルに目を向けたのならば、軽く睨み呆れたように目を逸らした。)『君の事を調べる中で、よく分からなくなったことがある。』『善であるということが、どういうことなのか。確かに重い荷物を持った老婆が眼の前にいれば、俺は迷わずに助けるだろう。だけど、それが自己満足であると言われれば俺は全く否定できないことに気づいてしまったんだ。』 「……………………………………で?」(【冷えきった声色】だった。氷を削り、鋭利に尖らせたような。その一言には底冷えするように霜がくっついている。貴方は天井を見やり、言葉を続けた。)『だって俺は、『たった今世界中で苦しんでいる俺の目の届かない人達』に思いを馳せてその苦しみを想像できない。『眼の前で苦しむ人達』しか守れない。』『大団円を描くには、俺の視野はあまりにも狭い。』( それは正しく希望的観測だった。ティースプーン1杯、それをミルクに溶かしたような理想論だと言わざるを得ない。自分がなるべく正しくあるため、己の正義の為。それは絵に書いたような『ヒーロー像』と言ってもいい。)『..........................正しくありたい。』 (この言葉のとおり、貴方はどこまでも愚直で、曲がることを知らなかった。その勤勉さはこの学校に置いて〝 必要不可欠〟となっていくに違いない。)(しかし。)『.......あ!』「…………………はァ?」『そうか!これだな?これに気づいたのだな??』『お菓子は幸せを作る、お菓子はみんなの心を和ませる!ならきっと、これも一つの平和への近道なんじゃないだろうか!』『これ、試作品にはなるが食べてみてはくれないか!?とっても甘くて美味しいんだ!!!!』(……愚直が故の鈍感だ。彼女は眉を顰め、貴方の動向を見やっていることだろう。一方的に進んで行く情景、可愛らしい少女のようなラッピングを目の前で差し出された彼女は、腕を組んだままそれを受け取ろうとはしなかった。そして、1拍おいた後、最後まで話を聞いた彼女が、漸く口を開き、言葉を紡ぐ。)「…………………………つまり。オマエを【 理想のヒーロー⠀】に仕立てあげるための礎(踏み台)の1つとして、ほりしぃを調べあげていたと。ひとつの手段として、【⠀利用⠀】したいと考えていると。」「………………オマエの価値基準ではほりしぃのやっていることは【正しくない典型的な例】で、【悪】だから、…………だからその視点に立って、【⠀理解⠀】しようとしているということで、合ってますか。」「………………ホント、オマエは【傲慢】ですね。相も変わらず。」「………………偉い人が〝言ったらしい 〟?………努力が必要〝らしい 〟?」 「………オマエ、ヒトから影響されて貰った言葉ばっかりじゃねェですか。オマエの平和はたかだか〝 お菓子を作ることしか脳がない〟んです。甘いものが苦手な人間は?そもそも【宗教上の関係でそういうのが食えなかったら】?………………〝正しくありたい〟……結局のところオマエのそれは【皆が首を縦に振りやすい、最も万人受けする意見】に寄り添うことが正義なんです。…………〝 可哀想〟に、弱き者の傍に居るのとまるで何も変わらない。「……………………………………」「……………………………………ま、……………どうでもいいですケド。」 (ひねくれていた。彼女の偏見と、歪み切った価値観にまみれた言葉だった。それは違うと否定してもいい。ヒーロー嫌いの台詞なんて所詮はこんなものなのだ。彼女からしてみれば、〝黙って聞いてりゃ勝手なことばかり 〟その言葉に尽きてしまうのだから。)「…………………………………………」「……………………………………………もう。」「…………良いんです、無闇矢鱈と誰彼構わず寄り添おうとしなくって。……………………ヒーローは悪役が居なくちゃ成り立たない。」「………………いいんです。クッキーの味なんて知らなくっても。」「………………………………誰も傷つかない最も効率的な方法は、〝 誰とも関わらないコト 〟でしょ。………オマエはそんなことも分からない馬鹿なんです」「…………………馬鹿で、………………どうしようもないヤツ。」「…………………………」「………………………………」「……………………………………………馬鹿でどうしようもないから、特別に教えてあげましょう。」「…………………………………ほりしぃは、〝 助けて〟って言葉が嫌いなんです。」「……………………、……………………………………〝 助けて〟って言っちゃったら………………それを言わせたなにかが、〝 誰か〟が、…………………すぐに悪者扱いになっちゃうから。」「…………………ずるくて、弱い言葉だから、…………………………嫌いです。言われるのも嫌いです。………応えればその人のヒーローになっちゃうから。」「………………………オマエに誰かを【悪】として切り捨てる覚悟がない限り、誰の【⠀助けて 】も、……………………〝本当の意味 〟で抱き抱えられないんじゃないですか。」「救ってるようで、救ってない。それがオマエなんじゃないですか。」(………彼女は生まれてから1度も「助けて」と言ったことがなかった。それを言ったら自分がママ達に意地悪されていると、愛されていないと公言しているみたいだったから。大好きなママ達を悪者にしてしまいそうだったから。)(誰も寄せつけなかった。最初から嫌われる孤独と、愛された後に捨てられる孤独に彼女はきっと、耐えられないから。)( 自分が間違えていれば、ママ達が正しくあれるなら。)(それで良かった。)「………………」「……………………………………」「………、………もしも。」 「……………………………………ホントにほりしぃのためを思うなら。」「………………………………そのクッキー、………………………………〝 羨ましくなっちゃうから 〟………………早くしまって下さいよ。……………… 〝(ヒーローの)見習い 〟。」 ( 良かった、はずなのに。)(どれもこれも、皆のせい。愚かしいニンゲン達との会話のせい。)(……………どうやら世間一般では、クッキーの似合わない女の子は可愛くない〝 らしい〟。私はロネリー。ロネリー・エスカ。ママ達が怖くて、食べられない。貴方はヒーローの見習い。私はカミサマの見習い。見習いのよしみで教えたげる。)(私は当たり前に差し出されるクッキーさえもがほんの少し、羨ましいのと。)(……………私が最近思う、君たち(ヒーロー)へのちょっとした、考え方を。)   (6/4 22:11:23)


サクラダ キョウ> 
『…………………………つまり。オマエを【 理想のヒーロー⠀】に仕立てあげるための礎(踏み台)の1つとして、ほりしぃを調べあげていたと。ひとつの手段として、【⠀利用⠀】したいと考えていると。』「.....................。」『………………オマエの価値基準ではほりしぃのやっていることは【正しくない典型的な例】で、【悪】だから、…………だからその視点に立って、【⠀理解⠀】しようとしているということで、合ってますか。』「.................................、............................................................。」『………………ホント、オマエは【傲慢】ですね。相も変わらず。』(彼は、答えない。少しだけ俯いて、貴方が落とした本を、貴方が吐き捨てた言葉を、見つめる。幾重にも折り重なった分厚い雲、その向こう側。貴方の本質、核心はまだ顔を出さない。)『………………いいんです。クッキーの味なんて知らなくっても。』(────────彼が。)(貴方を傷つけると分かっていることを、わざわざしたのは何故でしょう。)(彼は、立ち上がった。ゆっくり、立ち上がって。おぼつかない手先で、クッキーを包装から取り出して。)(それから、貴方を見つめる。散々貴方が吐き散らかして、最後にようやく漏れ出た優しい言葉。)【要するに本物のヒーローっていうのは。】(彼は勘が鈍いけれど、ここまで話して君の本音に気づけないほど阿呆じゃない。)(これは『助けて』を言えない貴方へ送る、彼なりの『助けは必要でしょうか?』なんてメッセージ。プライドが高い貴方に、これだったら届くでしょうか。)(彼は貴方の口元に向けて、クッキーを弾いた。)(もしも貴方の口の中に入ったのなら、広がるはずだ。サクッとした食感に、香ばしくてほんのり甘い革命の香りが、ふんわりと。だけど、『それだけじゃない。』)(貴方なら気付くはずだ。この風味は、『いつも食べている肉で味わったことがある。』)(加工されている、あまりにも多くの工程を踏んでいる、だけど消しきれない香りが、微かに。)(貴方がこのあとどうするつもりだったかは知らないが。先程貴方が取り上げた彼のノート、その次のページからも、びっしりと書き込まれている。材料に【人肉】を含みなおかつ甘くて美味しくなるように考え抜かれた、数々の禁断のレシピが。)(彼は不自然なほどにゆっくり、ゆっくり、貴方へと歩み寄る。そして、たった一言。)【本物のヒーローっていうのは。】「お味は、いかがでしょうか。」【こういう努力をし続ける人間では、なれないだろうか。】(本当の意味で貴方を救うための、第一歩を。)   (6/4 22:54:55)


ほりしぃ> 
「……、…」「………」( 貴方は話を聞いているのか聞いていないのか。あれだけズケズケと好き勝手ものを言ったものだから、さすがの貴方も応えたか。或いは導火線に火をつけてしまったのか。偏見にまみれたそれを吐きかけ、これでもかと言うほどに踏みつけることは今に始まったことじゃないが、その沈黙はあまりにも長く、鉛を引きずるような時間だったと思う。後に貴方がゆっくりゆっくりと歩み寄ってきた。警戒の色。無言で寄ってくるもんだから、彼女はそれに合わせるように後ずさって、〝何か言いたいことがあるならはっきり言え 〟と、口を開こうとした瞬間に。)「…………──────ッ、」(口の中に〝 なにか〟入ってきた。彼女は大きな目を見開く。)(反射的にそれを口の中に含んでしまった彼女。それは初めての甘味。 牙がサクリとそれを砕いた後だった。気づいた時にはもう遅かった。鼻腔を擽るはバターとそれから、…【⠀慣れ親しんだあの味】 で。これがきっと〝 クッキー〟で。この原材料は自分にしか食べられない〝 禁忌(タブー)〟で。それで、それで。メモ帳の数々。試行錯誤。エトセトラ、エトセトラ。あなたは、わざわざ。わざわざ─────────…) 『お味は、いかがでしょうか。』「……………………」「…………………………」 (彼女は貴方を冷たく睨んだ。吐き出すこともしなかったが、味の感想なんて言わなかった。ただ、逃げるように〝またくだらないことをしてくれた 〟と言わんばかりに義足を鳴らして、踵を返してはその場を後にする。教室には貴方独りぼっち。 ティンカーベルが、チリンと鳴る頃にカーテンだって風に撫でられて揺れるんでしょう。)(──────────)(──────────)(────────── ) (──────────鳴るんでしょう。)( 冷たく。) (〝 警鐘 〟が。) 「……………ッ゛………ふ、ぅ゛…………ッ…………」「………………ッッ゛…………………」 「…………ッ゛ッ、………………………」(嗚呼。) (食べちゃった。)(食べちゃった。食べちゃった食べちゃった。)(食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった食べちゃった……………)(〝食べちゃった 〟。)(彼女はあの後、貴方の知らないところで、見えないところでトイレに行き、勢いよく個室に入った。口元を抑え、瞳孔を揺らす。まだ大丈夫飲み込んでない、今吐き出せばチャラになる。食べるつもりなんてなかったの、あいつが勝手にやったの。)(【人肉が入ってたからセーフ?】)(【あいつがニンゲンではないなら大丈夫?】)(どうでしょう、どうでしょう。)(口の中でドロドロと溶けていくクッキー。初めての甘み。初めて誰かから貰って口にした 〝お菓子 〟。)(〝 羨ましい〟なんて言うんじゃなかった。)(認めるんじゃなかった。)(似たもの同士だと思ったバカは自分だった。)(なんであんなこと言っちゃったんだろう。)  (後悔したってもう遅い。………さっさと吐き出さないと。でも、でも、でも…………………)(何を惜しんで居たのか。何を悩んでいたのか。結局口の中でドロドロになった、クッキーだったものは。震える口をゆっくりゆっくり開けた後、とろぉ……………とトイレに吐き出されてしまった。勢いなんてなかった。【少しでも怒られる可能性があることはしない】。彼女はママをあいしていたいから。これで元通り。これで大丈夫。)(………──────────ただひとつ。彼女はママ達に、今日初めて秘密を作ったことを除いては。それは【甘いが何かを知ったこと】)(【吐き出すかどうかを、迷う必要も無いのに迷ってしまったこと】)(…………………………………アイツの名前はなんだっけ。)(冷や汗で張り付いた髪が、気持ち悪い。目眩がする。罪悪感と背徳感。しばらく彼女はトイレから出れやしないだろう。) (──────────あれ、誰の肉、使ってんだろうな。)〆   (6/4 23:33:39)

Gaill Monochoria> 
「ぉ、居た居たァ。」(放課後の学校。チャイムが鳴ってまだ少し。いつもいつも、此の時間帯は賑やかだ。雑貨屋に誘う声。甘味を求める声。カラオケへ向かう声。部活だって熱心な一年生達がコート整備を始めているのだろう。校舎を包む賑やかさは、喧騒と呼ぶに足るもので。)(『カラオケも?パンケーキとやらも??雑貨屋も、………靴を飛ばして、天気を占うのも………………ジャンケンを、するのも………………』)(なんて、寂しそうな少女が告げたのも、こんな時間だった。夕暮れの理科室、煽り合いから始まった“奇縁”......と云うには少し、片方の押しが強過ぎる故に出来てしまった繋がりであるのだが。まあ兎に角。放課後の青春を満喫せんとする、そんな明るい声の波の中。周りより少し大人びた濁りの在る声は、慥かに其のちまっこい背中へ放たれた。)「 Hey. 」「よォよォよォ..........探したぜェ?ほりしーチャン..........」(揺れる金髪。側から見ればヤンキーかナンパ師のどちらかだが此処は学び舎。後者の可能性は低い。残る危険性は前者であった場合なのだが、見ての通りの不健康そうな血色の悪い肌と痩身である。声を放った彼に疑心の視線を遣る者も居ただろうが、安全そう(弱そう)と判断したのか其れ等はまた各々の友人へと向けられる。)(........だが君は少なくとも知っている筈だ。此の科学の“危険性”を。)「パンケーキ食い行こォぜ〜〜〜」(明らかに柄ではなさげな台詞を紡いだなら、右手で校門の方をだらりと指差した。)(あの日、彼が無理矢理に進めた第一歩。ならば、今日は二歩目を歩もうか。)>ほりしぃちゃん   (6/9 00:55:58)


ほりしぃ> 
(────時々、思うことがある。)( 〝明日世界が終わるなら 〟、きっと何もかもどうでも良くなったら、自分は何を口にするのかって。……ママのことかな。) (時々、思うことがある。)(私がママ達じゃない誰かの家に生まれていたら、私は何になっていたのか。)(時々、思うことがある。)( ……パパの肩車って、どれだけ高いのかしらって。)(6月9日、木曜日。彼女の名前は〝 ホーリーシット 〟。朝から夕までやっぱり1人の〝 lonely・Esuka 〟。虚勢とプライドで積み上げた、不格好なバベルの塔から降りることがまだ出来ない女の子。四角に切り分けた朱色の窓は一つ一つ別の絵が描かれているようで、彼女にはそれが眩しすぎた。まるで学校は美術館。1つ目の窓は女子生徒が色恋に花を咲かせて談笑している。2つ目の窓は男子生徒の集団が鞄をぶつけ合いながらふざけてる。3つ目の窓は1人だった女の子の生徒に友達複数に駆け寄って、皆で帰るところなの。それが絵だったら見なければ良い、ただそれだけだけれど生憎それらには声がある。相も変わらずむすくれた表情の彼女は、両腕に抱えた本をきゅう、と抱き抱えて、カツリコツリと足音を鳴らし、図書室に向かおうとしていた。)『Hey. 』(……そう、貴方が【来なければ】。)「よォよォよォ..........探したぜェ?ほりしーチャン..........』(彼女は一切、振り返らない。)『パンケーキ食い行こォぜ〜〜〜』「………………………………、……………………」 (歩みを進めていた彼女を止めた言葉。拍子抜けするほどに軽薄な貴方から吐き出されたそれは似つかないほど愛らしい。その風景を横目に見ていた生徒は、悪くても軟派だと軽くあしらう程度だろう。恐らくあなたは彼女の次の行動パターンを知っている。そりゃもうこっぴどく断ってつっけんどんにご退場。しかし、今日という日は──────────…………)「〝 やったぁ~~~ッ!!!ぱんけーきっ!!ほりしぃ、ぱんけーきだぁ~~いすきっ! 〟」( ツインテールをフルリと揺らし、純粋な子供のように笑顔を見せながらスカートを翻して振り返る、少女の姿があった。どういう風の吹き回しか、もしかして漸く心を入れ替えて、砦を崩して貴方の隣を歩く…………………………………………………………………………)「…………………………──────────とかなんとか言うと思いましたァ゛~~~~~~~~~ッ??????」(……前言撤回。彼女は彼女である。貴方を睨み、腰に手を当てつかつかと歩み詰め寄っては、彼女は威圧的に言葉を続けることだろう。)「ぬぁ゛ァァァァァァァァァァァァァにが〝 パンケーキ食い行こォぜ~~~~~~~〟ですかァ…………ホント懲りねェ奴ですね?しつけェ男は【⠀嫌われる⠀】んじゃありません???大体ほりしぃはオマエのことなんて探してねェですし、パンケーキなら他のニンゲンと食やァいいじゃねェですか。居るんでしょ、そういう〝オトモダチ 〟とやらが。…………オマエと違ってほりしぃはおふざけにかまけてる暇なんてねェンですからね、ほらほらぴっぴっぴ、さっさとおーちに帰る。」(……あなたに比べて小さな体。本で貴方のお腹をトントントンと押しては後ろに下がらせようとする。もしもある程度下がらせることが出来たのならばフン、と鼻を鳴らし、不機嫌な猫のように踵を返そうとしてしまうだろう。全く、この男は…………と言わんばかりだ。)   (6/9 01:53:13)


Gaill Monochoria> 
(大凡の対応は予想出来ていた。出来ていて尚誘いに掛かるのだからタチが悪く厄介極まり無い。さて鬼が出るか蛇が出るか食虫植物みたいなゴアの塊が出るか。数瞬も在れば自身向け放たれるであろう罵倒の雨をなんとなく想像して、其の上で退きもせず誘い続くつもりで居たのだが。)(だが。)『〝 やったぁ~~~ッ!!!ぱんけーきっ!!ほりしぃ、ぱんけーきだぁ~~いすきっ! 〟』(立ち止まってからの少しの静寂、と云っても周囲は変わらず賑やかなのだが。少なくともツンケン少女とファッ⬛︎ン科学者の間に在った静けさを破ったのは、ニヤニヤ笑いの男とて欠片も予想していない言葉だった。)「............変なモノでm『とかなんとか言うと思いましたァ゛~~~~~~~~~ッ??????』「wow.」(一瞬の路線変更、だが其れは目的を違えない手段の変更。端的に言うならば上げて落とすスタイル。フットワークからボディに差し込む不可視のジャブ。君の期待通りか否か、男は面食らってきょとんとした目で君を見てから。)「................。」「.............っ」(押し黙って、目を逸らして、顔を背けた。)(其れは、K.O.だろうか。失意だろうか。悲しみだろうか。本で押されるがままに後退して。)(それから、それから。)「____________________随分“カワイク”振る舞えるんだなァ?ビックリしちまったぜActressゥ」( 君の腕の中に有った質量が消えて無くなるだろう。 )(【レッドドア】。過程と結果を〆て事象と呼ぶならば、其れはただ一人で式を負い解を押し付ける自証である。喧騒の中の二人、其の遠くで。君の持っていた分の本棚の隙間は綺麗に埋まっている事だろう。)(失意か?悲しみか?否。“今度は転けてしまわないよう”すぐ横に、体勢を支えれる位置に立っている男は。此の程度じゃ動じないと、君も頭の何処かで分かっているんじゃあないだろうか。)「ククク.........しつこくなくたってキミァ一撃目から突ッ撥ねるだろうよ」「おふざけにかまけてる暇はないィ?...........下手な嘘ァやめとけ寂しんぼォ」(少女を寂しがり屋だなんて呼んで、男はまたへらへら笑う。)「僕ァ“キミ”と行きたいっつってんだぜ?今は他は良いだろォよぅ」(そういう目で見ればかなりちゃんとナンパ師な台詞なのだけれど、男は至って純粋に厄介に貴女を誘うんです。)(なんてったって、あの日の寂しげな言葉が忘れられないモノですから。)「僕ァ退かねェし強硬手段だって厭わん。..........それはキミもよく知ってるだろゥ?」(首から下がる小さな砂時計を、見せ付けるみたいにぷらぷら揺らす。あの理科室の時より、あの裏通りの時より、少し歳を取った様に見える其の科学者は。軽薄に笑って、ロンリーガールに手を伸ばすんです。)   (6/9 02:39:45)


ほりしぃ> 
『……………………………………』「…………………………?」『……………………っ、……』「……………………………………おいオマエなに黙り込んで」(彼女は貴方のキョトンとした顔に、何が言いたいんだと言わんばかりの訝しげな顔をしていた。余程ショックだったのか??いつもみたいに軽薄でチャラついた笑みはどうしたと。何となく、本当に。……本当になんとなく。顔を覗こうとしたその時に。)『____________________随分“カワイク”振る舞えるんだなァ?ビックリしちまったぜActressゥ』「…………ア゛ァ…………?????」(後に呟かれた貴方の言葉に、いつもながらに〝何なめた こと抜かしてんだ〟と眉間に皺を寄せるだろう。嗚呼もうやっぱり馬鹿にされてるんだ、なんてさ。本来彼女にとって笑うことなど造作もないこと。ママ達が来ればあなたの言う『カワイイ振る舞い』がよォく見れる。それを普段しないのは、貴方達に愛想を振りまく必要が無いからである。事実彼女は後にも先にも貴方に好かれるような態度は一切合切取っていなかったはずだ。)(しかしどうだ。)(この目前のオプティミスト。故に楽観。その癖思慮深く、彼女の1枚上を行く。)(【─── レッドドア⠀───】)(……………………事象は固定された。貴方を含まない全てが制止した空間は、当然彼女にも認知は及ばない。貴方は悠々と本を片し、その能力を。【⠀解除 】した。無論、重なった本の質量が急に消えるわけだから、小さな彼女であればよろけて情けなく転びかけるのが関の山。けれど。)「………………ッ゛……ぁ、……………………」『ククク.......』(……そう、転ぶと思ってたんだ。否、彼女の反射神経ならばよろける程度で住むかもしれないが。だが貴方がもしも目前に居たのなら、彼女は運良く、……否。運悪く、とす、と予期もせず貴方の元へ身体を預ける形になるかもしれない。壁と言うにはあまりにも頼りないそれに気づくまでにそう時間はかからなかった。)『.…….しつこくなくたってキミァ一撃目から突ッ撥ねるだろうよ』「…………ッ、オッ…………マエッ……オマエオマエオマエ~~~~ッッ゛…………オマエまた今『アレ(ディスコード)』をッ………………」『おふざけにかまけてる暇はないィ?...........下手な嘘ァやめとけ寂しんぼォ』「はァ゛?!?!?!?!?!誰が寂しんぼですかッッッ!!!!!!大体オマエが─────…………」(余裕ありげなその顔で、減らず口を叩く様子に彼女は当然噛み付くわけだ。己よりも随分と背の高い貴方を見上げては、彼女は反論しようとする。)「…………………………………………」「………………………………、…………」(……でも、その口は閉ざされた。代わりに見開かれたのは彼女のベルベットよりも赤い瞳。彼女の視線の先には貴方がいる。それは、出逢った当初よりも随分と、比喩でもなくそのままの意味で『大人びた』姿。今の今まで貴方をろくに見ていなかったからこそ、この距離だから尚わかる。それは決して気の所為なんかじゃないんだって。背伸びをして、彼女はゆっくりと手を伸ばす。目元に若干かかった貴方の前髪を退かすために触れようとしたところで、……………………)「……………………、………………」「……………………別に。……寂しんぼじゃねェですし、……………………」(………………結局触れないまま、降ろした。貴方から目を逸らす。『僕ァ退かねェし強硬手段だって厭わん。..........それはキミもよく知ってるだろゥ?』その言葉を呟きながら見せつけるように砂時計をチラつかせる様子に、なんとも言えない顔を見せ、むす、としたのならば彼女はそれを両手で握り込み、背伸びをして、視界から隠すように貴方の首元から服の中に入れようとするだろう。……なんて言えばいいか分からないけど、貴方の能力のタネを知っている彼女はその能力がどうにも好かなかった。理由なんてそんなの、知らないよ。知りたくもない。だから彼女はこんな事しかいえなかった。) 「………うざいです、オマエ。……………………そういうとこが嫌いだって言ってんですよ。」「…………、…」「………………………………すぐ帰りますから。……つーか食わねえですから。オマエに〝無理やり 〟連れてかれた、ただそれだけですからね。」(何から何まで強情だ。不器用だが答えはどうやら『YES』らしい。だってついてかないとソレ、使うんだろう?まるでイタチごっこ。あなたと居ると調子が狂う。ぶすっっっ……といつもながらに、いつも以上に不貞腐れた顔を見せる彼女は貴方から離れ、行くならとっととしろと言わんばかりに腕を組み、睨みあげるはずだ。)   (6/9 03:41:49)


