Yuri・Annabel>
(【昼、屋-上、塔-屋、影。】それはいつから始まったか。一先ず入学して1月を満たすほどしか経っていないのだから、2ヶ月も前からの事じゃない。交流の期間はまだ短く、けれどこういったことを始めたのはかなり早くのことだった。お互いが読んだことのある図書室の本の中から1冊を選び、ちょっとした暗号を仕込んでおく。そうして、指定した場所に辿り着けたらオススメの本を紹介し、貸し借りしあう。本友とでも言おうか。見付けるのは大変なこともあり、お互いの都合上合っているのに待ち合わせ場所に合流できない事もある。それでもそれなりに、知らない本を読めるという点が特に気に入った交換会だった。『 ……………もぉちょいで読み終わー…るーからー、……ちょっとだけ、待ってー…………。 』昼休みの屋上、日影が落ちる塔屋の裏側。僅かに拭く風に髪を靡かせながら、体育座りで熱心に本を読み込む彼女の姿が今日、そこにあった。横に置かれた小さなトートバッグは、今回のオススメ本が入っているのか、なだらかに膨らんでいる。ほんの一瞬だけ横目で貴方の姿を捉えたかと思えば、また引き寄せられるは本の中。残っている頁は数ミリ程度で、大人しく待てればすぐ読み終わる事だろう。) (5/19 22:44:41)
相良 独>
(暗号を使った待ち合わせ。それは秘密の待ち合わせであり、アニメやドラマにおいて稀に見られるものである、というのは相良独の持論である。この暗号を通して交流を行うというのは彼の心を大いに刺激した。そして数少ない友人と呼べるものを作ることができたのだ。おすすめの本を紹介し合って貸し借りを行う交換会は数少ない娯楽であり、自らの知らない物語を知るという非常に貴重な機会を得ることができている。無表情な顔の下の心の表情はきっと喜んで跳ねていることだろう)「……あぁ、存分に読んでいたまえ。日が落ちようと自分は此処にいるから安心するといい」(熱心にその手に持つ物語の世界に引き込まれている貴女の姿を一瞥し、屋上の柵に腰掛ける。残っている頁を見る限りすぐに読み終わると分かるが、案外早く読み終わらない時だってある。後数頁のところで前の頁に戻って読み直す人がいることを知っているからだ。しかし、彼女はそれに値しない可能性が高いため、結果的にすぐに読み終わると独は予想した)>Yuri・Annabel (5/19 23:06:15)
Yuri・Annabel>
…………あーりがとー、……………………。( カバーの付いている本の内容はぱっと見では分からない。けれど身体を小さくして読み耽っている彼女の口角は常にご機嫌な弧を描いており、読み耽るだけあるお気に入りの本であることが伝わるだろう。貴方の予想通り、一方通行で彼女が読み終えたのは凡そ5分後のことだった。よぉしー、と満足げな吐息と共に息を吐き出し、彼女は思い切り身体を伸ばす。伸ばしながら、身体は少しずつ後ろに傾き…………ぶんっっ!そんな振り子の原理を用いて、勢いよく前に加速した彼女はその勢いに任せて立ち上がった。ほんの少しのバランス取りに、ぐんにゃりと腕が一瞬回っては、ぴしりっと気を付け!『 今回もご苦労、だよー。よくぞぉ、私の隠した暗号を見付けたなー 』かと思えば、足をハの字に開き、本を持った手の甲は腰に、残った手は柵に持たれる貴方の姿を真っ直ぐに指差した。ちょっとした気分と言おうか。ただ、じゃあ交換しようか、と会話を進めるよりも、こうした悪ふざけを踏まえた方が面白いような気がした。そして貴方なら、この意味のない面白さが分かるような人であるような、期待を込めて、そんな人であるような気がしたのだ。気を付け、仁王立ち、かと思えば今度はしゃがんでトートバッグを手に取る姿は落ち着きがなく、本を読んでいたときとは打って変わった動きっぷり。『 相良くんも、持ってきてるんだろうー? ふっふっふー……今回は何をおすすめしてー、くれるのかなー? 』 (5/19 23:27:00)