Gaill Monochoria> 
『…………ッ、オッ…………マエッ……オマエオマエオマエ~~~~ッッ゛…………オマエまた今『アレ(ディスコード)』をッ………………』(今度は変化球無く真っ直ぐ予想通り。元気いっぱいに口撃を返そうとする君を見れば満足だと言わんばかりにクツクツ笑って。ネオンピンクは少し上から愉しげに。金髪のヴェールに透かして、#864747より尚深い、其の赤色を見るのです。)『はァ゛?!?!?!?!?!誰が寂しんぼですかッッッ!!!!!!』(変化球無く。)『大体オマエが─────…………』(変化球、無く........?)『…………………………………………』『………………………………、…………』(突然の静寂。少女の口は噤まれた。)「どォしたァ.......。大体僕がなんだってェ?」(二人の静けさが少し続いたなら男は、どうしたどうしたと口を開くけれど。屹度、貴女は応えないのでしょう。もう少ししてから伸ばされた手は、言葉の代わり、でも無い様に見えて。)「んン........?」『……………………』「オイなんだってんd『別に。……寂しんぼじゃねェですし、……………………』(最後の最後にゃ結局何も返されず、君は目を逸らしてしまう。“僕に見惚れちまったかァ?”なんて減らず口を叩く間もなく途切れた会話。けれども男は楽天家。自分の前髪をわしゃわしゃやって何も付いていないのを確認したなら、君の寂しがりを否定する言葉を思い返してまた小さくのです。)(とは言え、どうにも今日は予想外の多い日で。波乱の試合展開ではあれども精々が進塁。形勢覆す本塁打-ホームラン-は未だ無い。)(加えて行く追撃。ぷらぷら揺らす砂時計。其れをブン獲るか、或いはやってみろ、なんて挑発してくるものかと思っていたけれど。)「なんだァ......?」「ンンン.......?」(あらま残念退場-フェードアウト-。素肌にひんやりした感触が伝う。夏は暑いし少しでも冷感を、なんて言い出したら抱腹絶倒で窒息死迄行きかねないが、そんな事は無いのだろうし、防ぎたいなら防ぎたいで随分優しい方法だから。)(だから、少し。困っちまった。)「オイオイオイィ.......随分積極的じゃァないのォ。えェ?」(とは言え流石にひょうきん者。少し間が空いても軽口叩くは相変わらず。)『………うざいです、オマエ。……………………そういうとこが嫌いだって言ってんですよ。』『…………、…』『………………………………すぐ帰りますから。……つーか食わねえですから。オマエに〝無理やり 〟連れてかれた、ただそれだけですからね。』「ッククク....」「カッカッカッカ!!!!!!!オォイ素直じゃ無さすぎだぜほりしーチャンよゥ。全く可愛いんだからもうッ」(思わず爆笑。尚も強情な貴女の言葉が可愛らしく思えて。クオリティの上がりつつあるオカマ声で“もうッ”だとかなんだとか。多分、気持ち悪がられるんでしょうけども。)「ふ~........笑った笑った。」「さて。」「悪は急げだほりしーチャン。時短を___________」(其処迄言って言葉が止まる。止めるのは時のつもりだったのだけど、何時も通りに触れようとした砂時計が無いもんで。)「ああ、そう言えば。」「キミがないないしちゃったんだったな。」(ないないなんて言葉選びも当然の如く挑発。然して折角防いだディスコード迄使ったら本格的に拗ねられそうだなんて今更過ぎる懸念の元、溜息を付いて歩き始めるだろう。そう、あくまで遅過ぎる懸念である。なんだか可哀想に思えただとか、むすくれながら両手で砂時計を仕舞い込んだ仕草が愛らしかったとかそんなのでは無い。決して。決して。)____________________この“ベリーミックスパンケーキ”一つ頼んますゥ」「........あァ、この子お腹いっぱいみてェで。すんません、へぃ、大丈夫です」(手慣れた注文。これで敬語が上手なら立ち回りパーフェクトなのだが貴女と同じく彼の敬語もへんてこである。訪れたるは喫茶店。浪漫とスイーツ大好きな変身ヒーローにも教えてやろうと思っていた隠れ名店だ。隠れと云うだけあって平日此の時間帯は彼と君以外に客はおらず、少なくとも同じ学校の生徒が入ってくる事は無いだろう。味よし人はけよしで素晴らし過ぎるロケーション.....なのだが。) 「本当ォに頼まなくて良かったのかねェ~~~?」「僕だけ食うんじゃ意味無いだろゥ。」(態とらしくじろじろ見ながら煽る様に。待ち時間の間、男はかなりの頻度でそんな風に言葉を投げる。が人の居ないだけあって到着も早かった。)「んぉ、ありがとォごぜェますゥ」(運ばれたるベリーミックスパンケーキ。見るだけで〝理解る〟生地の柔らかさ。定番のホイップクリームも特性。幾つかのベリー系を混ぜたソースの赤紫は魅力的な差し色だ。)「ンじゃまァ.......頂きます。」(ちゃんと合掌して。)「頂い、ちまいますw」(ちゃんと煽った。)(.........さて、其処からは語るべくも無く。あからさまに美味しそォ~~~~~~~~~~に食べる男の独壇場が始まるだろう。)「あ~~~ァ。す~ぐ無くなっちまいそォだなァ~~~~~?」(なんて言ってはネオンがちらり。さァ少女よどうする。時間は多くない。)(残り半分。)   (6/11 21:05:19)


ほりしぃ> 
『カッカッカッカ!!!!!!!オォイ素直じゃ無さすぎだぜほりしーチャンよゥ。全く可愛いんだからもうッ』「オマエ………………………その喋り方、いつにも増してクッッソきめぇんですケド。」 (1の煽り、1の悪態。こんなのはもう見慣れた、見慣れきった光景だったろう。しかし貴方はそんなのも意に返さないと言わんばかりに、先程誰かさんが見ないようにとしまい込んだ砂時計に触れようと───────── )『悪は急げだほりしーチャン。時短を…………………………』「………………、………………」(…………彼女はチラリとしまった時計の場所を、バレないように見た後、密やかに逸らして腕を組む。)『ああ、そう言えば。』『キミがないないしちゃったんだったな。』「…………………………うるせェですね。だってフェアじゃねェじゃねェですか。毎回毎回時間止めて。…………オマエだけが進むんです。」「…………………………別に、どうでもいいですケド。」 ( 明らかな不服。そらそうともさ、ガキ扱いされてるんだもの。しかし理由はもう1つ。どうしたって追いつけないどころか、置いてかれてばかりのこの事象。〝 決して成長しない身体〟に関するコンプレックスへの刺激と、なんとなしに不愉快なあなたの能力。その不愉快の原因が別に、置いてかれるのが嫌とか、〝 次に会った時〟に何歳になっているのかが少しばかり気にかかる。)(……………〝次 〟?)(……まさか、〝 次〟なんて何を考えているのかしら。向こうが勝手に来るだけ。嫌気がさしたら逃げるもの。彼女はそれを望んでる。そうでしょう?)(〝 どうでもいい〟なんてのは言葉通りで。きっと貴方が言葉をかけても、彼女はつっけんどんに無視をするに違いはなかった。) (………………きっと道中の口数は少なかったんだろう。貴方が減らず口を叩きながら歩いて、彼女は悪態をつきながらその後ろをついていく。決して隣を歩くことなんてなくて、夕焼け空には貴方の金髪と、彼女の長い長いミルクティー色の髪の毛が揺れるばかり。下校途中の学生。定時上がりのサラリーマン。それから、………………父親に肩車をされながらはしゃぐお兄ちゃんと、母親に手を繋がれている小さな妹さん。愛らしい服の入ったショーウィンドウ。遠くからのクラクションの音。ぼんやりと、思わず歩くスピードを落としそうになった彼女は貴方に置いていかれないようにと、コツコツコツ、と足早に追いつこうとしていたのはここだけの話。横断歩道を渡って3つ目の角。人気の少ないアンティーク。 街中の喧騒から切り取られた挿絵。貴方は慣れたように )(──────────カラン。)  (と。小洒落た鐘を鳴らし。)(街から一変。)(喫茶店に、入った。彼女はきっと、入るのに1度躊躇してから、貴方の後をついてくる。)『いらっしゃいませ、お2人ですか?テーブル席に御案内致しますね。』「…………………、……」( 1つ結びと温和そうな女性店員が、彼女らを見るや否や微笑みかけ、席に案内してくれた。柔く充満した喫茶店の香りを、きっと貴方なら『珈琲』であるとすぐに分かるところだが、生憎彼女にはそれが分からない。ステンドガラスに夕焼けが照らされた端の席、趣味のいいスタンド灯と観葉植物。メモ帳を手にした先程の店員は、彼らに向かって言葉を紡ぐ。)『〝御注文はお決まりですか 〟?』『____________________この“ベリーミックスパンケーキ”一つ頼んますゥ」『かしこまりました。………そちらのお嬢さんは……?』「……………………、」「………………ッ…………ぇ、……っと………………」 ( ステンドガラスや周りに気を取られていた彼女は、声を掛けられ、1拍遅れで反応するはずだ。戸惑ったように目を見開き、咄嗟に被っていた帽子を目深に被ってしまった。貴方はそんな彼女の代わりに、答えてくれることでしょう。) 『.......あァ、この子お腹いっぱいみてェで。すんません。』『………………では、ベリーミックスパンケーキおひとつで宜しいですか?』『へぃ、大丈夫です』『かしこまりました、少々お待ちください。』 「………………………………………………」 ( 彼女は、メニューを見ることは無かった。初めての場所、なんだかいけないことをしているような胸騒ぎ。落ち着かない。彼女は太腿を擦り合わせ、肩を竦めながら机ばかりを見ている。)『本当ォに頼まなくて良かったのかねェ~~~?』『僕だけ食うんじゃ意味無いだろゥ。』「………………………………言ったでしょう、ついてくるだけって……………二言はありません………オマエもしつこいですよ、ほんと。」 (小さい声だった。そう、頼まないったら頼まない。貴方が勝手に食べればいい。そう思い込んでいた。) (【思い込んでいたのだ】。)『……………………お待たせ致しました。〝 ベリーミックスパンケーキ〟でございます。』(コトリ、と店員が伝票と共に食品を置いた。小洒落た更に たぁ~~~~~~~~っっっぷりと赤と紫のベリーソースと生クリームが乗っかったふわっっ………………………………ふわのパンケーキ。それはそれは分厚くて、フォークでつつけばプルリと震えるような〝完璧 〟な甘味。申し訳程度に乗せられたミントが、これまた絶妙な色合いを出してくる。彼女は、目を見開いた。)『ンじゃまァ.......頂きます。』「…………………………」『頂い、ちまいますw』「ッッッ…………だあ゛ァァァッッッ!!!いちいちなんなんですかとっとと食やァいいでしょうッッッ………………??!??!?!」 ( しかしそれも束の間。貴方が煽れば彼女はそれに面白いぐらいに乗っかる。ふいっ、と顔を背ける彼女は、窓の方を見やっているが………………………………) 『あ~~~ァ。す~ぐ無くなっちまいそォだなァ~~~~~?』「………………………………ッ、…………」「……………………………………ッッッ゛~~……………………」(……………………そわそわと、手を太腿の裏で抑え込み、きゅ、と俯きながら縮こまる彼女。カチャ、カチャ、と控えめにフォークがなる音と、視界の端にチラついて仕方がない、消えていくパンケーキなるもの。ああもう、こんなとき。自分が貴方の能力を持っていたらちょこっと止めてしまいそう。)(1口、1口、また1口。残り3分の1。とうとう耐えきれなくなった彼女は──────────………………)「……………………ッッ…………………………………」(……残り数口……もしかしたら貴方は一口で終わるか終わらないかの大きさを今やさにフォークで刺そうとしたところで、前のめり気味で貴方の手をパシっ!!と掴み、顔を赤くしながら貴方を思い切り睨んだ。そこに言葉は、無い。)(6/11 22:04:05)


Gaill Monochoria> 
『………………………………言ったでしょう、ついてくるだけって……………二言はありません………オマエもしつこいですよ、ほんと。』「あァそォかい。全く素直じゃないにィ」(小馬鹿にした様な笑み。両手をだらりと上げるポーズだって相変わらず。男は後に始める独壇の煽りを思い浮かべてうざったく笑い続くのです。)『ッッッ…………だあ゛ァァァッッッ!!!いちいちなんなんですかとっとと食やァいいでしょうッッッ………………??!??!?!』「ッカカ、そォーーーーだなァ?じゃあとっととぉ~~~~.............」(ゆぅぅぅ~~~~~っっっっくり。ゆっくりとナイフを滑り込ませる其の動きは、ぱっと見で十二分に伝わる柔らかさをより強く伝うる手段だ。柔らかい茶色の表面が破けたなら顔を出すのはきつね色の中身と湯気。ふわっと広がる其の様は、貴女を誘う異界の扉-レッドドア-。断面近くの表層をフォークで圧せば、近くに掛かっていたベリーソースの表面張力は決壊。じゅわぁ.........って染み込んで行って、より一層魅了のヴェールを纏うのです。)「素晴らしかろゥ?ヒトにこの店紹介するのァ初めてでねェ。」『…………………………うるせェですね。だってフェアじゃねェじゃねェですか。毎回毎回時間止めて。…………オマエだけが進むんです。』『…………………………別に、どうでもいいですケド。』(何時もに増してやたらとむすっとした貴女を見ては“おーよしよし”だなんて反射的に。孤児院に居た頃の名残か、素で宥める言葉が口を突いて出たけれど多分屹度無問題。なんてったって平素よりのおこちゃま弄りだ。恐らく煽りの一つとして精神を逆撫でして終わるだろう。そうであってくれ。)「なんだなんだ置いてかれンのが寂しいかァ?」「にひひ、安心したまえよゥ。少なくともキミがカワイイカワイイ笑顔を見せてくれるまでァ意地でも生きてやるからなァ。」(先刻の愛想を振りまく(フリをした)君の真似を随分おふざけもりもりで執り行いつつ放った台詞。どうにもナンパっぽさが抜けないのは最早性分だろう。)(さて夕暮れの街を行く。カツリコツリと鳴るブーツ。言葉を投げ続けるフール。貴女は応えずただループ。ぱたぱた早まった足音に、離れていた距離が詰まっていたなら男は振り返ってニヤニヤと。一方通行ばかりの、そんな奇妙な片道。)(好みの共有なんては分かりやすく愉快なコミュニケーションの一つである。浪漫家-ロマンチスト-が其れを厭う筈も無く。更に言えば意地っ張りな少女を煽りながらだと云うのだからそりゃもう極上。)「美味いなァ~~~~~~?」「美味いなァ~~~~~~~~!?!?!?」(大事な事なので、と言わんばかりにセルフ復唱。つまりは独唱。最早事情を知らなければ少女を前に一人ご馳走を貪り煽りを欠かさずぷるぷる震えさせる地獄の様な性格の男がお洒落な喫茶店に鎮座している訳だが。............8割くらい正解なのは内緒。)(カトラリーの鳴る音。意外に行儀良くさくさくと食べ進めて行けるのは幼い頃居た面倒見の良いお姉様の影響か。)(残り三分の一を切ってラストスパート。意外と強情だななんて思いながら妥協を感じさせぬ為に変わらず食べ続けて。そして。)『……………………ッッ…………………………………』「.............オイ。」(内心叫んだ。)「 オイオイオイオイオイオイィ.......................。」(好(ハオ/良し)ッッッ!と。)「どォした急にィ。」「ン~~~?」(未だ無言を貫く事で最後の意地を保っているとは云え、やっと見せた素直さだ。もうちょっと、意地悪しようかな、なんて。)「はァ゛~~.................言葉が無くちゃァ分からんなァ?」(と。言葉にしろだなんてありがちな文句を。)(だが然し。)(此の科学者が其処迄だとお思いか。プライドを捨て言えばドーゾとお思いか。)( 此 処 で 終 わ る と お 思 い か 。 )「.............ほれ。」「「「 あ ー ん 。 」」」(其れは。其れは一撃必殺。)(至って、平坦な声で。何事も無いみたいに。けれど、表情は言うに能わず、いつも以上のニヤつきよう。)(然し冷静に考え.....無くても分かる事だが、此の必殺には一つの空隙が在る。単純明快、フォークを取っちまえば其れで終わりである事だ。)(兎角、貴女には三つの選択肢が在る。食うか、食わぬか、奪って食うか。)(さァ。)( さ ァ 。 )(選択の時だ。)   (6/11 23:06:47)


ほりしぃ> 
『...........オイ。』「…………………………………………」『オイオイオイオイオイオイィ.......................。』「…………………………ッッ……………………」『どォした急にィ。』『ン~~~?』「…………………………ッッせェですねッ………………………………」(貴方と目を合わせることは出来なかった。自分でもなんでこんなことしたのか分からない。でも、〝 止めなければならなかった〟。ニマァァ…………………………とここぞとばかりに口角を上げる貴方とは裏腹に、彼女の顔は見る見るうちに、かァァァ…………紅潮する。得体の知れない羞恥。このロネリー・エスカがたかだかこのナンパ男による〝 ハニートラップ(パンケーキの誘惑)〟にかかったとでもいうのか?そんな、まさか、有り得ない。有り得てはいけない。だって、ただでさえ傍から見ればニンゲンと何食わぬ日常を過して見えるような様子はきっと、エスカとしては〝 悪い子〟がすることで、ましてや〝 ソレ〟を喰うなんてのは言語道断。もしもしれたら〝 ママ達〟がなんて言うか、どう思うか。【⠀何をされるか】。)(…………………………でも、【バレなきゃ平気】?)(否。)(よく考えて頂戴、ロネリー。大好きな【⠀ママ達⠀】に秘密を作るの?秘密は作らないからこそ無垢でいることができた。心の底からママ達に尽くせていた。でも、1度秘密を作ったら。ロネリー、少女は。) (【⠀〝 ママ達にそれを隠し通せるの〟?⠀】)『............ほれ。』「………………………っ、………………ほれ、…………っ、てオマ、ェ……………………」(彼女の顔が、引き攣る。)『『『 あ ー ん 。 』』』「……………………ッ、…………………………」 (目前に悪魔の誘惑が。白衣の男はニヤつきながら、あと一押しだと言わんばかりに彼女の口にパンケーキを近付けてくる。 鼻腔を掠める甘い香り。本能的に口内に唾液が溜まことだろう。そして、とうとう………………)「………………………………ぁ…………………………」(………………前のめりになった彼女は、小ぶりな口を、恐る恐る控えめに開けた。短めの舌。ニンゲンというには鋭い八重歯。前髪で隠れた目元。彼女はそのままパンケーキを──────────………………)「…………………………ッッ……………………」「な、なんてッッ……………………なんて食べるとでもお、おおおおお、思いましたかァァァァァァァ~~ッ……………………!!!????????!!!んふ、ふはははははッッッ………………!そんな姑息な方法に、このほりしぃが乗るわけねェでしょうッッッ……………………!!!!!ニンゲンの真似事なんぞくだらないッッッ………………ほりしぃに二言はねェんですからッッ!!!!!!」 (食 べ な 〝 勝〟 っ た 。 )(後ろに下がった彼女は 見下すような、何かを堪えきったような笑みを無理やり作り、尚も『食べない』選択を押し通したのだ。己ニンゲン小癪な真似を。科学者である癖して、パンケーキだけに算段が〝 甘い〟ッッッ………………!!!!!!!) 「………………ほォーーーーーらとっとと食っちまってくだせェよォ~~~????………………………………ほりしぃ的にはパンケーキ食べたあとの〝 オマエ 〟をパクッと食っちまう方が一石二鳥なんですからねェ………………この意味分かりますゥ………………????」 ( 彼女は余裕を演じていた。こうすれば【ママ達】に秘密を作らない。裏切ることなんてしてないわ、って胸を張って言えるもの。)(……………………………………でもなんだか。)(どうしてロネリー。)(……………………心のどこかで〝 勿体ない〟と、お腹より満たされない何かがあるのでしょう。) (笑みを浮かべていた彼女は、ゆっくりと目を逸らし、ほらほらぴっぴ、と貴方にとっとと食べることを促すの。羨ましくなんてない。本当さ。でも何故だか、〝 見るのはなんだかこたえる〟の。)(この間誰かさんから貰ったクッキーも、ちゃあんと吐き出したわ。)「…………………………」「……………………つうか………………そんなもん、………………………………美味しいンですか?」「……………………〝 甘い〟って、なんですか。」 ( だから、我慢したから。これぐらいは教えてちょうだいな。)   (6/11 23:41:39)


Gaill Monochoria> 
(煽りに煽ってまた煽る。その末突き付ける悪魔の誘惑。)(貴女は、パンケーキを______________________________)「.......そォかい。」「そりゃ残念だ。」(カチリ、と。フォークごと皿へパンケーキを置いた。)(それから、暫く。男は、窓の外を眺めるでしょう。)「あァ。」「........も少ししたら食うさ。」(何時ものボルテージ最高潮な会話に相反して。其れは、独白の様な答えだった。貴女の言葉にだって二つ返事。)『………………ほォーーーーーらとっとと食っちまってくだせェよォ~~~????………………………………ほりしぃ的にはパンケーキ食べたあとの〝 オマエ 〟をパクッと食っちまう方が一石二鳥なんですからねェ………………この意味分かりますゥ………………????』「...................。」(柄にも無く静寂。何時も饒舌は雲隠れ。)(煙草を、取り出した。)(幸いの喫煙席。)「..............。」(煙を吐く感覚も、もう慣れた。)(曇天気味の空模様。そう言えば靴占いをしてなかった。)『…………………………』『……………………つうか』(男は、唯閉口で応える。或いは、何かを待つかの様に。)『………………そんなもん、』(煙を吐く。)『………………………………美味しいンですか?』『……………………〝 甘い〟って、なんですか。』(意地で覆い切った欲望。其の一雫が、最後の最後に零れ落ちる。其れは待ち侘びた一言。あの日の、夕暮れの実験室に似た寂しさ。どうしようもなく、〝みんな〟から切り離された少女の、塗り潰し切れない〝探求心〟。)(もう一度、同じことを。心の中で叫ぼうか。)「...........味覚の説明ェだァ?」「ふざけるなよほりしー。」「僕ァな。」(威圧する様に、貴女を射竦めるネオン。白煙と金髪のヴェールを手で払った。)「僕ァ国語の作文問題も終わっちゃいないんだァ、余計に脳のリソースを使わせ無いでくれよ。」(トントン、って最後の残滓を灰皿に落とすんです。そうしたら首の方へ手をやって。)「全く.........。」「マトモな味ィー知らんからンな無茶振りが出来るんだろォなァ」(また、首元から戻り来る砂時計。)(レッドドア。世界の裏へ潜り抜ける扉。過程を埋葬する棺。其れを呼ぶ文字無きTELLナンバー。砂時計のネックレス。)「...............。」(逡巡。其れは特段未来を変えるモノでなく、ただ男の決意を固める為の数瞬である。)(連続する軽い金属音。首飾りは手放され、貴女と彼の中央へ。喫茶店の、其の机上へ。)「...........悪かったよ。」「やりすぎた。」(煽る分にも、誘う分にも不器用さなんて欠片も持ち合わせないけれど。流石に、謝る時くらいは男とてぎくしゃくするもんだ。)「........ほれ。」(ことり。)(白くて丸くて、控えめな絵に飾られた皿が音を鳴らす。)(まだ、煙草の灰は少し。温かい。)「気になるなら食えよ。」「どうしても嫌だッてンなら僕が食うけどよ。」(頬杖を突いて。)「訊いた以上ォはァ........知りたいんだろ?ソレの味」(本当に。本当にヒトの食事を拒んでいるのか。其れは彼の知る限りでは無い。)(けれど。)(けれど少なくとも、少女の思考-式-を以て言葉-解-は出された。味を訊くだなんて、そんな事。無関心な者がするだろうか。ただの好奇心が“美味しい”かを問うだろうか。目を逸らす必要なんてあっただろうか。)(其れ等一切を否と薙ぎ払えるから、男は〝Gaill Monochoria〟であり。そして)「 僕 ァ 〝探 求〟 を 愛 し て る 。 」「キミが嫌なら遠慮なく食うがなァ...........」「拒む理由がもし“ママの為”だなんて H o l y S h i t - ク ソ ッ タ レ - なら。」(君は覚えているだろうか。あの日の言葉を。見据える双眸が優しく笑って放った言葉を。)「幾らでも僕が揺さぶってやる。」「だから、だから.........ッ」(言葉を貸してくれ。Walter=Von=Neumann。)「_________解を出せよ、Lonely。」 「食ってくンなきゃどうにも。」(『……………………〝 甘い〟って、なんですか。』なんて言ったってさ。)「..........教えてやれねェよ、僕は。」(重ね重ね、科学者は完全無欠の英雄では無い。其れはイーコールに吞まれた少女を救うべく走った少年の背を押した時。其れは青の孤独に閉じこもったアナウサギへ追い付こうとした時。其れは、ひとりぼっちの少女へ手を伸ばした時。男が為せるは弾丸装填。引鉄を弾く迄、幻さ。何も成し得なくても。何者かに成り得る誰かが目の前に居るのなら。罪〝過〟も、工〝程〟も。)(奇しくも、其れは不和の命題と同じく。)「〝過程〟は一緒に背負ってやる。」「心配すンなよ、キミが弱いんじゃない。」「僕がヒーローじゃねェのさ」(悪魔の本質を、囁きとするならば。)(其れは正しく、甘言だ。)(もう一度問おう。蚕蟲の卵・Lonely Esukaではない誰かへ。)(ロンリーガールへ。)(少女・Lonelyへ。)(貴女へ。)(答えは未だ、闇の中。#FF2281は見据え続ける。)   (6/12 01:12:12)


ほりしぃ> 
『...........味覚の説明ェだァ?』『ふざけるなよほりしー。』『僕ァな。』『僕ァ国語の作文問題も終わっちゃいないんだァ、余計に脳のリソースを使わせ無いでくれよ。』「………………ふざけてんのはどっちですか。次の減らず口は何かと思えば。」(……金髪の隙間から覗くネオンを、彼女は見つめ返していた。虚勢を貼るように鼻で笑う姿は相変わらず高飛車だった。盲目の人間に赤色を説明する時、人はどうやって伝えるか。耳の聞こえぬ人間に、音楽を教えることは不可能だろうか。彼女は目を細める。)『マトモな味ィー知らんからンな無茶振りが出来るんだろォなァ』(…………目を細めた理由は、貴方がペンダントに触れたからだ。また〝 アレ〟を使って口にでもねじ込むか? 彼女は固く口を閉じて、次の行動に警戒の色を示している、その時だった。)(……──────────コトリ、と。)(机の上に、〝なにか 〟が中央に置かれた。それが何かは嫌でもわかる。きっとソレは………………)「…………………………オマエ、なんのつもりです??それがなくちゃあオマエは貧弱も貧弱、置いたからにゃあほりしぃに【喰われる】覚悟があるってことですか??それとも、〝 そんなものなくても〟ほりしぃがオマエを食わねェとか甘ったれたこと考えてんじゃないでしょォねェ~~~…………………………それともやっぱ、………………………………〝 可哀想〟になっちまいました?」(彼女は引きつった笑みを浮かべ、自身の懐中時計を密やかになぞった。冒頭に、『フェアじゃない』と言っただろう。)(─── レッドドア ────)(それは貴方の秘密道具。世界をおいてけぼりにしたはずなのに、解除すれば貴方が置いた行かれてしまう七不思議。それはその能力が『ずるい』からか?ああ、それもあるだろう。)( しかし、理由はもうひとつ。それは。 )(【解1︰ 貴方は、貴方達は何も捨てないのに、ロネリーには何もかも捨てさせようとする所にある】。) (ママ達に背を向けるということは、今までやってきた【努力】を放棄することだ。文字通りのロンリーガール。それはもう呪う程に劣等が怖い彼女。しかし貴方達は何も失わない、彼女が生きようが彼女が死のうが、彼女が何もかもを失おうが。〝正直いって貴方達は関係がない 〟んじゃないのか。貴方のそれはエゴに過ぎない。続く言葉だってそうだ。)『僕 ァ 〝探 求〟 を 愛 し て る 。』(己、マッドサイエンティスト。)『キミが嫌なら遠慮なく食うがなァ...........』(#FF2281の極彩色が。)『拒む理由がもし“ママの為”だなんて H o l y S h i t - ク ソ ッ タ レ - なら。』(ふざけたことばかり抜かしやがって。)『_________解を出せよ、Lonely。』(ロンリーガールは貴方を睨む。)(…貴方が愛しているモノ(不和)なんて、嫌という程に分かっていた。テンシのタマゴだなんて、科学者からしちゃあそそられない筈もない。探求の為なら全てを蔑ろにしてしまいそうな莫迦な男だった。)『〝過程〟は一緒に背負ってやる。』『心配すンなよ、キミが弱いんじゃない。』 『僕が〝 ヒーロー 〟じゃ─────────』「〝また馬鹿言ってる〟。」(……………………だからこそ、【遮った】。)「……………………………………そこまでするメリットは例に及んだ〝 探究心〟を満たす為ですか?傲慢ですね、相変わらず。」「…………………………、………だからと言って、らしくねェじゃねェですか、まるで自分を下げるような言い方。ほりしぃが強いからオマエがヒーローになれない?………………違いますね。………………寧ろほりしぃが強い(悪役)ならオマエは列記とした〝ヒーロー (正義)〟でしょ。…………………………ほりしぃが弱いから、オマエは……………………………………ヒーローになりきれねェんでしょ。〝 馬鹿にしないで 〟ください。」「…………………、…そんなの、1番ほりしぃが………………………嫌ってぐらい、……」「……………………………………………」「……………………………、いいですか。…………オマエを必要とするニンゲンは、………………探せば星の数ほどいるンです。今この瞬間にだってそうじゃあありませんか。癪に触りますが。」(相変わらずだった。 傲慢なのが貴方で、強情なのが彼女。どちらも引かない。どちらも強気。譲らない。貴方が諦める瞬間をずっと待っていた。でも、脅してもダメ、頼んでもダメ、突っぱねてもダメ。ダメ、ダメ、ダメ。「嫌い」だろうがなんだろうが、ずぅーーーーーーっと絡んでくる。今日もそうだ。彼女は貴方を拒んだいた。しかし貴方は揺さぶってくる。なんでここまでされているのか、前にも聞いたことがあったっけ。その度に貴方は答えていた。【⠀探求を愛しているから 】だと。馬鹿の一つ覚えのようだった。貴方と彼女は孤児院育ち。家族が沢山いて、今日この日まで生きてきた。何が違かったのかしら、どこで隔てられたのかしら。)(………………今日は。この時は。この瞬間は。)「…………………………、…………………………、」「……………………………─────────たかだか女1人の前で、しかも捕食者の目の前で。後生大事にしていたもン置いちまうなんて愚かですね。………………………喰い殺しますよ。」 ( これで【⠀最後 】だ。)
(1切れのパンケーキを残したまま。彼女はゆっくりと顔を上げて目を見開き、見詰める。貴方は3度目だろうか。【⠀彼女のディスコードが顕になる前兆 】。エゴだって分かってた。貴方が意地になってんのも知ってた。彼女も意地になっている。 意地になって、でも、自分の弱さを今日は少し、咀嚼した。貴方と会わない間にね、色んな人と話をしたの。色んなヒーローの卵とね。 )(………………ちょっと、考えた。これは誰かさんにも話したことだけど。ロネリー、【⠀助けて 】って言葉が嫌いだった。意味を成さないからじゃない。それは吐いた者勝ち、【誰か】を悪役にしてしまう卑怯(魔法)の言葉。ママ達の前では自分が死ぬことになっても使わないと誓った。なんで嫌っていたか、貴方達と話すことでようやく理解出来た気がする。)(さよなら、反吐ニスト。 ) 「………………今回は、【⠀〝 マジ〟 ⠀】ですからね。」 (彼女は貴方から目を逸らさなかった。レッドドアを使うといい。それぐらいの猶予は、たっぷりと存在する。) 
(だから助けては言わないことにしたんだ。)   (6/12 02:39:17)

Gaill Monochoria> 
「 【 レ ッ ド ド ア 】 。 」(都合、此の文に貴女の言葉は引用されない。) (貴女が強情であるならば。)(ただ傲慢に。)
(其の探求愛を、綴ろうか。)(半ば机を叩き付ける様にして。握られたるは砂時計。)(停止空間内、男は歩く。ただ歩く。喫茶店を出て通りを抜けて。今居た.....否、世界にとってはまだ彼の“居る筈の”場所より。遠く、遠く。)(足の痛みは気にするな。ただ命を賭けて進め。)(男は、歩みを止めない。ずっとずっと進んでく。〝 貴 女 を 抱 え て 〟、進んでく。)(そして、そして。)(貴女の意識へ、視界へ、ツギハギですらない歪な断層を以て飛び込んだのは夕暮れの街、其の風景。街の全部を見下ろせて、風は強く、空が近い。)(然るに、ビルの屋上。)「..............。」「 Hey. 」(貴女が立つのは内側。2,3歩置いて、男が立つは縁の側。)「全くよォ......」「何言ったって聞かねェなら仕方ねェよな。」「聞かないのは僕も同じかにィ?HeHe.」(1歩後退れば落ちて終う様な、そんな境界線で。)「..............。」(白衣が揺れる。)「キミ最初に言ったよなァ?フェアじゃ無いとォ.........」「ならフェアに行こう。」「“キミも僕も、僕を殺せる”この状況。」「....十分だろゥ?」(男は、哂う。)「 なァ?オイ。 」「..............ほりしーチャンよ。」「最後だってンならさ。もう一度だけ。」(貴方へ、伝われと。)(どうにかこうにか、自身の為築き続けた様は九龍城砦。其の中核へ、手を伸ばす。)「少々自己中過ぎるぜキミィ............」(感動的な何かじゃあなく、男が紡いだのは自己中だなんて、そんな言葉だった。)「キミが弱いから僕がヒーローになれないィ........?立場で言えば僕が正義ィ..............?」「オイオイオイ........」「勘違いも甚だしいなァほりしーチャンよォ!!!!!」(言わなくて良いなら、其れが一番恰好良いんだろうけど。やっぱりどうにも、上手く行かないものですから。)「キミがどうかなんて関係無い。...........僕は元より、〝正義のヒーロー〟なんかじゃないさ。」(ぽつり。少しだけ、雨が降る。靴占いをしていたら、ちゃんと裏向きだったでしょうか。)(外れちまったな、なんて笑い合う事だって出来たでしょうか。)(何処で、隔てられたのでしょうか。)「僕は探求を愛してる。」(完全無欠じゃなくて良い、なんて謳いながら。なんだかんだ彼も意地っ張りだから。ちゃんと紡げなかった、言葉を。今。)【問】其れは自身の探求のみを愛する事を示すだろうか。[A.否。彼は。]「キミの探求だって、愛してるさ。」(手に持つ煙草は、停止世界より帰る前の、或いは最後の一服。)(風に勾引かされ、其の煙は尾を引いた。)「環境がキミ自身を閉ざす道を選ばせたなら.........ッッ!!!!!」「.........そんなの、くそったれじゃないか。」(全部、綺麗にゃ行かないから。) (だから。)「________________________ッッ 同 情 し た に 決 ま っ て る だ ろ ォ が ! ! ! ! ! ! ! ! 」「キミは強いさ!!!!今日まで生きてきただけで十分にな!!!だが少なくともあの時はッッ!!!!!!!!」「.............あの時は、弱みを見せた」「そうだろ?」「弱点があるなら突くのが常套ォ........なんてったって僕ァ恰好良いヒーローじゃァないんだ」(今だけは。)(今だけは、なけなしのプライドも棄てちまおう。)「悪党でも悪魔でもなんでも良い。」(さァ、此処からは。)(屁理屈と叙述トリックの証明だ。)「『〝また馬鹿言ってる〟。』だァ!?!?幾らでも宣ッてやらァ゛大馬鹿が!!!!!!!!!!」(〝都合、此の文に貴女の言葉は引用されない。〟)(言葉の通り、其の文の中には引用されちゃいない。)「『〝 馬鹿にしないで 〟』なんざこっちのセリフだぜふざけやがって」(〝其の探求愛を、綴ろうか。〟)(綴ったさ。貴女の探求への愛を。)(こんな風なトリック-我儘-を、本気で叫べる男だから。) 「一々一々曲解ばッかしやがってよォ。素直じゃ無さ過ぎんぜ?」(男は優しく微笑む。貴女も何度か見たであろうその表情。そして、そして。)「なァ。」(或いは、最後だ。)「〝助けてくれよ〟ほりしィ。」「ッHAHA!!!!!頼むぞォ!?!?!?このままじゃ死んじまう!!!!!!!!!!!!!!」(助けてが嫌いだなんて、彼は知らない。けれど、少なくとも。可哀想な側に立つヒーロー、を嫌うなら。此のまま死ねば見放された彼も、責任を押し付けられ終いの貴女も屹度〝可哀想〟だろう?)(我儘と叙述トリックの最終証明。)(さァ、君はどうする。)(真逆様、落ちて行って。)(空中、愛を謳うのさ。)(“造作も無い笑顔”に価値は在るか?なんて問う人間が居るのなら、其の解は無価値でしょう。ならば“造作もある笑顔”に価値は在るか?なんて問う人間が居たなら?)(屹度、優しくない人間は無価値だと答えて、優しい人間は価値在るモノだと答えるのでしょう。)(ならば男はどうか。)(..........価値など無いと、そう答えるんだけれど。)(価値以前に僕が見たいと思ッたンだ、って。屹度、そう付け加えるんです。彼もまた、不器用ですから。)   (6/12 04:51:54)


lonely> 
『「 【 レ ッ ド ド ア 】 。 」』(…………貴方が時をおいてけぼりにして、また進み出した。彼女もまた、一時停止。そこから逆再生なんてするはずもない。彼女は止まっていた。孤独のエチュード、貴方1人の独壇場。さぞ彼女は軽かったことだろう。15歳の平均よりも大分、軟弱な貴方でも運べるぐらいなのだから。止まったままの彼女はこの時何が起こっているか分からない。貴方が皮肉と一緒に煙草を吐いていることさえも、認知出来ない。やがて煙草は塵となって消えて、残りカスはどこか遠くへ。【 レッドドア 】が解除されれば、止まっていた砂時計は息を吹き返す。) 『 Hey. 』「……………………………………ッ、……………………」(……彼女からしてみれば、急に外に、しかもビルの屋上に『瞬間移動』したと相違はない。彼女はこの手段をよく知っている。だから、『目を見開いた理由』はそこじゃない。問題は──────────……)『全くよォ......』『何言ったって聞かねェなら仕方ねェよな。』『聞かないのは僕も同じかにィ?HeHe.』「…………………………、……オマエ。」(…………フェンスの向こうに、貴方が立っている事だった。)『キミ最初に言ったよなァ?フェアじゃ無いとォ.........』『ならフェアに行こう。』『“キミも僕も、僕を殺せる”この状況。』『....十分だろゥ?』( ツインテールが風に揺れた。貴方が何をしているのか分からない。何を言っているのか、理解したくない。戸惑いの色と、動かないはずの心臓が動いている錯覚。)『最後だってンならさ。もう一度だけ──────────………………』( そこから展開される会話は、余計なお世話と言うのが1番良い。自己中だとか、なんだとか。そんなの分かってる。彼女は周りを見ようとしない。彼女の両腕は小さいから、自分以外の何かを抱えるには足りやしないのだ。)『キミが弱いから僕がヒーローになれないィ........?立場で言えば僕が正義ィ..............?』『オイオイオイ........』『勘違いも甚だしいなァほりしーチャンよォ!!!!!』(貴方は【正義のヒーロー】なんかじゃない。彼女にとっては紛うことなき【悪魔】だ。あの手この手で誘い込み、自堕落させる為に手招きをする。貴方はきっと【ママ達】が嫌いだ。魔女狩りの杭のように打たれる注射も、聖歌のように謳われる薬品の種類も、白色の箱も。家畜に付けるタグのようなピアスも。祈りを捧げるように建てられた【黒十字】も。)(………彼女の置かれた環境を、貴方は。)『________________________ッッ 同 情 し た に 決 ま っ て る だ ろ ォ が ! ! ! ! ! ! ! !』 (………………わからず屋さ。彼女は。)『『〝また馬鹿言ってる〟。』だァ!?!?幾らでも宣ッてやらァ゛大馬鹿が!!!!!!!!!!』(大バカ野郎さ。お互いに。)(強情と傲慢。劣等と探求。 剣幕を変えて謳っていた貴方の表情が和らぐ。底にはいつものあなたが居た。軽薄に微笑み、煙草の煙を揺らす貴方だ。)『なァ。』(……………………これで、最期。貴方は1歩、後ずさる。彼女に『やめろ』と言う権利は無かった。その必要さえも本来はないのだ。彼女は貴方を嫌っている。 ただ貴方の言葉を聞くことしか無かったデクは、1歩2歩と貴方に歩み寄り、小さく口を開き、何かを言いかけて。……やめて。………………揺らりと、俯き顔を上げた時。そこに居たのは──────────………………)『〝助けてくれよ〟ほりしィ。』 「………………、……………………」(……………最期まで悩んでた。でも結局選んだのは【コレ】だ。静かに睨む、ハイライトのない瞳。眉を潜め、【⠀貴方が死のうがどうでもいい 】と言った具合の、影かかった暗い表情だった。 貴方は後ろに倒れる。)
(白衣を揺らして、世界が逆さまになるんだろう。痛快に、爽快に。きっと貴方が最期に見ることになるのは、冷ややかに貴方を見下ろす少女の視線。どうやら貴方の口説きは失敗に終わるようだ。【⠀彼女はそれでもママ達】を選ぶ。………………でもこれで良かったんだろう?100も承知だったんだろう。彼女は悪役だし、貴方は彼女に【⠀見捨てられた 】。この結果なら、きっとママ達も文句言わない。良いかい、『フェアに行く』 なんて最初から間違っている。貴方が硬い土瀝青へと打ち付けられるまであと何秒か、カウントダウンがは始まった。) ( ──────────翌日、■■の生徒。■区のビルでの投身自殺。)(目立ちたがりな貴方からしたら願ったり叶ったりの、ニュースを飾る代名詞。希望論は存在しない。科学者の最期はなんとも、)(──────────呆気ないものだった。)【 Gaill Monochoria・ロスト⠀ 】(……………………──────────) (カチリ。)( 呆気ないものだった。) (希望論は存在しない。)(貴方からしたら、願ったり叶ったりの翌日は。)( ──────────【 パルクール ✕】) (【空間把握能力 ✕】)(【⠀読心 ✕】)(【⠀交渉術 ✕】)(【完全模倣 ✕】)(【映像転写 ✕】)(【威圧 ✕】)(【喧嘩殺法 ✕】)(【⠀精神力✕】)(【⠀庇護 ✕】)(【マナー ✕】)(【⠀器用 ✕】)(【⠀縄術 ✕】)(【回避 ✕】)(【⠀被虐性 ✕】)(【⠀精神汚染 ✕】)(【物語 ✕⠀】)(【⠀観察眼 ✕】)(【物理演算的思考 ✕⠀】)(【⠀機械知識 ✕】)(【⠀科学知識 ✕】)(【⠀■■■■■ ⠀】) (【⠀■■■■■■ 】)(──────────【⠀信仰 ✕ 】)( 彼女の両腕は小さいから自分を抱き締めるので精一杯だった。だから何かを抱くには腕を空にしなくちゃならない。 だから彼女は。)「ッ゛ッ…………………………!!!!!!!」(カコンッ………………!!!!!!と義足を鳴らし、靴が、帽子が脱げるのも厭わず、そのままフェンスを越えて、両腕を開けるため、〝自らを捨てるように 〟『飛び降りた』。) (早く、早く、早く、早く、抵抗なく落ちて、腕を伸ばして、揺れる白衣を引っつかもうとする。)( 彼女は貴方と共に落ちるだろう。そして。) 「「「…………………………ラ ヴ ィッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」 ( 叫んだ。 ズォッッッッッッッッッ…………………………と展開される彼女不和。木炭でめちゃめちゃに落書きをしたよつな、或いは影のような赤黒い植物達。それらは餌を待ち構えるためではなく、ただ受け止めるためにクッションの役割を果たすだろう。もしも余計なことをせずそこへ落ちたのならば、 互いに無傷。彼女は寝そべる貴方の上に跨るような形になる。 )「…………………………ッはァ、………………ッはァーーッ…………………はァッ………………………」(前髪で目元が隠れる。俯き、肩で息をする彼女だったが、きっとそれは突然…………)「……………ッ゛ッ──────────!!!!!!」 (……………………胸倉を、掴もうとするだろう。勢いよく、貴方を起こすように。チリン、とピアスが揺れる。彼女は苦しげに、悔しげに、悲しげに、怒りを滲ませたように、ぐちゃぐちゃとなった感情を顕にするみたく顔を顰め、貴方を睨む。………………何か怒鳴る訳じゃない。何か罵倒する訳でもない。彼女は口を開くことなく唇を噛み締めた後、ゆっくりと手の力を緩めながら、………………1つ、2つ。……3つ。) 「ッ……………………………………」「…………何、考えてんですか。」 「……………………ッッ、…………………なんでそういうことすンですか」「……………………ッ、…………………………ホントに死んだら、どうするつもりだったんですか。」 【⠀【 Gaill Monochoria・ロスト⠀✕ 】 】「…………………………オマエ、…………………………最ッッッッッッッッッ…………………………低ですね。」   (6/16 20:36:31)