相良 独>
「あれくらいの暗号を見つけることは容易いことだ。俺にとって児戯に等しいことだからな」(柵に持たれたまま、腕を組んで少し不敵な笑みの様なものを浮かべてみる。マスクの下でその表情を浮かべているためあまり見えないだろうが、それでも貴女の悪ふざけに対して結構ノリノリで乗っている。こういう悪ふざけを行える仲というのは結構親しい仲ではないかと思う。そう思う理由としてはとある本の知識からだが、それを真に受けてそう考えるのは独くらいしかいないだろう)「あぁ、持ってきたさ。俺の読んできた本の中でもベスト5に入る本だ」(肩から下げられたバッグから本を取り出す。少し思わせぶりな態度を見せつつも、スッと本を取り出した)「コイツが今回俺が選んだモノ。心して受け取るが良い」(そうして取り出した本を貴女に手渡した。その本はそれなりに分厚く、ちょっと古めかしい雰囲気を纏っているものである。開いてみれば紙も少し古く黄ばみかけており、歴史を感じるものであった)「それはかなり古めの時代の小説だ。使われている表現は古く、調べても情報の断片も見つけられないマイナー中のマイナーのこの本。時代からも人からも忘れられた忘却の遺物とでも言うべきものだが、そこに描かれている物語は称賛に値するものだと俺は考えている。図書館の目立たぬ本棚の奥に隠されているかのように置かれていたこの本からは運命に似た可能性を感じだ。詳しい内容は…まぁ、読んでみればわかることだろう。あぁ、ただ頁が破れやすいから注意したまえ」(そう一気に早口で語った独の声は平坦だが、興奮しているかのように声がいつもより僅かばかり高くなっている。それだけお勧めしたい本であるのだろう) (5/20 00:11:15)
Yuri・Annabel>
( 余裕をたっぷりと含んだ不適な笑み、及び雰囲気を互いに匂わせるこの空間はともすれば闇取引の現場、…素性を知る者からすれば、何をしてるんだ、こいつら。と、白い目で見られるようなものだった。当人達からすれば真剣そのもののじゃれあいなのだが。『 なぁ………っ!べ、ベスト5、だとぅー 』雷に打たれたような。目を見開き仰け反る姿はややオーバーなリアクション。貴方の思わせ振りな態度も相まって、屋上には暫し、ゴゴゴゴゴ────ッ。そんなジョジ○めいた雰囲気が渦巻いていた。「コイツが今回俺が選んだモノ。心して受け取るが良い」『 こ、こいつぁー───!!!! 』受け取った本はかなり古めかしいものだった。年季の入った、古本市ですら他のものと一線を画す埃を被り、隅で眠るであろう代物。長老と呼びたくなるような存在感。恐る恐る表紙を捲れば、日に焼けた頁が微かな凹凸を作り出し、微かな影が出来ていた。掘り出し物も掘り出し物、下手すれば、旧時代の情報が詰まっている可能性もある。イーコールによって1度崩壊したこの世界。そんな世界において、旧時代の資料なんて大袈裟にみても100あるかどうかといった所だろう。瞳はキラキラと輝きを増し、高い高いのように本を抱えてはぐるんぐるんと回りだした。それほどのテンションの上がりよう。目が回る前に止まった彼女は力加減はしつつも、ぎゅうっと受け取ったばかりの本を抱き締めた。つい、今すぐ読んでしまいたい衝動に駆られる。けれど破れやすい本ともなれば、確実に安全だと言える場所で読むのが1番だ。……でも、………でもなぁ………『 ほーーーう、…ほほーーーー…うー、やるじゃあーないかー? ………………、……………………あとで大事にー読ませてもらうとしてー? 』ぷるぷると腕を震わす欲求を堪えて、本は無事にトートバッグの中へとしまわれた。