Gaill Monochoria> 
(空の、地平の向こうに行くみたいな降下。橙の空は知らない顔。屹度、此処に愛が在っても呪いが在っても絶望が在っても希望が在っても、其れは変わらないんだろう。)(見下ろす冷淡の深き赤。) 「.............」視線が合ったか合わなかったか。此の自由落下の中じゃ刹那にも満たない其の瞬間を断言するのは些か難しくて、けれど驟雨の様に飛んで来る冷ややかな視線が見えた様に思えた。)「..................」(ごうごう、だなんて大層な音は聴こえない。様に思えるくらいの。それくらいの、極限状態。)【 聴力 ✕】(脳と水晶体の処理能力を超えた視覚情報。残り続く残像に呑まれて、世界の全てが引き伸ばされて行った。)【 視力 ✕】(手から離れた煙草。其の煙は、最高高度の定められた狼煙の様。)「........................」(走馬灯、を見るにはあまりに何も成せていない人生だ。ただただ、時間すら引き伸ばされた様な。無理矢理処理したフレームレートの上限突破。其れ等をコマ送りで見る様な、体感だけが低減し続ける世界に独り。)(けれど、此れは。)(此の感覚は。)(赤の扉を開いた先でなく、青の孤独でなく、灰白の過程でない。)(然るに、同種との相対評価では随分と軽い其の質量-命-は、正常に動く時計盤-世界-の上、あと数秒もすれば砕けて消えて、無くなるんだ。)(■月■■日、■曜日。ラジオが、メディアが。ヒトの死を鳴らす翌日。『亡くなったのは高校生の___________』『然し、遺体の身体年齢が高校生から大きく離れている為、カミサマの関与の可能性が__________』)(だとか、なんだとか。)(嗚呼、嗚呼。)(バレちまう。)(端麗の青年に。愚直の魔女に。一途のロマンチストに。不明の魔王に。黄髪の悪友に。..........不変の少女に。)(英雄達に。)(年を重ねども、基本探求のみに費やした停止空間。大して大人になったりも出来ず。)(みんなみんな置いて行って、過程を負って行って、結果を齎せば身体は老いて行って。結果一番のひとりぼっち。何処かのアナウサギと肩を並べたがったのは、其れ故でしょうか。)(あんまり言わずに過ごしてきた能力迄露見したら、それこそカッコ付かないね、なんて。普段みたく軽口を叩く時間も、相手も。いないものですから。)(手を伸ばしても、手を伸ばしても届かないならと。とめどない夕焼けに手を染めて。飛び降りたる市街、ビル屋上。)「.....................................」(何者にも成れやしない誰かが一人、消えるだけ。)(何も、出来ず終い。)(カウントダウンだ。)(四の五の言わずに。)(三、二、一で。)(   逝   - 行 -   け   。   ) ________________『『『…………………………ラ ヴ ィッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』』』(引き伸ばされて行く世界、尚も其の消失点に少女を置き続けた。けれど宙を舞う身体は何時しかそっぽを向いて。いよいよ近付く死と無力感。だから、だから目を閉じていた。)(瞑目も静寂も停滞も不動も。打ち破ったのは貴女だった。)(白衣を掴むは小さな手。落下する体はきっと、幸せって言うんだ。)(科学者は、静かに笑う。)(白衣を掴まれ尚不変。自由落下が増えるだけ。メディア前面を飾る二つの名。)(けれど。)(けれど、可能性を棄てぬ悪魔が手を伸ばし続けた式は。)【ライセンス照合 ✕】(貴方は。)『…………………………ッはァ、………………ッはァーーッ…………………はァッ………………………』(あれだけじゃ終わらないって、信じてたから。だから、瞑目でただ願ってたんだ。)(だから、貴女と落ちる時笑ったんだ。)(例え世界が。例えば君が。間違ってても良いから。どうだって良いから。手を、伸ばし続けて。そして。)「..............................................」(そして、そして。)『……………ッ゛ッ──────────!!!!!!』 (もう一度、がくんと揺れる視界。)『ッ……………………………………』(少しすれば、胸ぐらへの力は弱まって。)『…………何、考えてんですか。』(今度は、ディスコードなんて使わなくたって見えた表情。)『……………………ッッ、…………………なんでそういうことすンですか』(色を重ねて重ねて。不器用な混色が滲んでた。)『……………………ッ、…………………………ホントに死んだら、どうするつもりだったんですか。』『…………………………オマエ、…………………………最ッッッッッッッッッ…………………………低ですね。』(途切れ途切れの声。貴女は怒っているのか、恨んでいるのか、呪っているのか。)(分からない、けれど。)「........。」(分からない、から。)「...........。」(少しの静寂を置いて。)「.............。」(ただ、言葉を紡ぐんだ。)「........そォだな。」「僕ァ最低だ。間違い無い。」「..............けどな。」(空は変わらず知らんぷり。)「...........最低、ならどォして。」「どォして助けたんだ?」「ほりしーチャンよ。」(其れは問いの形を取りながら、問いでなく。)(言葉の前座。冒頭部分に過ぎない。)(ただ相違点を挙げるならば。)「....死んじまったらそれまでだよ。何も出来ず終わり。それだけだ。」「だが現に僕ァ死ななかった。キミが助けてくれたからな」(答える暇も与えず煽る、だとかそんなのじゃなくって。)(本当に訊きたかった事への、前置きだ。)「なァ、オイ。」(此度は、最初で最後の設問。)【問】ビル屋上。其処で紡がれた“助けて”は、誰かを悪者にしたか。(我儘と、叙述トリックの最終証明。)(答え合わせだ。)(赤の扉は主導を握らない。)(さぁ赤ペンを握って。)「ロネリー。」「..................、」(Love it.-ラヴィ / 科学者は探求を愛している。-)(その為なら綺麗でも無ければ恰好良くも無い手段だって平気で選ぶ。可能性を愛する悪魔。或いはマッドサイエンティスト。或いは、ダークヒーロー。)「〝キミ〟は、どうしたいんだ。」(屹度、どんな我儘だって優しく笑うさ。望むなら背中を押そう。望むなら前を行こう。望むなら一緒に歩こう。)(其の小さな両腕で、彼の意思を包むなんてしなくて良い。)(Let do a.-成すべきは唯、一つ。-) (その両手の伽藍堂は。もう一度君自身を優しく抱く為にある筈だ。)(君の本心を。あの日、寂しげに言葉を零した誰かを。優しく。)(だから。)(だからさ。)(全部捨てて来なよ。)   (6/16 22:22:27)
https://www.youtube.com/watch?v=8NwTwKZGiWA&t=89s


lonely> 
(──────────嗚呼、なんで助けちゃったんだろ。ママ達が望むのは【⠀賢い ロネリー 】。なんで見捨てなかったんだろう。私の理想は【⠀悪役のホーリーシット 】)(………………貴方の鼓動がまだ続く。対する彼女は脈打つ心臓は生まれた時から存在しない。冷えきった身体と軋む義足。まるでママ達の可愛いお人形さん。)『〝キミ〟は、どうしたいんだ。』「………………………………、……………………」「…………………………ッ、……………………ほりしぃは。」「………………ロネ、リーは………………………………」 「………………………………、……………………」 ( どうしたいんだろう、彼女は戸惑い赤目を震わす。そりゃあカミサマになりたいに決まってるでしょ。そりゃあママ達に愛されたいに決まってるでしょ。だってママ達に愛されなかったら、生まれ損ないロネリー・エスカは…………………………)(ロネリーは、………………………………) (………………………………──────────とある、車椅子の餌が。女の子が彼女に言ったことがある。)(『―〝【ママたち】と出会ってない、キミと【普通】にお話がしたいです。〟- 』)(あの時どう返せば正解だったのか分からなかった。【⠀ママ達 】と出会ってないロネリーって一体何なのか、想像も付かなかった。目の前の科学者は落下中、勝利を確信したように幸せそうに笑っていたのをハッキリ覚えている。それがなぜだか分からなかった。……でも、確かにこの瞬間、貴方を助けたのはママ達に言われたからじゃない。『死んで欲しくなかった』彼女の身勝手な、初めての〝 我儘 〟だったのかもしれない。貴方の白衣が死装束になることが、嫌だったのかもしれない。きゅぅ、と喉が鳴る。 何度か小さな口を開けて、……閉じて、言うのが怖くて、言えなくて。)(……良い子で居なくちゃ。)(──────────良い子でいなくちゃいけない、のに。)(…………………………貴方の目を見ていたら、あどけない少女が堪らず顔を、出したみたい。)「…………………………………………………………もう、〝 食べたくない 〟です、………………………………」「………………ママ達に、ごちそうさま、って、いいたいです、…………………… 」「……………………〝 甘い〟がなにか、知りたかった、です、……………………っ、………………」(少女は、言った。小さな我儘。もうヒトを食べたくないって。 でもパンケーキは食べたそうにしてた。不思議よね。食べなきゃいけないものを前にして、他のものを口にするなんて行儀が悪いわよね。だから口にしたあとは、罪悪感がじんわりと滲む。俯く彼女は、また貴方と目が合わせられなくなっていた。) 「………………………、………………ッ、…………………それと、…ロネリー、『ソレ』…きらいなんです、…………………………オマエが、ひんぱんにつかう、〝ソレ(レッドドア) 〟……………っ、………ニンゲンなら、ニンゲンらしくみんなと一緒に歳、とって死にゃあいいじゃないですか。みんなそうやって、『思考』してンです、何格好つけてンですか、………ろ、ねりーは、歳、もうきっと、とれないから、ただでさえ、っ、…………オマエがそうやって、ずっとずっと先に行ったら、………………………………」「……………………………………行ったら、…………………………」「…………ッ、………………、」 「………………………………っ、あと、あと、……………………………………あと、…………………………」(最後まで言いきれない。そこまで素直になりきれない。言いたいことは沢山ある。でも何から言えばいいか分からない。でも、1番言いたかったことは言えた。 泣かなかったわ、強いから。でも。) 「………………………………………………っ……………………」(腕が空になった貴方を見て、彼女は肩を竦め、僅かに目を見開く。 少女なら少女らしく、やっぱり弱いから泣いて、貴方に抱きついたって良かったのかもしれない。でも、彼女は伸ばしかけた手をお行儀よく降ろして、ゆっくりと立ち上がり、少し濡れた瞳を雑に拭いながら 貴方を睨んで一言。)「………………………………──────────〝もう、 かえらなきゃ 〟。…………オマエもとっとと帰るんです、……………………〝 科学バカ 〟。」 ( 義足を鳴らして、逃げるように踵を返すんでしょう。 ) (…………──────────【PM 5時︰30分】)(良い子だから門限までにおうちに帰った。ママ達は微笑む。『おかえりロネリー』。『何か余計なものは食べさせられてない?』って、きっと調べられちゃう。)( ロネリーは微笑む、〝 大丈夫よママ〟って。)(……………………でも、どうしてかしら。)(………………彼女、その日から。) 「……………………………………、………………………………」 (【⠀あんまり家に、帰りたくない 】 って思うようになったの。【⠀早く帰らなきゃ⠀】から【門限まで時間がまだある⠀】に変わっちゃったの。)(歯車がズレる音がする。) ( ママ達が弧を描いて微笑む情景が。 )(──────────今までの学校の休み時間を見ているみたく、淀み始めたの。)   (6/16 23:15:38)

ほりしぃ> 
(……──────────あのね。最近あまり、早く家に帰りたくはないの。) (──── ■□■□■□■□■□■□■ ────)「……………………………………、……………………」( 街が西日に焼かれ、影絵のように伸びた頃。教室に箱詰めにされていた生徒達は息を吹き返したように、びっくり箱同様、弾けて飛び出る時間帯。彼女もまた、席を立ち、借りた本を返してとっとと門限までに家に帰らなくちゃいけないはずなのだけれど。 冒頭でも言った通り、この頃はあまり急いで〝 彼処 〟に帰ろうとは、思わなくなっちゃった。別に学校が好きなわけじゃない。いっそ授業中であることな方が〝マシ 〟だと、寧ろ先生が馬鹿でさえなければ授業の方が〝楽しい 〟とさえ思っている。 だって友達なんか居ないし、何かに打ち込める趣味だって、予定だって、約束なんてのもない。)………………嗚呼、いいえ。勿論誰とも一緒にいないことが寂しいだとか、友達同士で肩を並べて笑い合う姿に何かを思うとか、そういう訳じゃあない。部活に行こうだとか、放課後は駅前のカフェだとか、カラオケだとか。……そんな人間って、『馬鹿みたい』でしょう。)(……でも何となく、帰りたくない。門限までまだ時間はある。)(こういう時は毎回図書室に立ち寄って、本の虫になるのだけれど、今日という日はその逃避行さえも生徒がチラホラ居るものだから使えない。なら、足を運ぶ場所はただひとつ。僅かに軋む義足を鳴らし、アホみたく騒ぐ生徒や、吹奏楽部のチューニング、そんなのは知らん顔をしながら迷いなく曲がり角を曲がり、校舎の端まで一直線。そして。)「……………………………………、」(──────────ガラリ。) (乾いた扉の音が、〝 教室〟に鳴り響いた。埃っぽい匂い。ほんの少し破れたカーテンと、描き変わらない日付け。止まった時計。 此処は彼女が見つけた第2の避難場所。『空きき教室』である。 彼女は帽子を外して、鞄を降ろしそれらを机に乗せる。 お世辞にも綺麗な場所とは呼べないけれど、家に帰るよりも、たくさん生徒がいる教室にいるよりも、ずっとマシ。時間まで少しここで時間を潰しましょうかと、扉を半分まで閉めて中へと入ったのならば、慣れたように鞄を開けて、 今日出された宿題を取り出そうするでしょう。)(その時。 ) 「………………………………ッ、………………」 (自分以外の足音が、恐らく彼女の耳には届いてしまう。 目を見開く彼女。 まさかこんなところに人が来るなんて有り得ない。有り得るはずもない。だがこの世に『絶対』なんて言葉はないのもまた事実。 近づく足音。もしかしたら開いちゃう教室。もしも、もしもその『誰か』がここに入ったのならば。)「…………………………………………………………はァ?」「………………………………ねえちょっと、……………………なァァァんでオマエが来るんですか?」 ( 彼女はぐッ…………と眉を顰め、あからさまに【嫌そうな顔】をしながら、その主に棘のある言葉を投げ掛ける。彼女はその赤髪を知っていた。倦怠感に隠れた蛇のような瞳と高身長、黒マスク。名を、【⠀ワールレギュシ 】。自称【⠀魔王 】。)(断言しよう。彼女はきっと、貴方〝も 〟嫌いだ。)   (6/15 23:41:22)


レギオ> 
(〝日が暮れたらのなら、真っ直ぐお家に帰りましょう〟_____親が子にかけるおまじないに近しい其れ。しかし、高等学校に通う歳になってしまえば意味を成さない。時刻は既に夕方を回っていて、眩しさに思わず目を細めた日も徐々に落ちてきているでしょう。それでも校舎にはまだ沢山の生徒が残っていて、生活の音は消えずにあちこちで響いている。これがどっぷりと夜が更けてしまえば、物音一つ、息を吸う音一つしないということを『彼』は知っていた。そうなってしまうと厄介なもので、自身の偽物の鼓動の音しか聞こえないのだから、あまり良い気分とは言えないのだ。彼は耳が痛くなってしまうような静寂より、人のざわめきが多少ある方を好んでいたのだ。)(彼はこの高校に身を置く一人の生徒という訳だが。例えば、何か委員会に入っているだとか、部活動に所属しているだとかは一切無く、ましてや友人との約束何てものもあるはずも無く。どう言ったわけだか一つ二つ上の学年の生徒との交流は色濃くあっても、同学年___所謂タメの生徒との関わりはどうも希薄なものだったのだ。それ故に、放課後は決まって真っ直ぐお家に帰るなんて事はせずに、校舎に残ってゆっくり過ごすことがお決まりのことであった。この日も例に漏れず、与えられた課題をついでにこなす為、人も疎らになった廊下を歩いていた。)「______……」(道に迷わないこと、瞬時に道順を覚えることに対しては自信がある彼だが、どうもぼうっとしながら歩いて居たためか、いつの間にかあまり立ち寄ったことの無い空き教室の前へと。外から聞こえてくる部活動の掛け声が無ければ、閑静もいい所だろう。半分だけ開いている引き戸に手をかけ、中を覗いたのなら_________)『…………………………………………………………はァ?』「…………………………………………………………………ェ。」(…その少女の声に、驚いた様に双眸を見開く。)『………………………………ねえちょっと、……………………なァァァんでオマエが来るんですか?』「………………………………………………ワガハイも、キミが居ると思わなかった。…………〝グーゼン〟。」 (ふわふわとして柔らかそうな質感の髪を結い、丸っこい愛らしい顔を嫌悪感に歪め、此方を睨み付けるまるで《仔猫》の様な貴女。)(彼はそう言いながらドアの所で緩やかに小首を傾げた。明らかにお前の事が嫌いですと言わんばかりの棘の付いた態度すらも気をかけず、悠々と教室の中へと歩んで行く。黒マスクの鼻部分を指で擦りながら、「此処ちょっと埃っぽいね」なんて言いつつ、貴女が鞄を降ろしたであろう席の、その隣の椅子を引いたのだ。)「…ワガハイも、此処で課題やってい?」(良い?なんて口では問いかけながらも、その行動は既にやる気で満々だ。邪魔はしないし、静かな彼ならやたらめったら騒がない。けれど、彼女にとってみればそれ以前の問題なのでしょう。しかし目の前の男ときたら、それを気にかける様子もなく。ただただいつもの様に穏やかに問うてくるのだ。)   (6/16 00:25:09)


ほりしぃ> 
「………あ゛ァ………????〝偶然 〟ンンンンン………………????」 (彼女は貴方の発言に、ピキリと苛立ち1つ2つ。そう、そうだ。彼女はこの【⠀ふわついた態度 】でさえも気に食わない。確か貴方とは同学年。恐らくは同じクラスだろうか。ならば貴方は知っているはずだ。彼女の私生活、昼休みはふらりとどこかに行ってしまうし、休み時間はひたすら勉強したり、周りをわざと遮断するみたくとにかくなにかに没頭する。所謂【ぼっち】って奴。それもそのはず、彼女はソレを自ら望んでいる。貴方はシキガミである立場であるくせして……否、シキガミ〝 だからこそ〟ニンゲンと友好的であるが彼女は違う。ヒトとして堕ちることではなく、寧ろカミサマになることを【⠀望まれているんだから 】。ニンゲンと仲良しごっこなんて誰が──────────………)『…ワガハイも、此処で課題やっt「【⠀絶対嫌(や)です⠀】。」 (…食い気味だった。)(しかしそんな否定もなんのその。彼女の心情なんて露知らずと言った具合に椅子を引く様子を見たのならば、手にしていたペンケースを握り締め、もう我慢ならないと言わんばかりに つかつかと歩み寄るだろう。そして…………) (【⠀バン⠀】ッッッッッッッッッ…………!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)(……と、彼女は貴方の目前の机を叩く。反動で高く飛び上がったツインテールが、スローモーションで重力に従い落ちる錯覚。勢いよく顔を上げ、貴方に顔を近づけた彼女は次の瞬間、火蓋を切ったように怒鳴るだろう。)「オマエ耳がねェんですかッ?!?!オマエが【⠀魔王 】だか【シキガミ】だか知らねェですがッ……………オマエなんてその気になればほりしぃがパクッと食えちまう ンですからねェッ!!!!!!分かってンですかッ?!??!?」「大体ねェッ!!!!空き教室なら他にもあったでしょッ…………?!?!そもそも此処はほりしぃが最初に見つけた場所なんですからッ!!!!!ほらわかったらほらとっとと出てってください、バカ!!!デカブツ!!」( 本来彼女にとって【⠀カミサマ 】とは敬うものではあるが、シキガミは別だ。人間じゃないのに人間になろうとしたり、ニンゲンと仲良しごっこをしてみたり。目前の貴方は特にそう。彼女にとっては【自称】のレッテルが剥がれずにいる。彼女はペンケースを机に置いたのならば、貴方の腕をぐいーーーっと引っ張り扉まで引きずろうとするかもしれない。 なんでわざわざここなんだ、こんなにも自分は貴方を嫌いだと言ってるじゃないか。)   (6/16 01:00:05)


レギオ> 
「…ワガハイも、此処で課題やっ『【⠀絶対嫌(や)です⠀】。』(その一つの提案は、最後まで言われる前に、彼女によって食い気味に却下されてしまった。ゆらりと貴女を方を見て、両の眼を向けたのなら、「食い気味だねぇ…」だなんて思ったまんまの感想を口から出すだろう。ちゃっかり座った横の席にその長身故のすらりと伸びた足を組んで座り、頬杖を付きながら。少女が手にペンケースをぎゅっと握りしめ、肩を震わせながらつかつかと歩み寄るのを目線で追いながら__________)( バ ン ッ ッ ッ ッ ッ……!!!!!!!!!!!!)(_____と、ちょうど頬杖を付いていた目の前を思いっきり叩きつけたのだ。その行動に思わず目を見開き、気だるそうな瞳は驚いた様に真ん丸な形で浮かんでいる。椅子に座ったままでやや体を後退させて、オノマトペにするのなら、「ヒャッ」といった具合の様な。そのやや威圧的な見た目にそぐわず、素直なものだった。それは1秒だったか、それともコンマ0.5程の事だったか。ただ一瞬の筋肉の緊張を感じた後、表情と同じくして先程のように緩やかに筋肉を緩和させ、変わらず頬杖を付いているのだ。)『____オマエ耳がねェんですかッ?!?!オマエが【⠀魔王 】だか【シキガミ】だか知らねェですがッ……………オマエなんてその気になればほりしぃがパクッと食えちまう ンですからねェッ!!!!!!分かってンですかッ?!??!?』「 はい、はい。聞いてる、聞いてる。聞いてるってば………そう、ほりしぃちゃんは、強いからね… 」(その小さな肩を怒りに震わせ、すっかり怒り心頭といった様子で喚き散らす彼女をまるで幼子をあやすかのようにして、彼はどうどうと宥めるだろう。あまりの声量に鼓膜が震え、キーンと耳鳴りが起こる。節だった指で、片方の耳を抑えた。)『大体ねェッ!!!!空き教室なら他にもあったでしょッ…………?!?!そもそも此処はほりしぃが最初に見つけた場所なんですからッ!!!!!ほらわかったらほらとっとと出てってください、バカ!!!デカブツ!!』(小さな肩を震わせそう彼を罵り、ぐいーっと腕を引っ張ってくる。しかし、両者の身長は約190cmと約140cm。幾ら貴女が逞しいと言ったって、一般成人男性よりも高い長身を持つこの男を引き摺るのは至難の業ってものだろう。その結果、やはり彼女が引っ張っている腕だけが其方に連れて行かれるばかりで、座っている席から彼の腰が浮くことは無いのだから。「あ〜〜〜…」とか、「ジャージが伸びる…」なんて、それに乗じた様な抜けた鳴き声も聞こえてくるだろう。)「うーん……そうは言ってもねぇ。ワガハイも此処に来ちゃった訳だし……いっかなって。ああ、でも、キミは気に食わないみたいだけど……」「どうせ_____……とか、言ったら、〝失礼〟か…」「ほりしぃちゃんも暇でしょう。そう、そう。ワガハイも、なんだよね。だから、暇同士。」(この空き教室で、課題でもお喋りでもして、時間でも潰しましょう、と。再度頬杖を着いたのならば、目前の赤い髪を持った男は、適当な理由を付けておっとりとした口調でそう述べてくるだろう。だって、キミ、勉強が好きみたいだし____丁度良いじゃないか。)   (6/16 01:39:02)


ほりしぃ> 
『はい、はい。聞いてる、聞いてる。聞いてるってば………そう、ほりしぃちゃんは、強いからね… 』「オマエッッッ………………この期に及んで【餓鬼扱い】たァ良い度胸ですねッ゛ッッ……………」(どうやら貴方の【⠀宥める 】ことを目的とした素振りと発言は、彼女にとって神経を逆撫ですること意外何者でも無かった。〝 強い〟であればそれはもう恐れ慄きここから逃げるように立ち去るはずなのだ。なのに貴方と来たら退かない。そりゃもう、山の如く。ただ曇天のような倦怠感を纏ったまま、仔猫の威嚇を高みの見物しているかのよう。腸が煮えくり返りそうだ。ぐいーーーっ!!!と彼女が一生懸命貴方の腕を引っ張ったところで、190cm程ある男を引きずり、運ぶことは至難の業。小学校高学年、……良くて中学生並の体格からずっと止まったままの『―アポリア― 彼女』が貴方をどうこうすることは不可能である。ジャージが伸びることを気にする貴方とは裏腹に、すっかり息の上がった彼女は腕を離したのならば、「ッッッ゛~~~~~~~~~…………………………」と、言った具合に顔を赤くし、声にならない声を上げつつ肩を震わせるのだった。)『うーん……そうは言ってもねぇ。ワガハイも此処に来ちゃった訳だし……いっかなって。ああ、でも、キミは気に食わないみたいだけど……』「だから出てきゃあ良いでしょうッッッ!?!?!?」『………………………………』『どうせ_____……とか、言ったら、〝失礼〟か…』『ほりしぃちゃんも暇でしょう。そう、そう。ワガハイも、なんだよね。だから、暇同士。』「………………ハッ……………………なんです?放課後に予定がなさそうだからですか?それともずっと〝 独り 〟でいるからですか?〝 誰かと過ごしている 〟時間や人数= 暇かどうかの いかにも〝 ニンゲン〟らしい馬鹿な尺度を、まさかとは思いますがこのほりしぃに宛がって考えてるンじゃねェでしょうね?」(彼女はふるりとツインテールを揺らし、半ば苛立ち、半ば煽り混じりに鼻で笑い口にした。貴方と彼女の共通点は、〝一人でいることが多い 〟こと。当然友人に囲まれているニンゲンは放課後に遊びに行ったりする可能性が高い。それに比べたら一人きりでいる時間が多そうってのは、予定に空きがあるのは明白だ。しかし彼女は続ける。) 「………でもお生憎様。ほりしぃは望んで〝独り 〟でいるんです。暇なんてあったもんじゃありません。空き時間は有効的に使うもんでしょう?勉強して、本を読んで、またお勉強。ほりしぃはそりゃもう「賢い良い子ちゃん」ですから…アホみたいなニンゲンや、オマエみたいな『ワガハイまおーだからぁ~~』とか言ってるちゃらんぽらんと話して馬鹿が移るのはごめんです。」 「……──────────ああそうだ、ニンゲン共に言えばいいんじゃないですか?『なにしてんのー、ワガハイも混ぜてー』って。『課題教えてーー』って。……ちゃらんぽらん同士、………………気が合うでしょ。」 ( あなたのことを動かせないのはよく分かった。だから彼女は腕を組み、貴方を見下すように目を細めながら口にする。どうやら彼女は貴方と違ってニンゲンを好いちゃいないらしい。友好的なシキガミ様なら、ニンゲンも快く貴方を迎えてくれるんじゃないの?と。彼女は僅かに目を伏せて、貴方に小さく問い掛ける。)「…………………暇とは言え、………………どうせオマエだって………………………………オトモダチの1人や2人、……………………居るんでしょ。」   (6/16 02:12:19)


レギオ> 
(ぜいぜいと真っ白な肌を赤色に蒸気させ、声にならない声を喉から絞り出す其れを聞いていた。其れはもう悠然とした様子で。普段からよくよく人を観察する紅玉の瞳は、どうにもその意思が読み取りにくいだろう。どうどうと宥めて落ち着かせることも反対に逆上させてしまって、失敗に終わったようだし、何を言っても噛み付かれる。やはりとんでもなく気に入られていない____否、単純に〝嫌われている〟というのは誰の目にも明白だ。そのことは彼も承知をしている。人を振り回す鈍感さを持ってして、その嫌悪に気付かない訳では無い。けれど言うなれば暖簾に腕押し、焼け石に水。彼女が手酷く罵る言葉にさえ気分を害した様子もなく、ましてや憤慨する様子もなく。今この場所では、彼は実に不変的な存在だった。彼女が何と言ったって、何をやったって、今のままでは手応えもない筈だろう。) 『………………ハッ……………………なんです?放課後に予定がなさそうだからですか?それともずっと〝 独り 〟でいるからですか?〝 誰かと過ごしている 〟時間や人数= 暇かどうかの いかにも〝 ニンゲン〟らしい馬鹿な尺度を、まさかとは思いますがこのほりしぃに宛がって考えてるンじゃねェでしょうね?』(緩やかに、その言葉に首を傾けた。「____そうだけど?」と言いたげな視線を投げ掛けながら。しかし貴女の言葉を遮って、それでその先の話が飛んでしまうのを望んじゃ居なかったから。押し黙ったまま、その続きを促していた。耳を傾けて居た。)『………でもお生憎様。ほりしぃは望んで〝独り 〟でいるんです。暇なんてあったもんじゃありません。空き時間は有効的に使うもんでしょう?勉強して、本を読んで、またお勉強。ほりしぃはそりゃもう「賢い良い子ちゃん」ですから…アホみたいなニンゲンや、オマエみたいな『ワガハイまおーだからぁ~~』とか言ってるちゃらんぽらんと話して馬鹿が移るのはごめんです。』「__________………………」(立っている貴女に、腰掛けている彼。身長差は自然と埋まり、目線は近いものになるだろう。パレットで言えば同じ色彩の瞳をかち合わせながら、「ふぅん」と一つ。軽いため息混じりに呟くのだ。)「 キミは…やっぱり、ニンゲンを酷く愚かな存在だと、救いのない、愚鈍で卑しい存在だと……思ってるみたい。 」(ガタン、と座っていた席から立ち上がる。彼らの間には、40cmの物理的な差が再度形成された。)「____まァね、あのね。……これさ、秘密なんだけれど。…………幾ら【シキガミ】になっても。……やっぱりワガハイの価値基準、思考基準、判断基準は【カミサマ】だから。…………どうして、何で……こうすれば良いのに、って思うこともある。理解に苦しむ事もある。」「 でも、ワガハイは…《軍団兵》である《ワガハイ達》は、だからこそ、知りたい。《王》から与えられた好奇心を持ってして、《勇者》足り得る彼らと対話をしたい。」(だからぁ……と繋ぎの言葉をボヤきながら、その長く燃えるような赤髪を数回かいて、数秒思案するような素振りを見せる。)「……そう。なんて言うのかな。………………キミとも、話がしたかった。…………《トモダチ》みたいにさ。」(やはり彼はゆったりとした口調で、一体どこからかどこまでが本心なのか汲み取りにくい表情を浮かべながら。けれど、彼は人間の様に嘘は、取り繕いは、上手くは無いのだ。)   (6/16 02:59:34)


ほりしぃ> 
『キミは…やっぱり、ニンゲンを酷く愚かな存在だと、救いのない、愚鈍で卑しい存在だと……思ってるみたい。』「……………………ッ、…………」(先程まで悠然として振舞っていた貴方、そこに威圧感の欠片もなかったはずなのに。1度立ち上がったその姿は聳え立つ白。野うさぎほどの大きさの彼女と、絶対的な百獣の王。彼女は目を見開き、思わず息を呑み、1歩、後ずさった。)『____まァね、あのね。……これさ、【⠀秘密 ⠀】なんだけれど。…………幾ら【シキガミ】になっても。……やっぱりワガハイの価値基準、思考基準、判断基準は【カミサマ】だから。…………どうして、何で……こうすれば良いのに、って思うこともある。理解に苦しむ事もある。』(貴方は釈然とした様子で口を開き、変わらぬ倦怠感を含んだ煙を吐露し彼女を取り囲む。 )『でも、ワガハイは…《軍団兵》である《ワガハイ達》は、だからこそ、知りたい。《王》から与えられた好奇心を持ってして、《勇者》足り得る彼らと対話をしたい。』 「………………、……………………」『……そう。なんて言うのかな。………………キミとも、話がしたかった。…………《トモダチ》みたいにさ。』 (………………そうか。貴方は、【⠀貴方達 】は王の爪先でしかない。自我のあるコピーペースト。云わば偵察機。その1個体に過ぎない。貴方の本体は別にいる。貴方はワールレギュシであるが、その本質は【誰でもない】。そのはずだった。しかし好奇心と言う感情を持った今、貴方はワールレギュシであるが、それ以前に【貴方という別の自我】が芽生えつつあるのかもしれない。……あくまでも、憶測だが。不変の王、燃えるような赤髪、蛇のような瞳と恵まれた体格。そして【好奇を善しとする唯一の王】の存在。……何もかも、何もかも自身とは違った。今にも壊れそうな虚勢の足場と、成長しない小さな身体、自由を許さぬ【赤の女王(ママ達)】。貴方と同じ目を持っているはずなのに、彼女と貴方じゃ見る世界も、目線も違う。) 
(………………少し、羨ましかった。だから言っちゃった。またひねくれたこと。引きつった笑みを浮かべながら、次のように。)「…………………………へェ。……【⠀それで 】?」「………………その勇者達とオトモダチになって、どうすんです?敵をよォく知ってから、負け役を勝手出る運命から【⠀おさらば 】してェッてわけですか?ニンゲンをよく知って、勇者の性質を理解して、どうやったら効率よく【⠀くびり殺せるか 】と……………………そういうお話ですか?」「………………【⠀勇者(ヒーロー) 】のこと知りてェのに、ほりしぃにその尺度を宛てがうのは間違いです。」( 彼女は目を細めた。なんせこちとら【⠀ヒト 】じゃない。生まれながらにして死産の、蚕蟲の卵。蠱毒を生き抜く少女である。………………勇者と言うには些か手遅れ、どちらかと言えば、貴方風に言うなれば【魔物】なるもの。故に。)「………………………………そもそもそんなん、知るわけねェでしょ。」「…………………、………………だって。」「………………………………………………だって。」「……………。」「……………………………………、……」「…………………………………………オマエは。」「オマエは、……………………魔王なんでしょ、………………【ヒトとか殺したこと】ないんですか。」「………………………………、…………………誰かを傷付けたり、………【⠀ヒトを喰ったり 】する奴とは、ニンゲンはオトモダチになんかなりたがらないんじゃないですか。」「………………………………………ホントにニンゲン共とオトモダチになりてェなら、ですけど。…………………ま、別に。……ほりしぃは心底どうでもいいですが。」 (………………魔物が魔王に尋ねたこと。これはニンゲンには誰にも、誰にも質問したことがなかったこと。きっと彼ら、私達とはオトモダチになりたくなんかないわよ、と。オトモダチになっちゃいけないのよ、と。もしも食うために、もしも殺すために仲良くするなら話は別だけど。)(…………彼女も密やかに、ニンゲンの観察をしていて。そしたらヒーローは大抵言うじゃない。【⠀人を傷つける奴は悪だ 】って。 ……知ってる中で、変な奴も何人かいるけど。でも大体の人間ってそうじゃない。)…………………………貴方は、【⠀悪役 】じゃないんですか。)(ニンゲンを見下さなくちゃ、喰いずらくなって、いずれ死んでしまうのは彼女の方。貴方はどうだ。…………そうやって、殺しにくる勇者の受け入れ方を。理解することで自分なりに解釈して、尚も関わる術を、考えているのか。…………それとも。) 「……………………決して【⠀勇者 ⠀】なんかじゃねェほりしぃと、友達ごっこして……なんの得があんですか。」   (6/16 03:52:29)


レギオ> 
(【識別番号】Rex_0091_ITA【通称学名】王の軍団兵 _______以下、保護時に作成された記事より一部抜粋。《 …Rex_0091_ITA とは彼の事を指し、通称『王の軍団兵』と呼ばれる男性の人型をしたカミサマです。研究の結果Rex_0001_ITAの分裂固体であるとされ、その中でも意思疎通を可能とし、人類に対して非常に友好的且つ協力的な姿勢を示す個体です。…… 》)「 ____________………… 」( 其れは、王であり兵である。其れは、万能にして無能である。其れは、唯一無二であり有象無象である。 )( 王の分身として全ての可能性を持ちながら、全ての素質に恵まれない、愛なる者を求めて彷徨う〝亡霊〟である。絶対的な君主から産み出された、一個体。世界の歯車。有象無象。大きな泉の、たった一つの雫の如く。)( 我が王は、新たな『勇者』との邂逅を望んでおられる。其れは我々の意思であり、揺らぐことの無い、たった一つの思いである。 )(しかし、あくまでも『秘密』だと言うことを、何故目の前の少女に対して密やかに伝えてしまったのか。それはただの気まぐれか、それともただの好奇心からか。___________それとも、貴女が【 ヒト 】では無く、限りなく【 此方側 】に近い生き物だったからか。)『………………………………………オマエは。』『オマエは、……………………魔王なんでしょ、………………【ヒトとか殺したこと】ないんですか。』『………………………………、…………………誰かを傷付けたり、………【⠀ヒトを喰ったり 】する奴とは、ニンゲンはオトモダチになんかなりたがらないんじゃないですか。』「…………………………………………。」「そう。………………………………」「………………………………」「………否、【殺したこと】が【ある】、と……そう、言ったのならば。」「………………………………………………ワガハイは、キミの言うように。ヒトとオトモダチになど……なっちゃあ、いけないんだろう。」  (何せ彼らは〝勇者(ヒーロー)〟なのだから。……浅く、息を吐き出す。肯定とも否定とも取れない、その真ん中の言葉だ。濁した訳では無い。何せ彼らは多数なのだから。貴女と向かい合い、話しているこの個体が人類に対し友好的というだけであり、全てがそうという訳では無い筈なのだ。王は好奇心を重んじる。故に、猫を殺す様な、無邪気な歪みを生じさせる個体だって………きっと、存在してしまう。ならば、其れは彼であり、その罪さえも彼のものだ。) 『……………………決して【⠀勇者 ⠀】なんかじゃねェほりしぃと、友達ごっこして……なんの得があんですか。』(王は、ふ、と目を伏せる。貴女を先程から捉えてた紅玉の瞳は何の変哲もない地面へと。)「__手に入れた物を失うのは、酷く恐ろしい。」「…………心が欠けた様で、酷く寂しくて、その欠けた部分を補得るものなどは無いだろう。……例えば、温かさを知った時。冷たい手を握り返された時の温もりを知ったら、其れを離すのは…………………………きっと、酷く、惜しいだろう。」「それならば、初めから知らない方がましだ。遠ざけていた方が楽だ。冷たさに慣れていれば、きっとずっと変わらないのだから。」(経験と、憶測。ぽっかり空いた穴を埋めるべくして、彼は此処にやってきた。)(目前の貴女は、まるで何かを恐れているような。そんな風に、彼の目には写ったのだろうか。やけに埃っぽいこの教室で、止まってしまって動かない秒針に、随分前から変わっていない日付け。騒がしい校舎の、忘れ去られたみたいなこな空間。偽物の心臓を抱えながら、自らを柔く抱きこみながら、血の通っていない喉元へと手を添えた。)「けれどね、《Holy shit.》」「……………………………放課後にカラオケに行ったりだとか、駄菓子屋に寄ってみたりだとか、学食の唐揚げが美味しいだとか、休み時間に友人とくだらない雑談をするだとか、………………………………………………それに、全部全部、無駄なことなど、無いのだろうよ。」(一息。静寂の帳が落ちてきて辺りを包む前に、彼は口を開いた。) 「………………………………………………………………………」「…………《Lonely・Esuka》…キミは、何をしてみたいのだろう。」(貴女が学校が終わってから真っ直ぐ家に帰らなくなった理由なんて、彼は知らない。何が好きで、何が嫌いで。どういう理由があって、わざわざ此処に居るのか。何も知らない。知る由もない。……だからこそ。王より与えられた《好奇心》は、《愛情》を持ってして、貴女への問いを生み出した。)   (6/17 01:20:34)


ほりしぃ> 
『……否、【殺したこと】が【ある】、と……そう、言ったのならば。』『……………………………………………ワガハイは、キミの言うように。ヒトとオトモダチになど……なっちゃあ、いけないんだろう。』「………………………………、……」(群衆の中の1個体は呟いた。それは曖昧に。殺してないなら殺してないと、殺したのなら殺したと、白黒はっきり言えばいいのに。言わなかった、否。『言えなかった』のだろう。貴方は個でなく『種』。分断した1部に過ぎない。そこに個体識別番号なる、云わば『自ら』という証明は出来なくて、……つまり。『愛情』を愛しているのに、『愛』を、『i』を証明出来ない 『虚像』である可能性が高いのだ。彼女の目には、貴方はカミサマに違いないし、無論それなりの【⠀存在感 】さえも感じていたが、……今こうして貴方が言葉を紡いでいる間は、カミサマと言うには吹き消したら消えてしまいそうな程、淡く見えた。だから、彼女は貴方の言葉を吹き消さないように、口を出しやしなかったのかもしれない。)『__手に入れた物を失うのは、酷く恐ろしい。』『…………心が欠けた様で、酷く寂しくて、その欠けた部分を補得るものなどは無いだろう。……例えば、温かさを知った時。冷たい手を握り返された時の温もりを知ったら、其れを離すのは…………………………きっと、酷く、惜しいだろう。』『それならば、初めから知らない方がましだ。遠ざけていた方が楽だ。冷たさに慣れていれば、きっとずっと変わらないのだから。』 「………………………、…………………」「……………………………………如何にも、【⠀脆弱なニンゲン 】らしい発想ですね。 」(彼女は貴方の言葉に、またも弄れた解を提示した。ニンゲンを見下す、その姿勢を、風が吹けば倒れそうな程に脆い砦の上で保っている。 腕を組み、馬鹿らしいと言わんばかりに呆れたような口振り1つ。)『けれどね、《Holy shit.》』「………………………………」(視線だけを持ち上げて、貴方を捉える。双方同じ赤い夢。伏せた瞳をそのままに、貴方は言葉を続けるだろう。)『……………………………放課後にカラオケに行ったりだとか、駄菓子屋に寄ってみたりだとか、学食の唐揚げが美味しいだとか、休み時間に友人とくだらない雑談をするだとか、………………………………………………それに、全部全部、無駄なことなど、無いのだろうよ。』 「…………」 『………──────────《Lonely・Esuka》』『…キミは、何をしてみたいのだろう。』「………………………………、……………………」(……………………放課後、楽しそうにすれ違う生徒たちを毎日見る。休み時間は憂鬱だった。昼休みだってそう。……眺めるのも、声を聞くのも何となく嫌で、自分だけが切り取られていて、でも混ぜてなんて口が裂けても言えない。言わない。自分は強い、だから独りで生きていける。)(…………そう、言い聞かせていた。) (…………魔王は、少女の心中を見透かしたように問いを投げ掛けていた。 今度はこちらが目を伏せて、貴方とは一切目を合わさない。別に羨ましいなんて、思ってない。 )( 思ってないけど、………………でも。)「……、……………………………──────────【⠀〝 カミサマ〟⠀】に。」「…………………………【⠀カミサマ 】に、なるために産まれてきたんです。ロネリーは。……………………それをママ達は期待しています。」「………………………………ニンゲンを食べなきゃ【⠀死体 】に戻っちまうんです。………………ニンゲン共が食ってるもンは、食うなってママ達に言われてます。」「……………………此処に生まれてから17年経つまでに…………ほりしぃは完璧な、〝 シャングリオ(カミサマ)〟になんなくちゃ………………いけないんです。」「……………………そうじゃなくちゃ、今度はロネリーが妹や、姉様方に食われます。」 (……………………彼女はロネリー。ロネリー・エスカ。【⠀蠱毒 】を【⠀生き抜く 】少女である。)(生まれ損ない、死に続けてから【9歳(救済)】の時に、彼女の運命は決まった。【エスカトロジー (最期の審判)⠀】に備えた 【 シャングリオ⠀( 理想郷 )】への部品になることを。) ( 家畜のように切られた耳、タグのようなピアス。 ) 「放課後にカラオケ?駄菓子屋?学食の唐揚げ、休み時間にオトモダチとくだらない雑談。……………………くだんねェこと言ってる場合じゃないでしょ。」「……………………………………何をしたいって。だってもう決まってんじゃないですか。」「…………………………………………【⠀カミサマ 】になります。【⠀ママ達 】に愛されたいから 【⠀シャングリオ 】になります。」「………………………………、……………………………………」 「…………そうじゃなくちゃなんねェのに、……………………………………」「……………………………………、…………………………」「………………………………これ以上ほりしぃが弱くなるわけにゃぁ、行かないじゃないですか。」(……誰にも話したことのない秘密。それは貴方がニンゲンじゃないからだったのだろうか。それとも単なる【⠀気まぐれ 】か。 前までそれが自分の世界の当たり前だったんだ。でも最近、……最近になって可笑しいんだ。ニンゲンを知れば知るほど、家に帰る憂鬱が溜まって行くんだ。こんな話をしたってもうどうしようもない。そんなことは分かっている。誰かに話したところでなんにもならないことも、自分が今どれだけ貴方の間に惨めに映っているかもわかっている。この学校には【⠀ダビ 】という生徒がいる。あの子もまた、彼女の家族のはずだった。)「………………だったら全部要らないです、………………オトモダチも、温もりも。…………………………ほりしぃカミサマになったら、…………全部全部壊してやるんです。」 「………………………………」「…………………………ねェ、もしそうなったら………………【⠀ニンゲン 】を愛してる魔王は…………………………」「………………………………ロネリーを倒す、〝 勇者 〟にでもなるんですかねェ………………?」 (………………もしも話は、叶わぬ夢は毒になると誰かが言った。彼女は顔を上げたのならば、柔く笑みを作り、貴方に問う。 )「…………………………世界が壊れちまったら、オマエの愛するもんみぃーーーんな消えちまいますよ。」   (6/17 02:14:27)


レギオ> 
(【 セブンス・イクリプス 】それは、平々凡々な、何の変哲もない筈の日常が、突如として崩壊した日。多くの者が傷付き、倒れ、混迷した世界で、誰もが救いを求めていた。そう、強く輝く一等星に! どれだけの者がその姿に奮い立たされただろう。どれだけの者に輝けるその姿を焼き付けただろう。【 失われた7日間 】…………そして、それは、我々の〝勇者(ヒーロー)〟の輝きが消えた日。)『………………………、…………………』『……………………………………如何にも、【⠀脆弱なニンゲン 】らしい発想ですね。 』(その言葉に、伏せていた瞳を上げる。そのマスクの下に隠れてしまって見えないだろうけれど、ほんの少しだけ口角を緩めた。其れはけしてヒトとしては正しい反応では無いのだろう。__________けれどこんな時でさえも、まるでヒトらしいと言うのならば、それは彼を多少なりとも喜ばせてしまう言葉には違いなかった。取ってつけたかの様な言葉遣いは、最近漸く馴染んでいた筈なのだけれど。ヴェールは徐々に剥がれ、落ちかけてしまっていた。)『……、……………………………──────────【⠀〝 カミサマ〟 ⠀】に。』『…………………………【⠀カミサマ 】に、なるために産まれてきたんです。ロネリーは。……………………それをママ達は期待しています。』『………………………………ニンゲンを食べなきゃ【⠀死体 】に戻っちまうんです。………………ニンゲン共が食ってるもンは、食うなってママ達に言われてます。』(小さなウサギは、目を伏せる。長く生え揃った睫毛が細やかな影を落としていた。音は無い。いつの間にか、ざわめきも消えてしまっている。秒針を刻まないこの空間では、貴女の息遣いしか聞こえない。)『………………だった全部要らないです、………………オトモダチも、温もりも。…………………………ほりしぃカミサマになったら、…………全部全部壊してやるんです。』『………………………………』『…………………………ねェ、もしそうなったら………………【⠀ニンゲン 】を愛してる魔王は…………………………』『………………………………ロネリーを倒す、〝 勇者 〟にでもなるんですかねェ………………?』(少女は言葉を紡ぐ。影を顔に落としながら。そしてまた、薄桃色に染まる薄い唇を開いた。)『…………………………世界が壊れちまったら、オマエの愛するもんみぃーーーんな消えちまいますよ。』「………………………………………、………………………」( 赤の目を、閉じる。 )(ああ、と思う。)(微かな吐息と共に小さな呻き声の様にして其れは吐き出され、空気中に溶けて行った。)《 …………………………………………………………違う。 》《違う。》《 違う______違う、違う、違う、違う 違う 違う 違う 違う 違う 違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う 》「 ……………………………………………………… 」《〝これ〟では無い。》《 違う。 》《何故なら〝くすんで〟しまっている。》「……………………ああ………………」《 解るだろう 》( 王は、大衆は、そう叫ぶ。強く、否定する。目の前の、野ウサギを。柔い笑みを浮かべる、目の前の、幼子を。 )《 違う。 》《何故ならそれは、〝輝ける者〟〝勇ましい者〟〝我が愛〟_____【 勇者 】と呼ぶには、あまりにも、相応しく無い存在である。》「 …………………、………………………王よ。 」(其れは、一歩、踏み出した。赤の燃えるような髪はそれに合わせて、揺らめく。聞こえないほどの小さな声で、彼は、己に言う。王に、言う。)「………………………………………………」( 彼は愛情を愛している。何に変えても、どうなったとしても。 )( 貴女の両の手を握り、包み込んだ。……温もりなど持たない手だ。まるで、生きていないみたいだ。 )「…………………………………………………………ロネリー。」(君は、〝勇者(ヒーロー)〟では無いかもしれない。そこに輝きは持たないのかもしれない。)「………………………………………吾輩は、恐ろしい。」 (男は、言う。) 「………………………………世界が壊れてしまう、その前に………」「___________…………キミが壊れてしまうことが。」   (6/17 19:23:08)