『 私がおすすめする本はー…………これだぁー! 』俺のターン─────!!トートバッグから勢いよく取り出されたのは、〝雨降る本屋〟そんなタイトルの子供向けと思われる本だった。確りとした多少の水なら弾けるであろう表紙は艶々と輝き、そこには本棚と1人の女の子が写っている。『 雨降る本屋。図書館に来た女の子がー、変わった本屋に迷い混んじゃうお話だぁー。……カミサマの1種で説明付いちゃうけどー、不思議なロマンがあったってー、本の中でくらい良いじゃんねー…? ちいちゃい頃は、お星様を閉じ込めたゼリーとかー、食べてみたかったものだよー。……シリーズものだからー、気になったら続編も借りて読んでみるべしぃ、だよー 』超常現象は基本的にカミサマの証拠。調査対象だ。学校で怪談をして本物の怪異と出会ったら、十中八九それはカミサマ、回れ右して逃げるが鉄則。しかし本の中なら、神秘は証明されることなく保たれる。夢やロマンがあるじゃないか。旧時代とロマン思想。対称的ともいえる今日の2冊は、寧ろそのギャップが楽しさのポイントだった。) (5/20 00:50:37)
相良 独>
「この学校にこの様な稀覯本とも言うべき物ががあるとはだれも予想できないだろう。何しろ、古き時代の物は殆ど消え去ってしまったからな。本来なら博物館の様な歴史の保管庫に収められるべき貴重な物品だ。それがこの学校にあるとは……ユーリ、お前でも予想できぬだろう?」(旧時代の物は基本的に殆どが消滅しているといっても過言ではない。そんな物は基本的に国の機関や一部保管所にて厳重に収納されているものだが、この学校には何故か存在していた。偶々何処からか流れ着いたのだろうか、それとも誰かが意図的に持ち込んだのか。どっちの可能性もあり得るが、独はそれを気にすることはなかった。歴史的価値のある古き稀覯本。それは彼の探求心を惹くのに充分であった)「な、なにぃーーー」(貴女が本を勢いよく取り出すと同時にオーバーリアクションな反応を示すが、その反応と声は半比例している。いつもより声量が高いものの、抑揚がないせいで大声で棒読みしているようにしか聞こえない。反応の大袈裟さと棒読みの大声のギャップは酷いものだが、それが相良独という人間なのだ。だから仕方がないのだ)「ほぅ、シリーズものか。それはまた良いものを選んだな。シリーズものは読めば読むほど中に引き込まれていく魔性の物語。それを選ぶとは…やるじゃあないか」(貴女が取り出したものは子供向けの本と思われるが、子供向けと侮ること無かれ。時にそれは大人の心すら揺さぶるほどの力を秘めていることもある可能性の塊とも言うべき本なのだ)「ロマンは良い、とても良い。それは人の心を揺さぶり、高揚と憧れを齎す一種の可能性。物語に秘められた究極の……いや、すまない。少し熱くなってしまったな」(ロマンという事柄に独は気持ちが高揚する。物語にはロマンが秘められ、そのロマンが彼を物語に引き込んだと言っても過言ではない。独の今の思想を作り上げたと言っても良いことを熱く語ろうとしたが、それを既の所で飲み込んだ。あまり気持ちのまま話すことは相手にとって迷惑になるかもしれないといつだか言われた言葉。それを思い出して踏みとどまったのだ) (5/21 22:29:29)
Yuri・Annabel>