ほりしぃ> 
( 彼女は確信していた。貴方は【人類】を愛していると。貴方が選ぶのは【⠀ニンゲン 】だと。ニンゲンのようにわざわざ振る舞い、ニンゲンのように課題をやって、あろうことかカミとも違わぬ魔王という立場である癖して、尚もニンゲンに歩み寄る好奇を持っているならば。もしかしたらニンゲンらしく言葉を選ぶかもしれない。でもそれでも、彼女の確信は塗り替えるには足りえないと思っていたのだ。さァ、と隙間風が生ぬるく教室内に入る。窓枠は額縁、朱色の油絵、そこに描かれたロネリー・エスカという名の少女。その少女の目に映るのは、燃えるような赤髪を持つ【絶対値】。)「……………………ああ……………』『………………………………………………………ロネリー。』『……………………………………吾輩は、恐ろしい。』(…………嗚呼、そうさ。さぞ恐ろしいだろう、自分の世界が壊れるのは。当たり前だと言わんばかりに、彼女は目を細めては軽く鼻を鳴らし、如何にも高飛車そうに振舞っている。足場はまだ、この時は崩れちゃいなかった。しかし、続く言葉は。)『………………………………世界が壊れてしまう、その前に………』(貴方は不変だった。)『___________…………キミが壊れてしまうことが』(…………​────​────筈だ。)「……………………ッッ、………………」(嫌な夢を見ていた時、飛び起きたように、或いは彼女はこれまでそれらを忘れていたかのように息を呑んだことだろう。 気付けば両手を包むように握られていた。貴方の手は、彼女と同じで冷たかった。互いに【⠀ヒトの形を模倣した 何か 】であることを、物語っているようだった。 目を見開き、顔を上げる彼女は貴方と目が合うんだろう。同じ赤目だ、幾度となく合わさった視線だ。なのに、今、この時は。)「…………………………、………………な、んで、………………………………」 (………………………どうして、…………そんな。) (…………言葉を紡がぬ代わりに、戸惑いの色を見せていた彼女だったが、次第にその表情は警戒心を取り戻す。眉をひそめ貴方を睨み、苛立ち混じりと言わんばかりに口元に笑みを浮かべてみせる。)「……………………………、…………ねェそれって、【同情】ってやつですか。」 (……曲解だった。握られた手はそのままに、笑みを消え失せさせた彼女は、言葉を続ける。)「……………さすがですねェ、寛容な【⠀魔王様 】は。……………………………ッ、……全く反吐が出る。」「………………ほりしぃは壊れたりなんかしません。壊れちまうのは世界の方です。…………嗚呼、オマエには関係ありませんでしたか?そりゃそうですよね、オマエの本体はこの世界が潰えちまったところで消えやしないんですから。そうでしょう?、ほりしぃはな、オマエみたいな──────ッ……………………!!」「………………オマエ、みたいなッ……、ッ……………………」( …………そこまで言ったくせに。彼女は最後の言葉を紡がなかった。そこまで言ったら遅いけど、言い切る前に じくりと、どこかが傷んだ。 今までの彼女なら全部言い切っていた。『コピーペースト野郎』『オマエの言葉は所詮偽物』『偽善』だと。 ……………………いえなかった。だって貴方の表情が。本当に、本当にくだらない理由かもしれないんだけれど。【折檻部屋の扉の隙間を覗いた時、目が合った姉様に少し似ていた】とか。嗚呼、本当に小さなフラッシュバック。……………………………ああ言うのを、ああいう顔をきっと、寂しそう、とでも言えばいいんだと思う。でも彼女は、思いつかない。苦虫をかみ潰したような表情。彼女は乱雑に、包まれていた手を離した。) 「…………………ッ、………………そういうの、ニンゲンなら好きなんじゃないですか。そうやって、……………………………………媚びるとこ。」「……………………………………………オマエ、良かったですね。【⠀ニンゲン 】と仲良く出来そうで。………安直に、無垢に『愛してる』とでも吐いてやれば、ヤツらはきっと。オマエに靡くんでしょう。…………………放課後のカラオケも、談笑も、……………………それから、なんでしたっけ?ニンゲン共と一緒に、オマエが〝 やりたい事〟って。…………あんまりにもくだらなすぎて忘れちまいました。」「………………………………」「………………………………別に、……………………………………どォでもいいですもん。」 (ロネリーは、ママに愛されさえすればそれでいい筈だ。)(………………………………でも、家には帰りたくない矛盾。)(…………………………貴方は愛情を愛している。彼女は。)(劣等を呪っている。腕を組み、くだらない問いかけをしちゃったと、どうでもいいと自ら流した。…………懐中時計の針が鳴る。門限まで、あと少しだけ。)   (6/17 20:23:46)


レギオ> 
(赤髪の王は、不明で、不変的な存在だった。)(産まれた瞬間から成長すること無く、変わらぬ肉体。切り落とされた〝亡霊〟は、外部からの刺激によって、王より全く同じに与えられた性質をまるで粘土細工の様に、ほんの少し形を変えることしか出来ない。あくまでも、彼ら多数は王で無くてはならないのだから。それ故に、不変。)(………………………………だった、筈なのだ。)(【 シキガミ 】と【 人では無い者 】 まるで同じ様な性質を持ちながらも、其れはけして交わることの無い、交わることの出来ない、ただただ平行線の存在。けれど、一歩、貴女の方へと踏み出した瞬間。其れは、彼の立つ【 不変 】という枠組みから、超えてしまった瞬間だったのだろう。)(彼は。彼は、人では無い。シキガミ。化け物だ。幾ら人のような風貌を持ち、人のように振る舞い、人のような話をしたって、それら全てが『真似事』であるには違いない。あるいは、『おままごと』のようにも見えるだろう。なにせ彼は_______彼の王は、【 ニンゲン 】を愛していたのだから。純然たる気持ちで、あの輝きをまたこの目に映したいと、願っているのだから。)(その瞳に浮かぶのは、困惑の色。まるで迷子の子供みたいに、不安気な歳相応の表情をしていて。…思わず、握っていた手は、きゅうとその力を強くした。)『……………………………、…………ねェそれって、【同情】ってやつですか。』(けれど、其れは歪められて彼女に届いた様だ。正しく届くことの無かった言葉は、彼女を苛立たせるものにしかなり得なかったのだろうか。彼女は言葉を続ける。)「…………………………………。」(彼は真っ直ぐに結んだ口を開くことは無く。ただ、押し黙って貴女から吐き出される言葉を聞いていた。そこに憤慨した様子は無く。ましてや不快に感じる訳でも無く。先程と同じように悠然とした様子で______だけれど、その顔には、その瞳には、何処か寂しそうな色が孕んでいるでしょう。貴女が言葉を詰まらせた理由なんてのも知らずに。)(……乱雑に振り払われる手。例えの話だ。これがもしも、どちらかが【 ニンゲン 】だったとしたのなら。その温もりは、今でも拳の中でじわりと尾を引いて居たのだろうけれど。彼らの手はただただ無機物的な冷たさから、熱を持つことは無かった。)「…………………………なんて………………………………………」「…………なんて、……………………………………」(群衆は、彼女という存在を拒絶した。自ら《カミサマ》になりたいと言い、この世界を《壊す》と言った彼女を。)(けれど彼は、レギオは、その〝目〟で見ていたのだ。じいと凝らして見てみれば分かる、ほんの小さな弱い光で、けれども確かに灯っている、〝輝き〟に似たその存在を。……それは不確定要素しかないけれど。確信などは無いけれど。)「……………………………………ロネリー。」(何度目かの、君の名を呼ぶ低い声。)「…………キミは、賢い良い子だ。家族を想っていて、限られた時間だって無駄にしないんだから。」「…ロネリー。」「…放課後にカラオケに行ったりだとか、休み時間に友人とくだらない雑談をするだとか。ワガハイは、そういう…………まるで【 普通の高校生 】の様なことをしてみたいと、言ったね。」「……けれど何故そこに、キミは居ないと思うのだろう。…………ニンゲンなら、ニンゲンならって________……キミの話は全て、全てキミがそこに居ない話なんだ。」「………………ロネリー。」「………言ったろう、キミが壊れる事が恐ろしいと。……キミはそれを否定したけれど。………………けれど、あの日消えた輝ける者達のように、失う______喪う事は、酷く寂しい。」「……ロネリー。」「ワガハイと同じような、ただ形を模しただけの存在のキミが。…………どうしても、ワガハイの目には、今にも消えてしまいそうに見えて、仕方ないんだ。」(その男は足を折り曲げて膝を付く。…引かれた白線から踏み出した、どう言い表して良いのか分からないこの感情は、むず痒く、けれどどうか伝えたい。きっと伝えなければならない。感じたそれは、同情ではなく、哀れみでもなく________親愛と称される、ひとつの愛情だった。)   (6/19 00:05:35)


ほりしぃ> 
( 離れた手先に温もりなんて当然存在しなかった。だって2人ともヒトじゃない。産声を上げぬ水子と、母親も知らぬ複合体。貴方が貴方である証明は誰にもできないし、彼女の心臓が動くことは1度だって、この先だってないんだろう。 )(でも貴方は違った。…………朱色に照らされたその顔は魔王というには程遠かった。不変だったんじゃないのか。貴方の悠然たる立ち振る舞いはどこに行ってしまったんだ。貴方から目を逸らす彼女は、きっとその顔が嫌いなんだ。 )『……………………………………ロネリー。』「…………………………」『…………キミは、賢い良い子だ。家族を想っていて、限られた時間だって無駄にしないんだから。』『…ロネリー。』「……………………………ッ、………」 (鼓膜を揺さぶる低い声。聞きたくなかった、それ以上。しかし貴方は辞めない。やめてくれない。)『…………ロネリー。』『………言ったろう、キミが壊れる事が恐ろしいと。……キミはそれを否定したけれど。………………けれど、あの日消えた輝ける者達のように、失う______喪う事は、酷く寂しい。』 『……ロネリー。』『ワガハイと同じような、ただ形を模しただけの存在のキミが。…………どうしても、ワガハイの目には、今にも消えてしまいそうに見えて、仕方ないんだ。』(まるで言い聞かせるような優しい声色だった。そのくせして触れたら貴方が消えてしまいそうな程に、悲しくて、寂しそうで、迷子の子供のように、細かった。だから、彼女は動けなかったんだと思う。【ママ達】に囲まれる彼女の世界に、【⠀父親 】は居ない。でもそれでも良かった。【⠀ママ達 】を愛していたからだ。)(己は。………愛していたからこそ。『賢くて良い子』『死んで欲しくない』 『居なくなってしまうのが寂しい』 その言葉達は、貴方じゃなくて。)「…………ッ、………(──────────それをロネリーは、ママ達に、言ってもらいたかったんだ。)」 
(唇を噛み締めた。俯いた目元は前髪に隠れてしまうだろう。…………悔しかった。なんで目前の貴方が、どうしてなんで、そんな顔して、そんなことを言えてしまうのか。悲しかった。1番言って欲しいのに、未だにママ達に言われていない事実を自覚させられたようで。慈悲に満ちたその言葉が、振る舞いが。彼女の劣等をより煽ることを。困惑を助長させることを貴方は知らないのだろう。心の中の少女が、暗い部屋で膝を抱えて縮こまる。)「…………………、…………………」「………………………ロネリー、ロネリー、って。…………気安く名前呼びやかって。うるせェんですよ。」(………漸く口を、開いた頃。出てくるのは相変わらずの悪態だ。)「…………ただのクラスメイトにしか過ぎないオマエが、赤の他人のオマエが、………何をぺちゃくちゃとほざいてやがるんですか。……………………… 」「………、…………ほりしぃが…………」「……………………………………………、…ほりしぃが賢いことは、良い子だってことはほりしぃが1番よく分かってます。…………ママ達を『愛しています』。オマエに言われるまでもない。………………分かってんです、ンなことは。」「…………………………、………分かってるから、……………もういいです。 」(彼女は小さく呟いて視線に合わせてくれた貴方を睨みつけては、それを冷たく逸らす様子は相変わらずだ。まるで貴方の言葉が届いちゃいないよう。懐中時計を見やった彼女の動きがやや、早まる。彼女は鞄に筆箱をしまうだろう 。そして鞄の隣に置いてある、彼女が冒頭に脱いだ帽子を、確かにこの時チラリと、『見ていた』。密やかにそこから目を逸らす彼女は、帽子を〝 そのまま〟に義足を鳴らして、貴方の横を通り過ぎることだろう。) (……貴方がきっと帽子と呟いても彼女は聞こえないフリをする。要らなかったのかもしれない、と放置をしても良いし、貴方が預かってもいい。捨てたって構わない。)( 今日は2人の足場が崩れた日。 貴方は民衆から、【⠀ニンゲンのみ 】を愛する不変が、少女によって危うく崩れ掛けている。) (対する彼女は。)
(──────────……)(………………)「…………………………、………ただいま、ママ。」「………………帽子?」「…………嗚呼。ごめんなさい、ロネリーったら。〝 学校に忘れてきちゃった 〟の。」「…………もう学校は閉まっているから」「──────────また今度、〝取りに行くわ 〟。」( 『今まで忘れ物なんてしたことがなかった』)(それは貴方がカミサマだったからか。単なる気まぐれか。それとも、あんまり寂しそうな表情が、『あの子』によぉく、似てたからか。)(兎にも角にも彼女は今日。)(【あの、愛するママ達にまた秘密を作った】。)   (6/19 01:04:47)


レギオ> 
(今まで綺麗に整理されていたものが、途端にぐちゃぐちゃに散らかってしまったような感覚。見渡す限り、全てとっちらかってしまっていて、どれか正しいのかだなんて分かりやしない。何時もなら丁寧に分類分けされたそれをお手本にすれば良かったんだ。…その感覚が生じたのは、王であり群衆である『彼ら』から多少なりとも離れてしまったからなのだろうか。もしくはその不変が自らの手によって脅かされているからなのだろうか。それでも必死に見つけようとして、言葉を繋げて、伝えて。ああ、それでもなんだか腑に落ちない。とても気分が良いとは言えやしないんだ。……だって、貴女にそんな顔をさせたかったのでは無いのだから。)(『我が王よ』それは、まるで神父が〝神〟に語りかけるための言葉のよう。それは、ただひとつの絶対的な道。だけれど、此処に救いを求められる我が王は、もはや存在しちゃいない。)『…………………、…………………』『………………………ロネリー、ロネリー、って。…………気安く名前呼びやかって。うるせェんですよ。』「……………………………………………。」(吐かれる悪態。彼はそれを、静かに聞いていた。)『…………ただのクラスメイトにしか過ぎないオマエが、赤の他人のオマエが、………何をぺちゃくちゃとほざいてやがるんですか。……………………… 』『………、…………ほりしぃが…………』「………………………………うん。」『……………………………………………、…ほりしぃが賢いことは、良い子だってことはほりしぃが1番よく分かってます。…………ママ達を『愛しています』。オマエに言われるまでもない。………………分かってんです、ンなことは。』「……………………………………うん。」(紅玉の瞳を閉じる。広がるのは瞼の裏の暗闇だけで、そこに群衆は映らない。居るはずも無い。)『…………………………、………分かってるから、……………もういいです。 』「……………………………………………そっか。」(冷たく鋭い視線だ。それを受け取れば、少し『困ったような』笑みを浮かべた。少しばかりぎこちがない。それはこの空気に耐えかねた気まずさから来るものでは無かった。……先程よりも少し、その真似事に『自信が無くなってしまった』からなのだろうか。) 「………………ああ、もうこんな時間。………………………………そっか、もう、家に帰るんだ。」(身支度をする彼女。残されている物に気付く。「帽子を___」と言い、貴女を呼び止めようとするけれど、それは彼女の耳には届かなかったのか。独特の金属音を鳴らし、その長い髪を揺らしながら、足早に出ていってしまった。そうして彼だけが、時の止まった部屋に取り残された。)【_____________…………】(何も聞こえない。耳が痛くなるような静けさだ。)「……さようなら。ロネリー・エスカ。……………………………どうか、良い夢を。」 (暫くした後、ぼそりと、言い忘れてしまっていた言葉を呟く。誰の耳にも届かぬまま、それは空気中に溶けていき、また夜の帳が彼を包み込んだ。)(机に腰掛け、帽子のバイザーを掴んで、ゆるりと弄んだ。きっと彼は後日返しに行くんだろう。忘れ物だって言って。それでまた、貴女と話がしたいって。また、あんな顔をさせてしまうのは嫌だけれど。………あともう少しだけ、学校に残れる時間がある。誰も見てないのを良い事に、だらしなく片膝を抱えこんだ。体を居れば聞こえてくる偽物の心臓の鼓動で、この静けさを誤魔化そうとして______後の事を考えながら、静かに目を閉じた。)   (6/19 02:27:06)

レギオ> 
(それは何時もより少しだけ天気の悪い日だった。予報アプリではパッとしない曇りのマークが並び、太陽が顔を出さないことを示していた。案の定その日は一日中厚い雲が空を覆い、ほの暗い影を辺りに落としていた。下校する時刻になっても変わらずに今にも泣き出しそうな空に、傘を持っていないのであろう生徒達は足早に校門へと抜けて行く。彼も例に漏れずして、黒の無地のリュックを右肩に引っさげながら、その日はもう帰ろうとしていた所だった。)(さて、あれはつい先日の事だったか。そこだけまるで切り取られてしまったかのような、校舎の片隅にある埃っぽい空き教室での邂逅のこと。硝子の靴宜しく帰る間際、最後に『忘れて行って』しまった彼女の帽子を、彼はまだ渡せずに居たのだ。同学年という事もあって、何度か探したのだけれど、タイミングが悪かったのか、彼女には会えず終い。日を改めて渡そうかと思い、それはまだ彼の荷物の中で眠っている。)(A棟の昇降口から抜けてすぐのことだ。ぽつ、ぽつ、と天から降って来た数滴の雨水が地面に染みを作る。不規則に落ちてきていたそれは、直ぐに蛇口を捻ったかのようにして、ザアアアアア_______と激しく振り付け始めた。)「____________……………………」(ほんの少しぼうっと呆けた様にして、その場に立ち止まった。その間にも彼の肌は雨に振られて行く。天を見上げながら雨に降られているのだから、それは傍から見ればきっと間の抜けた様に見えた事だろう。然し何かを思い出したかのようにしてハッとすれば、雨を凌ぐ場所に駆け込もうと、飛沫を上げながら地面を蹴り上げた。一度出た昇降口にこれ幸いと入り、すっかり雨に濡られ暗い色に染まったジャージを脱ぐ。吸い込んで重たくなったそれは肌に張り付き、どうも気持ちが良いとは言えなかった。黒いマスクを顎にずらし、犬の様に頭を振れば、辺りには水滴が飛んでしまう。)「…………………………………ァ。」(横目でちら、と見て、声を上げる。その日、ずっと探していた相手。)「ほりしぃ。」(雨水が阿呆みたいに出てくるジャージを絞りながら、貴女の名前を呼んだ。)   (6/20 21:11:40)


ほりしぃ> 
『………………ァ。 』『 ほりしぃ。』「…………………………、…………………」( そう、貴方が名前を呼ぶ前から、彼女はあなたの存在に気づいていたんだと思う。でなければ貴方がこちらを見た時に、既にぶすくれたような顔をして、貴方を『わざと見ないフリ』するような態度は、見せていなかったでしょうから。)(それは遡ること数時間前。 羽毛布団のような分厚い雲が、 現に 『おやすみなさい』と 覆い被さった午後 ■時。 授業中ふ、と窓を見やった頃からそんな調子だったら、きっと雨が降るんだって思ってた。 そしたら案の定。)(………ポツリ、ぽつり。ぽつ、ぽつぽつ、ザァ──────────……………) ( 梅雨入りの空は、随分と泣き虫なのだ。 まるで春の別れを惜しむように、迎える夏の日差しが水無月を干して 乾かし、『文月』にするその時まで 溢れた涙を 雲でできた分厚い布団の中で、零し続ける。嫌になる明日と陰鬱。 彼女は『やっぱり泣いてる』と溜息をついて、昇降口にて佇んでいた気によっていつもよりもくるりと遊び、ふわりと広がる髪がうっとおしい。〝 帽子〟さえあれば 少しは前髪とか、隠せたりしたのかしら、なんて。 ) ( …ついこの間。しっかり者の彼女が『帽子』を初めて忘れた日。今日の今朝方、ひっそりと空き教室を見に行ったら帽子は無くなっていた。 きっとあいつがもっているんだわ、と想像するは安かったけれど、以降の帽子の行方は分からずじまい。結局今日は学年が同じだと言うのに、1度も会う事は無くかったのだ。 彼女はゆっくりと小さな腕でぬいぐるみのように本を抱き込む。傘なんて持ってきてない、だって朝は晴れてたから。天気予報なんて知らない。ウチにテレビはないから。朝ごはんを食べながら呑気にキャスターを眺める日常なんてあるはずがないでしょう。だから彼女はここに居る。 下駄箱から靴を取り出し、地面に置いて履いては、コンコン、と足を奥までしまい込んで1歩、2歩。 校舎からはすっかり、傘を持った生徒は勿論、持っていない生徒は尚のこと。急ぎ足で家に帰る彼等とは違って、彼女はゆっくりと歩き出したのならば、俯き本を抱え直して 、屋根のない外に足を踏み出すことも無く 立ち止まっては空を見上げていたその時に。)(そう、この時点で彼女は気づいていたのだ。何者かが走ってくる足音を。 『ほりしぃ』なんて随分と気の抜けた声でこちらを呼ぶ前から。貴方がジャージを絞っていたところも見ていた。その時は『なんでこいつがここにいる』と言った具合に目を見開いていたけれど、あなたと目が合ったらどうしよう、なんて考えたら 逸らす他なくて、気付けばほら。ポケットに手を入れたあと、何かを握りこんでまた手を出して、その〝何か 〟ごときゅぅ、とまた本を抱きしめる力を込めながら むす、と真っ直ぐ前を見ている。す、と通った鼻筋を持つ貴方とは違い、ふくふくとした兎のように、鼻は低く、水気を含んだまだあどけなさの残る横顔は、依然として貴方の方を見ない。) 「……………………、………」(が、しかし。雨の音がやけに目立つ沈黙の後、口を開いたのは紛れもなく、彼女である。) 「…………………………………」「………………………、…………………髪。」(…まだ、貴方の方を見ない。)「………………………髪、犬見たく振るののやめてくれませんか。水飛ぶんで。つうかいくら濡れてるとはいえ、外で服脱ぐとかヒトとしてどうなんです???? そもそも『ァ、』じゃねェですし。このほりしぃがいることにさえ気付かなかっただなんてオマエ、どこまで ちゃらんぽらんなんですか??それとそこまで濡れてんならそのまま走って帰りゃあ良かったじゃねェですか。馬鹿は風邪引かねェんですからね。」(随分と『御挨拶』なものだったろう。それもそのはず、彼女は貴方が嫌いだ。 捲し立てるようにスルスルと出てくる悪態は相変わらず。………そこまで貴方が嫌ならば、こっちからどこかに行けばいいのに。)(でも、行かない。)(〝 だって濡れるの嫌だもの 〟、なんてのは建前。雨のおかげで、まだ校舎の外じゃなくて『ここに居ていい』って、……口実が出来ている。)「…………………………、…………」「………………………………………、……………………」「……………………………………………」「……………………………………………… 、……」「……………………………………」( そわり、と身体が動く。ツン、とした表情は変わらないが、あなたに気づかれないぐらい密やかに、彼女の目は一瞬泳いだ。 未だに握れているポケットから取り出した『何か』。それは正方形の、薄ピンクの装飾が白色の清潔そうな布。 …………〝 ハンカチ〟だ。あなたに見えないようにちょっと腕で隠したそれを、………彼女はどうすべきか悩んでいる。なんて言えば自分も貴方も納得いくだろう。髪をあんまり振られて、こっちまで濡れたら困るから?それとも、貴方があんまりにもみすぼらしくて目に毒だから多少なりともマシになるでしょう、とか。 彼女は伏せた目を、再び泳がせ思考する。)「…………」「………………」「…………………」「………………、ぁ、……………………の……………。」 (用意したのは随分前だった。 なのにまだ渡せない。 理由がなければ目的を遂行できない。ここから離れないのは、門限を守れなさそうなのは『雨のせい』だし、貴方に会うのが仕方がなく、そして必然だったのは『帽子』のせい。じゃあ、『ハンカチ』を渡すのは、なんのせいにすればいいかしら。)(ふわついた前髪に落とされた赤色は、顰に倣った 隣人を未だに見ることは出来なかった。)   (6/20 22:23:19)


レギオ> 
(絞っていたジャージから雨水が出なくなったのを確認して、パンと広げてみる。洗濯機に掛けて広げた時のような軽やかさは無く、幾分か水気がマシになっただけであるらしい。流石にもう一度腕を通す気にはなれず、片腕をハンガー代わりにして引っ掛けた。額に張り付く前髪は雨に濡れて束になり普段よりも視界の邪魔をする。鋭さを持ち目に入るそれが煩わしくて、手でかきあげた。量の多く、そして長い髪の毛の先端からはぽたぽたと雫が垂れ、彼の足元には小さな水溜まりが出来ていた。予想以上に雨に降られていた様だ。)「……………………………」(ほりしぃ、と挨拶代わりに彼女の名を呼んでから暫く。しかし、貴女は口を開かない。そして彼もまたそれ以上話しかけるでも無く、濡れた後の処理を片手間に進めている。そんな彼らの間には沈黙が居座り、未だ激しさを持つ雨音のみが少し遠くに聞こえていた。コンクリートや草木が雨に濡れた時の独特の匂いがほんのりと香ってくる。ちら、と下に見える貴女の方へと視線をやった。湿気のせいか以前話した時よりもふんわりと広がっている髪を持ち、本をぎゅっと抱えながら、何処かむすくれた様な横顔が印象的だった。)『…………………………………』『………………………、…………………髪。』(その言葉に反応して、緩やかに、その首を傾げる。)『………………………髪、犬見たく振るののやめてくれませんか。水飛ぶんで。つうかいくら濡れてるとはいえ、外で服脱ぐとかヒトとしてどうなんです???? そもそも『ァ、』じゃねェですし。このほりしぃがいることにさえ気付かなかっただなんてオマエ、どこまで ちゃらんぽらんなんですか??それとそこまで濡れてんならそのまま走って帰りゃあ良かったじゃねェですか。馬鹿は風邪引かねェんですからね。』(沈黙を先に破ったのは、小さな隣人だった。やはり不機嫌そうな色を乗せながら、細やかに棘の生え揃った言葉は何時ものこと。)「………髪。…………………………………ああ、そう。いや、……ゴメンゴメン。急に降って来たから、少し驚いちゃった。でもこういう時に、置き傘?……っていうのが必要なんだね。……………うん……………中々、身に染みたな。」(そして、そんな貴女に対して、この男が意に介した様子も無く返答するのもそろそろ見慣れ始めたことだろう。)(〝そんなにも悪態をつくくらいならば、何処かに行きゃあ良いだろう〟だなんて憤慨する様子も無い。不愉快に肌に張り付いて来るTシャツも脱いでしまえと手をかけて居た時に『ヒトとしてどうか?』なんて言われたものだから、少し固まってから思い留まった。けれど彼は貴女の少しだけそわついた様子にも、ましてやその手の内に握り締められているそれにも気付かない。代わりに何かを思い出したかのようにして、バックをまさぐった。)『…………………』『………………、ぁ、……………………の……。』「…ああ、濡れて無かった。」(か細く呼びかけられた声と同じ程のタイミングで、彼は安堵した様に呟く。その手には貴女の帽子。濡れそぼった身体とは対照的に、ひとつの雫もついては居なかった。)「ほら、ほりしぃ。……………前、コレ。忘れてったでしょ。…………渡そうと思ってたんだけど、なんか……タイミングが合わなかったみたい。…………………………ああ、でもちょうど良かった。」(〝そんなにも悪態をつくくらいならば、何処かに行きゃあ良いだろう〟だなんて憤慨する様子も無い。不愉快に肌に張り付いて来るTシャツも脱いでしまえと手をかけて居た時に『ヒトとしてどうか?』なんて言われたものだから、少し固まってから思い留まった。けれど彼は貴女の少しだけそわついた様子にも、ましてやその手の内に握り締められているそれにも気付かない。代わりに何かを思い出したかのようにして、バックをまさぐった。)『…………………』『………………、ぁ、……………………の……。』「…ああ、濡れて無かった。」(か細く呼びかけられた声と同じ程のタイミングで、彼は安堵した様に呟く。その手には貴女の帽子。濡れそぼった身体とは対照的に、ひとつの雫もついては居なかった。)「ほら、ほりしぃ。……………前、コレ。忘れてったでしょ。…………渡そうと思ってたんだけど、なんか……タイミングが合わなかったみたい。…………………………ああ、でもちょうど良かった。」(鍔を掴んで下に居る彼女の方へと差し出した。もう忘れないでね、なんてほんの少し柔く口角をあげる。黒マスクが無い分、表情は見て取れやすい。______貴女がハンカチを渡すのに必要な理由が欲しいと言うのなら、よく出来ましたと言うように、帽子の代わりに出したって良いのだろう。兎に角彼はスン、と一度鼻を鳴らして、薄く息を吐く。止まないなぁ、とぼんやりと外の方へと視線を投げながら、どうやって帰ろうかと思案し始める。)   (6/20 23:16:06)


ほりしぃ> 
『…──────────ああ、濡れて無かった。』 「…………、………………」(言葉が被った。 僅かに目を見開いたあと、そのぶすくれた表情はさらに色を濃くするだろう。 嗚呼、この男。出会った時からいつもそう。【タイミング】が悪いのだ。 ) 『ほら、ほりしぃ。……………前、コレ。忘れてったでしょ。…………渡そうと思ってたんだけど、なんか……タイミングが合わなかったみたい。…………………………ああ、でも〝 ちょうど良かった 〟。』 「………………………………」(しかし、そんなことは露知らず、貴方は相も変わらずな悠然とした様子で言葉を紡ぎ、それを差し出すんだろう。彼女は貴方の方をチラリと見やる。そこにあるのはまるで軍帽のような、確かに彼女の帽子だった。そう、彼女は『忘れていった』のだ。漸く貴方の瞳を見やった瞬間、彼女は小さく口を開き、何かを話そうとしながら手を伸ばしたところで──────────……)『もう忘れないでね』(…ピタ、と。小さな手が止まる。 その言葉は日常生活では至って普遍的な言葉だ。忘れ物には気をつける、次からはしないようにする。何ら不思議なことではない。 )( しかし、彼女は人間と呼ぶにはあまりにもひねくれているのだ。) (きっと貴方は何かを思って口にしたでもなく、純粋な厚意でそういう言葉を投げかけてくれていた。 だが、『わざと忘れていた』彼女の立場からすれば、それは彼女の意向によって『 貴方に手を煩わせた 』に過ぎず、もうそんな面倒なことは御免だと、言われている気がして、なんとなしに 目を逸らす。 悪いことを自覚したことを、敢えて自覚したくない時の子供のようだ。柔く微笑む貴方、黒マスクが無い分表情は。…よく見えるからこそ、あんまり見たくない。)「…………」「…………………………ぁ、り、………ッ゛………………──────────あたりまえ、そう。〝 当たり前 〟です。ほりしぃは普段は忘れ物なんてしない。この間のあれは、たまたまです。〝 クソくだらねェ会話〟で馬鹿が移ったんでしょうよ。大体、教室に置いときゃ良かったじゃねェですか。あんなとこ、誰も来ないンですから 」(少々雑に、帽子を受け取り彼女はきゅ、と顔を隠すようそれを被る。この身長差であれば、彼女が貴方を見あげない限り、顔は見えないはずだ。彼女が〝 本来言うべき〟……言おうとしていた言葉を濁し、代わりに出るのはやっぱり最低最悪な悪態ばかり。チクチクと刺さる茨。 こんなことなら渡さない方が良かったかも、と思わせるには充分すぎる。) 「…………………… それとも〝ヒトとして 〟当たり前のことをしたまでですか?相変わらず〝 擬態 〟がお上手だこと。 なんにせよ帽子より濡れてちゃ世話ねェですけどね。」 ( 悪態は続いていた。擬態だなんて嫌な言い方。彼女は貴方の正体を知っている。 服を脱ぐとき、彼女の言葉に合わせるように手を止めたのを気づいているのか居ないのか、やたらとニンゲンに固執しているように映ってならないからこそ、貴方と自分を隔てるような皮肉ばかりである。 ……………しかし彼女はそんな中で、ようやくハンカチを握りこんでいた手を緩めていたことだろう。『全く仕方がない』と言った具合に、随分前から用意していたそれを、貴方の方を見ずに差し出す。)「………………………………要らねェなら要らねェでいいです、あんまりみすぼらしくって見るに耐えなかっただけですもの。」 (…………………そしてそんな彼女は、きっと貴方が数秒の間を置いただけでも、彼女はその言葉を投げかけ、早々にハンカチをしまおうとしてしまうだろう。 理由としては及第点、「ありがとう」のひとつも言えない。別に要らないって言われたって良い、本当に気にしないわ、なんて。………………そのいらないの言葉を聞く前に切り出したのはこっちの癖に。) 「…………………………………………傘ぐらい、………今から借りに行ったらどうですか。ガッコーには常備された傘、何本かあるんじゃなかったでしたっけ。」「………………………………、……………しらねェですけど。」 ( 持ち出したのは1つの提案、貴方が帰るための方法。 丁度貴方が『どうやって帰ろうか』を思案していた途中だったと思う。 彼女はまた、あなたの方を見るのを辞めてしまった。)   (6/21 00:19:57)


レギオ> 
(…ほんの少しだけ、貴女の動きが止まった。すんなりと受け取らない貴女にどうかしたのかと頭に疑問符を浮かべながら、差し出したままの動作で彼女の顔を伺う。そう、彼は知ら無かった。貴女がたまたまではなく、故意的にその帽子を〝忘れていった〟事だなんて。それが次会う時の口実になっていただなんて。だからこそ、きっと大切な物だろうから、『忘れないでね』と口に出したんだ。)『…………』『…………………………ぁ、り、………ッ゛………………──────────あたりまえ、そう。〝 当たり前 〟です。ほりしぃは普段は忘れ物なんてしない。この間のあれは、たまたまです。〝 クソくだらねェ会話〟で馬鹿が移ったんでしょうよ。大体、教室に置いときゃ良かったじゃねェですか。あんなとこ、誰も来ないンですから 』(それから少しの間を開けて、彼の手からややひったくる様にして、それは受け取られた。別に感謝の言葉を期待していた訳ではないが、その代わりに吐かれた悪態は、多少彼の不意をついたようだった。彼女は言葉を続ける。)『…………………… それとも〝ヒトとして 〟当たり前のことをしたまでですか?相変わらず〝 擬態 〟がお上手だこと。 なんにせよ帽子より濡れてちゃ世話ねェですけどね。』(節だった長い指で頬をかく。彼女の表情は帽子の下に隠されてしまって見ることは叶わない。顔を貴女から少し背けて、顎にかけていたマスクを取り、ぐし、と顎に伝ってきた雨水を甲で拭う動作をした。)「…………そ、_________……」(口を開き、『そうだね、ほりしぃはしっかりしてるから』と言いかけて、喉まで出かけたその言葉を飲み込むようにして、ゆっくりと閉じる。似たようなことを言って彼女の機嫌を損ねた事を覚えていたのだろう。)「……………………………………………………」「…………そう……そうだね。……ほりしぃは〝くだらねェ〟って、そう思うんだろうけど。でも、ワガハイは、キミと話せて良かったって。……うん。そう思ったよ。」「それに_______……」「…………………………………………」「…………そう、あの部屋。……………………なんてったって、埃っぽかったからね。」(だから、持ち帰ったのだと。…けれど本当は、彼はあの物寂しい空き教室にポツンと一つだけ貴女の私物が取り残されてしまうのが、なんだか見ていられなくて。そのままにしていれば、忘れ物に気付いた彼女が後日取りに来るだろうとは思ったけれど。姿を重ねたわけではないが、机の上に置いて帰ることは、何となく出来なかったのだ。)『………………………………要らねェなら要らねェでいいです、あんまりみすぼらしくって見るに耐えなかっただけですもの。』「…………………へ。」(差し出された手に握られている物を見た。ほんの数秒間だけ、空白が生まれる。……まさか意外な行動だと彼の目には映ったから。けれど彼女は言うだけ言ってさっさとしまってしまおうとするものだから、慌ててそれを制した。)「あ、待って。いるいる。要るよ。」「……ワガハイの持ち物で拭けるやつに生き残りは居ないみたいだし。ほりしぃの帽子が濡れてなかったのが運が良かったくらい………………やっぱり、すぐ引き返して正解だった。」「助かっちゃった。ほりしぃ、…………」「 〝ありがとう〟 」「…………………………あ。洗って返す…でも、良いかな。」 (白色の、薄桃色の装飾が施された可愛らしいハンカチを受け取る。彼女が言わなかった_____否、言えなかった言葉を何の障害無しにさらっと述べながら。)『………………………………………傘ぐらい、………今から借りに行ったらどうですか。ガッコーには常備された傘、何本かあるんじゃなかったでしたっけ。』「……………………ん。……ああー…………そういえばそんなの、あったっけね。……すっかり忘れてた。」(言われてから思い出したかのように、ああ、と小さく声を漏らした。外の雨は先程の蛇口をひねったかのようにして振りつける激しさから幾分衰えはしていたが、未だに晴れそうな見込みは無いようだ。)「じゃあ、借りに行こっか。……職員室の近くとかにあるよ。…………きっと。」(貴女から受け取ったハンカチで体の表面を軽く拭いた。漸くぽたぽたとひっきりなしに垂れてきていた雫がマシになったらしい。少しずつ広がっていた足元の水溜まりは、それ以上大きくはならない様だ。)「…………………………………………」「…………………………ほりしぃも、傘無いでしょ?………あと数本くらいなら、きっとあるよ。」(くるりと校舎の教室に伸びる廊下へと身体を向けた。そこで貴女の方へと顔を向けて、『行かない?』と誘い出す。これで持っているのならば別に良いのだろうけれど。……見たところ、そうでも無さそうじゃないか。)   (6/21 01:49:24)

銀 楽園> 
「あァ、随分と変わった子だネ」(貴女がただ何処かへ移動しようと歩いていた時に、その人物は貴女の前に現れる。)(まるで煙のような、独特な雰囲気を持つその人物は紫煙の匂いを纏わせて、不意に貴女にそう声を掛けるのだ。)「你好、お嬢さん。…あの後、【ママ達】は【元気】かな?」(──そして、初対面では知り得ない単語を貴女に言うのだ。)(焦るだろうか?怒るだろうか?動揺するだろうか?…それとも、怯えるだろうか。)「久しぶりに挨拶したくてね。…あァ、もしかして食べたりしちゃったかナ?それとも死んじゃった?…まッ、どちらでもいいけど。」「……【カミサマ】にはなれそうかい?」(【嘘】【うそ】【ウソ】。貴女のママ達とは知り合いでも、挨拶する中でもないし、顔も知らない。)(__けれど、【視て】はいるのだ。)>ほりしぃ   (7/5 21:48:36)


ほりしぃ> 
『あァ、随分と変わった子だネ』「……………………」「………………………………………」(────────壱つ、放課後。少女の前に。)『你好、お嬢さん。』(弐つ、貴方が声掛けた。)(参つ、少女は目前の貴方を見やっては〝なんだコイツ 〟と言わんばかりに目を細め。)( 肆つ、両の腕で抱えていた本を。)(伍つ、きゅ、と抱き締めながら通り過ぎようとするんでしょう。カツリコツリと彼女の虚勢を表すかのような高いヒールと義足特有の、玩具の兵隊のような足音は。)(〝 陸 〟で〝 無〟しの貴方から、通り過ぎれば良かったものを。)『…あの後、【ママ達】は【元気】かな?』 (漆つ、貴方は。〝口にした 〟。) 「…………………………」「……………………………【⠀あ゛⠀】?」(彼女は貴方の言葉に、眉を顰めたのならば足を止め、後ろを振り返り双方でジロリと睨みあげるだろう。それでも貴方は、止まらなかった。)『久しぶりに挨拶したくてね。…あァ、もしかして食べたりしちゃったかナ?それとも死んじゃった?…まッ、どちらでもいいけど。』『……【カミサマ】にはなれそうかい?」「…………………………………………、………………」 (ツラツラと、まるで煙草の煙でも吐くように〝知っていて当たり前だ 〟と言わんばかりに、貴方は少女の心中に土足で入り込んで行くんだろう。 前髪の隙間から覗く、影がかった赤目。その先にいる薄い唇に笑みを浮かべた、緑色の男。果たして自身の記憶の中に、貴方のような奴は存在しただろうか?答えは【NO】である。では『ママ達』の知り合いだとでも?分からない、分からない分からない。〝分からない 〟。)(故に。)「………………………………………オマエ、【⠀誰 】ですか?」(〝問うた 〟。彼女は目を細め、鞄に本を入れたのならばかつり、こつりと貴方に歩み寄るだろう。)「…黙っていればまァベラベラとォォ…………………この〝 ほりしぃ〟に向かって、随分と【⠀生意気な態度⠀】取りやがりますねェ、………………………オマエ。」(…放課後の西日に照らされた影化は、実像より大きく長く伸びきっている。目前に来た彼女は、貴方を見上げたのならば腰に手を当て、言葉を待つことだろう。返答によっちゃあ【⠀首が飛ぶぞ 】。)   (7/5 22:16:08)

銀 楽園> 
「随分と物騒なお嬢さんだ。」(くすくすと。何が楽しいのか貴女の前に立つ人物は笑う。殺されるかもしれないというのに、貴女の影が伸びていることに気づいているのに、彼は瞳を細めるだけだった。)「ダレかと問われてカンタンに答えるかと思ったかい?此方の質問に答えてくれていないの二。……強気なのはイイコトだよ、でも、」(コツン。)(───貴女の目の前に立った、紫煙を纏った人物は、)「相手の手の内が分からないうちにその態度はァ、キケンだ、ヨ?」(【ジャスミンヴェール】【ジャスミンノワール】_彼はチャットルーム内の文字を、ホームページ内の文字を認識している。それを世界の裏側として、真理として認識している。)(全長2mのソレらは後ろに控え、ゆらゆらと揺れている。)(数的に考えれば此方の有利。そして何もかもを【知っている】ような人物と貴女とでは、どちらに利があるか、なんて。)__(まァ、お嬢さんが戦いたいなら止めないけどね?ボクとしてはやめてほしいな、なんて。…見えてるだろ?キミに話しかけているんだよ。)__「────ホーリー・シット…否、【ロネリー・エスカ】。」「……【貴女】は【どうして】、【劣等を呪っている?】」(貴女は知らないだろう。…いや、もしかしたら感覚的に感じとっているかもしれないけれど。)(今のまま能力を使おうものならば、1/10の確率で不発になることを。)__(お手伝いのつもりで声をかけたけど、第一声間違えたかなァ?ま、いいか。どうせここで生きようと死のうと変わらないイノチだ。何せボクらは、ふとした瞬間にカンタンに殺されてしまうような存在だからネ。…ン?いやいや、責めてはないさ。ただ、【正義の糧】なんていい例だろう。特にボクは予感ではなくハッキリとソレを認識しているんだから。)>ほりしぃ   (7/5 22:31:31)


ほりしぃ

相手の手の内が分からないうちにその態度はァ、キケンだ、ヨ?』「…………………嘗めてンですか?【⠀虫けら 】が。」(勿論。貴方の言う通りだ。紛うことなき正論だ。しかし残念なことに、彼女は貴方どころか。貴方が目にする文字の羅列、データなんて分かりやしない。故に、知ったこっちゃないのだ。不快だと思えば不快、それがニンゲン相手に抱いているなら尚のこと。真理に到達することはなく、次元を超越することも無く、ただただここに、立っている彼女だからこそ、この態度なのだ。浮遊するディスコードをちらりと見やる彼女は、伸びた影から僅かに ズロォ………………と【ラヴィ】を覗かせ、再び貴方に視線を向ける。飄々とした態度を取るニンゲンを、掴みどころのないニンゲンを。彼女は知っている。しかし貴方はどうにもその全てに〝 当てはまらない〟異質さが備わっていた。まるでこちらの全てを見透かしているような不気味さ。爬虫類のように細められた目と、貴方の長い髪。異国を思わせる服は風に僅かに靡く。)   (7/5 23:07:23)


ほりしぃ> 
『────ホーリー・シット…否、【ロネリー・エスカ】。』『……【貴女】は【どうして】、【劣等を呪っている?】』「………………………………………………」「………………ンな事聞いて、どうすんです?」「…………散々こっちの事情把握しといて、なら其の【⠀理由 】だって分かっててもおかしかねェってのに、何故わざわざほりしぃに聞くんです?」 「…………………………くだらねェ【⠀好奇心】ですか?」「……………………………………………それとも、オマエに話してやるような〝 安い話 〟だとでも、…………………思われてんですか?」(………………そういうところが【⠀癪に障る 】のだ。なんでも知っている貴方にとっては、B級ホラー宜しくな【物語の1つ⠀】かもしれない。しかし彼女にとっては違う。全てを零さぬように小さな両腕で抱き締めるので精一杯だ。 自分の内情を要点を抑えるように口走るところも、今の質問も、きっと全部わざとで。) 今の自分からしたらその意図は、【⠀ただ自分を馬鹿にしたいだけか、単なる好奇心】なんて、それこそ〝安い理由 〟で聞かれている気がしてならないのだ。……こちらの神経を、逆撫でする目的で語りかけているように見えて、仕方がないのだ。だから彼女は問うんだろう。)「…………………──────────【悪役でも気取りたい】ンですか?」「………………嗚呼、ヤダヤダ。だから嫌いなんです。【⠀ニンゲン 】は。」 「…………………オマエの言う通り、確かにほりしぃは【⠀カミサマ 】になりますとも。…………………………そしたら【⠀こんなクソみたいな世界 】………………………【⠀ぶっ壊してやる ⠀】なんて答えりゃ、オマエはどうする気なんですか?」「……………ここで殺しちまいますか?そのチンケな魚の骨なんかで。」(悪役ってのは、強いやつがなるものだ。弱いやつの傍にはヒーローがいる、その根底が彼女から拭いきれたかと言われれば否。)(……………否である。) (……………彼女は、あなたが。貴方達が、【⠀世界が嫌い】だ。 )(………自分の足場を切り崩していくような世界が。…居場所を奪っていく、こんな世界が。)(せめて悪役は、ロネリーのものなんだから。)   (7/5 23:09:33)


銀 楽園> 
─(僅かにその存在を見せたラヴィも、小さな両腕で自分を抱きしめる姿も、全部。…貴女ならそうするだろう、という予感がどこかあったかもしれない。語ってくれるかどうかは割と賭けではあった、けれど、結局のところ語ってくれる貴女はきっと優しい人なのだ。)(不器用で、素直ではなくて、歪んでしまった、優しい人。きっと、環境が環境でなければ可愛い女の子に育っていただろう。劣等感も呪わず、もしかしたらヒーローに憧れていたかもしれない。カミサマを怖がるような子になっていたかもしれない。)(──そんな、Ifの世界を脳裏に思い浮かべたところで、今ある世界とは関係の無いお話なのだけれど。)「好奇心ではないネ、安い話だとも思っていないとも。何せその物語はお嬢さんを構成する上でのタイセツなものだから。…強いて言うならば、これはボクの為かなァ…」(小さい貴女へ、また1歩近づけばその背丈を合わせて瞳を合わせた。棒茶色の瞳が、【貴女】を見つめている。)「ボクもね、こんな【世界】、キライだよ。大嫌いだとも、憎んでいる。……【呪っている】。」「けれど、」─────「けれども、同時に【愛している】んだ。」(貴女がお話してくれたのだから、少しだけ物語をお話しよう。コレは、なんて事ない、つまらない夢見がちだった少年のお話だけれど。)「───きらきらとした世界が好きだった、ボクが悪人をぜェんぶコロして、それからボクがその罪を抱えて死ねばこの世界はとってもキレイになるって信じていた。…そんな時期もあったかもしれなイ。」「けど、実際はどうだろうネ?ボクの愛していたセカイはいとも簡単にボクを裏切った。……だから、キライ。」__「あァでも、このセカイがなければボクたちは生まれてこなくて、……キミに出会うこともなかった。最初からかましたのも、【ホーリー・シット】…および、【ロネリー・エスカ】が【タイセツ】だから。」__「…【悪役】は取らないとも、約束しよう。ボクはタダ、この憎らしくてたまらなくて、それでいて愛している【セカイ】を、きっと、……」(─────静寂。)(目の前にいる人物はこれ以上を語ろうとしない。“少し話しすぎたネ”、なんて言って肩を竦めるばかり。貴女は不愉快だと顔を顰めるだろうか。舌打ちをこぼすだろうか。)「ふふ、そォんな警戒せずとも取って食ったりはしないサ。食らうのはお嬢さんの役目だろう?ボクはせいぜい、色んなことを【視る】ことしか出来ない。」「───あァ、いや、お嬢さんが食われたいなら話は別だけど、ネ?」(────刹那。)(するりと煙のように近づいた端麗な顔が近づいて、貴女の頬に唇が触れる。)(軽いリップ音をたてたソレを貴女は理解できるだろうか?拒絶反応を起こすだろうか?何せダイキライな【ニンゲン】からの接触だ。それともウブな反応を見せてくれる?)__(それとも、“触れられない”だろうか?)__「物理的に食らう趣味は生憎持ってないケド、ね。」>ほりしぃ   (7/5 23:31:44)

Dabih> 
『"ロネリー様、折り入って、お願いがございます。”』中国への修学旅行から何日目か経ったある日の頃、キミが借りている部屋に、いつもと、すこしだけ雰囲気の違う彼女がやってきて、何やら並大抵ならぬ事でもいいそうな物言いで、そう筆談でキミに伝えてきたのは約30分前のこと。​キミたちは、​───────…とある歓楽街へやってきていただろうか。おいしそうな食べ物屋さん。色とりどりの雑貨や中国ならではのお土産をおいてるお店など、普段過ごしている世界とは、まったく“別世界”の中をふたりでみてあるいていただろう。『"1日だけ、ほんの少しだけの時間でいいんです。"』『“この中国での旅の思い出をどうしても、ロネリー様とつくりたくて。”』きっと、これを聞いたキミは、普段の彼女の振る舞いを見ていれば、ひどく信じられない“わがまま”だっただろうか。中国観光名所のツアー本もどうやら持参しているようで、本のページには無数の付箋がつけられており、本の見た目もなんだか相当使い古された様子で、彼女が、如何に今日の日に向けて準備をし、“キミ”との修学旅行を巡ることを夢見てきたのか、それがひとめでわかるようであっただろう。​───────…なるべく、ひと通りの少ない通りを選んでいて、それでいてその筋のひとからすれば、云わば“穴場”と呼ばれる名所を案内しており、自然の音色や遠くで聞こえる祭囃子が心地よいだろう。『ロネリー様、次は此処へいってみませんか?』そういって、彼女が指し示した場所は月と海が見える丘の上の塔だっただろう。今夜の予報では、空は快晴で、星が良く見え風もおだやか。日付的にもきっと、今日は大きな満月が見えるらしいそうだ。   (7/15 22:41:25)