んむっふっふっふっー……そうだろうー、そうだろおー? ( 腕を組み、ちょっぴり後ろに仰け反った。知識を求めるものは皆友でありライバル、即ち戦友。そんな存在から驚かれ、誉められては嬉しくならない筈もない。オーバーなリアクションと抑揚のない声音は一見感情が読み取りがたく、とっつきにくいように感じる。けれど我々は戦友。その戦友の言葉を偽りであると疑うことがあるだろうか。それに、無表情気味なこと、間延びした口調が抑揚をあまり感じさせないことは、彼女だって同じだった。それでいて此処まで本の趣味が合う戦友、話すほどに〝コイツ、分かってるな〟という実感が湧く。『 熱くなりたまえよぅー、相良くん。 良いかねー??? 』くるっとターン、びしっと指差し!トートバッグを丁寧に床に置いた彼女は塔屋に近付き、足におもいっきり力を込めたかと思えば………『 んッ──しょおっ!!!』塔屋の縁に飛び付いた───!!!流石に1度では飛び乗れず、辿り着いた手でしがみついて、足がじたばた、じたばたと揺れ動きながらよじ登る。ちょっぴり深呼吸。掃除されることのない塔屋の天辺はちょっぴり汚い。けれど、貴方よりも5mは上の視界が誇らしかった。『 ロマンとは───物語に秘められた究極のドリーム───!!! 』『 猫がお話しする本の後はー、猫ちゃん話したりしないかなーってぇ、声かけてみたりー、かくれんぼの時とかぁ、隠れた場所からワンダーランドに行っちゃったりーってー、そわそわしたりぃ、本を読むとだねー、その世界の者達とお友達になれるのだよー?でもってぇ、今度は私も~~~ってー、いつもよりねー、世界が楽しくなるのさー 』『 もちろんー?物語以外も好きだけどねー?過去の偉人が残した問題とかー、予言とかー、研究資料とかー、読み応えあるしー、あー、生きてたんだなぁ………って感じがねー、本の中に生きてるんだなぁって感じがねー、好きなのだよー。 』ドヤァ───。そう文字が浮かんでそんなほどの盛大などや顔をかまして。塔屋の縁で平均台の真似事をして、ふらふらと両手を広げて歩きながら彼女は語った。そこに躊躇いや恥じらいはなく。だって、戦友、君なら分かるだろう?胸の高鳴り、本との対話、忘れられない高揚感。それに取り付かれた者が本の虫というもの。『 ほれほれー、相良くんにとってのー?ロマンはー? 』 (5/21 23:04:33)
相良 独>
「熱く…そう、熱く…か…」(両手を広げ、ロマンについて語る貴女を見て、その熱に感化されていく。"同類"であり"戦友"である"友人"の言葉は彼の胸の熱を熱く叩き、鍜治場から溢れる焔の様に燃え上がっていく)「俺にとってのロマンは…」(物心ついた時から、そんなものは決まっている。決まっていたといった方が正しいかもしれない。その時から今の時まで、彼を動かし続けた。体中に流れる血液と同じように、物語が彼の体を駆け巡って動かし続けた。その面と同じ無表情だった心に極彩色の色どりを与え、人生という物語を動かし始めてくれたのは、物語というロマン他ならないのだから)「ふっ…!」(足に力を込め、大きく飛び上がった独は塔屋の縁に飛びつき、貴女と同じ景色と目線の場所へと立ち上がった)「俺にとってのロマンは、物語そのものである!本に描かれし幾千幾万幾億の物語の数々!本に描かれしこと即ちそれはどのようなものであれ物語だ!そしてそれがロマンである!」(いつもよりちょっと抑揚の上がった声、高めの声量。昂った感情が、心の奥から湧き上がる熱が、独をいつもより一段階上へと引き上げる)「悲劇の恋物語、ハッピーエンドを迎える童話、誰しもが知る物語であろうと、その一つ一つにロマンがある。そのロマンは俺をその世界へと引き込み、そして多くを俺に授ける。叡智だろうと凡智であろうと、無意味なものはなく、そこには確かな意味が埋め込まれている。そして問題や予言といった物語とは関係のないように見えるものにも、それぞれ物語と意味が込められている。生きてきた者たちが描いたものには、例外なく物語がそこにあるのだから。そしてそれもロマン。彼らが描いた全ては俺の価値観と世界を広げより高位なものへと導いてくれる」(胸の高まりと共に早くなり多くなる口数と溢れる言葉。