ほりしぃ> 
「…──────────祭りには行きませんからね。」(どういう風の吹き回しだったか。部屋から出てきた彼女は依然として不機嫌そうではあったが、貴方の文面を見るなりすんなりと『出向くこと』には了承したことを、きっと覚えて居るだろう。〝 オマエ、何時だと思ってるんですか〟と文句はあれど、そこを強く咎めることだって、しなかったんだろう。これでもかという程に主張の強い、『ママに結んでもらっている長いツインテール』は風呂上がりだったからか降ろされている。地につくギリギリで伸ばしっぱなしの癖毛をそのままに、彼女はきっと部屋から出ていった。)(『修学旅行』)(それは生徒達が狭い教室に箱詰めされず、異国の地へと渡航し交流を深める行事らしいが、彼女は『けして娯楽にかまけにきた』訳じゃあないと語る。貰ったパンフレットだってそう、『調査のために目をよく通していただけ』。配布された食べ放題のチケットなんて使い道なんてあるはずも無い。第1、この食べ放題チケットはあの忌々しい『鬼ごっこ』の産物だろう。あくまでも、『調査目的』。他校の学風、カミサマを学びに。祭りのコンセプトは『回帰』『再開』。『エスカ』がそれを調べない理由は無いはずだ。………そうだろう?だから、だから………)『ロネリー様、次は此処へいってみませんか?』「…………………………、……………」(だから、〝仕方がなく 〟、ついて行ってやってるだけなのだ。きっと貴方が他の人と祭りに行ったり、楽しそうにしていたらそれはそれで何を思うかなんて見て見ぬふりをして独り出掛けられなかった彼女は『ひとりでに遊びに来た訳じゃない』『勝手に連れていかれただけ』『お勉強の為』と、貴方に全ての理由と責任を押し付けて、今宵、こうして知らない土地を、『門限外』に歩いているのだ。)(………とはいえ、理由を貴方のせいにした手前、少女にとってこの状況は筆舌に尽くし難い背徳感と、未知の世界への好奇心を擽られていたのは言うまでもない。きっと貴方の隣を歩く彼女は、長い髪を揺らしながら周りを見ては、遠目から見える歓楽街を偶に立ち止まって、思わず眺めているなんてことも、あったかもしれない。貴方は言いつけを守ってか、祭りで浮かれきった歓楽街そのものに足を踏み入れることはなく、まるで2人だけが切り取られたような世界へと、足を運ぶ。宵闇、僅かな喧騒、黒布に散りばめた星灯。街頭は減り、いつしか磯の香りが鼻腔を掠めた時。)『ロネリー様、次は此処へいってみませんか?』「……………………………」(貴方は言った。口数少なく貴方について行っていた彼女は、恐らく間を開けたあと、歩いている最中に漸く口を開くんだろう。)「………………………………オマエ。」「……………………今日は随分と〝生意気(積極的) 〟ですね。……………………まるで〝ニンゲン 〟みてェなことしちゃって。」「………………………………嗚呼、まあそうですよねェ。オマエにトモダチなんか、居るはずもないですもんねェ………?」 「相変わらず『真似事』ばっかり。…………『思い出作り』だなんて、可笑しな話じゃありませんか。………しかもよりにも寄って、『こんなところ』。」(嫌味な主人は相変わらずだ。 …月明かりに横顔が照らされる。トモダチが居ないのは、お互い様なのにね。)   (7/15 23:31:36)


Dabih> 
さざなみの音が遠くで聞こえる。その音を聞きながらふたりは街灯も少ない暗い路地の道を歩いて目的地を目指すだろう。磯のかおりが鼻腔を掠めて、さざなみの音がだんだんとはっきり聞こえてくるくらいまで歩いてくれば、まもなく、ふたりは目的地である丘の上の石垣の塔を見つけるだろう。「………………。」いつもより、少し遠くの方まで車椅子で移動したため、彼女の手は皮が擦りむけて赤くなってしまっている。…けど、そんなことは気にもしていないという風に、ようやくたどり着けた目的地に安堵の息をこぼしていて、それからついついキミの表情を盗み見て、こっそり反応を伺っていたりしていただろう。“「………………………………オマエ。」”“「……………………今日は随分と〝生意気(積極的) 〟ですね。……………………まるで〝ニンゲン 〟みてェなことしちゃって。」”“「………………………………嗚呼、まあそうですよねェ。オマエにトモダチなんか、居るはずもないですもんねェ………?」 ”「…………………。」「……………………。」彼女はキミのその言葉に対して、すぐになにか返答することはなかっただろう。しかし、その表情は何処か“困った”風で、それから彼女は、返しの言葉の代わりに小さく愛想笑いを浮かべてみせただろう。「相変わらず『真似事』ばっかり。…………『思い出作り』だなんて、可笑しな話じゃありませんか。………しかもよりにも寄って、『こんなところ』。」「………………………………」(「…………でも」)(「…………それでもわたしは─────。」)『“天気予報だと、今日はこれから雨の予報でしたが、これなら当分は持ちそうですね。”』『“お月様もちゃんとこうしてみれたことですし、よかったです。”』 「………………………………」(「…………でも」)(「…………それでもわたしは─────。」)『“天気予報だと、今日はこれから雨の予報でしたが、これなら当分は持ちそうですね。”』『“お月様もちゃんとこうしてみれたことですし、よかったです。”』「………………………。」「…………。」彼女は最後に『“もしかしたら神様のおかげかも”』と、書こうとしたが、少し迷った末にその言葉はキミには見せないことにして   (7/19 20:52:19)


ほりしぃ> 
「………………………」「…………………オマエ。今日は、〝 喋らない〟んですね。…まあ、どォでもいいですケド。」(貴方が筆をとった時、彼女の赤い視線は隣のノートへと向けられたに違いない。サラサラと、少し丸みを帯びた文字が綴られる様を、静かに眺めている時にも、ミルクティー色の髪は潮風に撫でられて揺れていた。軋む車椅子、自分も両足切られちゃってたら。……貴女見たくなっていたのかな。彼女は貴方と目が合う前に、地平線へと視線を移していた。彼女は海を、実際に見るのは初めてだった。波に反射する世界は淡く溶けて、微睡むように。弛むように、緩やかに緩やかに、寄せては返すことを繰り返す。…踏みしめた砂の地面は土瀝青より頼りなくて、あまり好きじゃない。)「………………………」(いつしか、貴方が筆を置いた時。)「…………………………」(彼女は。)「…………………………嗚呼、〝また 〟ですか。」「………………………また、そうやって隠そうとする。」(…チリン、と。ピアスが揺らし、貴方に刺すように呟くんだろう。貴方が描きかけた文字も、どうして困った笑みを浮かべたのかすらも、知らないからこそつっかかる。 彼女は貴方の女王様。いつかはカミサマになる宿命を背負った〝 エスカトロジー〟。そんな少女は有針鉄線をまた紡ぐ。) 「………………………………この間もそうでしたよね。」「…………………なんですか?〝 ママ達に出逢ってない、普通のロネリーと話したい〟って。………………オマエ、知ってますよね?ママ達が居なければロネリー達はただの死体に逆戻りするンです。…………ママ達に出逢ってない、ママ達が居ない、カミサマにもならない。…そんなロネリーはただの【⠀ゴミ 】………なんの価値もない食肉なんて、〝 オマエ以下〟じゃありませんか。」「………………………………」「…………………………………………………、……あン時。……………どうしてそんなこと、望むように………言ったんですか。」 ( 自分から聞いたんだ。あの時。『もしも話』を振ったんだ。『もしもママ達に出会ってなかったらどうしてたか』って。貴方が悪いわけじゃない。全ては彼女の〝 気まぐれ〟で。あの時貴方が口にふくもうとしたそれを、止めて自らのポケットに詰めて、あなたから逃げたのも彼女だ、彼女は身勝手だった。貴方を生かしているのでさえ、ママ達に隠れてペットをこっそり飼育する子供のような感覚だったのかもしれない。或いは、或いは────────…………)「……………………………このロネリー聞いてンです。…………〝 3度目〟もはぐらかすとか、許さねェですから。」(彼女は、優しくなんてない。だから貴方を睨んだのなら、追い詰めるように。逃がさないように問い質す。…………『月祭り』は我々にまだ、微笑まない。)   (7/19 21:19:47)

ほりしぃ> 
────────彼女は。)「……………………………………、……」 ( 【⠀頗る 】不機嫌だった。嗚呼、そりゃもう眉間に皺を寄せ、ぶッッッッッッッ………すぅ~~~~~~~ッッとこれ以上ないぐらいの〝 嫌そうな顔〟。それもそのはず、話の発端はほんの数十分前に遡る。)(『……………はァ??????〝 祭り〟だァ????このほりしぃがァァ…………???』) (寮の扉を叩いたのは一体誰だったのか。夜が更けるほんの少し前貴方は彼女に声をかけたんじゃないのか。そしてその姿は、相も変わらず飄々とした様子だったんじゃあ、ないのか。〝 祭りに行かないか〟。そんな素敵な誘い文句に、彼女の返答は当然『NO』だったはずだ。そんなの行かない、行くはずもない。だから彼女は鼻で笑い扉を早々に閉め、貴方を追い返そうとしたところで…〝ゴング 〟が鳴った。押して押しての大問答。行くVS行かない。祭りに連れ出したい軟派な男と、そんな〝下等な行事 〟に参加なんてするはずないでしょと留まりたい 強情な女。そしてこのふたりがこう言った勝負をする時は大抵──────────…………………………) 「…………………ッ…………なァァァァァんでこのほりしぃまでこんな〝馬鹿 〟みてェな行事、参加しなくちゃなんねェんですかッッ……………うるせェし変な匂いするしオマケに〝 ニンゲン〟だらけッ……嗚呼、やだやだッ………大体オマエ、いつもいつも自分勝手なんですよッッ……………そんなに祭りに行きたきゃ沢山いる〝オトモダチ 〟とやらと行きゃいいじゃねェですかッ……………………」 (貴方が〝 勝者〟である。 隣のチビは無論貴方に文句を垂れる…が。いつものようにキャンキャン怒鳴ったりは、この時ばかりはしなかった。落ち着かないのか、人混みの量を気にしてか。ソワソワと周りを見遣りながら、途中人にぶつかりそうになれば肩を竦めて貴方に隠れるように後ろに行ったり、他の人と目が会いそうになればその目を慌てて逸らして俯いたり。)  (……異国の地。彼女にとってはその全てが『初めて』に等しい。提灯、眩しいネオン、引っ下げられた灯篭と煙たい空気、ガヤガヤと何を話しているかかき混ぜられすぎて分かりやしない喧騒と、漢字だらけの看板。…いっそ隙を見て貴方から逃げたいところだが、『アレ(レッドドア)』を使わたら厄介だ。) 「…………ッ……………ちょっと、聞いてんですかッ………」 (彼女は僅かに抑えた声で、貴方に置いていかれないよう、はぐれないよう、少し後ろをついて行きながら、返答をまつに違いない。)   (7/20 22:33:18)


Gaill Monochoria> 
「..........♪」(鼻歌とご機嫌な足音が雑踏に呑まれた。ネオンと提灯。積み上げられたる雑居ビル。或いは何処かのタイミング迄は存在していた九龍城砦のよう。“クラスでのプレゼンの為の資料作り”と嘘こいて授業中調べた無駄な知識ばかりが頭に浮かぶ。此の街の何処と云うでもなく唯漠然と一部の人間を惹く空気感をこそ浪漫と呼び、そして其れに釣られた“一部の人間”をロマンチスト........及び、大馬鹿野郎と呼ぶのだろう。然し、まあ。貴女にとっては〝下等〟な事に変わりはないでしょうか。)『…………………ッ…………なァァァァァんでこのほりしぃまでこんな〝馬鹿 〟みてェな行事、参加しなくちゃなんねェんですかッッ……………うるせェし変な匂いするしオマケに〝 ニンゲン〟だらけッ……嗚呼、やだやだッ………大体オマエ、いつもいつも自分勝手なんですよッッ……………そんなに祭りに行きたきゃ沢山いる〝オトモダチ 〟とやらと行きゃいいじゃねェですかッ……………………』(ドア越しの1stラウンドは勝利。連れ出したるか或いは釣られ出たる中華の都。生憎、“扉を開ける”のは得意なもんで。)「............。」(だがまだ戦いは終わらず2ndへ。君が“帰る”だなんて言おうモンなら速攻で止めに掛かる準備は出来ている。つまりは冷戦(?)。冷えた空気が良く似合う。立ち上るは湯気か蒸気か。言い表せない香辛料の香りも手伝って、何時ぞや吸った水煙草を思い出した。)(y軸とx軸の比率のおかしな痩躯を縮こまって追うならば気を抜かないで。細い指は貴女の頬をうりうりやろうと時折気まぐれに伸ばされてくるだろう。)『…………ッ……………ちょっと、聞いてんですかッ………』(異国の地におっかなびっくりしながら小さな体の紡ぐ言葉に、わざとらしく“今気づきました”感満載で振り返っては男は答える。)「そォだなァ。」「...なら今からでもオトモダチ全員呼んでみよォか?モチのロンでキミ含む、だが。」(友達呼びは一方通行。其れを解した上で平然と言う様な人間だから散々貴女に睨まれ怒られしてきたのだが。なんにせよ男は動じずニヤニヤ笑う。ちょっぴり意地悪な言葉で返すのは何時も通り。モヤシ科学者、海の外でも絶好調。)「おいほりしーチャンよ。」「“アレ”。」(少し歩けば足を止めて、貴女に見える様にと指を差した。その向かう先は漢字三文字。“肉包子”.........つまりは肉まんである。)「やッッッッッと着いたァ!」「アレが喰いたかったッ.......!」(男がそんなにはしゃぐ様は、貴女も初めて見るでしょうか。)(言葉の端に見られた異国語。其れ等が孤児院の兄弟達の影響ならば、屹度何度も話を聞いて居たのだろう。中国。パツ金科学者の憧れの地が一つ。何時も通り、ではあるけれど。ともすれば。)「おら行くぞッ!!!!」(ともすれば、今日は一段と振り回す事になり得るだろう。)   (7/20 23:18:16)


ほりしぃ> 
『そォだなァ。』『...なら今からでもオトモダチ全員呼んでみよォか?モチのロンでキミ含む、だが。』「……………………はァ?誰が誰の〝 オトモダチ〟ですってェ…………??? くだんねェこと言ってンじゃねェですよ〝 クソ眼鏡ッ〟……〝 ストーカーッ〟…………」(こいつ、〝 わざと 〟間を置きやがった。それに気づいた後の言葉は、彼女の神経を逆撫でするには十分過ぎる。貴方のお友達なんかじゃない、それを何度言ってきたことか。 〝何も自分じゃなくてもできる、自分じゃなくても事足りるようなこと 〟に、呼ばれ、連れ回される事自体が不快だ。なんせ彼女は【劣等を呪う】。貴方程自由を知らない彼女は、異国の地であろうとも変わらずじまいだった。) 『おいほりしーチャンよ。』『“アレ”。』 「………………今度はなンですか。」(貴方が次に指さした場所。それはひとつの屋台だった。壁を見るなり脂ぎった、『清潔』とは言えない煙たい祭りの中、彼女はジトリと示された方向に視線を向ける。)(『― 肉包子 ―』)( 看板に示された文字、貴方の指先にはもふもふと白くて丸いもの…と、彼女の視界じゃその程度にしか映りしないが、何を隠そう此処は『中国』。つまり、その料理は。その、『1口かじれば溢れるような肉汁が暴力的に口内を包む』ソレは所謂【本場】なのである。)『やッッッッッと着いたァ!』『アレが喰いたかったッ.......!』「……………………、……」(貴方は声を弾ませた。味を知らない、そのものを知らない、そんな彼女にとって貴方がはしゃぐ理由なんて分かるはずもない。……しかし。)『おら行くぞッ!!!!』(………貴方がいつになく、そんなに楽しそうに足を進めるものだから。)「…………………………」「…………………、………………」「…………………、………………嗚゛呼~~~~~~~~~~~………………もォーーーーーッ…………………………………」(呆れたように目を回し、仕方がなく、…………本当に、〝 仕方がなく〟貴方の後をついて行く。もしもその屋台にたどり着いたのならば、気のいい店主が彼女らに話しかけてくれるんだろう。だが、誰も壁もがその人懐っこさや営業さながらの馴染みやすさに心惹かれる訳じゃあない。もし、『いらっしゃいませ』や『お嬢さん』と言った具合のニュアンスで声をかけられたのなら、彼女はまた貴方の後ろに隠れてしまうんだろう。だって、『何言ってるか分からない』し、わかったていたとしてもきっと彼女はそうしていた。 ) 「……………………………オマエの〝クラスでのプレゼンの為の資料作り 〟とやらの材料は〝コレ 〟ですか。目的のもんが見つかったんならとっとと買ってさっさと帰りましょうよ。」 (…相変わらずだった。帰りたい帰りたいって、そりゃそうだろ。彼女に煌びやかな歓楽は似合わない。それに何より、ここにいるとやはりどうしても気になってしまうのだ。子供のような好奇心が擽られないように、ネバーランドから帰りたくないと幼心が駄々を捏ねないように。あくまで興味が無いのだと、惹かれる見せがある度に俯いて、意識を地面に向けている苦労を貴方は知らないんだろう?この〝 あくま〟め。鼻腔を掠める数々の匂いに吊られないよう、歓楽の灯篭に当てられないよう、スカートの裾を握る彼女は、八つ当たりのように呟く。)「…………ほりしぃ、ここ〝 嫌い〟。」   (7/20 23:47:21)

Gaill Monochoria> 
「そろそろ“あだ名”増やしてくれよほりしィチャ~ン」(なんて軽口ばかり叩く。〝仇〟の〝名〟って意味じゃ確かにあだ名でも正しいけれど男の云うソレは屹度そんな物騒なモノじゃあない。友達だとか言ってキレられて笑う、そんなやり取りも日常茶飯事と貸して来た今日この頃。ツンツン少女の言葉の刃はお笑い向けのピコピコハンマーくらいに武器としての本質を失っているのだが基本的に悪いのは挫折を知らない此の愚か者である。)『…………………、………………嗚゛呼~~~~~~~~~~~………………もォーーーーーッ………………………………』(沈黙は〝仕方がなく〟破られた。踏み出したる小さな足。雑踏に見失わないように。)「クク.......お優しいなァ媛-お嬢ォチャン-?」(少し速足で向かいながら、着いて来てるかの確認がてら振り返って。そして貴女が居るのを視認すれば、男また軽薄に笑うだろう。) (店に着けば見た目に違わぬと云って差し支えない喧噪。誰も彼もが陽気に声を掛けて来る知らない世界に縮こまってる貴女を鮮明に想像しちまったもんだから思わず頬が緩んだ。)『她是你的女朋友吗?(彼女さんかい?)』「妻子:)(妻だよ。)」『『『哦~!(オオオオオ!!!!)』』』(貴女を指差しながらガタイの良いおっちゃんの問いへ矢鱈と流暢な中国語で返せば、おっちゃんとその愉快な仲間達がヒューヒュー言い出す。本人の知らない言語でやるから随分タチが悪い。意味を問えば屹度ニヤニヤ笑いながら丁寧に教えてくれるだろう。)『……………………………オマエの〝クラスでのプレゼンの為の資料作り 〟とやらの材料は〝コレ 〟ですか。目的のもんが見つかったんならとっとと買ってさっさと帰りましょうよ。』「...........。」(どれにするか考えてると言わんばかりにぴっと人差し指を立てて貴女の目前へ。メニュー表を見据えるネオンピンク。そんな風にしてたら少し時間が経って。また、孤独な少女を閉ざそうと。ホーリーシットが呟いた。)『…………ほりしぃ、ここ_____________ (慥かに其の言葉は紡がれて。そして。)__________「キミ何個にする?」(何にしたって厄介な察しの良さと執念だ。生憎此処は王道のシンプルな肉まん一つで売り出す気合の入った店で、詰まる所睨んだメニュー表はドリンク一覧。待っていたのは君の言葉。ちょっと視線が行ってはすぐ俯いて、なんてしてたら分かっちまうもんさ。だから、またわざとらしいキョトンとした目で。“どうしたんだ?”だとか言い出しそうな眼差しで、男は。貴女を、見るでしょう。)   (7/21 00:38:16)


ほりしぃ> 
(無愛想な態度だと、可愛げのない表情だと彼女自身もよォく自覚している。しかしそれがどうした。彼女にとっては【⠀下等なニンゲン⠀】にどう思われようが『関係の無い話』なんだから。だから今日だって、まるで他人事のように、貴方に任せて自分は後ろで見やりもせずにただ待つだけ。)『她是你的女朋友吗?(彼女さんかい?)』『妻子:)(妻だよ。)』『『『哦~!(オオオオオ!!!!)』』』「……………………………」「……………………、…………??」 (………………………)(……………………………そう。)(…………………………〝待っていれば事が終わると、思っていた 〟。)( 外面のいい貴方が会話を担当、彼女は後ろにいるだけ。我関せずなのはパンケーキ以来の2度目だったはずだ。 今回だって蚊帳の外、別にそれに関して何を思う訳でもない。寧ろ、〝 そうであるべき〟なのに。貴方がニンマリ弧を描いて、一言なにか言葉を発した瞬間、馬鹿でもわかるほどに空気が変わった。)見られたくないからと貴方の後ろで小さく隠れたはずなのに、やけに生暖かい視線と囃し立てるような口笛が聞こえる。 彼女は周りを見やっては、戸惑うような表情を一瞬浮かべた後、『嫌い』の一言に被せるように呑気に肉まんの個数を尋ねる貴方に対し、ネオンピンクをベルベットで睨みつけるでしょう。)「………おい、オマエこいつらに何を──────────ッ…」『嘿,小姑娘!!!(なァ、お嬢ちゃん!!)』「………ッ…あ゛?!?!?!」(しかし、世界は回る回る。彼女に踵を合わせるつもりは無いかのように。)『我们被告知你是他的妻子~~~????(聞いたよ、アンタ彼の〝奥さん 〟なんだってねェ????)』「…………っ、………何言って、…………………」『但你个子小,你丈夫一定很担心。 这是一个餐厅的待遇,所以吃吧ッ!(にしてもやけに小さいねェ、子供のようだ。そんなに小さいと旦那さんもちょっと不安なんじゃないかい? ほらほら店の奢りだ、たぁんとおあがりィ!)』「……………?……………????…はっ?ちょ、ほりしぃは要らなッ…………き、聞いてンですかッ?!?!?!おい、ちょっとッ!!!!!!」 ( 困惑、焦燥、言葉が通じないからこそ、『拒むに拒みにくい』状況。気前のいい店主は、彼女の小さな腕の中に詰めれるだけ肉まんをポコポコ乗せようとしてくる。それを反射的に落とさないようによろよろと抱き抱える彼女の表情は 、眉をやや8の字に下げ、戸惑いの1色。どうしよう、どうなってるの、どうすればいいの。それを振り払うよう、ふるふると首を横に振った 彼女は肉まんに包まれながらも貴方に視線を向けたのならば訴えるだろう。) 「オマエほんとになんて言いやがったんですかッ?!?!?!こいつらヒトの話全然聞かねェし、第一ほりしぃは肉まんなんて食わねェんですけどッッ!!!!!!!!!どぉぉ~~~~~~すんですかこの量ッッ!!!!!!!!!!!捨てるわきゃ行かねえですし、勿論オマエが食うんでしょうねッ!?!?!え゛えッッ………?!?!?!」(本当にこのクソ眼鏡というかストーカーというか軟派野郎と言うか。一体今度は何をやらかしてくれたんだと、彼女の恨みは募るばかり。……………目立つのは嫌いなんだ、こういう人混みで。)   (7/21 01:10:11)