相良独という人間における価値観とロマンに対する思いを溢れさせる)「ああ、即ちロマンとは究極の可能性、無限に広がる世界そのもの。俺自身を成長させ、今を生きる物語を彩らせるアートとも言うべきか。それが俺はたまらなく好きで、生きる実感と喜びを与えてくれる熱である……といった感じだな」(そう言い終えて、彼の語りは終わった。他人とは違う独特な感性とその語り口は本に描かれた物語に取り憑かれた相良独の全てというべきか。貴女と同じ本の虫であり、それでいて物語に偏り過ぎた者。その価値観と独創性の混じった本心を恥じらいも躊躇いも捨て去り語り終えたのだった) (5/21 23:54:54)
Yuri・Annabel>
………やるなぁ……………。 ( 身長差約30cm。あっさりと戦友は追い付いて、そして少しだけ追い越してった。そんな背中に、力強く─流石に落ちない程度の力加減はしたが─掌を押し当てた。『 ……ふっふっふー、ふっふっふーのーふっふっふー、大志を抱いたなぁ?しょーおねんっ 』にやりと浮かんだ、顔には笑顔。差別も批判も、忠告だってかなぐり捨てた世界の天辺に、今我々は立っている。なんとなく、根拠もなしにそんな気分。昼休みの屋上で、暗号作って待ち合わせして、オススメの本を交換しあって、そして、世界の天辺でロマンに付いて語っている。くらくらするような夏の香りをなんとはなしに感じ取った。実際に感じるのは梅雨の香り。雨が近付く滑らかな風。だからこれも、そんな気分なだけかもしれない。でも、互いの熱量が此処だけの夏を呼び寄せたなら、それもまた、〝ロマン〟じゃないだろうか。………熱が体内時計を狂わせて、幾らでも過ごせそうなそんな気分は予鈴の鐘がかき消した。『 昼休み、短いなー………。……………5限目月始まる前にー、戻ろうかー…。次はそうだなぁ…………2週間後にでもー、どうかねー? 』見下ろせば、身長もプラスされて地上は随分と下に見える。任務時似たような高さを降りていると言えばそうなのだが……アドレナリンの問題か、それとこれは話が違う。最悪、木から降りられなくなった野良猫よろしく下ろしてもらおう。そんな魂胆を拵えて。Vサイン、数字の2の指、その掌には大きなロマンがきっと詰まってる。) (5/22 00:26:58)
相良 独>
「志は大きすぎる程度が良いのだぞ、少女よ。大志を抱けどかの有名なクラーク博士も言っていたのだからな」(マスクを外しニヤリと笑って見せる。滅多に見せないマスクの下の素顔を見せながら大きなゴツイ掌ををお返しと言わんばかりに―流石に加減しているが―押し当てた。心の底から語り合える友と二人だけの世界で会い、ロマンを語り合うなんてなんて素敵なことだろうと思う。ジメったい梅雨の空気すら気にならないほどの熱と爽やかさが高揚した二人の体を包み、一時の休息と平穏を与えてくれた。その熱と爽やかさは暑っ苦しい夏の香りと木陰に吹く初夏の風を思わせたが、それを引き裂くように鳴る予鈴の鐘。浮かれていて物語に浸っているような気分であった二人を残酷に冷酷に現実へと引き戻したのだった)「そうだな、それくらいが丁度良いだろう。じっくりと味わうにはそれほどの時間がいるだろうからな」(無限に続くと思っていた時間にも終わりが訪れ、次の授業へと向かわねばいけない時になった。熱くなっていた体も次第に冷めていき、いつも通りの抑揚と声量へと戻っていく。だがその表情だけは先ほどの余韻というべきか、まだ楽しげな雰囲気が残ったままになっている。Vサインを描いている貴女の意図を察して下ろしてあげた後、その小さな掌に大きな掌を重ねて。二人の一時の別れと今後の検討を祈るハイタッチが、二人の秘密の集まりの終わりを意味する合図となったのだった)〆 (5/22 00:48:04)